特許第5955468号(P5955468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955468
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】含フッ素ホウ酸コンポジット粒子
(51)【国際特許分類】
   C09D 7/12 20060101AFI20160707BHJP
   C09K 3/18 20060101ALI20160707BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20160707BHJP
   C08G 77/56 20060101ALN20160707BHJP
【FI】
   C09D7/12
   C09K3/18 102
   C09K3/18 104
   C09D201/00
   !C08G77/56
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-539906(P2015-539906)
(86)(22)【出願日】2015年3月10日
(86)【国際出願番号】JP2015057022
(87)【国際公開番号】WO2015137343
(87)【国際公開日】20150917
【審査請求日】2015年8月18日
(31)【優先権主張番号】特願2014-47313(P2014-47313)
(32)【優先日】2014年3月11日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502145313
【氏名又は名称】ユニマテック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504229284
【氏名又は名称】国立大学法人弘前大学
(74)【代理人】
【識別番号】100066005
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100114351
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 和子
(72)【発明者】
【氏名】福島 剛史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝之
(72)【発明者】
【氏名】澤田 英夫
【審査官】 吉田 邦久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−063708(JP,A)
【文献】 特開2003−138213(JP,A)
【文献】 特表2014−501804(JP,A)
【文献】 特開平10−104403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 7/12
C09D 201/00
C09K 3/18
C08G 77/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH 〔I〕
(ここで、nは1〜6、aは1〜4、bは0〜2、cは1〜3の整数である)で表される含フッ素アルコールまたは含フッ素アルコールとこれに対してモル比1.0以下のアルコキシシランとの両者およびホウ酸の縮合体からなる含フッ素ホウ酸コンポジット粒子。
【請求項2】
アルコキシシランが、一般式
(R1O)pSi(OR2)q(R3)r 〔IV〕
(ここで、R1、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基であり、R2は炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基であり、ただしR1、R2、R3は共にアリール基であることはなく、p+q+rは4であり、ただしqは0ではない)で表わされるシラン誘導体である請求項1記載の含フッ素ホウ酸コンポジット粒子。
【請求項3】
含フッ素アルコール100重量部に対しホウ酸が0.1〜50重量部の割合で用いられた請求項1記載の含フッ素ホウ酸コンポジット粒子。
【請求項4】
一般式
CmF2m+1O〔CF(CF3)CF2O〕dCF(CF3)(CH2)eOH 〔Ia〕
(ここで、mは1〜3、dは0〜100、eは1〜3の整数である)で表されるヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーアルコール
または一般式
HO(CH2)fCF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕gO(CF2)hO〔CF(CF3)CF2O〕i
CF(CF3)(CH2)fOH 〔Ib〕
(ここで、fは1〜3、g+iは0〜50、hは1〜6の整数である)で表されるパーフルオロアルキレンエーテルジオール
である含フッ素アルコールまたは含フッ素アルコールとこれに対してモル比1.0以下のアルコキシシランとの両者およびホウ酸の縮合体からなる含フッ素ホウ酸コンポジット粒子。
【請求項5】
アルコキシシランが、一般式
(R1O)pSi(OR2)q(R3)r 〔IV〕
(ここで、R1、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基であり、R2は炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基であり、ただしR1、R2、R3は共にアリール基であることはなく、p+q+rは4であり、ただしqは0ではない)で表わされるシラン誘導体である請求項4記載の含フッ素ホウ酸コンポジット粒子。
【請求項6】
含フッ素アルコール100重量部に対しホウ酸が0.1〜50重量部の割合で用いられた請求項4記載の含フッ素ホウ酸コンポジット粒子。
