(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。また、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者などによりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれる。
【0033】
本発明は、封入物や封筒用紙に対して所望の印刷処理を施す前段の印刷装置と、印刷済みの封筒用紙及び封入物に折り加工を施した後に封筒に封入物を封入し、封筒の所定箇所に予め転写された再湿糊部分に水塗布処理を施して活性化させた状態でフラップ部を接着させて封緘処理を行う後段の封入封緘装置とで構成された所望の封書作製を行うシステムである。
【0034】
なお、以下の説明では、封筒用紙及び封入物に印刷を行う印刷部となる画像形成装置としてインクジェット記録装置を用いた例で説明するが、例えば孔版印刷装置、複写機、レーザプリンタ等の種々の画像形成装置を用いてもよい。
【0035】
また、排出部における封書の接着保持時間を規定する際の条件温度となる「活性化条件温度」として、本形態では温度検出部で検出した装置内部の環境温度を用いた例で説明するが、活性化条件温度としては、例えば再湿糊に塗布される水の水温、装置外の環境温度等の水が塗布された再湿糊の活性化に起因する装置内外の各種温度を用いることができる。
【0036】
[システム概要]
まず、本発明に係る封入封緘システム1の概略構成について説明する。本例の封入封緘システム1は、印刷装置10と、封入封緘装置20とで構成されている。
【0037】
<印刷装置について>
図1に示すように、印刷装置10は、封筒及び内容物となる用紙を印刷して排出する装置であり、各部を収納する筐体の内部又は側面等に、複数種類の用紙(内容物となる枚葉状の用紙や封筒用紙)を収納可能な複数の給紙トレイ(P1〜P4)と、導入路11からの用紙を搬送するループ状の搬送路12、所定の搬送手段で印刷対象となる各種用紙を搬送しながらシアン(C)、ブラック(K)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッドC、K、M、Yからなる印字手段で所望の印刷を施す印刷部13と、用紙を封入封緘装置20に排出する第1の排出路14と、用紙をループ外に排出する第2の排出路15と、搬送路12を搬送されてきた用紙を受け入れた後に逆行させて搬送路12に戻して用紙の上下を反転させるスイッチバック路16と、を備えている。
【0038】
<封入封緘装置について>
図1に示すように、封入封緘装置20は、封入物となる用紙を搬送しながら必要に応じて所定の折り加工を施す封入物折り部21と、封筒となる封筒用紙を搬送しながら所定の折り加工を施す封筒用紙折り部22と、搬送に伴って封筒用紙で封入物を包み込むように封入する封入部23と、封入物を封入した封筒に予め転写された再湿糊部分に水を塗布する水塗布処理部24と、搬送に伴って水塗布後の封筒を封緘する封緘部25と、封緘処理された封書を排出台27へと排出する排出部26と、装置内部の所定箇所に設置され、封書作製ジョブ実行時における活性化条件温度を検出するサーミスタ等の周知の温度検出センサで構成される温度検出部28と、を備えている。本形態では、封筒用紙及び封入物となる印刷済み用紙が、封入物折り部21又は封筒用紙折り部22、封入部23、水塗布処理部24、封緘部25の順で所定処理されることで封書の作製を行う封入封緘部29として機能する。
【0039】
また、排出部26の構成としては、
図1に示すように、複数の搬送ローラに掛け回された無端状の2つの搬送ベルトを対象となる搬送路全域に対向配置して構成している。排出部26は、各搬送ベルトからの所定の押圧力により封緘部25から搬送される封書の両面を挟持しながら排出方向へ排出搬送し、封緘部25による封緘処理に加えてさらに補助的な封緘処理を行う、所謂、「補助封緘処理」を行うことで、封書に対する確実な封緘処理を行っている。
【0040】
そして、封書作製システム1では、ユーザによって封書作製ジョブが設定されると、印刷装置10において1枚の封筒用紙及びジョブ内容で規定された枚数の封入物の印刷処理が行われると、封書を構成するセット毎に所定間隔で封入封緘装置20へと搬送する。封入封緘装置20では、同一経路若しくは別経路で搬入し、それぞれ異なる搬送経路で搬送しながら、封入物折り部21において所定の折り加工を施すとともに、封筒用紙折り部22において封筒の形態となるように必要に応じて折り加工を施す。さらに、封入部23において最終的に両者を合流させ、封入物を封筒用紙で包み込むように封入し、水塗布処理部24で封筒用紙の所定箇所に転写された再湿糊に水を塗布して活性化させる。その後、封緘部25で活性化させた再湿糊部分に封筒のフラップ部を接着させ、封緘処理をして排出部26から作製した封書を排出台27に排出する。
【0041】
また、封書作製システム1は、印刷装置10及び封入封緘装置20を構成する各部の駆動制御情報を記憶する統括記憶部2と、印刷装置10及び封入封緘装置20を構成する各部を駆動制御するための統括制御部3と、を備えている。
【0042】
[システム構成]
次に、本例の封書作製システム1のシステム構成について説明する。
