(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の電子部品実装機の実施の形態について説明する。
【0019】
<第一実施形態>
[電子部品実装機の構成]
まず、本実施形態の電子部品実装機の構成について説明する。以下に示す図面において、左右方向は、X軸方向(基板の搬送方向)に対応している。前後方向は、Y軸方向(水平面内においてX軸方向に対して直交する方向)に対応している。上下方向は、Z軸方向(垂直面内においてX軸方向に対して直交する方向)に対応している。
【0020】
図1に、本実施形態の電子部品実装機の上面図を示す。
図2に、同電子部品実装機のブロック図を示す。
図1、
図2に示すように、本実施形態の電子部品実装機1は、前後一対の部品供給装置2と、基板搬送装置3と、基板支持装置(図略)と、XYロボット4と、装着ヘッド5と、前後一対の撮像装置6と、制御装置7と、ベース80と、画像処理装置81と、を備えている。
【0021】
(ベース80、部品供給装置2)
ベース80は、工場の床面に配置されている。前後一対の部品供給装置2は、ベース80の前後方向両縁付近に配置されている。部品供給装置2は、複数のテープフィーダー20を備えている。テープフィーダー20は、複数の電子部品が封入されたテープ(図略)を備えている。前側の部品供給装置2のテープフィーダー20の後端付近、後側の部品供給装置2のテープフィーダー20の前端付近には、各々、
図1にハッチングで示すように、吸着位置200が設定されている。後述する吸着ノズルは、吸着位置200から、電子部品を取り出している。
【0022】
(基板搬送装置3、基板支持装置)
基板搬送装置3は、ベース80の上面の前後方向中央付近に配置されている。基板搬送装置3は、前後一対の壁部30と、前記一対のベルト31と、前後一対のクランプ片32と、搬送モータ33と、を備えている。
【0023】
前後一対の壁部30は、ベース80の上面に立設されている。壁部30は、左右方向に延在している。前後一対のベルト31は、前側の壁部30の後面と、後側の壁部30の前面と、に対向して配置されている。ベルト31は、左右方向に延在している。基板搬送時において、基板Bは、前後一対のベルト31に架設されている。前後一対のクランプ片32は、前後一対の壁部30の上面に配置されている。クランプ片32は、左右方向に延在している。搬送モータ33は、前後一対のベルト31を駆動している。すなわち、搬送モータ33は、基板Bを、左側(生産ラインの上流側)から右側(生産ラインの下流側)に搬送している。
【0024】
基板支持装置は、前後一対の壁部30の間に配置されている。電子部品装着時において、基板支持装置は、基板Bの下面を支持している。この際、基板Bの上面は、前後両側から、前後一対のクランプ片32により、押圧されている。
【0025】
(XYロボット4)
図3に、本実施形態の電子部品実装機のX軸スライド付近の斜視図を示す。
図4に、同X軸スライド付近の前側の脚部付近の上下方向断面図を示す。
図1〜
図4に示すように、XYロボット4は、前後一対のX軸ガイドレール40と、X軸スライド41と、X軸モータ42と、上下一対のY軸ガイドレール43と、Y軸スライド44と、Y軸モータ45と、を備えている。
【0026】
前後一対のX軸ガイドレール40は、ベース80の上面に配置されている。X軸ガイドレール40は、左右方向に延在している。
図3、
図4に示すように、X軸スライド41は、前後一対の脚部410と、梁部411と、を備えている。前後一対の脚部410は、前後一対のX軸ガイドレール40に対して、左右方向に摺動可能である。梁部411は、前後一対の脚部410間に架設されている。梁部411は、前後一対の部品供給装置2、基板搬送装置3、基板Bの上側に配置されている。X軸モータ42は、ボールねじ機構部(図略)を介して、X軸スライド41を駆動している。
【0027】
