特許第5955394号(P5955394)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5955394基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955394
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20160707BHJP
   H01L 21/268 20060101ALI20160707BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20160707BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20160707BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   H01L21/31 E
   H01L21/268 Z
   H01L21/265 602Z
   H01L21/68 A
   H01L21/68 N
【請求項の数】8
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2014-534422(P2014-534422)
(86)(22)【出願日】2013年9月6日
(86)【国際出願番号】JP2013074117
(87)【国際公開番号】WO2014038667
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2015年2月4日
(31)【優先権主張番号】特願2012-195756(P2012-195756)
(32)【優先日】2012年9月6日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-207603(P2012-207603)
(32)【優先日】2012年9月20日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-207748(P2012-207748)
(32)【優先日】2012年9月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】浜野 勝艶
(72)【発明者】
【氏名】梅川 純史
(72)【発明者】
【氏名】定田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】石井 昭紀
(72)【発明者】
【氏名】奥野 正久
【審査官】 長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/153054(WO,A1)
【文献】 特開2008−013816(JP,A)
【文献】 特開2005−032805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205、21/26−21/268、21/302、
21/3065−21/31、21/322−21/326、
21/365、21/42−21/428、21/461、
21/469、21/477−21/479、
21/67−21/683、21/86、
C23C 16/00−16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が搬入搬出される処理室と、
前記処理室内に電磁波を供給する電磁波供給部と、
前記処理室内に設けられ前記基板が載置される基板載置部と、
前記処理室に設けられた開閉部と、
前記開閉部に設けられた密閉部と、
前記基板載置部の上面と前記密閉部との間に設けられた溝部と、
前記処理室内壁の前記基板載置部の側面に対向する部分であって、前記溝部とは対向しない位置に設けられた第2の溝部と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記溝部は、前記処理室内壁の前記基板載置部の側面に対向する部分に設けられる請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記溝部の深さは、前記電磁波供給部が供給する電磁波の波長の4分の1以下の長さである請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記溝部には誘電体が設けられる請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記溝部は、前記開閉部に設けられている請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記溝部は、前記開閉部の前記処理室内側に設けられている請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板を処理室内に搬入する工程と、
前記基板を基板載置部に載置する工程と、
前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有し、且つ前記処理室の内壁の前記基板載置部の側面に対向する部分であって、前記溝部とは対向しない位置に第2の溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する工程と、
前記基板を前記処理室から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法
【請求項8】
基板を処理室内に搬入する手順と、
前記基板を基板載置部に載置する手順と、
前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有し、且つ前記処理室の内壁の前記基板載置部の側面に対向する部分であって、前記溝部とは対向しない位置に第2の溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する手順と、前記基板を前記処理室から搬出する手順と、をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を加熱して処理する基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一工程として、例えばヒータ等の加熱機構を用いて処理室内の基板を加熱し、基板の表面に成膜された薄膜中から不純物を除去するアニール処理が行われることがある。最近の半導体デバイスにおいては、微細化に伴い浅接合化が進んでおり、サーマルバジェット(熱履歴)を小さくすることが求められている。しかしながら、上述の加熱機構を用いた加熱が行われると、基板全体を高温に加熱することになり、サーマルバジェットを小さくすることが難しくなる場合があった。そこで、処理室内の基板にマイクロ波等の電磁波を照射することで基板を加熱する技術がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電磁波を照射して基板を加熱すると、サーマルバジェットを小さくすることができる。しかしながら、電磁波による基板の加熱は、基板を面内均一に加熱することができない場合があった。すなわち、電磁波は、例えば処理室の上壁に設けられた導波口を介して、処理室内の基板に照射される。一般的に、この導波口の面積は、基板の処理面の面積よりも小さい。また、電磁波は、導波口から照射された後、あまり広がらない(拡散されない)。従って、基板は、導波口と対向する領域から離れるにしたがって、照射される電磁波の量が少なくなる場合があった。その結果、基板に面内均一となるように電磁波を照射することができず、基板を面内均一に加熱することができない場合があった。
【0004】
本発明は、サーマルバジェットを小さくしつつ、基板を面内均一に加熱することができる基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、基板が搬入搬出される処理室と、前記処理室内に電磁波を供給する電磁波供給部と、前記処理室内に設けられ前記基板が載置される基板載置部と、前記処理室に設けられた開閉部と、前記開閉部に設けられた密閉部と、前記基板載置部の上面と前記密閉部との間に設けられた溝部と、を有する基板処理装置が提供される。
【0006】
他の態様によれば、基板を処理室内に搬入する工程と、前記基板を基板載置部に載置する工程と、前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する工程と、前記基板を前記処理室から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造が提供される。
【0007】
更に他の態様によれば、基板を処理室内に搬入する手順と、前記基板を基板載置部に載置する手順と、前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する手順と、前記基板を前記処理室から搬出する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラムによれば、サーマルバジェットを小さくしつつ、基板を面内均一に加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置が備える処理室の縦断面図である。
図2】電磁波が有するエネルギ量と基板の温度との相関データの一例を示す。
図3】本発明の実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図である。
図4】本発明の一実施形態に係る基板処理工程を示すフロー図である。
図5】本発明の他の実施形態に係る電磁波拡散部を備える処理室の縦断面図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る電磁波拡散部を備える処理室の縦断面図である。
図7】本発明の一実施例に係る反射電磁波照射部を設けた場合のシート抵抗値の評価結果を示すグラフ図である。
図8】本発明の一実施例に係る電磁波拡散部及び反射電磁波照射部を設けた場合のシート抵抗値の評価結果を示すグラフ図である。
図9】本発明の一実施例に係る基板の裏面と電磁波拡散部の最下表面との間の距離と、電界強度との相関関係を示すグラフ図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る基板処理装置の縦断面図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る基板処理工程のフロー図である。
図12】第2実施形態の実施例2に係る基板処理装置の縦断面図である。
図13】第2実施形態の実施例3に係る基板処理装置の縦断面図である。
図14】第2実施形態の実施例4に係る基板処理装置の縦断面図であってゲートバルブ72周辺を示す。
図15】本発明の実施形態において用いられるチョーク構造を説明するための図である。
図16】本発明の第3実施形態に係る基板処理装置の縦断面図である。
図17】本発明の第3実施形態に係る基板処理装置の(a)は基板支持部を説明するための縦断面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
図18】本発明の第3実施形態に係る基板処理工程のフロー図である。
図19】第3実施形態の他の実施例に係る基板処理装置の縦断面図である。
図20】本発明の第3実施形態に係る基板処理装置を用いた実験例であって、マイクロ波材料選択性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
(1)処理室の構成
本実施形態に係る基板処理装置100が備える処理室10の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る基板処理装置100が備える処理室10の縦断面図である。
【0012】
(処理室)
図1に示すように、処理室10は、円筒状の気密容器である処理容器18を備えている。処理容器18は、後述する電磁波照射部19から発せられる電磁波を有効に遮蔽し、電磁波が外部環境や他の基板処理装置100に悪影響を及ぼさないように構成されている。処理容器18は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の金属材料により構成されている。
【0013】
処理容器18の側壁には、仕切弁としてのゲートバルブ73が設けられている。ゲートバルブ244は、ゲートバルブ駆動部73によって開閉されるように構成されている。すなわち、ゲートバルブ駆動部73、によってゲートバルブ73が開けられている時には、搬送機構を用いて搬送室から処理室10内へ、例えばシリコン等からなる基板としてのウェハ11を搬入し、または処理室10内から搬送室へとウェハ11を搬出することができるように構成されている。そして、ゲートバルブ駆動部73によってゲートバルブ72を閉めることにより、処理室10内を気密に閉塞することができるように構成されている。
【0014】
(電磁波照射部)
処理容器18の上側には、処理室10内のウェハ11に例えばマイクロ波等の電磁波を照射する電磁波照射部19が設けられている。電磁波照射部19は、処理容器18の上壁に開設された導波口22に気密に設けられている。導波口22は、後述する基板支持機構13で支持されるウェハ11の処理面の少なくとも一部と対向するように設けられている。また、導波口22は、導波口22の中心位置が、ウェハ11の中心位置と対向する位置から偏心する位置に設けられている。すなわち、本実施形態では、例えば直径が300mmであるウェハ11が用いられた場合、導波口22の中心位置がウェハ11の中心位置と対向する位置から75mm離れた位置となるように、導波口22が設けられている。
【0015】
電磁波照射部19は、上流側から順に、電磁波発生部20及び導波路21が設けられている。電磁波発生部20は、例えば、固定周波数マイクロ波又は可変周波数マイクロ波を発生させるように構成されている。電磁波発生部20としては、例えばマイクロトロン、クライストロン、ジャイロトロン等を用いることができる。電磁波発生部20で発生させた電磁波は、導波路21及び導波口22を介して、ウェハ11の表面(処理面)側から、ウェハ11に照射される。ウェハ11照射された電磁波がウエハ11内に吸収されると、ウェハ11は電磁波により誘電加熱される。
【0016】
主に、導波路21、導波口22により電磁波照射部19が構成されている。なお、電磁波発生部20を電磁波照射部19に含めて考えてもよい。
【0017】
電磁波照射部19には、後述するコントローラ80が電気的に接続されている。コントローラ80は、電磁波が所定のタイミングにてウェハ11に照射されるように、電磁波照射部19を制御するように構成されている。
【0018】
なお、ウェハ11に照射される電磁波が有するエネルギ量(パワー(W))が大きいほど、ウェハ11はより高温に加熱される。図2に、例えばシリコンからなるウェハ11に電磁波を照射した際における、電磁波が有するエネルギ量とウェハ11の温度との相関データの一例を示す。図2に示すように、ウェハ11に照射される電磁波が有するエネルギ量が大きいほど、ウェハ11の温度が上昇していることが判る。なお、ウエハ11の温度は、例えば、処理室10の大きさや形状、導波口22の位置、ウェハ11の位置等によって変わるものである。しかしながら、電磁波が有するエネルギ量が大きくなると、ウェハ11の温度が高くなるという相関関係は変わらない。
