(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のペットボトル処理装置の概略の平面図である。尚、図におけるX方向が搬送方向を示す。
【0019】
この実施形態のペットボトル処理装置1は、
図3、
図4等に示すペットボトル100のように、ペットボトル本体101の胴部101aにラベル102が巻装されるとともに、ペットボトル本体101の口部101bにキャップ103が螺合されたものを処理対象とする。
【0020】
そして、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるペットボトル本体101と、ポリプロピレン(PP)からなるキャップ103及びキャップ103から分離したキャップ残存リング103aと、ポリスチレン(PS)からなるラベル102とに分別するとともに、ペットボトル本体101を細断する一連の処理を行うことができるようになされている。
【0021】
この実施形態のペットボトル処理装置1は、
図1に示すように装置本体10と、投入部11と、対象外容器排除部3と、向き調整部4と、キャップ外し部5と、ラベル剥がし部6と、分断部7と、細断部8とを備えている。
【0022】
装置本体10は、ペットボトル100を投入部11から細断部8まで搬送する搬送路2を備えている。この搬送路2は、この実施形態では、第1搬送路21と、第2搬送路22とを備えている。
【0023】
第1搬送路21には、
図1、
図3に示すように、ペットボトル100を第1搬送路21に沿って搬送する第1搬送部材20が設けられている。第1搬送部材20は、この実施形態では、ホイール21aに巻回された無端状のチェーンコンベア21bを備えている。そして、一方のホイール21aの駆動に伴ってチェーンコンベア21bが可動し、そのチェーンコンベア21bの可動に際して、チェーンコンベア21bに載置されたペットボトル100が第1搬送路21の始端から対象外容器排除部3を経て向き調整部4まで、
図3のX方向に搬送される。
【0024】
第2搬送路22は、
図1に示すように第1搬送路21の後端側に第1搬送路21と略直交するように配設されている。又、この第2搬送路22には、ペットボトル100を第2搬送路22に沿って搬送する第2搬送部材23〜第5搬送部材26が設けられている。
【0025】
第2搬送部材23は、
図4に示すように板状の第1押圧部材23aを備えている。この押圧部材23aは、
図1に示す第2搬送路22の始端からキャップ外し部5までペットボトル100を搬送する。
【0026】
この第1押圧部材23aは、第2搬送路22に沿って移動可能に配設されており、図示しない駆動手段によって、
図1、
図4のX方向に搬送される。そして、その第1押圧部材23aのX方向への移動に際してペットボトル100の後端面を押圧する。
【0027】
第3搬送部材24は、ペットボトル100を第2搬送路22におけるキャップ外し部5からラベル剥がし部5を通過するまで搬送する。この第3搬送部材24は、
図8示すように、この実施形態では、ホイール24aに巻回されたチェーン24bを備えたチェーンコンベアから構成されている。又、第3搬送部材24は、長手方向に所定の間隔を持って配設された複数の第2押圧部材24cを備えている。
【0028】
各第2押圧部材24cは、チェーン24bの外面から外方に突出するようにチェーン24bの外面に取り付けられている。
【0029】
そして、一方のホイール24aの駆動に伴ってチェーン24bが
図8のX方向に可動し、その可動に際して、第2押圧部材24cがペットボトル100の後端面を押圧する。
【0030】
第4搬送部材25は、ペットボトル本体101をラベル剥がし部6から分断部7を通過するまで搬送する。この第4搬送部材25は、
図14に示すように、第2搬送路22に沿って移動可能に配設された板状の第3押圧部材25aを備えている。この第3押圧部材25aは、後述の分断部7の分断歯72が通る分断歯通過用溝25bを備えている。
【0031】
そして、第4搬送部材25は、図示しない駆動手段によって、
図14のX方向に移動し、その移動に際して第3押圧部材25aがペットボトル100の後端面を押圧する。
【0032】
第5搬送部材26は、
図1に示すように分断された後のペットボトル本体101を分断部7から細断部8まで搬送する。
【0033】
