特許第5955430号(P5955430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5955430電動グリッパシステムおよびその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5955430
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】電動グリッパシステムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/00 20060101AFI20160707BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   B25J13/00 Z
   B25J15/08 C
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-60390(P2015-60390)
(22)【出願日】2015年3月24日
【審査請求日】2015年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】596016557
【氏名又は名称】上銀科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100117396
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 大
(72)【発明者】
【氏名】陳 惟▲紹▼
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 楷翔
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼ 義翔
【審査官】 中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−183590(JP,A)
【文献】 特開昭51−121678(JP,A)
【文献】 特開昭57−071018(JP,A)
【文献】 特開昭62−120990(JP,A)
【文献】 特開平04−235610(JP,A)
【文献】 特開昭58−195211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業対象物を把持するグリッパ機構を制御し、かつモーター、センサーおよびコントローラーを備え、
前記モーターは、前記グリッパ機構を駆動し、
前記センサーは、前記モーターに配置され、前記グリッパ機構の位置に基づいて現在位置を発信し、
前記コントローラーは、制御エリア、送受信エリア、保存・読取エリアおよび駆動エリアを有し、
前記制御エリアは、前記送受信エリア、前記保存・読取エリア、前記駆動エリアおよび前記センサーに接続され、
前記送受信エリアは、相対的な位置指令値を発し、
前記保存・読取エリアは、前記送受信エリアから相対的な位置指令値を受信する毎に漸進的絶対位置を更新しながら保存し、
前記制御エリアは、前記相対的な位置指令値と、前記漸進的絶対位置と、前記現在位置とを前記送受信エリアから相対的な位置指令値を受信する毎に読み取り、かつ前記相対的な位置指令値および前記漸進的絶対位置に基づいて目標位置を指示し、かつ前記現在位置と前記目標位置との間の距離差および前記モーターの回転速度に基づいて駆動データを発し、
前記駆動エリアは、前記駆動データを読み取り、前記モーターを駆動することによって前記グリッパ機構を稼動させることを特徴とする電動グリッパシステム。
【請求項2】
下記のステップを含み、
ステップa)は、前記制御エリアにおいて前記送受信エリアからの前記相対的な位置指令値を受信し、前記保存・読取エリアから前記漸進的絶対位置を読み取り、続いて前記相対的な位置指令値と、前記漸進的絶対位置とに基づいて前記目標位置を指示し、
ステップb)は、前記制御エリアにおいて前記センサーからの前記現在位置を受信し、前記現在位置と前記目標位置との間の距離を計算し、続いて前記現在位置と前記目標位置との間の距離および前記モーターの回転速度に基づいて前記駆動データを発し、
ステップc)は、前記駆動エリアにおいて前記駆動データを受信し、前記駆動データに基づいて前記モーターを駆動し、前記グリッパ機構を前記目標位置に移動させ、
ステップd)は、前記制御エリアにおいて前記グリッパ機構が位置決め範囲内にあるか否かを判断し、前記グリッパ機構が位置決め範囲内にあれば前記グリッパ機構定位作業が完了し、前記グリッパ機構が位置決め範囲外にあれば前記ステップb)に戻ることを特徴とする請求項1に記載の電動グリッパシステムの制御方法。
【請求項3】
前記ステップd)において、前記制御エリアでは、前記グリッパ機構が位置決め範囲外にあることが判明すると、前記漸進的絶対位置を更新し、前記漸進的絶対位置を更新する過程において、前記グリッパ機構が絶対位置を維持しながら移動する稼動形態、前記グリッパ機構が前記工作対象物を把持して移動する稼動形態および前記グリッパ機構に異常が発生した状態またはそのうちのいずれか一つが判明すると、前記グリッパ機構の前記現在位置を前記保存・読取エリアに保存し、前記保存・読取エリアに保存された既存の前記漸進的絶対位置に前記現在位置を上書きし、前記漸進的絶対位置を前記グリッパ機構の前記現在位置に更新することを特徴とする請求項2に記載の電動グリッパシステムの制御方法。
