(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電池ホルダ群中において隣接する第1電池ホルダ及び第2電池ホルダの対向間隙には、前記第1電池ホルダ内及び前記第2電池ホルダ内に収納された前記各素電池にわたりリード板が連結されている
ことを特徴とする、請求項3に記載の電池パック。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を説明する。尚、当然ながら本発明は以下の各形態に限定されず、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
<実施の形態1>
(電池パック1の構成)
本発明の実施の形態1に係る電池パック1について
図1(a)、
図1(b)を用いて説明する。
図1(a)は電池パック1を第2ケース部材10B側から見た外観図である。
図1(b)は電池パック1を第1ケース部材10A側から見た外観図である。
【0018】
電池パック1は、一対のケース部材(第1ケース部材10A及び第2ケース部材10B)が組み合わされてなる外装ケース10を有し、Z方向を厚み方向、X方向を幅方向、Y方向を延在方向とする外観形状を持つ。第1ケース部材10A及び第2ケース部材10Bの外表面101A、101Bの形状は、電池パック1の給電対象機器に合わせて調整されている。第1ケース部材10A及び第2ケース部材10Bには切欠部100A、100Bが設けられ、コネクタ801が露出している。
(電池パック1の内部構成)
電池パック1の内部構成を
図2及び
図3に基づいて説明する。
図2は電池パック1の内部構成を示す展開図(組図)である。
図3は電池ホルダ40A〜40Dの構成を示す図である。
図4はスペーサ50A〜50Cの構成を示す図である。
図5は各リード板300〜304の構成を示す図である。
【0019】
図2に示すように、電池パック1は、外装ケース10と、コアパック(発電要素)2と、保護回路基板60と、配線部70と、コネクタユニット80と、固定用シート90とを有してなる。
コアパック2は、セルブロック2A〜2Dと、リード部材30と、スペーサ50A〜50Cとを有してなる。
【0020】
図2に示すように、電池パック1の全体構成としては、第1ケース部材10A及び第2ケース部材10Bの内部に、コアパック2、保護回路基板60、配線部70、コネクタユニット80、固定用シート90を収納し、第1ケース部材10A及び第2ケース部材10Bを互いに雄ネジB1〜B4及び雌ネジ105B〜108Bの螺合により固定して構成される。
【0021】
以下、電池パック1の各構成要素を順に説明する。
[外装ケース10]
外装ケース10は、第1ケース部材10Aと第2ケース部材10Bとを有してなる外装体である(
図2)。第1ケース部材10Aと第2ケース部材10Bは、いずれもポリカーボネート(PC)等の樹脂材料を用いてなる射出成型品である。
【0022】
図2のように、第1ケース部材10A(第2ケース部材10B)は皿状に形成され、外表面101A(101B)と内表面102A(102B)とを有する。内表面102A(102B)には複数のリブが立設され、コアパック2を収納できる形状に調整されている。103A〜106Aは雄ネジB1〜B4を挿通させる貫通孔である。
第2ケース部材10Bの内表面102Bの周囲には、コアパック2(及びホルダ40A〜40D)の収納空間を挟んで対向するように配置された、Y方向両端の一対の側壁103B、104Bを含む側壁が設けられる。内表面102Bに臨む側壁103B、104Bの側面には、公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bが収納空間に向けて立設されている。公差抑制リブ1030B、1031B(1040B、1041B)はこれらの公差抑制リブ1030B、1031B(1040B、1041B)と最も近接する電池ホルダ40A(40D)に対し、ラップ部411A、412A(421D、422D)において当接する(
図3(a)参照)。公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bは可撓性を有しているため、コアパック2のY方向における寸法公差が一定値を超える場合(コアパック2のサイズが公差抑制リブ1030B、1031Bと公差抑制リブ1040B、1041Bの間における間隙より大きい場合)、公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bを撓ませた状態または塑性変形させた状態でコアパック2が一対の側壁103B、104B間に圧入される。或いは、セルブロック2A〜2Dの間隙が存在する場合は、セルブロック2A〜2Dが同(Y)方向に沿った第2ケース部材10Bの中央方向に付勢され、隣接するセルブロック2A〜2Dの対向間隙が圧縮される。これらの効果により、Y方向におけるコアパック2の寸法公差が抑制される。尚、公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bの撓み方としては、
図9に示すように、先端がX方向に傾斜して撓む形態等がある。また公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bの塑性変形としては、
図9に示すように、先端がY方向に向かって押し潰される形態等がある。公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bの個数は1以上であればよい。公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bの部材厚みは適宜調節が可能であるが、公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bを除く側壁103B、104Bの部分の部材厚みよりも薄くすれば、コアパック2を圧入する際に公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bが若干撓み、コアパック2を第2ケース部材10Bに良好に収納且つ固定することができるので望ましい。
【0023】
尚、公差抑制リブ1030B、1031Bと公差抑制リブ1040B、1041Bの間に設ける間隙としては、Y方向の寸法公差が最小のときのコアパック2のサイズに合わせると好適である。
