(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955413
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】絶縁グレージングユニット用のスペーサ
(51)【国際特許分類】
C03C 27/06 20060101AFI20160707BHJP
E06B 3/66 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
C03C27/06 101Z
E06B3/66 Z
【請求項の数】16
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-551557(P2014-551557)
(86)(22)【出願日】2012年12月20日
(65)【公表番号】特表2015-509900(P2015-509900A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】EP2012076341
(87)【国際公開番号】WO2013104507
(87)【国際公開日】20130718
【審査請求日】2014年9月9日
(31)【優先権主張番号】12151116.6
(32)【優先日】2012年1月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512212885
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
【氏名又は名称原語表記】Saint−Gobain Glass France
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター シュライバー
【審査官】
増山 淳子
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05962090(US,A)
【文献】
特開平09−175843(JP,A)
【文献】
米国特許第05007217(US,A)
【文献】
特開2000−017958(JP,A)
【文献】
特表平04−504555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/06
E06B 3/66
B32B 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複層絶縁グレージングユニット用のスペーサであって、少なくとも、
a)ガラス繊維強化されたポリマーのベースボディ(1)であって、該ベースボディ(1)は、互いに平行に延在する2つの板接触面(1a,1b)と、1つの接着面(1c)と、1つのグレージング内室面(1d)と、を有し、前記板接触面(1a,1b)及び前記接着面(1c)は、直接に又は接合面(1e)を介して互いに接合されている、ベースボディ(1)と、
b)前記接着面(1c)に又は前記接着面(1c)及び前記接合面(1e)に設けられた絶縁フィルム(2)であって、該絶縁フィルム(2)は、10μm〜100μmの厚さの少なくとも1つのポリマーのフィルム(2a)と、5μm〜80μmの厚さの少なくとも1つのポリマーの層(2b)と、少なくとも1つの、10nm〜1500nmの厚さを有する金属の層(2c)又は10nm〜1500nmの厚さを有するセラミックの層(2d)と、を有する、絶縁フィルム(2)と、
から成る複合体(7)を備え、
前記絶縁フィルム(2)は、少なくとも2つの、前記金属の層(2c)及び/又は前記セラミックの層(2d)を備え、前記金属の層(2c)及び/又は前記セラミックの層(2d)は、少なくとも1つの前記ポリマーの層(2b)と交互に配置されていることを特徴とする、複層絶縁グレージングユニット用のスペーサ。
【請求項2】
前記ポリマーのフィルム(2a)及び前記ポリマーの層(2b)は、同一材料から成る、請求項1記載のスペーサ。
【請求項3】
前記複合体(7)は、0.05W/mKより小さなPSI値を有する、請求項1又は2記載のスペーサ。
【請求項4】
前記ポリマーのフィルム(2a)及び/又は前記ポリマーの層(2b)は、ポリエチレンテレフタラート、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、アクリロニトリル、ポリアクリル酸メチル及び/又はそのコポリマー又は混合物を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項5】