【0019】
また、ウェハ11に照射される電磁波の量又は電磁波のエネルギは、処理室10の位置によって異なっていることを発明者等は見出した。従って、処理室10内であって、少なくともウェハ11に照射される電磁波の量又は電磁波のエネルギの少ない部位に、マイクロ波を補助的に供給する電磁波補助供給部を設けることにより、ウェハ11の処理均一性を改善できることを考えた。電磁波補助供給部は、ウェハ11の径方向であって、電磁波照射部19よりも離れた位置に設けることにより、ウェハ11の処理均一性を向上させることができる。電磁波補助供給部は、電磁波照射部19を別途、複数台設けても良いし、電磁波照射部19から照射される電磁波を反射や拡散させるようにする部材を処理室10内や支持台25に設けるようにしても良い。
【0020】
(電磁波拡散部)
図1に示すように、処理室10内の底側中央には、主に、電磁波照射部19からウェハ11に照射された後、ウェハ11に吸収されずにウェハ11を透過した電磁波(以下では、透過電磁波ともいう。)を、ウェハ11に拡散させるように反射させる電磁波補助供給部としての電磁波拡散部208が設けられている。電磁波拡散部208は、後述の基板支持機構13で支持されるウェハ11の裏面(処理面とは反対側の面)と対向するように設けられている。すなわち、電磁波拡散部208は、ウェハ11の裏面に向かって透過電磁波を拡散させるように設けられている。また、電磁波拡散部208は、後述するように回転可能に構成されている。
【0021】
電磁波拡散部208は、例えばアルミニウム(Al)や、ステンレス(SUS)等の導電体(導電性を有する金属材料)で形成されているとよい。これにより、電磁波拡散部208の表面では、殆どの電磁波(透過電磁波)を反射させることができる。
【0022】
電磁波拡散部208は、透過電磁波の進行方向を変更させることで、ウェハ11に電磁波を拡散させるように構成されている。電磁波拡散部208は、電磁波照射部19と対向するウェハ11の領域以外の領域に向かって、ウェハ11の裏面から透過電磁波を反射させて照射させるように構成されている。すなわち、電磁波拡散部11は、電磁波照射部19から発せられる電磁波が直接照射されるウェハ11の領域には、透過電磁波をあまり照射させないように構成されている。
【0023】
例えば、電磁波拡散部208は、電磁波拡散部208を回転させた際、少なくとも電磁波照射部19と対向する領域が、電磁波照射部19の中心と対向する位置に向かうにしたがって、ウェハ11と電磁波拡散部208との間の距離が長くなるように形成されている。これにより、透過電磁波の進行方向を変更させて、ウェハ11に面内均一となるように電磁波を照射できる。従って、ウェハ11を面内均一に加熱できる。また、このように電磁波拡散部208を形成することで、電磁波拡散部208によってウェハ11に照射される透過電磁波の電界強度を調整できる。すなわち、より多くの直接電磁波が照射されるウェハ11の領域ほど、電磁波拡散部208によって照射される透過電磁波の電界強度を弱くすることができる。これにより、ウェハ11をより面内均一に加熱できる。なお、直接電磁波とは、ウェハ11に照射される電磁波のうち、電磁波照射部204から照射されて処理容器18の内壁やウェハ11の表面で反射等されることなく、直接ウェハ11に照射された電磁波をいう。
【0024】
例えば、電磁波拡散部208は、中心側補助供給部としての円板状部208aと、円板状部208aの周囲を囲うように設けられる外周側補助供給部としての環状部208bと、を備えて構成されている。円板状部208a及び環状部208bはそれぞれ、円板状部208aと環状部208bとの間に所定幅の隙間が形成されるように構成されている。すなわち、電磁波拡散部208を回転させた際、電磁波照射部19と対向する領域に隙間が形成されるように、円板状部208a及び環状部208bはそれぞれ形成されている。このとき、例えば、隙間の最短幅が電磁波照射部19の幅と同じ幅となるように、円板状部208a及び環状部208bがそれぞれ形成されているとよい。また、円板状部208aは、例えば円錐台形状に形成され、環状部208bは、中心に向かうにしたがって、ウェハ11と環状部208bの表面との間の距離が長くなるように形成されているとよい。具体的には、中心側補助供給部としての円板状部208aは、下面(上面とは反対側の面)の直径が3〜150mm(例えば105mm)、厚さが1〜30mm(例えば19mm)、上面(ウェハ11と対向する面)の直径が3〜100mm(例えば73mm)に形成され、外周側補助供給部としての環状部208bは、上面(ウェハ11と対向する面)の幅が3〜40mm(例えば25mm)、下面(上面とは反対側の面)の幅が3〜150mm(例えば50mm)、厚さが1〜30mm(例えば19mm)に形成されているとよい。
【0025】
なお、ここでは、中心側補助供給部としての円板状部208aを円錐台形状に構成する例を示したが、この形状に限らず、例えば角錐台形、円柱形状等であっても良い。好ましくは、角の無い立体形状が良い。角が存在する立体形状を用いると、角に電界が集中し、プラズマやアークプラズマ、スパークなどの放電が発生する可能性が有るため、面取りした角の無い立体形状とすることが好ましい。なお、マイクロ波電力が十分小さい場合には、角柱、円錐、三角柱、三角錐などの形状であっても良い。
【0026】
電磁波拡散部208は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)等の導電性を有する金属材料(導電体)により形成される支持台25上に設けられている。支持台25は、例えば、上面から見た形がウェハ11の外径よりも大きい円形で、円板状又は円柱状に形成されている。
【0027】
支持台25の中心部付近であって処理室10と反対側には、例えばステンレス(SUS)等の金属材料で形成される回転軸23が設けられている。すなわち、回転軸23は支持台25を下方から支持するように設けられている。回転軸23には、回転軸23を回転させるとともに、回転軸を昇降させる回転昇降機構24が設けられている。すなわち、回転昇降機構24が備える回転機能によって、回転軸23を回転させて支持台25を回転させることで、電磁波拡散部208が回転可能に構成されている。また、回転昇降機構21が備える昇降機能によって、回転軸23を昇降させて支持台25を昇降させることで、電磁波拡散部208が昇降可能に構成されている。
【0028】
回転昇降機構23には、後述するコントローラ80が電気的に接続されている。コントローラ280は、支持台25が所定のタイミングで所定の速度となり、支持台25が所定のタイミングで所定の高さ位置となるように、回転昇降機24への供給電力を制御するように構成されている。
【0029】
ここで、電磁波照射部19から照射された電磁波の一部が、ウェハ11表面や処理容器18の内壁等で反射する場合がある。すなわち、電磁波照射部19からウェハ11に照射された全ての電磁波がウェハ11に吸収されるわけではない。このとき、電磁波照射部19から照射される電磁波の1波長よりも短い距離の範囲では、直接電磁波の密度が、電磁波照射部19から照射され、例えばウェハ11の表面や処理容器10の内壁等で反射された電磁波(以下では、反射電磁波ともいう)の密度と、反射電磁波及び直接電磁波が合成されることで発生する定常波の密度との合計よりも高くなる。すなわち、この範囲内では、反射電磁波及び定常波の影響を相対的に小さくすることができるため、ウェハ11により多くの直接電磁波を照射させることができる。また、直接電磁波は、反射電磁波や定常波と比べて、保有するエネルギ量が大きい。ウェハ11に照射される直接電磁波が多くなると、電磁波が保有するエネルギをウェハ11に効率よく吸収させることができる。
【0030】
従って、支持台25は、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、導波口22と後述の基板支持機構13で支持されるウェハ11の表面(処理面)との間の距離が、電磁波照射部19から照射される電磁波の1波長よりも短くなるように、回転昇降機構24の昇降機能によって、支持台25の高さ位置が調整されるように構成されているとよい。例えば、電磁波照射部19から周波数が2.45GHzに固定された電磁波が照射される場合、電磁波の波長は約122.4mmとなるので、導波口22とウェハ11の表面との間の距離が122.4mmよりも短くなるように、支持台25の高さ位置が調整される。また、例えば、電磁波照射部19から周波数5.8GHzに固定された電磁波を照射する場合、電磁波の波長は約51.7mmとなるので、導波口22とウェハ11の表面との間の距離が51.7mmよりも短くなるように支持台25の高さ位置が調整される。これにより、ウェハ11に照射される直接電磁波が多くなるため、ウェハ11の加熱効率を向上させることができる。その結果、ウェハ11の加熱時間を短くすることができるため、サーマルバジェットを小さくすることができる。
【0031】
(反射電磁波照射部)
処理室10を構成する処理容器18の側壁には、側壁側から電磁波を補助的に供給する内壁補助供給部が設けられている。内壁補助供給部は、主に、反射電磁波を反射させてウェハ2に照射する反射電磁波照射部213で構成されている。反射電磁波照射部213は、ウェハ11の側面に向かって反射電磁波を照射するように設けられている。反射電磁波照射部213は、電磁波拡散部208の上面よりも高い位置の処理容器18の側壁に設けられているとよい。すなわち、反射電磁波照射部213は、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、ウェハ11の側面と対向するように設けられるとよい。反射電磁波照射部213は、上部の幅が1〜20mm(例えば11mm)、下部の幅が1〜20mm(例えば3mm)、厚さが3〜50mm(例えば39mm)の環状に形成されている。反射電磁波照射部213は、例えばアルミニウム(Al)や、ステンレス(SUS)等の導電性を有する金属材料(導電体)で形成されている。これにより、ウェハ11をより面内均一に加熱することができる。
【0032】
(基板支持部)
支持台25上には、ウェハ11を支持する基板支持部として、例えば基板支持ピン等の複数の基板支持機構13が設けられている。本実施形態では、例えば3本の基板支持機構13が設けられている。基板支持機構13は、その上端でウェハ11を支持するように構成されている。基板支持機構13は、支持したウェハ11の中心と処理室201の中心とが垂直方向で略一致するように設けられている。また、基板支持機構13は、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、ウェハ11が電磁波拡散部208と接触しないようにウェハ11を支持するように構成されている。
【0033】
基板支持機構13は、例えば石英又はテフロン(登録商標)等の低伝熱性材料で形成されている。ここで、低伝熱性とは、上述の電磁波拡散部208や支持台25よりも伝熱性が低いことをいう。これにより、ウェハ11の熱が基板支持機構13を介して、電磁波拡散部208や支持台25へ逃げることを抑制できる。
【0034】
基板支持機構13は、支持台25上に設けられている。すなわち、基板支持機構13は、上述の回転昇降機構24によって支持台25が回転させられることで、ウェハ200が回転されるように構成されている。
【0035】
また、基板支持機構13は、昇降可能に設けられている。すなわち、それぞれの基板支持機構13には、基板支持機構13を昇降させる昇降機構が設けられている。昇降機構には、後述するコントローラ80が電気的に接続されている。コントローラ80は、それぞれの基板支持機構13が、所定のタイミングで所定の高さ位置となるように、昇降機構への供給電力を制御するように構成されている。
【0036】
基板支持機構13は、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、ウェハ11の裏面と電磁波拡散部208の最下表面との間の距離が、電磁波照射部19から照射される電磁波の1/4波長(λ/4)、もしくはλ/4の奇数倍の距離となる位置で、ウェハ11を支持するように構成されているとよい。例えば、電磁波照射部19から2.45GHzに固定された電磁波が照射される場合、電磁波の波長は122.4mmである。従って、基板支持機構13は、ウェハ11と電磁波拡散部208の最下表面との間の距離が30.6mmとなるように、ウェハ11を支持するように構成されるとよい。なお、電磁波拡散部208の最下表面とは、電磁波拡散部208のウェハ11と対向する面と反対側の面をいう。
【0037】
これにより、ウェハ11は、電磁波のピーク位置(電磁波の波形の腹の位置)で支持されることになる。すなわち、ウェハ11は、電磁波の電界強度が高い位置で支持されることになる。従って、ウェハ11に電磁波が有するエネルギを効率よく吸収させることができるため、ウェハ11の加熱効率をより向上させることができる。また、例えば、電磁波拡散部208によって透過電磁波がウェハ11に照射される際、透過電磁波が、直接電磁波と干渉して電界強度が低くなることを抑制できる。すなわち、定常波のウェハ200への影響が抑制できる。
【0038】
また、基板支持機構13は、少なくとも電磁波照射部19からウェハ11に電磁波が照射されている間、ウェハ11の側面が反射電磁波照射部213と対向するように、ウェハ11を支持するように構成されているとよい。
【0039】
(ガス供給部)
処理室10の上部には、処理室10内へ例えば窒素(N)ガス等の不活性ガスを供給するガス供給部215が設けられている。ガス供給部215は、処理容器18の上部に開設された開口に気密に設けられている。開口には、不活性ガスを供給するガス供給管216の下流端が接続されている。ガス供給管216は、例えば石英、酸化アルミニウム等の非金属材料や、SUS等の金属材料等により形成されている。ガス供給管216には、上流側から順に、ガス供給源217、流量制御装置としてのマスフローコントローラ(MFC)218、開閉弁であるバルブ(開閉バルブ)219が接続されている。なお、不活性ガスとしては、Nガスのほか、例えばHeガスやArガス等の希ガスを単独であるいは混合して用いることができる。
【0040】
マスフローコントローラ218及びバルブ219には、後述するコントローラ80が電気的に接続されている。コントローラ80は、処理室10内に供給するガスの流量が所定のタイミングにて所定の流量となるように、マスフローコントローラ218の開度、及びバルブ219の開閉を制御するように構成されている。
【0041】
主に、ガス供給管216、マスフローコントローラ218及びバルブ219により、本実施形態にかかるガス供給部215が構成されている。なお、ガス供給源217をガス供給部215に含めて考えてもよい。
【0042】
(排気部)