105B〜108Bは雄ネジB1〜B4と螺合可能に形成された雌ネジである。
[セルブロック2A〜2D]
セルブロック2A〜2Dは、素電池群20A〜20Dと、電池ホルダ40A〜40Dを含む電池ホルダ群とを有する。セルブロック2A〜2Dはいずれも同一構成であり、コアパック2においてY方向に延在するように並設されている(
図2)。
[素電池群20A〜20D]
図2に示すように、素電池群20A〜20Dは、それぞれ3本の素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dとを有する。これらはリチウムイオン電池であり、長尺状の円筒型外装缶の内部に正負両極板をセパレータを介して巻回してなる電極体と、電解液が収納され、封口板で封止されてなる(不図示)。一例として素電池200A〜202Aは、外観的には周面2000A、2010A、2020Aと、延在(Y)方向一端面に設けられた正極端子2002A、2012A、2022Aと、延在(Y)方向他端面に設けられた負極端子2001A、2011A、2021Aとを同順に有する。正極端子2002A、2012A、2022Aには内圧の異常上昇時に作動する安全弁が内蔵されている。周面2000A、2010A、2020Aはポリエチレン(PE)製の熱収縮チューブで被覆され、外部との絶縁が図られている。
【0024】
ここで電池パック1では、素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dとして充電容量に優れるリチウムイオン電池を利用する。しかしながら電池の種類はこれに限定されず、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等、その他の二次電池を使用できる。また素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dは円筒型に限定されず、例えば角型であってもよい。
[電池ホルダ40A〜40D]
電池ホルダ40A〜40Dは、ポリカーボネート(PC)等の樹脂材料を含む絶縁部材からなる。電池ホルダ40A〜40Dは
図3(a)に示すように、同順に本体部470A〜472A、470B〜472B、470C〜472C、470D〜472Dと、リブ450A〜453A、450B〜453B、450C〜453C、450D〜453Dと、ラップ部410A〜412A、420A〜422A、410B〜412B、420B〜422B、410C〜412C、420C〜422C、410D〜412D、420D〜422Dと、第1掛合部430A〜431A、430B〜431B、430C〜431C、430D〜431Dと、第2掛合部440A〜441A、440B〜441B、440C〜441C、440D〜441Dとを有する。コアパック2において、各電池ホルダ40A〜40Dは互いの延在(Y)方向端部480B〜480D、481A〜481Cが対向するように配置される(
図2)。
【0025】
以下、一例として電池ホルダ40Aの構成を具体的に例示する。
本体部470A〜472Aは電池ホルダ40Aのベース部分であり、互いに連続するようにXY方向に展開された略板状体である。本体部472Aには素電池202Aの周面2020Aを外部に露出する開口部460Aが設けられる。
リブ450A〜453AはY方向を延在方向とし、互いにX方向に等間隔をおいて本体部470A〜472A上で逆Z方向に立設される。
図3(b)に示すように、各リブ450A〜453Aは、各本体部470A〜472AのX方向両端の位置より立設される。電池ホルダ40Aは、本体部470A〜472Aとリブ450A〜453Aによって、Y方向を延在方向とし、
図3(b)の下方(逆Z方向)に開口部を有する、全体としてU字状断面の溝部400A〜402Aが存在するように構成される(
図3(b))。これによりリブ450A〜453Aは、隣接する溝部400A〜402Aの間に設けられる。溝部400A〜402Aには素電池200A〜202Aがその延在(Y)方向側面(周面2000A、2010A、2020Aに垂直なZ方向)より個別に収納される。各溝部400A〜402AのX方向に沿った開口部の幅寸法(溝幅寸法)D1〜D3は同一であり、収納(Z)方向における素電池200A〜202Aの最大径以上(ここでは素電池200A〜202Aの径よりやや大きめ)に設定されている。
【0026】
ラップ部410A〜412A、420A〜422Aは電池ホルダ40AのY方向両端よりY方向に沿って突設された庇部(突出部)である。ラップ部410A〜412A、420A〜422Aは溝部400A〜402Aに収納された素電池200A〜202Aの端面(正極端子2002A、2012A、2022A、負極端子2001A、2011A、2021A)を一部被覆し、Y方向に沿った素電池200A〜202Aの位置を規制する。
【0027】
第1掛合部430A(431A)は、電池ホルダ40Aの延在方向端部480A(481A)(ここではリブ451A(452A)の延在(Y)方向端部)より同方向に沿って突設される。同様に、第2掛合部440A(441A)も電池ホルダ40Aの延在方向端部480A(481A)(ここでは本体部471Aと472A(470Aと471A)の間の延在方向端部)より同方向に沿って突設される。
【0028】
第1掛合部430A(431A)及び第2掛合部440A(441A)は、一例として、電池ホルダ40Aの延在方向端部480A(481A)を平面視した際、溝部401Aの中心を対称中心として互いに線対称となる位置に存在している(
図3(b))。第1掛合部430A(431A)及び第2掛合部440A(441A)は、それぞれ一対をなしており、リード板300(301)をその幅(Z)方向両側部より挟設する。このうち第1掛合部430A(431A)は、
図3(b)に示すように、各溝部400A〜402Aの溝底から開口部に向かう方向(逆Z方向)に沿ってリード板300(301)を掛合できるように配されている。
【0029】
セルブロック2Aでは、素電池200A〜202AはY方向を延在方向とし、各周面2000A、2010A、2020Aがリブ450A〜453Aの側面と本体部470A〜472Aの底面に接するように並列される(
図2、
