特許第5955384号(P5955384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5955384トップテープ装填装置およびテープ自動セット装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955384
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】トップテープ装填装置およびテープ自動セット装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20160707BHJP
【FI】
   H05K13/02 B
【請求項の数】9
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-520834(P2014-520834)
(86)(22)【出願日】2012年6月11日
(86)【国際出願番号】JP2012064951
(87)【国際公開番号】WO2013186848
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2015年4月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】立岩 剛
(72)【発明者】
【氏名】神田 知久
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−533943(JP,A)
【文献】 特表2005−539370(JP,A)
【文献】 特開2011−119388(JP,A)
【文献】 特開2011−216793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K3/30,13/00−13/08
B65H19/00−19/30,21/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープフィーダにトップテープを装填するトップテープ装填装置であって、
前記テープフィーダは、第一テープ保持部においてキャリアテープから前記トップテープを剥離するとともに、剥離した前記トップテープを前記第一テープ保持部から第二テープ保持部まで所定の転送経路で送り出し、
前記トップテープ装填装置は、
仮テープを前記トップテープの前記転送経路に倣った形状に成形して保持する経路成形装置と、
前記第一テープ保持部において前記キャリアテープから剥離された前記トップテープに、前記経路成形装置に保持された前記仮テープを連結する連結装置と、
前記トップテープに連結された前記仮テープを前記経路成形装置から前記テープフィーダに移載する移載装置と、
を備えるトップテープ装填装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記経路成形装置は、
前記経路成形装置における前記テープフィーダの前記第一テープ保持部および前記第二テープ保持部の一方に対応する位置から他方に対応する位置まで前記仮テープの端部を移送する移送部と、
前記移送部の移送により張られた前記仮テープの一部を押し出して前記転送経路に倣った形状に成形する第一押出部と、
を有するトップテープ装填装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記経路成形装置は、前記仮テープが前記トップテープと連結される部位に当該トップテープと対向する対向面を有するように、前記移送部の移送により張られた前記仮テープの一部を押し出して前記仮テープに前記対向面を形成する第二押出部を有するトップテープ装填装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記移送部は、前記仮テープの端部を保持した状態で回転することにより前記仮テープの端部を移送し、
前記第一押出部および前記第二押出部は、
前記移送部とそれぞれ接触して当該移送部の回転に伴って回転するようにそれぞれ支持され、
前記移送部が前記仮テープの端部を移送する際に当該移送に伴う前記移送部の回転に連動して、前記移送部の移送により張られた前記仮テープの一部をそれぞれ押し出すトップテープ装填装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記移載装置は、前記経路成形装置の前記第一押出部および前記第二押出部の少なくとも一方を、前記仮テープを押し出した際の回転方向とは反対方向にそれぞれ回転させて、前記経路成形装置が保持する前記仮テープを前記テープフィーダに移載するトップテープ装填装置。
【請求項6】
請求項2〜5の何れか一項において、
前記テープフィーダは、前記第一テープ保持部および前記第二テープ保持部の間に配置された案内部を経由させる前記転送経路で前記トップテープを送り出し、
前記第一押出部は、
拡開可能に支持され弾性部材により連結された複数のピンを有し、
前記仮テープの一部を押し出す際に、前記弾性部材により初期間隔に維持された前記複数のピンによって前記仮テープを保持し、
前記移載装置は、
前記経路成形装置が保持する前記仮テープに張力を付与可能な張力付与部を有し、
前記経路成形装置から前記テープフィーダに前記仮テープを移載する際に、前記張力付与部が前記複数のピンによって保持された前記仮テープに張力を付与することにより、前記弾性部材の弾性力に抗して前記複数のピンを拡開させながら前記案内部の両側を通過させて、前記仮テープを前記案内部に移載するトップテープ装填装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項において、
前記連結装置は、前記トップテープと前記仮テープを加熱処理することにより連結するトップテープ装填装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項において、
前記仮テープは、前記トップテープと同形状および同素材により形成されているトップテープ装填装置。
【請求項9】
前記トップテープが接着された前記キャリアテープをテープリールから引き出して、前記テープフィーダにおける前記テープリールの収容部から前記第一テープ保持部まで搬送するテープ搬送装置と、
前記テープ搬送装置により搬送された前記キャリアテープから前記第一テープ保持部において剥離された前記トップテープに前記転送経路に倣った形状に成形された前記仮テープを連結し、保持する前記仮テープを前記テープフィーダに移載する、請求項1〜8の何れか一項のトップテープ装填装置と、
を備えるテープ自動セット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品包装テープのトップテープをテープフィーダに装填するトップテープ装填装置、およびトップテープ装填装置を備えるテープ自動セット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装機は、回路基板に電子部品を実装して電子回路製品を生産する装置として用いられる。この部品実装機は、テープリールに巻回された部品包装テープをテープフィーダにセットして、部品実装機における部品吸着位置に電子部品を供給している。また、この部品包装テープは、電子部品を一定間隔で収容するキャリアテープにトップテープを接着して構成されている。そのため、テープフィーダは、部品吸着位置において部品実装機が電子部品を吸着できるように、セットされた部品包装テープのキャリアテープからトップテープを剥離している。
【0003】
