特許第5955410号(P5955410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955410
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】ウェーハハンドリングトレイ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20160707BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   H01L21/68 U
   H01L21/68 A
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-550833(P2014-550833)
(86)(22)【出願日】2012年12月4日
(86)【国際出願番号】JP2012081407
(87)【国際公開番号】WO2014087487
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2015年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000140890
【氏名又は名称】ミライアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】梅田 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】岩城 忠雄
【審査官】 山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−028016(JP,A)
【文献】 特開2007−314210(JP,A)
【文献】 特開2003−197581(JP,A)
【文献】 特開2008−227443(JP,A)
【文献】 特開2008−218908(JP,A)
【文献】 特開2003−133395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と裏面とを有する平板状の本体部を有し、
前記本体部の表面上に、半導体ウェーハが貼付けられた薄膜が固定された薄膜フレームを載置可能なウェーハハンドリングトレイであり、一のウェーハハンドリングトレイと他のウェーハハンドリングトレイとで、前記薄膜フレームを挟むようにして保持するウェーハハンドリングトレイであって、
前記本体部の周縁部分に配置され、前記本体部を他のウェーハハンドリングトレイの前記本体部に対して結合する結合部と、
前記本体部の表面に配置され、前記表面上において前記薄膜フレームの位置決め及び方向決めをする位置方向決め部と、
前記本体部の裏面に配置され、他のウェーハハンドリングトレイに載置された前記薄膜フレームに当接可能な環状のシール部材を有するシール部と、
前記本体部の表面に平行な方向における前記本体部の少なくとも一端部と他端部とに配置され、外部機械装置の処理アームに設けられた一対の第1部がそれぞれ係合可能な係合部とを備え、
前記シール部材は、他のウェーハハンドリングトレイに載置された前記薄膜フレームに貼付けられた前記半導体ウェーハの周囲を取り囲むように前記薄膜フレームに当接して、一のウェーハハンドリングトレイと他のウェーハハンドリングトレイと前記シール部と前記薄膜とで、前記半導体ウェーハを収容する密閉空間が形成され、
前記係合部は、それぞれ前記処理アームの一対の第1部に係合することにより、前記本体部の表面と裏面とを結ぶ方向における前記本体部の位置が規制される第1位置規制係合部を有するウェーハハンドリングトレイ。
【請求項2】
前記第1位置規制係合部は、前記処理アームの前記第1部が当接可能な一対の対向面であって、前記本体部の表面に平行な方向において前記本体部から離間する方向に向かうにつれて、前記本体部の表面と裏面とを結ぶ方向において互いに接近する一対の第1対向面を有する請求項1に記載のウェーハハンドリングトレイ。
【請求項3】
前記係合部は、前記処理アームの一対の第2部にそれぞれ係合することにより、前記本体部の表面に平行な方向であって前記本体部から離間する方向に交差する方向における前記本体部の位置が規制される第2位置規制係合部を有する請求項1または請求項2に記載のウェーハハンドリングトレイ。
【請求項4】
第2位置規制係合部は、前記処理アームの第2部が当接可能な一対の対向面であって、前記本体部の表面に平行な方向において前記本体部から離間する方向に向かうにつれて、前記本体部の表面に平行な方向において互いに離間し合う一対の第2対向面を有する請求項3に記載のウェーハハンドリングトレイ。
【請求項5】
前記結合部は、前記本体部の表面に配置されたフックと前記本体部の裏面に配置され前記フックが係止されるフック係止部とを有するか、又は、前記本体部の裏面に配置されたフックと前記本体部の表面に配置され前記フックが係止されるフック係止部とを有し、
前記フック係止部は、弾性変形可能であり、前記フック係止部には、前記処理アームの第3部が当接可能であり、
前記フック係止部が弾性変形することにより、前記フックは前記フック係止部に係止可能であり、前記フック係止部が前記処理アームの第3部によって押されることにより、前記フック係止部が弾性変形して、前記フックの前記フック係止部への係止が解除される請求項1〜請求項4のいずれかに記載のウェーハハンドリングトレイ。
