(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、極めて微量の血液や尿により、癌の診断、血液分析、生化学分析等を行う技術が開発されてきている。そして、薬局の店頭や自宅等において、血液の検査を受ける被検査者自身が採血し、採取した血液を搬送容器に排出し、血液が入った搬送容器を検査機関に送付して検査を受けられるという血液検査サービスが普及しつつある。また、血液が入った搬送容器を薬局等の店頭に設置された廉価な遠心分離機で遠心分離し、遠心分離後の血液が入った搬送容器を検査機関に送るというサービスも提供されている。さらに、被検査者の同一性を担保するために血液を冷凍保存しておくというニーズもみられる。このように、体液採取器で採取された体液を、さまざまな用途で利用したいというニーズが高まっている。
【0005】
しかしながら、従来の体液採取器を用いる場合、ユーザは、複数の用途に体液を利用するためには、複数の体液採取器を用いて複数回にわたって体液を採取しなければならなかった。その結果、体液採取器に要するコストが高くなるとともに、体液を採取するための時間が長くなってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、一つの体液採取器で採取した体液を複数の用途に利用できるようにする体液採取器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の体液採取器は、体液を採取する体液採取器であって、前記体液を吸引する連通吸引路及び開放吸引路を有する吸引部と、前記吸引部が吸引した前記体液を排出するために前記連通吸引路に注入される気体を通す通気路と、前記開放吸引路における一端を開放する孔と、を有する本体部と、を有する。
【0008】
上記の体液採取器は、前記連通吸引路と前記通気路とを中継する連通中継路と、前記開放吸引路と前記孔とを中継する開放中継路と、を有する中継部をさらに有してもよい。
【0009】
前記吸引部は、前記中継部を収容する収容部を有し、前記収容部において、前記連通吸引路及び前記開放吸引路の一端が開放されていてもよい。
【0010】
前記連通中継路は、前記通気路と接する側の内径が前記連通吸引路と接する側の内径よりも大きいテーパー形状をしていてもよい。
【0011】
前記吸引部は、前記通気路に連通する複数の前記連通吸引路を有してもよい。
また、前記吸引部は、前記孔に連通する複数の前記開放吸引路を有してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様の体液採取排出方法は、体液を採取する体液採取器を用いる体液採取排出方法であって、前記体液採取器が有する連通吸引路及び開放吸引路を介して前記体液を吸引するステップと、前記開放吸引路に気体を注入せずに、前記連通吸引路に気体を注入することで、前記連通吸引路に吸引された前記体液を選択的に排出するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一つの体液採取器で採取した体液を複数の用途に利用できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施形態>
[体液採取器100の概要]
図1は、第1の実施形態に係る体液採取器100の外観と内部構造の一部を示す図である。
図2は、体液採取器100の一部の構成部である吸引部1と本体部2とが分離した状態の構成を示す図である。
図1及び
図2における実線は外観を示し、破線は内部構造を示している。
【0016】
図1(a)は、体液採取器100の正面図であり、
図1(b)は、体液採取器100の右側面図である。体液採取器100は、吸引部1と、本体部2と、カバー部3と、中継部材4とを有する。体液採取器100は、
図2に示す吸引部1に本体部2が挿入されることで
図1に示す状態になっている。
【0017】
まず、
図1を参照しながら、体液採取器100の概要について説明する。