処理容器18には、処理室10内の雰囲気を排気する排気管231の上流端が接続されている。排気管231には、上流側から順に、処理室10内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ232、圧力調整装置としての例えばAPC(Auto Pressure Contoroller)バルブ233、及び真空排気装置としての真空ポンプ246が設けられている。
【0043】
APCバルブ233及び圧力センサ232には、後述するコントローラ80が電気的に接続されている。コントローラ80は、圧力センサ232により検出された圧力値に基づいて、処理室10内の圧力が所定のタイミングにて所定の圧力となるように、APCバルブ233を制御するように構成されている。
【0044】
主に、排気管231、圧力センサ232、及びAPCバルブ233により本実施形態にかかる排気部が構成されている。なお、真空ポンプ246を排気部に含めて考えてもよい。
【0045】
なお、APCバルブ233は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室10内の真空排気及び真空排気停止を行うことができ、さらに、真空ポンプ246を作動させた状態で弁開度を調節することで、処理室10内の圧力を調整することができるように構成されているバルブである。すなわち、排気部は、真空ポンプ246を作動させつつ、圧力センサ232により検出された圧力情報に基づいてAPCバルブ233の弁の開度を調節することにより、処理室10内の「実際の圧力」を、所定の「設定圧力」に近づけることができるように構成されている。例えば、処理室10内に供給される不活性ガス等のガスの流量に変化がない場合や、処理室10内へのガスの供給を停止している場合等において、処理室10内の実際の圧力を変更するには、処理室10内の設定圧力を変更し、APCバルブ233の弁の開度を上述の設定圧力に応じた開度に変更する。その結果、排気部の排気能力が変更され、処理室10内の実際の圧力が、上述の設定圧力に次第に(曲線的に)近づいて行くことになる。このように、処理室10内の「設定圧力」とは、処理室10内の圧力制御を行う際の「目標圧力」と同義と考えることができ、その値に、処理室10内の「実際の圧力」が追随することとなる。また、「処理室10内の設定圧力を変更すること」とは、実質的に、「排気部の排気能力を変更するためにAPCバルブ233の開度を変更すること」と同義であり、「APCバルブ233の開度を変更するための指令」と考えることができる。
【0046】
(制御部)
図3に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ80は、CPU(Central Processing Unit)280a、RAM(Random Access Memory)280b、記憶装置280c、I/Oポート280dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM280b、記憶装置280c、I/Oポート280dは、内部バス280eを介して、CPU280aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ80には、入出力装置281として、例えばタッチパネル、マウス、キーボード、操作端末等が接続されていてもよい。また、コントローラ80には、表示部として、例えばディスプレイ等が接続されていてもよい。
【0047】
また、制御部80は、ネットワーク210に接続されている。ネットワーク210は、半導体製造工場内に設けられたネットワークやインターネット等で構成される。
【0048】
記憶装置280cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM等で構成されている。記憶装置280c内には、基板処理装置100の動作を制御する制御プログラムや、基板処理の手順や条件などが記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ80に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM280bは、CPU280aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0049】
I/Oポート280dは、上述のマスフローコントローラ218、バルブ219、APCバルブ233、真空ポンプ246、電磁波照射部19、基板支持機構13、回転昇降機構24等に接続されている。
【0050】
CPU280aは、記憶装置280cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置281からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置280cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU280aは、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、電磁波照射部19の電磁波照射動作、回転昇降機24によるウェハ11の回転動作、回転昇降機構24による支持台25の高さ位置調整動作、基板支持機構13の高さ位置調整動作、マスフローコントローラ218によるガスの流量調整動作、バルブ219の開閉動作、APCバルブ233の開度調整動作、真空ポンプ246の起動・停止等を制御するように構成されている。
【0051】
なお、コントローラ80は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)282を用意し、係る外部記憶装置282を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ80を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置282を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置282を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、記憶装置280cや外部記憶装置282は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置280c単体のみを含む場合、外部記憶装置282単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
【0052】
なお、プログラムは、制御部80の外部に設けられた外部記憶装置206に格納するようにし、外部記憶装置282から読み出して実行しても良く、外部記憶装置282に記録されたプログラムを内部記録媒体205へ移動させ、内部記録媒体205から読み出して実行するようにしても良い。また、プログラムは、制御部80に接続されたネットワーク210から内部記録媒体205に記憶させてから実行するようにしてもよい。
【0053】
(2)基板処理工程
続いて、半導体装置の製造工程の一工程として実施される基板処理工程について、図4を用いて説明する。係る基板処理工程は、上述の基板処理装置100により実施される。ここでは一例として、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によりウェハ11上に形成されたHfO膜等のHigh−k膜(高誘電率ゲート絶縁膜)等から炭素(C)や水素(H)等の不純物を除去するHigh−k膜の改質処理について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置100を構成する各部の動作はコントローラ80により制御される。
【0054】
(基板搬入・支持工程(S10))
まず、ゲートバルブ244を開き、処理室10と搬送室とを連通させる。次に、搬送ロボットを用いて、処理室10(処理容器18)内にウェハ11を搬入する。そして、基板支持機構13の上端にウェハ11を載置する。これにより、ウェハ11は基板支持機構13に水平姿勢で支持される。
【0055】
処理室10内にウェハ11を搬入したら、搬送ロボットを処理室10外へ退避させゲートバルブ244を閉じて処理室10内を密閉する。そして、支持台25を昇降させて、支持台25の高さ位置を調整する。すなわち、導波口22とウェハ11の表面(処理面)との間の距離が、電磁波照射部19から照射される電磁波の1波長よりも短い距離となるように、支持台25の高さ位置を調整する。また、基板支持機構214を昇降させて、基板支持機構13の高さ位置を調整する。すなわち、ウェハ11と電磁波拡散部208の最下表面との間の距離が、電磁波照射部19から照射される電磁波の1/4波長(λ/4)、もしくはλ/4の奇数倍の距離となるように、基板支持機構214の高さ位置を調整する。
【0056】
(不活性ガス供給工程(S20))
上述の基板搬入時に、ゲートバルブ244を開けた際、処理室10外から処理室201内へ大気が流入する場合がある。この大気中に含まれる水分や酸素等が、後述の改質処理工程(S30)に悪影響を及ぼさないように、処理室10内を不活性ガス雰囲気に置換する。すなわち、バルブ219を開けて例えば窒素(N)ガス等の不活性ガスを処理室10内に供給する。処理室10内に供給される不活性ガスは、マスフローコントローラ218により流量調整される。なお、バルブ219は、少なくともウェハ11に対する処理(後述の改質処理工程(S30))が完了するまでの間は、開けておく。
【0057】
また、処理室10内にNガスを供給しつつ、処理室10内が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気する。この際、処理室10内の圧力を圧力センサ232で測定し、この測定した圧力値に基づきAPCバルブ233(の弁の開度)をフィードバック制御する(圧力調整)。所望の圧力は、例えば処理室10内でプラズマが発生しない圧力より高い圧力であるとよい。例えば200Torrより高い圧力であるとよい。なお、真空ポンプ246は、少なくともウェハ11に対する処理(後述の改質処理工程(S30))が完了するまでの間は、常時作動させた状態を維持する。
【0058】
続いて、支持台25の回転、すなわちウェハ11の回転を開始する。この際、支持台209の回転速度をコントローラ80によって制御する。なお、支持台25によるウェハ11の回転は、少なくともウェハ11に対する処理が完了するまでの間は継続して行う。回転速度は1〜30rpm、好ましくは5〜20rpmである。
【0059】
(改質処理工程(S30))
処理室10内が、所望の圧力(例えば大気圧)に達したら、電磁波照射部19から、ウェハ11への例えばマイクロ波等の電磁波の照射を開始し、ウェハ11の加熱を開始する。すなわち、電磁波発生部206で所定のエネルギ量(例えば1600W)を有し、所定の周波数(例えば2.54GHz)に固定された電磁波を発生させ、ウェハ200に照射する。これにより、ウェハ11上に形成されたHigh−k膜は例えば100℃〜600℃に加熱され、High−k膜から不純物を離脱させて除去することができる。すなわち、ウェハ11上に形成されたHigh−k膜を結晶化し、安定した絶縁体薄膜に改質することができる。
【0060】
このとき、電磁波拡散部208によって透過電磁波をウェハ11に向かって拡散させるように照射する。すなわち、電磁波拡散部208によって透過電磁波を反射させて、導波口22と対向するウェハ11の領域以外の領域に向かって透過電磁波を照射する。言い換えると、電磁波拡散部208によって、直接電磁波があまり照射されないウェハ200の領域に、透過電磁波を照射する。また、反射電磁波照射部213によって反射電磁波を反射させて、ウェハ11の側面に向かって反射電磁波を照射する。これにより、ウエハ200に面内均一に電磁波を照射できる。従って、ウェハ11を面内均一に加熱できる。
【0061】
そして、予め設定された処理時間(例えば5分間)が経過したら、ウェハ11への電磁波の照射を停止し、改質処理工程(S30)を終了する。
【0062】
ここで、ウェハ11に電磁波を照射することで、ウェハ11を加熱し、ウェハ11上に形成されたHigh−k膜を改質する処理について説明する。電磁波を照射することによるウェハ11加熱は、誘電体が有する誘電率εや誘電正接tanδ等の物性値の違いを利用した誘電加熱である。なお、誘電率εや誘電正接tanδ等の物性値は、物質に固有の値である。例えば、ウェハ11の材料であるシリコンの誘電率εは9.6である。また、High−k膜(誘電体)である例えばHfO膜の誘電率εは25、ZrO膜の誘電率εは35である。誘電体は、物質の物性値に応じて電磁波の吸収率が異なる。すなわち、誘電率εが高い物質ほど、電磁波の吸収率が高く、加熱されやすい。このため、誘電率ε等の物性値が異なる誘電体に同時に電磁波を照射すると、誘電率が高い物質を選択的に加熱することができる。すなわち、High−k膜が形成されたウェハ11に電磁波を照射すると、High−k膜を選択的に加熱することができる。
【0063】
また、ウェハ11に照射される電磁波が有するエネルギ量(パワー(W))が大きいほど、誘電率εの高い誘電体(High−k膜)をより急速に加熱することができる。従って、電磁波の照射時間を短くすることができる。これにより、ウェハ11全体の温度が上昇する前に、High−k膜を所望の温度に加熱してHigh−k膜の改質処理を行い、電磁波の照射を終了することができる。すなわち、High−k膜を選択的に急速に熱させることで、ウェハ11の材料であるシリコンが加熱される前に、電磁波の照射を終えることができる。その結果、小さいサーマルバジェットで、High−k膜の改質処理を行うことができる。
【0064】
これに対し、比較的低パワーの電磁波をウェハ11に照射すると、所望のHigh−k膜の改質処理を行うための電磁波の照射時間が長くなる。電磁波の照射時間が長くなると、ウェハ11の材料であるシリコンが、電磁波によって誘電加熱されてしまう場合がある。また、High−k膜からの熱がウェハ11に伝導してしまう場合がある。その結果、ウェハ11全体の温度が上昇し、サーマルバジェットが大きくなる場合がある。
【0065】
なお、ここでは、支持台25を回転した状態で処理した例を示したが、これに限らず、例えば、支持台25を固定させて基板処理を行っても良いし、支持台25を上下に動作させながら基板処理を行っても良い。また、回転と上下動作を組み合わせて処理しても良い。支持台25の高さを変化させることにより、後述の様に処理均一性を変化させることができる。マイクロ波を供給中に少なくとも1回、好ましくは2回動作させ支持台25の高さを変化させることで、処理均一性を向上させることができる。支持台25が上下動作する距離は、1〜20mm程度で、例えば5mm移動させる。マイクロ波処理中には、支持台25の高さを0mmの高さと5mmの高さに移動させて処理させることにより、ウェハ11への処理均一性を向上させることができる。ここで、上下動作は、段階的に動作させても良いし、連続的に動作させて高さを変化させるようにしても良い。
【0066】
(パージ工程(S40))
改質処理工程(S30)が終了したら、High−k膜から脱離した炭素(C)や水素(H)等の不純物を処理室10内から排出する。このとき、バルブ219を開けたままとし、処理室10内に不活性ガスとしてのNガスの供給を継続しつつ、排気管231による排気を継続することで、処理室10内からの不純物の排出を促すことができる。
