(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
試料を挟んでいるときに対向する第1の空間および第2の空間を形成するセルを備えており、当該試料を透過して上記第1の空間から上記第2の空間に移動する気体の標的成分を測定する装置を利用した、ガス透過度の測定方法であって、
上記試料は複数の積層フィルムを含んでおり、上記積層フィルムのそれぞれはガス遮断層および樹脂層を含んでおり、当該樹脂層同士は、その一部において対向するように張り合わせられており、
上記積層フィルムの一方に孔が形成されており、上記積層フィルムの他方が当該孔を塞いでおり、
上記複数の積層フィルムは、上記樹脂層の張り合わせられている一部と、上記樹脂層の張り合わせられていない一部とをともなって上記第1の空間と上記第2の空間とを隔てており、
上記第1の空間から上記第2の空間に移動した上記標的成分を測定する工程を含んでいる、ガス透過度の測定方法。
【背景技術】
【0002】
薄膜材料は、製品の包装および保護、ならびに製品における部品の被覆などに使用されている。製品の包装の用途としては、例えば食品または医薬品の包装などが挙げられる。部品の被覆の用途としては、例えば精密機器における素子の被覆などが挙げられる。用途に応じて、薄膜材料は、大気中の特定の成分(例えば水蒸気、酸素、炭酸ガスなど)を選択的に透過させるか、またはほとんど透過させない性質を示す必要がある。例えば、包装を目的している薄膜材料は、包装される対象に悪影響を与える成分を可能な限り透過させない性質(特定の成分に対する低い透過度)を示す必要がある。よって、上述のような薄膜材料は、所望の程度の透過度を示すか否かについて試験されなければならない。
【0003】
例えば、薄膜材料が水分の付着によって変性する医薬品の包装に使用される場合、薄膜材料は、大気中にある水蒸気をほぼ透過させない必要がある。よって、このような薄膜材料を試験する場合、微量の成分を検出し得る非常に高感度な試験を実施する必要がある。このような試験に用いる微量な成分の測定装置は、高感度であるために、微量の混入物の存在によって試験結果の精度に悪影響を受けるおそれがある。このような微量の混合物の存在を回避するためにの技術として、フィルムを固定するリングを2つ使用して、これらのリングの間に空間を形成し、試験結果に悪影響を与えない気体を当該空間に充填する技術が提案されている(特許文献1)。
【0004】
当該技術において一般的に採用される測定装置の構成および測定装置における測定状態について、
図1および
図6を用いて以下に説明する。
図1は、ガスの透過度を測定する測定装置の構成を示す概略図である。
図6は、従来技術において一般的に使用される試料の構成を示す断面図である。
【0005】
図1に示すように、測定装置は、試料3を挟んで2つの空間を内部に有しているガス透過セル1、2つの空間にガスを供給するか、または当該空間からガスを排出させる管2a〜d、管2bから排出されるガスの量を検出する検出器4を備えている。不活性ガスなどのキャリアガスが、管2aから上部の空間に供給される。標的成分を含んでいるガスが、管2cから下部の空間に供給される。よって、管2bから排出されるガスには、試料3を透過して、下部の空間から上部の空間に移動する標的成分のガス5が含まれている。つまり、上記測定装置は、試料3のガス透過度を高感度に検出可能な、当該分野において一般的なガス透過度の測定装置である。
【0006】
図6に示すように、上記測定装置において試験されるのは、バリア層70aおよび樹脂層70bからなる単一の積層フィルムである。
図6の例では、矢印の方向に沿って積層フィルムを透過する水蒸気が上記測定装置によって測定されている。バリア層70aは、ガス(ここでは水蒸気)の透過性が極めて低い材料から構成されている。一方で、樹脂層70bは、一般的に、ガスの透過性について特に考慮されていない。したがって、従来技術では、バリア層70aのガス透過性を、製品全体のガス透過性と実質的に見なしている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、薄膜材料と樹脂部とを組み合わせた試料についてのガス透過度の測定方法に関する。説明の便宜上、