【請求項6】
前記本体部及び前記シール部材は、導電粒子又は導電樹脂成分を含有する導電樹脂により構成されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載のウェーハハンドリングトレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハハンドリングトレイに関し、特に、極めて薄い半導体ウェーハが外気と触れない状態で半導体ウェーハを搬送するための、極めて薄いウェーハハンドリングトレイに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の高密度化に対応するために、半導体ウェーハにおける配線パターンの細線化と並行して、半導体ウェーハを積層して実質的に三次元配線を実現するための製品開発が進められている。三次元配線の具体的な方法としては、素子を形成したウェーハの背面を研削して半導体ウェーハを極薄化した後に、ウェーハ同士を積層し、積層されたウェーハ同士にワイヤボンディングを施したり、ビアホールを形成した素子を積層した後に、これらのビアホールを接続するいわゆるTSV(Through Silicon Via)技術が用いられたりしている。
【0003】
このような極薄の半導体ウェーハを取り扱う方法としては、いわゆるフィルムフレーム(ダイシングフレーム等)に取り付けられたフィルム(ダイシングフィルム等)に、半導体ウェーハを貼り付けて、フィルムフレームごと取り扱ったり、エクスパンションリングを用いてエクスパンションリングフィルム上に半導体ウェーハを載置して取り扱ったりする方法が一般的である(特許文献2、特許文献3参照)。また、極薄のウェーハのハンドリングや搬送を意識したハンドリングトレイが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−103454号公報
【特許文献2】特開2012−119437号公報
【特許文献3】特開2012−114265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、フィルムフレーム自体は、メカニカルインターフェイスを有していない。このため、機械装置によって、クリーンな状態でフィルムフレーム及び半導体ウェーハをハンドリングすることは困難であった。
【0006】
また、従来のフィルムフレームを用いた極薄の半導体ウェーハを取り扱う方法では、ダイシングフレームと共に半導体ウェーハを、一のハンドリングトレイと他のハンドリングトレイとで挟むようにして保持していた。このため、ハンドリングトレイをダイシングフレームよりも大きな寸法とする必要がある。
【0007】
そして、一のハンドリングトレイを他のハンドリングトレイに固定するための結合部材を、ハンドリングトレイに設けなければならないため、ハンドリングトレイに結合部材を設けるスペースを更に確保する必要がある。このため、ハンドリングトレイの寸法を小さくすることは困難であった。
【0008】
本発明は、機械装置によって扱うことができ、ハンドリングトレイの寸法を小さく抑え、半導体ウェーハを密閉状態で保持することができるウェーハハンドリングトレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、表面と裏面とを有する平板状の本体部を有し、前記本体部の表面上に、半導体ウェーハが貼付けられた薄膜が固定された薄膜フレームを載置可能なウェーハハンドリングトレイであり、一のウェーハハンドリングトレイと他のウェーハハンドリングトレイとで、前記薄膜フレームを挟むようにして保持するウェーハハンドリングトレイであって、前記本体部の周縁部分に配置され、前記本体部を他のウェーハハンドリングトレイの前記本体部に対して結合する結合部と、前記本体部の表面に配置され、前記表面上において前記薄膜フレームの位置決め及び方向決めをする位置方向決め部と、前記本体部の裏面に配置され、他のウェーハハンドリングトレイに載置された前記薄膜フレームに当接可能な環状のシール部材を有するシール部と、前記本体部の表面に平行な方向における前記本体部の少なくとも一端部と他端部とに配置され、外部機械装置の処理アームに設けられた一対の第1部がそれぞれ係合可能な係合部とを備え、前記シール部材は、他のウェーハハンドリングトレイに載置された前記薄膜フレームに貼付けられた前記半導体ウェーハの周囲を取り囲むように前記薄膜フレームに当接して、一のウェーハハンドリングトレイと他のウェーハハンドリングトレイと前記シール部と前記薄膜とで、前記半導体ウェーハを収容する密閉空間が形成され、前記係合部は、それぞれ前記処理アームの一対の第1部に係合することにより、前記本体部の表面と裏面とを結ぶ方向における前記本体部の位置が規制される第1位置規制係合部を有するウェーハハンドリングトレイに関する。
【0010】
また、前記第1位置規制係合部は、前記処理アームの前記第1部が当接可能な一対の対向面であって、前記本体部の表面に平行な方向において前記本体部から離間する方向に向かうにつれて、前記本体部の表面と裏面とを結ぶ方向において互いに接近する一対の第1対向面を有することが好ましい。
【0011】
また、前記係合部は、前記処理アームの一対の第2部にそれぞれ係合することにより、前記本体部の表面に平行な方向であって前記本体部から離間する方向に交差する方向における前記本体部の位置が規制される第2位置規制係合部を有することが好ましい。