図4に示すように、上下一対のY軸ガイドレール43は、X軸スライド41の右面に配置されている。
図3に示すように、Y軸ガイドレール43は、前後方向に延在している。Y軸スライド44は、上下一対のY軸ガイドレール43に対して、前後方向に摺動可能である。Y軸モータ45は、ボールねじ機構部(図略)を介して、Y軸スライド44を駆動している。
【0028】
(装着ヘッド5、吸着ノズル55a〜55d)
図5(a)に、本実施形態の電子部品実装機の装着ヘッドのノズル取付部の右面図を示す。
図5(b)に、同ノズル取付部の透過下面図を示す。なお、
図5(a)、
図5(b)に示すのは、後述する小型部品搬送モードにおけるノズル取付部である。
【0029】
図1〜
図5(a)、
図5(b)に示すように、装着ヘッド5は、ヘッド本体50と、ノズル取付部51と、Z軸モータ52と、θ軸モータ53と、を備えている。
図4に示すように、ヘッド本体50は、Y軸スライド44の右面に取り付けられている。ノズル取付部51は、ヘッド本体50の下面に配置されている。ノズル取付部51は、上下方向に延在する短軸円柱状を呈している。
図5(a)、
図5(b)に示すように、ノズル取付部51は、水平面内において、自身の中心軸Oの軸周りに回転可能である。
図2に示すように、θ軸モータ53は、ノズル取付部51を駆動している。Z軸モータ52は、後述する四つの吸着ノズル55a〜55dを、各々独立して、上下方向に駆動している。
【0030】
図5(a)、
図5(b)に示すように、四つの吸着ノズル55a〜55dは、行方向(
図5(b)に示す小型部品搬送モードにおいては前後方向)に2つ、列方向(
図5(b)に示す小型部品搬送モードにおいては左右方向)に2つ、並んで配置されている。
【0031】
ここで、行方向とは、吸着ノズル55aの中心軸Oaと、吸着ノズル55dの中心軸Odと、を結ぶノズル間直線Ldaの延在方向である。また、行方向とは、吸着ノズル55bの中心軸Obと、吸着ノズル55cの中心軸Ocと、を結ぶノズル間直線Lbcの延在方向である。
【0032】
また、列方向とは、吸着ノズル55aの中心軸Oaと、吸着ノズル55bの中心軸Obと、を結ぶノズル間直線Labの延在方向である。また、列方向とは、吸着ノズル55cの中心軸Ocと、吸着ノズル55dの中心軸Odと、を結ぶノズル間直線Lcdの延在方向である。
【0033】
左右方向に隣り合う吸着ノズル55a〜55b間のピッチ(=吸着ノズル55c〜55d間のピッチ)と、前後方向に隣り合う吸着ノズル55a〜55d間のピッチ(=吸着ノズル55b〜55c間のピッチ)と、は同一である。(左右方向または前後方向に隣り合う吸着ノズル55a〜55d間のピッチ):(対角線方向に隣り合う吸着ノズル55a〜55d間のピッチ)は、1:√2である。
【0034】
図5(a)、
図5(b)にハッチングを施すように、四つの吸着ノズル55a〜55dのうち、対角線方向に配置されている二つの吸着ノズル55a、55cは、残りの二つの吸着ノズル55b、55dに対して、長軸である。このため、四つの吸着ノズル55a〜55dの上下方向の移動ストロークの上死点において、二つの吸着ノズル55a、55cの下端は、残りの二つの吸着ノズル55b、55dの下端よりも、下側に配置されている。このため、四つの吸着ノズル55a〜55dの下端の高度が同じ場合と比較して、長軸の吸着ノズル55a、55cだけを使用して大型の電子部品を搬送する場合、電子部品が、短軸の二つの吸着ノズル55b、55dに、干渉しにくい。
【0035】
図5(b)に示すように、ノズル取付部51の下面には、二つのマークMが配置されている。二つのマークMは、中心軸Oを中心に、180°対向して配置されている。下側から見て、二つのマークMは、吸着ノズル55a〜55dに吸着された電子部品の陰に隠れない位置に配置されている。
【0036】
(撮像装置6)
図3、
