(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シリンジポンプでは、前記医療器がシリンジであり、前記シリンジを前記シリンジポンプに装着したときの前記シリンジの外径情報を取得し記憶すると共に、前記シリンジの押し子の押し切り位置情報も取得し記憶することを特徴とする請求項3に記載の医療器検査モードを備えた医療機器。
前記輸液ポンプでは、前記医療器は送液チューブを含み、前記送液チューブを前記輸液ポンプに装着したときの前記送液チューブの情報も取得し記憶することを特徴とする請求項3に記載の医療器検査モードを備えた医療機器。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、医療器検査モードを備えた医療機器である例えば、輸液ポンプ1の外観を示す概略図であり、
図2は、
図1の輸液ポンプ1に装着する1回毎の使い捨て(ディスポーザル)である医療器である例えば、輸液ポンプ用チューブセット100を示す概略図である。
図2に示すように、「輸液ポンプ用チューブセット100」は、例えば、薬液を収容する「輸液容器110」から、この輸液容器110内の薬液を患者に送液するための「送液チューブ120」を有している。
【0022】
この送液チューブ120には、輸液容器110と直接接続される中空針121、点滴筒122及びクレンメ123等が備わっている。
そして、この送液チューブ120を
図1の破線で示すように、輸液ポンプ1の内部に装着される。
図3は、輸液ポンプ1内に装着された可撓性の送液チューブ120内の薬液を送液するためのフィンガー部30及びフィンガー部30を動作させるカム軸部31等を示す概略図である。
【0023】
図3に示すように、フィンガー部30は6つのフィンガー30a〜30fを有し、これらフィンガー30a〜30fがカム軸部31の動作に従い、順に送液チューブ120に対して圧閉又は離間するように動作する。
そして、これにより、送液チューブ120は、フィンガー30a〜30fにより、順次圧閉、開放されるように変形し、送液チューブ内の薬液が送液される構成となっている。また、この送液は、所定の時間に所定の流量が送液されるよう制御することができる構成となっている。
【0024】
図1に示すように、輸液ポンプ1の表面側には、各種情報を表示するため輸液ポンプ側ディスプレイ(輸液ポンプ側表示部)3が配置されていると共に、開始キー21を含む輸液ポンプ側操作部2を有している。使用者は、この輸液ポンプ側操作部2を操作することで、各種情報の入力等を行うことができる構成となっている。
輸液ポンプ側操作部2は、開始キー(開始スイッチ)21の他に、電源ON/OFFスイッチ,輸液を強制停止するための停止消音スイッチ,設定・入力手段であるアップダウンスイッチ等を含んでいる。
電源ON/OFFスイッチは、メイン電源の入/切に使用されるものであり、所定秒(およそ2秒以上)押し続けることで、電源オンとなり、再度所定秒(約3秒以上)押しつづけることで電源オフとなるように制御されており、不用意に電源オン、オフができないように配慮されている。
停止消音スイッチは、輸液中に警報状態となった場合、所定秒、例えば2秒程度押すことで内蔵のブザーが鳴り、輸液動作を強制停止する。この停止消音スイッチは警報音が鳴っているときに押すと消音させることができ、また輸液の準備が整い開始可能な状態から所定秒(約2秒以上)押圧し続けると、いわゆる「スタンバイモード」となり、開始忘れを注意するアラーム状態が解除される状態になるので、例えば手術室内において患者への刺針が完了した状態で待機するときに、輸液開始までの時間中にアラーム発生を行わないようにできるようにしている。
また、輸液ポンプ側ディスプレイ(輸液ポンプ側表示部)3は、設定された注入速度(流量 mL/h)のLED表示,注入予定量(mL)のLED表示,内蔵バッテリー使用中の残量を3段階レベルでのLED表示,送液チューブ120の閉塞異常が検出されて正常な輸液ができないときに「閉塞」の文字が点滅するようにして処置を促す閉塞異常表示等の各種表示を行なう。
【0025】
図4は、
図1の輸液ポンプ1のドア4を開いた状態を示す概略図である。
【0026】
図4に示すように、輸液ポンプ1の表面側(輸液ポンプ側ディスプレイ3等が配置されている側)には、ドア4が形成されている。そして、このドア4を開くと、輸液ポンプ本体6側に、送液チューブ120を配置するための送液チューブ用配置溝5が、輸液ポンプ1の長手方向に沿って形成されている。
なお、上述のフィンガー部30は、この送液チューブ用配置溝5に配置される送液チューブ120に当接可能に配置される。
【0027】
また、
図4において上側が
図2の輸液容器110側であり、下側が患者側である。したがって、
図4に破線等で示すように配置された「輸液ポンプ用チューブセット100」の送液チューブ120内の薬液は、上側から下側へ送液される構成となっている。
【0028】
また、
図4に示すように、輸液ポンプ1の輸液ポンプ本体6の上部側(輸液容器110側)には、送液チューブ120内の薬液等の液体の有無(気泡の有無)を検知する超音波センサ7が配置されている。
このため、輸液容器110等から流れてきた薬液等の液体が、超音波センサ7が配置されている送液チューブ120の部分まで達すると、その有無を検知することができるようになっている。
【0029】
具体的には、この超音波センサ7は、送液チューブ120内に流れ込む輸液容器110からの薬液等の液体に「気泡」が存在するか否かを判断するために配置される。
すなわち、輸液容器110内の薬液を、輸液ポンプ1を用いて投与する場合に、薬液中に気泡が混入している場合は、この気泡により患者に悪影響を及ぼすおそれがあるため、気泡の混入があったことは、この超音波センサ7が検知し、その旨の警告を
図1の輸液ポンプ側ディスプレイ3等に表示する構成となっている。
【0030】
また、
図4に示すように、輸液ポンプ本体6の上部側で、超音波センサ7の下側には、送液チューブ120内の薬液等の液体が流れず、閉塞状態となっているか否かを検知する上流閉塞センサ8が配置されている。
この上流閉塞センサ8は、プランジャーPを有している。
図5(a)、(b)、(c)は、このプランジャーPの動作を説明するための概略説明図である。
【0031】
図4の送液チューブ120内に薬液等が通常で流れる場合、
図5(a)に示すように、送液チューブ120に薬液等が流れ込むためプランジャーPは、殆ど動かない。
一方、送液チューブ129内に薬液等が流れていない、すなわち閉塞状態の場合は、
図5(b)に示すように、プランジャーPは、
図5(b)の矢印の方向(送液チューブ120を押し込む方向)に移動する。
【0032】
したがって、上流閉塞センサ8は、
図5に示すプランジャーPの移動を検知することで、送液チューブ120の輸液ポンプ1の上流側で薬液等が流れていない、すなわち、閉塞しているか否かを検知することができる構成となっている。
【0033】
このように、輸液ポンプ1内で、送液チューブ120に閉塞が生じると、これは、薬液が患者に適切に投与されていないことを示すため、輸液ポンプ1は、輸液ポンプ側ディスプレイ3に、閉塞の警報を表示する。
【0034】
また、この送液チューブ120の閉塞がどの部分で生じているかは、極めて重要であるため、輸液ポンプ1は、上述の上流閉塞センサ8だけではなく、