図3(a))。これにより第1掛合部430A(431A)及び第2掛合部440A(441A)は素電池200A〜202Aの延在(Y)方向両端に近接する電池ホルダ40Aの領域に存在する。
[スペーサ50A〜50C]
スペーサ50A〜50Cは、セルブロック2A〜2Dの各対向間隙を一定に規定し、且つセルブロック2A〜2D同士を相対的に大まかに位置合わせして固定するために用いられ、電池ホルダ40A〜40Dの延在方向端部480B〜480D、481A〜481Cの対向間隙に介挿される。また、電池ホルダ40A〜40Dの第1掛合部430B〜430D、431A〜431C及び第2掛合部440B〜440D、441A〜441Cがリード板301〜303と直接接触して損傷させるのを防止する。スペーサ50A〜50Cはいずれも同一構成である。
【0030】
図4に示すように、スペーサ50A〜50CはX方向を延在方向とする帯状の板状体であり、同順に連続する主面部500A〜502A、500B〜502B、500C〜502Cと、切欠部510A〜513A、510B〜513B、510C〜513Cとを有する。さらに、第1面1S及び第2面2Sには一様に粘着層(一例として両面テープや粘着テープ等を用いてなる)が配設されている。
【0031】
主面部500A〜502A、500B〜502B、500C〜502Cは平板状であり、電池ホルダ40A〜40Dに収納された素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202DのX方向ピッチに合わせて配されている。
切欠部510A〜513A、510B〜513B、510C〜513Cは、スペーサ50A〜50Cの幅(Z)方向両側部と連通するように切り欠いた部位であり、Y方向より平面視すると第1面1S及び第2面2Sを切り欠いて構成される(
図4)。切欠部510A〜513A、510B〜513B、510C〜513Cは隣接する主面部500A〜502A、500B〜502B、500C〜502Cの各間に設けられる。切欠部510A〜513A、510B〜513B、510C〜513Cは、電池ホルダ40A〜40Dの突出部である第1掛合部430B〜430D、431A〜431C及び第2掛合部440B〜440D、441A〜441Cを嵌合(挿入)可能な挿入部として形成される。一例として、切欠部510A〜513A、510B〜513B、510C〜513Cは、第1面1S及び第2面2Sに存在する点(重心)Pを対称中心とする点対称の各位置に形成されている(
図4)。
【0032】
スペーサ50A〜50Cを用いることで、例えばスペーサ50A周辺では、第1掛合部341A、430Bを切欠部513A、511Aに嵌合(挿入)させて第1嵌合構造を形成し、第2掛合部441A、440Bを切欠部510A、512Aに嵌合(挿入)させて第2嵌合構造を形成する。また、第1面1S及び第2面2Sに配された粘着層により、スペーサ50Aがリード板301に貼着される。これにより電池ホルダ40A、40B(及びセルブロック2A、2B)同士の相対的な位置合わせを適切に行うことができる。また万一、電池パック1を落下させた場合において、コアパック2の形態保持力を向上させることができる。
【0033】
さらに、スペーサ50Aと同様にスペーサ50B〜50Cにおいても、電池ホルダ2B〜2Dの第1掛合部430C〜430D、431B〜431C及び第2掛合部440C〜440D、441B〜441Cをスペーサ50B、50Cの各切欠部510B〜513B、510C〜513Cに嵌合(挿入)させ、これらの組み合わせからなる嵌合構造により電池ホルダ40B〜40D(及びセルブロック2B〜2D)の相対的な位置合わせを適切に行うことができる。
【0034】
ここで電池パック1では、体積の小さい板状のスペーサ50A〜50Cを用い、且つ、第1及び第2の嵌合構造をXZ平面に沿った電池ホルダ40A〜40Dの異なる位置に形成して嵌合構造同士の干渉を防止することで、電池ホルダ40A〜40D同士における間隙の省スペース化を図り、スペーサ50A〜50Cを用いたことによる電池パック1のエネルギー密度の低下を最小限に抑制している。
【0035】
尚、第1及び第2の嵌合構造で言う「嵌合」とは、隙間の無い厳密な嵌め合わせ構造のみを指すのではなく、ある程度の空間的余裕を持った嵌め合わせ構造も含むものとする。
[リード部材30]
リード部材30は、複数のリード板300〜304を有してなり、各素電池群20A〜20Dと保護回路基板60とを電気接続するために用いられる(
図2)。またリード部材30は、素電池群20A〜20Dと電気接続したリード板300〜304を電池ホルダ40A〜40Dに掛合させることで、製造工程中に電池ホルダ40A〜40Dから素電池群20A〜20Dが脱落するのを防止する手段として用いられる。
【0036】
リード板300〜304は、一例として通電性及び溶接特性に優れる板状の金属材料(NiPまたはNi−Fe−Niクラッド材)からなり、X方向を延在方向とする帯状体である。ここでリード板300〜304は、いずれも電池ホルダ40A〜40Dの延在(Y)方向に沿った端部480A〜480D、481A〜481Dにおいて、溝部400A〜402A、400B〜402B、400C〜402C、400D〜402Dを横断するように延伸されている。
【0037】
図5(a)はリード板300の構成を示す図である。リード板300は、同順に連続する端子接続部3000〜3002と、リード線接続部3003とを有する。端子接続部の3000と3001の間、3001と3002の間には、同順に電池ホルダ40Aの第1掛合部430A及び第2掛合部440Aの位置に合わせて切欠部3004、3005が設けられる。リード線接続部3003はZ方向に沿った折曲線Z1で曲折加工されてなる。
【0038】
図5(b)はリード板301(302、303)の構成を示す図である。リード板301〜303は同一形状の部材よりなる。リード板301(302、303)は、同順に連続する端子接続部3010〜3015(3020〜3025、3030〜3035)と、リード線接続部A1(A2、A3)とを有する。端子接続部の3010(3020、3030)と3011(3021、3031)の間、3011(3021、3031)と3012(3022、3032)の間、3013(3023、3033)と3014(3024、3034)の間、3014(3024、3034)と3015(3025、3035)の間には、それぞれ電池ホルダ40B〜40Dの第1掛合部430B〜430D、431A〜431C及び第2掛合部440B〜440D、441A〜441Cの各位置に合わせて切欠部3016〜3019(3026〜3029、3036〜3039)が設けられる。リード線接続部A1(A2、A3)は端子接続部の3013(3023、3033)と3014(3024、3034)の間に設けられ、X方向に沿った折り曲げ線X1(X2、X3)で適宜曲折加工される。また、リード板301(302、303)はZ方向に沿った折り曲げ線Z2(Z3、Z4)で二つ折りに曲折加工されてなる。
