(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記分類手段は、前記バッテリを分類すると、現在のバッテリの接続情報、分類情報、充電情報を、ネットワークを介して通信可能に接続される端末装置の記憶手段に記憶させ、
前記利用手段は、前記バッテリを既に放電したと認識した場合に、前記記憶手段における当該バッテリの充電情報を、放電を示す情報に書き換える
請求項1に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベットSはステップを意味する。
【0019】
<画像形成装置>
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略模式図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0020】
尚、本発明に係る画像形成装置は、例えば、プリンタ、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を備えた画像形成装置として機能する。
【0021】
以下に、例えば、コピー機能を利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
【0022】
先ず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿を筐体部125の上面に備えられている原稿台101に載置する。続いて、ユーザは、前記原稿台101近傍に備えられている操作部102(操作パネル)を使用して、画像形成に関する設定条件の入力を当該操作部102の操作画面から入力する。そして、ユーザが、前記操作部102に設けられたスタートキーを押下すると、複合機100が画像形成(印刷処理)を開始する。
【0023】
次に、画像読取部103において、光源104から照射された光が、前記原稿台101に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は前記撮像素子108により光電変換されて、前記原稿に対応する画像データが生成される。
【0024】
さて、前記画像データに基づいてトナー像を形成する部分が画像形成部109である。前記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。前記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
【0025】
前記帯電器111は、前記感光体ドラム110表面を一様に帯電させる。前記露光ユニット112は、帯電された感光体ドラム110の表面に、前記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。前記現像器114は、形成された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、前記転写器114により、記録媒体(例えば、用紙、シート)に転写される。前記クリーニングユニット115は、前記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
【0026】
前記用紙は、複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、前記用紙は、給紙ローラ(ピックアップローラ)117により何れか1つの給紙カセット116から搬送路へ引き出される。各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種の用紙が収容されており、画像形成に関する設定条件に基づいて用紙が給紙(搬送)される。
【0027】
搬送路に引き出された用紙は、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。前記用紙が送り込まれると、前記転写器114により前記トナー像が転写され、当該トナー像が転写された用紙は定着装置120に搬送される。
【0028】
前記トナー像が転写された用紙が前記定着装置120に備えられた加熱ローラと加圧ローラの間を通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像が用紙に定着される。前記加熱ローラの熱量は、紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像が用紙に定着されて画像形成が終了し、当該用紙は搬送ローラ118により、経路切替部121へ導かれる。
【0029】