図4に示すように輸液ポンプ1の下流側(患者側)にも、上流閉塞センサ8と同様の構成を有し、機能を発揮する下流閉塞センサ9が配置されている。
この場合、
図4の送液チューブ120内に薬液等が患者に通常で流れる場合、
図5(a)に示すように、送液チューブ120に薬液等が流れ込むためプランジャーPは、殆ど動かない。
一方、送液チューブ129内に薬液等が流れていない、すなわち閉塞状態の場合は、
図5(c)に示すように、プランジャーPは、外径が拡張した送液チューブ120に押されて、戻る方向に移動する。
したがって、下流閉塞センサ9は、
図5(c)に示すプランジャーPの移動を検知することで、送液チューブ120の輸液ポンプ1の下流側で薬液等が流れていない、すなわち、閉塞しているか否かを検知することができる構成となっている。
【0035】
このため、輸液ポンプ1は、その内部に配置された送液チューブ120のどの部分で閉塞が生じているかを検知することができ、その結果を、
図1の輸液ポンプ側ディスプレイ3等に表示等することができる構成となっている。
【0036】
このように、本実施の形態にかかる輸液ポンプ1は、その薬液の流れ等に異常があった場合は、その状態を速やかに報知する構成となっている。
また、輸液ポンプ1は、
図2に輸液容器110内の薬液の投与量等も精度良く制御することができる構成となっている。
【0037】
ところで、輸液ポンプ1の上述のような異常検知や薬液の投与量の制御は、輸液ポンプ1が想定している範囲内の規格を有する「輸液ポンプ用チューブセット100」であれば、適切に異常検知等を行える。
しかし、1回毎の使い捨ての「輸液ポンプ用チューブセット100」を任意に、当該輸液ポンプ1に用いた場合は、その規格が合わず、輸液ポンプ1が適切に異常検知等を行えない場合が想定しうる。
【0038】
そこで、予め、当該輸液ポンプ1に適合する「輸液ポンプ用チューブセット100」の識別情報である識別記号等を、当該輸液ポンプ1に記憶させている。
したがって、使用者が輸液ポンプ1を使用するとき、その輸液ポンプ側ディスプレイ3に、使用可能な「輸液ポンプ用チューブセット100」の識別記号を表示させ、これから使用しようとする「輸液ポンプ用チューブセット100」の識別記号が含まれている場合に限り、使用可能とすることが推奨されている。
【0039】
しかし、これでは、当該輸液ポンプ1に予め登録されている識別記号を有する「輸液ポンプ用チューブセット100」でなければ使用できず、実際は使用可能でも、登録されていないために使用できないという問題が発生する。
特に、当該輸液ポンプ1を使用する場合に、もともとは当該輸液ポンプ1に適用外の安価な「輸液ポンプ用チューブセット100」を用いられる場合があり、これらの識別記号等は登録されていない場合が多く、事実上、使用できない可能性がある。
【0040】
そこで、本実施の形態では、輸液ポンプ1に登録されていない識別記号等を有する「輸液ポンプ用チューブセット100」を検査し、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」が当該輸液ポンプ1での使用が可能であるか否かを検査し、使用可能な場合は、その識別記号等を当該輸液ポンプ1に記憶させ、以後、使用可能な「輸液ポンプ用チューブセット100」としようとする医療器検査モードを備えたものである。
【0041】
また、
図1に示す輸液ポンプ1は、コンピュータを有し、コンピュータは、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有し、これらは、バスを介して接続されている。
【0042】
図6は、
図1に示す輸液ポンプ1の主な構成を示す概略ブロック図である。
図6に示すように、輸液ポンプ1は、輸液ポンプ1全体の動作の制御・判断を司る輸液ポンプ制御部12を有している。この輸液ポンプ制御部12は、上述の輸液ポンプ側ディスプレイ3、開始キー21を含む操作部2、上流閉塞センサ8、下流閉塞センサ9及び超音波センサ7を制御すると共に、時刻情報を生成する計時装置10やカム軸部31等を駆動する輸液ポンプ側電動モータ11等も制御する構成となっている。輸液ポンプ制御部12は、輸液ポンプ1の全体の動作の判断、制御を司っている。
また、外部通信部70を備え、医療器検査モードで得られた輸液ポンプ用チューブセット100の情報をホストコンピュータに有線(院内LAN等)または無線(赤外線等)で通信可能にでき、ホストコンピュータの記憶部(不図示)に記憶できるようになっている。
また、他の輸液ポンプ1で得られ、ホストコンピュータの記憶部に記憶された輸液ポンプ用チューブセット100の情報を、ホストコンピュータから、後述する輸液ポンプ第1情報記憶部40にダウンロードできるようになっている。
【0043】
また、輸液ポンプ制御部12は、この他、輸液ポンプ1に関する各種データを記憶する記憶部や、各種処理部(プログラム)も制御するが、これらは、本実施の形態では、説明の便宜上、
図6の「輸液ポンプ第1情報記憶部40」や「輸液ポンプ第2情報記憶部60」として、
図7及び
図8で説明する。
【0044】
図7は、
図6の輸液ポンプ第1情報記憶部40の主な構成を示す概略ブロック図であり、
図8は、
図6の輸液ポンプ第2情報記憶部60の主な構成を示す概略ブロック図である。これら
図7及び
図8の具体的内容については後述する。
【0045】
図9乃至
図13は、本実施の形態に係る輸液ポンプ1の動作例を示す概略フローチャートである。以下、
図9等の概略フローチャートに従い、その動作等を説明しつつ同時に
図1乃至
図8の構成等についても説明する。
【0046】
先ず、医療従事者等の使用者が、
図1の輸液ポンプ1に、1回毎に使い捨ての
図2に示す「輸液ポンプ用チューブセット100」を使用しようとする場合は、先ず、当該使用しようとする「輸液ポンプ用チューブセット100」の識別情報である例えば、識別記号と、その点滴量情報、例えば、「20滴/1mL」又は「60滴/1mL」を
図9のステップST(以下「ST」という)1で輸液ポンプ1の操作部2等を介して入力する。
【0047】
ST1で、入力された「輸液ポンプ用チューブセット100」の識別記号と、その点滴量情報は、
図7の輸液ポンプ側入力情報記憶部41」に記憶する。
次いで、ST2へ進む。ST2では、ST1で入力された点滴量の識別記号を有する「輸液ポンプ用チューブセット100」が既に記憶されているか否かを判断する。
すなわち、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」が、既に、当該輸液ポンプ1に適合するものとして記憶されているか否かを判断する。
【0048】
具体的には、
図7の「輸液ポンプ用チューブセット情報記憶部42」を参照して判断する。この「輸液ポンプ用チューブセット情報記憶部42」には、当該輸液ポンプ1に使用可能な「輸液ポンプ用チューブセット100」の識別記号が、「点滴量情報」と関連付けて記憶されている。
【0049】
ST2で、既に記憶済みと判断された場合は、ST3へ進む。ST3では、当該点滴量の「輸液ポンプ用チューブセット100」の登録を変更(上書き)する意思があるか否かの確認画面を
図1の輸液ポンプ側ディスプレイ3に表示する。
【0050】