【0039】
図5(c)はリード板304の構成を示す図である。リード板304は、同順に連続する端子接続部3040〜3042と、基板接続部3045とを有する。端子接続部の3040と3041の間には、電池ホルダ40Dの第1掛合部341D及び第2掛合部441Dの位置に合わせて切欠部3043、3044が設けられる。基板接続部3045は端子接続部3041、3042の間に設けられる。
【0040】
リード部材30の具体的な電気接続(連結)を説明する。
図2、
図5(a)に示すように、素電池200A〜202Aの負極端子2001A、2011A、2021Aにはリード板300の端子接続部3000、3001、3002が同順に電気接続される。
図2、
図5(b)に示すように、素電池200A〜202Aの正極端子2002A、2012A、2022A及び素電池200B〜202Bの負極端子2001B、2011B、2021Bには、リード板301の端子接続部3012、3011、3010、3013、3014、3015が同順に電気接続される。素電池200B〜202Bの正極端子2002B、2012B、2022B、及び素電池200C〜202Cの負極端子2001C、2011C、2021Cには、リード板302の端子接続部3025、3024、3023、3020、3021、3022が同順に電気接続される。素電池200C〜202Cの正極端子2002C、2012C、2022C、及び素電池200D〜202Dの負極端子2001D、2011D、2021Dには、リード板303の端子接続部3032、3031、3030、3033、3034、3035が同順に電気接続される。
図2、
図5(c)に示すように、素電池200D〜202Dの正極端子2002D、2012D、2022Dには、リード板304の端子接続部3040、3041、3042が同順に電気接続される。
【0041】
リード板300〜304によって、各素電池群20A〜20D内の素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dはそれぞれ並列に電気接続される。また、素電池群20A〜20Dは直列に電気接続される。これによりコアパック2全体では、4直3並列で各素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dが電気接続される(
図2)。
【0042】
リード線接続部3003、A1、A2には配線部70のリード線700〜702が同順に電気接続される。リード線接続部A3及び基板接続部3045は保護回路基板60と直接的に電気接続される(
図8(a)参照)。各リード板300〜304と素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dの正極端子2002A〜2002D、2012A〜2012D、2022A〜2022D、負極端子2001A〜2001D、2011A〜2011D、2021A〜2021Dとはそれぞれスポット溶接によって機械的に連結状態にされる。本実施の形態においては、一例としてシリーズスポット溶接を採用している。
[保護回路基板60]
保護回路基板60は、基板本体600と、保護カバー601とを有する。
【0043】
基板本体600は、コンポジット材料からなる基板表面に、複数の電気素子(セラミックコンデンサやICチップ)やPTC素子等の安全素子が実装されてなる。
保護カバー601は樹脂材料等の絶縁部材からなり、基板本体600上の各電池素子や安全素子を覆って外部より絶縁する。
図2に示すように、保護回路基板60はセルブロック40Dの上方付近に配置される。
[配線部70]
配線部70は、
図2に示すように、複数のリード線(700〜702を含む)と、サーミスタ703、704とを有する。各リード線はCu等の金属材料を含有する金属線を絶縁部材で被覆してなり、保護回路基板60、リード板300〜304、コネクタユニット80を電気接続するために用いられる。リード線700〜702はリード板300〜302と保護回路基板60とを電気接続するように配される。リード板303、304のリード線接続部A3、3045は保護回路基板60に直接電気接続されるので、これにより保護回路基板60において素電池群20A〜20D間の各中間電位が管理される。また、その他のリード線は素電池群20A〜20Dとコネクタユニット80を電気接続するように配され、これによりコネクタユニット80を通じて素電池群20A〜20Dの充放電が可能となる。
【0044】
サーミスタ703、704は保護回路基板60と電気接続され、保護回路基板60において素電池202A、202Cの温度管理を行う目的で用いられる。このためサーミスタ703、704はセルブロック2A、2Cの開口部460A、460Cを介し、素電池202A、202Cの周面2020A、2020Cに熱結合するように取着される(
図8(a)参照)。
[コネクタユニット80]
コネクタユニット80は、基板800と、コネクタ801とを有する。
【0045】
コネクタ801は、主としてナイロンやポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)等の樹脂部材からなる本体内部に導電部材が配設されてなり、電池パック1を給電対象機器と電気接続するために用いられる。
基板800にはコネクタ801が実装され、コネクタ801が切欠部100Bより露出するように第2ケース部材10Bの内部に固定される。
[固定用テープ90]
固定用テープ90は、第2ケース部材10Bの内表面102Bにコアパック2を固定するために用いられる。固定用テープ90は両面テープで構成され、素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dの各周面2000A、2010A、2020A、2000B、2010B、2020B、2000C、2010C、2020C、2000D、2010D、2020Dと内表面102Bに亘って貼着される(
