【実施例】
【0091】
次に、本発明の実施例を
図7〜
図9を参照しながら説明する。本実施例として、ウェハ11の表面上に窒化チタン(TiN)膜が成膜された直径が300mmのウェハ11を用い、電磁波照射部19から電磁波を照射してTiN膜の加熱を行った。なお、基板処理装置100として、電磁波照射部19が、処理容器18の上壁の略中央に設けられた基板処理装置100を用いた。すなわち、導波口22が、導波口22の中心位置とウェハ11の中心位置とが対向するよう設けられた基板処理装置100を用いた。
【0092】
図7は、処理室10内に反射電磁波照射部213が設けられた場合において、TiN膜に照射される電磁波の強度の評価結果を示すグラフ図である。なお、電磁波の強度は、TiN膜のシート抵抗値(Ω)を測定することで評価した。すなわち、シート抵抗値(Ω)が高いほど、電磁波の強度が弱く、熱が発生し難いことを表している。
図7中「反射電磁波照射部有り」とは、反射電磁波照射部213が設けられているが、電磁波拡散部208は設けられていないことを示す。また、「反射電磁波照射部無し」とは、反射電磁波照射部213及び電磁波拡散部208が設けられていないことを示す。
図7に示すように、反射電磁波照射部213が設けられていない場合と比べて、反射電磁波照射部213が設けられていると、ウェハ11の縁部で、シート抵抗値が低くなっていることを見出した。すなわち、反射電磁波照射部213が設けられると、特にウェハ11の縁部が加熱されやすくなることを見出した。
【0093】
図8は、処理室10内に電磁波拡散部208が設けられた場合において、TiN膜に照射される電磁波の強度の評価結果を示すグラフ図である。なお、電磁波の強度は、TiN膜のシート抵抗値(Ω)を測定することで評価した。
図8中「電磁波拡散部無し」とは、電磁波拡散部208は設けられていないが、反射電磁波照射部213は設けられていることを示す。また、「電磁波拡散部有り」とは、電磁波拡散部208及び反射電磁波照射部213が設けられていることを示す。
図8に示すように、反射電磁波照射部213に加えて、電磁波拡散部208が設けられていると、ウェハ11の縁部ではシート抵抗値を低く抑えつつ、ウェハ11の中心領域(電磁波照射部19と対向する領域)ではシート抵抗値が高くなることを見出した。
【0094】
図9は、反射電磁波照射部213の最下面と電磁波拡散部208の最下表面の高さ方向の距離と、電界強度との相関関係を示すグラフ図である。なお、電界強度は、TiN膜のシート抵抗値(Ω)を測定することで評価した。
図9に示す距離は、以下の様になっている。ウェハ11の裏面と電磁波拡散部208の最下表面との間の距離が、電磁波照射部204から照射される電磁波の1/4波長の奇数倍にした状態での電磁波拡散部208の最下表面と反射電磁波照射部213の下面を水平にした時の位置を「0mm」とした。電磁波拡散部208(支持台25)を「0mm」の位置から、1.5mm上げた場合を「1.5mm」、2.5mm上げた場合を「2.5mm」、3.5mm上げた場合を「3.5mm」、4.0mm上げた場合を「4.0mm」、4.5mm上げた場合を「4.5mm」、5mm上げた場合を「5mm」とした。
図9から、電磁波拡散部208の最下表面の位置が「0mm」の位置から+方向に離れるにしたがって、電界強度が強くなることを見出した。すなわち、電磁波拡散部208を「0mm」の位置から5mm上げた場合、特にウェハ11の中心部のシート抵抗値が高くなることを見出した。なお、電磁波拡散部208を1.5mm上げた場合、0mmの場合と比較して、シート抵抗値は殆ど変わらない、すなわち電界強度は殆ど変わらないことを見出した。また、処理室10内の電磁波の定在波は、支持台25の高さによって変化させることができ、処理中に支持台25の高さを変化させることにより、処理の均一性を改善できることを見出した。
【0095】
<第2実施形態>
発明者等は、更に鋭意研究した結果、基板載置部の上面と密閉部の間に溝部を設けることにより、基板の面内均一性を向上させることができる基板処理装置と基板支持装置及び基板処理方法を提供できることを見出した。また、マイクロ波漏れの抑制や、シール部材からのパーティクルの発生を抑制することができることを見出した。
【0096】
以下に、第2実施形態に係る基板処理装置の構成について
図10〜
図15を用いて説明する。
【0097】
図10は、本発明の実施形態に係る基板処理装置の垂直断面図である。基板処理装置100は、処理室10と搬送室(不図示)と電磁波供給部としてのマイクロ波供給部19とを備える。処理室10は、半導体基板としてのウェハ11を処理する。マイクロ波供給部19は、電磁波発生部としてのマイクロ波発生部20と導波路21と導波口22とを備える。
【0098】
マイクロ波発生部20は、例えば、固定周波数マイクロ波又は可変周波数マイクロ波を発生する。マイクロ波発生部20としては、例えばマイクロトロン、クライストロン、ジャイロトロン等が用いられる。マイクロ波発生部20で発生したマイクロ波は、導波路21を介して、処理室10内に連通する導波口22から処理室10内に輻射される。これにより、誘電加熱の効率をあげることができる。導波路21には、導波路21内部の反射電力を少なくするマッチング機構26が設けられる。
【0099】
処理室10を形成する処理容器18は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)など金属材料により構成されており、処理室10と外部とをマイクロ波的に遮蔽する構造となっている。
【0100】
処理室10内に供給されたマイクロ波は、処理容器18の壁面に対して反射を繰り返す。マイクロ波は処理室10内でいろいろな方向へ反射し、処理室10内はマイクロ波で満たされる。処理室10内のウェハ11に当たったマイクロ波はウェハ11に吸収され、ウェハ11はマイクロ波により誘電加熱される。
【0101】
マイクロ波発生部20、導波路21、導波口22、及びマッチング機構26でマイクロ波供給部19が構成される。
【0102】
処理容器18の側壁には、例えば窒素(N
2)等のガスを供給するガス供給管216が設けられている。ガス供給管216には、上流から順に、ガス供給源217、ガス流量を調整する流量制御装置218、ガス流路を開閉する開閉バルブ219が設けられており、この開閉バルブ219を開閉することで、処理室10内にガス供給管216からガスが供給、又は供給停止される。ガス供給管216から供給されるガスは、ウェハ11を冷却したり、パージガスとして処理室10内のガスや雰囲気を押し出したりするのに用いられる。
【0103】
ガス供給管216と流量制御装置218と開閉バルブ219から、ガス供給部215が構成される。流量制御装置218と開閉バルブ219は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80により制御される。なお、ガス供給部215に、ガス供給源217を設けても良い。
【0104】
処理容器18の側壁には、処理室10内のガスを排気するガス排出管231が設けられている。ガス排出管231には、上流から順に、排気装置としての真空ポンプ246と、圧力調整バルブ233が設けられており、この圧力調整バルブ233の開度を調整することで、処理室10内の圧力が所定の値に調整される。
【0105】
ガス排出管231と圧力調整バルブ233とで、ガス排出部60が構成される。圧力調整バルブ233と真空ポンプ246は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80により圧力調整制御される。なお、ガス排出部60に、真空ポンプ246を設けても良い。
【0106】