この第5搬送部材26は、図示しないホイールに巻回された無端ベルトコンベア26aを備えている。この無端ベルトコンベア26aは、分断されたペットボトル本体101を載置し、ホイールの駆動に伴って可動する。そして、その可動に際して、無端ベルトコンベア26aが載置された分断された後のペットボトル本体101を細断部8まで搬送する。
【0034】
次に、投入部11について説明する。投入部11は、ペットボトル100が投入される投入口12と、投入口12に投入されたペットボトル100を順次、搬送路2の第1搬送路21に送り込む搬送路送り込みコンベア13とを備えている。
【0035】
搬送路送り込みコンベア13は、
図2に示すように被移送物となるペットボトル100を収納する複数の収納部材13aと、収納部材13aを移送する移送部材13bとを備えている。
【0036】
収納部材13aは、この実施形態では、
図1に示すように2列になっており、各列は、収納部材13aが略等間隔ごとに配設されて移送部材13bに連結されている。又、この実施形態の収納部材13aは、処理対象物よりも大きいものが入らない大きさに形成されている。
【0037】
移送部材13bは、
図2に示すように、ホイール13cに巻回された無端状のチェーンから構成されている。そして、この移送部材13bが可動することにより、収納部材13aを順次投入口12から搬送路2に移送する。そして、この収納部材13aの移送に際して収納部材13aに収納されたペットボトル100が搬送路2に送り込まれる。
【0038】
対象外容器排除部3は、予め設定された処理対象物以外の処理対象外容器を排除する。この対象外容器排除部3は、
図1に示すように処理対象物であるペットボトル100に該当するか否かを点検する径点検センサー31と、排除部材32とを備えている。
【0039】
径点検センサー31は、この実施形態では、
図3に示すように第1搬送路21上に上下移動可能に配設されており、第1搬送路21に沿って送られてくる被移送物の胴部の径が予め設定された範囲内のものか否かを点検する。
【0040】
排除部材32は、
図1に示すように第1搬送路21の側方側であって、径点検センサー31の下方側に、第1搬送路21の側方側から第1搬送路21を横切るように、第1搬送路21の搬送方向に直交する方向に移動可能に配設されている。
【0041】
そして、排除部材32は、径点検センサー31の高さ位置情報に基づいて、被移送物が予め設定された処理対象物以外の処理対象外容器である場合に、第1搬送路21の側方側から、処理対象外容器を第1搬送路21の外に押し出す。
【0042】
向き調整部4は、第1搬送路21に沿って送られてくるペットボトル100の向き、すなわち、ペットボトル100のキャップ103側が搬送方向の前側になっているか否かを点検してキャップ103側が搬送方向の前側になるようにペットボトル100の向きを調整する。
【0043】
この実施形態の向き調整部4は、
図3に示すように第1搬送路21の搬送方向における対象外容器排除部3の前方側に配設された向き点検センサー41と、搬送方向における向き点検センサー41の前方側に配設された向き調整部材42とを備えている。
【0044】
向き点検センサー41は、この実施形態では、光センサーから構成され、ペットボトル100の口部101bの外周側に光が通過するように配設されている。
【0045】
向き調整部材42は、
図4に示すようにペットボトル100の胴部101aを両側から挟持する互いに対向した一対の板状の保持部材42aを備えている。これらの保持部材42aは、互いに接近及び離れるように、胴部101aの径方向に移動可能とされているとともに、回動自在に配設されている。
【0046】
キャップ外し部5は、ペットボトル100のキャップ103をペットボトル本体101から外すもので、
図1に示すように第2搬送路22の始端側に配設されている。このキャップ外し部5は、
図5に示すようにペットボトル100の胴部101aを両側から掴むチャック部材(固定部材)51と、キャップ103を外し操作するキャップ外し操作部材52とを備えている。
【0047】
チャック部材51は、ペットボトル100の胴部101aの径方向外側位置となる第2搬送路22の左右両側に、互いに対向するように配置された一対の板状体51aを備えている。これらの一対の板状体51aは、互いに接近及び離れる方向に移動可能に配設されており、互いに接近する方向への移動に際してペットボトル100の胴部101aを回転不能に挟み込むようにして掴む。
