特許第5955655号(P5955655)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955655
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】保育器
(51)【国際特許分類】
   A61G 11/00 20060101AFI20160707BHJP
【FI】
   A61G11/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-134707(P2012-134707)
(22)【出願日】2012年6月14日
(65)【公開番号】特開2013-255739(P2013-255739A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】390022541
【氏名又は名称】アトムメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100065950
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 勝
(72)【発明者】
【氏名】松原 一雄
(72)【発明者】
【氏名】松原 照巳
(72)【発明者】
【氏名】小林 健治
(72)【発明者】
【氏名】須摩 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英敏
(72)【発明者】
【氏名】大橋 正明
(72)【発明者】
【氏名】柿沼 涼子
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−002208(JP,A)
【文献】 特開2000−342637(JP,A)
【文献】 特開2009−115175(JP,A)
【文献】 特表2005−514078(JP,A)
【文献】 特開2002−011055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレー機構と、このトレー機構が取り付けられることができる支柱とを備え、
上記トレー機構が、トレー部材を有するトレー機構本体と、このトレー機構本体を上記支柱に取り付けるために、上記支柱に取り付けられることができる連結機構とを備え、
上記支柱が、この支柱のほぼ長さ方向に沿って延在している長手状の取り付け手段を備え、
上記連結機構が、上記長手状取り付け手段のほぼ長さ方向における第1の位置において、上記長手状取り付け手段に取り付けられることができるように構成され、
上記長手状取り付け手段の上記第1の位置に取り付けられている上記連結機構が、上記第1の位置とは異なりかつ上記長手状取り付け手段のほぼ長さ方向における第2の位置において、上記長手状取り付け手段に取り付けられることができるように構成され、
上記長手状取り付け手段が、上記第1の位置と上記第2の位置とをそれぞれ含むように上記支柱のほぼ長さ方向に沿って延在している長手状開口部と、この長手状開口部の一方の側に沿って延在している第1の長手状突出壁部と、上記長手状開口部の他方の側に沿って延在している第2の長手状突出壁部と、ほぼ上下方向に延在する長手状の空間を介して上記第1の長手状突出壁部および上記第2の長手状突出壁部のそれぞれにほぼ対向している奥側の面とを備え、
上記連結機構が、上記第1の長手状突出壁部と上記奥側の面とにそれぞれ係合することによって位置保持されることができる第1の爪部と、上記第2の長手状突出壁部と上記奥側の面とにそれぞれ係合することによって位置保持されることができる第2の爪部とを備え、
上記第2の爪部が、上記第1の爪部に対して、離間している状態から接近している状態へと往動することと、接近している状態から離間している状態へと復動することとができるように構成されていることを特徴とする保育器。
【請求項2】
上記トレー機構本体が、凹凸嵌合によって上記連結機構に結合されることができるとともに、上記凹凸嵌合を解除することによって上記連結機構との結合を解除されることができるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の保育器。
【請求項3】
上記長手状取り付け手段の上記第1の位置に取り付けられている上記連結機構が、上記長手状取り付け手段への取り付け状態をほぼ保持されながら、上記第2の位置まで上記長手状取り付け手段の上記ほぼ長さ方向に移動させられて、上記支柱の上記第2の位置に取り付けられることができるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の保育器。
【請求項4】
上記連結機構が、上記第1の爪部を有する連結機構本体と、この連結機構本体に往復動可能に支持されかつ上記第2の爪部を有する爪部材と、上記連結機構本体に対して上記爪部材を往動および復動させるために操作される操作手段とを備え、
上記操作手段を往動操作したときに、上記第2の爪部が上記第1の爪部に相対的に接近するとともに、上記操作手段を復動操作したときに、上記第2の爪部が上記第1の爪部から相対的に離間するように構成されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の保育器。
【請求項5】
上記連結機構が、上記操作手段を第1の往動状態まで往動操作したときには、上記長手状取り付け手段の上記ほぼ長さ方向に移動させられることができるとともに、上記操作手段を上記第1の往動状態よりもさらに往動操作したときには、上記長手状取り付け手段から取り外すことができるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の保育器。
【請求項6】
上記操作手段が、上記連結機構本体に設けられている貫通孔を貫通してから上記爪部材にねじ込まれているねじ手段によって構成されていることを特徴とする請求項またはに記載の保育器。
【請求項7】
上記第1の爪部が、上記奥側の面にほぼ面接触することができるほぼ平坦な第1の先端面と、上記長手状開口部の第1の奥側の角部にほぼ線接触することができるほぼ平坦な第1の傾斜面とを備え、
上記第2の爪部が、上記奥側の面にほぼ面接触することができるほぼ平坦な第2の先端面と、上記長手状開口部の第2の奥側の角部にほぼ線接触することができるほぼ平坦な第2の傾斜面とを備え、
上記連結機構が上記長手状取り付け手段に取り付けられた取り付け状態においては、上記第1の爪部の上記第1の先端面と上記第1の傾斜面とが、上記奥側の面と上記第1の奥側の角部とにそれぞれ圧接するとともに、上記第2の爪部の上記第2の先端面と上記第2の傾斜面とが、上記奥側の面と上記第2の奥側の角部とにそれぞれ圧接するように構成されていることを特徴とする請求項4、5または6に記載の保育器。