処理容器18の一側面には、処理室10の内外にウェハ11を搬送するためのウェハ搬送口71が設けられている。ウェハ搬送口71には、密閉部としての例えばOリング等のシール部74を介して開閉部としてのゲートバルブ72が設けられている。ゲートバルブ72にはゲートバルブ駆動部73が接続されている。ゲートバルブ駆動部73は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80によりゲートバルブ72は開閉される。ゲートバルブ72が開閉されることで、処理室10内と搬送室内とが連通するように構成されている。ウェハ搬送口71、ゲートバルブ72、ゲートバルブ駆動部73でウェハ搬送部が構成される。搬送室内には、ウェハ11を搬送する搬送ロボット(不図示)が設けられている。搬送ロボットには、ウェハ11を搬送する際にウェハ11を支持する搬送アームが備えられている。ゲートバルブ72を開くことによって、搬送ロボットにより処理室10内と搬送室内との間で、ウェハ11が搬送される。ゲートバルブ72が閉じることで処理室10内は密閉される。
【0107】
処理室10内には、ウェハ11を載置する基板載置部25が設けられている。基板載置部25は、ウェハ11をその上端13aで支持する基板支持機構としての基板支持ピン13を備える。
【0108】
基板支持ピン13は、例えば石英やセラミックス、サファイア、又はテフロン(登録商標)等、伝熱性が低く、電気的に絶縁性が良好な材質で形成される。このような材質とすることで、基板支持ピン13そのものが加熱されることを抑制し、更にはウェハ11から基板支持ピン13への熱逃げを抑制することができる。熱逃げを抑制することができるため、基板面内を均一に加熱することが可能となる。また、基板支持ピン13の加熱を防ぐことで、基板支持ピン13の熱変形を防ぐことができ、結果熱変形によるウェハ高さを一定にすることができるので、1スロット辺りのウェハ加熱を再現性良く加熱することが可能となる。また、基板支持ピン13は、複数(本実施形態においては3本)で構成される。
【0109】
本実施形態においては、導波口22を処理容器18の上壁に設け、導波口22と基板支持ピン13で支持されたウェハ11の表面との間の距離を、供給されるマイクロ波の1波長よりも短い距離としている。本実施形態では、使用するマイクロ波の周波数を5.8GHzとし、そのマイクロ波の波長51.7mmよりも短い距離としている。導波口22から1波長よりも短い距離の範囲では、導波口22から発射された直接波が支配的であると考えられる。上記のようにすると、ウェハ11に照射されるマイクロ波は、導波口22から直接発射された直接波が支配的となり、処理容器18内の定在波の影響を相対的に小さくすることができ、導波口22の近辺のウェハ11を急速加熱することができる。
【0110】
ここで、一般にウェハ11の温度は、マイクロ波のパワーが小さければ温度が低く、パワーが大きければ温度が高くなる。なお、基板温度は、処理容器18の大きさや形状、マイクロ波の導波口22の位置、ウェハ11の位置によって変わるが、マイクロ波パワーを大きくすると、基板温度が高くなるという相関関係は崩れない。
【0111】
基板載置部25は、例えばアルミニウム(Al)等の導体である金属材料により構成される。
【0112】
基板載置部25は金属製であるため、基板載置部25表面においてはマイクロ波の電位がゼロとなる。仮にウェハ11を基板載置部25に直接置いた場合、マイクロ波の電界強度が弱い状態となり、加熱されない。そこで、本実施形態では、基板載置部25の表面からおよそマイクロ波の1/4波長(λ/4)の位置、もしくはおよそλ/4の奇数倍の位置にウェハ11を載置するようにする。ここでいう基板載置部25の表面とは、基板載置部25を構成する面の内、ウェハ11の裏面と対向する面を言う。λ/4の奇数倍の位置では電界が強いため、ウェハ11を効率よくマイクロ波で加熱することができる。本実施形態では、たとえば5.8GHzに固定したマイクロ波を使用し、マイクロ波の波長が51.7mmであるので、基板載置部25の表面からウェハ11までの高さを12.9mmとしている。
【0113】
マイクロ波の周波数が時間とともに変化(可変)する形態も可能である。その場合、基板載置部25の表面からウェハ11までの高さは、変化する周波数帯の代表周波数の波長から求めれば良い。たとえば5.8GHz〜7.0GHzまで変化する場合、代表周波数を変化する周波数帯のセンタ周波数とし、代表周波数6.4GHzの波長46mmより、基板載置部25の表面からウェハ11までの高さを11.5mmとすればよい。
【0114】
また、固定周波数の電源を複数設け、それぞれから異なる周波数のマイクロ波を切り替えて供給し、処理するようにしてもよい。
【0115】
基板載置部25の側面には、溝部としてのチョーク部28が側面全面にわたって形成されている。そして、このチョーク部28が、基板載置部25の上面25aとシール部74(ウェハ搬入口71)との間に配置された状態で、マイクロ波が供給されることで、基板載置部25の下方へのマイクロ波の漏洩を防止することができ、導電性のシール部を用いる必要がなくなる。また、基板載置部25上方の空間にマイクロ波を閉じ込めることができ、処理効率が向上する。また、処理均一性を向上させることができる。また、シール部の焼損を防止することができる。
【0116】
チョーク部28の深さDは、例えばマイクロ波の1/4波長(λ/4)以下となるようにする。これにより、チョーク部28端でのマイクロ波打消しが最大となり、マイクロ波の漏洩防止効果を高めることができる。
【0117】
また、チョーク部28には、誘電体を充填するとよい。これにより、装置を小型化しつつ、チョーク部28へのパーティクルの進入と堆積を防止できる。チョーク部28に充填する誘電体として、例えばSiO
2(二酸化珪素)、Al
2O
3(酸化アルミニウム)、SiN(窒化珪素)、AlN(窒化アルミニウム)等の誘電率の高い材料が挙げられる。
【0118】
基板載置部25は、下面を回転軸23で支持されて昇降回転機構24に接続されている。昇降回転機構24は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80により基板載置部25は回転軸23を中心に水平方向に回転され、垂直方向に昇降される。基板載置部25を回転させることで、ウェハ11を水平方向に回転して、ウェハ11の表面側に均一にマイクロ波を照射することができる。また、基板載置部25を搬送室から処理室10へウェハ11を搬入する基板搬入位置から垂直方向に上昇させ、チョーク部28がシール部74(ウェハ搬入口71)の上方に配置され、チョーク部28が基板載置部25の上面25aとシール部74との間に設けられる位置でマイクロ波が照射される。
【0119】
ここで、基板載置部25と基板支持ピン13と回転軸23と昇降回転機構24で、基板支持部27が構成される。
【0120】
導波口22付近は、電界が強いのでマイクロ波によって急速に加熱されるが、導波口22付近から離れると電界が弱くなり加熱されにくい。そこで、導波口22の位置を導波口22の中心位置とウェハ11の中心位置までの距離を90mm偏心させる。これにより、電界の強い部分がウェハ11の中心からずれる。そこで、ウェハ11を回転させ、ウェハ11を導波口22付近を通過させることでウェハ11全面の膜に対して均一に加熱処理される。
【0121】
次に、チョーク構造について説明する。
図15は、本発明の実施形態において用いられるチョーク構造を説明するための図である。
図15(a)は、処理室10内と処理室10外を間隙が極めて狭い平行平板29a、29bの一方に深さDの溝(チョーク部28)を設けた例を示している。この場合、
図15(b)のような等価回路で示され、付加された溝DのインピーダンスZは、Z=jZ
Ctan(2πD/λ)で示される。ここで、Z