【請求項4】
前記漸進的絶対位置を更新する際、まず前記グリッパ機構が前記絶対位置を維持しながら移動する稼動形態であるか否かを判断し、そうではないことが判明すると、続いて前記グリッパ機構が前記工作対象物を把持して移動する稼動形態であるか否かを判断し、そうではないことが判明すると、続いて前記グリッパ機構に異常が発生したか否かを判断し、そうではないことが判明すると、前記漸進的絶対位置の更新を終了させることを特徴とする請求項3に記載の電動グリッパシステムの制御方法。
【請求項5】
前記ステップa)において、前記制御エリアでは、前記相対的な位置指令値および前記漸進的絶対位置を受信すると、前記保存・読取エリアに保存された既存の前記漸進的絶対位置に、前記相対的な位置指令値と前記漸進的絶対位置の総和を上書きし、前記漸進的絶対位置を、前記相対的な位置指令値と前記漸進的絶対位置の総和に更新することを特徴とする請求項2に記載の電動グリッパシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動グリッパに適用でき、かつグリッパ機構定位作業の精度を向上させる電動グリッパシステムおよびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動化工業において、作業対象物を把持して組み立てを進める際、電動グリッパを使用することが一般的に普及している。電動グリッパが移動するたびに位置誤差が生じるため、所定の目標位置まで正確に行き着くことができない。電動グリッパを持続的に移動させれば位置誤差が累積するとともに、実際に行き着いた位置と行き着きたい目標位置との誤差が漸大するだけでなく、作業対象物を把持する際に偏倚が起こり、把持された作業対象物が組立中の作業対象物に衝突することが連続する。
【0003】
特許文献1は、電動グリッパの移動に伴って生じた位置誤差を補償する技術を提示した。従来の技術はステッピングモーターを駆動する制御指令を発する第一軸と、正確な位置に照準を合わせる第二軸とを備える。第二軸はフィードバックされたモーターの位置に基づいて速度曲線に補償値を生じ、続いて速度曲線の補償値と第一軸の発した制御指令に演算を行い、ハイブリッド型ステッピングモーターに対する指令値を発することによってステッピングモーターの位置誤差を補償する。
【0004】
従来の技術は、ステッピングモーターが稼動するたびにステッピングモーターの現在位置がフィードバックされることによって一回ずつステッピングモーターを移動させる際の精度を向上させることができる。それにかかわらず、ステッピングモーターが稼動するたびに僅かの位置誤差が発生することを免れることができない場合、従来の技術はフィードバッグされたモーターの位置に基づいて速度曲線に補償値を生じることができるが、累積した誤差を補償することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許US7863851号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電動グリッパを相対的に移動させる際に誤差が累積することを解消し、電動グリッパを目標位置まで移動させる精度を向上させることができる電動グリッパシステムおよびその制御方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明による電動グリッパシステムは、作業対象物を把持するグリッパ機構を制御し、モーター、センサーおよびコントローラーを備える。モーターは作業対象物を把持するグリッパ機構を駆動する。センサーはモーターに配置され、グリッパ機構の位置に基づいて現在位置を発信する。
【0008】
コントローラーは、制御エリア、送受信エリア、保存・読取エリアおよび駆動エリアを有する。送受信エリアは相対的な位置指令値を発し、グリッパ機構を相対的位置に維持しながら移動させる。保存・読取エリアは漸進的絶対位置を保存する。制御エリアは送受信エリアからの相対的な位置指令値と、保存・読取エリアからの漸進的絶対位置とを受信し、続いて相対的な位置指令値および漸進的絶対位置に基づいて目標位置を指示する。制御エリアは現在位置と目標位置との間の距離差およびモーターの回転速度に基づいて駆動データを発する。駆動エリアは駆動データを読み取り、モーターを駆動することによってグリッパ機構を稼動させる。駆動エリアは駆動データに基づいてモーターを適宜な回転速度で回転させ、相対的な位置指令値に基づいてグリッパ機構を目標位置に移動させることによってグリッパ機構の移動に伴って生じた位置誤差を解消する。
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明による電動グリッパシステムの制御方法は次のステップを含む。ステップa)は、制御エリアにおいて送受信エリアからの相対的な位置指令値を受信し、保存・読取エリアから漸進的絶対位置を読み取り、続いて相対的な位置指令値および漸進的絶対位置に基づいて目標位置を指示する。ステップb)は、制御エリアにおいてセンサーからの現在位置信号を受信し、現在位置と目標位置との間の距離を計算し、続いて現在位置と目標位置との間の距離およびモーターの回転速度に基づいて駆動データを発する。ステップc)は、駆動エリアにおいて駆動データを受信し、駆動データに基づいてモーターを駆動し、グリッパ機構を目標位置に移動させる。ステップd)は制御エリアにおいてグリッパ機構が位置決め範囲内にあるか否かを判断する。グリッパ機構が位置決め範囲内にあればグリッパ機構定位作業が完了する。グリッパ機構が位置決め範囲外にあればステップb)に戻る。