次いで、ST4で変更する意思があるか否か判断する。具体的には、使用者が
図1の操作部2を操作して、登録を上書きするか否かの指示情報を入力する。
【0051】
ST4で、登録を上書きするとの指示情報が入力された場合や、ST2で入力された「輸液ポンプ用チューブセット100」の識別記号が「輸液ポンプ用チューブセット情報記憶部42」に登録されていない場合は、医療器検査モードST5へ進む。
【0052】
ST5以下では、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」が、当該輸液ポンプ1に適合するか否かの検査モードが開始される。
具体的には、ST5では、
図1の輸液ポンプ側ディスプレイ3に「登録を希望する「輸液ポンプ用チューブセット」を装着してください」というメッセージが表示される。
【0053】
この表示を見た使用者が、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を輸液ポンプ1に装着する。具体的には、
図4に示すように、輸液ポンプ1のドア11を開け、
図2の「輸液ポンプ用チューブセット100」の「送液チューブ120」が「送液チューブ用配置溝5」内に配置される。
このときの「輸液ポンプ用チューブセット100」の「輸液容器110」は送液チューブ120に取り付けられていない状態、又は容器内が空の状態となっている。
【0054】
<気泡検出についての送液チューブの適合性の検査モード>
次いで、
図4のドア4が閉められ、輸液ポンプ1のスイッチがON状態となる。すると、
図4に示す超音波センサ7の動作が開始され、ST6へ進む。
【0055】
ST6では、超音波センサ7の数値が所定の閾値の範囲内か否かを判断する。
具体的には、
図8の「気泡有無判断処理部(プログラム)61」が動作し、
図7の「水なし超音波センサ閾値情報記憶部43」を参照する。この「水なし超音波センサ閾値情報記憶部43」には、超音波センサ7が、気泡ありと判断する場合の数値範囲が予め記憶されている。
したがって、「気泡有無判断処理部(プログラム)61」は、超音波センサ7の数値と「水なし超音波センサ閾値情報記憶部43」内の情報を比較して、超音波センサ7の数値は、閾値内か、すなわち、気泡ありを判断しているか否かを判断する。
【0056】
ST6で、気泡ありと判断していない場合は、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を当該輸液ポンプ1に装着して、薬液を患者に投与すると、その投与中に気泡が発生しても、その存在を検知できないと判断される。
したがって、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」は、当該輸液ポンプ1に適合しないと判断され、ST7へ進む。
【0057】
ST7では、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を
図7の「輸液ポンプ用チューブセット情報記憶部42」に記憶できない旨、輸液ポンプ側ディスプレイ3に表示され、終了する。
【0058】
このように本実施の形態では、気泡の発生という重大な事態が発生しても、それを検知できない「輸液ポンプ用チューブセット100」との組み合わせは、適切でないと判断し、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」の登録を拒絶するので、輸液ポンプ1と「輸液ポンプ用チューブセット100」の安全な使用を確保することができる。
【0059】
一方、ST6で、気泡ありと判断した場合は、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を当該輸液ポンプ1に装着して、薬液を患者に投与し、その投与中に気泡が発生しても、その存在が適切に検知できると判断され、次の検査項目へ進む。
【0060】
ST8では、輸液ポンプ側ディスプレイ3に「輸液ポンプ用チューブセット100に液体が収容されている輸液容器110を接続してください」というメッセージが表示される。
【0061】
この表示を見た使用者は、液体が収容されている「輸液容器110」を、
図2の「送液チューブ120」と接続させる。具体的には、「中空針121」を「輸液容器110」内に挿入する。
すると、「輸液容器110」内の液体は、送液チューブ120内を流れ、輸液ポンプ1側へと流れる。
そこで、ST9へ進む。ST9では、超音波センサ7の数値が所定の閾値の範囲内か否かを判断する。
【0062】
具体的には、
図8の「気泡有無判断処理部(プログラム)61」が動作し、
図7の「水あり超音波センサ閾値情報記憶部44」を参照する。
この「水あり超音波センサ閾値情報記憶部44」には、超音波センサ7が、気泡なしと判断する場合の数値範囲が予め記憶されている。
したがって、「気泡有無判断処理部(プログラム)61」は、超音波センサ7の数値と「水あり超音波センサ閾値情報記憶部44」内の情報を比較して、超音波センサ7の数値は、閾値内か、すなわち、気泡なしを判断しているか否かを判断する。
【0063】
ST9で、気泡なしと判断していない場合は、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を当該輸液ポンプ1に装着して、薬液を患者に投与すると、その投与中に気泡がなくても、誤って気泡ありと検知する可能性が高いと判断される。
したがって、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」は、当該輸液ポンプ1に適合しないと判断され、ST10へ進む。
【0064】
ST10では、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を
図7の「輸液ポンプ用チューブセット情報記憶部42」に記憶できない旨、輸液ポンプ側ディスプレイ3に表示され、終了する。
【0065】
このように本実施の形態では、気泡が発生していないにもかかわらず、誤って気泡ありと検知する「輸液ポンプ用チューブセット100」との組み合わせは、適切でないと判断し、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」の登録を拒絶するので、輸液ポンプ1と「輸液ポンプ用チューブセット100」の安全な使用を確保することができる。
【0066】
このように、本実施の形態では、「送液チューブ120」内で発生する気泡の有無を正確に判断できる「輸液ポンプ用チューブセット100」との組み合わせのみを選別するので、極めて精度が高い適合性の判断が可能となる。
【0067】
一方、ST9で、気泡なしと判断した場合は、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を当該輸液ポンプ1に装着して、薬液を患者に投与し、その投与中に誤って気泡ありと判断することがないと判断され、次の検査項目へ進む。
【0068】
次いで、ST11へ進む。ST11では、「輸液ポンプ電動モータ11」が駆動して、
図3のカム軸部31を回転させるが、この回転は、
図7の「カム軸部回転情報記憶部45」に記憶されている「カム軸部の回転量」と「回転時間」の情報に基づき実行される。
