(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記高濃度酸素送出部を介して前記高濃度酸素を前記患者接続部に送出する酸素投与モードと、前記結露吸引部を介して前記取付口に接続される前記患者接続部内の流体を吸引する結露除去モードとを切り替えて制御する制御部を有する、
請求項2記載の酸素濃縮器。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図4は、本発明の一実施の形態に係る酸素濃縮器の概要を示す模式図である。
【0019】
図4に示す酸素濃縮器100は、接続されるカニューラ10を介して高濃度酸素を患者に供給するものであり、濃縮器の筐体100aに、カニューラ10及びチューブ20内で発生する結露を蓄水する蓄水ケース50を備える。
【0020】
具体的には、酸素濃縮器100は、酸素出口101と、大気から高濃度酸素を生成して酸素出口101を介して外部に送出する高濃度酸素送出部30と、吸引口(取付口)103と、吸引口103を介して外部の空気を吸引する結露吸引部40と、蓄水ケース50とを有する。
【0021】
酸素出口101及び吸引口103は、それぞれ酸素濃縮器100の筐体100aに設けられている。これら酸素出口101及び吸引口103は、それぞれカニューラ10のチューブ20が着脱自在に取り付けられる。
図4では、チューブ20は吸引口103に接続されている。なお、カニューラ10及びチューブ20によって、患者に接続される患者接続部が構成される。
【0022】
高濃度酸素送出部30は、取り込んだ大気を空気圧縮部125で圧縮して酸素濃縮機構部190に送出し、この酸素濃縮機構部190で高濃度酸素を生成し、この高濃度酸素を、酸素出口101を介して外部に放出する。なお、高濃度酸素は、酸素出口101から放出される前に加湿される。そして、酸素出口101から放出される高濃度酸素は、酸素出口101に接続されるチューブ20と、カニューラ10とを介して患者に投与される。
【0023】
また、結露吸引部40は、吸送気調整部120における空気圧縮部125を有し、この空気圧縮部125を用いて、吸引口103に接続されるチューブ20及びカニューラ10内の結露を酸素濃縮器100側に吸引する。結露吸引部40は、吸送気調整部120によって、例えば、空気取入部110により空気圧縮部125に導入される原料空気の導入口を、結露吸引のための流路129(後述する)が接続される接続口に切り替えることで形成されてもよい。吸引した空気は結露吸引部40(ここでは空気圧縮部125)直接排気される。ここでは、結露吸引部40は、流路129を用いる吸引によって、吸引口103を介して結露を吸引して、水トラップである蓄水ケース50内に集水する。
【0024】
蓄水ケース50は、酸素濃縮器100内に配設されている。蓄水ケース50は、チューブ20及びカニューラ10内で結露が発生している場合、吸引によってチューブ20から流れ出る水滴(結露)を集めて貯留することによって結露を蓄水する。なお、この蓄水ケース50内に、バクテリア類を除去する除去機構(フィルタなど)を配置して、この除去機構を経由して蓄水ケース50内における蓄水が行われるようにしてもよい。
【0025】
このような酸素濃縮器100の構成を詳細に説明する。
図5は、酸素濃縮器100の要部構成を示すブロック図であり、詳細には、酸素濃縮器100における配管系統の概略構成を示す図である。
【0026】
酸素濃縮器100はPSA式の酸素濃縮器であり、高濃度酸送出部30は、空気圧縮部125と、酸素濃縮機構部190とに加えて、空気取入部110を有する。なお、空気圧縮部125は、ここでは、高濃度酸素送出部30及び結露吸引部40の双方に含まれるものして説明するが、これに限らず、高濃度酸素送出部30及び結露吸引部40のそれぞれに設けた構成としてもよい。この場合、高濃度酸素送出部30では圧縮空気を生成するために用いられ、結露吸引部40では結露を吸引するために用いられる。
【0027】