図2)。
(電池パック1の製造工程)
以下、電池パック1の製造工程を例示する。
[セルブロック2A〜2D等の作製]
電池ホルダ40A〜40Dを用意し、各溝部400A〜402A、400B〜402B、400C〜402C、400D〜402Dに素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dを収納する(
図2)。
【0046】
電池ホルダ40A〜40Dを各溝部400A〜402A、400B〜402B、400C〜402C、400D〜402Dの延在方向が平行になるように揃える。
この状態で、電池ホルダ40Aの第1掛合部430Aと第2掛合部440Aに切欠部3004、3005を掛合させながらリード板300を取り付ける。素電池200A〜202Aの負極端子2001A、2011A、2021Aにリード板300の端子接続部3000、3001、3002を同順にシリーズスポット溶接で電気接続する(
図6)。
【0047】
電池ホルダ40A、40Bの第1掛合部431A、430Bと第2掛合部441A、440Bに切欠部3016〜3019を掛合させながらリード板301を取り付ける。その後、素電池200A〜202Aの正極端子2002A、2012B、2022Bと素電池200B〜202Bの負極端子2001B、2011B、2021Bにリード板301の端子接続部3012、3011、3010、3013、3014、3015を同順にシリーズスポット溶接で電気接続する。
【0048】
次に、電池ホルダ40B、40Cの第1掛合部341B、340Bと第2掛合部441B、440Cに切欠部3026〜3029を掛合させながらリード板302を取り付ける。その後、素電池200B〜202Bの正極端子2002B、2012B、2022Bと素電池200C〜202Cの負極端子2001C、2011C、2021Cにリード板302の端子接続部3025、3024、3023、3020、3021、3022を同順にシリーズスポット溶接で電気接続する。
【0049】
次に、電池ホルダ40C、40Dの第1掛合部341C、340Dと第2掛合部441C、440Dに切欠部3036〜3039を掛合させながらリード板303を取り付ける。その後、素電池200C〜202Cの正極端子2002C、2012C、2022Cと素電池200D〜202Dの負極端子2001D、2011D、2021Dにリード板303の端子接続部3032、3031、3030、3033、3034、3035を同順にシリーズスポット溶接で電気接続する。
【0050】
電池ホルダ40Dの第1掛合部431Dと第2掛合部441Dに切欠部3044、3043を掛合させながらリード板304を取り付ける。素電池200D〜202Dの負極端子2001D、2011D、2021Dにリード板304の端子接続部3040、3041、3042を同順にシリーズスポット溶接で電気接続する。
ここでセルブロック2A〜2Dでは、リード板300〜302の切欠部3004、3005、3016〜3019、3026〜3029、3036〜3039が第1掛合部430A〜430D、431A〜431D及び第2掛合部440A〜440D、441A〜440Dと掛合する。このため、素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dとリード板300〜304とを溶接で電気接続すれば、素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dが溝部400A〜402A、400B〜402B、400C〜402C、400D〜402Dから落下するのを防止できる。
【0051】
また、リード板300〜304が電池ホルダ40A〜40Dと掛合することによって、電池ホルダ40A〜40Dに対するリード板300〜304の上下(Z)方向及び左右(X)方向の各位置決めも確実に行える。特に、リード板300〜304と素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dとの電気接続部分に近い第1掛合部430A〜430D、431A〜431D及び第2掛合部440A〜440D、441A〜440Dの付近においてリード板300〜304が電池ホルダ40A〜40Dに掛合し、リード板300〜304と電池ホルダ40A〜40Dとの位置決めを行えるため、溝部400A〜402A、400B〜402B、400C〜402C、400D〜402Dに収納された素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dとリード板300〜304との位置合わせも効率的に行え、適切に電気接続することができる。これにより比較的低コストな方法で電池パック1の製造効率を向上することが可能である(
図6、
図7(a))。
【0052】
尚、本発明で言う「掛合」とは、リード板300〜302の切欠部3004、3005、3016〜3019、3026〜3029、3036〜3039と第1掛合部430A〜430D、431A〜431D及び第2掛合部440A〜440D、441A〜440Dとが互いに引っ掛かっている程度であれば良く、厳密に嵌合または係合する関係であることまでは要求されない。
[スペーサ50A〜50Cによる位置合わせ]
第1面1S、第2面2Sに粘着層を有するスペーサ50A〜50Cを用意する。
【0053】
リード板301(302、303)を折り曲げ線Z1(Z2、Z3)で折り返して曲折加工し、リード板301(302、303)の間にスペーサ50A(50B、50C)を介設する(
図2、
図5参照)。このとき、スペーサ50A(50B、50C)をリード板301(302、303)に貼着しながら、リード板301(302、303)の切欠部3016〜3019(3026〜3029、3036〜3039)をスペーサ50A(50B、50C)の切欠部510A〜513A、510B〜513B、510C〜513Cの各位置と合わせる。その後、スペーサ50Aについては
図7(a)に示すように、電池ホルダ40Aの第1掛合部431A、第2掛合部441Aをそれぞれリード板301の切欠部3016、3019を介して切欠部513A、510Aに嵌合(挿入)する。また電池ホルダ40Bの第1掛合部430B、第2掛合部440Bをそれぞれリード板301の切欠部3018、3017を介して切欠部511A、512Aに嵌合(挿入)する。スペーサ50B、50Cについても同様に作業を行う。ここで