これは、例えば、送液チューブ120内を流れる液体の流量が「120mL/h」で「30分間」流れることを想定した「「カム軸部の回転量」と「回転時間」となっている。
【0069】
このカム軸部31の回転により、カムが動作し、
図3のフィンガー30a〜30fも動作する。すなわち、フィンガー30a〜30fが、上述のように送液チューブ120を順次圧閉、開放して(この動作を繰り返す)、液体を所定時間当たり所定量流れるように制御する。
【0070】
具体的には、
図8の「カム軸回転処理部(プログラム)62が、
図7の「カム軸部回転情報記憶部45」を参照して、実行する。
【0071】
すると、輸液ポンプ1により、送液された液体は、
図4の輸液ポンプ1の上部から下部へ送液チューブ120に沿って流れ、送液チューブ120の下側から排出される。
この排出された液体は、使用者が
図14に示すメスシリンダー13等内に溜めて、送液量を測定する。
図14は、メスシリンダー13を示す概略図である。
【0072】
<送液量についての送液チューブの適合性の検査モード>
そして、ST12では、輸液ポンプ側ディスプレイ3に「送液量(mL)を入力してください」というメッセージが表示される。
このメッセージを見た使用者は、メスシリンダー13で計測した送液量を、輸液ポンプ1に入力する。
ST13では、フィンガー部30により送液された送液量(mL)の入力があったか否かを判断し、入力があった場合は、ST14に進む。
【0073】
ST14では、ST13で入力された「送液量(mL)」の情報を
図7の「輸液ポンプ側送液量情報記憶部46」に記憶する。
次いでST15へ進む。ST15では、「輸液ポンプ側送液量情報記憶部46」の「送液量情報」、「カム部回転情報記憶部45」の「回転量情報」、そして、
図7の「吐出量/回転数演算式情報記憶部47」に記憶されている演算式に基づいて、カム軸回転数当たりの液体の吐出量である「吐出量/回転数(mL/rot)」を演算し、0.00001mL/rot単位で、
図7の「吐出量/回転数情報記憶部48」に記憶する。
【0074】
具体的には、
図8の「吐出量/回転数情報演算処理部(プログラム)63」が処理するが、「吐出量/回転数演算式情報記憶部47」に記憶されている演算式は、例えば、「吐出量/回転数(mL/rot)=送液量(mL)÷カム軸回転量(rot)」等である。
【0075】
したがって、ST15で、カム軸部31の回転量(rot)との関係で送液量(mL)情報を取得することができる。
【0076】
次いで、ST16へ進む。ST16では、「吐出量/回転数情報記憶部48」に記憶された「吐出量/回転数情報」が、
図7の「吐出量/回転数閾値情報記憶部49」内の「吐出量/回転数閾値情報」の範囲内であるか否かを判断する。
【0077】
この「吐出量/回転数閾値情報」は、例えば、以下のように定められる。
フィンガー部30の動作で、流量120mL/hで30分の送液量、すなわち60mLの送液を想定して、カム軸部30を回転させた場合に、この送液量(60mL)に達するためのカム軸部30の回転量を予め定める。
そして、これら予め定めた送液量とカム軸部30の回転量との関係である「吐出量/回転数閾値情報」を「吐出量/回転数閾値情報記憶部49」に記憶する。
【0078】
ST16で、「吐出量/回転数情報」が「吐出量/回転数閾値情報」の範囲内ではないとされたときは、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」内の液体を当該輸液ポンプ1が精度良く制御できないと判断されると、ST17へ進む。
なお、この判断は、
図8の「吐出量/回転数判断処理部(プログラム)64」が実行する。
ST17では、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を
図7の「輸液ポンプ用チューブセット情報記憶部42」に記憶できない旨、輸液ポンプ側ディスプレイ3に表示され、終了する。
【0079】
一方、ST16で、「吐出量/回転数情報」が「吐出量/回転数閾値情報」の範囲内であると判断された場合は、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」内の液体を当該輸液ポンプ1が精度良く制御できると判断され、次の検査項目へ進み、ST18へ進む。
【0080】
ST18では、輸液ポンプ側ディスプレイ3に「輸液ポンプの上流の規定位置(例えば、輸液ポンプ1から上流側へ50cm)を閉塞し、「開始キー21」を押下してください。」というメッセージが表示される。
【0081】
このメッセージを見た使用者は、
図4の輸液ポンプ1の上側から突出している送液チューブ120の輸液ポンプ1の上端から50cmの部分を閉塞器具で閉塞し、
図1の輸液ポンプ1の「開始キー21」を押下する。
【0082】
<閉塞検出についての送液チューブの適合性の検査モード>
次いで、ST19では、輸液ポンプ1が「開始キー21」の押下があったか否かを判断し、「開始キー21」の押下があったときは、ST20へ進む。
ST20では、ST14で記憶した当該輸液ポンプ1の「送液量(mL)」を「輸液ポンプ側送液量情報記憶部46」から取得し、流量25mL/hに該当するカム軸部31の回転数(rot)を演算し、1分間、カム軸部31を回転させる。
この動作は、
図8の「上流閉塞カム軸部回転処理部(プログラム)65」が実行する。
【0083】
次いで、ST21へ進む。ST21では、ST19で押下された「開始キー21」の押下時の「上流閉塞センサ8」(
図4参照)の値を、
図7の「上流閉塞時情報記憶部50」に「上流閉塞時情報」として記憶する。
次いで、ST22へ進む。ST22では、輸液ポンプ1は、計時装置10を参照して、「開始キー21」が押下してから、所定秒、例えば30秒が経過したか否かを判断し、30秒が経過すると、ST23へ進む。
【0084】
ST23では、開始キー21の押下後30秒後の「上流閉塞センサ8」の値(即ち、
図5(b)におけるプランジャーPの移動量)を「上流閉塞後30秒情報記憶部51」に「上流閉塞後30秒情報」として記憶する。
次いで、ST24へ進む。ST24では、「上流閉塞時情報記憶部50」の「上流閉塞時情報」と、「上流閉塞後30秒情報記憶部51」の「上流閉塞後30秒情報」との差分情報を求め、この差分情報が、
図7の「上流閉鎖閾値情報記憶部52」内の「上流閉鎖閾値情報」の範囲内であるか否かを判断する。
【0085】
すなわち、閉塞時における「上流閉塞センサ8」の値は、未だ、送液チューブ120内に液体が残っている状態を示す値であるが、その30秒後では、液体が残っておらず「上流閉塞センサ8」の値は、送液チューブ120内に液体がない(若しくは、流量が減少した)状態を示す値となるはずである。
すなわち、「上流閉塞時情報」と「上流閉塞後30秒情報」との差分情報は、一定の幅を持った値となるはずであり、この値の幅情報が「上流閉鎖閾値情報」となる。
そして、ST24では、「差分情報」が「上流閉鎖閾値情報」の範囲内(差が大)であれば、「上流閉塞センサ8」が「送液チューブ120」の閉塞を検知していると判断する。
【0086】
逆に「差分情報」が「上流閉鎖閾値情報」の範囲外であり、差が小さい場合は、「上流閉塞センサ8」が「送液チューブ120」の閉塞を検知していないと判断する。
この判断は、
図8の「上流閉塞値情報判断処理部(プログラム)66」が実行する。