また、部品実装機は、テープフィーダによりキャリアテープから剥離したトップテープを所定の転送経路で送り出して、トップテープを回収している。そのため、テープフィーダに部品包装テープをセットするには、以下のような手順を要する。先ず、テープリールから部品包装テープを引き出して、部品実装機の部品吸着位置に対応する位置に配置された第一テープ保持部に保持させる。次に、第一テープ保持部において剥離されたトップテープを上記の転送経路に沿うように引き回して、テープフィーダにおけるトップテープの排出位置に配置された第二テープ保持部に保持させる。
【0004】
このように、部品包装テープのセットには作業者の手間が掛かるため、作業効率などの観点からは部品包装テープのセットに要する時間の短縮が求められる。そこで、例えば特許文献1,2には、このようなテープフィーダへの部品包装テープのセットを自動化する装置が記載されている。特許文献1の装置は、キャリアテープから剥離したトップテープを、テープ装着アームにより排出部まで移送する構成となっている。また、特許文献2の装置は、トップテープの端末部を吸引ポンプにより吸引し、加熱ローラにより巻き取りリールに固着する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−175686号公報
【特許文献2】特開平11−087991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、テープフィーダの第一テープ保持部から第二テープ保持部までトップテープを所定の転送経路で引き回す際には、第一テープ保持部においてトップテープを剥離しながら、部品包装テープをトップテープの引き回しに同期して送り出す必要がある。そのため、トップテープの引き回しを行う機構および制御が複雑となるおそれがある。
【0007】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、テープフィーダにトップテープを自動的にセットするトップテープ装填装置およびテープ自動セット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係るトップテープ装填装置は、テープフィーダにトップテープを装填するトップテープ装填装置であって、前記テープフィーダは、第一テープ保持部においてキャリアテープから前記トップテープを剥離するとともに、剥離した前記トップテープを前記第一テープ保持部から第二テープ保持部まで所定の転送経路で送り出し、前記トップテープ装填装置は、仮テープを前記トップテープの前記転送経路に倣った形状に成形して保持する経路成形装置と、前記第一テープ保持部において前記キャリアテープから剥離された前記トップテープに、前記経路成形装置に保持された前記仮テープを連結する連結装置と、前記トップテープに連結された前記仮テープを前記経路成形装置から前記テープフィーダに移載する移載装置と、を備える。
【0009】
このような構成によると、部品包装テープをテープフィーダにセットする際に、テープリールから部品包装テープを引き出して第一テープ保持部に保持させた後に、トップテープを転送経路に沿うように引き回すことなく、トップテープが第二テープ保持部に保持された状態と同様にすることができる。つまり、トップテープ装填装置は、転送経路に倣った形状に成形された仮テープをトップテープに連結して延長し、その仮テープをテープフィーダに移載することでトップテープを装填している。これにより、テープフィーダがトップテープを所定の転送経路で第二テープ保持部まで送り出し可能となるように、テープフィーダにトップテープを自動的にセットすることができる。
【0010】
請求項2に係るトップテープ装填装置において、前記経路成形装置は、前記経路成形装置における前記テープフィーダの前記第一テープ保持部および前記第二テープ保持部の一方に対応する位置から他方に対応する位置まで前記仮テープの端部を移送する移送部と、前記移送部の移送により張られた前記仮テープの一部を押し出して前記転送経路に倣った形状に成形する第一押出部と、を有する。
【0011】
このような構成によると、種々の転送経路に対応して、仮テープを転送経路に倣った形状に成形することができる。仮テープを転送経路に倣った形状に成形するには、仮テープを転送経路に沿うように引き回すことでも可能である。しかし、上記構成のように、移送部と第一押出部に機能を分けることで、各機構の構成および制御を簡易にすることができる。
【0012】
請求項3に係るトップテープ装填装置において、前記経路成形装置は、前記仮テープが前記トップテープと連結される部位に当該トップテープと対向する対向面を有するように、前記移送部の移送により張られた前記仮テープの一部を押し出して前記仮テープに前記対向面を形成する第二押出部を有する。
【0013】
このような構成によると、連結装置によるトップテープと仮テープの連結の際に、経路成形装置における第一テープ保持部に対応する位置に仮テープを位置させることに加えて、両テープを対向させることができる。これにより、連結装置による種々の連結方法によっても両テープを連結しやすくできるので、両テープをより確実に連結することができる。
【0014】
請求項4に係るトップテープ装填装置において、前記移送部は、前記仮テープの端部を保持した状態で回転することにより前記仮テープの端部を移送し、前記第一押出部および前記第二押出部は、前記移送部とそれぞれ接触して当該移送部の回転に伴って回転するようにそれぞれ支持され、前記移送部が前記仮テープの端部を移送する際に当該移送に伴う前記移送部の回転に連動して、前記移送部の移送により張られた前記仮テープの一部をそれぞれ押し出す。
【0015】
このような構成によると、第一押出部および第二押出部は、移送部の回転に伴って回転して仮テープの一部をそれぞれ押し出すことができる。よって、移送部の動力を利用して第一押出部および第二押出部を回転させることができる。また、移送部の回転に連動して第一押出部および第二押出部が動作するため、経路成形装置は、移送部の移送に別段同期させる制御を行うことなく、トップテープの転送経路に倣った形状に仮テープを成形することができる。
【0016】
請求項5に係るトップテープ装填装置において、前記移載装置は、前記経路成形装置の前記第一押出部および前記第二押出部の少なくとも一方を、前記仮テープを押し出した際の回転方向とは反対方向にそれぞれ回転させて、前記経路成形装置が保持する前記仮テープを前記テープフィーダに移載する。
【0017】
このような構成によると、移載装置は、第一押出部および第二押出部の少なくとも一方を逆回転させて仮テープの移載を行う。経路成形装置は、上記のように、第一押出部および第二押出部をそれぞれ回転させることで、トップテープの転送経路に倣った形状に仮テープを成形して保持している。そのため、第一押出部および第二押出部の少なくとも一方を逆回転させることで、テープフィーダの第二テープ保持部に、またはテープフィーダがトップテープを案内支持する案内部を有する場合には当該案内部に、仮テープを受け渡すようにして退避することができる。
【0018】
請求項6に係るトップテープ装填装置において、前記テープフィーダは、前記第一テープ保持部および前記第二テープ保持部の間に配置された案内部を経由させる前記転送経路で前記トップテープを送り出し、前記第一押出部は、拡開可能に支持され弾性部材により連結された複数のピンを有し、前記仮テープの一部を押し出す際に、前記弾性部材により初期間隔に維持された前記複数のピンによって前記仮テープを保持し、前記移載装置は、前記経路成形装置が保持する前記仮テープに張力を付与可能な張力付与部を有し、前記経路成形装置から前記テープフィーダに前記仮テープを移載する際に、前記張力付与部が前記複数のピンによって保持された前記仮テープに張力を付与することにより、前記弾性部材の弾性力に抗して前記複数のピンを拡開させながら前記案内部の両側を通過させて、前記仮テープを前記案内部に移載する。
【0019】