【0067】
(大気圧復帰・基板搬出工程(S50))
パージ工程(S40)が終了したら、APCバルブ233の開度を調整して処理室201内の圧力を大気圧に復帰させる。そして、上述した基板搬入工程に示した手順と逆の手順により搬送ロボットを用いてウェハ11を処理室10内から搬出し、本実施形態に係る基板処理工程を終了する。
【0068】
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0069】
(a)本実施形態では、ウェハ11に電磁波を照射する電磁波照射部19を備えている。そして、電磁波照射部19からウェハ11の表面に向かって電磁波を照射することで、ウェハ11を加熱するようにしている。すなわち、ウェハ11に電磁波を照射することで、誘電率εの高い物質を選択的に加熱するようにしている。これにより、例えばヒータ等の加熱機構によりウェハ11を加熱する場合と比べて、ウェハ11全体の温度の上昇を抑制できるため、サーマルバジェットを小さくできる。
【0070】
(b)本実施形態では、処理室10内に、電磁波照射部19から照射されてウェハ11を透過した透過電磁波を、ウェハ11の裏面に向かって拡散させるように反射させる電磁波拡散部208が設けられている。すなわち、電磁波拡散部208は、透過電磁波の進行方向を変更させることで、ウェハ11に電磁波を拡散させるように構成されている。具体的には、電磁波拡散部208は、電磁波照射部19と対向するウェハ11の領域以外の領域に向かって、透過電磁波を照射させるように構成されている。これにより、ウェハ11に面内均一となるように、電磁波を照射することができる。従って、ウエハ200を面内均一に加熱できる。
【0071】
(c)本実施形態では、電磁波拡散部208は、基板支持機構13に支持されるウェハ11の裏面と対向するように設けられている。ここで、一般的に、電磁波照射部19から照射された電磁波は、ウェハ11の表面や処理室10の内壁等で反射される回数が多くなるほど、保有するエネルギ量が減少する。従って、電磁波拡散部208は、電磁波照射部19からウェハ11に直接照射されてウェハ11を透過した透過電磁波(直接電磁波の透過電磁波)のように、エネルギの減少量が少ない透過電磁波をウェハ11に照射することができるように設けられている。これにより、電磁波拡散部208は、保有するエネルギ量が比較的大きい電磁波を、ウェハ11の裏面に向かって反射させることができる。これにより、ウェハ11の加熱効率を向上させることができるため、電磁波照射部19から電磁波を照射させる時間をより短縮できる。その結果、サーマルバジェットをより小さくできる。
【0072】
(d)本実施形態では、電磁波拡散部208は、電磁波拡散部208を回転させた際、少なくとも電磁波照射部19と対向する領域が電磁波照射部19の中心と対向する位置に向かうにしたがって、ウェハ11と電磁波拡散部208との間の距離が長くなるように形成されている。これにより、電磁波拡散部208によってウェハ11に照射される透過電磁波の電界強度を調整することができる。その結果、ウェハ11をより面内均一に加熱できる。
【0073】
(e)本実施形態では、処理室10(処理容器18)の側壁に、処理室10内に存在する反射電磁波等を、ウェハ11の側面に向かって反射させる反射電磁波照射部213が設けられている。これにより、電磁波照射部19から照射される電磁波が届きにくいウェハ11の縁部の領域に電磁波を照射させることができる。従って、ウェハ11をより面内均一に加熱できる。
【0074】
(f)本実施形態では、電磁波拡散部208及び反射電磁波照射部213は、導電体で形成されている。これにより、電磁波拡散部208及び反射電磁波照射部213の表面では、殆どの電磁波(例えば透過電磁波等)を反射させることができる。これにより、電磁波拡散部208及び反射電磁波照射部213によってウェハ11に照射される電磁波の量が多くなる。従って、ウェハ11の加熱効率をより向上させることができ、サーマルバジェットをより小さくできる。
【0075】
(g)本実施形態では、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、ウェハ11の裏面と電磁波拡散部208の最下表面との間の距離が、電磁波照射部19から照射される電磁波の1/4波長の奇数倍の距離となるようにウェハ11を支持している。これにより、ウェハ11は、電磁波の電界強度が大きい位置で支持されることになる。従って、ウェハ11の加熱効率をより向上させることができ、サーマルバジェットをより小さくできる。
【0076】
(h)本実施形態では、電磁波照射部19は、処理室10内のウェハ11の中心と対向する位置から偏心する位置に設けられている。また、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、支持台25を回転させてウェハ11を回転させるように構成している。これにより、電磁波照射部19と対向するウェハ11の領域を増やすことができる。従って、電磁波照射部19からウェハ11に面内均一となるように電磁波を照射することができる。その結果、ウェハ11をより面内均一に加熱できる。
【0077】
(i)本実施形態では、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、処理室10内をプラズマが発生しない圧力にしている。これにより、プラズマによって電磁波が反射されることを抑制できる。すなわち、電磁波照射部19から照射された電磁波のウェハ11の表面への進行が妨げられることを抑制できる。
【0078】
<他の実施形態>
以上、第1実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0079】
上述の実施形態では、電磁波拡散部208は、円板状部208aと環状部208bとを備えて構成したが、これに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、電磁波拡散部208は、少なくとも電磁波照射部19と対向する領域が、電磁波照射部19の中心と対向する位置に向かうにしたがって、ウェハ11と電磁波拡散部208との間の距離が長くなるように形成されていてもよい。また、例えば、図6に示すように、電磁波拡散部208の電磁波照射部19と対向する領域には、ウェハ11に向かって透過電磁波を拡散させるように反射させる複数の凹凸が設けられていてもよい。なお、図6では、電磁波拡散部208に設けられる凹凸は、断面形状が三角形状の蛇腹状に形成されているが、これに限定されるものではない。すなわち、電磁波拡散部208に設けられる凹凸は、電磁波照射部19と対向するウェハ11の領域以外の領域に透過電磁波を拡散させるように反射させることができる形状であれば種々の形状を適用できる。
【0080】
上述の実施形態では、電磁波発生部20で所定の周波数に固定された電磁波を発生させて、ウェハ11に照射するように構成したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、電磁波発生部20は、時間とともに周波数が変化(可変)する電磁波を発生させて、ウェハ11に照射するように構成してもよい。なお、電磁波発生部20から可変周波数の電磁波を発生させる場合、ウェハ11の裏面と電磁波拡散部208の最下表面との間の距離は、変化する周波数帯の代表周波数の波長から求めればよい。すなわち、例えば、電磁波の周波数が5.8GHz〜7.0GHzの間で変化する場合、代表周波数を変化する周波数帯のセンタ周波数、すなわち6.4GHzとして求めればよい。この場合、代表周波数6.4GHzの波長は46mmであるので、ウェハ11の裏面と電磁波拡散部208の最下表面との間の距離は11.5mmとすればよい。
【0081】
上述の実施形態では、導波口22は、ウェハ11の中心と対向する位置から偏心する位置に設けたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、導波口22の中心位置とウェハ11の中心位置とが対向するように設けられていてもよい。
【0082】
上述の実施形態では、支持台25の高さ位置を調整することで、導波口22と基板支持機構214で支持されるウェハ11の表面との間の距離が、電磁波照射部19から照射される電磁波の1波長よりも短くなるように構成したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、基板支持機構13の高さ位置、又は、支持台25及び基板支持機構の高さ位置を調整することで、導波口22と基板支持機構13で支持されるウェハ11の表面との間の距離を調整してもよい。
【0083】
上述の実施形態では、基板支持機構13の高さ位置及び支持台25の高さ位置を予め調整したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、基板支持機構13及び支持台25の高さ位置の調整は、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、連続して行ってもよく、あるいはウェハ11の加熱状況等に応じて適宜行ってもよい。また、例えば、基板支持機構13及び支持台25の高さ位置の調整は、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、所定のタイミング毎(例えば所定時間経過毎)に行ってもよい。
【0084】
上述の実施形態では、ウェハ11を支持する複数の基板支持機構13はそれぞれ、同じ高さでウェハ11を支持するように構成したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、複数の基板支持機構13は、それぞれ異なる高さ位置でウェハ11を支持するように構成されていてもよい。これにより、ウェハ11の傾きを変えることができる。従って、電磁波拡散部208により反射されてウェハ11に照射される透過電磁波の照射領域を調整することができる。その結果、ウェハ11をより面内均一に加熱できる。なお、各基板支持機構13の高さ位置は、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、連続して調整するようにしてもよく、あるいはウェハ11の加熱状況等に応じて適宜調整するようにしてもよい。また、各基板支持機構13の高さ位置は、所定のタイミング(例えば所定時間経過毎)で調整するようにしてもよい。
【0085】
上述の実施形態では、少なくとも電磁波照射部19から電磁波が照射されている間、一定の速度でウェハ11を回転させるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、ウェハ11の加熱状況に応じて、ウェハ11の回転速度を適宜調整するようにしてもよい。すなわち、ウェハ11の温度が低い領域付近では、より多くの電磁波が照射されるように、ウェハ11の回転速度を遅くしてもよい。
【0086】
上述の実施形態では、ウェハ11の回転と、基板支持機構13の高さ位置及び支持台25の高さ位置の調整と、を行ったが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、ウェハ11の回転、基板支持機構13の高さ位置調整、又は支持台25の高さ位置調整の少なくともいずれかが行われるように構成されていればよい。
【0087】
上述の実施形態では、電磁波拡散部208は支持台25上に設けたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、電磁波拡散部208及び支持台25は、一体成型されていてもよい。
【0088】
上述の実施形態では、回転軸23に、回転機能及び昇降機能を備える回転昇降機構24を設けたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、回転軸には回転昇降機構及び昇降機構をそれぞれ設けてもよい。
【0089】
また、例えば、電磁波照射部19から電磁波を照射している際に、ウェハ11を冷却するように構成してもよい。すなわち、例えば、支持台25の内部に例えば冷却水等の冷却媒体を循環させる冷却流路が設けられていてもよい。また、例えば、電磁波照射部19から電磁波を照射している際に処理室10内に供給される不活性ガスの量を増加させることで、ウェハ11を冷却するようにしてもよい。これにより、ウェハ11全体の温度上昇をより抑制できる。
【0090】
また、本発明は、例えば、既存の基板処理装置のプロセスレシピを変更することでも実現できる。プロセスレシピを変更する場合は、本発明に係るプロセスレシピを電気通信回線(ネットワークやインターネット)や当該プロセスレシピを記録した記録媒体を介して既存の基板処理装置にインストールしたり、また、既存の基板処理装置の入出力装置を操作し、そのプロセスレシピ自体を本発明に係るプロセスレシピに変更することも可能である。
【実施例】
【0091】
次に、本発明の実施例を図7図9を参照しながら説明する。本実施例として、ウェハ11の表面上に窒化チタン(TiN)膜が成膜された直径が300mmのウェハ11を用い、電磁波照射部19から電磁波を照射してTiN膜の加熱を行った。なお、基板処理装置100として、電磁波照射部19が、処理容器18の上壁の略中央に設けられた基板処理装置100を用いた。すなわち、導波口22が、導波口22の中心位置とウェハ11の中心位置とが対向するよう設けられた基板処理装置100を用いた。
【0092】
図7は、処理室10内に反射電磁波照射部213が設けられた場合において、TiN膜に照射される電磁波の強度の評価結果を示すグラフ図である。なお、電磁波の強度は、TiN膜のシート抵抗値(Ω)を測定することで評価した。すなわち、シート抵抗値(Ω)が高いほど、電磁波の強度が弱く、熱が発生し難いことを表している。図7中「反射電磁波照射部有り」とは、反射電磁波照射部213が設けられているが、電磁波拡散部208は設けられていないことを示す。また、「反射電磁波照射部無し」とは、反射電磁波照射部213及び電磁波拡散部208が設けられていないことを示す。図7に示すように、反射電磁波照射部213が設けられていない場合と比べて、反射電磁波照射部213が設けられていると、ウェハ11の縁部で、シート抵抗値が低くなっていることを見出した。すなわち、反射電磁波照射部213が設けられると、特にウェハ11の縁部が加熱されやすくなることを見出した。
【0093】
図8は、処理室10内に電磁波拡散部208が設けられた場合において、TiN膜に照射される電磁波の強度の評価結果を示すグラフ図である。なお、電磁波の強度は、TiN膜のシート抵抗値(Ω)を測定することで評価した。図8中「電磁波拡散部無し」とは、電磁波拡散部208は設けられていないが、反射電磁波照射部213は設けられていることを示す。また、「電磁波拡散部有り」とは、電磁波拡散部208及び反射電磁波照射部213が設けられていることを示す。図8に示すように、反射電磁波照射部213に加えて、電磁波拡散部208が設けられていると、ウェハ11の縁部ではシート抵抗値を低く抑えつつ、ウェハ11の中心領域(電磁波照射部19と対向する領域)ではシート抵抗値が高くなることを見出した。
【0094】
