特許第5955802号(P5955802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955802
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】容器詰め包装システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/10 20060101AFI20160707BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   B65B57/10 C
   B65B57/02 Z
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-78210(P2013-78210)
(22)【出願日】2013年4月4日
(65)【公開番号】特開2014-201331(P2014-201331A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2015年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】東洋自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】本田 康之
(72)【発明者】
【氏名】田中 浪与志
(72)【発明者】
【氏名】河本 明紀
【審査官】 山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−331107(JP,A)
【文献】 特開2006−256670(JP,A)
【文献】 特開2002−108213(JP,A)
【文献】 特開2012−68520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00
G09F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空の樹脂製容器を保持し、該容器内へ内容物を前記容器の開口部から充填し、該容器の開口部を封鎖する容器詰め包装機と、
前記容器詰め包装機の適宜位置に貼着されたステッカーと、
前記容器詰め包装機から搬出された容器詰め製品を搬送する搬送ラインに沿って設置され、前記容器詰め製品内に混入した金属の有無を検出する金属検出器と、
前記金属検出器からの信号に基づき、金属が混入した容器詰め製品を不良品と判定する制御装置とを備え、
前記ステッカーのうち、上下方向で見たときに前記容器詰め包装機により保持された容器の開口部より上の位置で前記容器詰め包装機へ貼着される上部貼着ステッカーは、すべて、金属を含んだ材料で製造されていることを特徴とする容器詰め包装システム。
【請求項2】
請求項1記載の容器詰め包装システムにおいて、前記上部貼着ステッカーは、樹脂性フィルムにアルミを蒸着して製造されていることを特徴とする、容器詰め包装システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の容器詰め包装システムにおいて、前記容器詰め包装機は、包装袋に内容物を包装する袋詰め包装機であることを特徴とする、容器詰め包装システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載の容器詰め包装システムにおいて、前記内容物は食品であることを特徴とする、容器詰め包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、袋等の空の樹脂製容器に例えば食品などの内容物を容器開口部から充填した後、袋の場合は袋口をシールするなどして、この開口部を封止して容器詰め製品を得る容器詰め包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
空の樹脂製容器内に内容物を容器の開口部から充填し、その後この開口部を封止して容器詰め製品を得る包装機は広く知られている。
【0003】
ところで、間欠回転式ロータリー型袋詰め包装機を例に挙げると、袋を掴んで保持する複数のグリッパーが間欠回転するテーブルにテーブルの周方向に沿って複数取付けられ、テーブル上には、これらのグリッパーの番号が印刷されたステッカーが貼り付けられている。
【0004】
また、袋口をシールする熱板など包装機の高温部分や、プレス脱気装置などのような開閉して袋を挟圧する部分等には、安全面から注意喚起を促す表示が印刷された警告用のステッカーも貼り付けられている。さらには、包装機に使用される各種センサなどを操作或いは調整する操作部や調整部の必要な情報を記載したステッカーも貼り付けられている。
【0005】
このようなステッカーは、通常安価で且つ印刷等の加工が施しやすい紙、或いは樹脂製のものが使用されている。なお、意匠性を考慮して、機種名や製造元を表示するステッカー等、ごく一部のステッカーは光沢のある樹脂製フィルムにアルミ蒸着を施したステッカーが用いられることはある。
【0006】
また、これらの通常使用されるステッカーは安価であるため、予備のステッカーを準備しておくこともさほど負担にならず、何らかの原因でステッカーが剥がれ落ちたとしても、予備のステッカーを貼り付けて直ちに対処できる。