前記金属の層(2c)は、鉄、アルミニウム、銀、銅、金、クロム及び/又はその合金又は混合物を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項6】
前記金属の層(2c)は、10nm〜400nmの厚さを有する、請求項1から5までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項7】
前記セラミックの層(2d)は、酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素又はその混合物を含む、請求項1から6までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項8】
前記ポリマーの層(2b)は、10μm〜80μmの厚さを有する、請求項1から7までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項9】
前記絶縁フィルム(2)は、1つ〜4つの、前記金属の層(2c)又は前記セラミックの層(2d)を備える、請求項1から8までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項10】
前記絶縁フィルム(2)は、1つ〜4つの前記ポリマーの層(2b)を備える、請求項1から9までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項11】
前記ベースボディ(1)は、前記接着面(1c)及び前記グレージング内室面(1d)に沿って、5.5mm〜8mmの長さ又は幅を有する、請求項1から10までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項12】
前記ベースボディ(1)は、前記板接触面(1a,1b)に沿って、5mm〜30mmの長さを有する、請求項1から11までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項13】
前記ベースボディ(1)は、乾燥剤として、シリカゲル、分子篩、CaCl2、Na2SO4、活性炭、ケイ酸塩、ベントナイト、ゼオライト及び/又はその混合物を含む、請求項1から12までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項14】
前記ベースボディ(1)は、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフラレート(PET)、ポリブチレンテレフラレート(PBT)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン/ポリカーボネート(ABS/PC)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、PET/PC、PBT/PC及び/又はそのコポリマー又は混合物を含む、請求項1から13までのいずれか1項記載のスペーサ。
【請求項15】
少なくとも2枚の板(5a,5b)と、該板を囲繞する請求項1から14までのいずれか1項記載の1つのスペーサと、外側の1つの絶縁層(4)とを備える、絶縁グレージングユニット。
【請求項16】
複層絶縁グレージングユニットにおける請求項1から14までのいずれか1項記載のスペーサの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁グレージングユニット用のスペーサ、絶縁グレージングユニット及びスペーサの使用に関する。
【0002】
ガラスの熱伝導率は、コンクリート又は同様の建築材料よりもほぼ係数2〜3低い。しかしパネルもしくは板(ガラス板)は、大抵、石材又はコンクリートから成る比較可能な要素よりも極めて薄く設計されているので、建築物は、多くの場合外側グレージングを介して大部分の熱を失う。この効果は、部分的な又は完全なガラスファサードを備える高層建築物の場合に特に顕著である。暖房及び空調に必要な超過出費は、建築物の維持費の軽視できない部分を占める。更に、ますます厳格化されている建築規則の結果として二酸化炭素放出の低下が要求される。そのための重要な解決の手がかりは、絶縁グレージングユニットにある。絶縁グレージングユニットは、とりわけ常に急増している原材料費及びより厳格化されている環境保護義務の結果、もはや建築物の建造から切り離して考慮することはできない。従って、絶縁グレージングユニットは、ますます、外に向けられたグレージングユニットの大部分を占める。絶縁グレージングユニットは、通常、ガラス又はポリマーの材料から成る2枚の板を備える。パネルは、スペーサ(間隔保持体)により設定されるガス室又は真空室を介して互いに分けられている。絶縁ガラスの断熱能力は、単板ガラスよりも極めて高く、3重のグレージングユニットで、又は特別な被覆を有すると、更に増加し、改善することができる。そうして例えば銀を含む被覆が、赤外線透過の減少を可能にし、そうして夏季の建築物の加温を低減する。重要な熱絶縁の特性の他に、建築物用グレージングユニットの領域で、視覚的及び美的特徴もますます重要となっている。