前記経路切替部121では、前記複合機100による切り替え指示により、前記用紙を、前記筐体部125の側面に設けられた排紙トレイ122へ案内したり、排紙口123を介して、前記筐体部125の胴内に設けられた胴内トレイ124へ案内したりする。前記用紙は、前記排紙トレイ122か胴内トレイ124に積載され、収容される。前記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。
【0030】
ここで、複合機100には、コンセント126を介して外部電源127から電力の供給を受ける電源制御部128を備え、当該電源制御部128からの電力供給を受けて各部の駆動を行う。又、前記電源制御部128には、外部電源127から電力供給を受けて充電し、その電力を前記複合機100に供給可能な複数のバッテリ129が電気的に接続可能で、取り外し可能に設けられている。前記バッテリ129の充放電は、前記電源制御部128の制御により行われる。
【0031】
又、複合機100には、通信部130がネットワーク131に接続され、当該ネットワーク131を介して端末装置132、携帯端末装置133と通信可能に接続される。又、前記携帯端末装置132は、前記ネットワーク131を介して端末装置133と通信可能に接続される。
【0032】
図2は、本発明の実施形態に係る操作部の全体構成を示す概念図である。ユーザは、前記操作部102を用いて、上述のような画像形成についての設定条件を入力したり、入力された設定条件を確認したりする。前記設定条件が入力される場合、前記操作部102に備えられたタッチパネル201(操作パネル)、タッチペン202、操作キー203が用いられる。
【0033】
前記タッチパネル201には、設定条件を入力する機能と当該設定条件を表示する機能が兼ね備えられている。即ち、タッチパネル201上に表示された画面内のキーを押下することによって、当該押下されたキーに対応する設定条件が入力される。
【0034】
前記タッチパネル201の背面には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部(図示せず)が設けられており、当該表示部が、例えば、前記初期画面等の操作画面を表示する。前記タッチパネル201の近傍には、タッチペン202が備えられており、ユーザがそのタッチペン202の先をタッチパネル201に接触させると、タッチパネル201下に設けられたセンサが接触先を検知する。
【0035】
更に、タッチパネル201近傍には、所定数の操作キー203が設けられ、例えば、テンキー204、スタートキー205、クリアキー206、ストップキー207、リセットキー208、電源キー209が備えられている。
【0036】
次に、
図3を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。
図3は、本発明に係る複合機100の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0037】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305、操作部102、通信部130、電源制御部128とを内部バス306によって電気的に接続している。
【0038】
前記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、前記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305と前記操作部306からのデータや指示、キーに対応する信号、命令等を授受し、
図1に示した各駆動部の動作を制御する。
【0039】
又、前記CPU301は、前記通信部130を介してネットワーク131に通信可能に接続され、端末装置132や携帯端末装置131にデータを送信したり受信したりする。又、前記CPU301は、前記電源制御部128を介してコンセント126で外部電源127から電力供給を受け、更に、前記電源制御部128を介してバッテリ129への充電及び放電を制御する。
【0040】
又、前記駆動部以外の後述する各手段(
図4に示す)についても、前記CPU301が、プログラムを実行することで当該各手段を実現する。前記ROM302、HDD304等には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0041】
<本発明の実施形態>
次に、
図4−
図6を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。
図4は、本発明の複合機の機能ブロック図である。
図5は、本発明の実行手順を示すための第一のフローチャートであり、
図6は、本発明の実行手順を示すための第二のフローチャートである。
【0042】
先ず、ユーザが、複合機100の電源を投入すると(
図5:S101)、検知手段401が、当該複合機100の電源制御部128を介して、当該電源制御部128に装着されたバッテリ129の数を検知する(