このような構成によると、移載装置は、複数のピンを拡開させながらテープフィーダの案内部の両側を通過させ、複数のピンにより保持していた仮テープを案内部に移載する。これにより、第一押出部から案内部に仮テープを受け渡すようにして複数のピンを退避することができる。よって、移載装置は、好適に仮テープの保持を経路成形装置からテープフィーダの案内部に移すことができる。
【0020】
請求項7に係るトップテープ装填装置において、前記連結装置は、前記トップテープと前記仮テープを加熱処理することにより連結する。
【0021】
このような構成によると、連結装置は、接着部材などを要することなく、トップテープに仮テープを容易に連結することができる。また、キャリアテープから剥離されたトップテープの剥離面に仮テープを連結する場合には、トップテープの剥離面にキャリアテープと接着するために接着剤が残存しており、加熱処理によりこの接着剤を軟化させて再度接着剤として機能させることができる。
【0022】
請求項8に係るトップテープ装填装置において、前記仮テープは、前記トップテープと同形状および同素材により形成されている。
【0023】
このような構成によると、仮テープは、トップテープの幅、厚みとなる同形状に形成される。また仮テープは、トップテープが樹脂により形成されている場合には樹脂により形成される。ここで、トップテープ装填装置により仮テープをテープフィーダに移載して保持させている状態においては、トップテープが延長されて実質的にテープフィーダにセットされた状態であるが、キャリアテープから剥離されたトップテープが第二テープ保持部まで確実に送り出し可能とする必要がある。そこで、仮テープをトップテープと同形状および同素材とすることで、連結後のトップテープが仮テープにより確実に導かれて第二テープ保持部まで送り出すことができる。
【0024】
請求項9に係るテープ自動セット装置は、前記トップテープが接着された前記キャリアテープをテープリールから引き出して、前記テープフィーダにおける前記テープリールの収容部から前記第一テープ保持部まで搬送するテープ搬送装置と、前記テープ搬送装置により搬送された前記キャリアテープから前記第一テープ保持部において剥離された前記トップテープに前記転送経路に倣った形状に成形された前記仮テープを連結し、保持する前記仮テープを前記テープフィーダに移載するトップテープ装填装置と、を備える。
【0025】
このような構成によると、テープ搬送装置によりテープリールの収容部から第一テープ保持部までキャリアテープを搬送し、さらにトップテープ装填装置により仮テープをテープフィーダに移載してトップテープを装填することができる。つまり、テープフィーダに部品包装テープを自動的にセットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態におけるテープ自動セット装置の概略を示す平面図である。
図2】部品包装テープをセットされるテープフィーダの概略を示す斜視図である。
図3図2における第一テープ保持部を拡大して示す斜視図である。
図4図2における第二テープ保持部を拡大して示す斜視図である。
図5】部品包装テープの概略を示す斜視図である。
図6】テープフィーダに部品包装テープがセットされた状態を示す図である。
図7図1におけるフィーダ保持台の概略を示す斜視図である。
図8図1における第一テープ搬送装置の概略を示す斜視図である。
図9図1における第二テープ搬送装置、第一開放装置、および第二開放装置の概略を示す斜視図である。
図10図1におけるトップテープ装填装置の概略を示す平面図である。
図11】トップテープ装填装置とテープフィーダの位置関係を示す平面図である。
図12図10における経路成形装置の動作を説明する第1の図である。
図13図10における経路成形装置の動作を説明する第2の図である。
図14図1におけるフィーダ保持台に第一テープ搬送装置および第二テープ搬送装置が接近した状態を示す図である。
図15】部品包装テープがテープフィーダの第一テープ保持部に保持された状態を示す斜視図である。
図16図1におけるフィーダ保持台に第二開放装置およびトップテープ装填装置が接近した状態を示す図である。
図17図16におけるテープフィーダとトップテープ装填装置の一部を透視して示す図である。
図18】テープフィーダに仮テープを移載する動作を説明する第1の図である。
図19】テープフィーダに仮テープを移載する動作を説明する第2の図であり、複数のピンで仮テープを保持している状態を示す拡大図である。
図20】テープフィーダに仮テープを移載する動作を説明する第3の図であり、トップテープ送りガイドのガイドローラに仮テープが移載された状態を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<実施形態>
実施形態に係るテープ自動セット装置の構成について図面を参照して説明する。図1に示すテープ自動セット装置1は、図2に示すテープフィーダ90に、図5に示す部品包装テープ2を自動的にセットする装置である。より詳細には、テープ自動セット装置1は、テープリール3から部品包装テープ2を引き出してテープフィーダ90のピッチ送り機構部93にセットするとともに、キャリアテープ21から剥離されたトップテープ22を所定の経路で取り回してトップテープ送り出し機構部97にセットすることを目的とするものである。
【0028】
なお、以下の説明において、部品包装テープ2をテープフィーダ90にセットする際にテープリール3から部品包装テープ2を引き出すテープ搬送方向を基準として、当該テープ搬送方向に直交する水平方向をX方向(図1の左右方向)とし、テープ搬送方向に平行な水平方向をY方向(図1の上下方向)とし、X方向およびY方向と直交する垂直方向をZ方向(図1の前後方向)とする。
【0029】
(テープフィーダの構成)
ここで、部品包装テープ2をセットする対象であるテープフィーダ90について説明する。テープフィーダ90は、図2に示すように、フィーダ本体91の後端側(図2において右側)には、部品包装テープ2が巻回されたテープリール3を収容可能なリール収容部92を有している。テープフィーダ90は、フィーダ本体91の前端側(図2において左側)の上部には、テープリール3から引き出された部品包装テープ2をピッチ送りするピッチ送り機構部93を有している。また、フィーダ本体91の上面部におけるリール収容部92とピッチ送り機構部93との間には、ピッチ送りされる部品包装テープ2を案内するテープ経路を形成するテープ送りガイド94が設けられている。
【0030】
ピッチ送り機構部93は、スプロケット93aと、該スプロケット93aを回転駆動するモータ93bを備えている。また、ピッチ送り機構部93には、ピッチ送りされる部品包装テープ2がピッチ送り機構部93から外れないように部品包装テープ2を保持する第一テープ保持部95が設けられている。
【0031】
第一テープ保持部95は、図3に示すように、後端側がスプロケット93aの径方向に移動可能となるように、前端部に回転支点95aが設けられている。第一テープ保持部95は、後端側にレバー95bが突設されているとともに、第一テープ保持部95の後端部を下方に引っ張るように収縮するコイルばね(図示せず)が組付けられている。このような構成により、第一テープ保持部95は、通常の状態においてスプロケット93aとの間で部品包装テープ2を保持し、レバー95bを持ち上げられた状態においてテープ保持を開放するようになっている。
【0032】
また、第一テープ保持部95の上面部95cは、部品包装テープ2を被覆するとともに、前端側が部品吸着位置Pとして開口されている。テープフィーダ90は、部品包装テープ2を第一テープ保持部95により保持しつつ、第一テープ保持部95の上面部95cにおける開口の後端側縁部であるトップテープ剥離部95dを支点としてトップテープ22をテープフィーダ90の後端側に引っ張ることによって、キャリアテープ21からトップテープ22を引き剥がすようになっている。
【0033】