図1に示した測定装置を用いた場合の測定方法を例に挙げて以下に説明する。よって後述するように、本発明の測定方法は、
図1の測定装置以外の測定装置を利用して実施可能である。
【0019】
〔ガス透過度の測定方法〕
本発明に係るガス透過度の測定方法は、試料を挟んでいるときに対向する第1の空間および第2の空間を形成するセルを備えており、当該試料を透過して上記第1の空間から上記第2の空間に移動する気体の標的成分を測定する装置を利用した、ガス透過度の測定方法であって、上記試料は複数の積層フィルムを含んでおり、上記積層フィルムのそれぞれはガス遮断層および樹脂層を含んでおり、当該樹脂層同士はその一部において対向するように張り合わせられており、上記複数の積層フィルムは、上記樹脂層の張り合わせられている一部をとともに上記第1の空間と上記第2の空間とを隔てており、上記第1の空間から上記第2の空間に移動した上記標的成分を測定する工程を含んでいる。
【0020】
つまり、本発明に係るガス透過度の測定方法は、例えば
図1の測定装置を用いたガス透過度の測定方法である。
図1の測定装置は、上述のような単一の積層フィルムに代えて、複数の積層フィルムを組合せのガス透過度を試験する測定装置である。単に試験する対象のみを変えただけなので、試験の原理は従来公知の測定装置と同じである。よって、通常の薄膜材料のガス透過度試験と同様の条件が、複数の積層フィルムの組合せの、測定装置を用いたガス透過度の試験に適用され得る。
【0021】
本発明に係るガス透過度の測定方法は、単一の積層フィルムの試料3が有している標的成分の透過度(以下、単に“ガス透過度”と記載する)を測定するのではなく、上述のように複数の積層フィルムを組み合わせた試料について測定を行う。これは、積層フィルムを用いた対象物の保護などにおいて、実際には、積層フィルムが示すガス透過度のみに基づいて、対象物は外部からの影響を受けている訳ではないためである。実際の製品において生じていると考えられるガスの透過について、
図2を参照して説明する。
図2は実際の積層フィルムを用いた製品におけるガスの透過を示す断面図である。
【0022】
図2に示すように、包装などの用途において積層フィルム7および8は、2枚を組み合わせることによって内部の空間を形成している。積層フィルム7(8)は、バリア層(ガス遮断層)7a(8a)および樹脂層7b(8b)から構成されている。積層フィルム7および8は、互いの樹脂層7bおよび8bが接するように組み合わせられており、熱圧着などによって張り合わせ部分6aが閉じられている。このため、外部に存在しているガスは、バリア層8aおよび7aをほとんど透過しない。しかし、
図2に示すように、各樹脂層7baおよび8bの界面(9a)、各樹脂層7bおよび8bの内部(9b)、およびバリア層7a(8a)と樹脂層7b(8b)との界面(9c)から内部に侵入し得る。
【0023】
以上のことから、1枚の積層フィルムのみの透過度を測定しても、実際の用途における正確なガスの透過度を評価することはできない。したがって、例えば、
図2に示すような、張り合わせ部分6aを含んでいる試料6についてガス透過度を評価する必要がある。バリア層7a、8a以外の構成から侵入するガスの透過度を正確に測定し得る試料の具体例を以下に説明する。
【0024】
(試料の一例)
本発明に係る測定方法に使用され得る試料の一例、およびその利点について
図3を参照して以下に説明する。
図3(a)は、本発明の一実施形態に係る試料の構成を示す上面図であり、
図3(b)は、当該試料の構成を示す断面図である。
【0025】
図3(a)に示すように、一実施形態に係る試料は、1対の第1の積層フィルム7および第2の積層フィルム8からなる。第1の積層フィルム7はバリア層7aおよび樹脂層7bを備えており、第1の積層フィル7ムにはバリア層7aおよび樹脂層7bを貫通する複数のスリット7cが形成されている。第2の積層フィルム8はバリア層8aおよび樹脂層8bを備えており、第2の積層フィルム8には、バリア層8aおよび樹脂層8bを貫通する複数のスリット8cが形成されている。
【0026】