図4に示すように、前後一対の撮像装置6は、X軸スライド41の前後一対の脚部410に配置されている。前後一対の撮像装置6の構成、配置は同じである。前後一対の撮像装置6を代表して、以下、前側の撮像装置6の構成、配置について説明する。
【0037】
撮像装置6は、CCD(Charge−Coupled Device)カメラ60と、プリズム61と、カメラ用ブラケット62と、プリズム用ブラケット63と、を備えている。CCDカメラ60は、カメラ用ブラケット62を介して、脚部410の右面に取り付けられている。
図5(b)に示すように、CCDカメラ60の視野Aは、下側から見て、長方形状を呈している。すなわち、視野Aは、左右方向に延在する前後両辺(短辺)と、前後方向に延在する左右両辺(長辺)と、から構成されている。
図3、
図4に示すように、視野は、上向きである。視野Aに対する装着ヘッド5、つまり複数の吸着ノズル55a〜55dの通過方向は、前後方向である。
【0038】
プリズム61は、プリズム用ブラケット63を介して、脚部410の右面に取り付けられている。プリズム61は、CCDカメラ60の下側に配置されている。プリズム61は、直角三角柱状を呈している。プリズム61は、二つの反射面610を備えている。二つの反射面610により、CCDカメラ60の視野Aの向きを、下向きから上向きに、180°変換することができる。
【0039】
(制御装置7、画像処理装置81)
図2に示すように、制御装置7は、演算部70と、記憶部71と、入出力インターフェイス72と、複数の駆動回路と、を備えている。入出力インターフェイス72は、搬送モータ33、X軸モータ42、Y軸モータ45、Z軸モータ52、θ軸モータ53、撮像装置6と、各々、駆動回路を介して、電気的に接続されている。また、入出力インターフェイス72は、画像処理装置81に、電気的に接続されている。また、画像処理装置81は、撮像装置6に、電気的に接続されている。画像処理装置81は、撮像装置6が取得した画像データを処理している。
【0040】
[電子部品実装機の動き]
次に、本実施形態の電子部品実装機の動きについて説明する。電子部品装着時において、電子部品実装機1は、小型部品搬送モードと、大型部品搬送モードと、に切替可能である。
【0041】
(小型部品搬送モード)
図5(a)、
図5(b)に示すように、本モードは、小型の電子部品Pa〜Pdを、
図1に示す部品供給装置2の吸着位置200から、基板Bの所定の装着座標まで、搬送する際に用いられる。本モードにおいては、四つ全ての吸着ノズル55a〜55dが用いられる。
【0042】
まず、
図2に示す制御装置7は、装着ヘッド5のθ軸モータ53を駆動することにより、
図5(a)、
図5(b)に示すように、ノズル取付部51を、中心軸Oの軸周りに回転させる。そして、撮像装置6の視野Aの左右両辺(長辺)と、吸着ノズル55a〜55dの行方向(ノズル間直線Lda、Lbcの延在方向)と、を平行にする。並びに、撮像装置6の視野Aの前後両辺(短辺)と、吸着ノズル55a〜55dの列方向(ノズル間直線Lab、Lcdの延在方向)と、を平行にする。
【0043】
次に、
図2に示す制御装置7は、XYロボット4のX軸モータ42、Y軸モータ45、装着ヘッド5のZ軸モータ52を駆動することにより、
図1に示す部品供給装置2の吸着位置200から、
図5(a)、
図5(b)に示すように、四つの吸着ノズル55a〜55dを用いて、小型の電子部品Pa〜Pdを取り出す。
【0044】
続いて、
図2に示す制御装置7は、XYロボット4のX軸モータ42、Y軸モータ45を駆動することにより、
図1に示す部品供給装置2から基板Bの所定の装着座標まで、電子部品Pa〜Pdを搬送する。ここで、撮像装置6は、X軸スライド41に固定されている。一方、Y軸スライド44、つまり装着ヘッド5は、X軸スライド41に対して、前後方向に移動可能である。このため、
図3、
図4に示すように、電子部品Pa〜Pdを搬送する際、装着ヘッド5は、撮像装置6の視野Aの上側を、前後方向に通過する。装着ヘッド5が視野Aの上側を通過する際、
