特許第5955594号(P5955594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955594
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20160707BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160707BHJP
【FI】
   F21S2/00 224
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-59211(P2012-59211)
(22)【出願日】2012年3月15日
(65)【公開番号】特開2013-196775(P2013-196775A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡田 英隆
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−049405(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3125101(JP,U)
【文献】 特開平04−087636(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0133578(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導性を有する基台と、該基台上に設けた光源と、該基台の前記光源を設けた側において前記光源から水平方向に離れる方向に間隔をおいて複数配置された放熱フィンと、を有しており、
前記放熱フィンは、前記基台から離れる方向へ伸びる板状であり、その前記基台から離れた側の先端に前記光源からの光を照射方向へ向けて反射するよう傾斜した反射面が形成されており、前記放熱フィンの根元近傍において隣り合う前記放熱フィンとの間の空間と、照射方向前方の空間とが連通しており、
前記光源側の放熱フィンとその外側とで隣り合う放熱フィンに形成された夫々の反射面は、前記光源側に位置する前記反射面の上縁と、その外側に位置する前記反射面の下縁とを結んだ仮想直線の上下方向における傾斜角度が、前記光源から出射して、前記外側に位置する反射面の下縁に入射する光の上下方向における入射角度と同じであることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記各放熱フィンが、前記光源を囲む環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記基台に、水平方向熱拡散手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱構造を有し、主に上方へ光を照射するための照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年照明装置の光源として注目されるLEDやLD等の半導体発光素子はますます高輝度、高出力化されるとともに、発光時に発生する熱が増大している。そのため従来から、半導体発光素子から発せられた熱を外部に放熱するための放熱部材として、複数のフィンを設けて表面積を増大させた照明装置が知られている。例えば、特許文献1には、照明装置において発光素子の発光時に発せられた熱が高熱伝導部材を含む支柱を伝わって逃がされて、リフレクタの後方において支柱に取付けられた放熱フィンから放熱されることについて記載されている。
【0003】
一方で、光源からの熱を放熱するための放熱部材を設けること、あるいは放熱部材を大型化することで、小型の光源であるLED等の半導体発光素子を用いながらも、照明装置全体が大形化してしまうという問題がある。このため、特にLED等の半導体発光素子を光源とする照明装置においては、半導体発光素子の熱を効率よく放熱させて発光効率の低下が防止されるとともに、小型化された照明装置の実現が重要課題となっている。
【0004】
このような課題に対して、例えば、特許文献2においては、放熱するためのスペースを別途確保しなくとも、光源から発せられた熱を好適に放出するために、リフレクタの光反射面に複数の凹部又は凸部を形成して、該光反射面の表面積を広く確保することについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−206947号公報
【特許文献2】特開2006−202612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2においては、図6に示すように、複数の凹部又は凸部300がリフレクタ400の内面(光源200からの光を上方へ反射する光反射面)に形成されているため、リフレクタ400の表面積を増やすために凹部又は凸部300の大きさ(高さ)を大きくするほど、凹部又は凸部300が照明装置100の配光に及ぼす影響も大きくなる。一般的に照明装置の反射面は高精度の配光設計が必要とされることから、特許文献2の構成において、配光に悪影響を及ぼさないように、放熱に十分な程度に表面積を確保する(凹部又は凸部300を大きくする)ことは非常に難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、照明装置を大型化することなく、また照明装置の配光に悪影響を及ぼすことなく、放熱性能を高めた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、熱伝導性を有する基台と、該基台上に設けた光源と、該基台の前記光源を設けた側において前記光源から水平方向に離れる方向に間隔をおいて複数配置された放熱フィンと、を有しており、前記放熱フィンは、前記基台から離れる方向へ伸びる板状であり、その前記基台から離れた側の先端に前記光源からの光を照射方向へ向けて反射するよう傾斜した反射面が形成されており、前記放熱フィンの根元近傍において隣り合う前記放熱フィンとの間の空間と、照射方向前方の空間とが連通しており、前記光源側の放熱フィンとその外側とで隣り合う放熱フィンに形成された夫々の反射面は、前記光源側に位置する前記反射面の上縁と、その外側に位置する前記反射面の下縁とを結んだ仮想直線の上下方向における傾斜角度が、前記光源から出射して、前記外側に位置する反射面の下縁に入射する光の上下方向における入射角度と同じであることを特徴とするものである。