【0012】
また、第2位置規制係合部は、前記処理アームの第2部が当接可能な一対の対向面であって、前記本体部の表面に平行な方向において前記本体部から離間する方向に向かうにつれて、前記本体部の表面に平行な方向において互いに離間し合う一対の第2対向面を有することが好ましい。
【0013】
また、前記結合部は、前記本体部の表面に配置されたフックと前記本体部の裏面に配置され前記フックが係止されるフック係止部とを有するか、又は、前記本体部の裏面に配置されたフックと前記本体部の表面に配置され前記フックが係止されるフック係止部とを有し、前記フック係止部は、弾性変形可能であり、前記フック係止部には、前記処理アームの第3部が当接可能であり、前記フック係止部が弾性変形することにより、前記フックは前記フック係止部に係止可能であり、前記フック係止部が前記処理アームの第3部によって押されることにより、前記フック係止部が弾性変形して、前記フックの前記フック係止部への係止が解除されることが好ましい。
【0014】
また、前記本体部及び前記シール部材は、導電粒子又は導電樹脂成分を含有する導電樹脂により構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、機械装置によって扱うことができ、ハンドリングトレイの寸法を小さく抑え、半導体ウェーハを密閉状態で保持することができるウェーハハンドリングトレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1により半導体ウェーハWを挟むようにして保持している様子を示す断面図である。
図1B】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1同士が離間している様子を示す断面図である。
図2A】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1により半導体ウェーハWを挟むようにして保持している様子を示す拡大断面図である。
図2B】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1同士が離間している様子を示す拡大断面図である。
図3A】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1のフック26がフック係止部45に係止している様子を示す拡大断面図である。
図3B】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1のフック26がフック係止部45から係止解除している様子を示す拡大断面図である。
図4】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1にダイシングフレーム2が載置される様子を示す拡大断面図である。
図5】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1の表面20を示す平面図である。
図6】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1の裏面40を示す底面図である。
図7】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1に載置されるダイシングフレーム2を示す平面図である。
図8】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1にダイシングフレーム2が載置される様子を示す平面図である。
図9】第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1の一対の第1対向面111を示す拡大断面図である。
図10】第2実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1Aの表面20Aを示す平面図である。
図11】第2実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1Aにダイシングフレーム2が載置される様子を示す平面図である。
図12】第2実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1Aの裏面40Aを示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態によるウェーハハンドリングトレイについて、図面を参照しながら説明する。
図1Aは、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1により半導体ウェーハWを挟むようにして保持している様子を示す断面図である。図1Bは、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1同士が離間している様子を示す断面図である。図2Aは、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1により半導体ウェーハWを挟むようにして保持している様子を示す拡大断面図である。
【0018】