【請求項8】
上記第1の先端面と上記第1の傾斜面との成す角度が、24°〜36°の範囲であり、
上記第2の先端面と上記第2の傾斜面との成す角度が、24°〜36°の範囲であることを特徴とする請求項に記載の保育器。
【請求項9】
上記トレー機構本体が、トレー部材と、このトレー部材にその一端部が回動可能に連結されている支持アームと、上記支持アームの他端部に回動可能に連結されている被連結手段とを備え、
上記支持アームが、上記被連結手段に対してほぼ水平方向に回動可能であるように構成され、
上記トレー部材が、上記支持アームに対してほぼ水平方向に回動可能であるように構成されていることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか1つに記載の保育器。
【請求項10】
加熱器および天面フードのうちの少なくとも一方を取り付け支持するように構成されたサブ支柱を備え、
上記サブ支柱が、固定支柱と、この固定支柱に対してほぼ上方に向かって伸縮するように構成された可動支柱とを備え、
上記支柱が、上記固定支柱から構成され、
上記長手状開口部が、上記固定支柱のほぼ全長にわたって設けられていることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の保育器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臥床架上に配置されたマット上に未熟児などの児を横たわらせて、この児に対して診察、処置、保育などを施すようにした保育器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
保育器のマット上に横たわっている児には、上述のように、診察、処置、保育などが施されるのが通例である。このために、上記保育器の周囲には、シリンジポンプ、表示ユニット、操作ユニット兼用の表示ユニットなどのような医療用、保育器用、乳児用などの各種の機器を配しておきたい場合がある。このような場合には、従来、エマージェンシー・カート、モービル・カートなどの病院内用、医院内用などのカートの天板や、上記カートに配設された補助天板などを用いるようにしている。なお、上記補助天板とは、上記カートの側板に往復回動可能に取り付けられたトレー部材を意味している。そして、この補助天板は、不使用時には、上記側板にほぼ沿った状態でほぼ垂直になるように畳まれる。また、上記補助天板は、使用時には、ほぼ90°往回動させることによってほぼ水平状態に持ち来たされる。したがって、この状態においては、上記補助天板上には、保育器用などの各種の機器などを載置することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述のような病院用などのカートの天板や補助天板を保育器の周囲で使用したい場合には、上記カート自体も保育器の周囲に持ち来たす必要がある。このために、病院用などのカートが余分に必要であるから、不経済である。また、1台または複数台のカートが保育器の周囲に配されることになる。このために、医師や看護師などが保育器のマット上に横たわっている児に対して診察、処置、保育などを施すときに、上記カートが医師や看護師などにとって邪魔になる。
【0004】
本発明は、従来の保育器における上述のような欠点を、比較的簡単な構成でもって、効果的に是正し得るようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、トレー機構と、このトレー機構が取り付けられることができる支柱とを備え、上記トレー機構が、トレー部材を有するトレー機構本体と、このトレー機構本体を上記支柱に取り付けるために、上記支柱に取り付けられることができる連結機構とを備え、上記支柱が、この支柱のほぼ長さ方向に沿って延在している長手状の取り付け手段を備え、上記連結機構が、上記長手状取り付け手段のほぼ長さ方向における第1の位置において、上記長手状取り付け手段に取り付けられることができるように構成され、上記長手状取り付け手段の上記第1の位置に取り付けられている上記連結機構が、上記第1の位置とは異なりかつ上記長手状取り付け手段のほぼ長さ方向における第2の位置において、上記長手状取り付け手段に取り付けられることができるように構成されていることを特徴とする保育器に係るものである。
【0006】
なお、本発明の第1の観点においては、上記トレー機構本体が、凹凸嵌合によって上記連結機構に結合されることができるとともに、上記凹凸嵌合を解除することによって上記連結機構との結合を解除されることができるように構成されている。そして、本発明の第2の観点においては、上記長手状取り付け手段の上記第1の位置に取り付けられている上記連結機構が、上記長手状取り付け手段への取り付け状態をほぼ保持されながら、上記第2の位置まで上記長手状取り付け手段の上記ほぼ長さ方向に移動させられて、上記支柱の上記第2の位置に取り付けられることができるように構成されている。
【0007】
また、本発明の第3の観点においては、上記長手状取り付け手段が、上記第1の位置と上記第2の位置とをそれぞれ含むように上記支柱のほぼ長さ方向に沿って延在している長手状開口部と、この長手状開口部の一方の側に沿って延在している第1の長手状突出壁部と、上記長手状開口部の他方の側に沿って延在している第2の長手状突出壁部と、ほぼ上下方向に延在する長手状の空間を介して上記第1の長手状突出壁部および上記第2の長手状突出壁部のそれぞれにほぼ対向している奥側の面とを備え、上記連結機構が、上記第1の長手状突出壁部と上記奥側の面とにそれぞれ係合することによって位置保持されることができる第1の爪部と、上記第2の長手状突出壁部と上記奥側の面とにそれぞれ係合することによって位置保持されることができる第2の爪部とを備え、上記第2の爪部が、上記第1の爪部に対して、離間している状態から接近している状態へと往動することと、接近している状態から離間している状態へと復動することとができるように構成されている。
【0008】
そして、本発明の上記第3の観点の第1の態様においては、上記連結機構が、上記第1の爪部を有する上記連結機構本体と、この連結機構本体に往復動可能に支持されかつ上記第2の爪部を有する爪部材と、上記連結機構本体に対して上記爪部材を往動および復動させるために操作される操作手段とを備え、上記操作手段を往動操作したときに、上記第2の爪部が上記第1の爪部に相対的に接近するとともに、上記操作手段を復動操作したときに、上記第2の爪部が上記第1の爪部から相対的に離間するように構成されている。この場合、上記連結機構が、上記操作手段を第1の往動状態まで往動操作したときには、上記長手状取り付け手段の上記ほぼ長さ方向に移動させられることができるとともに、上記操作手段を上記第1の往動状態よりもさらに往動操作したときには、上記長手状取り付け手段から取り外すことができるように構成されていてよい。また、上記操作手段が、上記連結機構本体に設けられている貫通孔を貫通してから上記爪部材にねじ込まれているねじ手段によって構成されていてよい。