【請求項7】
粒子径(動的光散乱法により測定)が10〜600nmである請求項1または4記載の含フッ素ホウ酸コンポジット粒子。
【請求項8】
請求項7記載の含フッ素ホウ酸コンポジット粒子を有効成分とする表面処理剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素ホウ酸コンポジット粒子に関する。さらに詳しくは、表面処理特性を改善せしめた含フッ素ホウ酸コンポジット粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
無機材料表面を各種の化合物やポリマーでコーティングすることにより、様々な表面特性を発現させることが知られている。中でも、フッ素系化合物を表面処理に使用した場合には、フッ素原子の有する特性から、撥水性だけではなく撥油性の点でも表面改質できるので、様々な基材へのコーティングに利用されている。
【0003】
特に、C8のパーフルオロアルキル基を有する表面処理剤を基質に塗布するとことで、高い撥水撥油性を示すコーティングが可能であるが、近年C7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物が、細胞株を用いた試験管内試験において、発がん因子と考えられている細胞間コミュニケーション阻害をひき起すこと、かつこの阻害は官能基ではなく、フッ素化された炭素鎖長に依存し、炭素鎖が長いもの程阻害力が高いことが報告されており、フッ素化された炭素数の長い化合物を使用したモノマーの製造が制限されるようになってきている。
【0004】
また、炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する含フッ素アルコールにあっては、ガラス、金属、石材等の無機質基材への密着性に欠けるという問題もみられる。
【0005】
特許文献1〜2には、含フッ素アルコール、アルコキシシラン(および重合性官能基含有アルコール)を縮合反応させることが記載されているが、得られたアルコキシシラン誘導体は、光酸発生剤または光塩基発生剤を添加した硬化性組成物、あるいは無機導電塗料組成物の調製に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−285111号公報
【特許文献2】特開平5−186719号公報
【特許文献3】特許第4674604号公報
【特許文献4】WO 2007/080949 A1
【特許文献5】特開2008−38015号公報
【特許文献6】米国特許第3,574,770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、環境中に放出されてもパーフルオロオクタン酸等を生成させず、しかも短鎖の化合物に分解され易いユニットを有する含フッ素アルコールを用い、無機質基材等に良好な撥水性および撥油性を付与する含フッ素ホウ酸コンポジット粒子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によって、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH 〔I〕
(ここで、nは1〜6、aは1〜4、bは0〜2、cは1〜3の整数である)で表される含フッ素アルコールとホウ酸との縮合体からなる含フッ素ホウ酸コンポジット粒子が提供される。含フッ素ホウ酸コンポジット粒子は、含フッ素アルコール〔I〕と含フッ素アルコールに対してモル比1.0以下のアルコキシシランとの両者およびホウ酸の縮合体であってもよい。
【0009】
また、本発明によって、一般式
CmF2m+1O〔CF(CF3)CF2O〕dCF(CF3)(CH2)eOH 〔Ia〕
(ここで、mは1〜3、dは0〜100、eは1〜3の整数である)で表されるヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーアルコール
または一般式
HO(CH2)fCF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕gO(CF2)hO〔CF(CF3)CF2O〕i
CF(CF3)(CH2)fOH 〔Ib〕
(ここで、fは1〜3、g+iは0〜50、hは1〜6の整数である)で表されるパーフルオロアルキレンエーテルジオール
である含フッ素アルコールとホウ酸との縮合体からなる含フッ素ホウ酸コンポジット粒子が提供される。含フッ素ホウ酸コンポジット粒子は、含フッ素アルコール〔Ia〕または〔Ib〕とこれら含フッ素アルコールに対してモル比1.0以下のアルコキシシランとの両者およびホウ酸の縮合体であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明で用いられる含フッ素アルコールは、末端パーフルオロアルキル基やポリフルオロアルキル基中のパーフルオロアルキレン鎖の炭素数が6以下のものであり、短鎖の含フッ素化合物に分解され易いユニットを有しているため、環境汚染につながらない。また、得られた含フッ素ホウ酸コンポジット粒子は、基材表面に良好な撥水撥油性、防汚機能性を示す薄膜を形成させ、この薄膜は無機質基材等に対する密着性にもすぐれている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
含フッ素アルコール〔I〕としては、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH
n:1〜6、好ましくは2〜4
a:1〜4、好ましくは1
b:0〜2、好ましくは1〜2
c:1〜3、好ましくは1
で表されるポリフルオロアルキルアルコール用いられる。
【0012】
一般式〔I〕で表されるポリフルオロアルキルアルコールは、特許文献3に記載されており、次のような一連の工程を経て合成される。