なお、図示されている通りに、第1の積層フィルム7および第2の積層フィルム8は、それぞれに形成されているスリット7cとスリット8cとが重なりあわないように、張り合わせられている。また、スリット7cとスリット8cとの間隔は、
図2に示した張り合わせ部分6aの長さに相当する距離を置いて配置され得る。これによって、実際の用途にさらに近い状態を再現し得る。
【0027】
ここで、
図3(a)からは読み取れないが、後述するように第1の積層フィルム7および複数の第2の積層フィルム8は、それぞれの樹脂層7bおよび8bが接するように貼り付けられている。このように、上述したような界面などを備えている試料を用いる一実施形態の測定方法は、実際の用途における状態を正確に評価することができる。測定中のガスの移動について以下に説明する。
【0028】
図3(b)に示すように、第1の積層フィルム7のスリット7cのそれぞれは、第2の積層フィルム8によって塞がれている。なお、各積層フィルム7および8の下方(図面では各積層フィルムの上側)には、透過度を測定したいガス9(例えば水蒸気など)を含んでいるガスが供給されている。そして、各積層フィルム7および8の上方(図面では各積層フィルムの下側)には、透過度を測定したいガスに対して不活性なガスが供給されている。
【0029】
各積層フィルム7および8の下方に存在しているガス9が、例えば第2の積層フィルム8の複数のスリット8cに至って、樹脂層8bと接する。ガス9の一部は、各樹脂層7bおよび8bの界面(9a)、各樹脂層7bおよび8b(9b)、ならびにバリア層8a(7a)および樹脂層8b(7a)の界面(9c)を通って、第2の積層フィルム8のスリット7cに達する(9d)。スリット7cに達したガス9dは、管2bを経て検出器4に達して、その透過度が検出される。
【0030】
以上のように、一実施形態に係る測定方法は、第1の積層フィルム7および複数の第2の積層フィルム8を組み合わせた試料のガス透過度を測定することによって、実際の使用状態における正確なガス透過度を測定可能である。
【0031】
ここでは、各積層フィルム7および8の下方に測定したいガスを供給し、上方に透過したガスを検出することを説明している。しかし、
図3(b)に示す上下関係の通りに、各積層フィルム7および8の上方に測定したいガスを供給し、下方に透過したガスを検出可能である。いずれの構成を採用するかは、使用する測定装置に合わせて適宜変更し得る。
【0032】
また、ここでは、第1の積層フィルム7には複数のスリット7cが形成されており、第2の積層フィルム8には複数のスリット8cが形成されていることを説明している。しかし、単一のスリット7cが第1の積層フィルム7に形成されており、単一のスリット8cが第2の積層フィルム8に形成されている試料を用いて、上述の試料と同様の正確なガス透過度の測定が可能である。ただし、
図3(b)に示した複数の第2の積層フィルム8を用いた試料では、ガス9と樹脂部8bの端部との接触効率が向上する。よって、複数の第2の積層フィルム8を用いた場合、ガス透過度の測定方法における検出感度が向上され得る。
【0033】
上述の例では、
図3(b)に示している通り、樹脂層7bおよび8bが同等の厚さを有している構成について説明した。しかし、第2の積層フィルム8における樹脂層8bのうち、第1の積層フィルム7のスリット7cと対向する位置において、樹脂は、他の箇所より薄いか、または形成されていない(バリア層8aが露出している)場合があり得る。特に当該位置において樹脂が形成されていない場合、
図2に示した張り合わせ部6aの端部が向き合うような構成を実現し得る。後述するように、
図2の試料6は実際の用途において生じているガスの侵入状況を正確に再現する。この構成では、上記位置においてバリア層8aは、端部を有していないが、バリア層8aは実質的にガスを透過しないため、測定結果にほとんど影響を与えない。この構成とは逆に、第2の積層フィルム8のスリット8cと対向する位置における、第1の積層フィルム7における樹脂層7bが、同様に薄くなっているか、形成されていない場合があり得る。
【0034】
なお、このような構成では、樹脂層7bおよび8bが部分的に薄いか、またはなくなっている。このために、バリア層7aおよび8aの強度が測定に不適切なほどに低下する場合、バリア層7aおよび8aを樹脂層7bおよび8bによって挟む構成を採用し得る。