【0087】
ST24で、上述の「差分情報」が「上流閉鎖閾値情報」の範囲外と判断された場合は、ST25へ進む。
ST25では、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を
図7の「輸液ポンプ用チューブセット情報記憶部42」に記憶できない旨、輸液ポンプ側ディスプレイ3に表示され、終了する。
【0088】
一方、ST24で、上述の「差分情報」が「上流閉鎖閾値情報」の範囲内と判断された場合は、ST26へ進む。
【0089】
ST26では、輸液ポンプ側ディスプレイ3に「輸液ポンプの下流の規定位置(例えば、輸液ポンプ1から下流側へ50cm)を閉塞し、「開始キー21」を押下してください。」というメッセージが表示される。
【0090】
このメッセージを見た使用者は、
図4の輸液ポンプ1の下側から突出している送液チューブ120の輸液ポンプ1の下端から50cmの部分を閉塞器具で閉塞し、
図1の輸液ポンプ1の「開始キー21」を押下する。
【0091】
次いで、ST27では、輸液ポンプ1が「開始キー21」の押下があったか否かを判断し、「開始キー21」の押下があったときは、ST28へ進む。
ST28では、ST14で記憶した当該輸液ポンプ1の「送液量(mL)」を「輸液ポンプ側送液量情報記憶部46」から取得し、流量25mL/hに該当するカム軸部31の回転数(rot)を演算し、2分間、カム軸部31を回転させる。
この動作は、
図8の「下流閉塞カム軸部回転処理部(プログラム)67」が実行する。
【0092】
次いで、ST29へ進む。ST29では、ST27で押下された「開始キー21」の押下時の「下流閉塞センサ9」(
図4参照)の値(即ち、
図5(c)におけるプランジャーPの移動量)を、
図7の「下流閉塞時情報記憶部53」に「下流閉塞時情報」として記憶する。
次いで、ST30へ進む。ST30では、輸液ポンプ1は、計時装置10を参照して、「開始キー21」が押下してから30秒が経過したか否かを判断し、30秒が経過すると、ST31へ進む。
【0093】
ST31では、開始キー21押下後30秒後の「下流閉塞センサ9」の値を「下流閉塞後30秒情報記憶部54」に「下流閉塞後30秒情報」として記憶する。
【0094】
次いで、ST32へ進む。ST32では、「下流閉塞時情報記憶部53」の「下流閉塞時情報」と、「下流閉塞後30秒情報記憶部54」の「下流閉塞後30秒情報」との差分情報を求め、この差分情報が、
図7の「下流閉鎖閾値情報記憶部55」内の「下流閉鎖閾値情報」の範囲内であるか否かを判断する。
【0095】
すなわち、閉塞時における「下流閉塞センサ9」の値は、未だ、送液チューブ120内に液体が残っている状態を示す値であるが、その30秒後では、液体が更に増加し「下流閉塞センサ9」の値は、より大きくなるはずである。
すなわち、「下流閉塞時情報」と「下流閉塞後30秒情報」との差分情報は、一定の幅以上を持った値となるはずであり、この値の幅情報が「上流閉鎖閾値情報」となる。
【0096】
ST32では、「差分情報」が「下流閉鎖閾値情報」の範囲内(差が大)であれば、「上流閉塞センサ9」が「送液チューブ120」の閉塞を検知していると判断する。
逆に「差分情報」が「上流閉鎖閾値情報」の範囲外であり、差が小さい場合は、「下流閉塞センサ9」が「送液チューブ120」の閉塞を検知していないと判断する。
この判断は、
図8の「下流閉塞値情報判断処理部(プログラム)68」が行う。
【0097】
ST32で、上述の「差分情報」が「下流閉鎖閾値情報」の範囲外と判断された場合は、ST33へ進む。
ST33では、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を
図7の「輸液ポンプ用チューブセット情報記憶部42」に記憶できない旨、輸液ポンプ側ディスプレイ3に表示され、終了する。
【0098】
このように、本実施の形態では、輸液ポンプ1の「上流閉塞センサ8」及び「下流閉塞センサ9」が、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」に対して正常に機能し、閉塞を検知する否かを予め検査する構成となっている。
【0099】
一方、ST32で、上述の「差分情報」が「上流閉鎖閾値情報」の範囲内と判断された場合は、ST33へ進む。
ST32で、当該輸液ポンプ1と「輸液ポンプ用チューブセット100」との適合を検査する工程が1回終了する。
【0100】
すなわち、ST34で、
図7の「輸液ポンプ側測定回数記憶部56」に「1」を付加する。具体的には、
図8の「輸液ポンプ側測定回数判断処理部(プログラム)69が実行する。
また、本実施の形態では、輸液ポンプ1を使用する上で、特に重要な上述の気泡検知検査(ST6乃至ST10)、吐出量検査(ST11乃至ST17)、閉塞検知検査(ST18乃至STST33)を行うことで、その安全性を確保する構成となっている。
【0101】
また、本実施の形態では、上述の検査等(ST6乃至ST33)を同じ識別記号の異なる「輸液ポンプ用チューブセット100」を使い全部で3回実施し、3回とも「登録不可」とならなかったか否かをST35で判断する。さらに、同じ識別記号の異なる「輸液ポンプ用チューブセット100」を使って、送液量と閉塞検出については、さらに1回追加の検査を行い、前3回の測定結果の平均値±30以内か否か検査される。
【0102】
ST35で、3回の検査及び追加の1回の検査を実施したと判断された場合は、ST36へ進む。ST36では、当該識別記号を有する「輸液ポンプ用チューブセット100」の識別記号を点滴量情報及び吐出量/回転数情報」等の平均値情報と関連付けて「輸液ポンプ用チューブセット情報記憶部42」に記憶される。
【0103】
次いで、ST37で、輸液ポンプ側ディスプレイ3に、「輸液ポンプ用チューブセット100」の登録が終了したことが表示される。
【0104】
この登録により、新たに当該「輸液ポンプ用チューブセット100」の識別記号が輸液ポンプ1に登録され、以後、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」は、当該輸液ポンプ1に適合したものとされる。
したがって、以後、使用者は、当該「輸液ポンプ用チューブセット100」を安心して、輸液ポンプ1に装着して使用することができる。
【0105】
一方、適合しなかった「輸液ポンプ用チューブセット100」についても、使用者はその事実を迅速に把握することができるので、不適合の「輸液ポンプ用チューブセット100」を使用し続けることがなく安全性が確保される。
また、この適合性の検査は、上述のように、使用に際し、安全上特に重要な項目(気泡検知検査(ST6乃至ST10)、送液量検査(ST11乃至ST17)、閉塞検知検査(ST18乃至STST33))について行うので、その結果の信頼性が著しく高い検査となる。
【0106】
さらに、装着しようとする安価な「輸液ポンプ用チューブセット100」が、輸液ポンプ1において使用される場合は、装着しようとする「輸液ポンプ用チューブセット100」が、「輸液ポンプ用チューブセット情報記憶部42」に未登録の場合が多く、その使用が躊躇される場合が多い。
しかし、本実施の形態では、このような未登録の「輸液ポンプ用チューブセット100」であっても、簡易且つ精度良く検査することで、事後、使用可能か否かを判断し、その結果を登録するので、使用者にとって使い易い輸液ポンプ1となる。