Cは特性インピーダンスである。したがって、D=λ/4の場合にインピーダンスZは最大となり、溝Dの開口端は開放状態となり、漏洩波を反射させることができ、下流側へのマイクロ波の進行を抑制することができる。
【0122】
また、チョーク部28に充填された誘電体内のマイクロ波の伝播速度を考えた場合、誘電体の比誘電率をε
r、真空中の誘電率をε
o、透磁率μ
oとすると伝播速度νは、
【数1】
となる。したがって、誘電体内では真空中に比べて
【数2】
だけ伝播速度が低下し、波長も同様の比率で短くなる。
すなわち、誘電体をチョーク部28に充填することにより、チョーク部28の深さDを浅く、小型化できるのみならず、パーティクルの進入、蓄積を防止できる。
【0123】
基板処理装置100の制御は、上述の
図3に示す制御部80と同様の制御部で制御される。
【0124】
次に、基板処理装置100における本実施形態の基板処理動作について説明する。
図11は、本実施形態に係る基板処理工程のフロー図である。また、本実施形態の基板処理は、半導体装置を製造する複数工程の中の一工程を構成するものである。なお、後述する各部の動作は、制御部80により制御される。
【0125】
<基板搬入工程、ステップS10>
ウェハ11を処理室10に搬入する基板搬入工程において、まず、ゲートバルブ72を開き、処理室10と搬送室とを連通させる。次に、処理対象(被処理基板)のウェハ11を、搬送ロボットにより、搬送室内から処理室10内へウェハ搬入口71を介して搬入する。
【0126】
<基板載置工程、ステップS11>
処理室10内に搬入されたウェハ11は、搬送ロボットにより基板支持ピン13の上端13aに載置され、基板支持ピン13に支持される。次に、搬送ロボットが処理室10内から搬送室内へ戻ると、ゲートバルブ72が閉じられる。
【0127】
<窒素ガス供給工程、ステップS12>
次に、処理室10内を窒素(N
2)雰囲気に置換する。ウェハ11を搬入すると処理室10の外の大気雰囲気が巻き込まれるので、この大気雰囲気中の水分や酸素がプロセスに影響しないように処理室10内をN
2雰囲気に置き換える。
【0128】
<ガス排気工程、ステップS13>
開閉バルブ219を開いて、処理室10内にガス供給管52からN
2ガスを供給するとともに、圧力調整バルブ63により処理室10内の圧力を所定の値に調整しつつ、ガス排出管231から、真空ポンプ246により処理室10内のガス(雰囲気)を排出する。
【0129】
<加熱処理工程(マイクロ波供給開始)、ステップS14>
次に、基板載置部25が上昇され、チョーク部28が、基板載置部25の上面25aとシール部74(ウェハ搬入口71)との間に配置される位置まで移動する。そして、ウェハ11を回転させ、マイクロ波発生部20で発生させたマイクロ波を、導波口22から処理室10内に供給し、ウェハ11の表面に照射する。
【0130】
マイクロ波発生部20で発生させたマイクロ波を、導波口22から処理容器18内に導入し、ウェハ11の表面に照射する。本実施形態では、このマイクロ波照射により、ウェハ11表面上のHigh−k膜を100〜600℃に加熱し、High−k膜の改質処理、つまり、High−k膜からCやH等の不純物を離脱させて、緻密化し安定した絶縁体薄膜に改質する処理を行う。
【0131】
実験的に、ハイパワーのマイクロ波を照射する方が膜の改質効果が大きい。ハイパワーのマイクロ波を照射すると、急速にHigh−k膜の温度を上昇させることができる。
【0132】
前述に対して、比較的低パワーのマイクロ波を長時間照射した場合は、改質プロセス中に基板全体の温度が高くなってしまう。時間が経過すると、シリコン自身がマイクロ波により誘電加熱されるのと、マイクロ波が照射される基板表面のHigh−k膜から基板裏面側のシリコンへの熱伝導により、シリコンの温度も上昇してしまうからである。ハイパワーのマイクロ波を照射する場合に膜の改質効果が大きい理由は、基板全体が温度上昇し上限温度に達するまでの時間内に、誘電体を誘電加熱により高い温度まで加熱することができるためと考えられる。
【0133】
そこで、本実施形態では、High−k膜の形成された基板表面側にエネルギの強い直接波を照射し、誘電体と基板との加熱差をより大きくするようにした。
【0134】
また、マイクロ波を照射中に、ウェハ11を冷却することで、ウェハ11の温度上昇を抑制することが出来る。ウェハ11を冷却するには、例えば、処理容器18内に導入する不活性ガス(例えばN
2ガス)の流量を多くする、そしてその流量制御することで、ウェハ11の温度制御を行うこともできる。
【0135】
また、積極的にN
2ガスの冷却効果を使用する場合は、ガス供給管を基板載置部25に設け、ウェハ11と基板載置部25の間にガスを流すことにより、ガスによる冷却効果向上を図ることもできる。このガスの流量を制御することにより、ウェハ11の温度制御を行うこともできる。
【0136】
また本実施形態ではN
2ガスを使用しているが、プロセス的、安全性に問題がなければ、熱伝達率の高い他のガス、たとえば希釈HeガスなどをN
2ガスに追加し、基板冷却効果を向上することもできる。
【0137】
また、基板載置部25内に冷却水流量計、開閉バルブ、冷却水経路のような冷媒を循環させる冷却流路を設けるようにしてもよい。
【0138】
以上のようにして、所定時間、マイクロ波を供給して基板加熱処理を行った後、マイクロ波の供給を停止する(ステップS15)。
【0139】
<基板搬出工程、ステップS16>
加熱処理工程が終了すると、上述した基板搬入工程に示した手順とは逆の手順により、加熱処理したウェハ11を処理室10から搬送室内へ搬出する。
【0140】
<第二の実施形態の実施例2>
次に、第二の実施形態の実施例2に係る基板処理装置200について説明する。
図12は、本発明に係る基板処理装置200の縦断面図を示す。
第二の実施形態の実施例2に係る基板処理装置200は、上述した実施形態に係る基板処理装置100とほぼ同様の構成であるが、溝部であるチョーク部が異なる位置に設けられている。
【0141】
実施例2に係る基板処理装置200では、チョーク部28が基板載置部25ではなく、シール部74(ウェハ搬入口71)の上方であって、処理容器18の内壁側に設けられている。そして、加熱処理工程において制御部80が昇降回転機構24を制御して、チョーク部28が基板載置部25の上面25aの下方であって、基板載置部25の側面に対向する位置に基板載置部25を移動させる。これにより、基板載置部25の下方へのマイクロ波の漏洩を防止することができ、導電性のシール部を用いる必要がなくなる。また、基板載置部25上方の空間にマイクロ波を閉じ込めることができ、処理効率が向上する。また、シール部74の焼損を防止することができる。
【0142】
<第二の実施形態の実施例3>
次に、第二の実施形態の実施例3に係る基板処理装置300について説明する。
図13は、第二の実施形態の実施例3に係る基板処理装置300の縦断面図を示す。
第二の実施形態の実施例3に係る基板処理装置300は、上述した第一の実施形態に係る基板処理装置100と第二の実施形態の実施例3に係る基板処理装置200とほぼ同様の構成であるが、溝部であるチョーク部が第1のチョーク部28aと第2のチョーク部28bの2つ設けられている。
【0143】
第二の実施形態の実施例3に係る基板処理装置300では、第1のチョーク部28aが基板載置部25の側面に、第2のチョーク部28bがシール部74(ウェハ搬入口71)の上方であって、処理容器18の内壁側に設けられている。そして、加熱処理工程において制御部80が昇降回転機構24を制御して、第2のチョーク部28bが基板載置部25の上面25aの下方であって、基板載置部25の側面に対向する位置あって、第1のチョーク部28aとは対向しない位置にくるように基板載置部25を移動させる。これにより、さらに、基板載置部25の下方へのマイクロ波の漏洩を防止することができ、基板載置部25上方の空間にマイクロ波を閉じ込めることができ、処理効率が向上する。また、シール部74の焼損を防止することができる。