【0009】
上記のように構成することで、前記光源から発せられた熱は、前記基台を介して複数の前記放熱フィンへ伝導し、前記放熱フィンから前記照明装置上方の空間へ放出される。また、熱(暖かい空気)は上方へと対流していくことから、本発明は放熱フィンが上方に延びていることにより、効率よく放熱することができる。また、前記光源から出射された光は、前記放熱フィンの先端に形成された前記反射面に入射し、反射されて上方へ照射される。このように、放熱フィン自体が光反射機能を兼ねることができるため、リフレクタ等の光学部品の点数を削減することができる。また、上記のように構成することで、前記光源から水平方向へ出射した光は光量をロスすることなく前記反射面に入射し、上方へ向けて反射される。詳細には、隣り合う前記反射面の間(非有効反射領域)に光源からの光が入射することによる光量の損失が防がれるため、照明装置としての光利用効率を低下させることなく放熱性を向上させることができる。
【0010】
また、本発明は、前記各放熱フィンが、前記光源を囲む環状に形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
上記のように構成することで、前記光源から水平方向へ出射した光は光量をロスすることなく前記反射面に入射し、上方へ向けて反射される。詳細には、隣り合う前記反射面の間(非有効反射領域)に光源からの光が入射することによる光量の損失が防がれるため、署名装置としての光利用効率を低下させることなく放熱性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明は、前記基台に、水平方向熱拡散手段が設けられていることを特徴とすることを特徴とするものである。
【0015】
上記のように構成することで、前記光源から発せられた熱は、前記基台に設けられた前記水平方向熱拡散手段によって、効率的に水平方向へ向けて放射状に拡散されるため、基台を介してより効率良く熱を前記放熱フィンへ伝導させることができ、さらに放熱性能を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、照明装置の配光に影響を及ぼすことなく、光源から発せられた熱を効率よく外空間に放熱することができるとともに、照明装置を小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第一の実施形態である照明装置を示した側部断面図である。
図2図1の照明装置における基台および放熱フィンを示す図である。
図3図1の照明装置における反射面の説明図である。
図4】第二の実施形態である照明装置を示した側部断面図である。
図5】第三の実施形態である照明装置を示した側部断面図である。
図6】従来の照明装置を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
まず、本発明の第一の実施形態について、図1および図2図3を参照して説明する。図1は第一の実施形態である照明装置を示した側部断面図である。また、図2図1における基台および放熱フィンを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は上面視図である。尚、図1図2(B)に示すA−A´線における断面図である。図3図1の照明装置における反射面の説明図であり、(A)は仮想線L2の説明図、(B)は光線Lの説明図である。
【0019】
図1に示されるように、第一の実施形態における照明装置1は、基台4と、該基台4上に設けられた基板3と、基板3上に実装された発光素子2と、該基台4上において前記発光素子2を囲むように複数配置された放熱フィン5とで構成されている。
【0020】
光源である発光素子2は、その光軸Axが上方(照明装置1の照射方向)へ向くように基板3上に実装されている。基板3は例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の高い部材により形成されている。尚、発光素子2は基台4上に直接実装されていてもよい。発光素子2には例えばLEDなどの点状光源を用いる。
【0021】
基台4は、基板3または発光素子2の下に配設されており、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の高い部材により形成されている。基台4は、発光素子2から発せられた熱を放熱フィン5に伝導する機能を有する。基台4は上方に開口する椀状に形成されているが、平板状に形成してもよい。
【0022】
図2に示されるように、放熱フィン5は、基台4上に上方へ向けて複数突設されており、それぞれ上方に伸びる筒状に形成されている。各放熱フィン5は発光素子2から水平方向に離れる方向に所定の間隔を有して配置した板状部材であり互いに平行に伸びている。また各放熱フィン5は、発光素子2からの距離が遠くなるにしたがって、各放熱フィン5の先端の位置が徐々に高くなるように、形成されている。また、放熱フィン5は、熱伝導性を有する金属、例えばアルミニウム等の部材で形成されており、基台4と一体に形成されていることが好ましい。
【0023】
また、放熱フィン5の基台4と反対側の先端は、発光素子2側が下になるように内側に傾斜する傾斜面に形成されている。この傾斜面は、発光素子2から出射した光を直接反射可能な角度とした反射面51として形成されている。該反射面51は各放熱フィン5の先端に個別に形成された傾斜面に、アルミ蒸着や研磨等の高反射表面処理を施すことで形成されている。