【0007】
ところが、これらステッカーが剥がれ落ち、包装用の容器内に混入した場合、これが異物となることは勿論であるが、その材質が紙或いは樹脂製であるために、食品の包装機の下流などに異物検査のために通常設置される金属検出器では検出することが困難である。容器内に混入したステッカーが比較的に大きい場合には目視検査により不良製品として取除くことが可能であるが、ステッカーが小さくなるほどその検査作業は困難となる。特に食品等を容器内に充填するような包装機の場合、衛生面の観点から包装機を定期的に水などで洗浄することが一般的に行われ、この洗浄により包装機に貼り付けられたステッカーが剥がれるという問題が頻繁に生じる。
【0008】
従って、包装機に貼付されたステッカーが剥がれ、それが包装中の容器内に混入する可能性が十分にあるが、容器詰め包装の分野で、このような問題を具体的に捉えて解決しようとする技術を開示した先行技術文献を出願人は寡聞にして知らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、容器詰め包装機に貼り付けられたステッカーが剥がれ落ち、包装容器内に混入した場合に、確実にそのステッカーの混入を検出し、その製品を不良として判別できる容器詰め包装システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成の容器詰め包装システムを提供する。すなわちその容器詰め包装システムは、空の樹脂製容器を保持し、該容器内へ内容物を前記容器の開口部から充填し、該容器の開口部を封鎖する容器詰め包装機と、前記容器詰め包装機の適宜位置に貼着されたステッカーと、前記容器詰め包装機から搬出された容器詰め製品を搬送する搬送ラインに沿って設置され、前記容器詰め製品内に混入した金属の有無を検出する金属検出器と、前記金属検出器からの信号に基づき、金属が混入した容器詰め製品を不良品と判定する制御装置とを備えた容器詰め包装システムであり、前記ステッカーのうち、上下方向で見たときに前記容器詰め包装機により保持された容器の開口部より上の位置で前記容器詰め包装機へ貼着される上部貼着ステッカーは、すべて、金属を含んだ材料で製造されていることを特徴とするものである。
この容器詰め包装システムにおいて、前記上部貼着ステッカーとして、樹脂性フィルムにアルミを蒸着して製造されているステッカーを用いることができる。
この容器詰め包装システムに使用する容器詰め包装機として、包装袋に内容物を包装する袋詰め包装機を用いることができる。
この容器詰め包装システムにおいて、容器に充填される内容物は食品とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
上記のとおり、上部貼着ステッカーについては全て金属を含む材料で製作してあるので、これら上部貼着ステッカーが剥がれ落ち、包装容器内に混入した場合には、金属検出器で確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願発明を実施した袋詰め包装システムの構成を示す全体平面図である。
図2図1の袋詰め包装システムの全体側面図である。
図3図1の袋詰め包装システムに使用する袋詰め包装機の正面図である。
図4図3の袋詰め包装機に貼着されるステッカーの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面を参照して本願発明を実施した袋詰め包装システムの一例について説明する。すなわち、この例における容器詰め包装機は容器として包装袋を使用する袋詰め包装機である。
【0014】
図1及び2において、符号1は袋詰め包装システムを示し、このシステム1は、制御装置7により制御されて包装袋に内容物を充填する間欠回転式ロータリ型袋詰め包装機2(以下「包装機2」と言う。)、包装機2から放出される製品袋を搬出する搬出コンベアー3、搬出コンベアー3に隣接して設けられ、搬出コンベアー3により搬出された製品袋を製品袋搬送コンベアー5上に放出する製品袋放出シュート4、製品袋搬送コンベアー5に沿って所定の位置に配置された金属検出器6、金属検出器6からの信号に基づき製品の良否を判定する制御装置38、制御装置38により不良と判定された不良袋をここを通過中に排除する不良製品排除コンベアー8とで概略構成されている。
【0015】
図3図1,2に示された包装機2の正面図である。この包装機2には、公知の包装機同様に包装の各工程の作業を実施する各種の装置が設けられているが、本願発明の説明には必ずしもそれら全ての装置の説明は必要ないので、一部の装置のみ図示して説明する。
【0016】
符合22は回転テーブルであり、機台21に立設されたスタンド23内に挿通され、適宜な駆動源に接続された回転軸(図示せず)の上端に取り付けられ、間欠回転するようになっている。この回転テーブル22の下面側の外周部には、円周方向所定の間隔で、包装袋Bを保持する左右のグリッパー24がこの例では8組取り付けられている。このグリッパー24は公知のものが使用でき、また図には、後述する充填工程IVにのみ包装袋Bと共に図示してある。回転テーブル22の上面側には下面側の各グリッパー24に対応する位置に、各グリッパーの番号が印刷されたステッカーS1が貼着されている(図1参照)。図に示されるように、グリッパー24に保持された包装袋Bの袋口は、高さ方向で回転テーブル22の上面より若干下側に位置しており、上下方向で見た場合、ステッカーS1は包装袋Bの袋口より上側に位置している。便宜上、このようなステッカーを上部貼着ステッカーと呼ぶことにする。