図2Bは、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1同士が離間している様子を示す拡大断面図である。図3Aは、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1のフック26がフック係止部45に係止している様子を示す拡大断面図である。図3Bは、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1のフック26がフック係止部45から係止解除している様子を示す拡大断面図である。図4は、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1にダイシングフレーム2が載置される様子を示す拡大断面図である。図5は、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1の表面20を示す平面図である。
【0019】
図6は、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1の裏面40を示す底面図である。図7は、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1に載置されるダイシングフレーム2を示す平面図である。図8は、第1実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1にダイシングフレーム2が載置される様子を示す平面図である。
【0020】
ここで、説明の便宜上、後述の本体部10の後端部12から前端部11へ向かう方向(図5における上から下へ向かう方向)を前方向D11と定義し、その反対の方向を後方向D12と定義し、これらを前後方向D1と定義する。また、後述の本体部10の裏面40から表面20へ向かう方向(図1Aにおける上方向)を上方向D21と定義し、その反対の方向を下方向D22と定義し、これらを上下方向D2と定義する。また、後述する本体部10の右端部14から左端部13へ向かう方向(図5における右から左へ向かう方向)を左方向D31と定義し、その反対の方向を右方向D32と定義し、これらを左右方向D3と定義する。なお、図1A図1B図2A図2B図4は、図5における矢印Aの方向から見た断面図であるため、また、図3A図3Bは、図5における矢印Aの方向から見た図であるため、左右方向D3及び前後方向D1を示す矢印を省略する。
【0021】
また、ウェーハハンドリングトレイ1に保持される半導体ウェーハW(図4等参照)は、円盤状のシリコンウェーハ、ガラスウェーハ、サファイアウェーハ等であり、産業に用いられる極めて薄いものである。半導体ウェーハWの厚さは、シリコンウェーハ単独のものであれば、0.02mm〜0.3mm程度であり、典型的には、0.05mm〜0.15mm程度である。また、ガラスウェーハやサファイアウェーハであれば、半導体ウェーハWの厚さは、0.3mm〜0.9mm程度であり、典型的には、0.4mm〜0.7mm程度である。
【0022】
また、図7に示すように、ウェーハハンドリングトレイ1に載置される薄膜フレームとしてのダイシングフレーム2は、SUS鋼製の平板状の環状を有している。ダイシングフレーム2の前端部2A及び後端部2Bは、左右方向D3に延びる平行な直線状を有している。また、ダイシングフレーム2の左端部2C及び右端部2Dは、前後方向D1に延びる平行な直線状を有している。ダイシングフレーム2の後端部2Bの直線状の部分における右端近傍の位置には、略V字状に切り欠かれた第1切り欠き部2Eが形成されている。
【0023】
ダイシングフレーム2の後端部2Bの直線状の部分における左端近傍の位置には、略V字状に切り欠かれた第2切り欠き部2Fが形成されている。図2A等に示すように、ダイシングフレーム2の上面は、ダイシングフレーム2の中央へ向かうにつれてダイシングフレーム2の上下方向D2における厚さが薄くなるフレーム傾斜面2Gを有する。
【0024】
また、ウェーハハンドリングトレイ1は、外部機械装置(図示せず)の処理アーム(図示せず)によって取り扱われる。処理アームは、第1部(図示せず)と、第2部(図示せず)と、第3部(図示せず)とを有しており、第1部〜第3部は、別個独立して動作するように構成されていてよく、又、一体で構成されていてもよい。
具体的には、外部機械装置(図示せず)の処理アームは、断面V字形状の溝が先端部に形成された2対の第1部(図示せず)を備えている。また、外部機械装置(図示せず)の処理アームは、断面がV字形状を有して突出する先端部を有する一対の第2部(図示せず)を備えている。また、外部機械装置(図示せず)の処理アームは、細長い第3部を有している。
【0025】
図5図6に示すように、ウェーハハンドリングトレイ1は、表面20と裏面40とを有する平板状且つ環状の本体部10を備える。本体部10は、導電粒子を含有する導電樹脂により構成されており、極めて薄いものである。本体部10の厚さは、典型的には1mm〜4mm程度であるが、成形材料やリブ構造や収縮構造などを工夫する場合には、0.5mm〜5mm程度となる。本体部10の表面20上には、半導体ウェーハWが貼付けられたフィルムFが固定されたダイシングフレーム2を載置可能である。
【0026】