【0009】
そして、本発明の上記第3の観点の第2の態様においては、上記第1の爪部が、上記奥側の面にほぼ面接触することができるほぼ平坦な第1の先端面と、上記長手状開口部の第1の奥側の角部にほぼ線接触することができるほぼ平坦な第1の傾斜面とを備え、上記第2の爪部が、上記奥側の面にほぼ面接触することができるほぼ平坦な第2の先端面と、上記長手状開口部の第2の奥側の角部にほぼ線接触することができるほぼ平坦な第2の傾斜面とを備え、上記連結機構が上記長手状取り付け手段に取り付けられた取り付け状態においては、上記第1の爪部の上記第1の先端面と上記第1の傾斜面とが、上記奥側の面と上記第1の奥側の角部とにそれぞれ圧接するとともに、上記第2の爪部の上記第2の先端面と上記第2の傾斜面とが、上記奥側の面と上記第2の奥側の角部とにそれぞれ圧接するように構成されている。この場合、上記第1の先端面と上記第1の傾斜面との成す角度が、24°〜36°の範囲であり、上記第2の先端面と上記第2の傾斜面との成す角度が、24°〜36°の範囲であってよい。
【0010】
そして、本発明の第4の観点においては、上記トレー機構本体が、トレー部材と、このトレー部材にその一端部が回動可能に連結されている支持アームと、上記支持アームの他端部に回動可能に連結されている被連結手段とを備え、上記支持アームが、上記被連結手段に対してほぼ水平方向に回動可能であるように構成され、上記トレー部材が、上記支持アームに対してほぼ水平方向に回動可能であるように構成されていてよい。
【0011】
そして、本発明の上記第2の観点の第1の態様においては、加熱器および天面フードのうちの少なくとも一方を取り付け支持するように構成されたサブ支柱を備え、上記サブ支柱が、固定支柱と、この固定支柱に対してほぼ上方に向って伸縮するように構成された可動支柱とを備え、上記支柱が、上記固定支柱から構成され、上記長手状開口部が、上記固定支柱のほぼ全長にわたって設けられている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、比較的簡単な構成であるにもかかわらず、支柱の比較的低い位置と比較的高い位置との両方の位置において、トレー機構を支柱に比較的簡単かつ比較的確実に取り付けることができる。したがって、取扱者は、保育器の近くで、上記比較的低い位置に有るトレー機構のトレー部材に保育器用の機器などの必要な物品を、必要に応じて、載置することができる。そして、例えば、シリンジポンプをトレー部材上に載置したときには、取扱者は、保育器の近くで、上記比較的低い位置に有るシリンジポンプの操作部を比較的容易に操作することができる。また、取扱者は、保育器から或る程度離れた処から、上記比較的高い位置に有るシリンジポンプの存在を比較的容易に視認することができる。さらに、複数台の保育器を前方から後方に向かって順次配列した場合には、前方にある保育器から後方にある保育器にかけてトレー機構の位置を順次高くしておけば、取扱者は、前方にある保育器から後方にある保育器までの上記シリンジポンプの存在の有無を、ほぼ同一の場所で、それぞれ視認することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明によれば、トレー機構の重量やサイズが大きくても、比較的軽い連結機構のみを支柱の長手状取り付け手段に取り付けた後に、トレー機構本体を凹凸嵌合によって連結機構に結合させればよいから、支柱へのトレー機構の取り付け操作が比較的簡単である。また、支柱からトレー機構を取り外す場合には、上記取り付け操作とはほぼ逆の取り外し操作を行えばよいから、支柱からのトレー機構の取り外し操作も比較的簡単である。さらに、請求項3に記載の発明によれば、連結機構(ひいては、トレー機構)を支柱の比較的低い位置や支柱の比較的高い位置に移動させる操作が比較的簡単で比較的確実である。
【0014】
また、請求項4に記載の発明によれば、支柱には、長手状開口部、第1の長手状突出壁部、第2の長手状突出壁部および奥側の面を具備させるだけでよいから、トレー機構を支柱に取り付けるための長手状取り付け手段を設けるために支柱から外方に突出した突出部を支柱に形成する必要が特になく、支柱のほぼ長さ方向に沿って延在している長手状開口部(好ましくは、長手状入口部)を支柱に実質的に形成すればよい。したがって、支柱の構造を特に複雑にする必要がなく、また、長手状取り付け手段が取扱者などにとって邪魔になるおそれもない。しかも、連結機構には、第1の爪部および第2の爪部を具備させるとともに、上記第2の爪部を上記第1の爪部に対して離間させたり接近させたりするだけでよいから、連結機構の構成も比較的簡単である。それでいて、上記支柱に対する上記連結機構の動作も比較的簡単で比較的確実である。
【0015】
また、請求項5に記載の発明によれば、第2の爪部が操作手段の往動および復動に応じて第1の爪部に接近したり離間したりするようにしたから、第1の爪部に対する第2の爪部の相対的な接近および離間の動作を、比較的簡単な構成でもって、比較的簡単かつ比較的確実に行うことができる。そして、請求項6に記載の発明によれば、比較的簡単な構成でもって、連結機構が、操作手段の往動操作の程度に応じて、長手状取り付け手段のほぼ長さ方向に移動させられることができたり、長手状取り付け手段から取り外されることができたりするので、連結機構の上記移動および上記取り外しの操作が比較的簡単で比較的確実である。さらに、請求項7に記載の発明によれば、比較的簡単な構成でもって、第1の爪部に対する第2の爪部の相対的な接近および離間をさらに確実に行うことができる。そして、請求項6に記載の発明によれば、第1の爪部に対する第2の爪部の相対的な接近および離間をさらに確実に行うことができる。
【0016】
また、請求項8に記載の発明によれば、比較的簡単な構成でもって、連結機構の第1の爪部が、長手状取り付け手段の奥側の面と第1の奥側の角部とによって比較的確実かつ比較的強固に位置保持されることができるとともに、第2の爪部が、長手状取り付け手段の奥側の面と第2の奥側の角部とによって比較的確実かつ比較的強固に位置保持されることができる。そして、請求項9に記載の発明によれば、長手状取り付け手段が第1および第2の爪部を位置保持させたときに、連結機構本体および爪部材から長手状取り付け手段の第1および第2の長手状側端部に加わる力をできるだけ小さくすることができるので、長手状取り付け手段の長手状開口部の両側端部にできるだけ力が加わらないようにすることができ、このために、長手状取り付け手段の耐久性を比較的高めることができる。