図5:S102)。
【0043】
前記検知手段401が前記バッテリ129の数を検知する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、前記電源制御部128に予め設けられたバッテリ129の装着部の電極端子を監視し、当該電源制御部128の電極端子とバッテリ129の電極端子とが電気的に接続されているか否かを各装着部毎に検知する方法が挙げられる。
【0044】
前記検知手段401が前記バッテリ129の数(例えば、10個)を検知すると、当該検知したバッテリ129を識別するために所定の識別番号(例えば、「No.1」等)を関連付ける。前記識別番号の関連付けは、どのような方法でも良く、例えば、前記電源制御部128の装着部が複合機100の側面から外部に向かって直列に所定数(例えば、10個)設けられている場合には、複合機100の側面を識別番号「No.1」として外部に向かって順番に識別番号を予め付しておき、前記検知したバッテリ129に対して対応する装着部に予め付された識別番号を関連付ける方法が挙げられる。
【0045】
前記検知手段401が前記バッテリ129の数の検知を完了すると、その旨を表示受付手段402に通知し、当該通知を受けた表示受付手段402は、操作画面(初期画面)をタッチパネル201上に表示する。
【0046】
前記操作画面700には、
図7(A)に示すように、所定のメッセージ「コピーできます。」701と、前記初期設定条件の項目に対応する設定項目キー702とが表示される。前記設定項目キー702には、バッテリ129を分類するためのバッテリ分類キー702aと、コピー機能等を即時に提供可能な通常モードから省電力モードへ移行するための省電力モードキー702bとが含まれる。
【0047】
さて、ユーザが、前記操作画面700を見ながら、例えば、前記バッテリ分類キー702aを押下すると、前記表示受付手段402が、当該バッテリ分類キー702aの押下を特定の操作として受け付けて(
図5:S103YES)、バッテリ分類画面をタッチパネル201上に表示する(
図5:S104)。
【0048】
前記バッテリ分類画面703には、
図7(B)に示すように、所定のメッセージ「バッテリを分類するためのバッテリ情報を設定して下さい。」704と、前記バッテリ情報の入力による処理を示す旨のメッセージ「入力したバッテリ情報に基づいて高性能バッテリ、低性能バッテリに分類します。」705と、バッテリ129の最大容量(Ah)、バッテリ129の電力の残量(%)、バッテリ129の電力変換効率(%)とを含むバッテリ情報項目706と、各項目706毎に設けられた設定値入力欄707と、数値を入力するためのテンキー708と、OKキー709と、キャンセルキー710とが表示される。尚、前記設定値入力欄707への数値の入力は、前記バッテリ情報項目706の全てでも一部でも構わない。
【0049】
ユーザは、前記バッテリ分類画面703を見ながら、例えば、テンキー708を用いて、残量に「80%」を入力することで、バッテリ情報項目706に対応して設定値入力欄707に所望の値を入力し、OKキー709を押下すると、前記表示受付手段402は、当該バッテリ情報項目706の入力値と当該OKキー709の押下を受け付けて(
図5:S105YES)、その旨を分類手段403に通知する。当該通知を受けた分類手段403は、前記検知されたバッテリ129の数と、前記入力されたバッテリ情報項目706の入力値とに基づいて、現時点で複合機100に装着されているバッテリ129を、高性能バッテリか低性能バッテリかに分類する(
図5:S106)。
【0050】
前記分類手段403がバッテリ129を分類する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下のようになされる。即ち、前記分類手段403が、現時点で電気的に接続されているバッテリ129におけるバッテリ情報項目(例えば、「残量」)の現在の値を検知して、当該検知した現在の値が前記入力されたバッテリ情報項目706の入力値(例えば、「80%」)を超過するか否かを判定する。
【0051】
前記判定の結果、前記バッテリ129におけるバッテリ情報項目の現在の値が入力値を超過する場合に、前記分類手段403は、当該バッテリ129を高性能バッテリと分類する。
【0052】
一方、前記判定の結果、前記バッテリ129におけるバッテリ情報項目の現在の値が入力値を超過しない場合に、前記分類手段403は、当該バッテリ129を低性能バッテリと分類する。これにより、ユーザの入力値に対応して、現時点で装着されたバッテリ129をバッテリ情報項目706に基づいて分類することが可能となる。
【0053】