図9は、反射電磁波照射部213の最下面と電磁波拡散部208の最下表面の高さ方向の距離と、電界強度との相関関係を示すグラフ図である。なお、電界強度は、TiN膜のシート抵抗値(Ω)を測定することで評価した。図9に示す距離は、以下の様になっている。ウェハ11の裏面と電磁波拡散部208の最下表面との間の距離が、電磁波照射部204から照射される電磁波の1/4波長の奇数倍にした状態での電磁波拡散部208の最下表面と反射電磁波照射部213の下面を水平にした時の位置を「0mm」とした。電磁波拡散部208(支持台25)を「0mm」の位置から、1.5mm上げた場合を「1.5mm」、2.5mm上げた場合を「2.5mm」、3.5mm上げた場合を「3.5mm」、4.0mm上げた場合を「4.0mm」、4.5mm上げた場合を「4.5mm」、5mm上げた場合を「5mm」とした。図9から、電磁波拡散部208の最下表面の位置が「0mm」の位置から+方向に離れるにしたがって、電界強度が強くなることを見出した。すなわち、電磁波拡散部208を「0mm」の位置から5mm上げた場合、特にウェハ11の中心部のシート抵抗値が高くなることを見出した。なお、電磁波拡散部208を1.5mm上げた場合、0mmの場合と比較して、シート抵抗値は殆ど変わらない、すなわち電界強度は殆ど変わらないことを見出した。また、処理室10内の電磁波の定在波は、支持台25の高さによって変化させることができ、処理中に支持台25の高さを変化させることにより、処理の均一性を改善できることを見出した。
【0095】
<第2実施形態>
発明者等は、更に鋭意研究した結果、基板載置部の上面と密閉部の間に溝部を設けることにより、基板の面内均一性を向上させることができる基板処理装置と基板支持装置及び基板処理方法を提供できることを見出した。また、マイクロ波漏れの抑制や、シール部材からのパーティクルの発生を抑制することができることを見出した。
【0096】
以下に、第2実施形態に係る基板処理装置の構成について図10図15を用いて説明する。
【0097】
図10は、本発明の実施形態に係る基板処理装置の垂直断面図である。基板処理装置100は、処理室10と搬送室(不図示)と電磁波供給部としてのマイクロ波供給部19とを備える。処理室10は、半導体基板としてのウェハ11を処理する。マイクロ波供給部19は、電磁波発生部としてのマイクロ波発生部20と導波路21と導波口22とを備える。
【0098】
マイクロ波発生部20は、例えば、固定周波数マイクロ波又は可変周波数マイクロ波を発生する。マイクロ波発生部20としては、例えばマイクロトロン、クライストロン、ジャイロトロン等が用いられる。マイクロ波発生部20で発生したマイクロ波は、導波路21を介して、処理室10内に連通する導波口22から処理室10内に輻射される。これにより、誘電加熱の効率をあげることができる。導波路21には、導波路21内部の反射電力を少なくするマッチング機構26が設けられる。
【0099】
処理室10を形成する処理容器18は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)など金属材料により構成されており、処理室10と外部とをマイクロ波的に遮蔽する構造となっている。
【0100】
処理室10内に供給されたマイクロ波は、処理容器18の壁面に対して反射を繰り返す。マイクロ波は処理室10内でいろいろな方向へ反射し、処理室10内はマイクロ波で満たされる。処理室10内のウェハ11に当たったマイクロ波はウェハ11に吸収され、ウェハ11はマイクロ波により誘電加熱される。
【0101】
マイクロ波発生部20、導波路21、導波口22、及びマッチング機構26でマイクロ波供給部19が構成される。
【0102】
処理容器18の側壁には、例えば窒素(N2)等のガスを供給するガス供給管216が設けられている。ガス供給管216には、上流から順に、ガス供給源217、ガス流量を調整する流量制御装置218、ガス流路を開閉する開閉バルブ219が設けられており、この開閉バルブ219を開閉することで、処理室10内にガス供給管216からガスが供給、又は供給停止される。ガス供給管216から供給されるガスは、ウェハ11を冷却したり、パージガスとして処理室10内のガスや雰囲気を押し出したりするのに用いられる。
【0103】
ガス供給管216と流量制御装置218と開閉バルブ219から、ガス供給部215が構成される。流量制御装置218と開閉バルブ219は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80により制御される。なお、ガス供給部215に、ガス供給源217を設けても良い。
【0104】
処理容器18の側壁には、処理室10内のガスを排気するガス排出管231が設けられている。ガス排出管231には、上流から順に、排気装置としての真空ポンプ246と、圧力調整バルブ233が設けられており、この圧力調整バルブ233の開度を調整することで、処理室10内の圧力が所定の値に調整される。
【0105】
ガス排出管231と圧力調整バルブ233とで、ガス排出部60が構成される。圧力調整バルブ233と真空ポンプ246は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80により圧力調整制御される。なお、ガス排出部60に、真空ポンプ246を設けても良い。
【0106】
処理容器18の一側面には、処理室10の内外にウェハ11を搬送するためのウェハ搬送口71が設けられている。ウェハ搬送口71には、密閉部としての例えばOリング等のシール部74を介して開閉部としてのゲートバルブ72が設けられている。ゲートバルブ72にはゲートバルブ駆動部73が接続されている。ゲートバルブ駆動部73は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80によりゲートバルブ72は開閉される。ゲートバルブ72が開閉されることで、処理室10内と搬送室内とが連通するように構成されている。ウェハ搬送口71、ゲートバルブ72、ゲートバルブ駆動部73でウェハ搬送部が構成される。搬送室内には、ウェハ11を搬送する搬送ロボット(不図示)が設けられている。搬送ロボットには、ウェハ11を搬送する際にウェハ11を支持する搬送アームが備えられている。ゲートバルブ72を開くことによって、搬送ロボットにより処理室10内と搬送室内との間で、ウェハ11が搬送される。ゲートバルブ72が閉じることで処理室10内は密閉される。
【0107】
処理室10内には、ウェハ11を載置する基板載置部25が設けられている。基板載置部25は、ウェハ11をその上端13aで支持する基板支持機構としての基板支持ピン13を備える。
【0108】
基板支持ピン13は、例えば石英やセラミックス、サファイア、又はテフロン(登録商標)等、伝熱性が低く、電気的に絶縁性が良好な材質で形成される。このような材質とすることで、基板支持ピン13そのものが加熱されることを抑制し、更にはウェハ11から基板支持ピン13への熱逃げを抑制することができる。熱逃げを抑制することができるため、基板面内を均一に加熱することが可能となる。また、基板支持ピン13の加熱を防ぐことで、基板支持ピン13の熱変形を防ぐことができ、結果熱変形によるウェハ高さを一定にすることができるので、1スロット辺りのウェハ加熱を再現性良く加熱することが可能となる。また、基板支持ピン13は、複数(本実施形態においては3本)で構成される。
【0109】
本実施形態においては、導波口22を処理容器18の上壁に設け、導波口22と基板支持ピン13で支持されたウェハ11の表面との間の距離を、供給されるマイクロ波の1波長よりも短い距離としている。本実施形態では、使用するマイクロ波の周波数を5.8GHzとし、そのマイクロ波の波長51.7mmよりも短い距離としている。導波口22から1波長よりも短い距離の範囲では、導波口22から発射された直接波が支配的であると考えられる。上記のようにすると、ウェハ11に照射されるマイクロ波は、導波口22から直接発射された直接波が支配的となり、処理容器18内の定在波の影響を相対的に小さくすることができ、導波口22の近辺のウェハ11を急速加熱することができる。
【0110】
ここで、一般にウェハ11の温度は、マイクロ波のパワーが小さければ温度が低く、パワーが大きければ温度が高くなる。なお、基板温度は、処理容器18の大きさや形状、マイクロ波の導波口22の位置、ウェハ11の位置によって変わるが、マイクロ波パワーを大きくすると、基板温度が高くなるという相関関係は崩れない。
【0111】
基板載置部25は、例えばアルミニウム(Al)等の導体である金属材料により構成される。
【0112】
基板載置部25は金属製であるため、基板載置部25表面においてはマイクロ波の電位がゼロとなる。仮にウェハ11を基板載置部25に直接置いた場合、マイクロ波の電界強度が弱い状態となり、加熱されない。そこで、本実施形態では、基板載置部25の表面からおよそマイクロ波の1/4波長(λ/4)の位置、もしくはおよそλ/4の奇数倍の位置にウェハ11を載置するようにする。ここでいう基板載置部25の表面とは、基板載置部25を構成する面の内、ウェハ11の裏面と対向する面を言う。λ/4の奇数倍の位置では電界が強いため、ウェハ11を効率よくマイクロ波で加熱することができる。本実施形態では、たとえば5.8GHzに固定したマイクロ波を使用し、マイクロ波の波長が51.7mmであるので、基板載置部25の表面からウェハ11までの高さを12.9mmとしている。
【0113】
マイクロ波の周波数が時間とともに変化(可変)する形態も可能である。その場合、基板載置部25の表面からウェハ11までの高さは、変化する周波数帯の代表周波数の波長から求めれば良い。たとえば5.8GHz〜7.0GHzまで変化する場合、代表周波数を変化する周波数帯のセンタ周波数とし、代表周波数6.4GHzの波長46mmより、基板載置部25の表面からウェハ11までの高さを11.5mmとすればよい。
【0114】
また、固定周波数の電源を複数設け、それぞれから異なる周波数のマイクロ波を切り替えて供給し、処理するようにしてもよい。
【0115】
基板載置部25の側面には、溝部としてのチョーク部28が側面全面にわたって形成されている。そして、このチョーク部28が、基板載置部25の上面25aとシール部74(ウェハ搬入口71)との間に配置された状態で、マイクロ波が供給されることで、基板載置部25の下方へのマイクロ波の漏洩を防止することができ、導電性のシール部を用いる必要がなくなる。また、基板載置部25上方の空間にマイクロ波を閉じ込めることができ、処理効率が向上する。また、処理均一性を向上させることができる。また、シール部の焼損を防止することができる。
【0116】
チョーク部28の深さDは、例えばマイクロ波の1/4波長(λ/4)以下となるようにする。これにより、チョーク部28端でのマイクロ波打消しが最大となり、マイクロ波の漏洩防止効果を高めることができる。
【0117】
また、チョーク部28には、誘電体を充填するとよい。これにより、装置を小型化しつつ、チョーク部28へのパーティクルの進入と堆積を防止できる。チョーク部28に充填する誘電体として、例えばSiO2(二酸化珪素)、Al23(酸化アルミニウム)、SiN(窒化珪素)、AlN(窒化アルミニウム)等の誘電率の高い材料が挙げられる。
【0118】
基板載置部25は、下面を回転軸23で支持されて昇降回転機構24に接続されている。昇降回転機構24は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80により基板載置部25は回転軸23を中心に水平方向に回転され、垂直方向に昇降される。基板載置部25を回転させることで、ウェハ11を水平方向に回転して、ウェハ11の表面側に均一にマイクロ波を照射することができる。また、基板載置部25を搬送室から処理室10へウェハ11を搬入する基板搬入位置から垂直方向に上昇させ、チョーク部28がシール部74(ウェハ搬入口71)の上方に配置され、チョーク部28が基板載置部25の上面25aとシール部74との間に設けられる位置でマイクロ波が照射される。
【0119】
ここで、基板載置部25と基板支持ピン13と回転軸23と昇降回転機構24で、基板支持部27が構成される。
【0120】
導波口22付近は、電界が強いのでマイクロ波によって急速に加熱されるが、導波口22付近から離れると電界が弱くなり加熱されにくい。そこで、導波口22の位置を導波口22の中心位置とウェハ11の中心位置までの距離を90mm偏心させる。これにより、電界の強い部分がウェハ11の中心からずれる。そこで、ウェハ11を回転させ、ウェハ11を導波口22付近を通過させることでウェハ11全面の膜に対して均一に加熱処理される。
【0121】
次に、チョーク構造について説明する。
図15は、本発明の実施形態において用いられるチョーク構造を説明するための図である。
図15(a)は、処理室10内と処理室10外を間隙が極めて狭い平行平板29a、29bの一方に深さDの溝(チョーク部28)を設けた例を示している。この場合、図15(b)のような等価回路で示され、付加された溝DのインピーダンスZは、Z=jZtan(2πD/λ)で示される。ここで、Zは特性インピーダンスである。したがって、D=λ/4の場合にインピーダンスZは最大となり、溝Dの開口端は開放状態となり、漏洩波を反射させることができ、下流側へのマイクロ波の進行を抑制することができる。
【0122】
また、チョーク部28に充填された誘電体内のマイクロ波の伝播速度を考えた場合、誘電体の比誘電率をεr、真空中の誘電率をεo、透磁率μoとすると伝播速度νは、
【数1】
となる。したがって、誘電体内では真空中に比べて
【数2】
だけ伝播速度が低下し、波長も同様の比率で短くなる。
すなわち、誘電体をチョーク部28に充填することにより、チョーク部28の深さDを浅く、小型化できるのみならず、パーティクルの進入、蓄積を防止できる。
【0123】
基板処理装置100の制御は、上述の図3に示す制御部80と同様の制御部で制御される。
【0124】
次に、基板処理装置100における本実施形態の基板処理動作について説明する。図11は、本実施形態に係る基板処理工程のフロー図である。また、本実施形態の基板処理は、半導体装置を製造する複数工程の中の一工程を構成するものである。なお、後述する各部の動作は、制御部80により制御される。
【0125】
<基板搬入工程、ステップS10>
ウェハ11を処理室10に搬入する基板搬入工程において、まず、ゲートバルブ72を開き、処理室10と搬送室とを連通させる。次に、処理対象(被処理基板)のウェハ11を、搬送ロボットにより、搬送室内から処理室10内へウェハ搬入口71を介して搬入する。
【0126】
<基板載置工程、ステップS11>
処理室10内に搬入されたウェハ11は、搬送ロボットにより基板支持ピン13の上端13aに載置され、基板支持ピン13に支持される。次に、搬送ロボットが処理室10内から搬送室内へ戻ると、ゲートバルブ72が閉じられる。
【0127】
<窒素ガス供給工程、ステップS12>
次に、処理室10内を窒素(N2)雰囲気に置換する。ウェハ11を搬入すると処理室10の外の大気雰囲気が巻き込まれるので、この大気雰囲気中の水分や酸素がプロセスに影響しないように処理室10内をN2雰囲気に置き換える。
【0128】
<ガス排気工程、ステップS13>