【0017】
また、請求項10に記載の発明によれば、トレー部材と連結機構との相互の間隔を支持アームの長さに応じて大きくすることができるので、取扱者が保育器から比較的離れた位置に居ても取扱者がトレー部材上の保育器用機器などの物品を比較的容易に視認することができるように、支柱などが目障りにならない箇所にトレー部材(ひいては、保育器用機器など)を配置することができる。それでいて、取扱者が保育器から比較的近い位置に居る場合には、取扱者は、トレー部材を支持アームに対してほぼ水平方向に回動させたり、支持アームを連結機構に対してほぼ水平方向に回動させたりして、保育器用機器などを視認し易い位置や向きにしたり、操作し易い位置や向きにすることができる。さらに、請求項11に記載の発明によれば、トレー機構を取り付けるための支柱を別に設ける必要がなく、また、固定支柱の外周囲には、長手状開口部をその側面にほぼ全長にわたって設けるだけでよいから、保育器の構成が特に複雑になるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明を閉鎖型保育器兼用の開放型保育器に適用した−実施例における保育器の、閉鎖型の状態での斜視図である。(実施例1)
図2図1に示す保育器の、トレー機構付近の斜視図である。(実施例1)
図3】トレー機構本体を連結機構から取り外した状態で示す図2のトレー機構付近の斜視図である。(実施例1)
図4図2に示すトレー機構の、図2と同様の斜視図である。(実施例1)
図5図4に示すトレー機構の正面図である。(実施例1)
図6図5に示すトレー機構の右側面図である。(実施例1)
図7図5に示すトレー機構の左側面図である。(実施例1)
図8図5に示すトレー機構の背面図である。(実施例1)
図9図5に示すトレー機構の平面図である。(実施例1)
図10図5に示すトレー機構の底面図である。(実施例1)
図11図9のI−I線における断面図である。(実施例1)
図12図5に示すトレー機構の斜め下方から見た斜視図である。(実施例1)
図13図3に示す連結機構の分解斜視図である。(実施例1)
図14図3に示す固定支柱および連結機構の要部を拡大して部分的に示す横断面図である。(実施例1)
図15】連結機構を固定支柱に取り付ける第1の途中の状態を示す、図14と同様の横断面図である。(実施例1)
図16】連結機構を固定支柱に取り付ける第2の途中の状態を示す、図14と同様の横断面図である。(実施例1)
図17図14に示す固定支柱および支持部材の要部をさらに拡大して部分的に示す横断面図である。(実施例1)
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を閉鎖型保育器兼用の開放型保育器に適用した−実施例を、「1、保育器全体の概略的な構成」、「2、トレー機構の構成」および「3、トレー機構の動作」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
1、保育器全体の概略的な構成
【0021】
保育器1は、図1に示すように、平面的に見てほぼ長方形状などの基台2と、この基台2のほぼ外周囲に沿って立設されているほぼ直方体形状などのエンクロージャ3とを備えている。そして、基台2上には、臥床架(図示せず)が配置されている。また、この臥床架上に配置されている児用のマット(図示せず)の上面には、必要に応じて薄いシーツ(図示せず)が敷かれてから、未熟児などの児が、上記児用マット上に横たわらされて、診察、処置、保育などを施される。さらに、エンクロージャ3は、全体としてほぼ透明であってよく、前側の壁部4、後側の壁部(図示せず)、頭側(換言すれば、基端部側)の壁部5および脚側(換言すれば、先端部側)の壁部6をそれぞれ備えている。そして、前側の壁部4、上記後側の壁部、頭側の壁部5および脚側の壁部6によって、平面的に見てほぼ長方形状などの周囲枠部が構成されている。また、前側の壁部4、上記後側の壁部、脚側の壁部6などは、フェンスまたは処置窓を構成しているので、児に対する診察、処置、保育などを任意の方向から施すことができるようにするために、ほぼ下方に向かって往回動することまたはほぼ下方に向ってほぼ直線的に往動することなどによって開放され得るように構成されている。さらに、前側の壁部4、上記後側の壁部などには、左右一対などの手入れ窓7が配置されていてよい。なお、上述のように、前側の壁部4、上記後側の壁部および脚側の壁部6が完全に開放されたときには、保育器1を蘇生処置用装置としても用いることができる。
【0022】
図1に示す基台2は、ほぼ水平方向に延在するフレーム(図示せず)に取り付け支持されている。そして、このフレームは、メイン支柱11に支持されている。また、このメイン支柱11は、それぞれが車輪12付きの合計で例えば4本の腕部を有する左右一対のベース13に取り付け支持されている。さらに、これら一対のベース13は、共通の連結部材8によって、互いに連結されている。そして、この連結部材8には、メイン支柱11が立設されている。また、図1に示すメイン支柱11に取り付け支持されている前記フレームには、図1に示すように互いにほぼ左右対称であってよい左右一対のサブ支柱14a、14bが共通の連結部材15を介して取り付け支持されている。そして、これら左右一対のサブ支柱14a、14bは、頭側の壁部5から外方側に遠ざかる方向に向かってエンクロージャ3から離間した状態でもって、頭側の壁部5よりもさらに外方側に配置されている。
【0023】
エンクロージャ3は、図1に示すように、天面フード16をさらに備えている。そして、左右一対のサブ支柱14a、14bのうちの図1における例えば左側の加熱器用サブ支柱14aには、図1に示すように、加熱器17が支持軸18によって取り付け支持されている。また、図1における例えば右側の天面フード用サブ支柱14bには、天面フード16が支持腕21によって取り付け支持されている。この場合、天面フード16は、ほぼ四角錐台形状などであってよく、また、その下面が開放された中空体であってよい。したがって、エンクロージャ3は、前記周囲枠部と、この周囲枠部の上端開口を選択的に覆うことができる天面フード16とを備えている。そして、図1に示す閉鎖型の状態での保育器1においては、エンクロージャ3は、ごく小さいほぼ小屋形状に構成されている。なお、左右一対のベース13のうちの前側のベース13には、前後一対のフットスイッチ22a、22bが互いに隣接して配設されている。そして、操作者が前側のフットスイッチ22aを足などで押圧操作したときには、前記フレームがメイン支柱11に対して下降するので、このフレームに取り付けられている基台2などが同様に下降する。また、操作者が後側のフットスイッチ22bを足などで押圧操作したときには、前記フレームがメイン支柱11に対して上昇するので、このフレームに取り付けられている基台2などが同様に上昇する。