【0010】
相対的な位置指令値、漸進的絶対位置および現在位置を計算し、駆動データに基づいてモーターを適宜な回転速度で回転させ、グリッパ機構を目標位置に移動させることによってグリッパ機構の生じた位置誤差を補償し、グリッパ機構定位作業の精度を向上させる。
【0011】
本発明による電動グリッパシステムおよびその制御方法についての詳細な内容および特徴は以下の実施形態の詳細な説明を通して明確にされる。また、以下の詳細な説明および本発明により提示された実施形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を限定できないことは、本発明にかかわる領域において常識がある人ならば理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による電動グリッパシステムを示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態による電動グリッパシステムにおいてセンサーとモーターが結合した状態を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による電動グリッパシステムの制御方法のプロセスを示す模式図である。
図4図3に示した漸進的絶対位置を更新するステップを示す模式図である。
図5】本発明の一実施形態による電動グリッパシステムにおいてグリッパ機構を絶対位置に維持しながら移動させる状態を示す模式図である。
図6】本発明の一実施形態による電動グリッパシステムによって駆動されたグリッパ機構が作業対象物を把持する状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による電動グリッパシステムおよびその制御方法を図面に基づいて説明する。
【0014】
(一実施形態)
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態による電動グリッパシステムは、グリッパ機構100を駆動し、移動させ、モーター10、センサー20およびコントローラー30を備える。モーター10はグリッパ機構100を駆動し、移動させる。
【0015】
図1に示すように、センサー20はモーター10に配置され、グリッパ機構100の位置に基づいてグリッパ機構100の現在位置を発信する。
【0016】
コントローラー30は、送受信エリア32、保存・読取エリア34、制御エリア36および駆動エリア38を有する。制御エリア36は送受信エリア32、保存・読取エリア34、駆動エリア38およびセンサー20に接続される。送受信エリア32は相対的な位置指令値を発する。保存・読取エリア34は漸進的絶対位置を保存する。相対的な位置指令値はモーター10の駆動力によってグリッパ機構100を相対的な位置に維持しながら移動させることを表示する。
【0017】
制御エリア36は、相対的な位置指令値、漸進的絶対位置および現在位置を読み取り、かつ相対的な位置指令値および漸進的絶対位置に基づいて目標位置を指示する。制御エリア36は現在位置と目標位置との間の距離およびモーター10の回転速度(減速または加速)を計算し、駆動データを発する。駆動データは速度曲線を表示する。
【0018】
駆動エリア38は、速度曲線を読み取り、加速曲線を電気信号(即ち電流または電圧)に転換し、モーター10の駆動力によってグリッパ機構100を移動させる。
【0019】
以上は、本発明の一実施形態による電動グリッパシステムを図2および図3に基づいて説明した内容である。続いて、電動グリッパシステムの制御方法について説明を進める。電動グリッパシステムの制御方法は次のステップを含む。
【0020】
まず、ステップS10は、制御エリア36において送受信エリア32からの相対的な位置指令値を受信する。続いて、ステップS12は制御エリア36において保存・読取エリア34から漸進的絶対位置を読み取る。続いてステップS13は制御エリア36において相対的な位置指令値と漸進的絶対位置を足し算し、目標位置を求める。漸進的絶対位置はグリッパ機構100の最も好ましい状態になる現在位置を表示する。漸進的絶対位置の初期状態はプリセット値である。相対的な位置指令値はグリッパ機構100を移動させる距離を表示する。
【0021】
ステップ20は、絶対位置を更新する。つまり保存・読取エリア34に保存された既存の漸進的絶対位置に相対的な位置指令値を加えることによって、保存・読取エリア34に保存された既存の漸進的絶対位置に上書きを行う。グリッパ機構100がモーター10の駆動力によって移動した後、新たな漸進的絶対位置はグリッパ機構100の最も好ましい状態になる現在位置である。最も好ましい状態下での現在位置はグリッパ機構100が移動しても距離誤差が起こらない位置を表示する。上述したとおり、漸進的絶対位置を更新することによってグリッパ機構100の移動に伴って生じた位置誤差を解消する。
【0022】
ステップS14は、制御エリア36においてセンサー20からの現在位置信号を受信する。続いてステップS15は制御エリア36において現在位置と目標位置との間の距離差およびモーター10の回転速度を計算し、駆動データを発する。つまり、現在位置と目標位置との間の距離差を計算することによってグリッパ機構100の移動に伴って生じた位置誤差を補償し、グリッパ機構100を目標位置に正確に届ける。