開閉バルブ219を開いて、処理室10内にガス供給管52からN2ガスを供給するとともに、圧力調整バルブ63により処理室10内の圧力を所定の値に調整しつつ、ガス排出管231から、真空ポンプ246により処理室10内のガス(雰囲気)を排出する。
【0129】
<加熱処理工程(マイクロ波供給開始)、ステップS14>
次に、基板載置部25が上昇され、チョーク部28が、基板載置部25の上面25aとシール部74(ウェハ搬入口71)との間に配置される位置まで移動する。そして、ウェハ11を回転させ、マイクロ波発生部20で発生させたマイクロ波を、導波口22から処理室10内に供給し、ウェハ11の表面に照射する。
【0130】
マイクロ波発生部20で発生させたマイクロ波を、導波口22から処理容器18内に導入し、ウェハ11の表面に照射する。本実施形態では、このマイクロ波照射により、ウェハ11表面上のHigh−k膜を100〜600℃に加熱し、High−k膜の改質処理、つまり、High−k膜からCやH等の不純物を離脱させて、緻密化し安定した絶縁体薄膜に改質する処理を行う。
【0131】
実験的に、ハイパワーのマイクロ波を照射する方が膜の改質効果が大きい。ハイパワーのマイクロ波を照射すると、急速にHigh−k膜の温度を上昇させることができる。
【0132】
前述に対して、比較的低パワーのマイクロ波を長時間照射した場合は、改質プロセス中に基板全体の温度が高くなってしまう。時間が経過すると、シリコン自身がマイクロ波により誘電加熱されるのと、マイクロ波が照射される基板表面のHigh−k膜から基板裏面側のシリコンへの熱伝導により、シリコンの温度も上昇してしまうからである。ハイパワーのマイクロ波を照射する場合に膜の改質効果が大きい理由は、基板全体が温度上昇し上限温度に達するまでの時間内に、誘電体を誘電加熱により高い温度まで加熱することができるためと考えられる。
【0133】
そこで、本実施形態では、High−k膜の形成された基板表面側にエネルギの強い直接波を照射し、誘電体と基板との加熱差をより大きくするようにした。
【0134】
また、マイクロ波を照射中に、ウェハ11を冷却することで、ウェハ11の温度上昇を抑制することが出来る。ウェハ11を冷却するには、例えば、処理容器18内に導入する不活性ガス(例えばN2ガス)の流量を多くする、そしてその流量制御することで、ウェハ11の温度制御を行うこともできる。
【0135】
また、積極的にN2ガスの冷却効果を使用する場合は、ガス供給管を基板載置部25に設け、ウェハ11と基板載置部25の間にガスを流すことにより、ガスによる冷却効果向上を図ることもできる。このガスの流量を制御することにより、ウェハ11の温度制御を行うこともできる。
【0136】
また本実施形態ではN2ガスを使用しているが、プロセス的、安全性に問題がなければ、熱伝達率の高い他のガス、たとえば希釈HeガスなどをN2ガスに追加し、基板冷却効果を向上することもできる。
【0137】
また、基板載置部25内に冷却水流量計、開閉バルブ、冷却水経路のような冷媒を循環させる冷却流路を設けるようにしてもよい。
【0138】
以上のようにして、所定時間、マイクロ波を供給して基板加熱処理を行った後、マイクロ波の供給を停止する(ステップS15)。
【0139】
<基板搬出工程、ステップS16>
加熱処理工程が終了すると、上述した基板搬入工程に示した手順とは逆の手順により、加熱処理したウェハ11を処理室10から搬送室内へ搬出する。
【0140】
<第二の実施形態の実施例2>
次に、第二の実施形態の実施例2に係る基板処理装置200について説明する。
図12は、本発明に係る基板処理装置200の縦断面図を示す。
第二の実施形態の実施例2に係る基板処理装置200は、上述した実施形態に係る基板処理装置100とほぼ同様の構成であるが、溝部であるチョーク部が異なる位置に設けられている。
【0141】
実施例2に係る基板処理装置200では、チョーク部28が基板載置部25ではなく、シール部74(ウェハ搬入口71)の上方であって、処理容器18の内壁側に設けられている。そして、加熱処理工程において制御部80が昇降回転機構24を制御して、チョーク部28が基板載置部25の上面25aの下方であって、基板載置部25の側面に対向する位置に基板載置部25を移動させる。これにより、基板載置部25の下方へのマイクロ波の漏洩を防止することができ、導電性のシール部を用いる必要がなくなる。また、基板載置部25上方の空間にマイクロ波を閉じ込めることができ、処理効率が向上する。また、シール部74の焼損を防止することができる。
【0142】
<第二の実施形態の実施例3>
次に、第二の実施形態の実施例3に係る基板処理装置300について説明する。
図13は、第二の実施形態の実施例3に係る基板処理装置300の縦断面図を示す。
第二の実施形態の実施例3に係る基板処理装置300は、上述した第一の実施形態に係る基板処理装置100と第二の実施形態の実施例3に係る基板処理装置200とほぼ同様の構成であるが、溝部であるチョーク部が第1のチョーク部28aと第2のチョーク部28bの2つ設けられている。
【0143】
第二の実施形態の実施例3に係る基板処理装置300では、第1のチョーク部28aが基板載置部25の側面に、第2のチョーク部28bがシール部74(ウェハ搬入口71)の上方であって、処理容器18の内壁側に設けられている。そして、加熱処理工程において制御部80が昇降回転機構24を制御して、第2のチョーク部28bが基板載置部25の上面25aの下方であって、基板載置部25の側面に対向する位置あって、第1のチョーク部28aとは対向しない位置にくるように基板載置部25を移動させる。これにより、さらに、基板載置部25の下方へのマイクロ波の漏洩を防止することができ、基板載置部25上方の空間にマイクロ波を閉じ込めることができ、処理効率が向上する。また、シール部74の焼損を防止することができる。
【0144】
<第二の実施形態の実施例4>
次に、第二の実施形態の実施例4に係る基板処理装置400について説明する。
【0145】
図14は、第二の実施形態の実施例4に係る基板処理装置400の縦断面図であってゲートバルブ72周辺を示す。
【0146】
第二の実施形態の実施例4に係る基板処理装置400では、溝部であるチョーク部28がゲートバルブ72の処理室10側であって、シール部74の内側に設けられている。本実施形態においてもマイクロ波の漏洩を防止することができ、シール部74の焼損を防止することができ、処理効率が向上する。
【0147】
なお、第一の実施形態に係る基板処理装置100同様、実施形態の基板処理装置に用いられるチョーク部28の深さDは、マイクロ波の1/4波長(λ/4)以下となるようにするのが好ましい。これにより、チョーク部28端でのマイクロ波打消しが最大となり、マイクロ波の漏洩防止効果を高めることができる。また、チョーク部28それぞれに、誘電体を充填してもよい。これにより、装置を小型化しつつ、チョーク部28へのパーティクルの進入と堆積を防止できる。チョーク部に充填する誘電体として、例えばSiO2(二酸化珪素)、Al23(酸化アルミニウム)、SiN(窒化珪素)、AlN(窒化アルミニウム)等の誘電率の高い材料が挙げられる。
【0148】
本実施形態によれば、電磁波をウェハ上方の空間に閉じ込めることができ、ウェハを効率よく処理することができる。また、Oリング等のシール部への電磁波の伝搬を防止でき、シール部の焼損、劣化を防止することができる。また、基板載置部の側面で電磁波を減衰させることができるので、昇降回転機構への電磁波の伝搬を防ぎ、誤動作を防止することができる。また、パーティクルが発生し、チョーク部に堆積したとしても処理空間であるウェハ上方にパーティクルが入り込むことを低減でき、ウェハへの汚染を防止することができる。
【0149】
また、本実施形態によれば、処理容器と基板載置部で構成された処理室の電磁界分布は、基板載置部の高さにより変化させることができ、所望の電磁界分布を得ることができる。すなわち、所望の電磁界分布を得るために基板載置部の昇降を行っても、電磁波の漏洩を防止し、チョーク構造から得られる効果を維持することができる。
【0150】
<第3実施形態>
発明者等は、更に鋭意研究した結果、基板としてのウェハ11を導電体カバーで覆う事で、基板温度の上昇を抑えサーマル間ジェットを抑制し、基板への熱負荷を減らして基板の面内均一性を向上させることができる基板処理装置と基板支持装置及び基板処理方法を提供できることを見出した。
【0151】
以下に、第3実施形態に係る基板処理装置の構成について図16図20を用いて説明する。
【0152】
本発明の実施形態に係る基板処理装置の構成について、図16を用いて説明する。図16は、本発明の実施形態に係る基板処理装置の垂直断面図である。基板処理装置100は、処理室10と搬送室(不図示)とマイクロ波供給部19とを備える。処理室10は、半導体基板としてのウェハ11を処理する。マイクロ波供給部19は、導波路21と導波口22とを備える。なお、マイクロ波供給部19にマイクロ波発生部20を設けても良い。
【0153】
マイクロ波発生部20は、例えば、固定周波数マイクロ波又は可変周波数マイクロ波を発生する。マイクロ波発生部20としては、例えばマイクロトロン、クライストロン、ジャイロトロン等が用いられる。マイクロ波発生部20で発生したマイクロ波は、導波路21を介して、処理室10内に連通する導波口22から処理室10内に輻射される。これにより、誘電加熱の効率をあげることができる。導波路21には、導波路21内部の反射電力を少なくするマッチング機構26が設けられる。
【0154】
処理室10内に供給されたマイクロ波は、後述する導電体カバー25の上面から下面に向かって略垂直に照射される。導電体カバー25の外側は、周波数1GHz以上100GHz以下のマイクロ波を電気的に閉ざされた処理室10内で照射される。すなわち、導電体カバー25に当たったマイクロ波は導電体カバー25に吸収され、ウェハ11はマイクロ波により誘電加熱される。
【0155】
マイクロ波発生部20、導波路21、導波口22、及びマッチング機構26でマイクロ波供給部19が構成される。
【0156】
処理室10を形成する処理容器18は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)など金属材料により構成されており、処理室10と外部とをマイクロ波的に遮蔽する構造となっている。
【0157】
処理室10内には、ウェハ11を支持する基板支持部30が設けられている。基板支持部30は、ウェハ11をその上端13aで支持する基板支持機構としての基板支持ピン13と、基板支持ピン13に支持されたウェハ11を覆うように設けられた導電体カバー31とを備える。
【0158】
基板支持ピン13は、例えば石英やセラミックス、サファイア、又はテフロン(登録商標)等、伝熱性が低く、電気的に絶縁性が良好な材質で形成される。このような材質とすることで、基板支持ピン13そのものが加熱されることを抑制し、更にはウェハ11から基板支持ピン13への熱逃げを抑制することができる。熱逃げを抑制することができるため、基板面内を均一に加熱することが可能となる。また、基板支持ピン13の加熱を防ぐことで、基板支持ピン13の熱変形を防ぐことができ、結果熱変形によるウェハ高さを一定にすることができるので、1スロット辺りのウェハ加熱を再現性良く加熱することが可能となる。また、基板支持ピン13は、複数(本実施形態においては3本)で構成される。
【0159】
導電体カバー31は、導電体で形成される。また、導電体カバー31は、ウェハ11全体の上面を覆う上面カバー31aと下面を覆う下面カバー31bと側面を覆う側面カバー31cで形成され、ウェハ11と同じ大きさ又はそれ以上の大きさでウェハ11全体を覆うように筒状に形成されている。また、側面カバー31cの後述するウェハ搬送口71と対向する面には開口部31dが形成されている。また、導電体カバー31は、全体が同電位であるように形成されている。これにより、導電体カバー31に形成される渦電流が均一となり、ウェハ11の表面に形成された膜の面内均一性を向上させることができる。
【0160】
すなわち、処理基板が、同じ大きさ又はそれ以上の大きさの伝導体に完全に包まれ電気的に閉とならないようにして、周波数1GHz以上100GHz以下のマイクロ波が照射される。
【0161】
なお、本実施形態においては、導電体カバー31の上方からマイクロ波を供給する例について述べているが、導電体カバー31の下方からマイクロ波を供給してもよく、また、導電体カバー31の上方と下方からマイクロ波を供給してもよい。導電体カバー31の上下面からマイクロ波を照射することで、誘電加熱の効率を高めることができる。
【0162】
また、導電体カバー31内をSiO(二酸化ケイ素)等の絶縁物で満たして用いても良い。これにより、ウェハの処理均一性を向上させることができる。
【0163】
ここで、基板支持ピン13と導電体カバー31で、基板支持部30が構成される。
【0164】
基板支持部30の下面には、脚部32が設けられている。脚部32は、複数(本実施形態においては3本)で構成され、処理室10内で基板支持部30を支持する。
【0165】
処理室10の側壁には、例えば窒素(N)等のガスを供給するガス供給管216が設けられている。ガス供給管216には、上流から順に、ガス供給源217、ガス流量を調整する流量制御装置218、ガス流路を開閉する開閉バルブ219が設けられており、この開閉バルブ219を開閉することで、処理室10内にガス供給管216からガスが供給、又は供給停止される。ガス供給管216から供給されるガスは、ウェハ11を冷却したり、パージガスとして処理室10内のガスや雰囲気を押し出したりするのに用いられる。
【0166】
ガス供給管216と流量制御装置218と開閉バルブ219から、ガス供給部215が構成される。流量制御装置218と開閉バルブ219は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80により制御される。なお、ガス供給部215には、ガス供給源217を設けても良い。
【0167】
図16に示すように、例えば直方体である処理容器18の下部であって処理室10の側壁には、処理室10内のガスを排気するガス排出管231が設けられている。ガス排出管231には、上流から順に、排気装置としての真空ポンプ246と、圧力調整バルブ233が設けられており、この圧力調整バルブ233の開度を調整することで、処理室10内の圧力が所定の値に調整される。
【0168】
ガス排出管231と圧力調整バルブ233とで、ガス排出部60が構成される。圧力調整バルブ63と真空ポンプ64は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80により圧力調整制御される。なお、ガス排出部60に、真空ポンプ64を設けても良い。
【0169】
図16に示すように、処理容器18の一側面には、処理室10の内外にウェハ11を搬送するためのウェハ搬送口71が設けられている。ウェハ搬送口71には、ゲートバルブ72が設けられており、ゲートバルブ駆動部73によりゲートバルブ72を開けることにより、処理室10内と搬送室内とが連通するように構成されている。ウェハ搬送口71、ゲートバルブ72、ゲートバルブ駆動部73でウェハ搬送部が構成される。搬送室内には、ウェハ11を搬送する搬送ロボット(不図示)が設けられている。搬送ロボットには、ウェハ11を搬送する際にウェハ11を支持する搬送アームが備えられている。ゲートバルブ72を開くことによって、搬送ロボットにより処理室10内と搬送室内との間で、ウェハ11を搬送することが可能なように構成されている。