係合部としての本体部10の前端部11及び後端部12は、左右方向D3に延びる平行な直線状を有しており、本体部10の表面20に平行な方向における本体部10の少なくとも一端部と他端部とにそれぞれ位置している。係合部としての本体部10の左端部13及び右端部14は、前後方向D1に延びる平行な直線状を有している。本体部10の前端部11の直線状の部分は、図9に示すように、それぞれ平面からなる係合部としての一対の第1対向面111を有している。本体部10の後端部12、左端部13、及び右端部14も、一対の第1対向面を前端部11と同様に有しているが、一対の第1対向面111と同様の形状のため、一対の第1対向面111についてのみ説明する。
【0027】
一対の第1対向面111は、本体部10の表面20に平行な方向であって本体部10から離間する方向(図9における左方向)に進むにつれて、本体部10の表面20と裏面40とを結ぶ方向(図9における上下方向)に互いに接近するように構成されている。従って一対の第1対向面111により、断面がV字状の凸部が形成されている。一対の第1対向面111には、外部機械装置の処理アームの第1部(図示せず)が当接可能であり、このように処理アームの第1部(図示せず)が当接することにより、係合部としてのV字状の凸部には、処理アームの第1部(図示せず)が係合可能である。この係合により、本体部10は、上下方向D2において位置決めがなされる。
【0028】
図5等に示すように、本体部10の前端部11における左右方向D3の中央部は、それぞれ平面からなる第2位置規制係合部としての一対の第2対向面112を有している。同様に本体部10の後端部12における左右方向D3の中央部は、それぞれ平面からなる第2位置規制係合部としての一対の第2対向面122を有している。一対の第2対向面112、122は、本体部10の表面20に平行な方向であって本体部10から離間する方向に向かうにつれて、互いに離間し合うように構成されている。従って一対の第2対向面112、122によりV字状の溝が形成されている。
【0029】
一対の第2対向面112、122には、外部機械装置の処理アームの第2部(図示せず)が当接可能であり、このように処理アームが当接することにより、位置規制係合部としてのV字状の溝には、処理アームの第2部(図示せず)が係合可能である。この係合により、本体部10の表面20に平行な方向であって本体部10から離間する方向に交差する方向、具体的には、左右方向D3において、本体部10の位置が規制される。
【0030】
図2A等に示すように、本体部10の表面20であって、内周を形成する表面内周形成部21の周囲は、上方へ一段高い表面上段部22を有する。表面上段部22の周囲は、表面上段部22よりも一段低い表面外周低部23を有する。
【0031】
図5に示すように、表面外周低部23であって、本体部10の後端部12の直線状の部分における右端近傍の位置には、上方へ突出する位置方向決め部としての突起24が設けられている。同様に、本体部10の表面20であって、本体部10の前端部11の直線状の部分における左端部近傍の位置及び右端近傍の位置には、上方へ突出する位置方向決め部としての突起25がそれぞれ設けられている。
【0032】
また、表面外周低部23であって、本体部10の右前部、左前部、右後部、及び左後部には、結合部を構成し、それぞれ互いに対向する一対のフック26が設けられている。図5に示すように、一対のフック26は、本体部10の半径方向に直交する方向において互いにフック26の先端部が対向するように配置されている(図3A図5等参照)。また、図3B等に示すように、一対のフック26の先端は、互いに離間している。
【0033】
図2A等に示すように、本体部10の裏面40であって、内周を形成する裏面内周形成部41の周囲は、上方へ一段高い裏面上段部42を有する。裏面上段部42の周囲は、裏面上段部42よりも一段低い裏面外周低部43を有する。
【0034】
裏面上段部42における本体部10の半径方向内方の端部には、シール部44が設けられている。シール部44は、図6に示すように、本体部10と同軸的な位置関係で配置された環状を有するシール環状部441(図2A等参照)を有している。シール環状部441は、裏面上段部42から下方へ延出している。シール環状部441は、導電粒子を含有する導電樹脂により構成されている。シール環状部441の延出端部には、シール部材442が固定されている。
【0035】
シール部材442は、ゴム等のように弾性変形が大きく、且つ当接面となるダイシングフレーム2の上面に密着して当接する材料により構成されるか、又は、所定の力が作用したときに一様に変形して、当接面となるダイシングフレーム2の上面に密着して当接するように変形可能なリップ形状に作り込まれたものにより構成される。本実施形態では、これら両方の作用を有するものにより、シール部材442が構成されている。即ち、対向面となるダイシングフレーム2の上面とシール環状部441の下端との間が、所定の寸法以下とされてこれらにそれぞれ密着する構造物であればよい。
【0036】
シール部材442の断面は、逆Ω形状であり、逆Ω状の丸い部分が図2A等において示されている。また、シール部材442は、全体として環状を有しており、シール環状部441の延出端部の全周に渡って固定されている。シール部44は、他のウェーハハンドリングトレイ1に載置されたダイシングフレーム2に当接可能である。
【0037】