尚、上述では、バッテリ情報項目706の入力値が「残量」の一つであったが、「残量」、「電力変換効率」等の複数である場合、例えば、以下のように実行すればよい。つまり、前記分類手段403が、所定のバッテリ129について各バッテリ情報項目706の現在の値が入力値を超過するか否かを各バッテリ情報項目706毎に判定し、全てのバッテリ情報項目706について現在の値が入力値を超過する場合に、前記分類手段403が、前記バッテリ129を高性能バッテリと分類し、いずれのバッテリ情報項目706について現在の値が入力値を超過しない場合に、前記分類手段403が、前記バッテリ129を低性能バッテリと分類する。このような分類方法は、適宜設計変更される。
【0054】
さて、前記分類手段403が、前記バッテリ129の分類を完了すると、ネットワーク131を介して端末装置132(サーバー)と通信可能な通信手段404を利用して、現在のバッテリ129の接続情報、分類情報、充電情報を当該端末装置132の記憶手段405に記憶させる(
図5:S107)。
【0055】
前記分類手段403が現在のバッテリ129の接続情報、分類情報、充電情報を前記端末装置132の記憶手段405に記憶させる方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下のようになされる。即ち、前記記憶手段405には、
図8(A)に示すように、バッテリ129の識別番号801(例えば、「No.1」等)と、バッテリ129の接続状況を示す接続情報802(例えば、装着を示す「有り」、脱離を示す「無し」)と、バッテリ129の分類情報803(例えば、「高性能」、「低性能」)と、バッテリ129の充電状況を示す充電情報804(例えば、充電を示す「有り」、放電を示す「無し」)とがテーブル800に関連付けて記憶される。前記分類手段403は、前記検知されたバッテリ129の数(接続情報)と、前記分類されたバッテリ129の分類情報と、充電情報とを前記テーブル800に各バッテリの識別番号801毎に記憶させる。これにより、複合機100の現在のバッテリ129に関する情報が所定の端末装置132に記憶されることになる。
【0056】
さて、前記分類手段403が前記記憶手段405に現在のバッテリ129に関する情報を記憶させると、その旨を表示受付手段402に通知し、当該通知を受けた表示受付手段402は、再度、前記操作画面600をタッチパネル201上に表示することになる。又、S103において、ユーザが、前記バッテリ分類キー702aを押下しない場合も同様である。
【0057】
ここで、ユーザが、携帯端末装置133からの急用で直に複合機100でのコピー機能を指示出来ない等の何らかの理由により、前記操作画面600中の省電力モードキー702bを押下すると、前記表示受付手段402は、当該省電力モードキー702bの押下を受け付けて、その旨を移行手段406に通知する。当該通知を受けた移行手段406は、前記複合機100を通常モードから省電力モードへ移行させる(
図6:S201YES)。
【0058】
前記移行手段406が、前記複合機100を省電力モードへ移行させると、その旨を利用手段407に通知する。当該通知を受けた利用手段407は、外部電源127からの電力供給を停止させるとともに、前記分類された低性能バッテリを優先的に利用して、当該低性能バッテリの電力を複合機100に供給させる(
図6:S202)。
【0059】
具体的には、前記利用手段407が、前記分類された低性能バッテリの電力が複合機100に供給されるように、当該低性能バッテリの電極端子を前記電源制御部128の電極端子に電気的に接続し、前記電源制御部128の外部電源127からの電力供給を停止させる。これにより、例えば、特定のモードへ移行した場合には、複合機100に接続された低性能バッテリの電力を利用して、外部電源127の電力供給が著しい昼間等のピーク時における外部電源127の電力供給を抑えることが可能となる。
【0060】
この際に、前記利用手段407は、所定の低性能バッテリの電力供給を開始した時点から、当該低性能バッテリの電力の残量を監視し、当該低性能バッテリの電力の残量が所定の下限値(例えば、「20%」)未満になった場合に、前記利用手段407は、当該低性能バッテリを既に利用した低性能バッテリとして認識して、更に、未だに放電(利用)していない低性能バッテリが存在するか否かを判定する。
【0061】
前記判定の結果、未だに放電していない低性能バッテリが存在する場合に、前記利用手段407は、既に利用した低性能バッテリの電極端子を前記電源制御部128の電極端子から電気的に切断するとともに、未だに放電していない低性能バッテリの電極端子を当該電源制御部128の電極端子に電気的に接続して、当該低性能バッテリの複合機100への電力供給を継続させる。これにより、前記低性能バッテリの電力供給を優先的に行い、高性能バッテリを出来るだけ残すことが可能となる。又、前記下限値を設けることで、バッテリ129の放電による劣化を抑えることが可能となる。