図2に示す制御装置7は、撮像装置6を駆動することにより、吸着ノズル55a〜55dに吸着された電子部品Pa〜Pdを、下側から撮像する。ただし、電子部品Pa〜Pdの撮像の際、装着ヘッド5は停止しない。
【0045】
図5(b)に示すように、撮像時においては、視野Aに、四つ全ての電子部品Pa〜Pdが入っている。また、視野Aに、二つのマークMが入っている。また、視野Aの左右両辺(長辺)と、吸着ノズル55a〜55dの行方向(ノズル間直線Lda、Lbcの延在方向)と、は平行である。また、視野Aの前後両辺(短辺)と、吸着ノズル55a〜55dの列方向(ノズル間直線Lab、Lcdの延在方向)と、は平行である。
【0046】
撮像装置6のCCDカメラ60が取得した画像データは、
図2に示す画像処理装置81により、処理される。処理された画像データは、制御装置7に伝送される。制御装置7は、画像データ(例えば、二つのマークMの位置)を基に、吸着ノズル55a〜55dに対する電子部品Pa〜Pdの吸着状態を検査する。検査の結果、吸着状態が正常である場合、
図2に示す制御装置7は、XYロボット4のX軸モータ42、Y軸モータ45、装着ヘッド5のZ軸モータ52を駆動することにより、
図1に示す基板Bの所定の装着座標に、電子部品Pa〜Pdを装着する。
【0047】
(大型部品搬送モード)
図6(a)に、本実施形態の電子部品実装機の大型部品搬送モードにおける装着ヘッドのノズル取付部の右面図を示す。
図6(b)に、同ノズル取付部の透過下面図を示す。
図6(a)、
図6(b)に示すように、本モードは、大型の電子部品(小型の電子部品Pa〜Pdに対して、下側から見た場合のサイズが大きい電子部品)PA、PCを、
図1に示す部品供給装置2の吸着位置200から、基板Bの所定の装着座標まで、搬送する際に用いられる。本モードにおいては、長軸の二つの吸着ノズル55a、55cが用いられる。
【0048】
まず、
図2に示す制御装置7は、装着ヘッド5のθ軸モータ53を駆動することにより、
図6(a)、
図6(b)に示すように、ノズル取付部51を、中心軸Oの軸周りに回転させる。具体的には、
図6(b)に示すように、
図5(b)に示す小型部品搬送モードに対して、ノズル取付部51を、中心軸Oの軸周りに、反時計回り方向に45°回転させる。そして、撮像装置6の視野Aの左右両辺(長辺)と、吸着ノズル55a〜55dの対角線方向(ノズル間直線Lacの延在方向)と、を平行にする。並びに、撮像装置6の視野Aの前後両辺(短辺)と、吸着ノズル55a〜55dの対角線方向(ノズル間直線Lbdの延在方向)と、を平行にする。
【0049】
以降の作業は、小型部品搬送モードと同様である。すなわち、
図2に示す制御装置7は、XYロボット4のX軸モータ42、Y軸モータ45、装着ヘッド5のZ軸モータ52を駆動することにより、
図1に示す部品供給装置2から基板Bの所定の装着座標まで、電子部品PA、PCを搬送する。
【0050】
図6(b)に示すように、撮像時においては、視野Aに、二つ全ての電子部品PA、PCが入っている。また、視野Aに、二つのマークMが入っている。すなわち、二つのマークMは、下側から見て、吸着ノズル55a〜55dに吸着された大型の電子部品PA、PCの陰に隠れない位置に配置されている。具体的には、二つのマークMは、下側から見て、ノズル間直線Lacの延在方向に対して直交する方向に、電子部品PA、PCの一辺の最大長さの1/2以上、中心軸Oa、Ocから離間して、配置されている。また、視野Aの左右両辺(長辺)と、吸着ノズル55a〜55dの対角線方向(ノズル間直線Lacの延在方向)と、は平行である。また、視野Aの前後両辺(短辺)と、吸着ノズル55a〜55dの対角線方向(ノズル間直線Lbdの延在方向)と、は平行である。制御装置7は、画像データ(例えば、二つのマークMの位置)を基に、吸着ノズル55a、55cに対する電子部品PA、PCの吸着状態を検査する。