まず、一般式
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cI
で表されるポリフルオロアルキルアイオダイド、例えば
CF3(CH2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CH2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CH2CF2)(CH2CH2)2I
C3F7(CH2CF2)(CH2CH2)I
C3F7(CH2CF2)(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CH2CF2)(CH2CH2)2I
C2F5(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C2F5(CH2CF2)2(CF2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CH2CF2)2(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CH2CF2)2(CF2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CF2)2(CF2CF2)(CH2CH2)2I
をN-メチルホルムアミド HCONH(CH3)と反応させ、ポリフルオロアルキルアルコールとそのギ酸エステルとの混合物とした後、酸触媒の存在下でそれに加水分解反応させ、ポリフルオロアルキルアルコール
CnF2n+1(CH2CF2)a(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH
を形成させる。
【0013】
含フッ素アルコール〔Ia〕としては、一般式
CmF2m+1O〔CF(CF3)CF2O〕dCF(CF3)(CH2)eOH
m:1〜3、好ましくは3
d:0〜100、好ましくは1〜10
e:1〜3、好ましくは1
で表されるヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーアルコール用いられる。
【0014】
また、含フッ素アルコール〔Ib〕としては、一般式
HO(CH2)fCF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕gO(CF2)hO〔CF(CF3)CF2O〕iCF(CF3)(CH2)fOH
f:1〜3、好ましくは1
g+i:0〜50、好ましくは2〜50
h:1〜6、好ましくは2
で表されるパーフルオロアルキレンエーテルジオール用いられる。
【0015】
一般式〔Ia〕で表されるヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーアルコールにおいて、m=1、e=1の化合物は特許文献4に記載されており、次のような工程を経て合成される。
一般式 CF3O〔CF(CF3)CF2O〕nCF(CF3)COOR (R:アルキル基、n:0〜12の整数)で表される含フッ素エーテルカルボン酸アルキルエステルを、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて還元反応させる。
【0016】
さらに、一般式〔Ib〕で表されるパーフルオロアルキレンエーテルジオールにおいて、f=1は特許文献5〜6に記載されており、次のような一連の工程を経て合成される。
FOCRfCOF → H3COOCRfCOOCH3 → HOCH2RfCH2OH
Rf:-CF(CF3)〔OCF2C(CF3)〕aO(CF2)cO〔CF(CF3)CF2O〕bCF(CF3)-
【0017】
アルコキシシランが含フッ素アルコールと共に用いられる場合には、それは一般式
(R1O)pSi(OR2)q(R3)r 〔IV〕
R1、R3:H、C1〜C6のアルキル基またはアリール基
R2:C1〜C6のアルキル基またはアリール基
ただし、R1、R2、R3が共にアリール基であることはない
p+q+r:4 ただし、qは0ではない
で表され、例えばトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が用いられる。
【0018】
これらの各成分は、含フッ素アルコール100重量部に対し、ホウ酸が約0.1〜50重量部、好ましくは約10〜20重量部の割合で、またアルコキシシランが含フッ素アルコールに対して約1.0以下、好ましくは約0.05〜0.50のモル比で用いられる。ホウ酸の使用割合がこれよりも少ないと撥水撥油性が低くなり、一方これよりも多い割合で使用されると溶媒への分散性が悪くなる。また、アルコキシシランの使用割合がこれよりも多い割合で使用されると撥水撥油性が低くなる。
【0019】
得られた含フッ素ホウ酸コンポジット粒子中の含フッ素アルコール量は、約25〜98モル%、好ましくは約40〜70モル%であり、コンポジット粒子径(動的光散乱法により測定)は約10〜600nm、好ましくは約15〜350nmである。
【0020】
反応生成物である含フッ素ホウ酸コンポジット粒子は、ホウ酸粒子の水酸基に含フッ素アルコールが結合しているものと考えられ、したがってホウ酸の化学的、熱的安定性とフッ素のすぐれた撥水撥油性、防汚性などが有効に発揮されており、実際にガラス表面を含フッ素ホウ酸コンポジット粒子で処理したものは良好な撥水撥油性を示している。また、含フッ素ホウ酸コンポジット粒子の粒径およびそのバラツキも小さい値を示している。なお、含フッ素ホウ酸コンポジット粒子は、含フッ素アルコールとアルコキシシランとの両者およびホウ酸粒子の反応生成物としても形成されるが、この発明の目的を阻害しない限り他の成分の混在も許容される。