【0062】
ここで、前記利用手段407は、前記低性能バッテリを既に利用したと認識した場合に、前記通信手段404を介して前記テーブル800の低性能バッテリに対応する識別番号801の充電情報804を「有り」から「無し」に書き換える(
図6:S203)。これにより、複合機100の現在のバッテリ129に関する情報が、低性能バッテリの利用毎に更新されることになる。
【0063】
一方、前記判定の結果、未だに放電していない低性能バッテリが存在しない場合に、前記利用手段407は、既に利用した低性能バッテリの電極端子を前記電源制御部128の電極端子から電気的に切断するとともに、未だに放電していない高性能バッテリの電極端子を当該電源制御部128の電極端子に電気的に接続して、当該高性能バッテリの電力を複合機100に供給させる(
図6:S204)。これにより、利用出来る低性能バッテリが無くなった場合に、高性能バッテリの電力を消費することが可能となる。
【0064】
ここで、前記利用手段407は、更に、所定の高性能バッテリの電力供給を開始した時点から、当該高性能バッテリの電力の残量を監視し、当該高性能バッテリの電力の残量が所定の下限値(「20%」)未満になった場合に、前記利用手段407は、当該高性能バッテリを既に利用した高性能バッテリとして認識して、更に、未だに放電していない高性能バッテリが存在するか否かを判定する。
【0065】
前記判定の結果、未だに放電していない高性能バッテリが存在する場合に、前記利用手段407は、上述と同様に、既に利用した高性能バッテリの電極端子を前記電源制御部128の電極端子から電気的に切断するとともに、未だに放電していない高性能バッテリの電極端子を当該電源制御部128の電極端子に電気的に接続して、当該高性能バッテリの複合機100への電力供給を継続させる。
【0066】
又、前記利用手段407は、前記通信手段404を介して前記テーブル800の高性能バッテリに対応する識別番号801の充電情報804を「有り」から「無し」に書き換えることになる(
図6:S205)。
【0067】
一方、前記判定の結果、未だに放電していない高性能バッテリが存在しない場合に、前記利用手段407は、既に利用した低性能バッテリの電極端子を前記電源制御部128の電極端子から電気的に切断するとともに、前記電源制御部128の外部電源127からの電力供給を再開させる(
図6:S206)。これにより、利用出来るバッテリが存在しなくなった場合には、通常の外部電源127の電力供給に切り換えて、複合機100の動作を停止させないようにする。
【0068】
ここで、前記利用手段407は、前記外部電源127からの電力供給を開始すると、その旨を表示受付手段402に通知し、当該通知を受けた表示受付手段402は、充電開始画面をタッチパネル上に表示する(
図6:S207)。
【0069】
前記充電開始画面805には、
図8(B)に示すように、所定のメッセージ「バッテリの電力がなくなりました。」806と、前記バッテリへの充電を促すメッセージ「バッテリの充電を開始しますか?」807と、前記テーブル800に対応する現時点のバッテリ129の状況808と、OKキー809と、キャンセルキー810とが表示される。
【0070】
ユーザは、前記充電開始画面805を見ながら、前記OKキー809を押下すると、前記表示受付手段402は、当該OKキー809の押下を受け付けて(
図6:S207YES)、その旨を充電手段408に通知する。当該通知を受けた充電手段408は、前記分類された高性能バッテリを優先的に充電する(
図6:S208)。尚、ユーザが、前記キャンセルキー810を押下した場合には(
図6:S207NO)、S212へ移行する(後述する)。
【0071】
具体的には、前記充電手段408が、前記分類された高性能バッテリへ外部電源127の電力が供給されるように、当該高性能バッテリの電極端子を前記電源制御部128の電極端子に電気的に接続し、当該高性能バッテリを充電させる。これにより、例えば、ユーザの指示により、バッテリの充電を開始できるため、例えば、外部電源127の電力供給が著しくない夜間等の非ピーク時における外部電源127の電力供給を促すことが可能となる。
【0072】
尚、前記充電の開始時期は、前記バッテリ129の放電が全て完了した時点に限る必要は無く、必要に応じて、ユーザが、表示受付手段402を介して前記充電手段408に指示するように構成すれば良い。
【0073】
さて、充電の際に、前記充電手段408は、前記高性能バッテリの充電を開始した時点から、当該高性能バッテリの電力の残量を監視し、当該高性能バッテリの電力の残量が所定の上限値(例えば、「80%」)を超過した場合に、前記充電手段408は、当該高性能バッテリを既に充電した高性能バッテリとして認識して、更に、未だに充電していない高性能バッテリが存在するか否かを判定する。