【0107】
(第2の実施の形態)
図15は、医療器検査装置を備える医療機器である例えば、シリンジポンプ200の外観を示す概略図であり、
図16は、
図15のシリンジポンプ200に装着する1回毎の使い捨て(ディスポーザル)である医療器である例えば、シリンジ300を示す概略図である。
【0108】
図16に示すように、シリンジ300は、例えば、薬液を収容するシリンジ本体310を有し、このシリンジ本体310内の薬液を患者に送液するための押し子320有している。
また、シリンジ本体310は、その先端に先端開口311を有していると共に、その基端部側(先端開口311の反対側)には、フランジ312が形成されている。
そして、
図16の押し子320をシリンジ本体310内に押し込むように移動することで、シリンジ本体310内に収容されている薬液等の液体が、先端開口311が排出される構成となっている。
【0109】
図15に示すシリンジポンプ200は、各種情報を表示するためのシリンジポンプ側ディスプレイ201を有すると共に、各種指示情報等を入力するためのシリンジポンプ側入力装置202を有している。
シリンジポンプ側入力装置202は、開始キー(開始スイッチ)の他に、電源ON/OFFスイッチ,輸液を強制停止するための停止消音スイッチ,設定であるジョグダイヤル,確定スイッチ等を含んでいる。
電源ON/OFFスイッチは、メイン電源の入/切に使用されるものであり、所定秒(およそ2秒以上)押し続けることで、電源オンとなり、再度所定秒(約3秒以上)押しつづけることで電源オフとなるように制御されており、不用意に電源オン、オフができないように配慮されている。
停止消音スイッチは、輸液中に警報状態となった場合、所定秒、例えば2秒程度押すことで内蔵のブザーが鳴り、輸液動作を強制停止する。この停止消音スイッチは警報音が鳴っているときに押すと消音させることができ、また輸液の準備が整い開始可能な状態から所定秒(約2秒以上)押圧し続けると、いわゆる「スタンバイモード」となり、開始忘れを注意するアラーム状態が解除される状態になるので、例えば手術室内において患者への刺針が完了した状態で待機するときに、輸液開始までの時間中にアラーム発生を行わないようにできるようにしている。
また、輸液ポンプ側ディスプレイ(輸液ポンプ側表示部)3は、設定された注入速度(流量 mL/h)のLED表示,注入予定量(mL)のLED表示,内蔵バッテリー使用中の残量を3段階レベルでのLED表示,送液チューブ120の閉塞異常が検出されて正常な輸液ができないときに「閉塞」の文字が点滅するようにして処置を促す閉塞異常表示等の各種表示を行なう。
また、シリンジポンプ200は、
図15に示すように、
図16に示すシリンジ300を装着することができる構成となっている。
【0110】
具体的には、シリンジポンプ200のシリンジ300を配置する部分には、シリンジ300のフランジ312を受容可能なスリット203が形成されている。
このため、
図16に示すシリンジ300を、そのフランジ312をシリンジポンプ200のスリット203に差し込むように配置することで、シリンジ300をシリンジポンプ200に対して位置決めすることができる構成となっている。
【0111】
また、シリンジポンプ200は、
図15の矢印X方向に移動可能なスライダ204を有している。そして、このスライダ204を、
図15に示すように、シリンジ300の押し子320に当接するように配置することで、このスライダ204によって押し子320をシリンジ本体310内に移動させることができる。
すなわち、シリンジポンプ200は、スライダ204を移動させることで、押し子320の移動を制御することができる構成となっている。
【0112】
したがって、医療従事者等の使用者が薬液をシリンジ本体310に入れ、押し子320と共に、シリンジ300を、
図15にシリンジポンプ200に配置し、シリンジ300の先端開口311に送液チューブ330(
図15参照)を装着し、送液チューブ330を患者側と接続させるように配置し、この状態で、シリンジポンプ200のスライダ204の移動を制御することで、所望の量の薬液を所望の速度で患者に投与することができる構成となっている。
すなわち、シリンジポンプ200は、1回毎に使い捨てのシリンジ300を用いて、そのシリンジ300に収容されている薬液を精度良く患者等に投与できる構成となっている。
【0113】
ところで、シリンジポンプ200の薬液の投与量の制御は、シリンジポンプ200が想定している範囲内の規格を有するシリンジ300であれば、適切に異常検知等を行える。
しかし、1回毎の使い捨てのシリンジ300を任意に、当該シリンジポンプ200に用いた場合は、その規格が合わず、シリンジポンプ300が適切に送液を行えない場合が想定しうる。
【0114】
そこで、予め、当該シリンジポンプ200に適合するシリンジ300の識別情報である識別記号等を、当該シリンジポンプ200に記憶させている。
したがって、使用者がシリンジポンプ200を使用するとき、そのシリンジポンプ側ディスプレイ201に、使用可能なシリンジ300の識別記号を表示させ、これから使用しようとするシリンジ300の識別記号が含まれている場合に限り、使用可能とすることが推奨されている。
【0115】
しかし、これでは、当該シリンジポンプ200に予め登録されている識別記号を有するシリンジ300でなければ使用できず、実際は使用可能でも、登録されていないために使用できないという問題が発生する。
特に、シリンジポンプ200に、安価なシリンジ300を用いるが、これらの識別記号等は登録されていない場合が多く、事実上、使用できない可能性がある。
【0116】
そこで、本実施の形態では、シリンジポンプ200に登録されていない識別記号等を有するシリンジ300を検査し、当該シリンジ300が当該シリンジポンプ200と適合しているか否かを検査し、適合している場合は、その識別記号等を当該シリンジポンプ200に記憶させ、以後、使用可能なシリンジ300としようとするものである。
【0117】
また、
図15に示すシリンジポンプ200は、コンピュータを有し、コンピュータは、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有し、これらは、バスを介して接続されている。
【0118】
図17は、
図15に示すシリンジポンプ200の主な構成を示す概略ブロック図である。
図17に示すように、シリンジポンプ200は、シリンジポンプ200全体の動作の制御・判断を司るシリンジポンプ制御部205を有している。
このシリンジポンプ制御部205は、上述のシリンジポンプ側ディスプレイ201及びシリンジポンプ側入力装置202を制御すると共に、
図16のシリンジ300の外径を計測するシリンジ外径計測装置206,
図15のスライダ204を矢印X方向に移動させるスライダ移動用モータ207、
図15のシリンジ300の押し子320のスライダ204により移動させられる距離を計測する押し子移動量測定装置208を制御する。シリンジポンプ制御部205は、シリンジポンプ200の全体の動作の判断、制御を司っている。