図6に示すように、裏面外周低部43の一部であって、本体部10の右前部、左前部、右後部、及び左後部には、結合部を構成するフック係止部45が設けられている。フック係止部45は、図2Aに示すように、裏面上段部42から下方へ延びている。そして、フック係止部45は、本体部10の半径方向外方へ延びるフック当接部452を有する。更に、フック係止部45は、フック当接部452から本体部10の半径方向外方へ延びて、本体部10の半径方向に直交する方向における幅が狭くなる延出部453を有する。延出部453の延出端部の下端には、略半円状に下方へ突出する突出半円部454が設けられている。
【0038】
図2Aに示すように、延出部453の延出方向におけるフック当接部452の端部、すなわち、図2Aにおけるフック当接部452の左端部は、上から下へ向かうにつれて本体部10の軸心に近づくように傾斜する傾斜面(図2Aにおいて左上から右下へ向かって傾斜する傾斜面)を有している。
【0039】
次に、ウェーハハンドリングトレイ1同士を結合させて半導体ウェーハWを保持する動作について説明する。
先ず、図7に示すダイシングフレーム2の下面に、図1A図1B図4に示すようにUV硬化フィルムにより構成される薄膜としてのフィルムFを貼り付ける。具体的には、ダイシングフレーム2の下面であって、内周縁を形成している部分に、フィルムFを一面に貼り付けて、フィルムFをダイシングフレーム2に固定する。従って、環状のダイシングフレーム2の中央の開口は、フィルムFによって塞がれた状態となる。
【0040】
次に、フィルムFの上面に、ダイシングフレーム2の中央の開口よりも小さな円形の半導体ウェーハWを貼り付ける。この際、ダイシングフレーム2の中心と、半導体ウェーハWの中心とが一致した位置関係とされる。
【0041】
次に、このように半導体ウェーハWを貼り付けられたダイシングフレーム2を、図8に示すように、ウェーハハンドリングトレイ1の表面20上に載置する。この際、ダイシングフレーム2の中心と、ウェーハハンドリングトレイ1の中心とが一致した位置関係とされる。更に、ダイシングフレーム2の第1切り欠き部2Eに突起24が係合し、且つ、突起25、25に、ダイシングフレーム2の右前部の縁部と、ダイシングフレーム2の左前部の縁部と、がそれぞれ当接する位置関係とされる。これにより、本体部10の表面20上において、ダイシングフレーム2の位置決めのみならず、本体部10の表面20上におけるダイシングフレーム2の方向決めがなされる。
【0042】
次に、外部機械装置の処理アーム(図示せず)の2対の第1部(図示せず)により、ウェーハハンドリングトレイ1を挟持するようにして、上下方向D2における位置決めをする。処理アームの第1部は、本体部10の前端部11の一対の第1対向面111(図9参照)に前方から接近してゆき、前端部11の一対の第1対向面111に当接する。
【0043】
そして、第1部(図示せず)は、前端部11の一対の第1対向面111により形成されるV字状の凸部に係合する。同様に、第1部は、後方、左方、及び右方からも、それぞれ本体部10の後端部12、左端部13、及び右端部14にそれぞれ接近してゆき、それぞれ本体部10の後端部12、左端部13、及び右端部14に係合する。最終的に、上下方向D2における第1部のV字状の溝の中央に、一対の第1対向面111により形成されるV字状の凸部の先端が係合することで、ウェーハハンドリングトレイ1の上下方向D2における位置決めがなされる。
【0044】
ウェーハハンドリングトレイ1の上下方向D2における位置決めと同時に、左右方向D3におけるウェーハハンドリングトレイ1の上下方向D2における位置決めがなされる。処理アームの第2部(図示せず)は、前端部11の一対の第2対向面112に前方から接近してゆき、前端部11の一対の第2対向面112に当接する。また、第2部は、後端部12の一対の第2対向面122に後方から接近してゆき、後端部12の一対の第2対向面122に当接する。最終的に、左右方向D3におけるV字状の溝の中央に外部機械装置(図示せず)の処理アームの第2部が係合することで、ウェーハハンドリングトレイ1の左右方向D3における位置決めがなされる。
【0045】
次に、ダイシングフレーム2が載置されたウェーハハンドリングトレイ1の上方から他の外部機械装置により他のウェーハハンドリングトレイ1を、平面視で一致した位置関係で接近させてゆく。そして、ダイシングフレーム2が載置されたウェーハハンドリングトレイ1の方向に、他のウェーハハンドリングトレイ1を押し付ける。
【0046】
これにより、上側のウェーハハンドリングトレイ1のフック係止部45が弾性変形して、下側のウェーハハンドリングトレイ1の一対のフック26間にフック係止部45のフック当接部452が入り込み、下側のウェーハハンドリングトレイ1のフック26が上側のウェーハハンドリングトレイ1のフック係止部45に係止される。即ち、結合部としてのフック26とフック係止部45とにより、上側のウェーハハンドリングトレイ1の本体部10を下側のウェーハハンドリングトレイ1の本体部10に対して結合する。
【0047】
このとき、図3Aに示すように、上側のウェーハハンドリングトレイ1の突出半円部454の下端は、下側のウェーハハンドリングトレイ1の上面に当接して、延出部453を上方へ押圧する。これにより、フック当接部452は、上方へ押されてフック26に強く当接する。これにより、フック26のフック係止部45への係止がより強固とされる。
【0048】