【0170】
図17は、本発明の実施形態に係る基板処理装置100の処理室10と導電体カバー31とウェハ11の配置関係を説明するための(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【0171】
基板支持ピン13は、支持したウェハ11の中心と処理室10の中心と導電体カバー31の中心が垂直方向で略一致するように設けられている。これにより、ウェハ11の面内一性を向上させることができる。
【0172】
また、基板支持ピン13は、導電体カバー31の内面であって、基板支持ピン13に対向する対向面と、ウェハ11とを略平行に載置し、ウェハ11と導電体カバー31の内面とは電気的に接触しないように設けられている。好ましくは、ウェハ11と導電体カバー31の内面との間隔(隙間B)をマイクロ波の1/4波長(λ/4)以下、若しくは1/4波長(λ/4)の奇数倍となる位置でウェハ11を処理する。このような距離とすることで、基板表面における高周波電界が最大になり、基板表面へマイクロ波エネルギを効率よく入射することができる。また、基板端部まで均一に加熱することができ、ウェハ11に形成された回路の損傷を防止することができる。言い換えれば、定在波の基板への影響を抑制することができる。
【0173】
基板処理装置100の制御は、上述の実施形態で説明した、図3に示す制御部80と同様の制御で制御される。
【0174】
次に、基板処理装置100における本実施形態の基板処理動作について説明する。図18は、本実施形態に係る基板処理工程のフロー図である。また、本実施形態の基板処理は、半導体装置を製造する複数工程の中の一工程を構成するものである。なお、後述する各部の動作は、制御部80により制御される。
【0175】
<基板搬入工程、ステップS10>
ウェハ11を処理室10に搬入する基板搬入工程において、まず、ゲートバルブ72を開き、処理室10と搬送室とを連通させる。次に、処理対象(処理基板)のウェハ11を、搬送ロボットにより、搬送室内から処理室10内へ搬入する。
【0176】
<基板載置工程、ステップS11>
処理室10内に搬入されたウェハ11は、搬送ロボットにより開口部31dを介して導電体カバー31内の基板支持ピン13の上端13aに載置され、基板支持ピン13に支持される。次に、搬送ロボットが処理室10内から搬送室内へ戻ると、ゲートバルブ72が閉じられる。
【0177】
<窒素ガス供給工程、ステップS12>
次に、処理室10内を窒素(N)雰囲気に置換する。ウェハ11を搬入すると処理室10の外の大気雰囲気が巻き込まれるので、この大気雰囲気中の水分や酸素がプロセスに影響しないように処理室10内をN雰囲気に置き換える。
【0178】
<ガス排気工程、ステップS13>
開閉バルブ219を開いて、処理室10内にガス供給管216からNガスを供給するとともに、圧力調整バルブ233により処理室10内の圧力を所定の値に調整しつつ、ガス排出管231から、真空ポンプ246により処理室10内のガス(雰囲気)を排出する。
【0179】
また本実施例ではNガスを使用しているが、プロセス的、安全性に問題がなければ、熱伝達率の高い他のガス、たとえば希釈HeガスなどをNガスに追加し、基板冷却効果を向上することもできる。
【0180】
<加熱処理工程(マイクロ波供給開始)、ステップS14>
次に、マイクロ波発生部20で発生させたマイクロ波を、導波口22から処理室10内に供給し、導電体カバー31の上面側から照射する。マイクロ波の周波数は、1GHz以上100GHz以下の所望の周波数に設定する。これにより、導電体カバー31には渦電流が発生し、この渦電流により発生した電界によって、導電体カバー31内に載置されたウェハ11の表面に形成された膜が加熱される。この結果、ウェハ11の面内均一性を向上させることができ、さらにマイクロ波の利用効率やウェハへの伝達効率を向上させることができる。また、このとき、導電体カバー31の内面からマイクロ波の1/4波長(λ/4)以下、若しくは1/4波長(λ/4)の奇数倍となる位置にウェハ11を維持する。これにより、ウェハ端部にまで均一に加熱することができる。このマイクロ波照射により、High−k膜の改質処理、つまり、High−k膜からCやH等の不純物を離脱させて、緻密化し安定した絶縁体薄膜に改質する処理を行う。
【0181】
以上のようにして、所定時間、マイクロ波を供給して基板加熱処理を行った後、マイクロ波の供給を停止する(ステップS15)。
【0182】
<基板搬出工程、ステップS16>
加熱処理工程が終了すると、上述した基板搬入工程に示した手順とは逆の手順により、加熱処理したウェハ11を処理室10から搬送室内へ搬出する。
【0183】
<第3実施形態の他の実施例>
次に、第3実施形態の他の実施例に係る基板処理装置200について図19を用いて説明する。
第3実施形態の他の実施例に係る基板処理装置200は、上述した実施形態に係る基板処理装置100とほぼ同様の構成であるが、基板支持部30の構成が異なる。
【0184】
他の実施形態に係る基板処理装置200における基板支持部30は、基板支持ピン13と、導電体カバー31から構成されるが、基板支持ピン13が導電体カバー31を貫通して、台座14に搭載されている。台座14は図示しない位置制御機構を有しており、制御部80が位置制御機構を制御することで、上下に動くよう、更には特定の位置で基板支持ピンを停止するよう構成される。台座14を上下に動かすことで、基板支持ピン13も共動して上下に動かすことが可能となる。
【0185】
基板支持ピン13は、例えば導電体カバー25の内面からウェハ11の距離を、マイクロ波の1/4波長(λ/4)以下、もしくはλ/4の奇数倍となるような位置にウェハを維持することができる。言い換えれば、基板支持ピン13の上端13aの基板載置面と導電体カバー25の内面との距離をマイクロ波の1/4波長(λ/4)以下の位置、もしくはλ/4の奇数倍の距離とすることができる。このような距離とすることで、基板表面における高周波電界が最大になり、基板表面へマイクロ波エネルギを効率よく入射することができる。また、基板端部にまで均一に加熱することができ、ウェハ11に形成された回路の損傷を防止することができる。言い換えれば、定在波の基板への影響を抑制することができる。
【0186】
<実験例>
図20には、本実施形態に係る基板処理装置100及び他の実施形態に係る基板処理装置200を用いた場合のマイクロ波の材料加熱選択性の実験例が示されている。
図20は、本実施形態に係る基板処理装置100及び他の実施形態に係る基板処理装置200を用いて加熱処理を施し、高性能放射温度計(Phtorix(登録商標))にて直接ウェハ11の表面に形成されたTiN(窒化チタン)膜と裏面のSi(シリコン)基板の温度上昇を測定したものである。図20に示されているように、Si基板の温度と比較して表面のTiN膜温度の方が20℃ほど高くなっていることが分かる。これは、ウェハ11全体で均一に加熱されることが分かっている。すなわち、マイクロ波の材料加熱選択性により、ウェハ11を膜反応温度より低い温度に保ちながら効率よく処理膜を改質することが可能であることが分かる。
【0187】
また、本実施例のような高誘電率膜を有するウェハのアニール処理(結晶化制御、不純物低減、欠損酸素補給)する場合について説明したが、それに限らず、ベェアシリコン基板に注入している不純物の活性化、Poly−Siの活性化及び結晶化形状制御、Polymerのキュア、Cu配線のGain size制御、Epi−Si或いはEpi−SiGeの欠陥修復、アモルファス或いはPoly構造を結晶化に応用。LEDプロセスにおいては、GaNの結晶性改善などに基板処理装置及び基板製造方法に適応することができる。
【0188】
また、固定周波数の電源を複数設け、それぞれから異なる周波数のマイクロ波を切り替えて供給或いは同時に周波数が異なる複数のマイクロ波を供給し、処理するようにしてもよい。
【0189】
本実施形態によれば、マイクロ波の材料選択性により、処理膜の反応温度と同じ温度まで処理基板及び処理環境温度を上昇させる必要がなく、基板に与える熱負荷を減らしつつ処理膜を効率的に改質させることができる。また、基板のサーマルバジェットを抑制し、基板への処理を均一にすることができ、基板への熱負荷を減らすことで基板のそり等の変形を緩和させることができる。また、誘電加熱を効果的に作り出すことで、処理膜を効率的に改質させることができる。また、処理基板表面の薄膜を結晶化させることができ、例えば、プラス若しくはマイナスイオンの不純物が注入又は混入されている薄膜を結晶化させることができる。また、処理基板表面の有機材料で生成されたCVD膜の残留有機不純物を選択的に除去させることができる。
【0190】
また、本発明は、アニール処理に適用できるほか、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、PVD(Physical Vapor Deposition)法等による酸化膜や窒化膜、金属膜等の種々の膜を形成する成膜処理や、拡散処理、酸化処理、窒化処理、リソグラフィ処理等の他の基板処理を行う場合にも適用できる。また、本発明は、アニール処置装置の他、薄膜形成装置、エッチング装置、酸化処理装置、窒化処理装置、露光装置、塗布装置、モールド装置、現像装置、ダイシング装置、ワイヤボンディング装置、乾燥装置、加熱装置、検査装置等の他の基板処理装置にも適用できる。また、本発明は、これらの装置が混在していてもよい。
【0191】
また、上述の実施形態では、一度に1枚のウェハ11を処理する枚葉式の基板処理装置に限らず、例えば一度に複数枚のウェハ11を処理する枚葉式の基板処理装置や、縦型の基板処理装置、横型の基板処理装置等の各種基板処理装置にも、好適に適用できる。
【0192】
また、本発明は、本実施形態に係る基板処理装置100のような半導体ウェハを処理する半導体製造装置等に限らず、ガラス基板を処理するLCD(Liquid Crystal Display)製造装置や、フォトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスク及び磁気ディスクを処理する装置等の基板処理装置にも適用できる。
【0193】
また、上述の各実施形態等は、適宜組み合わせて用いることができる。
【0194】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0195】
(付記1)
一態様によれば、基板を処理する処理室と、基板を支持する基板支持部と、基板に電磁波を照射する電磁波照射部と、前記基板の径方向であって、前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部と、少なくとも前記基板支持部及び前記電磁波照射部を制御する制御部と、を備える半導体装置の製造装置が提供される。
【0196】
(付記2)
付記1の半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波補助供給部は、前記基板を透過した電磁波を基板向かって拡散させるように反射させる電磁波拡散部である。
【0197】
(付記3)
付記1又は2の半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波補助供給部は、前記基板裏面の外周側にマイクロ波を供給する外周補助供給部と、前記基板の縁側にマイクロ波を供給する内壁補助供給部の少なくともいずれかを有する。
【0198】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記基板の裏面側中心にマイクロ波を供給する中心補助供給部を有する。
【0199】
(付記5)
付記1乃至4のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部は、前記基板支持部に支持される基板の裏面と対向するように設けられ、基板を透過した電磁波を基板の裏面に向かって拡散させるように構成されている。
【0200】
(付記6)
付記1乃至5のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部は、前記電磁波照射部と対向する基板の領域以外の領域に向かって基板を透過した電磁波を照射させるように構成されている。
【0201】
(付記7)
付記1ないし6のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部は、少なくとも前記電磁波照射部と対向する領域が前記電磁波照射部の中心と対向する位置に向かうにしたがって、基板と前記電磁波拡散部との間の距離が長くなるように形成されている。
【0202】
(付記8)
付記1ないし7のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部は、円板状部と、該円板状部の周囲を囲うように設けられる環状部と、を備え、前記電磁波照射部と対向する領域に、前記円板状部と前記環状部とにより隙間が形成されるように、前記円板状部及び前記環状部がそれぞれ構成されている。
【0203】
(付記9)
付記1ないし7のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部の前記電磁波照射部と対向する領域には、複数の凹凸が設けられている。
【0204】
(付記10)
付記1ないし9のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記処理室の側壁には、前記処理室内に存在する電磁波の反射波を、基板の側面に向かって反射させる反射電磁波照射部が設けられている。
【0205】
(付記11)
付記1ないし10のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部及び前記反射電磁波照射部は、導電体で形成されている。
【0206】
(付記12)
付記1ないし11のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記基板支持部は、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、基板の裏面と前記電磁波拡散部の最下表面との間の距離が、電磁波照射部から照射される電磁波の1/4波長の奇数倍の距離となる位置で、基板を支持する。
【0207】
(付記13)
付記1ないし12のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波照射部は、基板の中心位置に対向する位置から偏心する位置に設けられている。
【0208】
(付記14)
付記1ないし13のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記基板支持部に支持された基板は、回転可能に構成されており、前記制御部は、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、前記基板支持部に支持された基板を回転させる。