ユーザ(例えば、体液の検査担当者又は被検査者)が、体液採取器100の先端を体液に浸すことにより、毛細管現象によって、吸引部1に形成された連通吸引路14及び開放吸引路15が体液で満たされる。その後、ユーザが、カバー部3を押すことによって、連通中継路41を介して連通吸引路14と連通する通気路21に気体が注入されることで、連通吸引路14に満たされた体液を外部に排出することができる。その際、開放吸引路15は通気路21に連通していないので、開放吸引路15に満たされた体液は外部に排出されず、開放吸引路15内に残留する。
【0018】
このようにして、ユーザは、体液採取器100を用いて吸引された体液のうち、一部の体液を残留させつつ、他の一部の体液を排出させることができる。ユーザは、例えば、体液が残留した状態の吸引部1を遠心分離機用搬送容器に入れ、吸引部1を入れた遠心分離機用搬送容器を遠心分離機に入れて体液を遠心分離することにより、体液の成分を分析することができる。また、ユーザは、排出した体液を保存容器に収容して保存庫で保存したり、他の検査機関に郵送して検査をしたりすることもできる。
【0019】
なお、ユーザは、吸引部1を遠心分離機用搬送容器に入れる際に、体液採取器100を遠心分離機用搬送容器に入れた後に、本体部2を傾けることで、吸引部1を本体部2から容易に分離することができる。このようにすることで、ユーザは、体液に触れることなく、体液が入った吸引部1を遠心分離機用搬送容器に収容し、遠心分離機で検査をしたり、他の検査機関に分離機用搬送容器を送ったりすることができる。
【0020】
[体液採取器100の詳細構成]
以下、
図2を参照しながら、各部の構成を詳細に説明する。
吸引部1は、下部吸引部11と、中間吸引部12と、上部吸引部13とを有する。下部吸引部11、中間吸引部12及び上部吸引部13は、例えば硬質樹脂により一体成形されている。
下部吸引部11は、円錐台形状又は角錐台形状をしており、内部に連通吸引路14及び開放吸引路15を有する。連通吸引路14及び開放吸引路15の一端は、下部吸引部11の先端面で開放されており、他端は中間吸引部12の上部吸引部13側で開放されている。
【0021】
中間吸引部12は、吸引部1と本体部2とが結合された状態において、本体部2の先端が接する凸部121を有している。吸引部1が遠心分離機用搬送容器に挿入される際に、凸部121によって吸引部1の位置が定められる。
図2に示す中間吸引部12は、直径が異なる複数の円柱が結合したような形状をしているが、中間吸引部12の形状は任意であり、下部吸引部11が中間吸引部12の機能を兼ねてもよい。
【0022】
上部吸引部13は、中空の円筒形状をしており、内部に中継部材4aを着脱可能に収容することができる収容部である。
図3は、上部吸引部13の上面視図である。
図3に示すように、上部吸引部13の内壁はほぼ円筒状であるが、少なくとも一部に平坦な壁面hを有している。上部吸引部13が、このような壁面hを有することで、中継部材4aが収容される向きを固定することができる。上部吸引部13に中継部材4aが収容されていない状態において、上部吸引部13の開放端から中間吸引部12を見ると、連通吸引路14及び開放吸引路15を視認することができる。すなわち、中間吸引部12と上部吸引部13との境界面において、連通吸引路14及び開放吸引路15の一端が開放されている。
【0023】
連通吸引路14及び開放吸引路15は、体液を吸引し、蓄積するための通路である。下部吸引部11の先端が体液に浸されることにより、毛細管現象によって連通吸引路14及び開放吸引路15の内部に体液が取り込まれ、取り込まれた状態で保持される。連通吸引路14及び開放吸引路15は、先端側の内径よりも、連通中継路41及び開放中継路42に接する側の内径の方が大きいテーパー形状をしている。
【0024】
本体部2は、本体20と、通気路21と、カバー装着部22と、収容部23と、孔24とを有する。カバー部3は、ゴム製のドーム形状の部材であり、本体部2に装着されている。カバー部3には、通気路21内の気体をカバー部3の外部に逃がすための穴(不図示)が形成されている。
【0025】
本体20は円柱形状をしており、内部に通気路21を有する。ユーザは、体液を採取する際には、カバー部3に形成された穴を開いた状態にすることで、通気路21内の気体がカバー部3の外部に移動するので、毛細管現象によって体液を連通吸引路14に取り込むことができる。