【0051】
[作用効果]
次に、本実施形態の電子部品実装機の作用効果について説明する。
図5(a)、
図5(b)、
図6(a)、
図6(b)に示すように、本実施形態の電子部品実装機1によると、電子部品Pa〜Pd、PA、PCを吸着する前に、制御装置7が、予め、ノズル取付部51の角度(水平面内における回転角度)を設定している。
【0052】
具体的には、
図5(a)、
図5(b)に示すように、行方向および列方向に並ぶ四つ全ての吸着ノズル55a〜55dを使用する場合は、下側から見て、視野Aの左右両辺(長辺)と、吸着ノズル55a〜55dの行方向(ノズル間直線Lda、Lbcの延在方向)と、を平行にしている。並びに、視野Aの前後両辺(短辺)と、吸着ノズル55a〜55dの列方向(ノズル間直線Lab、Lcdの延在方向)と、を平行にしている。
【0053】
また、
図6(a)、
図6(b)に示すように、対角線方向に並ぶ二つの吸着ノズル55a、55cを使用する場合は、下側から見て、視野Aの左右両辺(長辺)と、吸着ノズル55a〜55dの対角線方向(ノズル間直線Lacの延在方向)と、を平行にしている。並びに、視野Aの前後両辺(短辺)と、吸着ノズル55a〜55dの対角線方向(ノズル間直線Lbdの延在方向)と、を平行にしている。
【0054】
このように、本実施形態の電子部品実装機1によると、制御装置7が、使用する複数の吸着ノズル55a〜55dの並び方向に応じて、ノズル取付部51、つまり複数の吸着ノズル55a〜55dの、角度を調整している。このため、制御装置7がノズル取付部51の角度を調整しない場合と比較して、具体的には、
図6(b)に示す大型部品搬送モードを、
図5(b)に示す小型部品搬送モードのまま(ノズル取付部51を45°回転させないまま)、実行する場合と比較して、視野Aに入りやすいように、二つの電子部品PA、PCを、配置することができる。したがって、視野Aを有効活用することができる。
【0055】
また、
図5(b)、
図6(b)に示すように、電子部品Pa〜Pd、PA、PCの四辺の延在方向と、視野Aの四辺の延在方向と、は平行である。このため、電子部品Pa〜Pd、PA、PCが視野Aに入りやすい。
【0056】
また、
図5(a)、
図5(b)、
図6(a)、
図6(b)に示すように、本実施形態の電子部品実装機1のノズル取付部51の下面には、二つのマークMが配置されている。このため、撮像装置6が電子部品Pa〜Pd、PA、PCを撮像する際、画像の背景に、二つのマークMを入れることができる。したがって、制御装置7は、二つのマークMの位置を基準に、ノズル取付部51の角度、つまり吸着ノズル55a〜55d、電子部品Pa〜Pd、PA、PCの角度を、確認することができる。また、制御装置7は、二つのマークMの位置を基準に、吸着ノズル55a〜55dに対する電子部品Pa〜Pd、PA、PCの吸着状態を、検査することができる。
【0057】
また、
図5(a)、
図5(b)、
図6(a)、
図6(b)に示すように、本実施形態の電子部品実装機1によると、四つの吸着ノズル55a〜55dは、行方向および列方向に、等ピッチで配置されている。このため、行方向または列方向に隣り合う二つの吸着ノズル55a〜55d間のピッチよりも、対角線方向に隣り合う二つの吸着ノズル55a〜55d間のピッチの方が、より広くなる。
【0058】
そこで、小型部品搬送モードにおいては、より多くの電子部品Pa〜Pdを一度に搬送するために、行方向および列方向に並ぶ四つ全ての吸着ノズル55a〜55dを使用している。一方、大型部品搬送モードにおいては、搬送時に隣り合う電子部品PA、PC同士の干渉を防止するために、対角線方向に並ぶ二つの吸着ノズル55a、55cを使用している。並びに、電子部品PA、PCと、大型部品搬送モードにおいて使用しない吸着ノズル55b、55dと、の干渉を防止するために、長軸の二つの吸着ノズル55a、55cを使用している。
【0059】