【0144】
<第二の実施形態の実施例4>
次に、第二の実施形態の実施例4に係る基板処理装置400について説明する。
【0145】
図14は、第二の実施形態の実施例4に係る基板処理装置400の縦断面図であってゲートバルブ72周辺を示す。
【0146】
第二の実施形態の実施例4に係る基板処理装置400では、溝部であるチョーク部28がゲートバルブ72の処理室10側であって、シール部74の内側に設けられている。本実施形態においてもマイクロ波の漏洩を防止することができ、シール部74の焼損を防止することができ、処理効率が向上する。
【0147】
なお、第一の実施形態に係る基板処理装置100同様、実施形態の基板処理装置に用いられるチョーク部28の深さDは、マイクロ波の1/4波長(λ/4)以下となるようにするのが好ましい。これにより、チョーク部28端でのマイクロ波打消しが最大となり、マイクロ波の漏洩防止効果を高めることができる。また、チョーク部28それぞれに、誘電体を充填してもよい。これにより、装置を小型化しつつ、チョーク部28へのパーティクルの進入と堆積を防止できる。チョーク部に充填する誘電体として、例えばSiO
2(二酸化珪素)、Al
2O
3(酸化アルミニウム)、SiN(窒化珪素)、AlN(窒化アルミニウム)等の誘電率の高い材料が挙げられる。
【0148】
本実施形態によれば、電磁波をウェハ上方の空間に閉じ込めることができ、ウェハを効率よく処理することができる。また、Oリング等のシール部への電磁波の伝搬を防止でき、シール部の焼損、劣化を防止することができる。また、基板載置部の側面で電磁波を減衰させることができるので、昇降回転機構への電磁波の伝搬を防ぎ、誤動作を防止することができる。また、パーティクルが発生し、チョーク部に堆積したとしても処理空間であるウェハ上方にパーティクルが入り込むことを低減でき、ウェハへの汚染を防止することができる。
【0149】
また、本実施形態によれば、処理容器と基板載置部で構成された処理室の電磁界分布は、基板載置部の高さにより変化させることができ、所望の電磁界分布を得ることができる。すなわち、所望の電磁界分布を得るために基板載置部の昇降を行っても、電磁波の漏洩を防止し、チョーク構造から得られる効果を維持することができる。
【0150】
<第3実施形態>
発明者等は、更に鋭意研究した結果、基板としてのウェハ11を導電体カバーで覆う事で、基板温度の上昇を抑えサーマル間ジェットを抑制し、基板への熱負荷を減らして基板の面内均一性を向上させることができる基板処理装置と基板支持装置及び基板処理方法を提供できることを見出した。
【0151】
以下に、第3実施形態に係る基板処理装置の構成について
図16〜
図20を用いて説明する。
【0152】
本発明の実施形態に係る基板処理装置の構成について、
図16を用いて説明する。
図16は、本発明の実施形態に係る基板処理装置の垂直断面図である。基板処理装置100は、処理室10と搬送室(不図示)とマイクロ波供給部19とを備える。処理室10は、半導体基板としてのウェハ11を処理する。マイクロ波供給部19は、導波路21と導波口22とを備える。なお、マイクロ波供給部19にマイクロ波発生部20を設けても良い。
【0153】
マイクロ波発生部20は、例えば、固定周波数マイクロ波又は可変周波数マイクロ波を発生する。マイクロ波発生部20としては、例えばマイクロトロン、クライストロン、ジャイロトロン等が用いられる。マイクロ波発生部20で発生したマイクロ波は、導波路21を介して、処理室10内に連通する導波口22から処理室10内に輻射される。これにより、誘電加熱の効率をあげることができる。導波路21には、導波路21内部の反射電力を少なくするマッチング機構26が設けられる。
【0154】
処理室10内に供給されたマイクロ波は、後述する導電体カバー25の上面から下面に向かって略垂直に照射される。導電体カバー25の外側は、周波数1GHz以上100GHz以下のマイクロ波を電気的に閉ざされた処理室10内で照射される。すなわち、導電体カバー25に当たったマイクロ波は導電体カバー25に吸収され、ウェハ11はマイクロ波により誘電加熱される。
【0155】
マイクロ波発生部20、導波路21、導波口22、及びマッチング機構26でマイクロ波供給部19が構成される。
【0156】
処理室10を形成する処理容器18は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)など金属材料により構成されており、処理室10と外部とをマイクロ波的に遮蔽する構造となっている。
【0157】
処理室10内には、ウェハ11を支持する基板支持部30が設けられている。基板支持部30は、ウェハ11をその上端13aで支持する基板支持機構としての基板支持ピン13と、基板支持ピン13に支持されたウェハ11を覆うように設けられた導電体カバー31とを備える。
【0158】
基板支持ピン13は、例えば石英やセラミックス、サファイア、又はテフロン(登録商標)等、伝熱性が低く、電気的に絶縁性が良好な材質で形成される。このような材質とすることで、基板支持ピン13そのものが加熱されることを抑制し、更にはウェハ11から基板支持ピン13への熱逃げを抑制することができる。熱逃げを抑制することができるため、基板面内を均一に加熱することが可能となる。また、基板支持ピン13の加熱を防ぐことで、基板支持ピン13の熱変形を防ぐことができ、結果熱変形によるウェハ高さを一定にすることができるので、1スロット辺りのウェハ加熱を再現性良く加熱することが可能となる。また、基板支持ピン13は、複数(本実施形態においては3本)で構成される。
【0159】
導電体カバー31は、導電体で形成される。また、導電体カバー31は、ウェハ11全体の上面を覆う上面カバー31aと下面を覆う下面カバー31bと側面を覆う側面カバー31cで形成され、ウェハ11と同じ大きさ又はそれ以上の大きさでウェハ11全体を覆うように筒状に形成されている。また、側面カバー31cの後述するウェハ搬送口71と対向する面には開口部31dが形成されている。また、導電体カバー31は、全体が同電位であるように形成されている。これにより、導電体カバー31に形成される渦電流が均一となり、ウェハ11の表面に形成された膜の面内均一性を向上させることができる。
【0160】
すなわち、処理基板が、同じ大きさ又はそれ以上の大きさの伝導体に完全に包まれ電気的に閉とならないようにして、周波数1GHz以上100GHz以下のマイクロ波が照射される。
【0161】
なお、本実施形態においては、導電体カバー31の上方からマイクロ波を供給する例について述べているが、導電体カバー31の下方からマイクロ波を供給してもよく、また、導電体カバー31の上方と下方からマイクロ波を供給してもよい。導電体カバー31の上下面からマイクロ波を照射することで、誘電加熱の効率を高めることができる。
【0162】
また、導電体カバー31内をSiO
2(二酸化ケイ素)等の絶縁物で満たして用いても良い。これにより、ウェハの処理均一性を向上させることができる。
【0163】
ここで、基板支持ピン13と導電体カバー31で、基板支持部30が構成される。
【0164】
基板支持部30の下面には、脚部32が設けられている。脚部32は、複数(本実施形態においては3本)で構成され、処理室10内で基板支持部30を支持する。
【0165】
処理室10の側壁には、例えば窒素(N
2)等のガスを供給するガス供給管216が設けられている。ガス供給管216には、上流から順に、ガス供給源217、ガス流量を調整する流量制御装置218、ガス流路を開閉する開閉バルブ219が設けられており、この開閉バルブ219を開閉することで、処理室10内にガス供給管216からガスが供給、又は供給停止される。ガス供給管216から供給されるガスは、ウェハ11を冷却したり、パージガスとして処理室10内のガスや雰囲気を押し出したりするのに用いられる。