【0024】
図1に示す加熱器用サブ支柱14aおよび天面フード用サブ支柱14bのそれぞれは、固定支柱23および可動支柱(図示せず)から成っている。そして、左右一対のサブ支柱14a、14bの固定支柱23の下端部は、共通の連結部材15を介して前記フレームに取り付け支持されている。また、上記一対の可動支柱は、従動歯車、駆動用チェーン、駆動歯車、電動モータなどの昇降駆動機構(いずれも図示せず)によって、固定支柱23内を上下方向にそれぞれ往復駆動(換言すれば、昇降駆動であって、固定支柱23に対して伸縮可能に駆動)されるように構成されている。そして、天面フード16が上記可動支柱の上昇にともなって上昇位置まで移動したときには、保育器1は、開放型保育器として機能する。また、天面フード16が上記可動支柱の下降にともなって図1に示すように下降位置まで移動したときには、保育器1は、閉鎖型保育器として機能する。さらに、この閉鎖型保育器として機能するときには、加熱器17は、その使用状態(この場合には、使用状態であっても少量の熱線しか放射されない。)においては、上記可動支柱の上昇にともなって上昇位置(図示せず)に留まり、その不使用状態においては、上記可動支柱の下降にともなって図1に示す下降位置まで移動していてよい。なお、加熱器17およびその回動駆動機構のそれぞれの構成や加熱器17と天面フード16との相互の関係を含む保育器1の全体構成の詳細は、本発明の要旨ではないので、その詳細な図示および詳細な説明は、本文においては省略する。
【0025】
基台2の脚側の壁部6側には、図1に示すように、開閉用ドア24が配設されている。そして、この開閉用ドア24は、加湿器としての加湿ユニット(図示せず)を保育器本体25の基台2に装着したり取り出したりするのに用いられる開口26を開閉することができる。また、天面フード16用のサブ支柱14bの固定支柱23には、図1に示すように、例えば3つのトレー機構31が支柱23に対して着脱可能にかつ支柱23に沿ってほぼ上下方向に往復動可能に取り付けられている。そして、これら3つのトレー機構31は、支柱23の上部、中間部および下部にそれぞれ取り付けられている。また、支柱23の例えば下部に取り付けられたトレー機構31のトレー機構本体32のトレー部材33上には、例えばシリンジポンプ34が載置されている。さらに、上記3つのトレー機構31のそれぞれは、支柱23への取り付け箇所が上部、中間部および下部であることを除いて、実質的に互いに同一の構成を有しかつ実質的に互いに同一の動作を行うものであってよい。なお、トレー機構31の構成および動作については、それぞれ後述する「2、トレー機構の構成」および「3、トレー機構の動作」の項において詳細に説明する。
【0026】
2、トレー機構の構成
【0027】
それぞれのトレー機構31は、図4図12に示すように、トレー機構本体32と、連結手段としての連結機構35とをそれぞれ備えている。そして、トレー機構本体32は、保育器用トレー(換言すれば、乳児用などの児用トレー、産科用トレー、産婦人科用トレーまたは医療用トレー)として機能するトレー部材33と、このトレー部材33の下側面に回動可能に取り付けられた支持手段としての支持アーム36と、この支持アーム36に回動可能に取り付けられた被連結手段としての被連結部材37とを備えている。また、トレー部材33は、ほぼ長方形状の平板部41と、この平板部41の外周囲に沿って立設されている縁部としての突壁部42とを備えている。さらに、平板部41の下側面には、図11図12などに示すように、この平板部41のほぼ長さ方向に沿ってその中央部をほぼその全長にわたって延在している補強板43が取り付け固定されている。
【0028】
トレー部材33の下側面のほぼ中央には、図10図12などに示すように、支持アーム36の基端部38が第1の軸支手段としての第1の軸支機構44によって回動可能に取り付けられている。また、支持アーム36の先端部39には、被連結部材37が第2の軸支手段としての第2の軸支機構45によって回動可能に取り付けられている。なお、第1の軸支機構44は、支持軸46と、この支持軸46を取り付けるために補強板43に取り付けられた台座47と、スペーサ51と、支持軸46にねじ込み固定されているねじ52と、ワッシャ53とを備えている。そして、第2の軸支機構44は、支持軸54と、ワッシャ55と、支持軸54にねじ込み固定されているねじ56とを備えている。また、被連結部材37は、図3図10などに示すように、被軸支部61と、この被軸支部61に取り付け固定または一体成形されている被連結部62とを備えている。そして、被軸支部61は、支持アーム36に対して支持軸54を支点として回動可能に構成されている。また、被連結部62は、ほぼ上下に貫通している左右一対のスリット(換言すれば、係合溝)63をその左右両側に備えている。したがって、被連結部62の自由端側には、左右一対の突出部を有する係合板部64が配設されている。
【0029】
図3などに示す連結機構35は、トレー部材33を支持アーム36および被連結部材37をそれぞれ介してサブ支柱14bの固定支柱23に着脱自在に取り付けるために用いられる。なお、サブ支柱14bの固定支柱23は、図3図15などに示すように、その横断面がその長さ方向に沿ってほぼ均一である押し出し材から構成されている。そして、この固定支柱23の前側の側面には、この固定支柱23の上端から下端までこの固定支柱23を貫通して延在している長手状内部空間または盲穴としての長手状案内溝71が設けられている。なお、このような案内溝71は、固定支柱23の前側の側面以外のほぼ上下方向に延在している面にも設けられていてよい。そして、図示の実施例においては、このような案内溝71が固定支柱23の背面にも案内溝72として配設されている。また、連結機構35には、固定側としての第1の爪部73が一体成形などによって配設されるとともに、可動側としての第2の爪部74が例えば2本の締め付け用のねじ(換言すれば、ねじ手段)75によってほぼ直線移動可能に取り付けられている。そして、第2の爪部74が、2本の締め付け用のねじ75のねじ込みおよびねじ戻しによって、図15における右方向および左方向にそれぞれほぼ直線移動するように構成されている。
【0030】
したがって、図3および図14に示す状態において、例えば2本の締め付け用ねじ75を往回動させたときに、第1の爪部73の外側端と第2の爪部74の外側端との水平方向における間隔L図15参照)を狭くすることができるように構成されている。なお、上記間隔Lとは、図15に示すように、連結機構35を案内溝71(換言すれば、入口部76)に正対させた状態において、入口部76の間口の間隔Lとほぼ平行な方向を意味している。そして、連結機構35を前方(すなわち、図16における下方)に引っ張ったときに、第1および第2の爪部73、74を案内溝71から取り外すことができるために、連結機構35を固定支柱23から取り外すことができるように構成されている。上述のとおりであるから、トレー機構31は、一般的に言えば、保育器1のような産科用医療機器、産婦人科用医療機器などの医療機器の支柱23などの支持体に取り付けることができる医療機器用トレーと称されることができる。