フィーダ本体91の前端面には、図2に示すように、通信コネクタ96aと2つの位置決めピン96bが設けられている。通信コネクタ96aは、フィーダ保持台10の通信ジャック15(図7参照)に接続され、図示しないコントロール基板のフィーダ制御部と制御装置100との間で通信可能とし、またテープフィーダ90の各部に給電する電力を供給される電源ピンとしても機能する。2つの位置決めピン96bは、上下方向にそれぞれ離間して配置され、フィーダ保持台10および部品実装機(図示せず)に対する保持位置を決めるために用いられる。
【0034】
また、フィーダ本体91の中央下部には、トップテープ剥離部95dで引き剥がされたトップテープ22を部品包装テープ2のピッチ送り方向とは反対方向に送り出すトップテープ送り出し機構部97が設けられている。このトップテープ送り出し機構部97は、ギア97aと、該ギア97aを回転駆動するモータ97bとを備えている。また、トップテープ送り出し機構部97には、送り出されるトップテープ22がトップテープ送り出し機構部97から外れないようにトップテープ22を保持する第二テープ保持部98が設けられている。
【0035】
第二テープ保持部98は、図4に示すように、トップテープ送り出し機構部97のギア97aと噛合可能なギア98aと、該ギア98aをギア97aの径方向に移動可能とする回転支点98bを有するアーム98cと、該アーム98cから下方に突出するレバー98dと、アーム98cをギア97a側に収縮するコイルばね98eとが設けられている。このような構成により、第二テープ保持部98は、通常の状態においてギア98aをトップテープ送り出し機構部97のギア97aと噛合させてトップテープ22を保持し、レバー98dをコイルばね98eの弾性力に抗して移動された状態においてテープ保持を開放するようになっている。
【0036】
フィーダ本体91のトップテープ剥離部95dとトップテープ送り出し機構部97との間には、トップテープ剥離部95dで引き剥がされたトップテープ22をトップテープ送り出し機構部97に案内するトップテープ送りガイド99が設けられている。このトップテープ送りガイド99は、一対のガイドローラ99a,99bで構成された案内部であり、テープ送りガイド94上をピッチ送りされる部品包装テープ2よりも上方に位置するように設けられている。そして、テープフィーダ90の先端側に配置されている一方のガイドローラ99aは、トップテープ22のたるみを防止するためにトップテープ22に張力を付与するローラとして設けられている。
【0037】
ここで、部品包装テープ2は、図5に示すように、部品4が所定ピッチで収納されたキャリアテープ21と、キャリアテープ21の上面に接着されて部品4を覆うトップテープ22とにより構成される。部品包装テープ2の幅方向一側の縁部には、一定ピッチで部品包装テープ送り孔23が穿孔されている。これにより、部品包装テープ2は、ピッチ送り機構部93のスプロケット93aが回転することでスプロケット93aの歯が部品包装テープ送り孔23に順番に嵌まり込みながらピッチ送りされるようになっている。また、部品包装テープ2は、テープフィーダ90にセットされる際に、トップテープ22の先端部22aがキャリアテープ21の先端から突き出るように調整されている。
【0038】
部品包装テープ2は、部品供給する場合に、テープリール3から引き出されて第一テープ保持部95により保持され、トップテープ剥離部95dでキャリアテープ21からトップテープ22を引き剥がされる。引き剥がされたトップテープ22は、図6に示すように、第一テープ保持部95から第二テープ保持部98まで、一対のガイドローラ99a,99bを経由した転送経路で取り回される。そして、テープフィーダ90は、ピッチ送り機構部93のモータ93bとトップテープ送り出し機構部97のモータ97bを同期して駆動することにより、キャリアテープ21をピッチ送りするとともに、トップテープ22を所定の転送経路で送り出すようになっている。
【0039】
(テープ自動セット装置の構成)
テープ自動セット装置1は、図1に示すように、テープフィーダ90を保持するフィーダ保持台10と、部品包装テープ2を搬送する第一、第二テープ搬送装置30,40と、テープフィーダ90の第一、第二テープ保持部95,98(図2参照)によるテープの保持をそれぞれ開放する第一、第二開放装置50,60と、テープフィーダ90に仮テープ77を移載してトップテープ22を装填するトップテープ装填装置70と、各装置の動作を制御する制御装置100を備えて構成される。
【0040】
フィーダ保持台10は、図1に示すように、保持したテープフィーダ90のテープ搬送方向がY方向に平行となるように、基台5上の中央部に配置されている。フィーダ保持台10は、図7に示すように、テープフィーダ90を保持する台座11を備えている。この台座11には、フィーダ本体91の底面が載置される載置部12と、フィーダ本体91の前端面が当接される当接部13とが設けられている。載置部12上には、フィーダ本体91の下部両側面を挟持する一対の支持ガイド14が設けられている。当接部13には、テープフィーダ90の通信コネクタ96aが接続されて通信可能に且つ電力供給可能とする通信ジャック15と、テープフィーダ90の2つの位置決めピン96bが差込まれて位置決めされる位置決め穴16とが設けられている。
【0041】
第一、第二テープ搬送装置30,40は、フィーダ保持台10に保持されたテープフィーダ90を挟んで斜向かいに基台5上のX方向両側にそれぞれ配置されている。第一テープ搬送装置30は、図1および図8に示すように、搬送される部品包装テープ2を案内するガイド31と、搬送方向に配置された2つの駆動ローラ32と、各駆動ローラ32の下方からそれぞれ当接するように配置された2つの従動ローラ33と、各駆動ローラ32を回転駆動する2つのギアモータ34とを備えている。
【0042】
ガイド31は、始端側の駆動ローラ32の手前と、2つの駆動ローラ32の間と、終端側の駆動ローラ32の先とにそれぞれ上下に一対で配置されている。各駆動ローラ32は、Y方向に所定間隔で並んで配置されている。各従動ローラ33は、図示しないばねで対応する駆動ローラ32側にそれぞれ付勢されて、駆動ローラ32との接触状態を維持されている。
【0043】
第二テープ搬送装置40は、図1および図9に示すように、搬送される部品放送テープ2を案内するガイド41と、搬送方向に配置された2つの駆動ローラ42と、各駆動ローラ42を回転駆動する2つのギアモータ43とを備えている。ガイド41は、始端側の駆動ローラ42の手前と、2つの駆動ローラ42の間と、終端側の駆動ローラ42の先とにそれぞれ配置されている。各駆動ローラ42は、Y方向に所定間隔で並んで配置されている。
【0044】
また、第一、第二テープ搬送装置30,40は、図示しない支持板を介して台座35,44にそれぞれ載置固定されている。第一テープ搬送装置30の台座35は、基台5上に所定間隔をあけてX方向に延在するように設けられている一対のレール36上に、X方向にスライド可能に配置されている。さらに、台座35は、エアーシリンダ37のシリンダロッド37aに接続されている。エアーシリンダ37は、基台5上の一対のレール36の間に配置され、図示しないエアー供給源に接続されている。
【0045】
第二テープ搬送装置40の台座44、レール45、エアーシリンダ46、およびシリンダロッド46aは、第一テープ搬送装置30の台座35、レール36、エアーシリンダ37、およびシリンダロッド37aとそれぞれ対応し、実質的に同一であるため詳細な説明を省略する。そして、このような構成により、第一、第二テープ搬送装置30,40は、フィーダ保持台10に保持されたテープフィーダ90をX方向から挟むように接近または退避可能となっている。
【0046】
また、フィーダ保持台10にテープフィーダ90が保持され、第一、第二テープ搬送装置30,40がテープフィーダ90に接近したとき、搬送される部品包装テープ2は、第一テープ搬送装置30の一対のガイド31の間隙を通って案内され、さらに第二テープ搬送装置40のガイド41とテープフィーダ90のテープ送りガイド94との間隙を通って案内されるようになっている。