【0166】
ガス供給管216と流量制御装置218と開閉バルブ219から、ガス供給部215が構成される。流量制御装置218と開閉バルブ219は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80により制御される。なお、ガス供給部215には、ガス供給源217を設けても良い。
【0167】
図16に示すように、例えば直方体である処理容器18の下部であって処理室10の側壁には、処理室10内のガスを排気するガス排出管231が設けられている。ガス排出管231には、上流から順に、排気装置としての真空ポンプ246と、圧力調整バルブ233が設けられており、この圧力調整バルブ233の開度を調整することで、処理室10内の圧力が所定の値に調整される。
【0168】
ガス排出管231と圧力調整バルブ233とで、ガス排出部60が構成される。圧力調整バルブ63と真空ポンプ64は、制御部80と電気的に接続されており、制御部80により圧力調整制御される。なお、ガス排出部60に、真空ポンプ64を設けても良い。
【0169】
図16に示すように、処理容器18の一側面には、処理室10の内外にウェハ11を搬送するためのウェハ搬送口71が設けられている。ウェハ搬送口71には、ゲートバルブ72が設けられており、ゲートバルブ駆動部73によりゲートバルブ72を開けることにより、処理室10内と搬送室内とが連通するように構成されている。ウェハ搬送口71、ゲートバルブ72、ゲートバルブ駆動部73でウェハ搬送部が構成される。搬送室内には、ウェハ11を搬送する搬送ロボット(不図示)が設けられている。搬送ロボットには、ウェハ11を搬送する際にウェハ11を支持する搬送アームが備えられている。ゲートバルブ72を開くことによって、搬送ロボットにより処理室10内と搬送室内との間で、ウェハ11を搬送することが可能なように構成されている。
【0170】
図17は、本発明の実施形態に係る基板処理装置100の処理室10と導電体カバー31とウェハ11の配置関係を説明するための(a)は縦断面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【0171】
基板支持ピン13は、支持したウェハ11の中心と処理室10の中心と導電体カバー31の中心が垂直方向で略一致するように設けられている。これにより、ウェハ11の面内一性を向上させることができる。
【0172】
また、基板支持ピン13は、導電体カバー31の内面であって、基板支持ピン13に対向する対向面と、ウェハ11とを略平行に載置し、ウェハ11と導電体カバー31の内面とは電気的に接触しないように設けられている。好ましくは、ウェハ11と導電体カバー31の内面との間隔(隙間B)をマイクロ波の1/4波長(λ/4)以下、若しくは1/4波長(λ/4)の奇数倍となる位置でウェハ11を処理する。このような距離とすることで、基板表面における高周波電界が最大になり、基板表面へマイクロ波エネルギを効率よく入射することができる。また、基板端部まで均一に加熱することができ、ウェハ11に形成された回路の損傷を防止することができる。言い換えれば、定在波の基板への影響を抑制することができる。
【0173】
基板処理装置100の制御は、上述の実施形態で説明した、
図3に示す制御部80と同様の制御で制御される。
【0174】
次に、基板処理装置100における本実施形態の基板処理動作について説明する。
図18は、本実施形態に係る基板処理工程のフロー図である。また、本実施形態の基板処理は、半導体装置を製造する複数工程の中の一工程を構成するものである。なお、後述する各部の動作は、制御部80により制御される。
【0175】
<基板搬入工程、ステップS10>
ウェハ11を処理室10に搬入する基板搬入工程において、まず、ゲートバルブ72を開き、処理室10と搬送室とを連通させる。次に、処理対象(処理基板)のウェハ11を、搬送ロボットにより、搬送室内から処理室10内へ搬入する。
【0176】
<基板載置工程、ステップS11>
処理室10内に搬入されたウェハ11は、搬送ロボットにより開口部31dを介して導電体カバー31内の基板支持ピン13の上端13aに載置され、基板支持ピン13に支持される。次に、搬送ロボットが処理室10内から搬送室内へ戻ると、ゲートバルブ72が閉じられる。
【0177】
<窒素ガス供給工程、ステップS12>
次に、処理室10内を窒素(N
2)雰囲気に置換する。ウェハ11を搬入すると処理室10の外の大気雰囲気が巻き込まれるので、この大気雰囲気中の水分や酸素がプロセスに影響しないように処理室10内をN
2雰囲気に置き換える。
【0178】
<ガス排気工程、ステップS13>
開閉バルブ219を開いて、処理室10内にガス供給管216からN
2ガスを供給するとともに、圧力調整バルブ233により処理室10内の圧力を所定の値に調整しつつ、ガス排出管231から、真空ポンプ246により処理室10内のガス(雰囲気)を排出する。
【0179】
また本実施例ではN
2ガスを使用しているが、プロセス的、安全性に問題がなければ、熱伝達率の高い他のガス、たとえば希釈HeガスなどをN
2ガスに追加し、基板冷却効果を向上することもできる。
【0180】
<加熱処理工程(マイクロ波供給開始)、ステップS14>
次に、マイクロ波発生部20で発生させたマイクロ波を、導波口22から処理室10内に供給し、導電体カバー31の上面側から照射する。マイクロ波の周波数は、1GHz以上100GHz以下の所望の周波数に設定する。これにより、導電体カバー31には渦電流が発生し、この渦電流により発生した電界によって、導電体カバー31内に載置されたウェハ11の表面に形成された膜が加熱される。この結果、ウェハ11の面内均一性を向上させることができ、さらにマイクロ波の利用効率やウェハへの伝達効率を向上させることができる。また、このとき、導電体カバー31の内面からマイクロ波の1/4波長(λ/4)以下、若しくは1/4波長(λ/4)の奇数倍となる位置にウェハ11を維持する。これにより、ウェハ端部にまで均一に加熱することができる。このマイクロ波照射により、High−k膜の改質処理、つまり、High−k膜からCやH等の不純物を離脱させて、緻密化し安定した絶縁体薄膜に改質する処理を行う。
【0181】
以上のようにして、所定時間、マイクロ波を供給して基板加熱処理を行った後、マイクロ波の供給を停止する(ステップS15)。
【0182】
<基板搬出工程、ステップS16>
加熱処理工程が終了すると、上述した基板搬入工程に示した手順とは逆の手順により、加熱処理したウェハ11を処理室10から搬送室内へ搬出する。
【0183】
<第3実施形態の他の実施例>
次に、第3実施形態の他の実施例に係る基板処理装置200について
図19を用いて説明する。
第3実施形態の他の実施例に係る基板処理装置200は、上述した実施形態に係る基板処理装置100とほぼ同様の構成であるが、基板支持部30の構成が異なる。
【0184】
他の実施形態に係る基板処理装置200における基板支持部30は、基板支持ピン13と、導電体カバー31から構成されるが、基板支持ピン13が導電体カバー31を貫通して、台座14に搭載されている。台座14は図示しない位置制御機構を有しており、制御部80が位置制御機構を制御することで、上下に動くよう、更には特定の位置で基板支持ピンを停止するよう構成される。台座14を上下に動かすことで、基板支持ピン13も共動して上下に動かすことが可能となる。
【0185】