酸素濃縮機構部190は、PSA(Pressure Swing Adsorption)部130と、酸素貯留部140と、酸素供給部150とを備える。なお、本実施の形態では、酸素濃縮器を据置型の酸素濃縮器として説明するが、これに限らず、携帯型の酸素濃縮器としてもよい。
【0028】
空気取入部110は、原料空気となる外気を本体(筐体)内に取り入れる部分で、吸気フィルタ111、ヘパフィルタ112等を備えている。吸気フィルタ111は、本体に設けられた空気取入口113を介して導入された原料空気からゴミや埃等の空中浮遊粒子を除去する。ヘパフィルタ112は、吸気フィルタ111により除去されなかった微細粒子を除去する。
【0029】
吸送気調整部120は、空気圧縮部125を有し、この空気圧縮部125を用いて、空気取入部110を介して導入された原料空気を圧縮して圧縮空気を生成する。なお、空気圧縮部125は、所謂、コンプレッサであり、この空気圧縮部125の上流(ヘパフィルタ112の下流)には、空気圧縮部125の動作音に対して消音効果を発揮する膨張型消音器(サイレンサ)を配設するのが望ましい。
【0030】
吸送気調整部120の空気圧縮部125により生成した圧縮空気は、酸素投与モード時において、流路127を介してPSA部130に送出される。
【0031】
また、吸送気調整部120は、結露除去モード時において、空気圧縮部125を用いて、流路129から吸引を行う。なお、この流路129は、空気圧縮部125と吸入口103とを連結する。この流路129の途中には、蓄水ケース50が介設されている。
【0032】
吸送気調整部120は、例えば、空気圧縮部125で生成される圧縮空気を用いて真空状態を形成し、この真空圧により流路129及び吸引口103を介して外気を吸引する。ここでは、吸送気調整部120によって、流路129内における流体は、高濃度酸素送出部30が高濃度酸素を送出する際の圧力よりも大きい圧力で吸引される。
【0033】
また、吸送気調整部120は、制御部160(
図6参照)からの指示によって、酸素投与モード或いは結露除去モードに対応して動作する。
【0034】
なお、吸送気調整部120は、制御部160を介さずに操作部181に設けたスイッチによって各モードを機械的に選択して対応する動作を行うようにしてもよい。また、吸引口103に、カニューラ10のチューブ20の着脱自在を検知するセンサを設け、このセンサからの信号によって、各モードを適宜選択するようにしてもよい。すなわち、チューブ20を吸引口103に取り付けた際に、取り付けた状態をセンサが検知して、その旨を示す信号(結露除去モードを示す信号)が吸送気調整部120に入力されることによって、吸送気調整部120は空気圧縮部125を介して吸引を行う。
【0035】
PSA部130は、空気圧縮部125で生成された圧縮空気から窒素を分離して高濃度酸素を生成し、これを酸素貯留部140に送出する。PSA部130は、流路切替部131、排気サイレンサ132、シーブベッド(吸着塔)133A、133B、パージオリフィス134、均圧弁135、逆止弁136A、136B等を備えている。
【0036】
流路切替部131は、4つの切替弁SV1〜SV4を備えたマニホールド(多岐管)で構成され、空気圧縮部125で生成された圧縮空気をシーブベッド133A、133Bに交互に送出するとともに、シーブベッド133A、133Bを交互に大気圧に開放して窒素富化空気を排出する。
【0037】
具体的には、流路切替部131では、切替弁SV1が“開”、切替弁SV2が“閉”とされることにより、空気圧縮部125からシーブベッド133Aに向かう流路が開通される一方で、シーブベッド133Aから排気サイレンサ132に向かう流路が閉鎖される。同時に、流路切替部131では、切替弁SV3が“閉”、切替弁SV4が“開”とされることにより、空気圧縮部125からシーブベッド133Bに向かう流路が閉鎖される一方で、シーブベッド133Bから排気サイレンサ132に向かう流路が開通される。この場合、空気圧縮部125で生成された圧縮空気がシーブベッド133Aに送出され、シーブベッド133Bからは窒素富化空気が放出されて排気サイレンサ132を介して排気されることとなる。