本例の封書作製システム1は、作製した封書の封緘不良を防止するためのシステム構成として、検出した活性化条件温度によって封入封緘装置20における排出部26の間欠駆動の制御や印刷装置10における印刷部13の搬送タイミング等を調整制御する形態(第1形態)と、検出した活性化条件温度によって封入封緘装置20における排出部26の搬送速度や印刷装置10における印刷部13の搬送速度や搬送タイミング等を調整制御する形態(第2形態)とがある。
【0043】
なお、以下の説明において、封書作製システム1を構成する印刷装置10及び封入封緘装置20における通常の駆動制御内容(例えば、印刷装置10における印刷処理に関する駆動制御や両面印刷処理に関する駆動制御等、封入封緘装置20における折り加工に関する駆動制御や水塗布処理部24に関する駆動制御等)については周知の技術であるため、その説明を省略し、各形態の特長となるシステム構成及び処理動作についてのみ説明する。
【0044】
また、各形態において、印刷対象となる封筒用紙及び封入物となる印刷用紙の搬送方向に沿った用紙長さ(長辺)を「搬送方向長さ」とし、この搬送方向長さと直交する用紙長さ(短辺)を「用紙幅長さ」とし、作製された封書の搬送方向に沿った封書長さ(短辺)を「封書搬送方向長さ」としてそれぞれ定義する。
【0045】
<第1形態のシステム構成>
図2に示すように、第1形態における封書作製システムでは、印刷装置10を駆動制御するシステム構成として、印刷装置10を構成する各部の駆動制御を行うのに必要な駆動制御情報等を記憶する印刷側記憶部30と、印刷装置10を構成する各部の駆動制御を行うための印刷側制御部40と、を備えている。また、封入封緘装置20を駆動制御するシステム構成として、封入封緘装置20を構成する各部の駆動制御を行うのに必要な各種駆動制御情報を記憶する封入封緘側記憶部50と、封入封緘装置20を構成する各部の駆動制御を行うための封入封緘側制御部60と、を備えている。
【0046】
(印刷装置のシステム構成)
図2に示すように、印刷装置10のシステム構成として、印刷側記憶部30と、印刷側制御部40と、を備えている。
【0047】
印刷側記憶部30は、印刷装置10を構成する各部の駆動制御情報の他、印刷装置10の固有情報である印刷装置基本情報と、ユーザが任意に設定した封書作製ジョブ情報とを記憶する。
【0048】
印刷装置基本情報は、
図3又は
図4に示すように、印刷部13における印刷物の搬送速度を示す印刷部搬送速度V
1 と、各封入物間のギャップを示す封入物間ギャップG
1 と、封入封緘装置20で封書を構成する封筒用紙及び所定枚数の封入物とを1セットとした各セット間のギャップを示す印刷セット間基本ギャップG
2 とを含み、印刷装置10の装置仕様に応じて規定される装置固有の印刷条件である。なお、印刷装置基本情報は、装置仕様に応じて適宜設定される。
【0049】
また、封書作製ジョブ情報は、
図3又は
図4に示すように、封入物となる印刷用紙の搬送方向長さを示す封入物搬送長さL
2 と、印刷される封筒用紙の搬送方向長さを示す封筒用紙搬送方向長さL
3 と、封入物の封入枚数を示す封入物枚数Nと、作製後の封書の搬送方向長さを示す封書搬送方向長さL
4 とを含み、作製される封書の作製部数や作製内容に応じて規定されるジョブ固有の封書作製条件である。
【0050】
印刷側制御部40は、ユーザによって任意の封書作製ジョブ情報が設定されると、このジョブ情報に従って封筒用紙及び印刷用紙に所定の印刷処理を施すための印刷処理制御を行っている。
【0051】
また、印刷側制御部40は、封入封緘側制御部60から基本駆動制御情報を入力すると、印刷側記憶部30に記憶される印刷装置基本情報に従って所定の印刷処理制御を実行する。
【0052】
さらに、印刷側制御部40は、封入封緘側制御部60からギャップ制御情報(通常ギャップ制御情報、ギャップ調整制御情報)を入力すると、この情報に従った印刷セット間ギャップとなるように印刷部13の搬送速度や用紙搬送タイミング等を調整制御する。
【0053】
印刷セット間のギャップ制御としては、
図3に示すように、例えば封筒用紙1枚、封入物となる印刷用紙3枚を1セットとした封書作製時において、印刷セット間ギャップの調整が不要な場合は、比較処理部63からの通常ギャップ制御情報に従って、印刷セット間ギャップが予め設定された印刷セット間ギャップG
2 となるように印刷部13を調整制御した後に、印刷処理を行っている。
【0054】
また、
図4に示すように、例えば封筒用紙1枚、封入物となる印刷用紙1枚を1セットとして封書作製時において、印刷セット間ギャップの調整が必要な場合は、比較処理部63からのギャップ調整制御情報に従って、予め規定された印刷セット間基本ギャップG
2 に印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を加味して得られた印刷セット間ギャップのギャップ量となるように印刷部13を調整制御した後に、印刷処理を行っている。
【0055】
(封入封緘装置のシステム構成)
図2に示すように、封入封緘装置20のシステム構成として、封入封緘側記憶部50と、封入封緘側制御部60とを備えている。
【0056】
封入封緘側記憶部50は、封入封緘装置20を構成する各部の駆動制御情報の他、封入封緘装置20の固有情報である封入封緘装置基本情報と、検出した活性化条件温度に応じて排出部26における適正な接着保持時間Tとが関連付けされた接着保持時間テーブルとを記憶する。
【0057】
封入封緘装置基本情報は、
図3又は
図4に示すように、封入封緘部29における各部の搬送速度を示す封入封緘部搬送速度V
2 と、排出部26における封書の搬送速度を示す排出部搬送速度V