【0031】
つぎに、連結機構35の構成を、図13図16を参照して、さらに詳細に説明すると、連結機構35は、支持手段としての支持部材を兼用している連結機構本体77と、連結機構本体77に対して往復動することができる爪部材81とを備えている。そして、連結機構本体77には、連結部材37の被連結部62の係合板部64を嵌合させることができる係合溝82が、その全長にわたってほぼ上下方向に延在するように、配設されている。また、この係合溝82は、その全長にわたってほぼ上下方向に延在している入口部83を有している。なお、この入口部83の水平方向における長さは、係合溝82の水平方向における長さよりも小さくなっている。このために、入口部83の両側端部には、左右一対の突出壁部88a、88bがそれぞれ形成されている。さらに、連結機構本体77には、上下一対の締め付け用ねじ75を好ましくは嵌合状態でもって貫通させるための上下一対の貫通孔84が配設されている。そして、爪部材81の基端部から成る被ガイド部87には、上記上下一対の貫通孔84にそれぞれ対応するように、上下一対のねじ孔85が配設されている。そして、連結機構本体77に設けられたガイド溝86には、爪部材81に設けられた被ガイド部87が、ほぼ水平方向に往復摺動(換言すれば、往復動)し得るように、嵌合している。また、上下一対の締め付け用ねじ75は、連結機構本体77の上下一対の貫通孔84にそれぞれ挿通されてから、爪部材81の上下一対のねじ孔85にそれぞれねじ込まれている。
【0032】
連結機構本体77の係合溝82の奥側の壁面の下端部附近に配設されたねじ孔94には、ストッパ手段としてストッパ用ねじ91がねじ込み固定されている。そして、連結機構本体77には、この連結機構本体77をそのほぼ上下方向に沿って貫通している貫通孔92が配設されている。なお、この貫通孔92は、ストッパ手段としてのストッパ部材93を取り付けるためのストッパ取り付け用凹部として機能する。具体的には、貫通孔92の前後一対の壁面の上端部付近には、前後一対の係合孔95がそれぞれ配設されている。そして、これらの係合孔95には、ガイド軸96の前後一対の端部がそれぞれ嵌合している。また、ガイド軸96は、ストッパ部材93の貫通孔101と、弾性付勢手段またはばね手段としての圧縮用コイルばね102とを予めそれぞれ貫通している。なお、ストッパ部材93がコイルばね102よりも係合溝82に近くなるように、ストッパ部材93およびコイルばね102は、ガイド軸96に挿入された状態でもって、このガイド軸96に取り付け保持されている。
【0033】
3、トレー機構の動作
【0034】
図1に示す閉鎖型保育器として使用されている第1の状態と、フード16が上方に移動している開放型保育器として使用されている第2の状態とのうちのいずれの状態に保育器1がなっていても、図4図12に示すトレー機構31を例えばサブ支柱14bの固定支柱23に取り付けることができる。この場合、図4図12に示すトレー機構31の全体を支柱23に一度に取り付けることも可能である。しかし、通常は、図3にも例示されているように、連結機構35をトレー機構本体32から取り外した後に、まず、連結機構35のみを支柱23に取り付ける。そして、上述のようにして、図4図12に示すトレー機構31を支柱23に取り付ける場合には、つぎの(a)項〜(e)項に記載の取り付け操作を行えばよい。
【0035】
(a)まず、図4図12に示すトレー機構31の連結機構35を、図3に例示されているように、トレー機構本体32から取り外す。この場合、取扱者の指などによって、ストッパ部材93をコイルばね102の弾性付勢力に逆らって図14におけるほぼ上方に往動させる。そして、上記往動状態を保ったままで、トレー機構本体32の被連結部材37に対して連結機構35をほぼ下方に往動させる。このために、連結機構35の突出壁部88a、88bおよび係合溝82のそれぞれは、被連結部材37の被連結部62の係合溝63および係合板部64のそれぞれから離脱する。そして、この離脱後に、取扱者の指などをストッパ部材93から離すと、このストッパ部材93は、コイルばね102の弾性付勢力によって、図14におけるほぼ下方に復動する。
【0036】
(b)ついで、図15に示すように、六角レンチ(図示せず)などによって上下一対の締め付け用ねじ75を爪部材81の左右一対のねじ孔85に対して或る程度ねじ戻す。このねじ戻しによって、図15に示すように、爪部材81がガイド溝86から離脱する方向に往動するので、第2の爪部74が第1の爪部73に接近する。このために、第1の爪部73の外側端と第2の爪部74の外側端との水平方向における間隔Lが、図15に示すように、案内溝71の入口部76の間口の水平方向における間隔Lとほぼ同一になるか、あるいは、上記間口の間隔Lよりも小さくなる。
【0037】
(c)ついで、第1および第2の爪部73、74を、図16に示すように、その入口部76から案内溝71に差し込む。
【0038】
(d)ついで、第1および第2の爪部73、74を、必要に応じて、案内溝71のほぼ長さ方向(換言すれば、ほぼ高さ方向)に移動させて、所望の高さ位置にする。この場合、一対の締め付け用ねじ75を上記六角レンチなどによって或る程度ねじ込んでおけば、第1および第2の爪部73、74(ひいては、連結機構35)の上記ほぼ高さ方向における移動を安定した状態でもってスムースに行うことができる。そして、上下一対の締め付け用ねじ75を上記六角レンチなどによってねじ込むと、図14に示すように、第1の爪部73と第2の爪部74とが図16に示す状態に較べて互いに離間する。このために、第1および第2の爪部73、74が、案内溝71の奥側の壁面114および入口側の壁面(具体的には、奥側の端部113、115)にそれぞれ圧接することによって、支柱23に強固に固定される。
【0039】