【0047】
第一、第二開放装置50、60は、フィーダ保持台10に保持されたテープフィーダ90のテープ搬送方向の左側(図1の左側)に基台5上に配置されている。第一開放装置50は、図1および図9に示すように、第一テープ保持部95のレバー95bをZ方向に移動可能な第一リフトレバー51と、第一リフトレバー51の先端がテープフィーダ90側に突出するように支持された支持台52と、支持台52をZ方向に移動可能なように第二テープ搬送装置40の台座44上に図示しない支持板を介して固定されたエアーシリンダ53とを備えている。
【0048】
第二開放装置60は、第二テープ保持部98のレバー98dをY方向に移動可能な第二リフトレバー61と、第二リフトレバー61の先端がテープフィーダ90側に突出するように支持された支持台62と、支持台62をY方向に移動可能とするエアーシリンダ63とを備えている。このエアーシリンダ63は、図示しない支持板を介して台座64に載置固定されている。
【0049】
第二開放装置60の台座64は、基台5上に所定間隔をあけてX方向に延在するように設けられた一対のレール65上に、X方向にスライド可能に配置されている。さらに、台座64は、台座移動用のエアーシリンダ66のシリンダロッド66aに接続されている。台座移動用のエアーシリンダ66は、基台5上の一対のレール65の間に配置され、図示しないエアー供給源に接続されている。
【0050】
トップテープ装填装置70は、フィーダ保持台10に保持されたテープフィーダ90のトップテープ送り出し機構部97が露呈している側(図1の右側、図2に示すテープフィーダ90の裏側)に基台5上に配置されている。トップテープ装填装置70は、図10に示すように、経路成形装置71と、連結装置72と、移載制御装置73とを備えている。
【0051】
経路成形装置71は、仮テープ77をトップテープ22の転送経路に倣った形状に成形して保持するものである。ここで、「仮テープ」とは、トップテープ22の取り回し部分を予め成形される延長テープである。本実施形態においては、仮テープ77は、トップテープ22と同形状および同素材により形成され、仮テープリール78に巻回されて経路成形装置71に保持されている。詳細は後述する。
【0052】
また、トップテープ22の「転送経路」とは、テープフィーダ90がトップテープ22を第一テープ保持部95から第二テープ保持部98まで送り出す際に、当該トップテープ22の移動軌跡に相当するものである。より詳細には、図11の太破線部で強調して示される部位が、テープフィーダ90におけるトップテープ22の転送経路である。そして、経路成形装置71は、このトップテープ22の転送経路に倣った形状(図11の太実線部)、即ち当該転送経路に概ね沿った形状に仮テープ77を成形するものである。
【0053】
連結装置72は、テープフィーダ90の第一テープ保持部95においてキャリアテープ21から剥離されたトップテープ22に、経路成形装置71に保持された仮テープ77を連結するものである。この連結装置72は、経路成形装置71の本体プレート81に固定されている。また、連結装置72は、本実施形態においては、斜め上方向(図10の右上方向)に延びる加熱部材72aにより、トップテープ22と仮テープ77を加熱処理して連結する。
【0054】
移載制御装置73は、トップテープ22に連結された仮テープ77を経路成形装置71からテープフィーダ90に移載する移載装置である。移載制御装置73は、図1に示すように、張力付与部73aを有し、本実施形態においては、経路成形装置71の動作を制御するとともに、制御装置100と通信して第二開放装置60の動作を制御することにより仮テープ77の移載を行っている。当該制御の詳細については後述する。
【0055】
このような構成からなるトップテープ装填装置70は、経路成形装置71が図示しない支持板を介して台座74にそれぞれ載置固定されている。トップテープ装填装置70の台座74は、図1に示すように、基台5上に所定間隔をあけてX方向に延在するように設けられている一対のレール75上に、X方向にスライド可能に配置されている。さらに、台座74は、エアーシリンダ76のシリンダロッド76aに接続されている。エアーシリンダ76は、基台5上の一対のレール75の間に配置され、図示しないエアー供給源に接続されている。
【0056】
制御装置100は、第一テープ搬送装置30および第二テープ搬送装置40の動作を制御するテープ搬送制御部101と、第一開放装置50および第二開放装置60の動作を制御するテープ保持開放制御部102と、トップテープ装填装置70の動作を制御するトップテープ装填制御部103とを備えている。
【0057】
(トップテープ装填装置70の詳細構成)
トップテープ装填装置70の経路成形装置71は、図10に示すように、本体プレート81と、移送部82と、第一押出部83と、第二押出部84とを備えて構成される。本体プレート81は、全体形状としては矩形状からなる板部材である。この本体プレート81には、円弧形状の案内孔811,812,813が同心に形成されている。また、本体プレート81の正面には、仮テープ77を外側から接触して支持する外側支持ピン機構部814と、仮テープリール78から引き出された仮テープ77を案内支持する一対の仮テープ支持ローラ815が配置されている。
【0058】
本体プレート81の外側支持ピン機構部814には、図19に示すように、回転支点814aにより本体プレート81に回転可能に支持プレート814bが設けられている。この支持プレート814bの先端部には、仮テープ77を支持するためのピン814cがX方向に突出するように取り付けられている。
【0059】
移送部82は、図10に示すように、本体プレート81の背面側に配置され、回転支点821により案内孔811の円弧中心において回転可能に支持されている。移送部82の先端部には、本体プレート81の外周側に位置する案内孔811の縁部に支持され、本体プレート81の正面側で仮テープ77を把持可能な把持爪822が配置されている。
【0060】
移送部82の回転支点821と把持爪822の間には、移送部82の周方向に伸びるアーム823,824が固定されている。移送部82の下方側(図10の下側)に位置するアーム823の先端部には、本体プレート81の中間に位置する案内孔812の縁部に支持され、本体プレート81の正面側に突出した2つの接触ローラ825が回転可能に支持されている。また、移送部82の上方側(図10の上側)に位置するアーム824の先端部には、本体プレート81の内周側に位置する案内孔813の縁部に支持され、本体プレート81の正面側に突出した接触ローラ826が回転可能に支持されている。
【0061】
このような構成により、移送部82は、図示しない駆動モータにより回転されると、把持爪822により把持した仮テープ77の端部を、案内孔811に沿って移送可能となっている。そして、移送部82が初期角度から所定の移送完了角度まで回転すると、図11に示すように、経路成形装置71における第一位置P1,第二位置P2を経由して、第三位置P3まで仮テープ77の端部を移送する。ここで、第一位置P1は第二テープ保持部98に、第二位置P2はトップテープ送りガイド99に、第三位置P3は第一テープ保持部95にそれぞれ対応する位置である。
【0062】
第一押出部83は、図10に示すように、本体プレート81の正面側に配置され、回転支点831により回転可能に支持されている。この第一押出部83は、図示しない弾性部材により回転支点831を中心に時計回りに付勢されて、初期状態においては移送部82の接触ローラ826と接触した状態を維持されている。第一押出部83の正面には、仮テープ77を内側から接触して支持する内側支持ピン機構部832、および2つの案内ピン833が配置されている。