3 と、作製された封書間における最小許容ギャップの許容値を示す排出部封書間最小許容ギャップG
3 と、排出部26における封書の総搬送長さを示す排出部搬送長L
1 とを含み、封入封緘装置20の装置仕様に応じて規定される装置固有の封入封緘条件である。なお、封入封緘装置基本情報は、装置仕様に応じて適宜設定される。
【0058】
接着保持時間テーブルは、温度検出部28で検出される活性化条件温度と、活性化条件温度毎に規定される再湿糊に必要な接着保持時間Tとを関連付けしてテーブル化した情報であり、検出した活性化条件温度に適正な接着保持時間Tで排出部26を駆動制御するための条件(接着保持時間選択条件)となる。
【0059】
図5には、ある再湿糊を使用した際に、活性化条件温度となる装置内の環境温度と、この環境温度に応じて適正な接着保持時間Tとで構成されるテーブル例である。図中のテーブルでは、検出した環境温度が10℃〜14℃で7.0sec、15℃〜19℃で4.0sec、20℃〜24℃で2.0sec、25℃以上で1.3secとして規定されている。
【0060】
封入封緘側制御部60は、接着保持時間選択部61と、算出処理部62と、比較処理部63と、排出制御部64とを備えて構成されている。
【0061】
接着保持時間選択部61は、温度検出部28で検出した活性化条件温度と、封入封緘側記憶部50に記憶された接着保持時間テーブルとを照合し、検出した活性化条件温度に対応する接着保持時間Tを選択して算出処理部62に出力する。
【0062】
算出処理部62は、排出搬送時間算出手段62aと、排出部滞留通数算出手段62bと、排出部間欠停止時間算出手段62cと、排出部間欠停止可能時間算出手段62dと、印刷セット間ギャップ調整値算出手段62eとを備えて構成されている。算出処理部62は、ユーザによって封書作製ジョブが設定されると、印刷側記憶部30に記憶される印刷装置基本情報と封書作製ジョブ情報、封入封緘側記憶部50に記憶される封入封緘装置基本情報と接着保持時間テーブルを用いて、検出した活性化条件温度に応じた本システムの駆動条件となる各種情報を算出する。
【0063】
排出搬送時間算出手段62aは、印刷側記憶部30に記憶される封書搬送方向長さL
4 と、封入封緘側記憶部50に記憶される排出部搬送長L
1 、排出部搬送速度V
3 とから、下記式1を用いて排出部26における封書の搬送時間である排出搬送時間T
2 を算出し、排出部滞留通数算出手段62bと比較処理部63とに出力する。
《式1》
T
2 =(L
1 −L
4 )/V
3
【0064】
排出部滞留通数算出手段62bは、収容可能通数算出手段62fと、収容可能通数最大ギャップ算出手段62gと、封筒用紙ピッチ算出手段62hと、封書ピッチ算出手段62iと、収容可能通数時最小停止時間算出手段62jと、収容可能通数時停止時間算出手段62kとを備えて構成されている。排出部滞留通数算出手段62bは、比較処理部63からの滞留通数算出指示に従って所定の算出処理を行い、算出結果である収容可能通数時最小停止時間T
5 と収容可能通数停止時間T
6 とを比較処理部63に出力する。また、排出部滞留算出手段62bは、比較処理部63からの比較結果により決定した滞留通数を排出部滞留通数mとして排出部間欠停止時間算出手段62cに出力する。
【0065】
収容可能通数算出手段62fは、比較処理部63からの滞留通数算出指示を入力すると、印刷側記憶部30に記憶される封書搬送方向長さL
4 と、封入封緘側記憶部50に記憶される排出部搬送長L
1 、排出部封書間最小許容ギャップG
3 とから、下記式2を用いて排出部26内に収容し得る封書の最大数である収容可能通数m
1 を算出し、収容可能通数最大ギャップ算出手段62gに出力する。なお、収容可能通数m
1 を算出した際に小数点以下の数値を切り捨てるのは、排出部26に封書を最大限収容したときに、封書の大きさによって排出部26からはみ出した封書は収容可能通数に含めないためである。
《式2》
m
1 =[L
1 /(G
3 +L
4 )](なお、小数点以下は切捨て)
【0066】
収容可能通数最大ギャップ算出手段62gは、収容可能通数算出手段62fから収容可能通数m
1 を入力すると、印刷側記憶部30に記憶される封書搬送方向長さL
4 と、封入封緘側記憶部50に記憶されるとから、下記式3を用いて排出部26において収容可能通数m
1 を収容したときの最大ギャップを示す収容可能通数最大ギャップG
6 を算出し、収容可能通数時最小停止時間算出手段62jに出力する。
なお、下記式3では、算出される収容可能通数最大ギャップG
6 は、排出部26に封書を収容可能通数m
1 で収容したときの最大の封書間ギャップである。従って、収容可能通数m
1 で切り捨てた小数点以下の数値相当のスペースを封書間ギャップに分配するため、収容可能通数m
1 から1通分だけ差し引いた数で除している。
《式3》
G
6 =(L
1 −L
4 ×m
1 )/(m
1 −1)
【0067】
封筒用紙ピッチ算出手段62hは、収容可能通数最大ギャップ算出手段62gから収容可能通数最大ギャップG
6 が出力されると、印刷側記憶部30に記憶される封入物搬送方向長さL
2 、封筒用紙搬送方向長さL3、封入物枚数N、用紙間ギャップG
1 及び印刷セット間基本ギャップG
2 から、下記式4を用いて
図3又は
図4に示す印刷部13における封筒用紙の搬送ピッチである封筒用紙ピッチP
1 を算出し、封書ピッチ算出手段62iに出力する。なお、用紙間ギャップG
1 は封入物枚数Nと同数となるため、式1では用紙間ギャップG