【0038】
また、切替弁SV1〜SV4が上記と逆の状態となっている場合は、空気圧縮部125で生成された圧縮空気がシーブベッド133Bに送出され、シーブベッド133Aからは窒素富化空気が放出されて排気サイレンサ132を介して排気されることとなる。切替弁SV1〜SV4の開閉状態は、例えば10秒間隔で切り替えられる。
【0039】
排気サイレンサ132は、酸素濃縮器100の本体(筐体)に設けられた排気口(図示略)に接続され、シーブベッド133A、133Bから放出された窒素富化空気を本体の外部に排出する際の排気音を消音する。
【0040】
シーブベッド133A、133Bは、流路切替部131を介して送られてきた圧縮空気から窒素を分離し、高濃度酸素を生成する。シーブベッド133A、133Bには、酸素より窒素を早く吸着する性質を有するゼオライト等の吸着材が充填されている。
【0041】
シーブベッド133A、133Bは、流路切替部131によって空気圧縮部125からの流路が開通されているとき、圧縮空気が送り込まれて加圧状態となる。このとき、シーブベッド133A、133Bでは、窒素および水分が吸着され、酸素だけが通過するため、高濃度酸素が生成される(吸着工程)。
【0042】
シーブベッド133A、133Bで生成される高濃度酸素の濃度は、例えば90%程度に調整される。また、ゼオライトは窒素のみならず水分をも吸着するので、シーブベッド133A、133Bで生成される高濃度酸素は極めて乾燥した状態となる(例えば湿度0.1〜0.2%)。
【0043】
一方、シーブベッド133A、133Bは、流路切替部131によって排気サイレンサ132への流路が開通されているとき、大気圧に開放されて減圧状態となる。このとき、ゼオライトに吸着していた窒素および水分が脱離され、シーブベッド133A、133Bから窒素富化空気が放出され、排気サイレンサ132を介して排気される。これにより、シーブベッド133A、133Bの吸着能力が再生される(再生工程)。
【0044】
シーブベッド133A、133Bは、逆止弁136A、136Bを介して酸素貯留部140の製品タンク141に接続されている。逆止弁136A、136Bは、製品タンク141に貯留された高濃度酸素がシーブベッド133A、133Bに逆流するのを防止する。
【0045】
また、シーブベッド133A、133Bの下流側は、パージオリフィス134を有する配管で接続されている。一方のシーブベッド133A(又は133B)で生成された高濃度酸素は、逆止弁136A(又は136B)を介して酸素貯留部140に送出されるとともに、パージオリフィス134を介して他方のシーブベッド133B(又は133A)に送出される。生成された高濃度酸素の一部が他方のシーブベッド133B(又は133A)に送り込まれることにより、当該シーブベッド133B(又は133A)の再生工程が効率よく行われる。パージオリフィス134のオリフィス径によって、それぞれの流路における高濃度酸素の流量が制御される。
【0046】
また、シーブベッド133A、133Bの下流側は、均圧弁135を有する配管で接続されている。再生工程にあるシーブベッド133A、133Bを吸着工程に切り替える際、減圧(大気圧)下にそのまま圧縮空気を流入させると窒素の吸着効率が悪い。そのため、切替時に均圧弁135が“開”とされ、シーブベッド133A、133Bの圧力が平均化される。
【0047】
このようにシーブベッド133A、133Bに圧縮空気が送り込まれて加圧状態になると、窒素及び水分が吸着されて酸素だけが通過し、高濃度酸素が生成される。一方、窒素を吸着したシーブベッド133A、133Bが減圧状態(例えば大気圧)に戻されると、吸着していた窒素が脱離して放出され、シーブベッド133A、133Bの吸着能力が再生される。つまり、PSA部130において、2本のシーブベッド133A、133Bで交互に加圧減圧を繰り返すことにより、連続して高濃度酸素が生成される。
【0048】