図7(b)は、電池ホルダ40A、40B及びスペーサ50Aを上面から見下ろした図であり、スペーサ50Aの切欠部510A、512Aに第2掛合部441A、440Bが嵌合(挿入)され、嵌合構造が形成された様子を示す。尚、当図では説明のため、電池ホルダ40Aと40Bとの対向間隙を離間しているが、実際には対向間隙はY方向に沿って圧縮され、スペーサ50Aがリード板301に貼着される。
【0054】
このスペーサ50A(50B、50C)の配設により、各セルブロック2A〜2DがY方向に延在するように直列に配列される。
ここで、電池ホルダ40A〜40Dの第1掛合部430B〜430D、431A〜431Cをリード板301〜303の切欠部3016、3018、3026、3028、3036、3038を介してスペーサ50A〜50Cの切欠部511A〜511C、513A〜513Cに嵌合(挿入)し、それぞれ第1嵌合構造を形成するとともに、第2掛合部440b〜440D、441A〜441Cをリード板301〜303の切欠部3017、3019、3027、3029、3037、3039を介してスペーサ50A〜50Cの各切欠部512A〜512D、510A〜510Cに嵌合(挿入)してそれぞれ第2嵌合構造を形成することで、電池ホルダ40A〜40D(及びセルブロック2A〜2D、リード板300〜304)の相対的な位置決めを効率よく行うことができる。
【0055】
尚、スペーサ50A〜50Cの上面部5000A〜5000C、5010A〜5010C、5020A〜5020Cが電池ホルダ40A〜40Dのラップ部410B〜412B、410C〜412C、410D〜412D、420A〜422A、420B〜422B、420C〜422Cと当接することによって、スペーサ50A〜50Cと電池ホルダ40A〜40Dの相対的な位置合わせがなされる。以上でコアパック2の全体形状を調整することができる。
【0056】
その後、各溝部400A〜402A、400B〜402B、400C〜402C、400D〜402Dより露出する素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dの周面2000A〜2000D、2010A〜2010D、2020A〜2020Dの全体に亘り、固定用テープ90を貼着する(
図2)。
[保護回路基板60等の加工]
保護回路基板60に対し、700〜702を含むリード線をハンダ溶接にて電気接続する(
図2)。コネクタユニット80に対し、リード線をハンダ溶接にて電気接続する。
【0057】
次に、リード板300、301、302のリード線接続部3003、A1、A2に対し、リード線700〜702を同順にハンダ溶接にて電気接続する。またリード板303のリード線接続部A3、リード板304の基板接続部3045を保護回路基板60側にハンダ溶接にて電気接続する(
図8(a)参照)。これによりコアパック2を完成する。
さらに、電池ホルダ40A、40Cの開口部460A、460Cから露出する素電池202A、202Cの周面2020A、2020Cにシリコン剤を塗布し、その上にサーミスタ703、704をPPテープで貼着する。
[コアパック2の収納]
保護回路基板60を電池ホルダ40Dの上面に取り付ける。コアパック2と、保護回路基板60と、コネクタユニット80とを第2ケース部材10Bに収納する(
図8(a))。この際、コアパック2のY方向寸法が若干大きい場合は、コアパック2を第2ケース部材10Bの公差抑制リブ1030B、1031Bと公差抑制リブ1040B、1041Bの間に圧入する。さらに、固定用テープ90で素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dの周面2000A〜2000D、2010A〜2010D、2020A〜2020Dと内表面102Bとを固定する。
【0058】
ここでコアパック2を第2ケース部材10Bに収納する際、公差抑制リブ1030B、1031B(1040B、1041B)が電池ホルダ40A(40D)のラップ部411A、412A(421D、422D)と当接する(
図8(b))。
このとき、電池ホルダ40A〜40DのいずれかのY方向における寸法公差が大きく、これによりコアパック2のY方向サイズが公差抑制リブ1030B、1031Bと公差抑制リブ1040B、1041Bの間隙よりも大きい場合、コアパック2は公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bを撓ませるか、塑性変形させながら一対の側壁103B、104B間に圧入される。或いは、各セルブロック2A〜2Dの間隙が比較的大きいためにコアパック2のY方向における寸法公差が存在する場合は、隣接するセルブロック2A〜2Dの並設(Y)方向に沿った各対向間隙が互いにY方向に沿って第2ケース部材10Bの中央側に圧縮される。これにより各セルブロック2A〜2D間のリード板301〜303の撓みが小さくなるので、曲折加工されたリード板301〜303の形状が若干復元している場合でもコアパック2のY方向長の寸法公差が低減される(
図8(b))。
【0059】
その結果、第2ケース部材10Bの内部にコアパック2を良好に収納でき、寸法公差によりコアパック2が第2ケース部材10Bに収納できなくなる問題に対処できる。この効果は、Y方向に並設される電池ホルダの数が多く、各電池ホルダ40A〜40Dの寸法公差の総和が増大するほど良好に奏される。これにより、電池パック1の生産効率を向上することができる。
【0060】
尚、Y方向におけるコアパック2のサイズが公差抑制リブ1030B、1031Bと公差抑制リブ1040B、1041Bの間隙に比べて同等である場合、コアパック2は公差抑制リブ1030B、1031B、1040B、1041Bを変形させることなく収納空間にそのまま収納され、一対の側壁103B、104B間で固定される。
また、公差抑制リブ1030B、1031Bと公差抑制リブ1040B、1041Bの間にコアパック2を圧入することで、第2ケース部材10Bでのコアパック2の位置決めと固定を適切に行うことができる(