基板支持ピン13は、例えば導電体カバー25の内面からウェハ11の距離を、マイクロ波の1/4波長(λ/4)以下、もしくはλ/4の奇数倍となるような位置にウェハを維持することができる。言い換えれば、基板支持ピン13の上端13aの基板載置面と導電体カバー25の内面との距離をマイクロ波の1/4波長(λ/4)以下の位置、もしくはλ/4の奇数倍の距離とすることができる。このような距離とすることで、基板表面における高周波電界が最大になり、基板表面へマイクロ波エネルギを効率よく入射することができる。また、基板端部にまで均一に加熱することができ、ウェハ11に形成された回路の損傷を防止することができる。言い換えれば、定在波の基板への影響を抑制することができる。
【0186】
<実験例>
図20には、本実施形態に係る基板処理装置100及び他の実施形態に係る基板処理装置200を用いた場合のマイクロ波の材料加熱選択性の実験例が示されている。
図20は、本実施形態に係る基板処理装置100及び他の実施形態に係る基板処理装置200を用いて加熱処理を施し、高性能放射温度計(Phtorix(登録商標))にて直接ウェハ11の表面に形成されたTiN(窒化チタン)膜と裏面のSi(シリコン)基板の温度上昇を測定したものである。
図20に示されているように、Si基板の温度と比較して表面のTiN膜温度の方が20℃ほど高くなっていることが分かる。これは、ウェハ11全体で均一に加熱されることが分かっている。すなわち、マイクロ波の材料加熱選択性により、ウェハ11を膜反応温度より低い温度に保ちながら効率よく処理膜を改質することが可能であることが分かる。
【0187】
また、本実施例のような高誘電率膜を有するウェハのアニール処理(結晶化制御、不純物低減、欠損酸素補給)する場合について説明したが、それに限らず、ベェアシリコン基板に注入している不純物の活性化、Poly−Siの活性化及び結晶化形状制御、Polymerのキュア、Cu配線のGain size制御、Epi−Si或いはEpi−SiGeの欠陥修復、アモルファス或いはPoly構造を結晶化に応用。LEDプロセスにおいては、GaNの結晶性改善などに基板処理装置及び基板製造方法に適応することができる。
【0188】
また、固定周波数の電源を複数設け、それぞれから異なる周波数のマイクロ波を切り替えて供給或いは同時に周波数が異なる複数のマイクロ波を供給し、処理するようにしてもよい。
【0189】
本実施形態によれば、マイクロ波の材料選択性により、処理膜の反応温度と同じ温度まで処理基板及び処理環境温度を上昇させる必要がなく、基板に与える熱負荷を減らしつつ処理膜を効率的に改質させることができる。また、基板のサーマルバジェットを抑制し、基板への処理を均一にすることができ、基板への熱負荷を減らすことで基板のそり等の変形を緩和させることができる。また、誘電加熱を効果的に作り出すことで、処理膜を効率的に改質させることができる。また、処理基板表面の薄膜を結晶化させることができ、例えば、プラス若しくはマイナスイオンの不純物が注入又は混入されている薄膜を結晶化させることができる。また、処理基板表面の有機材料で生成されたCVD膜の残留有機不純物を選択的に除去させることができる。
【0190】
また、本発明は、アニール処理に適用できるほか、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、PVD(Physical Vapor Deposition)法等による酸化膜や窒化膜、金属膜等の種々の膜を形成する成膜処理や、拡散処理、酸化処理、窒化処理、リソグラフィ処理等の他の基板処理を行う場合にも適用できる。また、本発明は、アニール処置装置の他、薄膜形成装置、エッチング装置、酸化処理装置、窒化処理装置、露光装置、塗布装置、モールド装置、現像装置、ダイシング装置、ワイヤボンディング装置、乾燥装置、加熱装置、検査装置等の他の基板処理装置にも適用できる。また、本発明は、これらの装置が混在していてもよい。
【0191】
また、上述の実施形態では、一度に1枚のウェハ11を処理する枚葉式の基板処理装置に限らず、例えば一度に複数枚のウェハ11を処理する枚葉式の基板処理装置や、縦型の基板処理装置、横型の基板処理装置等の各種基板処理装置にも、好適に適用できる。
【0192】
また、本発明は、本実施形態に係る基板処理装置100のような半導体ウェハを処理する半導体製造装置等に限らず、ガラス基板を処理するLCD(Liquid Crystal Display)製造装置や、フォトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスク及び磁気ディスクを処理する装置等の基板処理装置にも適用できる。
【0193】
また、上述の各実施形態等は、適宜組み合わせて用いることができる。
【0194】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0195】
(付記1)
一態様によれば、基板を処理する処理室と、基板を支持する基板支持部と、基板に電磁波を照射する電磁波照射部と、前記基板の径方向であって、前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部と、少なくとも前記基板支持部及び前記電磁波照射部を制御する制御部と、を備える半導体装置の製造装置が提供される。
【0196】
(付記2)
付記1の半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波補助供給部は、前記基板を透過した電磁波を基板向かって拡散させるように反射させる電磁波拡散部である。
【0197】
(付記3)
付記1又は2の半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波補助供給部は、前記基板裏面の外周側にマイクロ波を供給する外周補助供給部と、前記基板の縁側にマイクロ波を供給する内壁補助供給部の少なくともいずれかを有する。
【0198】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記基板の裏面側中心にマイクロ波を供給する中心補助供給部を有する。
【0199】
(付記5)
付記1乃至4のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部は、前記基板支持部に支持される基板の裏面と対向するように設けられ、基板を透過した電磁波を基板の裏面に向かって拡散させるように構成されている。
【0200】
(付記6)
付記1乃至5のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部は、前記電磁波照射部と対向する基板の領域以外の領域に向かって基板を透過した電磁波を照射させるように構成されている。
【0201】
(付記7)
付記1ないし6のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部は、少なくとも前記電磁波照射部と対向する領域が前記電磁波照射部の中心と対向する位置に向かうにしたがって、基板と前記電磁波拡散部との間の距離が長くなるように形成されている。
【0202】
(付記8)
付記1ないし7のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部は、円板状部と、該円板状部の周囲を囲うように設けられる環状部と、を備え、前記電磁波照射部と対向する領域に、前記円板状部と前記環状部とにより隙間が形成されるように、前記円板状部及び前記環状部がそれぞれ構成されている。
【0203】
(付記9)
付記1ないし7のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部の前記電磁波照射部と対向する領域には、複数の凹凸が設けられている。
【0204】
(付記10)
付記1ないし9のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記処理室の側壁には、前記処理室内に存在する電磁波の反射波を、基板の側面に向かって反射させる反射電磁波照射部が設けられている。