(e)ついで、トレー機構本体32の被連結部62の係合板部64および係合溝63のそれぞれを、図2に示すように、連結機構35の連結機構本体77の係合溝82および突出壁部88a、88bに凹凸嵌合によってそれぞれ嵌合させて、両者を互いに結合させる。この嵌合時には、まず、係合板部64が、ストッパ部材93の傾斜面104に当接して、この傾斜面104を押圧する。このために、ストッパ部材93は、コイルばね102の弾性付勢力に逆らって図14におけるほぼ上方に往動する。したがって、被連結部62の係合板部64および係合溝63のそれぞれは、連結機構35の係合溝82および突出壁部88a、88bのそれぞれに嵌合することができる。そして、この嵌合後には、ストッパ部材93は、コイルばね102の弾性付勢力によって、図14におけるほぼ下方に復動して、係合溝82からの係合板部64の抜け出しを防止する。この結果、トレー機構本体32(ひいては、トレー部材33)は、連結機構35を介して、支柱23に強固に取り付け固定される。したがって、トレー部材33の平板部41上に、図1に例示するように、シリンジポンプ34などの医療用機器(換言すれば、保育器用機器、乳幼児用機器、産科用機器)、その他の物品を載置することができる。なお、トレー機構本体32が、図2に示すように、連結機構35を介して支柱23に取り付けられている状態においても、後記(g)項に記載のようにして、上下一対の締め付け用ねじ75を爪部材81の上下一対のねじ孔85に対して或る程度ねじ戻してから、トレー機構31全体を、前記(d)項に記載のように、ほぼ高さ方向に移動させることができる。
【0040】
図2に示すように支柱23に取り付けられているトレー機構31を支柱23から取り外す場合には、図4図12に示すトレー機構31の全体を支柱23から一度に取り外すことも可能である。しかし、通常は、図3にも例示されているように、トレー機構本体32を連結機構35から取り外した後に、必要に応じて、連結機構35のみを支柱23から取り外せばよい。そして、このようにしてトレー機構31を支柱23から取り外す場合には、つぎの(f)項および(g)項に記載の取り外し操作を行えばよい。
【0041】
(f)まず、取扱者の指などによって、ストッパ部材93をコイルばね102の弾力付勢力に逆らって図14におけるほぼ上方に往動させる。そして、上記往動状態を保ったままで、連結機構35に対してトレー機構本体32の被連結部材37の被連結部62(換言すれば、トレー機構本体32全体)をほぼ上方に往動させる。このために、被連結部62の係合板部64および係合溝63のそれぞれは、連結機構本体77の係合溝82および突出壁部88a、88bからそれぞれ離脱する。そして、この離脱後に、取扱者の指などをストッパ部材93から離すと、このストッパ部材93は、コイルばね102の弾性付勢力によって、図14におけるほぼ下方に往動する。
【0042】
(g)ついで、連結機構35を、必要に応じて、支柱23から取り外す。なお、この取り外しの際には、前記(b)項に記載のように、前記六角レンチなどによって、上下一対の締め付け用ねじ75を爪部材81の左右一対のねじ孔85に対して或る程度ねじ戻す。ついで、連結機構35を図16に示す状態から図15に示す状態まで、図16におけるほぼ下方に引張ることによって、第1および第2の爪部73、74を支柱23の案内溝71から外部に取り出す。そして、この取り出しによって、連結機構35を支柱23から取り外すことができる。
【0043】
しかし、連結機構35は、上記(g)項に記載のように支柱23から取り外される必要は必ずしもなく、トレー機構本体32などの今後の使用のために、図3および図14に示すように支柱23に取り付けられたままであってもよい。さらに、トレー機構本体32以外の保育器用などの機器(以下、「前記医療用機器」という。)も連結機構35に取り付けることができる。そして、前記医療用機器は、例えば表示ユニットであってよい。また、上記表示ユニットは、保育器1のエンクロージャ3内の保育環境についての情報を表示することができるものであってよい。なお、上記保育環境についての上記情報は、児の体温と、器内温についての設定温度または児の体温についての設定温度と、器内温と、保育器1内の湿度と、保育器内の湿度についての設定湿度とを含んでいてよい。さらに、上記表示ユニットは、操作ユニットを兼用していてもよい。また、上記操作ユニット兼用の表示ユニット(以下、「上記操作ユニット」という。)は、エンクロージャ3内の上記保育環境についての保育器1の運転状態を変更するか、あるいは、切り替えるための操作部を含んでいてよい。この場合、上記表示ユニットまたは上記操作ユニットは、トレー機構本体32の場合と同様に、これらのユニットを連結機構35に連結させるための被連結部材37またはこれと実質的に同一または類似の機能を有する被連結手段を備えていればよい。そして、上記表示ユニットまたは上記操作ユニットを連結機構35に取り付けるときには、前記(b)項〜前記(e)項に記載の取り付け操作を行えばよい。また、上記表示ユニットまたは上記操作ユニットを連結機構35から取り外すときには、前記(f)項および(g)項に記載の取り外し操作を行えばよい。さらに、上記表示ユニットまたは上記操作ユニット自体が、被連結手段だけではなく、連結機構35またはこれと実質的に同一または類似の機能を有する連結手段を備えていてもよい。
【0044】
図17には、連結機構35の連結機構本体77が固定支柱23に取り付け固定されている状態が、簡略化して示されている。なお、第1の爪部73の基端部の外側面(換言すれば、第2の爪部74側とは反対側の側面)には、凹部105が形成されている。また、第2の爪部74の基端部の外側面(換言すれば、第1の爪部73側とは反対側の側面)には、図15などに示すように、凹み部106が形成されている。そして、図14に示すように、連結機構本体77が固定支柱23に取り付けられている取り付け状態においては、第1の爪部73の凹み部105の先端側の部分(換言すれば、傾斜面)111と、この第1の爪部73の先端部112とが、案内溝71の内周面に当接している。具体的には、先端側の部分111は、入口部76の左側における奥側の端部113に当接している。また、先端部(換言すれば、先端面)112は、案内溝71の奥側の面114に当接している。したがって、奥側の端部113と奥側の面114とは、第1の爪部73を挟み込んでいる。さらに、上記取り付け状態においては、第2の爪部74の凹み部106の先端側の部分(換言すれば、傾斜面)117と、この第2の爪部74の先端部121とが、案内溝71の内周面に当接している。具体的には、先端側の部分117は、入口部76の右側における奥側の端部115に当接している。また、先端部(換言すれば、先端面)121は、案内溝71の奥側の面114に当接している。したがって、奥側の端部115と奥側の面114とは、第2の爪部74を挟み込んでいる。
【0045】
連結機構本体77の第1の爪部73の先端面112は、図14図17などに示すように、ほぼ平坦であって、同様にほぼ平坦である奥側の面114にほぼ面接触状態でもって圧接している。そして、爪部材81の第2の爪部74の先端面121も、ほぼ平坦であって、同様にほぼ平坦である奥側の面114にほぼ面接触状態でもって圧接している。また、入口部76の左側における奥側の端部(換言すれば、角部)113は、ほぼ平坦である先端側の部分111にほぼ線接触状態でもって圧接している。さらに、入口部76の右側における奥側の端部(換言すれば、角部)115は、ほぼ平坦である先端側の部分117にほぼ線接触状態でもって圧接している。したがって、第1の爪部73(ひいては、連結機構本体77)および第2の爪部74(ひいては、爪部材81)は、ほぼ水平方向においては、常に所定の位置に確実に取り付け固定される。