【0026】
また、通気路21は、吸引部1が吸引した体液を排出するために連通吸引路14に注入される気体を通す。ユーザは、連通吸引路14に入った体液を排出する際には、カバー部3に形成された穴を塞いだ状態でカバー部3を押すことにより、カバー部3と本体部2との間の空間内の気体(例えば空気)を通気路21に注入することができる。その結果、通気路21と連通している連通吸引路14に保持されている体液を外部に排出することができる。
【0027】
通気路21は、連通中継路41を介して連通吸引路14と連通しており、吸引部1に近づくほど内径が小さくなるテーパー形状をしている。通気路21がこのようなテーパー形状をしていることにより、連通吸引路14に注入される気体の圧力が大きくなるので、体液が連通吸引路14に残留しにくくなる。
【0028】
カバー装着部22は、本体部2における吸引部1と結合される側と反対側の端部に設けられた凸部である。カバー装着部22の端面において、通気路21の一端が開放されている。
収容部23は、円筒形状をしており、上部吸引部13を収容する。収容部23の内径は、上部吸引部13の外径よりもわずかに大きい。
【0029】
孔24は、本体20における収容部23との境界位置に形成されている。孔24は、開放中継路42の一端に面しており、開放中継路42を介して開放吸引路15の一端を開放するために形成されている。孔24が形成されていることにより、開放吸引路15内の気体を排出することができるので、毛細管現象によって体液を開放吸引路15内に取り込むことができる。
【0030】
図4は、本体部2の断面図である。
図4(a)は、
図2(b)のA−A線断面図であり、
図4(b)は、
図2(b)のB−B線断面図である。
図4(a)においては、孔24の境界25が示されている。孔24は、開放中継路42の一端に面していることにより体液採取器100の外部と開放吸引路15の一端とを連通させるが、連通中継路41の一端には面しておらず、連通吸引路14を体液採取器100の外部に連通させる機能を有していない。
【0031】
孔24の形状は、開放吸引路15の一端を外部に連通させることができ、連通吸引路14の一端を外部に連通させない限りにおいて任意であるが、例えば、
図4(a)に示すように、孔24は、例えば2つの円弧に囲まれた断面形状をしている。孔24がこのような形状を有することにより、連通吸引路14の一端を外部に連通させない範囲で、強度を保ちつつ、開放吸引路15の一端を露出させることができる領域を大きく確保できる。
【0032】
図5は、中継部材4aの構造を示す図である。
図5(a)は、
図2(b)に示した右側面図に対応する中継部材4aの側面図である。
図5(b)は、中継部材4aの上面視図である。
図5(b)は、中継部材4aの下面視図である。
【0033】
図5に示すように、中継部材4aの外周は、上部吸引部13の内周と同等の形状をしている。中継部材4aにはえ、連通中継路41及び開放中継路42が形成されており、連通中継路41は、通気路21と接する側の内径が、連通吸引路14と接する側の内径よりも大きいテーパー形状をしている。連通中継路41がこのような形状をしていることにより、連通吸引路14に蓄積された体液を排出する際の押圧が大きくなるので、体液を排出しやすくなる。開放中継路42の形状は任意であるが、
図5に示す例においては、開放中継路42も連通中継路41と同様にテーパー状の形状をしている。
【0034】
また、
図1及び
図2を参照すると明らかなように、連通中継路41の連通吸引路14に接する側の内径は、連通吸引路14の連通中継路41に接する側の内径よりも小さい。同様に、開放中継路42の開放吸引路15に接する側の内径は、開放吸引路15の開放中継路42に接する側の内径よりも小さい。連通吸引路14の内径と連通中継路41の内径との関係、開放吸引路15の内径と開放中継路42の内径との関係が上記のようになっていることで、毛細管現象によって連通吸引路14及び開放吸引路15に沿って上昇した体液が、連通吸引路14と連通中継路41とが接する位置、及び開放吸引路15と開放中継路42とが接する位置より上まで上昇しない。その結果、体液の採取量を、連通吸引路14及び開放吸引路15の容積に等しくすることができる。このようにすることで、専門的な訓練を受けた人でなくても、微量の一定量の体液を採取することが可能になる。