【0003】
特に大面積のガラス外側ファサードを備える建築物では、絶縁効果は、費用的な理由からだけでなく、他にも重要な役割を担う。極めて薄いガラスの断熱性は、通常、組積造よりも劣るので、この領域で改善が必要である。
【0004】
ガラスの性質及び構造の他に、絶縁グレージングユニットの別の要素も重要である。シール及び特にスペーサは、絶縁グレージングユニットの品質に対する大きな影響を有する。
【0005】
スペーサの内側の漏れが、容易に、絶縁グレージングの間の内部ガスの損失を招いてしまう恐れがある。より不良の遮断効果の他に、更に、容易に、絶縁グレージングユニットにおいて湿気の侵入が生じてしまう恐れがある。従って、絶縁グレージングユニットの板の間で、湿気により形成された沈降物が、視覚的な品質を著しく不良化し、多くの場合、絶縁グレージングユニット全体の交換を必要にする。
【0006】
シール性を改善するために考えられる試み及びこれに伴う熱伝導率の低減は、スペーサに対するバリヤ箔の取付けにある。この箔は、通常、スペーサにおける外側シール領域に取り付けられる。慣用の箔材料は、アルミニウム又は特殊鋼を含む。これらの材料は、良好なガス密性を有する。金属表面は、同時にスペーサとシール材料との良好な接着を保証する。
【0007】
独国特許出願公開第4024697号明細書には、少なくとも2枚のガラス板と1つの成形スペーサとを備える水密の複層絶縁ガラスが開示されている。シールは、スペーサに設けられたポリ塩化ビニリデンフィルム又は被覆を介して行われる。追加的に、ポリ塩化ビニリデン含有溶液により縁接着を行うことができる。
【0008】
欧州特許出願公開第0852280号明細書には、複層絶縁グレージングユニットが開示されている。スペーサは、金属箔を接着面に有し、ガラス繊維部分をベースボディのプラスチックに有する。
【0009】
独国特許出願公開第19625845号明細書には、熱可塑性オレフィンから成るスペーサを有する絶縁ガラスユニットが開示されている。スペーサは、1(g mm)/(mm
2 d)より小さな水蒸気透過率並びに高い引張り強さ及びショア硬さを有する。更に、スペーサは、水蒸気バリヤとしてガス密のフィルムを有する。
【0010】
欧州特許出願公開第0261923号明細書には、乾燥剤が混入された透湿性のフォームから成るスペーサを有する複層絶縁グレージングユニットが開示されている。このユニットは、好適には、外側のシールと、ガス及び湿気に対して密なフィルムとによりシールされる。フィルムは、金属被覆されたPET及びポリ塩化ビニリデンコポリマーを含有してよい。
【0011】
従って、本発明の課題は、簡単な取付けと同時に改善された長期安定的な絶縁効果を可能にする、絶縁グレージングユニット用のスペーサを提供することである。
【0012】
本発明によれば、本発明のこの課題は、独立請求項1に記載のスペーサにより解決される。好適な態様は、従属請求項から判る。
【0013】
本発明に係る絶縁グレージングユニット及び本発明に係るスペーサの使用は、別の独立請求項から判る。
【0014】
本発明に係る、複層絶縁グレージングユニット用のスペーサは、ガラス繊維強化されたポリマーのベースボディとポリマーの絶縁フィルムとから成る少なくとも1つの複合体を備える。ベースボディにおけるガラス繊維含有率の選択により、ベースボディの熱膨張係数を変化させ、適合させることができる。ベースボディ及びポリマーの絶縁フィルムの熱膨張係数の適合により、異なる材料の間の温度に起因する負荷及び絶縁フィルムの剥離を回避することができる。ベースボディは、好適には20%〜50%、特に好適には30%〜40%のガラス繊維含有率を有する。ベースボディにおけるこのガラス繊維含有率は、強度と安定性とを同時に改善する。ベースボディは、互いに平行に延在する2つの板接触面と、1つの接着面と、1つのグレージング内室面とを備える。第1の板接触面及び第2の板接触面、並びに接着面は、直接に又は択一的に接合面を介して互いに接合されている。好適には2つの接合面は、板接触面に対して好適には30°〜60°の角度を有する。接着面に又は択一的に接着面及び接合面に絶縁フィルムが設けられている。絶縁フィルムは、少なくとも1つのポリマーのフィルムを備える。ポリマーのフィルムには、10μm〜100μmの厚さの少なくとも1つの別のポリマーの層並びに10nm〜1500nmの厚さを有する少なくとも1つの金属又はセラミックの層が被着されている。