【0063】
第一押出部83の内側支持ピン機構部832には、図19に示すように、回転支点832aにより第一押出部83に回転可能に2つの支持プレート832b,832cが設けられている。各支持プレート832b,832cの先端部には、仮テープ77を支持するためのピン832d,832eがX方向に突出するように取り付けられ、それぞれ回転支点832aの回りに回転可能となっている。
【0064】
また、各ピン832d,832eは、各支持プレート832b,832cを介して引張りばね832fに連結され、当該引張りばね832fの弾性力により初期間隔に維持されている。本実施形態においては、図19に示すように、各支持プレート832b,832cが互いに約90度ずれた角度における各ピン832d,832eの距離を初期間隔としている。
【0065】
第二押出部84は、図10に示すように、本体プレート81の正面側に配置され、回転支点841により回転可能に支持されている。この第二押出部84は、図示しない弾性部材により回転支点841を中心に時計回りに付勢されて、初期状態においては移送部82の各接触ローラ825,826と接触することなく所定位相となる状態を維持されている。第二押出部84の正面には、仮テープ77を内側から接触して支持する2つの案内ピン842が配置されている。
【0066】
このような構成からなる第一押出部83および第二押出部84は、移送部82が仮テープ77の端部を移送する際に回転すると、接触ローラ825,826と曲面状にそれぞれ形成された背面部が接触して、反時計回りに回転する。そうすると、第一押出部83の内側支持ピン機構部832および各案内ピン833と、第二押出部84の各案内ピン842が本体プレート81の外周側に移動することになる。
【0067】
このように、第一押出部83および第二押出部84は、図11に示すように、移送部82の回転に連動して、移送部82の移送により張られた仮テープ77の一部を押し出すように構成されている。これにより、第一押出部83は、仮テープ77をトップテープ22の転送経路に倣った形状に成形している。また、第二押出部84は、仮テープ77がトップテープ22と連結される部位に当該トップテープ22の先端部22aと対向する対向面77aを形成している。
【0068】
(トップテープ装填装置の動作)
本実施形態のトップテープ装填装置70の動作を図面に基づいて説明する。トップテープ装填装置70の初期状態(移送部82の回転角度が0度の状態)においては、図10に示すように、移送部82の把持爪822が一対の仮テープ支持ローラ815から突出している仮テープ77の端部を把持し、第一、第二押出部83,84もそれぞれ初期角度を維持されている。
【0069】
次に、移送部82が回転駆動されると、仮テープリール78から仮テープ77が順次引き出され、仮テープ77の端部が一対の仮テープ支持ローラ815を始点とし、第一位置P1および第二位置P2を経由して移送される。そして、移送部82が140度回転すると、図12に示すように、移送部82の接触ローラ825,826が第一押出部83と第二押出部84に接触して連動させる。これにより、第一押出部83の外側支持ピン機構部814と案内ピン833が仮テープ77を徐々に押し出していく。第二押出部84は、接触ローラ826により連動はするが、この段階では仮テープ77と非接触となっている。
【0070】
さらに移送部82が回転駆動されて初期状態から165度回転すると、図13に示すように、仮テープ77の端部が第三位置P3まで移動される。これにより、仮テープ77は、移送部82によりテープフィーダ90の第一テープ保持部95に対応する位置まで引き出されたことになる。そして、移送により張られた仮テープ77の一部が第一押出部83によりさらに押し出され、仮テープ77は、トップテープ22の転送経路に倣った形状に成形される。
【0071】
より詳細には、本体プレート81の外側支持ピン機構部814と第一押出部83の内側支持ピン機構部832により、仮テープ77は、図19に示すように、S字状に湾曲した形状に成形されている。このとき、内側支持ピン機構部832においては、各ピン832d,832eは、引張りばね832fにより初期間隔を維持されている。
【0072】
移送部82が初期状態から165度回転した状態において、図13に示すように、移送により張られた仮テープ77の一部が第二押出部84の案内ピン842により押し出され、仮テープ77は、後にトップテープ22と連結される際に当該トップテープ22と対向するように、コ字状に成形されている。
このように、トップテープ装填装置70は、移送部82を回転させることで第一押出部83および第二押出部84を連動させ、仮テープ77を所定の形状に成形して保持するようになっている。
【0073】
(テープ自動セット装置の動作)
次に、本実施形態のテープ自動セット装置1の動作を図面に基づいて説明する。テープ自動セット装置1の初期状態においては、図1に示すように、第一、第二テープ搬送装置30,40と、第二、第二開放装置50,60と、トップテープ装填装置70の何れもフィーダ保持台10からX方向に所定距離をもって離間している。また、トップテープ装填装置70は、上述した動作により、仮テープ77をトップテープ22の転送経路に倣った形状に予め成形して保持している。但し、トップテープ装填装置70による仮テープ77の成形は、トップテープ22の装填までに行われていればよく、例えば、後述する部品包装テープ2の搬送と並行して行うようにしてもよい。
【0074】
上記の状態において、作業者は、テープフィーダ90をフィーダ保持台10にセットする。具体的には、フィーダ本体91の底面を載置部12上の一対の支持ガイド14間に載置して挟持させ、フィーダ本体91の位置決めピン96bおよび通信コネクタ96aを当接部13の位置決め穴16および通信ジャック15にそれぞれ差込む。そして、テープリール3をリール収容部92に取付け、テープ自動セット装置1の制御装置100に備えられているフィーダセット完了ボタンを押す。
【0075】
すると、テープ搬送制御部101は、第一テープ搬送装置30および第二テープ搬送装置40をフィーダ保持台10に接近するX方向にそれぞれ移動させる。そして、図14に示すように、第一テープ搬送装置30および第二テープ搬送装置40は、それぞれのガイド31,41のX方向位置がテープフィーダ90のテープ送りガイド94のX方向位置と等しくなるように位置決めされる。
【0076】
また、第二テープ搬送装置40の移動に伴い第一開放装置50も移動し、第一開放装置50の第一リフトレバー51は、テープフィーダ90の第一テープ保持部95のレバー95bの作動側に差込まれる。そして、テープ保持開放制御部102は、第一開放装置50の支持台52をZ方向に上昇させて、第一リフトレバー51により第一テープ保持部95のレバー95bを持ち上げる。これにより、第一テープ保持部95は、回転支点95aを中心に上方へ回転するので、ピッチ送り機構部93との保持状態が開放される。
【0077】
ここで、作業者は、リール収容部92に収容されたテープリール3から部品包装テープ2を引出し、部品包装テープ2の先端部(トップテープ22の先端部22a)を第一テープ搬送装置30のガイド31の端部に差込む。そうすると、図示しないセンサによりトップテープ22の先端部22aが検出されて、検出信号がテープ搬送制御部101に送出される。テープ搬送制御部101は、センサによる検出信号を受信すると、各ギアモータ34,43およびモータ93bを駆動させる。これにより、部品包装テープ2は、各駆動ローラ32,42により送り出され、ガイド31,41およびテープ送りガイド94により案内され、第一テープ保持部95とピッチ送り機構部93との間隙を通過する位置まで搬送される。
【0078】