【0023】
続いてステップS16は、制御エリア36において駆動エリア38に駆動データを発信し、駆動エリア38において駆動データを受信し、モーター10の駆動力によってグリッパ機構100を目標位置に移動させる。続いてステップS17は制御エリア36においてモーター10が位置決め範囲内にあるか否かを判断する。モーター10が位置決め範囲内にあると判断されると、ステップS18へ進む、即ちモーター10の定位作業が完了する。モーター10が位置決め範囲外にあると判断されると、ステップS14に戻って制御エリア36においてモーター10の現在位置を読み直し、モーター10が位置決め範囲内に達するまでステップS14を繰り返す。位置決め範囲は作業対象物の規格公差を表示する。
【0024】
上述した構造により、グリッパ機構100を稼動させる際、グリッパ機構100は絶対位置を維持しながら目標位置に移動するか、作業対象物を把持して目標位置に移動することができる。一方、グリッパ機構100は需要に応じて稼動形態を切り替える。グリッパ機構100の稼動形態を切り替えることは従来の技術であるため、詳細な説明を省略する。グリッパ機構100の稼動形態は相対的な位置を維持しながら移動する方式と、絶対位置を維持しながら移動する方式とを含む。相対的な位置を維持しながら移動する方式はグリッパ機構100を所定距離まで移動させ、目標位置に届けることである。絶対位置を維持しながら移動する方式はグリッパ機構100を目標位置に移動させることである。例えば、目標位置は3mmであり、グリッパ機構100の現在位置は1mmである。グリッパ機構100を相対的な位置に維持しながら移動させる場合、受信した移動指令は2mmまで前進することである。グリッパ機構100を絶対位置に維持しながら移動させる場合、受信した移動指令は3mmまで移動することである。
【0025】
図4に示すように、漸進的絶対位置を更新するステップは次の通りである。まずステップS32に進み、制御エリア36においてグリッパ機構100が絶対位置を維持しながら移動する稼動形態であるか否かを判断する。絶対位置を維持しながら移動する稼動形態が判明すると、ステップS33に進み、漸進的絶対位置を更新する。絶対位置を維持しながら移動する稼動形態ではないことが判明すると、ステップS34に進む。図5に示したのはグリッパ機構100を移動させる状態である。図中の矢印はグリッパ機構100の移動方向を表示する。
【0026】
ステップS34は、制御エリア36においてグリッパ機構100が作業対象物を把持しながら移動する稼動形態であるか否かを判断する。作業対象物を把持しながら移動する稼動形態が判明すると、ステップS35に進み、漸進的絶対位置を更新する。作業対象物を把持しながら移動する稼動形態ではないことが判明すると、ステップS33に進む。図6に示したのはグリッパ機構100が工作対象物200を把持しながら移動する状態である。
【0027】
ステップS35は、制御エリア36においてグリッパ機構100に異常状態が発生したことが判明すると、ステップS33に進み、漸進的絶対位置を更新する。異常が発見されなかったことが判明すると、ステップS36に進み、漸進的絶対位置の更新を終了させる。異常状態は移動中のグリッパ機構100が異物に衝突したか、稼動が持続できなくなった状態を表示する。
【0028】
漸進的絶対位置を更新するステップS33において、センサー20から検出されたグリッパ機構100の現在位置を保存・読取エリア34に保存する。保存・読取エリア34に保存された既存の漸進的絶対位置に現在位置を上書きする。つまり、漸進的絶対位置をグリッパ機構100の現在位置に更新する。
【0029】
上述したステップに基づいて漸進的絶対位置を更新すれば、移動中のグリッパ機構100に漸進的絶対位置を持続的に更新することができるだけでなく、グリッパ機構100の稼動を妨害することがない。漸進的絶対位置を持続的に更新することによってグリッパ機構100を目標位置に移動させる精度を向上させることができる。
【0030】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0031】
100:グリッパ機構、
200:作業対象物、
10:モーター、
20:センサー、
30:コントローラー、
32:送受信エリア、
34:保存・読取エリア、
36:制御エリア、
38:駆動エリア、
S10からS18、S32からS36:ステップ
【要約】
【課題】電動グリッパシステムを提供する。
【解決手段】電動グリッパシステムは、モーター、センサーおよびコントローラーを備える。モーターはグリッパ機構を駆動する。センサーはモーターに配置され、グリッパ機構の現在位置を発信する。コントローラーは、制御エリア、送受信エリア、保存・読取エリアおよび駆動エリアを有する。制御エリアは送受信エリアからの相対的な位置指令値と、保存・読取エリアからの漸進的絶対位置とに基づいて目標位置を指示し、かつ現在位置と目標位置との間の距離差およびモーターの回転速度に基づいて駆動データを発する。駆動エリアは駆動データに基づいてモーターを駆動し、グリッパ機構を稼動させる。上述したステップにより、相対的な位置指令値、漸進的絶対位置および現在位置を計算し、モーターに位置誤差が累積するという問題を解消する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6