【0015】
好適な態様では、ポリマーの層は、5μm〜80μmの厚さを有する。別の好適な態様では、ポリマーの層の厚さは、10μm〜80μmである。
【0016】
特に好適な態様では、ポリマーのフィルム及びポリマーの層は、同一材料から成る。そのことは、あまり多様でない材料の使用が生産プロセスを簡単化するので、特に好適である。この場合、ポリマーのフィルム及びポリマーの層は、好適には同一の材料厚さで用いられるので、同一の素材を絶縁フィルムの全てのポリマーの要素に対して使用することができる。
【0017】
絶縁フィルムは、好適には少なくとも2つの、金属の層及び/又はセラミックの層を備え、金属の層及び/又はセラミックの層は、少なくとも1つのポリマーの層と交互に配置されている。例えば絶縁フィルムは、金属の層が載設しているポリマーのフィルムと、その上に取り付けられたポリマーの層と、第2の金属の層とから成ってよい。但し好適には、外側に位置する層は、ポリマーを含有し、ポリマーのフィルム及び/又はポリマーの層から形成されている。絶縁フィルムの内側に、セラミックの層及び金属の層を使用してもよい。絶縁フィルムの交互に位置する要素は、先行技術に基づいて公知の様々な方法で接合する、もしくは互いに被着してよい。金属又はセラミックの層の析出は、専門家には十分に知られている。個々の要素の接合は、接着剤を介して行ってよい。交互に位置する一連の層を有する絶縁フィルムの使用は、システムのシール性に関して特に好適である。この場合、層のうちの1つにおける欠陥が絶縁フィルムの機能損失をもたらすことはない。これに対して、単層の場合、既に小さな欠陥が完全な故障を招いてしまう恐れがある。更に、複数のより薄い層の被着は、1つの厚い層に対して、層厚さが増加するにつれ内部付着問題の恐れが高まるので、好適である。更に、より厚い層は、より高い伝導率を有するので、この種のフィルムは、熱力学的にあまり適していない。
【0018】
絶縁フィルムは、好適には0.001g/(m
2h)より小さなガス透過率を有する。
【0019】
ベースボディと絶縁フィルムとから成る複合体は、好適には0.05W/mKより小さな(等しい)、特に好適には0.035W/mKより小さな(等しい)PSI値を有する。0.035W/mKの値は、複合体において、縁長さ1メートルあたりかつ温度差1ケルビンあたり、最大0.035ワット失われることを意味する。絶縁フィルムは、ベースボディに被着し、例えば接着してよい。択一的に、絶縁フィルムは、ベースボディと一緒に共押出してよい。
【0020】
ポリマーのフィルム及び/又はポリマーの層は、好適にはポリエチレンテレフタラート、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、アクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリアクリル酸メチル及び/又はそのコポリマー又は混合物を含む。
【0021】
金属の層は、好適には鉄、アルミニウム、銀、銅、金、クロム及び/又はその合金又は混合物を含む。金属の層は、10nm〜400nm、好適には10nm〜300nm、特に好適には10nm〜200nmの厚さを有する。択一的な態様では、金属の層は、30nm〜400nmの厚さを有する。記載の層厚さの範囲内で絶縁フィルムの特に良好なシール性を認めることができた。
【0022】
金属の層は、好適には蒸着により絶縁フィルムに被着される。
【0023】
セラミックの層は、好適には酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素を含む。セラミックの層は、好適には10nm〜200nmの厚さを有する。
【0024】
ポリマーの層は、5μm〜80μm、特に好適には10μm〜80μmの厚さを有する。
【0025】
ポリマーのフィルムは、1つ〜4つの金属又はセラミックの層を備える。ポリマーのフィルムは、1つ〜4つのポリマーの層を備える。
【0026】