そして、小型部品搬送モードにおいても、大型部品搬送モードにおいても、撮像装置6の視野Aに、一度に全ての電子部品Pa〜Pd、PA、PCが入るように、制御装置7が、ノズル取付部の角度を45°切り替えている。このため、小型の電子部品Pa〜Pdを大量に搬送する場合であっても、大型の電子部品PA、PCを少量搬送する場合であっても、撮像装置6の視野Aを有効活用することができる。
【0060】
<第二実施形態>
本実施形態の電子部品実装機と、第一実施形態の電子部品実装機との相違点は、撮像装置のCCDカメラが、装着ヘッドに配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
【0061】
図7に、本実施形態の電子部品実装機のX軸スライド付近の前側の脚部付近の上下方向断面図を示す。なお、
図4と対応する部位については、同じ符号で示す。
図7に示すように、CCDカメラ60は、装着ヘッド5のヘッド本体50の右面に配置されている。一方、プリズム61は、X軸スライド41の脚部410に配置されている。
【0062】
電子部品を搬送する際、装着ヘッド5は、プリズム61の上側を通過する。この際、プリズム61の二つの反射面610を介して、上向きの視野Aを形成することができる。このため、搬送中の電子部品を、下側から撮像することができる。
【0063】
本実施形態の電子部品実装機と第一実施形態の電子部品実装機とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有している。本実施形態のように、撮像装置6を構成する部材が、異なる部材に別々に配置されていてもよい。
【0064】
<第三実施形態>
本実施形態の電子部品実装機と、第一実施形態の電子部品実装機との相違点は、行方向に三つ、列方向に三つ、合計九つの吸着ノズルが、装着ヘッドに配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
【0065】
図8に、本実施形態の電子部品実装機の小型部品搬送モードにおける装着ヘッドのノズル取付部の透過下面図を示す。なお、
図5(b)と対応する部位については、同じ符号で示す。
図9に、本実施形態の電子部品実装機の大型部品搬送モードにおける装着ヘッドのノズル取付部の透過下面図を示す。なお、
図6(b)と対応する部位については、同じ符号で示す。
【0066】
図8、
図9に示すように、ノズル取付部51には、合計九つの吸着ノズル56a〜56iが、3行×3列で配置されている。小型部品搬送モードにおいては、九つの電子部品Psが一度に搬送される。大型部品搬送モードにおいては、四つの電子部品PLが一度に搬送される。
【0067】
本実施形態の電子部品実装機と第一実施形態の電子部品実装機とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有している。本実施形態のように、大型部品搬送モードにおいては、対角線上に配置されている三つの吸着ノズル56a、56e、56iを使用しなくてもよい。すなわち、対角線方向に隣り合う吸着ノズル56b、56f、56d、56hを使用すればよい。
【0068】
<第四実施形態>
本実施形態の電子部品実装機と、第一実施形態の電子部品実装機との相違点は、行方向に三つ、列方向に二つ、合計六つの吸着ノズルが、装着ヘッドに配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
【0069】
図10に、本実施形態の電子部品実装機の小型部品搬送モードにおける装着ヘッドのノズル取付部の透過下面図を示す。なお、
図5(b)と対応する部位については、同じ符号で示す。
図11に、本実施形態の電子部品実装機の大型部品搬送モード(その1)における装着ヘッドのノズル取付部の透過下面図を示す。なお、
図6(b)と対応する部位については、同じ符号で示す。