酸素貯留部140は、PSA部130で生成された高濃度酸素を一時的に貯留しておく部分である。酸素貯留部140は、製品タンク141、圧力調整部(圧力レギュレータ)142、酸素センサ143、圧力センサ144及び流量調整部146等を備えている。
【0049】
製品タンク141は、シーブベッド133A、133Bで生成された高濃度酸素を貯留するための容器である。シーブベッド133A、133Bから送出された高濃度酸素を一旦、製品タンク141に貯留しておくことにより、高濃度酸素の濃度変動および圧力変動が抑制されるので、使用者に安定した濃度および流量で高濃度酸素を供給できる。
【0050】
圧力調整部142は、供給する高濃度酸素の流量を制御するために、高濃度酸素の圧力を使用に適した一定圧に調整する。製品タンク141に貯留されている高濃度酸素の圧力は、製品タンク141への流入又は製品タンク141からの流出がある限り少なからず変動する。この場合、正確な流量制御が困難となる上、酸素センサ143による正確な濃度測定が困難となる。これを考慮して、圧力調整部142により高濃度酸素が一定圧に調整されるようになっている。
【0051】
酸素センサ143は、圧力調整部142から送出された高濃度酸素の濃度を、所定の間隔(例えば20分)又は連続して検出する。酸素センサ143には、例えばジルコニア式や超音波式のセンサが好適である。測定対象となる高濃度酸素の圧力が変動していると正確な測定が困難となるため、一般には、酸素センサ143は圧力調整部142の下流に流量制限オリフィス145を介して接続される。
【0052】
圧力センサ144は、製品タンク141に貯留された高濃度酸素の圧力を検出する。圧力センサ144による検出結果に基づいて、製品タンク141に貯留された高濃度酸素の圧力が正常な範囲に保持されているかを確認できる。
【0053】
流量調整部146は、圧力調整部142から送出された高濃度酸素の流量を調整する。調整後の酸素流量を示す信号は、制御部160に出力される。この流量調整部146としては、例えば、複数のオリフィスを備えて所望の流量に合ったオリフィスを選択して用いられるようにしたオリフィス式の流量設定器や、ニードルバルブを用いたニードルバルブ式の流量設定器が挙げられる。
【0054】
酸素供給部150は、酸素貯留部140から送出された高濃度酸素を、使用者の呼吸に同調して酸素出口101から放出する部分である。酸素供給部150は、バクテリアフィルタ151および圧力センサ153等を備えている。
【0055】
バクテリアフィルタ151は、使用者に清浄な高濃度酸素を供給するために、高濃度酸素に含まれる細菌類を捕集して除菌する。
【0056】
圧力センサ153は、使用者の呼吸を検出するためのセンサであり、バクテリアフィルタ151の下流側(バクテリアフィルタ151と酸素出口101を結ぶ流路)に流量制限オリフィス154を介して接続されている。
【0057】
バクテリアフィルタ151を通過した高濃度酸素は、酸素出口101の上流に配置された蓄水ケース50を通過して加湿され、その後、酸素出口101に接続された鼻カニューラや酸素マスク(ここではカニューラ10に接続されたチューブ20)を介して使用者に供給される。
【0058】
蓄水ケース50は、所謂、水トラップであり、吸送気調整部120と吸引口103とを接続する流路129の途中に介設されるものである。この構成により、流路129内を吸送気調整部120側に吸引すると、蓄水ケース50と吸引口103までの間における流路内の流体、吸引口103に接続されるチューブ20内の流体及びカニューラ10内の流体は、蓄水ケース50内に集められる。
【0059】
また、蓄水ケース50の内部(蓄水領域)には、酸素貯留部140と酸素出口101とを接続する高濃度酸素の流路(具体的には、バクテリアフィルタ151と酸素出口101とを接続する高濃度酸素の流路)となる酸素案内チューブ32が挿通されている。
【0060】