ポリマーのフィルムは、交互に金属/ポリマーの順序で好適には2つの金属又はセラミックの層と2つのポリマーの層とを備える。ポリマーのフィルムは、交互に金属/ポリマーの順序で特に好適には3つ金属の層と3つのポリマーの層とを備える。
【0027】
ベースボディは、好適には、グレージング内室面に沿って、5.5mm〜8mmの長さ又は幅を有する。正確な直径は、絶縁グレージングユニットの寸法及び所望の中間室サイズに応じて設定される。
【0028】
ベースボディは、好適には、板接触面に沿って、5mm〜30mmの長さ又は高さを有する。
【0029】
ベースボディは、好適には乾燥剤、好適にはシリカゲル、分子篩、CaCl
2、Na
2SO
4、活性炭、ケイ酸塩、ベントナイト、ゼオライト及び/又はその混合物を含む。乾燥剤は、好適には、ベースボディの多孔質部分に混入されている。乾燥剤は、好適には、ベースボディと共に共押出される。グレージング内室面は、好適には複数の開口を有し、開口は、ベースボディに混入された乾燥剤による湿気の吸収を可能にする。
【0030】
ベースボディは、好適にはポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフラレート(PET)、ポリブチレンテレフラレート(PBT)、好適にはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン/ポリカーボネート(ABS/PC)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、PET/PC、PBT/PC及び/又はそのコポリマー又は混合物を含む。
【0031】
本発明には、更に、少なくとも2枚の板と、板を囲繞する本発明に係る1つのスペーサとを備える絶縁グレージングユニットが含まれる。外側の絶縁体、好適には可塑性のシール材料は、板と本発明に係るスペーサとの間の縁空間に位置する。外側の絶縁体は、好適にはポリマー又はシラン変性ポリマー、特に好適には有機多硫化物、シリコーン、RTV(室温硬化型)シリコーンゴム、HTV(熱硬化型)シリコーンゴム、過酸化物硬化型シリコーンゴム及び/又は付加硬化型シリコーンゴム、ポリウレタン、ブチルゴム及び/又はポリアクリレートを含む。板は、ガラス及び/又は透明のポリマーのような材料を含む。板は、好適には85%を上回る光透過率を有する。原則的に、板の様々な幾何学形状、例えば矩形、台形及び丸み付けられた幾何学形状が可能である。板は、好適には、断熱被覆を有する。断熱被覆は、好適には銀を含む。省エネルギー性を発揮できるようにするために、絶縁グレージングユニットには、希ガス、好適にはアルゴン又はクリプトンを充填してよい。アルゴン又はクリプトンは、絶縁グレージング中間室における熱伝導値を低減する。
【0032】
本発明には、更に、複層グレージングユニット、好適には絶縁グレージングユニットにおける本発明に係るスペーサの使用が含まれる。
【0033】
以下に、図面に基づいて本発明を詳説する。図面は、単なる概略図であり、縮尺通りではない。図面は、本発明を全く制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】本発明に係る絶縁グレージングユニットの横断面図である。
【
図3】本発明による絶縁フィルムの横断面図である。
【0035】
図1には、本発明に係るスペーサ(I)の横断面が示されている。ガラス繊維強化されたポリマーのベースボディ(1)は、互いに平行に延在する2つの板接触面(1a,1b)を備える。板接触面(1a,1b)は、絶縁グレージングユニットの板(ガラス板)に対する接触を形成する。これらの板接触面(1a,1b)は、外側の接着面(1c)とグレージング内室面(1d)とを介して結合されている。接着面(1c)と板接触面(1a,1b)との間には、好適には2つの角度付けされた接合面(1e,1e’)が配置されている。接合面(1e,1e’)は、好適には、接着面(1c)に対して30°〜60°の角度αを成して延在している。ガラス繊維強化されたポリマーのベースボディ(1)は、好適にはスチレンアクリロニトリル(SAN)と約30質量%〜40質量%のガラス繊維とを含む。第1の接合面(1e)及び第2の接合面(1e’)の角度付けされた形状は、ガラス繊維強化されたポリマーのベースボディ(1)の安定性を改善し、
図2に示されているように、本発明に係るスペーサ(I)の改善された接着及び絶縁を可能にする。接着面(1c)には、絶縁フィルム(2)が被着されている。絶縁フィルム(2)は、