【0035】
さらにまた、ここでは、スリット10を塞いでいる第2の積層フィルム8側に測定したいガスを供給することを説明している。しかし、第1の積層フィルム側に測定したいガスを供給しても、矢印の向きが正反対のガスの流れ(9d→9a、9bおよび9c→9)が生じるのみであり、実際の用途に近い状態におけるガス透過度の測定が可能である。
【0036】
以上において、それぞれが複数のスリット7cおよび8cを有している1対の第1の積層フィルム7および第2の積層フィルム8からなる試料について説明した。しかし、試料は、一方の積層フィルム7または8におけるスリット7cまたは8cが塞がれている構成であり得る。例えば、短冊状に形成された複数の第2の積層フィルム8が、スリット7cを塞いでいる構成である。このとき、複数の第2の積層フィルム8は、
図3(a)のスリット8cの幅と同じ間隔を空けて配置されている。当該間隔が、スリット8cと同じ役割を果たす。よって、この構成が示す作用は、
図3に示した試料と同等である。当然、第1の積層フィルム7に単一のスリット7cが形成されている場合には、第2の積層フィルム8は1枚である。
【0037】
以上の説明から明らかなように、ここでは縦に長いスリット7cおよび8cを例にしているが、第1の積層フィルム7および第2の積層フィルム8には、矩形、円形または楕円形など種々の形状の貫通孔が設けられ得る。測定を所望する積層フィルムの組合せの形状などに合わせて、貫通孔の形状および数は適宜変更され得る。
【0038】
(試料の変形例1)
本発明に係る測定方法に使用され得る試料の変形例1、およびその利点について
図4を参照して以下に説明する。
図4(a)は、本発明の一実施形態に係る試料の構成を示す断面図であり、
図4(b)は、実際の測定時における当該試料を示す断面図である。
【0039】
図4(a)に示すように、試料6は、第1の積層フィルム7および第2の積層フィルム8が、同一の形状の端部を有しており、各樹脂部7bおよび8bが接する当該端部を重ね合わせることによって形成されている。すなわち、試料6は、
図2において例示した包装などの用途において実際に採用されている張り合わせ部分6aを忠実に再現したものである。よって、ここで例示されている張り合わせ部分6aを採用している積層フィルムの組合せについて、非常に正確なガス透過性の試験を実施し得る。
【0040】
図4(b)に示すように、試料6は、ガス透過性の測定において、張り合わせ部分6aを上方に向けた状態において、第1の積層フィルム7が図面における右に開かれ、第2の積層フィルム8が左に開かれている。つまり、各積層フィルム7および8は、張り合わせ部分6aを中心にして互いに反対方向に開かれている。
【0041】
張り合わせ部分6aに接したガス9の一部は、各樹脂層7bおよび8bの界面(9a)、バリア層8a(7a)および樹脂層8b(7a)の界面、ならびに各樹脂層7bおよび8bを通って、樹脂部7bおよび8bが接する空間に達する(9d)。
【0042】
この変形例1の場合、
図4(b)に示されている矢印の方向に侵入するガス9を測定することが好ましい。包装などの用途に採用される場合、通常、バリア層7aおよび7bは外部に向けて配置される。よって、
図4(b)に示されている矢印の方向に侵入するガス9を測定することは、実際に生じているガスの侵入状況を正確に再現している。しかし、逆方向に侵入するガスを測定しても、従来の方法と比べれば格段にその測定精度は向上している。
【0043】
なお、
図4(b)に示すように、張り合わせ部分6aはわずかに立ち上がっている。これによって、ごくわずかながら、測定装置の外部から気体が侵入することが考えられる。しかし、ガス透過セル1が試料6を挟む力を、平坦なフィルムを挟む場合より強くすれば、ガス透過セル1と試料6との密着性を維持し得る。張り合わせ部分6aの立ち上がりの高さに合わせて、試料6のうちガス透過セル1と接する平坦な領域にガス透過性の低い接着剤などを塗布して、立ち上がりを有している複数の積層フィルムのうちガス透過セル1と接する領域を平坦化し得る。