この酸素案内チューブ32において、蓄水ケース50内に配置されるケース内部位32aは、酸素案内チューブ32内を流れる高濃度酸素を加湿する加湿用濾過膜により形成される。この加湿用濾過膜は、少なくとも水分子を浸透する膜であり、水分子のみを浸透するイオン交換膜、中空糸膜等により形成される。ここでは、蓄水ケース50内に配置される酸素案内チューブ32のケース内部位32aは、中空糸膜で形成されている。これにより、蓄水ケース50内に溜まる水によって、蓄水ケース50内の酸素案内チューブ32における部位(中空糸膜)32a内を通過する高濃度酸素は、加湿される。なお、蓄水ケース50に溜まる水は、蓄水ケース50内にバクテリア類を除去する除去機構(フィルタなど)を配設した場合、この除去機構を経由して蓄水ケース50内に蓄水される。また、酸素案内チューブ32、流路129は、酸素濃縮機構部190、空気圧縮部120とともに、筐体100a内に配置されている。このため、酸素案内チューブ32、流路129は、酸素濃縮機構部190、空気圧縮部120の駆動により温められ、結露を発生させない構成となっている。
【0061】
図6は、本実施の形態に係る酸素濃縮器の制御系統の概略構成を示す図である。
【0062】
図6に示すように、制御部160は、CPU(Central Processing Unit)161、RAM(Random Access Memory)162、ROM(Read Only Memory)163等を備えている。CPU161は、処理内容に応じたプログラムをROM163から読み出してRAM162に展開し、展開したプログラムと協働して酸素濃縮器100の各ブロックの動作を制御する。
【0063】
また、制御部160は、酸素投与モードと、結露除去モードとによって、各ブロックの動作を制御する。酸素投与モードは、患者に高濃度酸素を供給する通常のモードであり、結露除去モードは、酸素濃縮器100に接続されたチューブ20及びカニューラ10内に発生する結露を除去するモードである。すなわち、制御部160は、
図4に示す高濃度酸素送出部30を介して高濃度酸素をカニューラ10及びチューブ20に送出する酸素投与モードと、結露吸引部40を介して吸引口(取付口)103に接続されるチューブ20及びカニューラ10内の流体を吸引する結露除去モードとを切り替えて制御する。
【0064】
ここでは、制御部160は、チューブ20の付け替えとともに行われる操作部181からの信号の入力に基づいて、酸素投与モードと結露除去モードとを切り替えて実行する。
【0065】
なお、結露除去モードの設定は、操作部181の操作により入力される信号に基づいて制御部160が実行する構成としたが、これに限らない。例えば、酸素濃縮器100では、操作部181の結露除去用モードの操作ボタンに代えて、吸引口103へのチューブ20の装着を検出する装着検出部を設ける。そして、この装着検出部からの信号によって吸送気調整部120が結露除去モードを実行する(結露吸引動作を行う)ようにしてもよい。
【0066】
具体的に説明すると、制御部160には、酸素貯留部140の酸素センサ143、酸素供給部150の圧力センサ153、濃縮器本体内部に設置される温度センサ171、その他の各種センサからの検出信号が入力される。なお、吸引口103へのチューブ20の装着を検出する装着検出部を設けた構成とした場合、この装着検出部からの検出信号(結露除去モード指示を示す信号に相当)が制御部160に入力される。これにより結露除去モードが設定される。
【0067】
また、患者に高濃度酸素を投与する際(酸素投与モード時)に、操作ボタン等を有する操作部181を介して、使用者による供給流量の設定が行われた場合に、制御部160には設定流量を指示する操作信号が入力される。
【0068】
また、制御部160には、操作部181或いは装着検出部等を介して結露除去モードを指示する信号が入力される。なお、操作部181に、患者に投入する酸素の設定流量などを調整するボタンの他に、モード変更ボタンを設けて結露除去モードを設定する構成としてもよい。このモード変更ボタンの押圧によって、結露除去モードを指示する信号が、操作部181から制御部160に出力される。