【0046】
連結機構35の第1および第2の爪部73、74は、図14図17などに示すように、固定支柱23に接触している。しかし、連結機構35のうちの第1および第2の爪部73、74以外の部分は、固定支柱23には接触していない。そして、第1の爪部73の先端面111と、案内溝71の奥側の面114(換言すれば、第1の先端面112)との成す角度θは、図示の実施例においては、ほぼ30°である。また、第2の爪部4の先端側の部分117と、奥側の面114(換言すれば、第2の先端面121)との成す角度θも、図示の実施例においては、ほぼ30°である。このために、先端側の部分111によって奥側の先端部113に加えられる力Fは、奥側の面114に対して垂直な方向の力Fと平行な方向の力Fとに分割される。そして、先端側の端部117によって奥側の端部115に加えられる力Fは、奥側の面114に対して垂直な方向の力Fと平行な方向の力Fとに分割される。なお、3つの力F、FおよびFは、図14に示す状態において、図17に示す3つの力F、FおよびFとは通常はほぼ左右対称的になる。
【0047】
上記力F〜Fの関係は、つぎの(A)項〜(D)項に記載のとおりである:
(A)F=F×cos30°≒0.866F
(B)F=F×sin30°=0.5F
(C)F=F×cos30°≒0.866F、および
(D)F=F×sin30°=0.5F
【0048】
上述のとおりであるから、連結機構本体77および爪部材81から入口部76の左右両側の側面部122、123にできるだけ力が加わらないようにすることができ、このために、一方の側面部122および他方の側面部123が入口部76の間隔L図15参照)を大きくするように変形するおそれがあまりない。そして、第1および第2の爪部73、74の先端部112、121のそれぞれによって、奥側の面114を押す力が加えられる。したがって、操作者が締め付け用ねじ75を六角レンチなどによって特に強い力でねじ込まなくても、連結機構35をがたつきを生じないように固定支柱23に確実に取り付けることができる。
【0049】
上記角度θおよびθのそれぞれは、実用性の観点から見て、一般的につぎの(E)項および(F)項に記載の数値範囲であるのが好ましい。なお、つぎの(E)項および(F)項におけるかっこ内の数値範囲の記載は、さらに好ましい数値範囲を示している。
【0050】
(E)角度θが20°〜40°(24°〜36°)の範囲であること、および
(F)角度θが20°〜40°(24°〜36°)の範囲であること。
【0051】
以上、本発明の一実施例について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている発明の趣旨に基づいて各種の変更および修正が可能である。
【0052】
例えば、上述の実施例においては、本発明を閉鎖型保育器兼用の開放型保育器に適用した。しかし、本発明は、閉鎖型保育器、開放型保育器などの他の保育器にも適用することができる。
【0053】
また、上述の実施例においては、トレー機構31をサブ支柱14bの固定支柱23に取り付けることができるように構成した。しかし、トレー機構31は、サブ支柱14bの固定支柱23以外の各種の支柱(例えば、トレー機構31を専用に支持する支柱)に取り付けることもできる。
【0054】
また、上述の実施例においては、支柱におけるトレー機構取り付け手段(換言すれば、長手状取り付け手段)が、固定支柱23のほぼ長さ方向(換言すれば、ほぼ上下方向)に沿って延在している長手状入口部76と、この長手状入口部76の一方の側に沿って延在している第1の奥側の端部113と、上記長手状入口部76の他方の側に沿って延在している第2の奥側の端部115とを備えている。また、連結機構35が、第1の爪部73を有する連結機構本体77と、この連結機構本体77にほぼ直線往復動可能に支持されかつ第2の爪部74を有する爪部材81とを備えている。そして、第1の爪部73が第1の奥側の端部113と奥側の面114とに係合するとともに、第2の爪部74が第2の奥側の端部115と奥側の面114とに係合するように構成した。しかし、支柱におけるトレー機構取り付け手段は、固定支柱23のほぼ長さ方向に沿って延在している長手状の突出部から構成されていてもよい。この場合、上記長手状突出部は、支柱23にその基端側を結合されて支柱23に一体成形されている長手状の幅狭部と、この長手状幅狭部のほぼ水平方向における先端側に一体成形されている長手状の幅広部とを備えていてよい。そして、上記長手状突出部は、その横断面が例えばほぼ鍵穴形状であってよい。さらに、第1および第2の爪部73、74は、これら第1および第2の爪部73、74の互いに対向する内側面によって、上記幅狭部と上記幅広部との境界領域付近または上記幅狭部付近をそれらの両側から挟み込むように構成されていてよい。
【0055】
また、上述の実施例においては、爪部材81を往復動させるために操作される操作手段としての締め付け用ねじ75を設けた。しかし、このような締め付け用ねじ75に代えて、爪部材81を往復回動または往復動させるために直接にまたは六角レンチなどによって間接的に操作される別の操作手段(例えば、回動摘みや、上記カムを往復動させるために操作される操作摘み)を設けてもよく、さらには、上記操作手段を弾性付勢手段に代えることによって、上記操作手段を省略してもよい。
【0056】
さらに、上述の実施例においては、爪部材81をに締め付け用ねじ75によって連結機構本体77にほぼ直線往復動可能に支持している。しかし、爪部材81は、ほぼ直線往復動以外の他の往復動を行うように構成されていてもよく、例えば、連結機構本体77に支軸によって往復回動可能に軸支されていてもよく、また、カムとカムフォロアとを用いて往復動するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 閉鎖型保育器兼用の開放型保育器(保育器)
23 固定支柱(支柱)
31 トレー機構
32 トレー機構本体
33 トレー部材(保育器用トレー、産科用トレー、医療用トレー、産婦人科用トレー)
35 連結機構(連結手段)
76 長手状入口部(長手状開口部)
88a 長手状突出壁部(第1の長手状側端部)
88b 長手状突出壁部(第2の長手状側端部)
113 第1の奥側の端部(第1の奥側の角部)
114 奥側の壁面(奥側の面)
115 第2の奥側の端部(第2の奥側の角部)
図1
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