また、外部通信部214を備え、医療器検査モードで得られたシリンジ300の情報をホストコンピュータに有線(院内LAN等)または無線(赤外線等)で通信可能にでき、ホストコンピュータの記憶部(不図示)に記憶できるようになっている。
また、他のシリンジポンプ200で得られ、ホストコンピュータの記憶部に記憶されたシリンジ300の情報を、ホストコンピュータから、後述するシリンジポンプ各種情報記憶部220にダウンロードできるようになっている。
【0119】
また、シリンジポンプ制御部205は、シリンジ本体310内に押し子320が挿入されたときのシリンジ本体310内の圧力を計測する圧力センサ209も制御している。この圧力センサ209により、押し子320が挿入されるときのシリンジ本体310内の閉塞圧を計測でき、この閉塞圧から押し子320の摺動抵抗の情報を取得することができる。
【0120】
また、シリンジポンプ制御部205は、この他、シリンジポンプ200に関する各種データを記憶するシリンジポンプ各種情報記憶部220や、各種処理部(プログラム)も制御するが、これらについては、後述する。
図18は、
図17のシリンジポンプ各種情報記憶部220の主な構成を示す概略ブロック図である。
【0121】
図19乃至
図21は、本実施の形態に係るシリンジポンプ200の動作例を示す概略フローチャートである。以下、
図19等の概略フローチャートに従い、その動作等を説明しつつ同時に
図15乃至
図18の構成等についても説明する。
【0122】
先ず、医療従事者等の使用者が、
図15のシリンジポンプ200に、1回毎に使い捨ての
図16に示すシリンジ300を使用しようとする場合は、先ず、当該使用しようとするシリンジ300の識別情報である例えば、識別記号と、そのサイズ情報、例えば、「2.5mL、5mL、10mL、20mL、30mL、50mL」を
図19のST100でシリンジポンプ200のシリンジポンプ側入力装置202を介して入力する。
【0123】
ST100で、入力されたシリンジ300の識別記号と、そのサイズ情報は、
図18の「シリンジポンプ側入力情報記憶部221」に記憶される。
次いで、ST101へ進む。ST101では、ST100で入力されたサイズの識別記号を有するシリンジ300が既に記憶されているか否かを判断する。
すなわち、当該シリンジ300が、既に、当該シリンジポンプ200に適合するものとして記憶されているか否かを判断する。
【0124】
具体的には、
図18の「シリンジ情報記憶部222」を参照して判断する。この「シリンジ情報記憶部222」には、当該シリンジポンプ200に使用可能なシリンジ300の識別記号情報が、「サイズ情報」と関連付けて記憶されている。
【0125】
ST101で、既に記憶済みと判断された場合は、ST102へ進む。ST102では、当該サイズのシリンジ300の登録を変更(上書き)する意思があるか否かの確認画面を
図15のシリンジポンプ側ディスプレイ201に表示する。
【0126】
次いで、ST103で変更する意思があるか否か判断する。具体的には、使用者が
図15のシリンジポンプ側入力装置202を操作して、登録を上書きするか否かの指示情報を入力する。
【0127】
ST103で、登録を上書きするとの指示情報が入力された場合や、ST101で入力されたシリンジ300の識別記号が「シリンジ情報記憶部222」に登録されていない場合は、医療器検査モードST104へ進む。
ST104以下では、当該シリンジ300が、当該シリンジポンプ200に適合するか否かの検査工程が開始される。
【0128】
具体的には、ST104では、
図15のシリンジポンプ側ディスプレイ201に「登録を希望する「シリンジ」を装着してください」というメッセージが表示される。
【0129】
この表示を見た使用者が、当該シリンジ300をシリンジポンプ200に装着する。具体的には、
図15に示すように、
図16のシリンジ300のシリンジ本体310のフランジ312が、シリンジポンプ300のスリット203内に挿入するように、シリンジ300をシリンジポンプ200に配置し、その後、
図15に示すように、シリンジポンプ200のスライダ204を、シリンジ300の押し子320に当接させる。
このときのシリンジ300のシリンジ本体310内には、当該シリンジ300のサイズ(2.5mL等)に対応する液体が収容されている。
【0130】
次いで、ST104に進む。ST104では、シリンジポンプ200のスイッチがON状態となり、シリンジポンプ200に装着された「シリンジ300」の外径を
図7のシリンジ外径計測装置206が計測し、
図18の「シリンジ外径情報記憶部223」に記憶する。
【0131】
次いで、ST106へ進む。ST106では、
図18の「スライダ移動用モータ回転速度及び駆動時間情報記憶部224」の「モータ回転速度情報」及び「駆動時間情報」に基づいて、「スライダ移動用モータ207」が駆動される。
【0132】
ここで、「スライダ移動用モータ回転速度及び駆動時間情報記憶部224」には、例えば、シリンジ300のサイズによって異なる「モータ回転速度情報」及び「駆動時間情報」が予め設定されている。
例えば、シリンジ300のサイズが「2.5mL」の場合は、流量が「4mL/h」になるような「モータ回転速度情報」が記憶されていると共に、その「駆動時間」が「30分」であることが記憶されている。
【0133】
したがって、スライダ移動用モータ207は、かかる情報に基づき駆動され、この駆動により、
図15のスライダ204がシリンジ本体310側に向かって移動し、このスライダ204の移動により、シリンジ300の押し子320が、シリンジ本体310内に挿入する方向に移動する。
【0134】
すなわち、
図15のシリンジ本体310内の液体を先端開口311から突出させるように、押し子320が移動する。
このスライダ駆動用モータ207の動作は、
図17の「スライダ移動用モータ駆動処理部(プログラム)210」が実行する。
【0135】
<摺動抵抗(閉塞検出)についてのシリンジの適合性の検査モード>
この押し子320の移動で、シリンジ本体310内の圧力(閉塞圧)が高まり、押し子320には摺動抵抗が加わることになる。
そこで、本実施の形態では、圧力センサ209が、この閉塞圧を計測し、摺動抵抗値を取得する。
この圧力センサ209の閉塞圧から摺動抵抗値を得る動作は、
図17の「摺動抵抗判断処理部(プログラム)211」が実行する。
【0136】
得られた摺動抵抗値は、
図18の「摺動抵抗値閾値情報記憶部225」の「摺動抵抗値閾値情報」の範囲内か否かが判断される。
すなわち、「摺動抵抗値」はシリンジ本体310内を移動する押し子320に加わる抵抗値であり、この摺動抵抗値が高いと、押し子320が移動し難い、すなわち、シリンジ300が閉塞状態であることが分かる。
【0137】
そこで、本実施の形態では、「摺動抵抗値閾値情報」として、閉塞状態ではない摺動抵抗値の範囲を「摺動抵抗値閾値情報」として、予め、記憶させている。
したがって、ST107で、スライダ204によって押し子320を移動させた際の「摺動抵抗値」を「摺動抵抗値閾値情報」と比べることで、当該シリンジ300が閉塞状態であるか否かの判断をすることができる。
【0138】
ST107で、摺動抵抗値情報が「摺動抵抗閾値情報」の範囲内でない、すなわち、閉塞状態であると判断された場合は、ST108へ進む。
ST108では、当該シリンジ300を