【0069】
これらの入力信号に基づいて、制御部160は、酸素投与モードでは、空気圧縮部125の駆動モータの回転数を制御したり、流路切替部131の切替弁SV1〜SV4を制御したりする。このような制御により、酸素濃縮器100から設定流量で高濃度酸素が供給される。
【0070】
また、結露除去モードでは、制御部160は、吸送気調整部120を介してカニューラ10及びチューブ20内に発生する結露を吸引する。具体的には、結露除去モードにおける制御部160は、吸送気調整部120を介して、空気圧縮部125により生成される圧縮空気を用いて吸引力を発生させて、吸引口103から外気の吸引を行う。すなわち、制御部160は、吸送気調整部120を介して、空気圧縮部125からPSA部130に送出される圧縮空気の流路を遮断するとともに、吸引口103及び流路129による吸引流路を確立する。なお、この結露除去モードでは、制御部160は、酸素投与モードで使用する各ブロックの動作を停止してもよい。
【0071】
また、制御部160は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などからなる表示部182における表示に係る制御や、スピーカ183からの音声出力に係る制御を行う。表示部182およびスピーカ183は、使用者に各種の情報を報知する際に用いられる。
【0072】
図示を省略するが、酸素濃縮器100に無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の通信ネットワークに接続可能なインターフェースを設け、外部機器との間で各種データを送受信できるようにしてもよい。
【0073】
<酸素投与モードでの動作>
本実施の形態の酸素濃縮器100は、まず、通常の機能として、高濃度酸素を生成して、生成した高濃度酸素を患者に供給する。
【0074】
すなわち、酸素濃縮器100では、空気取入部110から原料となる空気を導入し、導入した空気は、吸送気調整部120において空気圧縮部125で圧縮して、圧縮空気としてPSA部130に送出する。
【0075】
PSA部130では、ゼオライト等の吸着剤が充填された2本のシーブベッド133A、133Bに圧縮空気が送り込まれて加圧状態になると、窒素及び水分を吸着して酸素だけを通過させる。これによりPSA部130は、高濃度酸素を生成する。一方、窒素を吸着したシーブベッド133A、133Bは、減圧状態(例えば大気圧)に戻されると、吸着していた窒素が脱離して放出され、シーブベッド133A、133Bの吸着能力が再生される。つまり、PSA部130において、2本のシーブベッド133A、133Bで交互に加圧減圧を繰り返すことにより、連続して高濃度酸素を生成することができる。
【0076】
このようにPSA部130で生成された高濃度酸素は、一旦、酸素貯留部140の製品タンク141に貯留された後、圧力調整部142により一定圧力に調整される。そして、高濃度酸素は、流量調整部146において設定された所定流量で、酸素供給部150の酸素出口101から送出される。高濃度酸素は、酸素出口101から外部に送出される前に、酸素案内チューブ32のケース内部位32aを介して蓄水ケース50内を通過している。このため、酸素出口101から送出される高濃度酸素は、水分が供給されて衛生的に加湿された状態で、送出される。酸素出口101には、チューブ20を介してカニューラ10が接続されており、このカニューラ10を介して、加湿された高濃度酸素は使用者(患者)に投与される。
【0077】
このように酸素濃縮器100で患者に高濃度酸素を供給すると、酸素出口101から患者までの流路(カニューラ10及びチューブ20)内を流れる高濃度酸素の水蒸気が凝縮することにより、流路内に結露が発生する。次に、この結露を除去するための結露除去モードでの動作を説明する。
【0078】
<結露除去モードでの動作>