【0017】
回転テーブル22が間欠回転するにつれて各グリッパー24は各種の包装工程の処理が行われるステーションに移動する。ステーションIは給袋工程で(図1参照)、このステーションIには包装袋Bをグリッパー24に供給する給袋装置25が設置されており(図2参照)、この例では図1に図示される多数の包装袋Bを収容しているマガジン25aを備えたマガジン式の給袋装置である。この給袋装置25は図には現れていないが、マガジン25a上の先頭の包装袋に吸着してこれを持ち上げてグリッパー24に引渡す吸盤を備えているが、この吸盤が正常な状態で包装袋Bに吸着しているかどうかを検知する真空圧センサも備えており、そのセンサの設定値の調整等に関する情報が記載されたステッカーS2が図示の位置に貼付されている(図2参照)。図から明らかなとおり、上下方向で見た場合、その位置は包装袋Bの袋口より上側に位置している。すなわち上部貼着ステッカーである。ステーションIIは印字工程で、印字器26(図1参照)で包装袋Bに製造日等を印字する。ステーションIIIは開口工程であり、一対の吸盤28(図3参照)を備えた開口装置27により包装袋Bの袋口が開かれる。この開口装置27にはステッカーS3が貼付されている(図3参照)。すなわち、開口装置27の吸盤28には真空が作用して包装袋Bの両面に吸着して袋口を開くようになっているが、その際に吸盤に作用している真空圧を検知するセンサが設けられており、このステッカーS3には、そのセンサの設定値の調整等に関する情報が記載されている。そしてこのステッカーS3も、上下方向で見た場合、その位置は包装袋Bの袋口より上側に位置しており、上部貼着ステッカーである。
【0018】
ステーションIVは液充填工程で、タンク30、ノズル31などを備えた液充填装置29が配置されている。そしてタンク30にはステッカーS4が貼付されている。このステッカーS4には、タンク30を取外して洗浄する際の注意事項等が記載されている。このステッカーS4も、上下方向で見た場合、その位置は包装袋Bの袋口より上側に位置している。ステーションVはプレス脱気工程で、プレス脱気装置の一対の挟圧板(図示せず)で包装袋Bを両側から挟圧し、包装袋B内の空気を排出する。このプレス脱気装置には、例えば図4(ア)に示すようなステッカーが貼付されるが、その位置は、上下方向で見た場合、包装袋Bの袋口より下側に位置している。ステーションVIは第1シール工程で、一対の熱板33を備えた第1シール装置32が設置され(図1参照)、包装袋Bの袋口をヒートシールする。ステーションVIIは第2シール工程で、やはり一対の熱板35を備えた第2シール装置34が設置され(図1参照)、包装袋Bの袋口に第2のヒートシールを行う。これら第1及び第2シール装置には、図4(ア)及び(イ)に示すようなステッカーが一緒になったステッカーS5が貼付されている。これらも上部貼着ステッカーである。
【0019】
ステーションVIIIは冷却及び製品袋放出工程であり、包装袋Bの袋口を冷却する一対の冷却板37を備えた冷却装置36が設けられている。冷却後、冷却板37が開いて製品としての包装袋Bを搬出コンベアー3上に放出する。この冷却装置36には、図4(ア)に示すような注意を喚起するステッカーS6が上部貼着ステッカーとして貼付されている。なお、包装機2の制御装置7には二つのステッカーが貼られている。一つは三角形の形をして中に所謂カミナリマークが記載されたステッカーS7であり、この部分に電気機器が格納されていることを示している。もう一つのステッカーS8は、内部の制御装置7について作業員が必要とする情報が記載されている。両方共に上部貼着ステッカーである。
【0020】
搬出コンベアー3上に放出された包装袋Bは、次いで製品袋放出シュート4、製品袋搬送コンベアー5へと受け渡され、製品袋搬送コンベアー5により搬送されている途中で金属検出器6により包装袋B内の金属の検出が行われる。先に説明したステッカーS1〜S8は全て金属を含む材料で製作されている。より具体的に言えば、この実施の形態では、樹脂製のフィルム或いは薄板にアルミ蒸着を施している材料を使用している。従って、上部貼着ステッカーS1〜S8のいずれかが剥がれて包装袋B内へ混入した場合には、この金属検出器6によりその存在が検出され、その信号が制御装置38へ送られ、制御装置38からの信号に基づき、次の不良製品排除コンベアー8で移送中に不良袋として正常ラインから排除される。良品はそのまま先へ送られる。
【0021】
上記に説明したステッカーはあくまでも例としてのものであり、包装機には他にもステッカーが使用され、それらのうち上部貼着ステッカーに該当するステッカーはすべてこの実施の例では樹脂フィルムにアルミ蒸着を施した材料で製作してある。但し、ステッカーに金属を含ませるのはこの例に限定されない。金属粉末を樹脂に混合してもよく、金属薄膜を貼り付けても良い。
図1
図2
図3
図4