また、ダイシングフレーム2が載置されたウェーハハンドリングトレイ1の方向に、他のウェーハハンドリングトレイ1が押し付けられることにより、図2A等に示すように、上側のウェーハハンドリングトレイ1のシール部44のシール部材442は、ダイシングフレーム2の上面に当接する。このとき、シール部44のシール部材442は、平面視で、下側のウェーハハンドリングトレイ1に載置されたダイシングフレーム2に貼付けられた半導体ウェーハWの周囲を取り囲むように、ダイシングフレーム2に当接した状態となる。
【0049】
これにより、上側のウェーハハンドリングトレイ1と下側のウェーハハンドリングトレイ1とシール部44とフィルムFとで、半導体ウェーハWを収容する密閉空間が形成される。即ち、一のウェーハハンドリングトレイ1と他のウェーハハンドリングトレイ1とで、薄膜フレームとしてのダイシングフレーム2を挟むようにして保持し、密閉空間内に半導体ウェーハWを収容する。
【0050】
このように密閉空間内に半導体ウェーハWを収容した状態で、ウェーハハンドリングトレイ1は、袋等に収容され、運搬等される。
【0051】
密閉空間内に収容された半導体ウェーハWを取り出す際には、外部機械装置(図示せず)の処理アームが用いられる。処理アームの第3部(図示せず)の先端によって、フック係止部45の延出部453を、フック係止部45の延出部453の延出する方向とは反対の方向(図2Aにおける右方向)へ押す。すると、フック係止部45は弾性変形し、フック26のフック当接部452への係止が解除される。これにより、図2B等に示すように、上側のウェーハハンドリングトレイ1と下側のウェーハハンドリングトレイ1との結合が解除される。
【0052】
次に、フィルムFに紫外線を照射する。これにより、フィルムFの粘着力が低下して、フィルムFに貼り付いていた半導体ウェーハWがフィルムFから剥離される。
【0053】
上記構成の第1実施形態によるウェーハハンドリングトレイ1によれば、以下のような効果を得ることができる。
ウェーハハンドリングトレイ1は、本体部10の裏面40に配置され、他のウェーハハンドリングトレイ1に載置された薄膜フレームとしてのダイシングフレーム2に当接可能な環状のシール部材442を有するシール部44を有している。そしてシール部材442は、他のウェーハハンドリングトレイ1に載置されたダイシングフレーム2に貼付けられた半導体ウェーハWの周囲を取り囲むようにダイシングフレーム2に当接して、一のウェーハハンドリングトレイ1と他のウェーハハンドリングトレイ1とシール部44と薄膜としてのフィルムFとで、半導体ウェーハWを収容する密閉空間が形成される。
【0054】
このため、半導体ウェーハWを密閉空間に収容した状態で搬送等できるため、半導体ウェーハWが、外気に含まれるパーティクルや汚染物質等により汚染されることを抑えることができる。この結果、半導体ウェーハWから、より高品質な製品を製造することができ、歩留まりを向上させて、製造コストの削減を図ることができる。
【0055】
また、従来より使用されているダイシングフレーム2を用いることができるため、新規な投資を最小限に抑えることができる。
【0056】
また、シール部材442は、ダイシングフレーム2に当接するため、シール部材442をダイシングフレーム2の周縁よりも外側に配置する必要がなくなり、本体部10の寸法を抑えることができ、小型化を図ることができる。
【0057】
また、係合部としての前端部11、後端部12、左端部13、及び右端部14は、第1位置規制係合部を有しており、第1位置規制係合部は、処理アームの第1部が当接可能な一対の対向面であって、本体部10の表面20に平行な方向において本体部10から離間する方向に向かうにつれて、本体部10の表面20と裏面40とを結ぶ方向において互いに接近する一対の第1対向面111を有する。
【0058】
このため、係合部としての前端部11、後端部12、左端部13、及び右端部14をメカニカルインターフェイスとすることができる。即ち、係合部としての前端部11、後端部12、左端部13、及び右端部14のそれぞれに、処理アームの一対の第1部を係合させることにより、本体部10の表面20と裏面40とを結ぶ方向における本体部10の位置を規制して、ウェーハハンドリングトレイ1をメカニカルハンドリングすることができる。この結果、ウェーハハンドリングトレイ1を外部機械装置によって安全且つ高速に取り扱うことができ、人間が介在することによる半導体ウェーハWの汚染や失敗不良を最小限に抑えることができる。
【0059】
また、係合部としての前端部11、後端部12、左端部13、及び右端部14は、第2位置規制係合部を有しており、第2位置規制係合部は、処理アームの第2部が当接可能な一対の対向面であって、本体部10の表面20に平行な方向において本体部10から離間する方向に向かうにつれて、本体部10の表面20に平行な方向において互いに離間し合う一対の第2対向面112、122を有する。このため、本体部10の表面20に平行な方向であって本体部10から離間する方向に交差する方向における本体部10の位置を規制することができる。これにより、ウェーハハンドリングトレイ1を、よりスムーズにメカニカルハンドリングすることができる。
【0060】