カニューラ10及びチューブ20内の結露を除去する場合、先ず、カニューラ10に接続されたチューブ20を酸素出口101から外して、吸引口103に付け替える。また、患者からカニューラ10を外す。そして、酸素濃縮器100の操作部181を介して結露除去モードを設定する。なお、吸引口103に、チューブ20の装着を検出する装着検出部を設けた構成であれば、チューブ20を吸引口103に装着するだけで、結露除去モードとして制御部160或いは吸送気調整部120に設定できる。
【0079】
この設定に基づいて、制御部160は、吸送気調整部120を介して空気圧縮部125と吸引口103とを連結して結露除去処理を実行する。具体的には、吸送気調整部120が空気圧縮部125からPSA部130に送出される圧縮空気の空気流路を変更して、空気圧縮部125と流路129とを接続する。加えて、吸送気調整部120は、空気圧縮部125により生成される圧縮空気を用いて吸引力を発生して流路129内を吸引するようにする。これにより、吸送気調整部120は、途中に蓄水ケース50が介在する流路129を介して吸引口103から外気を吸引する。
【0080】
すると、吸引口103に装着されたチューブ20及びチューブ20に接続されたカニューラ10内で発生する結露は、吸送気調整部120の吸引によって、吸引口103から酸素濃縮器100内に流れ込む。そして、酸素濃縮器100内に流れ込む結露は、酸素濃縮器100の筐体100a内の蓄水ケース50に至って蓄水される。この蓄水ケース50により結露が溜まり、カニューラ10及びチューブ20内の結露を除去することができる。つまり、酸素濃縮器100では、カニューラ10を患者から外し、カニューラ10に接続されたチューブ20を酸素出口101から吸引口103に付け替えてから、結露除去モードに設定すれば、カニューラ10及びチューブ20内の結露を除去できる。
【0081】
このように酸素濃縮器100では、作業者が手押しポンプなどで上流側チューブ20内に圧力を与えることなく、チューブ20は勿論、チューブ20に接続されたカニューラ10内の水滴を容易に除去することができる。また、カニューラ10から放出される水を処理するためのティッシュペーパー或いは布などが不要となり、それをカニューラ10の開口部に当てる手間も省くことができる。これにより、煩雑な手間を掛けることなく、カニューラ10の先端までの結露の除去を容易に且つ確実に行うことができる。よって、酸素濃縮器100によれば、高濃度酸素を供給する際に発生する結露を好適に除去して、カニューラ10を介して患者に高濃度酸素を好適に供給できる。
【0082】
蓄水ケース50に溜まった水は、結露除去後に再び酸素投与を行う際に、酸素案内チューブ32内を通過(具体的には、酸素案内チューブ32のケース内部位32a内を通過)する高濃度酸素を加湿する。これにより患者に、高濃度酸素を好適な湿度で投与できる。また、蓄水ケース50に溜めた水を用いて、酸素濃縮器100の外気の加湿を行うように構成してもよい。
【0083】
また、酸素濃縮器100内の蓄水ケース50に、結露を溜めることができるため、酸素濃縮器100は、従来の構成と異なり、酸素出口101からカニューラ10までの間に、水トラップを介設する必要がない。
【0084】
なお、蓄水ケース50は、溜まる水を排出可能に構成されている。例えば、蓄水ケース50を濃縮器の筐体100aの内部から着脱自在に取り付けた構成にすれば、蓄水量に応じて筐体100aから外すことによって、蓄水ケース50に溜まった水を棄てることができる。また、蓄水ケース50の底部に開閉自在の弁を介して排出用のチューブを取り付けることによって、適宜外部に排出するように構成してもよい。
【0085】
また、空気圧縮部125が、酸素投与と結露除去の双方で用いる構成としたが、これに限らない。結露除去では、空気圧縮部125とは別の小型コンプレッサ等の空気圧縮部や、ポンプを用いて行う構成としてもよい。その場合、吸送気調整部120は不要となり、制御部160は、酸素投与モード或いは結露除去モード毎に対応する空気圧縮部有る射場ポンプの駆動を制御すればよい。
【0086】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。