【0205】
(付記11)
付記1ないし10のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部及び前記反射電磁波照射部は、導電体で形成されている。
【0206】
(付記12)
付記1ないし11のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記基板支持部は、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、基板の裏面と前記電磁波拡散部の最下表面との間の距離が、電磁波照射部から照射される電磁波の1/4波長の奇数倍の距離となる位置で、基板を支持する。
【0207】
(付記13)
付記1ないし12のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波照射部は、基板の中心位置に対向する位置から偏心する位置に設けられている。
【0208】
(付記14)
付記1ないし13のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記基板支持部に支持された基板は、回転可能に構成されており、前記制御部は、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、前記基板支持部に支持された基板を回転させる。
【0209】
(付記15)
付記1ないし14のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記基板支持部は、複数の基板支持機構を備えており、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、前記基板支持機構はそれぞれ、異なる高さ位置で基板を支持する。
【0210】
(付記16)
付記1ないし15のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記電磁波拡散部は昇降可能に構成されており、前記制御部は、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、前記電磁波拡散部の昇降が連続して行われるように、前記電磁波拡散部を制御する。
【0211】
(付記17)
付記1ないし16のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記制御部は、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、前記電磁波拡散部の昇降が所定のタイミング毎に行われるように、前記電磁波拡散部を制御する。
【0212】
(付記18)
付記1ないし17のいずれかの半導体装置の製造装置であって、好ましくは、前記処理室内を真空排気する真空排気装置を備え、前記制御部は、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波が照射されている間、前記処理室内がプラズマが発生しない圧力に維持されるように、前記真空排気装置を制御する。
【0213】
(付記19)
他の態様によれば、
基板を処理する処理室と、基板を支持する基板支持部と、基板に電磁波を照射する電磁波照射部と、前記基板の径方向であって、前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部と、少なくとも前記基板支持部及び前記電磁波照射部を制御する制御部と、を備える基板処理装置が提供される。
【0214】
(付記20)
さらに他の態様によれば、
処理室に基板を搬入し、基板支持部に基板を載置して支持する工程と、前記基板支持部に支持された基板に電磁波照射部から電磁波を照射しつつ、前記基板の径方向であって、前記前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部から前記基板へ電磁波を供給する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0215】
(付記21)
付記20の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記電磁波を供給する工程では、前記電磁波補助供給部が、前記基板を透過した電磁波を前記基板に向かって拡散させるように反射させる電磁波拡散部である。
【0216】
(付記22)
付記20又は21の半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記電磁波を供給する工程では、少なくとも前記電磁波照射部から電磁波を照射している間、前記基板支持部に支持された基板を回転させる。
【0217】
(付記23)
付記20ないし22のいいずれかの半導体装置の製造方法であって、好ましくは、前記電磁波を供給する工程では、前記基板支持部が備える複数の基板支持機構によって異なる高さ位置で基板を支持する。
【0218】
(付記24)
さらに他の態様によれば、 処理室に基板を搬入し、基板支持部に基板を載置して支持する工程と、前記基板支持部に支持された基板に電磁波照射部から電磁波を照射しつつ、前記基板の径方向であって、前記前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部から前記基板へ電磁波を供給する工程と、を有する基板処理方法が提供される。
【0219】
(付記25)
さらに他の態様によれば、 処理室に基板を搬入し、基板支持部に基板を載置して支持する手順と、前記基板支持部に支持された基板に電磁波照射部から電磁波を照射しつつ、前記基板の径方向であって、前記前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部から前記基板へ電磁波を供給する手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0220】
(付記26)
さらに他の態様によれば、処理室に基板を搬入し、基板支持部に基板を載置して支持する手順と、前記基板支持部に支持された基板に電磁波照射部から電磁波を照射しつつ、前記基板の径方向であって、前記前記電磁波照射部よりも離れた位置に設けられた電磁波補助供給部から前記基板へ電磁波を供給する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【0221】
(付記27)
さらに他の態様によれば、 基板が搬入搬出される処理室と、前記処理室内に電磁波を供給する電磁波供給部と、前記処理室内に設けられ前記基板が載置される基板載置部と、前記処理室に設けられた開閉部と、前記開閉部に設けられた密閉部と、前記基板載置部の上面と前記密閉部との間に設けられた溝部と、を有する基板処理装置が提供される。
【0222】
(付記28)
付記27に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記溝部は、前記基板載置部の側面に設けられる。
【0223】
(付記29)
付記27に記載の基板処理装置であって、好ましくは、 前記溝部は、前記処理室内壁の前記基板載置部の側面に対向する部分に設けられる。
【0224】
(付記30)
付記28に記載の基板処理装置であって、好ましくは、 前記処理室内壁の前記基板載置部の側面に対向する部分であって、前記溝部とは対向しない位置に第2の溝部が設けられている。
【0225】
(付記31)
付記27乃至付記30のいずれかに記載の基板処理装置であって、好ましくは、 前記溝部の深さは、前記電磁波供給部が供給する電磁波の波長の4分の1以下の長さで有る。
【0226】
(付記32)