1 の数値として、封入物枚数Nの値を用いている。
《式4》
P
1 =(L
2 ×N)+(G
1 ×N)+L
3 +G
2
【0068】
封書ピッチ算出手段62iは、印刷側記憶部30に記憶される印刷部搬送速度V
1 と、封入封緘側記憶部50に記憶される封入封緘部搬送速度V
2 と、封筒用紙ピッチ算出手段62hからの封筒用紙ピッチP
1 とから、下記式5を用いて
図3又は
図4に示す封入封緘部29における封書の搬送ピッチである封書ピッチP
2 を算出し、収容可能通数時最小停止時間算出手段62jと排出部間欠停止可能時間算出手段62dとに出力する。
《式5》
P
2 =V
2 /V
1 ×P
1
【0069】
収容可能通数時最小停止時間算出手段62jは、封入封緘側記憶部50に記憶される封入封緘部搬送速度V
2 、排出部搬送速度V
3 と、封書ピッチ算出手段62iからの封書ピッチP
2 と、収容可能通数最大ギャップ算出手段62gからの収容可能通数最大ギャップG
6 とから、下記式6を用いて排出部26における封書ギャップが収容可能通数最大ギャップG
6 となるのに必要な最小停止時間である収容可能通数時最小停止時間T
5 を算出し、比較処理部63に出力する。また、収容可能通数時最小停止時間算出手段62jは、比較処理部63から収容可能通数時最小停止時間T
5 ≦収容可能通数時停止時間T
6 であることを示す比較結果を入力すると、排出部収容可能通数m
1 を排出部滞留通数mとして排出部間欠停止時間算出手段62cに出力する。
《式6》
T
5 =(P
2 ×V
3 /V
2 −G
6 )/V
2
【0070】
収容可能通数時停止時間算出手段62kは、収容可能通数算出手段62fで算出された収容可能通数m
1 と、排出搬送時間算出手段62aで算出された排出搬送時間T
2 と、接着保持時間選択部61からの接着保持時間Tとから、下記式7を用いて排出部滞留通数mが収容可能通数m
1 のときに、選択された接着保持時間Tを確保できる停止時間である収容可能通数時停止時間T
6 を算出し、比較処理部63に出力する。また、収容可能通数時停止時間算出手段62kは、比較処理部63から収容可能通数時最小停止時間T
5 >収容可能通数時停止時間T
6 であることを示す比較結果を入力すると、排出部収容可能通数m
1 から1を引いた通数を排出部滞留枚数mとして排出部間欠停止時間算出手段62cに出力する。
《式7》
T
6 =(T−T
2 )/m1
【0071】
排出部間欠停止時間算出手段62cは、排出搬送時間算出手段62aで算出された排出搬送時間T
2 と、接着保持時間選択部61からの接着保持時間Tと、排出部滞留通数算出手段62bからの排出部滞留通数mとから、下記式8を用いて選択された接着保持時間Tを満たすために必要な排出部26における間欠駆動時の停止時間である排出部間欠停止時間T
3 を算出し、比較処理部63と排出制御部64に出力する。また、排出部間欠停止時間算出手段62cは、印刷セット間ギャップ調整値算出手段62eに比較処理部63からの調整値算出指示が入力されると、算出した排出部間欠停止時間T
3 を印刷セット間ギャップ調整値算出手段62eに出力する。
《式8》
T
3 =(T−T
2 )/m
【0072】
排出部間欠停止可能時間算出手段62dは、印刷側記憶部30に記憶される封書搬送方向長さL
4 と、封入封緘側記憶部50に記憶される封入封緘部搬送速度V
2 、排出部封書間最小許容ギャップG
3 と、封書ピッチ算出手段62iからの封書ピッチP
2 とから、下記式9を用いて排出部26において実際に封書が停止可能な時間である排出部停止可能時間T
4 を算出し、比較処理部63に出力する。また、排出部間欠停止可能時間算出手段62dは、印刷セット間ギャップ調整値算出手段62eに比較処理部63からの調整値算出指示が入力されると、算出した排出部間欠停止可能時間T
4 を印刷セット間ギャップ調整値算出手段62eに出力する。
《式9》
T
4 =(P
2 −L
4 −G
3 )/V
2
【0073】
印刷セット間ギャップ調整値算出手段62gは、比較処理部63からの調整値算出指示に従い、印刷側記憶部30に記憶される印刷部搬送速度V
1 と、封入封緘側記憶部50に記憶される封入封緘部搬送速度V
2 と、排出部間欠停止時間算出手段62cからの排出部間欠停止時間T
3 と、排出部間欠停止可能時間算出手段62dからの排出部間欠停止可能時間T
4 とから、下記式10を用いて印刷セット間のギャップを調整するための印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を算出し、比較処理部63に出力する。
《式10》
G
2 ’=(T
3 −T
4 )×V
2 ×V
1 /V
2
【0074】
比較処理部63は、接着保持時間Tと排出搬送時間T
2 との比較、収容可能通数時最小停止時間T
5 と収容可能通数時停止時間T
6 との比較、排出部間欠停止時間T
3 と排出部間欠停止可能時間T
4 との比較を行い、各比較結果に応じた処理を行っている。
以下、上記3つの比較処理内容について、それぞれ説明する。
【0075】
(接着保持時間Tと排出搬送時間T
2 との比較処理)
比較処理部63は、検出した活性化条件温度に対応した接着保持時間Tと、排出搬送時間算出手段62aからの排出搬送時間T
2 との大小関係を比較する。
【0076】
比較した結果、接着保持時間T≦排出搬送時間T