図3に示された少なくとも1つの、ポリマーのフィルム(2a)、ポリマーの層(2b)並びに金属の層(2c)又はセラミックの層(2d)を備える。ポリマーのベースボディ(1)及び絶縁フィルム(2)は、相俟って複合体(7)を形成する。本発明に係るスペーサ(I)全体は、10W/mKより小さな熱伝導率及び0.001g/m
2hより小さなガス透過率を有する。本発明による複合体(7)自体は、0.035W/mKより小さなPSI値(熱橋値)を有する。本発明に係るスペーサは、絶縁効果を改善する。
【0036】
図2には、本発明に係る絶縁グレージングユニット(II)の横断面が示されている。第1の絶縁ガラス板(5a)と第2の絶縁ガラス板(5b)との間に、表面上に絶縁フィルム(2)が取り付けられた、ガラス繊維強化されたポリマーのベースボディ(1)が配置されている。絶縁フィルム(2)は、接着面(1c)にも第1の接合面(1e)及び第2の接合面(1e’)にも配置されている。絶縁フィルム(2)は、外側の絶縁層(4)と相俟って、板内室(6)を絶縁し、ガラス繊維強化されたポリマーのベースボディ(1)から板内室(6)への熱伝導を低減する。絶縁フィルムは、例えばPURホットメルト接着剤を用いてポリマーのベースボディ(1)に取り付けることができる。板接触面(1a,1b)と絶縁ガラス板(5a,5b)との間に、好適には、図示していない絶縁接着層が配置されている。この絶縁接着層は、好適にはポリマー又はシラン変性ポリマー、特に好適には有機多硫化物、シリコーン、RTV(室温硬化型)シリコーンゴム、HTV(熱硬化型)シリコーンゴム、過酸化物硬化型シリコーンゴム及び/又は付加硬化型シリコーンゴム、ポリウレタン、ブチルゴム及び/又はポリアクリレートを含む。第1の絶縁ガラス板(5a)及び第2の絶縁ガラス板(5b)は、好適には同一の寸法及び厚さを有する。板は、好適には85%より大きな光透過率を有する。絶縁ガラス板(5a,5b)は、好適にはガラス及び/又はポリマー、好適には板ガラス(フラットガラス)、フロートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、ポリメタクリル酸メチル樹脂及び/又はその混合物を含む。択一的な態様では、第1の絶縁ガラス板(5a)及び/又は第2の絶縁ガラス板(5b)は、複合ガラス板として構成してよい。本発明に係る絶縁グレージングユニット(II)は、この場合、3重又は4重のグレージングを形成する。ガラス繊維強化されたポリマーのベースボディ(1)の内側に、乾燥剤(3)が混入されている。乾燥剤(3)は、中央の中空室の内側又はガラス繊維強化されたポリマーのベースボディ(1)自体に混入されてよい。グレージング内室面(1d)は、好適にはより小さな複数の開口又は孔を有する。開口又は孔は、板内室(6)とのガス交換を可能にする。
【0037】
図3には、本発明による絶縁フィルム(2)の横断面が示されている。絶縁フィルム(2)は、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)から成る1つのポリマーのフィルム(2a)(φ12μm)と、PETから成る3つのポリマーの層(2b)(φ12μm)と、アルミニウムから成る3つの金属の層(2c)(φ50nm)とを備える。金属の層(2c)及びポリマーの層(2b)は、それぞれ交互にポリマーのフィルム(2a)上に被着されている。金属の層(2c)及びポリマーの層(2b)は、それぞれ異なる層厚さを有してもよい。本発明による絶縁フィルム(2)の構造は、従来の金属箔又はプラスチックフィルムに対して絶縁フィルムの熱伝導率を低下させる。記載の本発明による絶縁フィルム(2)とガラス繊維強化されたポリマーのベースボディ(1)とを備える複合体(7)は、10W/mKよりも小さな熱的な熱伝導率を有する。本発明に係るスペーサ(I)のこのように低い熱伝導率は、絶縁グレージングユニットの効率を大幅に高める。
【符号の説明】
【0038】
(1) ガラス繊維強化されたポリマーのベースボディ
(1a) (第1の)板接触面
(1b) (第2の)板接触面
(1c) 接着面
(1d) グレージング内室面
(1e) (第1の)接合面
(1e’) (第2の)接合面
(2) 絶縁フィルム
(2a) ポリマーのフィルム
(2b) ポリマーの層
(2c) 金属の層
(2d) セラミックの層
(3) 乾燥剤
(4) 外側の絶縁層
(5a) 第1の板
(5b) 第2の板
(6) 絶縁グレージングユニットの内室
(7) (1)と(2)とから成る複合体
(I) 本発明に係るスペーサ
(II) 本発明に係る絶縁グレージングユニット