【0035】
図5(b)及び
図5(c)に示す破線は、孔24の境界25の位置を示している。連通中継路41と開放中継路42とは、境界25に対して互いに反対側に配置されていることがわかる。中継部材4aが、このような位置関係で連通中継路41と開放中継路42とを有することにより、ユーザによるカバー部3を押す操作によって、連通中継路41を介して通気路21と連通している連通吸引路14には気体が注入されるが、開放吸引路15には気体が注入されないので、連通吸引路14に蓄積された体液を選択的に排出させることができる。そして、ユーザは、開放吸引路15に蓄積された体液を排出しないで、開放吸引路15内に残留させることができる。
【0036】
なお、連通吸引路14、開放吸引路15、連通中継路41及び開放中継路42の水平断面形状は任意である。これらの水平断面形状は、円形であっても多角形であってもよく、連通吸引路14、開放吸引路15、連通中継路41及び開放中継路42は、円錐形状であっても角錐形状であってもよい。
【0037】
[第1の実施形態の体液採取器100による効果]
以上説明したように、第1の実施形態に係る体液採取器100は、吸引部1が吸引した体液を排出するために連通吸引路14に注入される気体を通す通気路21と、開放吸引路15における一端を開放する孔24と、を有する。体液採取器100がこのような構成を有することにより、ユーザは、カバー部3を操作して通気路21に気体を注入することにより、採取した体液のうち、連通吸引路14に蓄積された体液を選択的に排出させ、開放吸引路15に蓄積された体液を保持し続けることができる。
【0038】
<第2の実施形態>
図6は、第2の実施形態に係る体液採取器200の構成を示す図である。
図6(a)は
図2(a)に対応し、
図6(b)は
図2(b)に対応している。
図6に示す本体部2及びカバー部3は、
図2に示した本体部2及びカバー部3と同一なので説明を省略する。
図6に示す体液採取器200においては、吸引部1が、体液採取器100における開放吸引路15の代わりに開放吸引路16及び開放吸引路17を有する点、及び体液採取器100における中継部材4aの代わりに中継部材4bが上部吸引部13に収容されている点で、体液採取器100と異なる。
【0039】
図7は、第2の実施形態の中継部材4bの構造を示す図である。中継部材4bは、開放中継路42の代わりに開放中継路43及び開放中継路44を有する点で、
図2に示した中継部材4aと異なり、他の点で同じである。開放中継路43は、開放吸引路16に連通しており、開放中継路44は、開放吸引路17に連通している。
【0040】
図7(a)に示すように、開放中継路43及び開放中継路44の形状は、
図5(a)に示した開放中継路42の形状と同等である。
図7(b)に示すように、開放中継路43及び開放中継路44と連通中継路41とは、境界25に対して互いに反対側に配置されている。すなわち、開放中継路43及び開放中継路44は、孔24が形成されている領域に設けられている。
【0041】
吸引部1が開放吸引路16及び開放吸引路17を有し、中継部材4aが開放中継路43及び開放中継路44を有することにより、ユーザは、連通吸引路14に満たされた体液のみを排出させつつ、開放吸引路16に満たされた体液、及び開放吸引路17に満たされた体液を排出しないで残しておくことができる。
【0042】
[第2の実施形態の体液採取器200による効果]
以上説明したように、体液採取器200は、通気路21に連通していない開放吸引路を複数有する。体液採取器200がこのような構成を有することで、体液採取器200は、第1の実施形態に係る体液採取器100よりも多くの体液を保持することができる。
【0043】
<第3の実施形態>
図8は、第3の実施形態に係る体液採取器300の構成を示す図である。
図8(a)は
図2(a)に対応し、
図8(b)は
図2(b)に対応している。