また、結合部は、フック26とフック係止部45とを有し、フック係止部45は、弾性変形可能であり、フック係止部45には、処理アームの第3部が当接可能である。このため、フック係止部45が弾性変形することにより、フック26をフック係止部45に係止可能とすることができる。また、フック係止部45が処理アームの第3部によって押されることにより、フック係止部45が弾性変形して、フック26のフック係止部45への係止を解除することができる。従って、一のウェーハハンドリングトレイ1と他のウェーハハンドリングトレイ1とを、簡単な作業により結合したり、結合を解除したりすることができるため、メカニカルハンドリングを容易とすることができる。
【0061】
また、本体部10及びシール部材442は、導電粒子を含有する導電樹脂により構成されているため、半導体ウェーハWへの静電気の帯電を抑えることができる。この結果、半導体ウェーハWにおけるパーティクルによる汚染を少なくすることができる。
【0062】
また、一対のフック26は、本体部10の半径方向に直交する方向において互いにフック26の先端部が対向するように配置されているため、処理アームの第3部でフック係止部45の延出部453を押すときに、本体部10が、本体部10の軸心を中心として回転してしまうことを抑制することができる。
【0063】
また、ウェーハハンドリングトレイ1は、表面20と裏面40とを有する環状の本体部10を備えているため、必要最小限の材料でウェーハハンドリングトレイ1を構成することができる。
【0064】
次に、本発明の第2実施形態によるウェーハハンドリングトレイについて、図10図12を参照しながら説明する。第2実施形態によるウェーハハンドリングトレイ1Aは、本体部10Aが略正方形状を有する点と、一対のフック26Aの先端の向いている方向が左右方向D3を向いている点と、これに伴い、フック係止部45Aの延出部453が前方または後方に延びている点とにおいて、第1実施形態によるウェーハハンドリングトレイ1とは異なる。これら以外の構成については、第1実施形態と同様であるため、同一の部材については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0065】
図10は、第2実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1Aの表面20Aを示す平面図である。図11は、第2実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1Aにダイシングフレーム2が載置される様子を示す平面図である。図12は、第2実施形態に係るウェーハハンドリングトレイ1Aの裏面40Aを示す底面図である。
【0066】
図10等に示すように、ウェーハハンドリングトレイ1Aの本体部10Aは、略正方形状の平板状を有している。本体部10Aの表面20Aであって略正方形状の4つの角の近傍には、それぞれ一対のフック26Aが設けられている。一対のフック26Aは、左右方向D3において互いにフック26Aの先端部が対向するように配置されている。
【0067】
また、図11に示すように、本体部10Aの裏面40Aであって略正方形状の4つの角の近傍には、それぞれフック係止部45Aが設けられている。計4つのフック係止部45Aのうちの前側の2つ(図10の下側の2つ)は、フック係止部45Aの延出部453Aが前方に延びている。計4つのフック係止部45Aのうちの後側の2つ(図10の上側の2つ)は、フック係止部45Aの延出部453が後方に延びている。
【0068】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。
例えば、上述の実施形態においては、フック26は、ウェーハハンドリングトレイ1の本体部10の表面20に設けられ、フック係止部45は、ウェーハハンドリングトレイ1の本体部10の裏面40に設けられていたが、これに限定されない。フックは、ウェーハハンドリングトレイの本体部の裏面に設けられ、フック係止部は、ウェーハハンドリングトレイの本体部の表面に設けられてもよい。
【0069】
また、ウェーハハンドリングトレイの各部の形状や各部の数は、上述の実施形態の形状に限定されない。例えば、結合部、位置方向決め部、係合部、第1位置規制係合部、第2位置規制係合部の構成は、上述の実施形態の構成に限定されない。
また、本体部10及びシール部材442は、導電粒子を含有する導電樹脂により構成されていたが、これに限定されない。例えば、導電樹脂成分を含有する導電樹脂により構成されていてもよい。さらに、本体部10は、樹脂に限定されず、金属やセラミック等でもよく、このような材質の場合フック26、フック係止部45として弾性変形が不十分な場合には、これらの部分だけ別途、弾性材料で作製することもできる。
また、フィルムFは、UV硬化フィルムにより構成されていたが、これに限定されない。半導体ウェーハWを貼り付けることができる薄膜であればよい。
【符号の説明】
【0070】
1 ウェーハハンドリングトレイ
10 本体部
20 表面
40 裏面
2 ダイシングフレーム(薄膜フレーム)
26 フック(結合部)
45 フック係止部(結合部)
24、25 突起(位置方向決め部)
44 シール部
442 シール部材
111 一対の第1対向面(係合部、第1位置規制係合部)
112、122 一対の第2対向面(係合部、第2位置規制係合部)
F フィルム(薄膜)
W 半導体ウェーハ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12