【0074】
前記判定の結果、未だに充電していない高性能バッテリが存在する場合に、前記充電手段408は、既に充電した高性能バッテリの電極端子を前記電源制御部128の電極端子から電気的に切断するとともに、未だに充電していない高性能バッテリの電極端子を当該電源制御部128の電極端子に電気的に接続して、当該高性能バッテリの充電を継続させる。これにより、前記高性能バッテリの充電を優先的に行い、高性能バッテリを出来るだけ早く充電することが可能となる。又、前記上限値を設けることで、バッテリ129の充電による劣化を抑えることが可能となる。
【0075】
ここで、前記充電手段408は、上述と同様に、前記高性能バッテリを既に充電したと認識した場合に、前記通信手段404を介して前記テーブル800の高性能バッテリに対応する識別番号801の充電情報804を「無し」から「有り」に書き換える(
図6:S209)。これにより、複合機100の現在のバッテリ129に関する情報が、高性能バッテリの充電毎に更新される。
【0076】
一方、前記判定の結果、未だに充電していない高性能バッテリが存在しない場合に、前記充電手段408は、既に充電した高性能バッテリの電極端子を前記電源制御部128の電極端子から電気的に切断するとともに、未だに充電していない低性能バッテリの電極端子を当該電源制御部128の電極端子に電気的に接続して、当該低性能バッテリを充電させる(
図6:S210)。これにより、充電出来る高性能バッテリが無くなった場合に、低性能バッテリの充電を開始させることが可能となる。
【0077】
ここで、前記充電手段408は、更に、所定の低性能バッテリの電力供給を開始した時点から、当該低性能バッテリの電力の残量を監視し、当該低性能バッテリの電力の残量が所定の上限値(「80%」)を超過した場合に、前記充電手段408は、当該低性能バッテリを既に充電した低性能バッテリとして認識して、更に、未だに充電していない低性能バッテリが存在するか否かを判定する。
【0078】
前記判定の結果、未だに充電していない低性能バッテリが存在する場合に、前記充電手段408は、上述と同様に、既に充電した低性能バッテリの電極端子を前記電源制御部128の電極端子から電気的に切断するとともに、未だに充電していない低性能バッテリの電極端子を当該電源制御部128の電極端子に電気的に接続して、当該低性能バッテリの充電を継続させる。
【0079】
又、前記充電手段408は、前記通信手段404を介して前記テーブル800の低性能バッテリに対応する識別番号801の充電情報804を「無し」から「有り」に書き換える(
図6:S211)。
【0080】
一方、前記判定の結果、未だに充電していない低性能バッテリが存在しない場合に、前記充電手段408は、既に充電した低性能バッテリの電極端子を前記電源制御部128の電極端子から電気的に切断して、バッテリの充電を完了する。これにより、高性能バッテリ、低性能バッテリの充電処理が完了する。
【0081】
前記充電手段408が、全てのバッテリ129の充電を完了させると、その旨を利用手段407に通知し、当該利用手段407は、省電力モードが終了したか否かを判定する(
図6:S212)。
【0082】
前記判定の結果、前記省電力モードが終了していない場合に(
図6:S212NO)、S202へ戻って、前記利用手段407が、前記低性能バッテリを優先的に利用して、前記複合機100の電力供給を実行することになる(
図6:S202)。
【0083】
一方、ユーザが、複合機100でのコピー機能を直に指示する等の何らかの理由により、前記移行手段406が省電力モードから通常モードへ移行(復帰)し、前記判定の結果、前記省電力モードが終了した場合に(
図6:S212YES)、前記利用手段407は、前記電源制御部128の外部電源127からの電力供給を開始させる(
図6:S213)。これにより、省電力モード等の所定のモードに移行している間は、前記バッテリ129を利用して、外部電源127からの電力消費を抑えることが可能となる。
【0084】
ところで、S201において、所定のモードへ移行しない場合には、前記移行手段406がその旨を利用手段407に通知し、当該通知を受けた利用手段407は、通常通りに、前記電源制御部128の外部電源127からの電力供給を開始させる(
図6:S214)。これにより、通常のモードでは、外部電源127からの電力で複合機100の電力を賄うことが可能となる。
【0085】