2 であれば、排出部26の間欠駆動及び印刷部13での印刷セット間のギャップ補正は必要なく、通常の駆動制御で接着保持時間Tを満たすことができるため、この判定結果を示す基本駆動制御情報を印刷側制御部40と排出制御部64に出力する。
【0077】
一方、接着保持時間T>排出搬送時間T
2 のときは、設定された封書作製ジョブにおいて通常の駆動制御では接着保持時間Tを満たすことができず、補助封緘処理として排出部26における間欠駆動が必要であるため、排出部間欠停止時間T
3 の算出で用いられる収容可能通数m
1 を算出するための滞留通算出指示を排出部滞留通数算出手段62bに出力する。
【0078】
(収容可能通数時最小停止時間T
5 と収容可能通数時停止時間T
6 との比較処理)
比較処理部63は、収容可能通数時最小停止時間算出手段62jからの収容可能通数時最小停止時間T
5 と、収容可能通数時停止時間算出手段62kからの収容可能通数時停止時間T
6 との大小関係を比較し、その比較結果を排出部滞留通数算出手段62bに出力する。
【0079】
(排出部間欠停止時間T
3 と排出部間欠停止可能時間T
4 との比較処理)
比較処理部63は、排出部間欠停止時間算出手段62cからの排出部間欠停止時間T
3 と、排出部間欠停止可能時間算出手段62dからの排出部間欠停止可能時間T
4 との大小関係を比較する。
【0080】
比較した結果、排出部間欠停止可能時間T
4 ≧排出部間欠停止時間T
3 であれば、印刷セット間ギャップ実行値G
5 として予め規定された印刷セット間基本ギャップG
2 を用い、この印刷セット間ギャップ実行値G
5 で印刷部13における印刷セット間ギャップを制御するためのギャップ制御情報(通常ギャップ制御情報)を印刷側制御部40に出力する。
【0081】
一方、排出部間欠停止可能時間T
4 <排出部間欠停止時間T
3 のときは、予め規定された印刷セット間基本ギャップG
2 に加味する印刷セット間ギャップ調整値G
2 ‘を算出させるための調整値算出指示を印刷セット間ギャップ調整値算出手段62gに出力する。また、印刷セット間ギャップ調整値算出手段62gから印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を入力すると、印刷セット間基本ギャップG
2 に入力した印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を加味して得られた印刷セット間ギャップ実行値G
5 で印刷部13における印刷セット間ギャップを制御するためのギャップ制御情報(ギャップ調整制御情報)を印刷側制御部40に出力する。
【0082】
排出制御部64は、予め封入封緘装置基本情報で規定された排出部排出速度V
3 で排出部26を駆動制御する。また、排出制御部64は、算出処理部62から排出部間欠停止時間T
3 を入力すると、この情報に従って排出部26を間欠駆動する。これにより、活性化条件温度に応じた接着保持時間Tを満たすように排出部26が駆動制御される。
【0083】
<第1形態の処理動作>
次に、第1形態の封書作製システム1における活性化条件温度に応じた排出処理動作について説明する。
【0084】
まず、ユーザによって作製する封書の封書作製ジョブ情報が設定されると、封入封緘側制御部60は、温度検出部28で検出された活性化条件温度と、封入封緘側記憶部50に記憶された接着保持時間テーブルとを照合し、現在の活性化条件温度に応じた接着保持時間Tを選択する。
【0085】
次に、印刷装置基本情報(封書搬送方向長さL
4 )と、封入封緘装置基本情報(排出部搬送長L
1 、排出部搬送速度V
3 )とから排出搬送時間T
2 を算出し、比較処理部63で選択した接着保持時間Tとの大小関係を比較する。
【0086】
このとき、接着保持時間T≦排出搬送時間T
2 であれば、基本駆動制御情報に従って排出部26の間欠駆動をせず通常の駆動条件で印刷部13を駆動制御する。
【0087】
また、接着保持時間T>排出搬送時間T
2 のときは、排出部26において間欠駆動を行うため、接着保持時間Tと、排出搬送時間T
2 と、排出部滞留通数算出手段62bで算出される収容可能通数m
1 とから排出部間欠停止時間T
3 を算出するとともに、印刷装置基本情報(封書搬送方向長さL
4 )と、封入封緘装置基本情報(封入封緘部搬送速度V
2 、排出部封書間最小許容ギャップG
3 )と、封書ピッチP2とから排出部間欠停止可能時間T
4 を算出し、これらの大小関係を比較する。
【0088】
なお、排出部間欠停止時間T
3 の算出に際し、封入封緘装置基本情報(封入封緘部搬送速度V
2 、排出部搬送速度V
3 )と、封書ピッチP
2 と、収容可能通数時最小停止時間G
6 とから算出される収容可能通数停止時間T
5 と、接着保持時間Tと、排出搬送時間T
2 と、収容可能通数m
1 とから算出される収容可能通数時停止時間T
6 との大小関係を比較する。そして、収容可能通数時最小停止時間T
5 ≦収容可能通数時停止時間T
6 のときは、排出部収容可能通数m
1 を排出部滞留通数mとし、収容可能通数時最小停止時間T
5 >収容可能通数時停止時間T
6 のときは、排出部収容可能通数m1から1を引いた通数を排出部滞留枚数mとする。
【0089】
次に、排出部間欠停止時間T
3 と排出部間欠停止可能時間T
4 との大小関係を比較した結果、排出部間欠停止可能時間T
4 ≧排出部間欠停止時間T
3 のときは、印刷セット間基本ギャップG
2 を印刷セット間ギャップ実行値G