【0024】
各反射面51は、それぞれ発光素子2を焦点とする放物面系反射面である。そのため、発光素子2から受けた光を上方へ平行光として反射する。
【0025】
また、図1に示すように、各放熱フィン5の根元近傍において隣り合う各放熱フィン5の間の空間Cと、照明装置1の上側の空間Dとは連通している。このように構成することで、各放熱フィン5の表面積を最大限確保できるとともに、下方から上方へ対流による放熱性が向上する。
【0026】
発光素子2から発せられた熱は、基板3から基台4を介して各放熱フィン5へ伝導され、放熱フィン5から照明装置1の上方の空気中に効率よく放熱される。
【0027】
また、図1に示すように、発光素子2から出射された光のうち放熱フィン5の方向へ向けて出射された光は、反射面51に入射し、反射面51によって上方(照明装置1の照射方向)へ向けてそれぞれ反射される。
【0028】
また、図3を参照して、反射面51の好適な構成について説明する。発光素子2の周囲を取り囲む最も内側の第1放熱フィン5aと該第1放熱フィン5aの隣の第2放熱フィン5bの先端に形成された各反射面51、即ち、反射面51aと反射面51bとの関係において、図3の(A)に二点鎖線にて示す反射面51aの上縁と反射面51bの下縁とを結ぶ仮想線L2の側面視における傾斜角度と、図3の(B)にて破線で示す発光素子2から前記外側反射面51bの下縁に入射する光線Lの上下方向(側面視)における傾斜角度とが、同じ角度となるように各反射面51が構成されている。また、第2放熱フィン5bの外側の隣の第3放熱フィン5cも、第2放熱フィン5bと同様に反射面が構成されている
【0029】
そのため、発光素子2から出射されて放熱フィン5に向かう光のうち、複数の放熱フィン5の方向へ向かう殆どの光は、各反射面51に入射して照射方向(上方)へ向けて反射される。よって、各反射面51(各放熱フィン5)の間の非有効反射領域には殆ど光が入射しない。そのため、本構成としたことによって、照明装置1の光利用効率は殆ど低下しない。
【0030】
尚、放熱フィン5の先端のうち反射面51でない部分に平面部52を有しているが、これは傾斜面である反射面51を形成することで放熱フィン5の先端が鋭角になって欠けやすくなることを避けるために残してある肉厚部分の先端面である。
【0031】
次に、本発明の第二の実施形態について、図4を参照して説明する。図4は第二の実施形態である照明装置を示した側部断面図である。
【0032】
第二の実施形態における照明装置1は、図4に示されるように、基台4と、該基台4上に設けられた基板3と、該基板3上に実装された発光素子2と、基台4上において前記発光素子2を囲むように複数配置された放熱フィン5と、基台4に設けられたヒートパイプ7とから構成されている。
【0033】
基板3、発光素子2、放熱フィン5については第一の実施形態と同様の構成であるが、第一の実施形態とは、基台4にヒートパイプ7が設けられている点で異なる。
【0034】
ヒートパイプ7は、基台4内における発光素子2の下方から放熱フィンの下方に亘って配置されており、発光素子2から発せられて基板3および基台4を介してヒートパイプ7に伝えられた熱を水平方向に向けて放射状に拡散させる。熱伝導の経路は図3に示す矢印のとおりである。これにより、放熱フィン5への熱伝導率が格段に向上されるため、照明装置1の放熱性能をより高めることができる。尚、ヒートパイプ7は、基台4の上面または下面に取り付けられていてもよい。
【0035】
第三の実施形態について、図5を参照して説明する。図5は第三の実施形態である照明装置を示した側部断面図である。
【0036】
第二の実施形においては、水平方向に熱を拡散させる手段として、ヒートパイプ7を用いたが、該ヒートパイプ7の代わりに、図5に示すように、基台4における発光素子2の下方に、発光素子5の光軸Ax方向(上方向)に回転軸を有するファン8を配置する。ファン8を回転させることで、ファン8は発光素子2から基板3を介して基台4に伝えられた熱(空気)を上方から吸い込み、水平方向に向けて放射状に拡散させるよう放出することで放熱フィン5への熱伝導率を向上させる。
【0037】
なお、第二、第三の実施形態においても、第一の実施形態と同様に発光素子2が基台4上に直接実装されていてもよい。
【0038】
また、第一から第三の実施形態においては、発光素子2から出射された光を直射光または放物面系の反射面51による1回反射で上方へ平行光として照射する光学系を例に説明したが、例えば、発光素子2上に他のリフレクタや光学レンズを付加する、反射面51を他の光学反射面とする等、用途に合わせた光学制御を行ってもよい。
【0039】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合せて種々の発明を構成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよく、更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の照明装置は、屋外用照明、屋内用照明、車両用照明などに好適に用いることができる。特には、スポットライト照明、ビームライト照明、ライトアップ照明等のスポット的な照射の用途がある照明装置に用いる。
【符号の説明】
【0041】
1 照明装置
2 発光素子
3 基板
4 基台
5 放熱フィン
5a 第1放熱フィン
5b 第2放熱フィン
5c 第3放熱フィン
51 反射面
51a 反射面
51b 反射面
52 平面部
7 ヒートパイプ
8 ファン
Ax 光軸
C、D 空間
L 光線
L2 仮想線
100 照明装置
200 光源
300 凹部、凸部
400 リフレクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6