図8(a)、(b))。ここで、各電池ホルダ40A〜40D内において、素電池群20A〜20Dの位置はラップ部410A〜412A、420A〜422A、410B〜412B、420B〜422B、410C〜412C、420C〜422C、410D〜412D、420D〜422Dにより溝部400A〜402A、400B〜402B、400C〜402C、400D〜402D内に規制されているので、コアパック2を公差抑制リブ1030B、1031B(1040B、1041B)の間に圧入すれば、結果的に第2ケース部材10B内の素電池群20A〜40Dの位置決めと固定とを同時に行うこともできる。
【0061】
さらに公差抑制リブ1030B、1031B(1040B、1041B)をラップ部410A〜412A、420D〜422Dと当接させることで、公差抑制リブ1030B、1031B(1040B、1041B)がリード板300、304を直接圧迫するのを回避できる。このため公差抑制リブ1030B、1031B(1040B、1041B)がリード板300(304)を介して素電池200A〜202A、200D〜202Dの各端面(負極端子2001A、2011A、2021A、正極端子2002D、2012D、2022A)を圧迫し、損傷させる問題を防止できる。特に、正極端子2002D、2012D、2022Aには安全弁が内蔵されているので、正極端子2002D、2012D、2022Aの損傷を防ぐことで電池パック1の安全機構を適切に保護する効果も期待できる。
【0062】
尚、スペーサ50A〜50Cによって相対的に位置決めされた電池ホルダ40A〜40Dを第2ケース部材10Bに収納することで、各電池ホルダ40A〜40Dに収納された素電池群20A〜20Dを第2ケース部材10Bの所望の位置に迅速に収納でき、良好な製造効率で電池パック1を製造することができる。
ここで、スペーサ50A〜50Cの第1面1S、第2面2Sにおいて形成される第1嵌合構造及び第2嵌合構造はX方向で異なる位置に存在し、互いに干渉しない(
図7(b)参照)。さらに第1嵌合構造及び第2嵌合構造を形成することで、第1掛合部430B〜430D、431A〜431C、第2掛合部440B〜440D、441A〜441Cの突出高さ(Y方向高さ)がスペーサ50A〜50Cの厚み(切欠部510A〜513A、510B〜513B、510C〜513C、510D〜513DのY方向深さ)に寸法吸収される。このため、各電池ホルダ40A〜40D間におけるスペーサ50A〜50Cと各嵌合構造の占有空間を極力小さくできるので、体積の小さい板状のスペーサ50A〜50Cの採用と相俟って、電池パック1のエネルギー密度の低下を抑制できる。
[第1ケース部材10Aと第2ケース部材10Bの接合工程]
第2ケース部材10Bの上に第1ケース部材10Aを被せる。切欠部100A、100Bよりコネクタ801を外部露出させる。雄ネジB1〜B4を第1ケース部材10Aの貫通孔103A〜106Aに同順に通し、第2ケース部材10Bの雌ネジ105B〜108Bと螺合する。これにより第1ケース部材10Aと第2ケース部材10Bとを接合する(
図2)。
【0063】
以上で電池パック1が完成する。
次に、本発明のその他の実施の形態について、実施の形態1との差異を中心に述べる。
<実施の形態2>
図10は、実施の形態2に係る第2ケース部材10B1にコアパック2を収納する際の様子を示す図である。
【0064】
実施の形態1の第2ケース部材10Bとの違いとして、第2ケース部材10B1では、Y方向を延在方向とする一対の側壁109B、110Bよりコアパック2の収納空間に向けて、1以上の公差抑制リブ1090B〜1097B、1100B〜1104Bを立設している。公差抑制リブ1090B〜1097B、1100B〜1104Bは、公差抑制1030B、1031B、1040B、1041Bと同様の効果を奏する構成を有している。公差抑制リブ1090B〜1097B、1100B〜1104Bは一対の側壁109B、110Bのいずれか一方のみに立設してもよい。
【0065】
実施の形態2では、コアパック2を第2ケース部材10B1に収納する際、各公差抑制リブ1090B〜1097B、1100B〜1104Bがセルブロック2A〜2DのX方向の両側と当接する。このときX方向に沿って各電池ホルダ40A〜40Dの寸法公差が発生している場合は、いずれかの公差抑制リブ1090B〜1097B、1100B〜1104Bが撓むか塑性変形を生じることにより、電池ホルダ40A〜40Dが収納空間に圧入される。これにより実施の形態1の効果に加え、電池ホルダ40A〜40D及び素電池200A〜202A、200B〜202B、200C〜202C、200D〜202Dをより適切に収納空間の所望の位置に収納して固定することが可能となる。
<実施の形態3>
図11は、実施の形態3に係る電池ホルダ40A1及びリード板300A1の構成を示す斜視図である。
図12は、実施の形態3に係る電池ホルダ40B1とスペーサ50A1との配置関係を示す図である。
【0066】
実施の形態1との主な違いとして、電池ホルダ40A1は延在方向両端部480A1、481A1において、Y方向に突設された円柱状の突出部である第1掛合部430A1、431A1、第2掛合部440A1、441A1をそれぞれ有し、リード板300A1は第1掛合部430A1、第2掛合部440A1が挿通可能な挿通孔3006、3007を有する。また、スペーサ50A1には、電池ホルダ40A1の第1掛合部431A1、第2掛合部441A1と電池ホルダ40B1の第1掛合部430B1、第2掛合部440B1を嵌合(挿通)可能な挿通孔510A1〜513A1を設けている。
【0067】
このような構成を有する実施の形態3においても、実施の形態1と同様の効果を期待できる。すなわち、挿通孔3006、3007に電池ホルダ40A1の第1掛合部430A1、第2掛合部440A1をそれぞれ挿通させることにより、リード板300A1を電池ホルダ40A1に掛合できる。従って、素電池200A〜202Aをリード板300A1に電気接続すれば、溝部400A〜402Aに収納した素電池が脱落するのを防止し、比較的低コストな方法で製造効率の向上を図ることができる。
【0068】
また、電池ホルダ40A1の第1掛合部431A1、第2掛合部441A1と電池ホルダ40B1の第1掛合部430B1、第2掛合部440B1とをスペーサ50A1の挿通孔510A1〜513A1に嵌合(挿通)することで、スペーサ40B1の第1面1Sで第1嵌合構造、第2面2Sで第2嵌合構造がそれぞれ形成され、電池ホルダ40A1、40B1を相対的に位置合わせすることができる。