5 として印刷セット間ギャップを制御するための通常ギャップ制御情報を印刷側制御部40出力して、印刷部13の搬送速度や用紙搬送タイミング等を調整制御する。
【0090】
また、排出部間欠停止可能時間T
4 <排出部間欠停止時間T
3 のときは、予め規定された印刷セット間基本ギャップG
2 に印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を加味して得られた印刷セット間ギャップ実行値G
5 で印刷セット間ギャップを制御するためのギャップ調整制御情報を印刷側制御部40出力して、印刷部13の搬送速度や用紙搬送タイミング等を調整制御する。
【0091】
そして、基本駆動制御情報、通常ギャップ制御情報、ギャップ調整制御情報の何れかによって印刷装置10及び封入封緘装置20を駆動制御することで、検出した活性化条件温度に応じた最適な封入封緘処理を行う。
【0092】
<第2形態>
次に、本例の封書作製システム1における第2形態のシステム構成について説明する。
なお、第2形態のシステム構成において、上述した第1形態と同一の構成については同符号を付してその説明を省略し、本形態の要部となる構成要件についてのみ説明する。
【0093】
第2形態のシステム構成では、検出した活性化条件温度に応じて最適な接着保持時間Tとなるように排出部26の搬送速度を可変する構成である。従って、第2形態では、第1形態のシステム構成である接着保持時間選択部61と、算出処理部62における排出部滞留通数算出手段62b、排出部間欠停止時間算出手段62c、排出部間欠停止可能時間算出手段62の代わりに、排出速度算出部65と、排出部封書ピッチ算出手段62mと、排出部封書間ギャップ算出手段62nとを新たに具備する構成としている。
【0094】
すなわち、封入封緘側制御部60は、算出処理部62と、比較処理部63と、排出制御部64と、排出速度算出部65とを備えて構成されている。また、算出処理部62は、印刷セット間ギャップ調整値算出手段62gと、封筒用紙ピッチ算出手段62hと、封書ピッチ算出手段62iと、排出部封書ピッチ算出手段62mと、排出部封書間ギャップ算出手段62nとを備えて構成されている。
【0095】
排出速度算出部65は、温度検出部28で検出された活性化条件温度から選択された接着保持時間Tと、封入封緘側記憶部50に記憶された排出部搬送長L
1 とから、現在の活性化条件温度に応じた排出部排出速度V
3 を算出して排出制御部64に出力する。また、排出速度算出部65は、算出した排出部排出速度V
3 を算出処理部62に出力する。
【0096】
排出部搬送速度V
3 の算出例としては、例えば排出部搬送長L
1 が255mmのときに接着保持時間テーブルに規定された接着保持時間Tを用いて算出すると、10℃〜14℃のときに36.4mm/s、15℃〜19℃のときに63.8mm/s、20℃〜24℃のときに127.5mm/s、25℃以上のときに1962mm/sとなる。そして、排出速度算出部65は、この算出した速度情報を算出処理部62と、排出制御部64にそれぞれ出力する。
【0097】
排出部封書ピッチ算出手段62mは、封入封緘側記憶部50に記憶される封入封緘部搬送速度V
2 と、排出速度算出部65で選択された排出部排出速度V
3 と、封書ピッチ算出手段62hからの封書ピッチP2とから、下記11を用いて
図3又は
図4に示す排出部26における封書の排出ピッチである排出部封書ピッチP
3 を算出し、排出部封書間ギャップ算出手段62dに出力する。
《式11》
P
3 =V
3 ×P
2 /V
2
【0098】
排出部封書間ギャップ算出手段62nは、排出部封書ピッチ算出手段62mからの排出部封書ピッチP
3 と、印刷側記憶部30に記憶される封書搬送方向長さL
4 とから、下記式12を用いて
図3又は
図4に示す排出部26における封書間のギャップである排出部封書間ギャップG
4 を算出し、比較処理部63に出力する。また、排出部封書間ギャップ算出手段62dは、比較処理部63からの調整値算出指示を入力すると、算出した排出部封書間ギャップG
4 を印刷セット間ギャップ調整値算出手段62eに出力する。
《式12》
G
4 =P
3 −L
4
【0099】
印刷セット間ギャップ調整値算出手段62eは、比較処理部63からの調整値算出指示に従い、封入封緘側記憶部50に記憶される封入封緘部搬送速度V
2 と、排出速度算出部65で選択された排出部排出速度V3と、封入封緘側記憶部50に記憶される封書間最小許容ギャップG
3 と、排出部封書間ギャップ算出手段62nからの排出部封書間ギャップG
4 とから、下記式13を用いて印刷セット間のギャップを調整するための印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を算出し、比較処理部63に出力する。
《式13》
G
2 ’=V
2 (G
3 −G
4 )/V
3
【0100】
比較処理部63は、排出部封書間ギャップ算出手段62dからの排出部封書間ギャップG
4 と、予め規定された排出部封書間最小許容ギャップG
3 との大小関係を比較し、その比較結果に応じて印刷装置10の印刷セット間ギャップ実行値G
5 を算出し、この印刷セット間ギャップ実行値G
5 で印刷間ギャップ制御を行うためのギャップ制御情報(通常ギャップ制御情報、ギャップ調整制御情報)を印刷側制御部40に出力する。
【0101】
具体的には、排出部封書間ギャップG
4 ≧排出部封書間最小許容ギャップG
3 のときは、印刷セット間ギャップ実行値G
5 として予め規定された印刷セット間基本ギャップG