さて、ユーザが、複合機100のバッテリ129を利用する場合は、下記のようになる。つまり、例えば、地震発生等の災害時に停電となり、ユーザが複合機100のバッテリ129を利用する場合に、携帯端末装置133でネットワーク131を介して端末装置132の記憶手段405にアクセスする。すると、前記携帯端末装置133の画面には、
図9(A)に示すように、所定のメッセージ「複合機のバッテリ情報です。」901と、前記バッテリ129の現在状況を示すメッセージ「複合機のバッテリ情報を確認できます。」902と、前記テーブル800に対応する現時点のバッテリ129の状況903と、OKキー904とが表示されたバッテリ状況画面900が表示される。
【0086】
ここで、ユーザは、停電により前記複合機100に電力が供給されていないにも関わらず、前記バッテリ状況画面900を見れば、当該複合機100のバッテリ129のうち、利用出来るバッテリ129を一見して確認することが可能となる。そのため、上述した災害時の場合は、特に有効である。
【0087】
ユーザは、前記バッテリ状況画面900を見ながら、識別番号「No.1」の高性能バッテリを確認して、前記電源制御部128に装着された高性能バッテリを取り外すために、当該高性能バッテリの装着部の近傍に予め設けられたタクトスイッチ等の物理的なスイッチを操作し、当該高性能バッテリを取り外す。そして、ユーザは、
図9(B)に示すように、前記高性能バッテリ129に予め設けられたコネクタ905を、例えば、携帯端末装置133、タブレットPC、照明器具等の電子機器に装着すると、当該高性能バッテリ129から前記電子機器へ電力供給が開始される。これにより、ユーザは、前記バッテリ129の状況を確認した上で、電源として利用することが可能となる。
【0088】
又、コンビニエンスストア等の店舗において、前記バッテリ129を利用可能な複合機100として設置し、前記電子機器への電力供給(充電)サービスとして利用することが可能となる。この場合、例えば、前記バッテリ129を店内のみでの利用として店外に持ち出すことが出来ないようにして、ユーザに前記バッテリ129を貸与する。この際に、前記貸与は、時間当たりに所定金額以上の商品購入を行うと無料となる等の課金条件を課して実施すると、好ましい。
【0089】
以上のように、本発明では、現時点で複合機100に装着されているバッテリ129を、高性能バッテリか低性能バッテリかに分類する分類手段403と、所定のモードへ移行すると、外部電源127からの電力供給を停止させるとともに、前記分類された低性能バッテリを優先的に利用して、当該低性能バッテリの電力を複合機100に供給させる利用手段407とを備えることを特徴とする。これにより、前記低性能バッテリの電力供給を優先的に行い、高性能バッテリを出来るだけ残すことが可能となる。又、本発明は、全てのバッテリ129が放電された場合に、ユーザの指示により、前記分類された高性能バッテリを優先的に充電する充電手段408を更に備える。これにより、ユーザが取り外して利用する高性能バッテリを早期に充電状態にしておくことが可能となる。
【0090】
尚、本発明では、前記テーブル800には、バッテリ129の識別番号801、接続情報802、分類情報803、充電情報804を記憶させて、表示させるように構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記テーブル800には、現在における各バッテリ129毎のバッテリ情報、最大容量(Ah)、電力の残量(%)、電力変換効率(%)等の詳細情報を記憶させて、表示させるように構成しても構わない。
【0091】
又、本発明では、分類手段403が、前記バッテリ129の数と、ユーザから入力されたバッテリ情報項目706の入力値とに基づいて、現時点で複合機100に装着されているバッテリを、高性能バッテリか低性能バッテリかに分類するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記分類手段403が、バッテリ129が電力供給を行った回数又は/及び放電時間、充電された回数又は/及び充電時間を監視して、当該監視した回数又は/及び時間が所定の閾回数又は/及び閾時間を超過した場合に、前記バッテリ129を、低性能バッテリと分類し、当該監視した回数又は/及び時間が所定の閾回数又は/及び閾時間を超過しない場合に、前記バッテリ129を、高性能バッテリと分類するよう構成出来る。
【0092】
又、本発明の実施形態では、複合機100が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、上記プログラムを複合機100に読み出させ、その複合機100が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【0093】
又、本発明の実施形態では、コピー機能に関して採用したが、例えば、ファクシミリ受信機能、プリント機能等に対しても採用できる。