図8に示す本体部2及びカバー部3は、
図2に示した本体部2及びカバー部3と同一なので説明を省略する。
図8に示す体液採取器300においては、吸引部1が、体液採取器100における連通吸引路14の代わりに連通吸引路18及び連通吸引路19を有する点、及び体液採取器100における中継部材4aの代わりに中継部材4cが上部吸引部13に収容されている点で、体液採取器100と異なる。
【0044】
図9は、第3の実施形態の中継部材4cの構造を示す図である。中継部材4cは、連通中継路41の代わりに連通中継路45及び連通中継路46を有する点で、
図2に示した中継部材4aと異なる。また、中継部材4cは、連通中継路45及び連通中継路46を通気路21と連通させるための溝47をさらに有する点でも中継部材4aと異なる。連通中継路45は、連通吸引路18に連通しており、連通中継路46は、連通吸引路19に連通している。
【0045】
図9(a)に示すように、連通中継路45及び連通中継路46は、
図5(a)に示した連通中継路41と異なり、通気路21と接続されるための溝47を含んでいる。
図9(b)に示すように、連通中継路45及び連通中継路46は、通気路21に対応する位置から離間した位置に形成されている。
【0046】
吸引部1が連通吸引路18及び連通吸引路19を有し、中継部材4cが連通中継路45、連通中継路46及び溝47を有することにより、ユーザは、連通吸引路18及び連通吸引路19に体液を満たした後に、通気路21から出力される気体を、連通中継路45、連通中継路46及び溝47を介して連通吸引路18及び連通吸引路19に注入することができる。その結果、ユーザは、連通吸引路18及び連通吸引路19に満たされた体液を排出することができる。
【0047】
[第3の実施形態の体液採取器300による効果]
以上説明したように、体液採取器300は、通気路21に連通する連通吸引路を複数有する。体液採取器300がこのような構成を有することで、第1の実施形態に係る体液採取器100よりも多くの体液を採取してから排出させることができる。
【0048】
<第4の実施形態>
第1の実施形態〜第3の実施形態においては、中継部材4の種類に合わせて、吸引部1が異なる位置に連通吸引路及び開放吸引路を有していたが、第4の実施形態においては、吸引部1が、複数の種類の中継部材4で使用可能な数の連通吸引路及び開放吸引路を有する点で、第1の実施形態〜第3の実施形態と異なる。
【0049】
図10は、第4の実施形態の吸引部1の上部吸引部13側の上面視図である。
図10に示すように、第4の実施形態の吸引部1は、連通吸引路14、開放吸引路15、開放吸引路16、開放吸引路17、連通吸引路18及び連通吸引路19を有する。
【0050】
[第4の実施形態の体液採取器による効果]
以上説明したように、第4の実施形態の体液採取器は、吸引部1に、複数の種類の中継部材4が有する連通中継路及び開放中継路に接することができる連通吸引路及び開放吸引路を有する。吸引部1がこのような構成を有することにより、ユーザは、採取してから排出した体液の量、及び採取してから保管しておく体液の量に応じて中継部材4の種類を変更するだけで、適切な体液を採取して排出及び保管することができる。
【0051】
<変形例>
上記の説明においては、中継部材4が吸引部1から分離可能である例について説明したが、中継部材4a、中継部材4b及び中継部材4cのいずれかが吸引部1と一体化していてもよい。この場合、中継部材4a、中継部材4b及び中継部材4cを交換することにより、体液を採取する量及び体液を残留させる量を変更することができないが、その他の点では、上記の実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0052】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【解決手段】体液採取器100は、体液を吸引する連通吸引路14及び開放吸引路15を有する吸引部1と、吸引部1が吸引した体液を排出するために連通吸引路14に注入される気体を通す通気路21と、開放吸引路15における一端を開放する孔24と、を有する本体部2と、を有する。