【0209】
(付記15)
付記1ないし14のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記基板支持部は、複数の基板支持機構を備えており、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、前記基板支持機構はそれぞれ、異なる高さ位置で基板を支持する。
【0210】
(付記16)
付記1ないし15のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部は昇降可能に構成されており、前記制御部は、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、前記電磁波拡散部の昇降が連続して行われるように、前記電磁波拡散部を制御する。
【0211】
(付記17)
付記1ないし16のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記制御部は、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、前記電磁波拡散部の昇降が所定のタイミング毎に行われるように、前記電磁波拡散部を制御する。
【0212】
(付記18)
付記1ないし17のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記処理室内を真空排気する真空排気装置を備え、前記制御部は、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、前記処理室内がプラズマが発生しない圧力に維持されるように、前記真空排気装置を制御する。
【0213】
(付記19)
他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、基板を支持する基板支持部と、基板に電磁波を照射する電磁波照射部と、前記基板の径方向であって、前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部と、少なくとも前記基板支持部及び前記電磁波照射部を制御する制御部と、を備える基板処理装置が提供される。
【0214】
(付記20)
さらに他の態様によれば、
処理室に基板を搬入し、基板支持部に基板を載置して支持する工程と、前記基板支持部に支持された基板に電磁波照射部から電磁波を照射しつつ、前記基板の径方向であって、前記前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部から前記基板へ電磁波を供給する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0215】
(付記21)
付記20の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記電磁波を供給する工程では、前記電磁波補助供給部が、前記基板を透過した電磁波を前記基板に向かって拡散させるように反射させる電磁波拡散部である。
【0216】
(付記22)
付記20又は21の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記電磁波を供給する工程では、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波を照射している間、前記基板支持部に支持された基板を回転させる。
【0217】
(付記23)
付記20ないし22のいいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記電磁波を供給する工程では、前記基板支持部が備える複数の基板支持機構によって異なる高さ位置で基板を支持する。
【0218】
(付記24)
さらに他の態様によれば、 処理室に基板を搬入し、基板支持部に基板を載置して支持する工程と、前記基板支持部に支持された基板に電磁波照射部から電磁波を照射しつつ、前記基板の径方向であって、前記前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部から前記基板へ電磁波を供給する工程と、を有する基板処理方法が提供される。
【0219】
(付記25)
さらに他の態様によれば、 処理室に基板を搬入し、基板支持部に基板を載置して支持する手順と、前記基板支持部に支持された基板に電磁波照射部から電磁波を照射しつつ、前記基板の径方向であって、前記前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部から前記基板へ電磁波を供給する手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0220】
(付記26)
さらに他の態様によれば、処理室に基板を搬入し、基板支持部に基板を載置して支持する手順と、前記基板支持部に支持された基板に電磁波照射部から電磁波を照射しつつ、前記基板の径方向であって、前記前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部から前記基板へ電磁波を供給する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【0221】
(付記27)
さらに他の態様によれば、 基板が搬入搬出される処理室と、前記処理室内に電磁波を供給する電磁波供給部と、前記処理室内に設けられ前記基板が載置される基板載置部と、前記処理室に設けられた開閉部と、前記開閉部に設けられた密閉部と、前記基板載置部の上面と前記密閉部との間に設けられた溝部と、を有する基板処理装置が提供される。
【0222】
(付記28)
付記27に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記溝部は、前記基板載置部の側面に設けられる。
【0223】
(付記29)
付記27に記載の基板処理装置であって、好ましくは、 前記溝部は、前記処理室内壁の前記基板載置部の側面に対向する部分に設けられる。
【0224】
(付記30)
付記28に記載の基板処理装置であって、好ましくは、 前記処理室内壁の前記基板載置部の側面に対向する部分であって、前記溝部とは対向しない位置に第2の溝部が設けられている。
【0225】
(付記31)
付記27乃至付記30のいずれかに記載の基板処理装置であって、好ましくは、 前記溝部の深さは、前記電磁波供給部が供給する電磁波の波長の4分の1以下の長さで有る。
【0226】
(付記32)
付記27乃至付記31のいずれかに記載の基板処理装置であって、好ましくは、 前記溝部には、誘電体が設けられる。
【0227】
(付記33)
さらに他の態様によれば、 基板を処理室内に搬入する工程と、前記基板を基板載置部に載置する工程と、前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する工程と、前記基板を前記処理室から搬出する工程と、を有する基板処理方法が提供される。
【0228】
(付記34)
さらに他の態様によれば、 基板を処理室内に搬入する工程と、前記基板を基板載置部に載置する工程と、前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する工程と、前記基板を前記処理室から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0229】
(付記35)
本発明の更に他の態様によれば、 基板を処理室内に搬入する手順と、前記基板を基板載置部に載置する手順と、前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する手順と、前記基板を前記処理室から搬出する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0230】
(付記36)
本発明の更に他の態様によれば、 基板を処理室内に搬入する手順と、前記基板を基板載置部に載置する手順と、前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する手順と、前記基板を前記処理室から搬出する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【0231】
(付記37)
本発明の更に他の態様によれば、 基板を載置する基板載置部であって、前記基板載置部が収容される処理室の内壁と対向する前記基板載置部の側面に溝部を有する基板載置部が提供される。
【0232】
(付記38)
さらに他の態様によれば、処理基板を処理する処理室と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆う導電体カバーと、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給部と、前記処理室内のガスを排気する排気部と、前記導電体カバーにマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、を有する基板処理装置が提供される。
【0233】
(付記39)
付記38に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーは、前記処理基板の上面と下面と側面とを覆うように構成されている。
【0234】
(付記40)
付記38又は付記39に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーの全体が同電位である。
【0235】
(付記41)
付記38に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーは前記処理基板の上面を覆う上面カバーと、前記処理基板の下面を覆う下面カバーと、前記処理基板の側面を覆う側面カバーと、を有する。
【0236】
(付記42)
付記38に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーと前記処理基板とは接触しない。
【0237】
(付記43)
付記38に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーは前記処理基板と離間して設けられている。
【0238】
(付記44)
付記38に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーと前記処理基板との間隔は、前記処理室内に供給されるマイクロ波の波長の1/4以下、より好ましくはマイクロ波の波長の1/4の奇数倍の長さになっている。
【0239】
(付記45)
付記38乃至付記44のいずれかに記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーの中心と、前記処理基板の中心が一致している。
【0240】
(付記46)
付記38乃至付記45のいずれかに記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記マイクロ波供給部は、前記導電体カバーの上面又は下面にマイクロ波を供給す位置に設けられている。
【0241】
(付記47)
更に他の態様によれば、処理基板を処理する処理室と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆う導電体カバーと、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給部と、前記処理室内のガスを排気する排気部と、前記導電体カバーにマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、を有する半導体装置の製造装置が提供される。
【0242】
(付記48)
更に他の態様によれば、処理基板を処理する処理室内に設けられ、当該処理基板を覆う導電体カバーが設けられた基板支持装置が提供される。
【0243】
(付記49)
更に他の態様によれば、処理基板を処理室に搬入する工程と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆うように設けられた導電体カバー内に前記処理基板を載置する工程と、ガス供給部が前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、ガス排気部が前記処理室内のガスを排気する工程と、マイクロ波供給部が前記導電体カバーにマイクロ波を供給する工程と、を有する基板処理方法が提供される。
【0244】
(付記50)
更に他の態様によれば、処理基板を処理室に搬入する工程と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆うように設けられた導電体カバー内に前記処理基板を載置する工程と、ガス供給部が前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、ガス排気部が前記処理室内のガスを排気する工程と、マイクロ波供給部が前記導電体カバーにマイクロ波を供給する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0245】
(付記51)
更に他の態様によれば、処理基板を処理室に搬入する工程と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆うように設けられた導電体カバー内に前記処理基板を載置する工程と、ガス供給部が前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、ガス排気部が前記処理室内のガスを排気する工程と、マイクロ波供給部が前記導電体カバーにマイクロ波を供給する工程と、を有する基板処理方法を実行するプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【0246】
(付記52)
更に他の態様によれば、処理基板を処理室に搬入する工程と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆うように設けられた導電体カバー内に前記処理基板を載置する工程と、ガス供給部が前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、ガス排気部が前記処理室内のガスを排気する工程と、マイクロ波供給部が前記導電体カバーにマイクロ波を供給する工程と、を有する基板処理方法を実行するプログラムが提供される。
【産業上の利用可能性】
【0247】
本発明に係る基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラムによれば、サーマルバジェットを小さくしつつ、基板を面内均一に加熱できる。
【符号の説明】
【0248】
100・・・基板処理装置、200・・・基板、201・・・処理室、204・・・電磁波照射部、208・・・電磁波拡散部、214・・・基板支持機構(基板支持部)、280・・・制御部(コントローラ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20