図18の「シリンジ情報記憶部222」に記憶できない旨、シリンジポンプ側ディスプレイ201に表示され、終了する。
【0139】
このように本実施の形態では、閉塞状態が発生するシリンジ300は、登録を拒絶することで、使用不可とし、安全な使用を確保する構成となっている。
【0140】
一方、ST107で、摺動抵抗値情報が「摺動抵抗閾値情報」の範囲内である場合は、閉塞状態が生じることがないとして、ST109へ進む。
ST109では、「摺動抵抗値情報」を
図18の「摺動抵抗値情報記憶部226」に記憶する。
【0141】
<送液量ついてのシリンジの適合性の検査モード>
上述のように、シリンジ本体310内に液体を収容した状態で、押し子320をシリンジ本体310内に押し込むと、その液体は、シリンジ300の先端開口311から、送液チューブ330を介して外部に排出される。
ここで、使用者は、この排出された液体を
図14に示すメスシリンダー13等内に溜めて、送液量を測定する。
【0142】
ST110では、シリンジポンプ側ディスプレイ201に「送液量(mL)を入力してください」というメッセージが表示される。
このメッセージを見た使用者は、メスシリンダー13で計測した送液量を、シリンジポンプ20に入力する。
【0143】
ST111では、送液量(mL)の入力があったか否かを判断し、入力があった場合は、ST112に進む。
【0144】
ST112では、ST111で入力された「送液量(mL)」の情報を
図18の「シリンジ側送液量情報記憶部227」に記憶する。
【0145】
次いで、ST113へ進む。ST113では、
図18の「スライダ移動用モータ回転速度及び駆動時間情報記憶部224」の「モータ回転数」と、「シリンジ側送液量情報記憶部227」の「送液量情報」から「シリンジ断面積情報」を演算し、「シリンジ断面積情報記憶部228」で記憶する。
【0146】
具体的には、「モータ移動量(mm)=モータ1回当たりの移動量(mm)×モータ回転数(rot)」で、「シリンジ断面積(mm
2)=送液量(mL)÷モータ移動量(mm)」なので、「シリンジ断面積(mm
2)」から当該シリンジの吐出量(モータ移動量(mm)に対応する送液量(mL)が分かるので、本実施の形態では、吐出量が適切か否かに判断では「シリンジ断面積」を基準に判断している。
【0147】
なお、ST113の動作は、
図17の「シリンジ断面積情報生成処理部(プログラム)212が実行する。
【0148】
次いで、ST114では、シリンジ断面積情報がシリンジ断面積閾値情報の範囲内か否かが判断される。
すなわち、
図18の「シリンジ断面積閾値情報記憶部229」には、シリンジ300の適切な吐出量に対応した「シリンジ断面積」の閾値情報が記憶されている。
したがって、ST114では、ST113で演算した「シリンジ断面積情報」が「シリンジ断面積閾値情報」の範囲内か否かを判断することで、当該シリンジ300の液体の吐出量が適切か否かを判断することになる。
【0149】
ST114で、「シリンジ断面積情報」が「シリンジ断面積閾値情報」の範囲内でない場合は、当該シリンジ300を当該シリンジポンプ200に装着しても、薬液の吐出量を精度良く制御できないと判断して、ST115へ進む。
【0150】
ST115では、当該シリンジ300を
図18の「シリンジ情報記憶部222」に記憶できない旨、シリンジポンプ側ディスプレイ201に表示され、終了する。
【0151】
一方、ST114で、「シリンジ断面積情報」が「シリンジ断面積閾値情報」の範囲内であると判断された場合は、当該シリンジ300内の液体を当該シリンジポンプ200が精度良く制御できると判断され、ST116へ進む。
【0152】
ST116では、シリンジポンプ側ディスプレイ201に、「シリンジ目盛りを「0」にして再度、シリンジをセットしてください」と表示される。
【0153】
この表示を見た使用者が、
図15のシリンジ300をシリンジポンプ200から一旦外し、押し子320を元の位置に戻し目盛り「0」にセットして、再び、シリンジ300をシリンジポンプ200に装着する。
【0154】
ST117では、シリンジポンプ200は、シリンジ300が装着されたか否かを判断し、装着されたと判断したときは、ST118へ進む。
ST118では、「スライダ移動用モータ207」によって、「押し子320」が「シリンジ本体310」に挿入方向に移動し、押し切り位置まで移動する。そして、その押し切り位置情報を
図17の「押し子移動量測定装置208」で測定し、「押し子押し切り位置情報記憶部230」に記憶する。
【0155】
ST118で、当該シリンジポンプ200とシリンジ300との適合を検査する工程が1回終了する。
すなわち、ST119で、
図18の「シリンジポンプ側測定回数記憶部231」に「1」を付加する。具体的には、
図17の「シリンジポンプ側測定回数判断処理部(プログラム)213が実行する。
【0156】
このように、本実施の形態では、シリンジポンプ200を使用する上で、特に重要な上述の閉塞検知(摺動抵抗値)(ST106乃至ST109)、吐出量検査(シリンジ断面積)(ST110乃至ST115)を行うことで、その安全性を確保する構成となっている。
【0157】
また、本実施の形態では、上述の検査等(ST105乃至ST118)を同じ識別記号の異なるシリンジ300を使い全部で所定回数、例えば3回実施し、3回とも「登録不可」とならなかったか否かをST120で判断する。さらに、同じ識別記号の異なる「シリンジ300」を使って、摺動抵抗(閉塞検出)と送液量については、さらに1回追加の検査を行い、前3回の測定結果の平均値±30以内か否か検査される。
【0158】
ST120で、3回の検査及び追加の1回の検査を実施したと判断された場合は、ST121へ進む。ST121では、当該識別記号を有するシリンジ300の識別記号を点滴量情報及び吐出量/回転数情報」等の平均値情報と関連付けて「シリンジ情報記憶部222」に記憶する。
【0159】
次いで、ST122で、シリンジポンプ側ディスプレイ201に、シリンジ300の登録が終了したことが表示される。
【0160】
この登録により、新たに当該シリンジ300の識別記号が輸液ポンプ1に登録され、以後、当該シリンジ300は、当該シリンジポンプ200に適合したものとされる。
したがって、以後、使用者は、当該シリンジ200を安心して、輸液ポンプ1に装着して使用することができる。
【0161】
一方、適合しなかったシリンジ300についても、使用者はその事実を迅速に把握することができるので、不適合のシリンジ300を使用し続けることがなく、安全性が確保される。
また、この適合性の検査は、上述のように、使用に際し、安全上特に重要な項目(閉塞検知(摺動抵抗値)(ST106乃至ST109)、送液量検査(シリンジ断面積)(ST110乃至ST115))について行うので、その結果の信頼性が著しく高い検査となる。
【0162】
さらに、シリンジポンプ200を外国において使用する場合は、装着しようとする「シリンジ300」が、
図18の「シリンジ情報記憶部222」に未登録の場合が多く、その使用が躊躇される場合が多い。
しかし、本実施の形態では、このような未登録の「シリンジ300」であっても、簡易且つ精度良く検査することで、事後、使用可能か否かを判断し、その結果を登録するので、使用者にとって使い易いシリンジポンプ200となる。