このように部品包装テープ2が第一テープ保持部95まで搬送されると、テープ搬送制御部101は、各ギアモータ34,43およびモータ93bを駆動停止する。また、テープ保持開放制御部102は、第一開放装置50の支持台52および第一リフトレバー51を下降させる。これにより、第一テープ保持部95は、回転支点95aを中心に下方へ回転するので、ピッチ送り機構部93との間に部品包装テープ2を保持する状態となる。そして、テープ搬送制御部101は、モータ93bを駆動させてスプロケット93aを回転させ、図15に示すように、部品包装テープ2が第一テープ保持部95から所定量だけ突出するように部品包装テープ2を搬送する。
【0079】
続いて、図16に示すように、テープ搬送制御部101は、第一テープ搬送装置30および第二テープ搬送装置40をフィーダ保持台10から離間させるようにX方向にそれぞれ移動させる。さらに、テープ保持開放制御部102は、第二開放装置60をフィーダ保持台10に接近させるX方向に移動させる。これにより、第二開放装置60の第二リフトレバーは、テープフィーダ90の第二テープ保持部98のレバー98dの作動側に差し込まれる。
【0080】
そして、テープ保持開放制御部102は、第二開放装置60の支持台62をY方向に移動させて、第二リフトレバー61により第二テープ保持部98のアーム98cをフィーダ本体91の後端側に回転支点98bを中心に回転させる。これにより、第二テープ保持部98のギア98aは、トップテープ送り出し機構部97のギア97aから離間するので、トップテープ送り出し機構部97との保持状態が開放される。
【0081】
このように、第二テープ保持部98が開放されている状態で、トップテープ装填制御部103は、トップテープ装填装置70をフィーダ保持台10に接近させるようにX方向に移動させる。このとき、トップテープ装填装置70は、上述したように、仮テープ77をトップテープ22の転送経路に倣った形状に予め成形して保持している状態にある。そして、図16に示すように、トップテープ装填装置70は、保持する仮テープ77のX方向位置がテープフィーダ90に保持された部品包装テープ2のX方向位置と等しくなるように位置決めされる。
【0082】
そうすると、図17に示すように、第一テープ保持部95から突出したトップテープ22の下側に仮テープ77の端部が位置決めされ、トップテープ22の先端部22aに仮テープ77の対向面77aが対向した状態となる。また、仮テープ77のうち第一押出部83の2つの案内ピン833の間に位置する部位は、離間したトップテープ送り出し機構部97のギア97aと第二テープ保持部98のギア98aの間を通過するように位置決めされる。さらに、仮テープ77のうち、外側支持ピン機構部814および内側支持ピン機構部832によりS字状に湾曲した部位は、図19に示すように、テープフィーダ90におけるトップテープ送りガイド99の2つのガイドローラ99a,99bの間を通過するように位置決めされる。
【0083】
そして、トップテープ装填制御部103は、連結装置72により加熱部材72aと図示しないテープ押さえとの間で対向するトップテープ22および仮テープ77を挟み込みながら加熱処理させる。そうすると、キャリアテープ21から剥離されたトップテープ22の剥離面に残存した接着剤が加熱処理により軟化され再度接着剤として機能する。これにより、トップテープ22に仮テープ77が連結される。そして、トップテープ装填制御部103は、移送部82の把持爪822を制御して仮テープ77の把持を解除する。
【0084】
その後、移載制御装置73は、経路成形装置71および第二開放装置60の動作を制御して、経路成形装置71が保持する仮テープ77をテープフィーダ90に移載する。具体的には、移載制御装置73は、先ず、経路成形装置71の移送部82をさらに反時計回りに回転させる。そうすると、移送部82の接触ローラ826が第二押出部84の背面部から外れ、第二押出部84は、弾性部材により時計回りに回転されて初期状態に戻る。
【0085】
そうすると、仮テープ77は、図18に示すように、連結されたトップテープ22とともに、第一テープ保持部95から外側支持ピン機構部814のピン814cによって支持された状態となる。続いて、移載制御装置73の張力付与部73aは、仮テープリール78を逆回転(時計回りに回転)させる。これにより、第二押出部84が初期位置に戻ることにより弛んだ仮テープ77が巻き取られる。
【0086】
さらに、張力付与部73aが仮テープリール78を回転させると、テープフィーダ90のピッチ送り機構部93が停止した状態なので、仮テープ77の張力が増加していく。そうすると、図20に示すように、内側支持ピン機構部832の引張りばね832fの弾性力に抗して2つのピン832d,832eが拡開しながら、テープフィーダ90のガイドローラ99bの両側を通過することになる。
【0087】
このようにして、2つのピン832d,832eが保持していた仮テープ77がガイドローラ99bに移載される。同様に、外側支持ピン機構部814のピン814cもテープフィーダ90の先端側へ移動し、ピン814cが保持していた仮テープ77がテープフィーダ90のガイドローラ99aに移載される。
【0088】
最後に、移載制御装置73は、テープ保持開放制御部102に対して第二開放装置60を保持状態とするように制御信号を送出する。これにより、テープ保持開放制御部102は、第二開放装置60の支持台62をY方向に移動させて、第二テープ保持部98のアーム98cをフィーダ本体91の前端側に回転支点98bを中心に回転させる。これにより、第二テープ保持部98のギア98aとトップテープ送り出し機構部97のギア97aとの間に仮テープ77が保持された状態となる。
【0089】
そして、トップテープ装填装置70は、図示しないテープ切断機により、第二テープ保持部98と仮テープリール78との間で仮テープ77を切断する。その後に、トップテープ装填制御部103によりトップテープ装填装置70をフィーダ保持台10から離間するX方向に移動させる。このようにして、仮テープ77は、図6に示すように、テープフィーダ90に移載された状態となる。このとき、仮テープ77は、搬送途中の部品包装テープ2と交差するが、部品包装テープ2を跨ぐようにフィーダ本体91内に設けられている切欠き部91aに係止され、部品包装テープ2との干渉が防止される。
【0090】
また、テープ搬送制御部101は、モータ93bを駆動してスプロケット93aを回転させ、キャリアテープ21に収納されている部品4の頭出し、すなわち部品4を部品吸着位置Pに位置決めする。以上により、テープフィーダ90に対する部品包装テープ2の自動セットを終了する。
【0091】
(実施形態の構成による効果)
上述したテープ自動セット装置1によると、第一テープ搬送装置30および第二テープ搬送装置40によりテープリール3の収容部から第一テープ保持部95までキャリアテープ21を搬送し、さらにトップテープ装填装置70により仮テープ77をテープフィーダ90に移載してトップテープ22を装填することができる。つまり、テープフィーダ90に部品包装テープ2を自動的にセットすることができる。よって、部品包装テープ2のセットに要する時間を短縮し、作業コストを抑えることができる。
【0092】
また、上述したトップテープ装填装置70によると、部品包装テープ2をテープフィーダ90にセットする際に、トップテープ22を転送経路に沿うように引き回すことなく、トップテープ22が第二テープ保持部98に保持された状態と同様にすることができる。これにより、テープフィーダ90がトップテープ22を所定の転送経路で第二テープ保持部98まで送り出し可能となるように、テープフィーダ90にトップテープ22を自動的にセットすることができる。
【0093】
ここで、従来のように、テープリールから部品包装テープを引き出して第一テープ保持部に保持させた後に、トップテープを転送経路に沿うように引き回す場合には、その経路の長さ分だけトップテープが必要となる。つまり、キャリアテープも同じ長さ分だけテープリールから引き出され、第一テープ保持部から先に送り出される。そうすると、送り出された分のキャリアテープに収容されている部品は廃棄されることになり、無駄になってしまう。