【実施例】
【0021】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0022】
実施例1
HOCH2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CH2OH〔OXF3PO〕1250mg、ホウ酸60mgおよびテトラヒドロフラン〔THF〕2mlを容量30mlの反応容器に仕込み、室温条件下で1日撹拌した。その後、溶媒を留去し、目的とする含フッ素ホウ酸コンポジット粒子1061mg(収率81%)を得た。得られた含フッ素ホウ酸コンポジット粒子について、次の各項目の測定を行った。
粒子径およびそのバラツキ:表1
25℃で固形分濃度1g/Lメタノール分散液について、動的光散乱(DLS)測定法によって測定
液滴の接触角(単位:°):表2
メタノール分散液(粒子濃度5g/L)を、ガラスプレパラートにディッピングし、室温条件下で乾燥させ、得られた薄膜表面にn-ドデカンまたは水の液滴4μlを静かに接触させ、付着した液滴の接触角を、θ/2法により接触角計(協和界面化学製Drop Master 300)で測定した。なお、水については経時的な測定が行われた。
各実施例でのガラス基材に対する接触角は、n-ドデカンおよび水に対しいずれも撥水性もしくは撥油性を示した。
【0023】
実施例2〜10
実施例1において、OXF3PO量およびホウ酸量が種々変更され、あるいはOXF3POの代りに種々の含フッ素アルコールが用いられ、またテトラエトキシシラン〔TEOS;密度0.94g/cm3〕も適宜用いられた。THF量は、実施例5〜7では4ml用いられた。
OXF3PO:HOCH2CF(CF3)OCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CH2OH
OXF14PO:HOCH2CF(CF3)〔OCF2CF(CF3)〕nOCF2CF2O〔CF(CF3)CF2O〕mCF(CF3)CH2OH
(n+m=12)
DTFAC:C4F9(CH2CF2)(CF2CF2)2(CH2CH2)OH

表1
含フッ素アルコール ホウ酸 TEOS 収量 収率 粒子径
実施例 略号 mg mM (mg) ml mM (mg) (%) (nm)
1 OXF3PO 1250 2.23 60 − − 1061 81 313.0±46.0
2 OXF3PO 1250 2.23 30 − − 1152 90 288.0±78.0
3 OXF3PO 5600 10.0 30 0.05 0.23 1011 79 266.0±30.0
4 OXF3PO 1250 2.23 60 0.10 0.45 1166 89 65.7± 8.9
5 OXF14PO 1000 0.42 6.5 − − 393 39 128.0±14.0
6 OXF14PO 1000 0.42 13 − − 365 36 262.0±59.0
7 OXF14PO 1000 0.42 26 − − 349 34 15.7± 1.0
8 DTFAC 100 0.19 12 − − 108 96 105.0±25.0
9 DTFAC 100 0.19 5.9 − − 103 97 10.8± 1.1
10 DTFAC 100 0.19 2.9 − − 99 96 313.0±78.0

表2
水 (経過時間:分)
n-ドデカン 10 15 20 25 30
実施例1 49 62 56 50 45 36 30 29
〃 2 20 67 65 62 60 59 56 56
〃 3 47 44 42 41 37 36 33 31
〃 4 40 25 21 19 17 16 15 14
〃 5 53 53 50 49 47 46 45 42
〃 6 53 55 56 53 50 48 47 44
〃 7 56 58 49 48 47 44 43 42
〃 8 38 77 74 69 63 57 57 60
〃 9 49 71 69 66 60 53 47 43
〃 10 50 100 93 93 86 80 80 80
【0024】
比較例1
コーティングされていないガラス基材について、実施例1と同様に液滴の接触角測定が行われた。
【0025】
比較例2
ホウ酸を用いてコーティングされたガラス基材について、実施例1と同様に液滴の接触角測定が行われた。
【0026】
比較例3〜参考例1〜2
実施例1の液滴の接触角測定において、含フッ素ホウ酸コンポジット粒子メタノール分散液の代わりに下記試料のメタノール分散液(5g/L)を用いてコーティングされたガラス基材が用いられた。
比較例3:ホウ酸/TEOS
比較例4:CF3(CF2)5(CH2)2OH〔FA-6
比較例5:FA-6/TEOS
参考例1:OXF3PO
参考例2:OXF14PO
ただし、比較例3では、実施例1においてOXF3POが用いられず、ホウ酸50mg(0.81ミリモル)、TEOS 0.10ml(0.45ミリモル)が用いられ、生成物の収量は130mg、収率は90%であった。また、比較例5では、実施例1においてホウ酸が用いられず、OXF3POの代わりにFA-6 1100mg(3.02ミリモル)さらにTEOS 0.10ml(0.45ミリモル)が用いられ、生成物の収量は763mg、収率は68%であった。
【0027】
以上の各比較例および参考例で得られた結果は、次の表3に示される。
表3
水 (経過時間:分)
n-ドデカン 10 15 20 25 30
比較例1 0 50 − − − − − −
〃 2 22 66 − − − − − −
〃 3 20 55 − − − − − −
〃 4 30 43 39 35 31 22 21 16
〃 5 11 36 32 28 21 17 13 7
参考例1 45 62 60 58 56 55 50 53
〃 2 58 63 54 51 49 47 45 42