【0069】
尚、ここには図示しないが、コアパックに含まれるその他の電池ホルダも電池ホルダ40A1、40B1と同一構成であり、その他のリード板もリード板300A1と同様の挿通孔を有する。
また、第1掛合部及び第2掛合部の形状は円柱状の突出部に限定されず、多角柱や楕円柱等の突出部であってもよい。また、電池ホルダ1個当たりに形成する第1掛合部及び第2掛合部、及びこれに対応するリード板及びスペーサの挿通孔の数も限定されず、適宜変更が可能である。
<実施の形態4>
図13は、実施の形態4に係る電池ホルダ40A2及びリード板300A2の構成を示す斜視図である。
【0070】
実施の形態1との主な違いとして、電池ホルダ40A2は延在方向両端部480A2、481A2において、Y方向に突出しZ方向または逆Z方向に曲折した突出部であるL字鉤型の第1掛合部430A2、431A2、第2掛合部440A2、441A2を有する。一方、リード板300A2の幅(Z)方向両端部には切欠部を設けていない。リード板300A2を電池ホルダ40A2に取着する際には、リード板300A2を幅(Z)方向に撓ませて第1掛合部430A2と第2掛合部440A2の間に差し込み、第1掛合部430A2と第2掛合部440A2に挟設させる。
【0071】
このような構成を有する実施の形態4においても、実施の形態1及び2と同様の効果を期待できる。また、実施の形態4ではリード板に切欠部を設けないので、切欠部を持たない既存のリード板を利用できる利点がある。
尚、ここには図示しないが、コアパックに含まれるその他の電池ホルダも電池ホルダ40A2と同一構成であり、その他のリード板もリード板300A2と同様に切欠部を持たず、第1掛合部と第2掛合部の間に挟設される。スペーサ50A〜50Cには、各電池ホルダの第1掛合部と第2掛合部を嵌合(挿入)できるサイズの切欠部を設ける。
<実施の形態5>
図14は、実施の形態5に係る電池ホルダ40B2とスペーサ50Aとの配置関係を示す図である。
【0072】
実施の形態5の主な特徴は、電池ホルダ40B2の延在方向端部480B2において、4つの掛合部(第1掛合部430B、440B2、第2掛合部440B、430B2)を設け、各掛合部430B、440B2、440B、430B2をいずれもスペーサ50Aの切欠部510A〜513Aに嵌合(挿入)させた点にある。
尚、図示しないが、電池ホルダ40B2の紙面奥側の延在方向他端部、及びその他の各電池ホルダの延在方向両端部にも同様に、それぞれ4つの掛合部を形成し、電池ホルダと嵌合(挿入)できる構成とする。各電池ホルダのY方向各端部に掛合されるリード板には、それぞれ各掛合部に掛合可能な切欠部を設けておく。
【0073】
このような構成の実施の形態5によれば、実施の形態1で奏される効果に加え、各スペーサ50A〜50Cと40B2を含む各電池ホルダの嵌合構造が一層確実なものとなり、良好にリード板及び各電池ホルダ同士の相対的な位置合わせを行うことができる。
<その他の事項>
上記各実施の形態に係る電池パックでは、電池ホルダ内に3個の素電池を収納したが、電池ホルダに収納する素電池の個数は限定されず、2個以下または4個以上であってもよい。
【0074】
実施の形態1では、電池ホルダ40Aのリブ451A、452Aの延在方向端部に対し、互いに点対称となる位置に第1掛合部430A、431A、第2掛合部440A、441Aを配置したが、第1及び第2掛合部の配置位置はこれに限定されない。別の例として、リブ450A〜453AのY方向両端部にそれぞれ第1掛合部と第2掛合部を配置してもよい。この場合、スペーサ50A〜50Cに第1及び第2掛合部をそれぞれ嵌合させる切欠部を設けるべき点に留意する。
【0075】
また、本発明の電池パックにおいて、各電池ホルダに配置する第1掛合部及び第2掛合部は、互いに同一の形状とすることもできる。
また、本発明の電池パックにおいて、電池ホルダに配置する第1掛合部、第2掛合部は、例えばリード板と接触させた後、加熱により押し潰し、リベット状に加工することにより、リード板の保持力を一層高めることもできる。
【0076】
上記各実施の形態では回路基板として保護回路基板を示したが、当然ながら回路基板は保護回路基板以外のものを用いても良い。
第2ケース部材に配設する公差抑制リブは、Y方向両端の側壁に設ける構成に限定されず、一方の側壁のみに設けてもよい。すなわち、Y方向両端の一対の側壁の少なくともいずれかが一対の側壁間に向けて1以上の公差抑制リブを有し、この公差抑制リブがY方向両端のいずれかの電池ホルダと当接する構成であればよい。
【0077】
上記各実施の形態では、スペーサに第1及び第2掛合部を嵌合(挿入)する切欠部を設ける構成を示したが、電池ホルダには第1及び第2掛合部以外に別の突出部を設け、スペーサ側に突出部を嵌合(挿入)可能な切欠部を設けるようにしてもよい。
上記各実施の形態では、スペーサに切欠部を設ける構成を示したが、第1及び第2掛合部が嵌合(挿入)できる構造であれば良く、例えばスペーサの第1面及び第2面に第1及び第2掛合部が嵌合(挿入)される凹部を形成してもよい。
【0078】
上記各実施の形態では、電池ホルダの溝部として、U字状断面を持つ溝部を例示したが、いずれかの形状の素電池を収納する溝部であって、その収納(Z)方向から見た開口幅(溝幅)が、収納(Z)方向における素電池の最大寸法以上の値に設定されている構成であれば良い。このためU字状断面の代わりに、矩形状断面や半円状断面を持つ溝部であってもよい。
【0079】
上記各実施の形態では、電池ホルダに第1及び第2掛合部を配置し、スペーサに第1及び第2掛合部を嵌合(挿入)できる切り欠き部を形成したが、これとは逆に、スペーサの第1面1S、第2面2Sに第1掛合部、第2掛合部をそれぞれ配設し、電池ホルダに第1及び第2掛合部と嵌合(挿入)可能な挿入部や切欠部を形成するようにしてもよい。すなわち、前記第1嵌合構造及び前記第2嵌合構造の各々は、一方が突出部、他方が前記突出部を挿入可能な挿入部の組み合わせで構成すればよい。但し、リード板を電池ホルダに掛合させる構成とする場合は、電池ホルダに第1、第2掛合部等を設ける必要がある。
【0080】
上記各実施の形態では、4直3並の配列で素電池を電気接続したが、当然ながらこれに限定されず、これ以外の配列で電気接続してもよい。