【0044】
(試料の変形例2)
本発明に係る測定方法に使用され得る試料の変形例2、およびその利点について
図5を参照して以下に説明する。
図5(a)は、本発明の一実施形態に係る試料の構成を示す断面図であり、
図5(b)は、実際の測定時における当該試料を示す断面図である。
【0045】
図5(a)に示すように、試料6’は、第1の積層フィルム7および第2の積層フィルム8のそれぞれの端部において張り合わせられている。しかし、試料6’は、変形例1の試料6とは異なり、第1の積層フィルム7および第2の積層フィルム8が互い違いになるように、張り合わせられている。つまり、第1の積層フィルム7および第2の積層フィルム8は、張り合わせ部分6’aのみにおいて対向しており、それ以外の部分が互いに反対方向に伸びている。上述したように、張り合わせ部分6’aの距離(図面における横方向の距離)は、実際の用途において採用される
図2および3に示した張り合わせ部分6aの長さに相当する距離と対応していることが、正確な測定という観点から、好ましい。
【0046】
図5(b)に示すように、各積層フィルム7および8の下方にあるガスの一部は、各樹脂層7bおよび8bの界面(9a)、バリア層8a(7a)および樹脂層8b(7a)の界面、ならびに各樹脂層7bおよび8bを通って、各積層フィルム7および8の上方に達する(9d)。この試料6’の場合、積層フィルム7および8の上下関係を入れ替えても、ガスの透過の経路は変わらない。よって、各積層フィルム7および8の上方または下方のいずれから測定したいガスを供給しても、同様の結果が得られる。
【0047】
(バリア層7aおよび8a)
本発明に係るバリア層7aおよび8aは、気体の標的成分を透過する度合いが低い材料から構成されている。当該材料は、製品の包装および保護、ならびに製品における部品の被覆などに使用される薄膜を構成している種々の材料であり得る。特に変形例1の試料6に使用される材料は、変形によって破損しにくい程度の柔軟性を有している材料であることが好ましい。しかし、試料の一例、および変形例2の試料に使用される材料は、変形によって破損し易い剛性の高い、柔軟性の低い材料であり得る。
【0048】
上述のように、上記材料は、気体の標的成分を透過する度合いが低い、好ましくは極めて低い。気体の標的成分を透過する度合いが極めて低いバリア層7aおよび8aの一例は、20cm
2の面積を有しているフィルムを測定したときの水蒸気の透過度を基準としたときに約5×10
−6g/m
2/日を検出限界として有している測定装置を用いて、水蒸気の透過が認められない材料からなるフィルムである。
【0049】
上述のようなガス透過度を示す材料としては、金属、ガラスおよびこれらの混合物が挙げられる。上記材料として使用し得る金属は、鉄、アルミおよび銅から選択される。上記材料は、これらの金属の2つ以上を用いた合金、またはこれらの金属の1つ以上と無機元素とを用いた合金であり得る。金属のみを用いた合金としては、ステンレス鋼および黄銅(真鍮)などが挙げられる。無機元素と組み合わせた合金としては、ステンレス鋼および鋼鉄などが挙げられる。
【0050】
したがって、バリア層7aおよび8aの材料は、同じ材料または異なる材料によって構成され得る。しかし、バリア層7aおよび8aの材料の違いが測定結果の正確さに悪影響を及ぼし得る場合は、同一の材料を選択することが好ましい。バリア層7aおよび8aの厚さは、製品の包装および保護、ならびに製品における部品の被覆などの実際の用途に合わせて選択し得る。よって、例えば、バリア層7aおよび8aの厚さは約0.1μm以上、約50μm以下である。
【0051】
(樹脂層7bおよび8b)
樹脂層7bおよび8bを構成する樹脂は、バリア層7aおよび8aの材料よりガス透過性の高い樹脂である。このような樹脂は、このような樹脂は、製品の包装および保護、ならびに製品における部品の被覆などにおいて積層フィルム7および8に適用される使用される従来公知の樹脂である。当該樹脂は固形の樹脂または液状の樹脂であり得る。固形の樹脂は、所望の形状を有している封止材として薄膜材料に対して直接に貼り付けられ得るか、または溶剤に溶解させて塗布した後に乾燥させて所望の封止材として形成され得る。液状の樹脂は、薄膜材料に塗布された後にエネルギー(光または熱)を受けて硬化する樹脂である。当該樹脂の具体例としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどが挙げられる。