付記27乃至付記31のいずれかに記載の基板処理装置であって、好ましくは、 前記溝部には、誘電体が設けられる。
【0227】
(付記33)
さらに他の態様によれば、 基板を処理室内に搬入する工程と、前記基板を基板載置部に載置する工程と、前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する工程と、前記基板を前記処理室から搬出する工程と、を有する基板処理方法が提供される。
【0228】
(付記34)
さらに他の態様によれば、 基板を処理室内に搬入する工程と、前記基板を基板載置部に載置する工程と、前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する工程と、前記基板を前記処理室から搬出する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0229】
(付記35)
本発明の更に他の態様によれば、 基板を処理室内に搬入する手順と、前記基板を基板載置部に載置する手順と、前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する手順と、前記基板を前記処理室から搬出する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0230】
(付記36)
本発明の更に他の態様によれば、 基板を処理室内に搬入する手順と、前記基板を基板載置部に載置する手順と、前記基板載置部の上面と前記処理室に設けられた密閉部との間に溝部を有する状態で電磁波供給部が前記基板に電磁波を供給する手順と、前記基板を前記処理室から搬出する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【0231】
(付記37)
本発明の更に他の態様によれば、 基板を載置する基板載置部であって、前記基板載置部が収容される処理室の内壁と対向する前記基板載置部の側面に溝部を有する基板載置部が提供される。
【0232】
(付記38)
さらに他の態様によれば、処理基板を処理する処理室と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆う導電体カバーと、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給部と、前記処理室内のガスを排気する排気部と、前記導電体カバーにマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、を有する基板処理装置が提供される。
【0233】
(付記39)
付記38に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーは、前記処理基板の上面と下面と側面とを覆うように構成されている。
【0234】
(付記40)
付記38又は付記39に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーの全体が同電位である。
【0235】
(付記41)
付記38に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーは前記処理基板の上面を覆う上面カバーと、前記処理基板の下面を覆う下面カバーと、前記処理基板の側面を覆う側面カバーと、を有する。
【0236】
(付記42)
付記38に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーと前記処理基板とは接触しない。
【0237】
(付記43)
付記38に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーは前記処理基板と離間して設けられている。
【0238】
(付記44)
付記38に記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーと前記処理基板との間隔は、前記処理室内に供給されるマイクロ波の波長の1/4以下、より好ましくはマイクロ波の波長の1/4の奇数倍の長さになっている。
【0239】
(付記45)
付記38乃至付記44のいずれかに記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記導電体カバーの中心と、前記処理基板の中心が一致している。
【0240】
(付記46)
付記38乃至付記45のいずれかに記載の基板処理装置であって、好ましくは、前記マイクロ波供給部は、前記導電体カバーの上面又は下面にマイクロ波を供給す位置に設けられている。
【0241】
(付記47)
更に他の態様によれば、処理基板を処理する処理室と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆う導電体カバーと、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給部と、前記処理室内のガスを排気する排気部と、前記導電体カバーにマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、を有する半導体装置の製造装置が提供される。
【0242】
(付記48)
更に他の態様によれば、処理基板を処理する処理室内に設けられ、当該処理基板を覆う導電体カバーが設けられた基板支持装置が提供される。
【0243】
(付記49)
更に他の態様によれば、処理基板を処理室に搬入する工程と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆うように設けられた導電体カバー内に前記処理基板を載置する工程と、ガス供給部が前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、ガス排気部が前記処理室内のガスを排気する工程と、マイクロ波供給部が前記導電体カバーにマイクロ波を供給する工程と、を有する基板処理方法が提供される。
【0244】
(付記50)
更に他の態様によれば、処理基板を処理室に搬入する工程と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆うように設けられた導電体カバー内に前記処理基板を載置する工程と、ガス供給部が前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、ガス排気部が前記処理室内のガスを排気する工程と、マイクロ波供給部が前記導電体カバーにマイクロ波を供給する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0245】
(付記51)
更に他の態様によれば、処理基板を処理室に搬入する工程と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆うように設けられた導電体カバー内に前記処理基板を載置する工程と、ガス供給部が前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、ガス排気部が前記処理室内のガスを排気する工程と、マイクロ波供給部が前記導電体カバーにマイクロ波を供給する工程と、を有する基板処理方法を実行するプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【0246】
(付記52)
更に他の態様によれば、処理基板を処理室に搬入する工程と、前記処理室内にあって前記処理基板を覆うように設けられた導電体カバー内に前記処理基板を載置する工程と、ガス供給部が前記処理室内に処理ガスを供給する工程と、ガス排気部が前記処理室内のガスを排気する工程と、マイクロ波供給部が前記導電体カバーにマイクロ波を供給する工程と、を有する基板処理方法を実行するプログラムが提供される。