2 を用い、この印刷セット間ギャップ実行値G
5 で印刷部13における印刷セット間ギャップを制御するためのギャップ制御情報(通常ギャップ制御情報)を印刷側制御部40に出力する。
【0102】
また、排出部封書間ギャップG
4 <排出部封書間最小許容ギャップG
3 のときは、予め規定された印刷セット間基本ギャップG
2 に印刷セット間ギャップ調整値算出手段62eで算出された印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を加味して得られた印刷セット間ギャップ実行値G
5 で印刷部13における印刷セット間ギャップを制御するためのギャップ制御情報(ギャップ調整制御情報)を印刷側制御部40に出力する。
【0103】
さらに、比較処理部63は、排出部封書間ギャップG
4 が予め規定された封書間最小許容ギャップG
3 未満であった場合に、印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を算出させるための調整値算出指示を印刷セット間ギャップ調整値算出手段62eに出力する。
【0104】
<第2形態の処理動作>
次に、第2形態の封書作製システム1における活性化条件温度に応じた排出処理動作について説明する。
【0105】
まず、ユーザによって作製する封書の封書作製ジョブ情報が設定されると、封入封緘側制御部60は、温度検出部28で検出された活性化条件温度と、封入封緘側記憶部50に記憶された接着保持時間テーブルとから、現在の活性化条件温度に応じた排出部排出速度V
3 を算出する。
【0106】
次に、封書作製ジョブ情報(封入物搬送方向長さL
2 、封筒用紙搬送方向長さL
3 、封書搬送方向長さL
4 、封入物枚数N)と、印刷装置基本情報(用紙間ギャップG
1 、印刷セット間基本ギャップG
2 、印刷部搬送速度V
1 )と、封入封緘装置基本情報(排出部封書間最小許容ギャップG
3 、封入封緘部搬送速度V
2 、排出部搬送長L
1 )とから、排出部封書間ギャップG
4 を算出する。
【0107】
その後、算出した排出部封書間ギャップG
4 と排出部封書間最小許容ギャップG
3 との大小関係を比較して、排出部封書間ギャップG
4 が排出部封書間最小許容ギャップG
3 未満か否かの判定を行う。そして、判定した結果が排出部封書間ギャップG
4 ≧排出部封書間最小許容ギャップG
3 であれば、印刷セット間基本ギャップG
2 を印刷セット間ギャップ実行値G
5 として印刷セット間ギャップを制御するための通常ギャップ制御情報を印刷側制御部40出力して、印刷部13の搬送速度や用紙搬送タイミング等を調整制御する。
【0108】
また、判定した結果が排出部封書間ギャップG
4 <排出部封書間最小許容ギャップG
3 のときは、印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を算出し、印刷セット間基本ギャップG
2 に印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を加味して得られた印刷セット間ギャップ実行値G
5 で印刷セット間ギャップを制御するためのギャップ調整制御情報を印刷側制御部40出力して、印刷部13の搬送速度や用紙搬送タイミング等を調整制御する。
【0109】
そして、通常ギャップ制御情報又はギャップ調整制御情報によって印刷部13の印刷セット間ギャップを制御しつつ、活性化条件温度に応じて算出した排出部排出速度V
3 で排出部26を駆動制御しながら封書作製処理を行う。
【0110】
以上説明したように、上述した封書作製システム1は、第1形態のシステム構成として、まず、温度検出部28で検出された活性化条件温度と、封入封緘側記憶部50に記憶された接着保持時間テーブルとを照合し、現在の活性化条件温度に応じた接着保持時間Tを選択する。次に、選択した接着保持時間Tと排出搬送時間T
2 とを比較し、接着保持時間T≦排出搬送時間T
2 のときは、基本駆動制御情報に従って本システムを駆動制御し、接着保持時間T<排出搬送時間T
2 のときは、排出部26において補助封緘処理である間欠駆動を行うため、排出部間欠停止時間T
3 と排出部間欠停止可能時間T
4 とを算出し、これらの大小関係を比較する。
【0111】
そして、排出部間欠停止時間T
3 と排出部間欠停止可能時間T
4 との大小関係を比較した結果、排出部間欠停止可能時間T
4 ≧排出部間欠停止時間T
3 のときは、印刷セット間基本ギャップG
2 を印刷セット間ギャップ実行値G
5 として印刷セット間ギャップを制御するためのギャップ制御情報を印刷側制御部40出力し、印刷部13の搬送速度や用紙搬送タイミング等を調整制御しながら封書作製処理を実行する。また、排出部間欠停止可能時間T
4 <排出部間欠停止時間T
3 のときは、予め規定された印刷セット間基本ギャップG
2 に印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を加味して得られた印刷セット間ギャップ実行値G
5 で印刷セット間ギャップを制御するためのギャップ制御情報であるギャップ調整制御情報を印刷側制御部40出力し、印刷部13の搬送速度や用紙搬送タイミング等を調整制御しながら封書作製処理を実行する。
【0112】
これにより、検出した活性化条件温度に応じた接着保持時間Tが満たされるように排出部26を間欠駆動するため、活性化温度に左右されることなく排出部26において再湿糊が活性化状態となるため、確実に封緘接着させることができる。