図12に、本実施形態の電子部品実装機の大型部品搬送モード(その2)における装着ヘッドのノズル取付部の透過下面図を示す。なお、
図6(b)と対応する部位については、同じ符号で示す。
【0070】
図10〜
図12に示すように、ノズル取付部51には、合計六つの吸着ノズル57a〜57fが、2行×3列で配置されている。小型部品搬送モードにおいては、六つの電子部品Psが一度に搬送される。大型部品搬送モード(その1)、大型部品搬送モード(その2)においては、二つの電子部品PLが一度に搬送される。
【0071】
本実施形態の電子部品実装機と第一実施形態の電子部品実装機とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有している。本実施形態のように、大型部品搬送モード(その1)においては、視野Aの左右両辺(長辺)と、吸着ノズル57a〜57fの対角線方向(ノズル間直線Lafの延在方向)と、を平行にしてもよい。また、大型部品搬送モード(その2)においては、視野Aの左右両辺(長辺)と、吸着ノズル57a〜57fの斜め方向(ノズル間直線Lcfの延在方向)と、を平行にしてもよい。また、全ての吸着ノズル57a〜57fの軸長を、同一にしてもよい。
【0072】
<その他>
以上、本発明の電子部品実装機の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0073】
吸着ノズル55a〜55d、56a〜56i、57a〜57fの数、配置は特に限定しない。行列状に配置されていればよい。また、行方向と列方向とが直交していなくてもよい。また、隣り合う吸着ノズル55a〜55d、56a〜56i、57a〜57f間のピッチは、一定でなくてもよい。
【0074】
上記実施形態においては、電子部品Pa〜Pd、PA、PC、Ps、PL撮像の際、装着ヘッド5を停止しなかった。しかしながら、装着ヘッド5を停止した状態で、電子部品Pa〜Pd、PA、PC、Ps、PLを撮像してもよい。
【0075】
電子部品Pa〜Pd、PA、PC、Ps、PLの数、配置は特に限定しない。小型部品搬送モードにおいて、吸着ノズル55a〜55d、56a〜56i、57a〜57fに「空き」があってもよい。電子部品Pa〜Pd、PA、PC、Ps、PLの形状は特に限定しない。長方形板状、ブロック状、円板状などであってもよい。視野Aは、基準視野でも、有効視野(例えば基準視野の90%領域)でもよい。
【0076】
図4に示すように、上記実施形態においては、撮像装置6にCCDカメラ60を配置した。しかしながら、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)カメラを配置してもよい。
図5(b)に示すように、上記実施形態においては、前後方向に長い長方形状の視野Aを設定した。しかしながら、左右方向に長い長方形状の視野を配置してもよい。また、正方形状の視野を配置してもよい。すなわち、視野Aは多角形状(例えば、三角形状、四角形状、六角形状など)であればよい。
【0077】
図5(b)に示すように、上記実施形態においては、ノズル取付部51の下面に二つのマークMを配置した。しかしながら、マークMのサイズ、配置数は特に限定しない。単一、または三つ以上のマークを配置してもよい。また、マークMの形状は特に限定しない。丸、多角形(三角形、四角形、五角形など)、線などであってもよい。また、マークMは、文字、記号などであってもよい。また、マークMは、ノズル取付部51の特徴的形状(例えば角部など)などであってもよい。
【0078】
第二実施形態においては、CCDカメラ60を装着ヘッド5(Y軸スライド44)に、プリズム61をX軸スライド41に、各々配置した。しかしながら、CCDカメラ60をX軸スライド41に、プリズム61を装着ヘッド5(Y軸スライド44)に、各々配置してもよい。また、プリズム61を配置しなくてもよい。すなわち、
図4に示すプリズム61の位置に、視野Aが上向きのCCDカメラ60を配置してもよい。