【0052】
樹脂層7bおよび8bの厚さは、製品において薄膜材料と組み合わせる際に採用される任意の範囲から選択される。しかし、当該範囲を上回る厚さを適用することによって、ガス透過性について現状の製品の改良が可能であるかを調べ得る。また、当該範囲を下回る厚さを適用することによって、適切な被覆性または保護性を示し得る樹脂層7bおよび8bのより小さいサイズを決定し得る。樹脂層7bおよび8bの例示的な厚さは、約0.1μm以上、約10μm以下である。
【0053】
(使用されるガス)
本発明に係る測定方法は、任意の気体を標的成分として測定可能である。当該気体としては、大気中に含まれている水蒸気、酸素、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、水素、オゾン、二酸化炭素、一酸化炭素などの無機ガスおよびメタンなどの有機ガスが挙げられる。これらのうち窒素、ヘリウム、ネオンおよびアルゴンは、キャリアガスとしても使用し得る。
【0054】
(測定装置)
以上において、本発明に係る測定方法に使用される測定装置として
図1に示されている測定装置を例に挙げて説明した。
図1の測定装置では、ガス透過セル1内部の上部の空間にキャリアガスを供給して、上部および下部の空間の気圧を等しく保っている。しかし、上部の空間を略真空にして、下部の空間に標的成分を含んでいるガスを供給する他の装置を、本発明の実施に際して使用し得る。感度の高さという観点から、本発明に係る測定方法には、
図1に示すようなキャリアガスを利用する測定装置を使用することが好ましい。
【0055】
本発明に係る測定方法は、例えば、高感度なガス透過度の測定装置を利用した測定方法である。高感度な測定装置は、例えば、20cm
2の面積を有しているアルミ製のフィルムを測定したときの水蒸気の透過度を基準として、約5×10
−5g/m
2/日を下限値とする検出感度を示す測定装置を意味している。
【実施例】
【0056】
本発明に係る測定方法および測定試料を実際に使用した例を以下に説明する。
【0057】
(使用した試料および装置)
測定装置として、OX-TRAN 2/20(MOCON社製)を用いて、
図6に示す測定試料の酸素透過度を測定した。
図6(a)は、試料の作製に用いた市販の包装の構成を示す図であり、
図6(b)は、当該包装から切り取った試料の構成を示している。市販の包装として、ラミジップ AL-34L(株式会社生産日本社製)を使用した。
【0058】
図6(a)に示すように、包装10は、1枚の積層フィルムを折り畳み、折り畳み部分と対向する箇所に開閉可能なチャック部10b、残りの両端において、熱圧着されたヒートシール部10aを備えている。本発明に係る試料として、
図6(a)における破線に沿って、ヒートシール部10aを含んでいる包装10の一部(約50mm×90mm)を、試料6として切り取った。
図6(b)に示すように、切り取った試料6を、ヒートシール部10aを中心にして左右に開いた。開いた後の試料6は、約90mm×90mmの四角形になった。
【0059】
図6(b)の試料6をOX-TRAN 2/20のガス透過セルに設置して、40℃および相対湿度0%の条件の下に酸素の透過度を測定した。
【0060】
測定の結果、
図6(b)の試料6の酸素透過度は、1.5cc(ml)/m
2/日であった。この値は、ラミジップ AL-34Lのヒートシール部10aを含んでいない箇所を切り取った部分を試料として用いた場合より、はるかに高い酸素透過度であった。よって、本発明に係る測定方法および測定試料によれば、ヒートシール部10aに基づくガス透過度を測定可能であることが分かった。
【0061】
本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態および実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。