【0113】
また、検出した活性化条件温度により必要に応じて排出部26を間欠駆動し、これによる排出部26の封書間ギャップが排出部封書間最小許容ギャップG
3 以上となるように必要に応じて印刷部13における印刷セット間ギャップを調整制御するため、作製された封書に対してさらに補助封緘処理が施され、より確実に封緘することができる。
【0114】
さらに、排出部26において間欠駆動を行う際に、排出部封書間ギャップG
4 <排出部封書間最小許容ギャップG
3 のときのみ、印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を算出し、印刷部13の印刷セット間ギャップを印刷セット間基本ギャップG
2 に印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を加味して得られた印刷セット間ギャップとなるように印刷部13を調整制御するため、印刷開始前における統括制御部3への処理負荷をさらに軽減させることができる。
【0115】
また、上述した封書作製システム1は、第2形態のシステム構成として、まず、温度検出部28で検出された活性化条件温度と、封入封緘側記憶部50に記憶された接着保持時間テーブルとを照合し、現在の活性化条件温度に応じた接着保持時間Tを満たすように、排出部26の排出部排出速度V
3 を算出する。次に、印刷側記憶部30に記憶される封書作製ジョブ情報及び印刷装置基本情報と、封入封緘側記憶部50に記憶される封入封緘装置基本情報とを用いて、排出部排出速度V
3 で排出部26を駆動したときの排出部封書間ギャップG
4 を算出する。
【0116】
そして、算出した排出部封書間ギャップG
4 と、予め規定された排出部封書間最小許容ギャップG
3 と大小関係を比較し、排出部封書間ギャップG
4 ≧排出部封書間最小許容ギャップG
3 のときは、印刷セット間ギャップが印刷セット間基本ギャップG
2 となるように、印刷側制御部40によって印刷部13における搬送速度や用紙搬送タイミング等を調整制御しながら封書作製処理を実行する。また、排出部封書間ギャップG
4 <排出部封書間最小許容ギャップG
3 のときは、印刷セット間ギャップが印刷セット間基本ギャップG
2 に印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を加味して得られた印刷セット間ギャップとなるように、取得したギャップ調整制御情報に従って、印刷側制御部40によって印刷部13の搬送速度や用紙搬送タイミング等を調整制御しながら封書作製処理を実行する。
【0117】
これにより、検出した活性化条件温度に応じて排出部26の排出速度を可変させることで、活性化温度に左右されることなく排出部26において再湿糊が活性化状態となるため、確実に封緘接着させることができる。
【0118】
また、検出した活性化条件温度に応じて排出部26の排出速度を可変し、これによる排出部26の封書間ギャップが排出部封書間最小許容ギャップG
3 以上となるように必要に応じて印刷部13における印刷セット間ギャップを調整制御するため、作製された封書に対してさらに補助封緘処理が施され、より確実に封緘することができる。
【0119】
さらに、排出部封書間ギャップG
4 <排出部封書間最小許容ギャップG
3 のときにのみ、印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を算出し、印刷部13の印刷セット間ギャップを、印刷セット間基本ギャップG
2 に印刷セット間ギャップ調整値G
2 ’を加味して得られた印刷セット間ギャップとなるように印刷部13を調整制御するため、印刷開始前における制御部3への処理負荷を軽減させることができる。
【0120】
[その他の実施形態について]
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下に示すように状況等に応じて適宜変更して実施することもできる。また、以下の変更例を任意に組み合わせて実施することもできる。
【0121】
上述した各形態では、ある1種類の再湿糊に対する接着保持時間Tと活性化条件温度とが関連付けしてテーブル化した接着保持時間テーブル(
図5を参照)について説明したが、例えば封書によって使用される再湿糊が異なる場合は、活性化条件温度に適正な接着保持時間Tや使用可能な再湿糊の種類毎にテーブル化して記憶することもできる。このような構成とすると、封書作製ジョブのジョブ内容から特定される再湿糊の種類に応じて適切な接着保持時間Tを選択することができる。
【0122】
また、上記各形態では、本システムの駆動に必要な各種情報を記憶する統括記憶部2と、本システムの駆動制御を統括的に司る統括制御部3とを印刷装置10に具備する構成として説明したが、これに限定されることはない。システム構成例としては、封入封緘装置20に具備する構成や、また印刷装置10と封入封緘装置20とにそれぞれ独立した記憶部と制御部を具備する構成とすることもできる。
【0123】
さらに、第2形態において、排出部封書間最小許容ギャップG
3 は、排出部26で搬送される封書間のギャップであるが必ずしも封書間のギャップが正数である必要はなく、例えば作製される封書の厚みとして、封書同士が重複した状態であっても排出搬送に支障を来さない程度であれば、排出部封書間最小許容ギャップG
3 を負数として所定量だけ重ねた状態で排出搬送する設定とすることもできる。