【0094】
これに対して、本実施形態のトップテープ装填装置70は、上記のような構成とすることで、転送経路に倣った形状に成形された仮テープ77をトップテープ22に連結して延長し、その仮テープ77をテープフィーダ90に移載することでトップテープ22を装填している。よって、トップテープ22を装填するためにキャリアテープ21を引き出す必要がないため、部品4を無駄にすることなくテープフィーダ90にトップテープ22をセットすることができる。
【0095】
また、トップテープ装填装置70は、仮テープ77をトップテープ22の転送経路に倣った形状に予め成形して保持するものである。そのため、仮テープ77の成形を他の作業と並行して行うことも可能である。つまり、例えば本実施形態のように部品包装テープ2を自動的に搬送する場合には、その搬送中に仮テープ77の成形を行うことで、さらに部品包装テープ2のセットに要する時間を短縮し、作業コストを抑えることができる。
【0096】
トップテープ装填装置70は、移送部82と第一押出部83により、トップテープ22の転送経路に倣った形状に仮テープ77形成するものとした。このように、移送部82と第一押出部83に機能を分けることで、各機構の構成および制御を簡易にすることができるので、種々の転送経路に対応することが可能となる。
【0097】
トップテープ装填装置70は、第二押出部84により仮テープ77に対向面77aを形成するものとした。これにより、連結装置72によるトップテープ22と仮テープ77の連結の際に、経路成形装置71における第一テープ保持部95に対応する第三位置P3に仮テープ77を位置させることに加えて、トップテープ22に仮テープ77を対向させることができる。よって、連結装置72による種々の連結方法によっても仮テープ77を連結しやすくできる。
【0098】
経路成形装置71の第一押出部83および第二押出部84は、移送部82の回転に連動するものとした。これにより、第一押出部83および第二押出部84は、移送部82の回転に伴って回転して仮テープ77の一部をそれぞれ押し出すことができる。よって、移送部82の動力を利用して第一押出部83および第二押出部84を回転させることができる。また、経路成形装置71は、移送部82の移送に別段同期させる制御を行うことなく、トップテープ22の転送経路に倣った形状に仮テープ77を成形することができる。
【0099】
移載制御装置73は、第二押出部84を逆回転させて仮テープ77の移載を行うものとした。経路成形装置71は、上記のように、第一押出部83および第二押出部84をそれぞれ回転させることで、トップテープ22の転送経路に倣った形状に仮テープ77を成形して保持している。そのため、第二押出部84を逆回転させることで、テープフィーダ90の第二テープ保持部98に仮テープ77を受け渡すようにして退避することができる。
【0100】
移載制御装置73は、複数のピン832d,832eを拡開させながらテープフィーダ90のガイドローラ99bの両側を通過させ、複数のピン832d,832eにより保持していた仮テープ77をガイドローラ99bに移載するものとした。これにより、第一押出部83からガイドローラ99bに仮テープ77を受け渡すようにして複数のピン832d,832eを退避することができる。よって、移載制御装置73は、好適に仮テープ77の保持を経路成形装置71からテープフィーダ90のガイドローラ99bに移すことができる。
【0101】
連結装置72は、加熱処理することによりトップテープ22と仮テープ77を連結するものとした。これにより、連結装置72は、接着部材などを要することなく、トップテープ22に仮テープ77を容易に連結することができる。また、キャリアテープ21から剥離されたトップテープ22の剥離面に仮テープ77を連結することで、トップテープ22の剥離面に残存した接着剤を再利用して接着することができる。
【0102】
本実施形態において、仮テープ77は、トップテープ22と同形状および同素材により形成されているものとした。ここで、トップテープ装填装置70により仮テープ77をテープフィーダ90に移載して保持させている状態においては、図6二示すように、トップテープ22が延長されて実質的にテープフィーダ90にセットされた状態である。そして、その後にキャリアテープ21から剥離されたトップテープ22が第二テープ保持部98まで確実に送り出し可能とする必要がある。そこで、仮テープ77をトップテープ22と同形状および同素材とすることで、連結後のトップテープ22が仮テープ77により確実に導かれて第二テープ保持部98まで送り出すことができる。
【0103】
<実施形態の変形態様>
本実施形態では、経路成形装置71の第一押出部83および第二押出部84は、移送部82の回転に連動するものとした。これに対して、第一押出部83および第二押出部84は、移送部82とは独立した駆動源により駆動して、移送部82の移送により張られた仮テープを押し出すようにしてもよい。
【0104】
また、経路成形装置71は、移送部82、第一押出部83、および第二押出部84により、トップテープ22の転送経路に倣った形状に仮テープ77を成形するものとした。これに対して、経路成形装置71は、例えば、仮テープ77の端部を把持して所定位置に配置されたピンに引っ掛けるように引き回すようにして仮テープ77を所定形状に成形するようにしてもよい。
【0105】
さらに、トップテープ装填装置70の経路成形装置71は、トップテープ送りガイド99を有するテープフィーダ90を対象とした場合を例示して説明した。これに対して、テープフィーダ90がトップテープ送りガイド99を有さない場合には、経路成形装置71は第一押出部83を省略しても同様に、トップテープ22の転送経路に倣った形状に仮テープ77を成形することができる。このように、経路成形装置71は、テープフィーダ90における案内部の有無や数量によって、構成を適宜変更して対応してもよい。
【0106】
連結装置72は、加熱処理によりトップテープ22に仮テープ77を連結するものとしたが、その他に例えば、連結用のテープや針、接着剤などを使用して連結する構成としてもよい。
また、仮テープ77は、本実施形態においてトップテープ22と同形状および同素材により形成されるものとしたが、トップテープ22と同様の可撓性を有し、概ね同形状であればよく、種々のテープを採用することができる。
【0107】
その他に、本実施形態では、トップテープ装填装置70は、テープ自動セット装置1を構成するものとした。トップテープ装填装置70は、第一テープ保持部95に部品包装テープ2が保持されている状態のテープフィーダ90(図15参照)を対象として、仮テープ77を移載してトップテープ22を装填するものである。つまり、第一テープ保持部95に部品包装テープ2を保持させるまでは手動で行って、第一、第二テープ搬送装置30,40および第一開放装置50を有さない構成に適用してもよい。
【符号の説明】
【0108】
1:テープ自動セット装置、 2:部品包装テープ、 3:テープリール
21:キャリアテープ、 22:トップテープ
30:第一テープ搬送装置、 40:第二テープ搬送装置
70:トップテープ装填装置
71:経路成形装置、 72:連結装置
73:移載制御装置(移載装置)、 73a:張力付与部
77:仮テープ、 78:仮テープリール
82:移送部、 83:第一押出部、 84:第二押出部
832d,832e:ピン、 832f:引張りばね(弾性部材)
90:テープフィーダ
92:リール収容部、 95:第一テープ保持部
98:第二テープ保持部、 99:トップテープ送りガイド(案内部)
図1
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