【0048】
キャップ外し操作部材52は、
図5、
図6に示すように搬送方向におけるチャック部材51の前方側であって第2搬送路22の左右両側に、互いに対向するように配設された同構成を採る2つの操作片52aと、操作片52aを可動操作する第1可動操作部材52c及び第2可動操作部材52dとを備えている。
【0049】
各操作片52aは、四角柱状の長尺棒状体からなり、一面に、キャップ103に当接する当接部52bを備えている。この実施形態の当接部52bは、キャップ103の外周と滑り難いように凹凸状に形成されている。
【0050】
第1可動操作部材52cは、操作片52aを上下方向に可動操作するもので、第1シリンダー本体52eと、第1シリンダー本体52eに移動可能に保持された第1ロッド52fとを有するエアシリンダーから構成されている。
【0051】
そして、各第1可動操作部材52cは、第1ロッド52fが上下方向に移動するように配設されており、その第1ロッド52fの下端に操作片52aの上端が連結され、第1ロッド52fと共に上下方向に移動可能とされている。又、その状態で、当接部52b同士が互いに対向している。
【0052】
又、2つの第1可動操作部材52cは、互いに上下反対方向に移動するようになっている。詳しくは、例えば
図6の左側の第1可動操作部材52cに連結された操作片52aは、右側の第1可動操作部材52cに連結された操作片52aよりも上方位置に配設されており、この状態から、左側の操作片52aは、下方側に移動すると、右側の操作片52aは、反対側の上方側に移動する。
【0053】
第2可動操作部材52dは、操作片52aを互いに接近及び離れる方向となる左右方向に可動操作するもので、第2シリンダー本体52gと、第2シリンダー本体52gに移動可能に保持された第2ロッド52hとを有するエアシリンダーから構成されている。
【0054】
そして、第2可動操作部材52dは、第2ロッド52hが左右方向(キャップ103の径方向)に移動するように配設されており、その第2ロッド52hの先端に第1可動操作部材52cが連結され、第2ロッド52hと共に左右方向に移動可能とされている。
【0055】
又、この実施形態では、2つの操作片52aは、ペットボトル100の胴部101aが当接部52b同士の間を通過できる距離を互いに隔てた位置から、キャップ103の径よりもやや小さい距離となるまで第2可動操作部材52dによって互いに接近する方向に移動するようなっている。
【0056】
次に、ラベル剥がし部6について説明する。ラベル剥がし部6は、ペットボトル100の胴部101aに巻装されたラベル102をペットボトル本体101から外すためのもので、
図1に示すように第2搬送路22におけるキャップ外し部5の前方側に配設されている。
【0057】
このベル剥がし部6は、
図1に示すようにラベル102を切断するラベル切断部材61と、ラベル切断部材61を付勢する付勢部材62と、ラベル切断部材61の前方側に配設された加熱部材63と、加熱部材63の前方側に配設された回転ブラシ部材64とを備えている。
【0058】
ラベル切断部材61は、この実施形態では、
図9に示すように第2搬送路22の左右両側に配設された同構成を採る一対のものから構成されている。各ラベル切断部材61は、一端側に刃部61aを、他端側に付勢部材62と係止した付勢部材係止部61bを、それぞれ備えているとともに、刃部61aと付勢部材係止部61bとの間に、装置本体10に連結された連結部61cを備えている。
【0059】
刃部61aは、第2搬送路22内に入り込んで第2搬送路22に沿って送られてくるペットボトル100の胴部101aに当接し得るように配設されている。
【0060】
そして、ラベル切断部材61は、連結部61cによってラベル切断部材61が第2搬送路22の搬送方向に直交する軸回りに回動可能とされ、刃部61aがペットボトル100の胴部101aに当接する位置から前方向に回動し得るように装置本体10と連結されている。
【0061】
付勢部材62は、この実施形態では、コイルバネから構成されており、付勢部材62の一端がラベル切断部材61の付勢部材係止部61bに係止され、付勢部材62の他端が装置本体10に係止されている。これにより、ラベル切断部材61は、刃部61aがペットボトル100の胴部101aに当接する位置から前方向に回動するに伴いラベル切断部材61を後方側の元の位置に付勢されている。
【0062】
加熱部材63は、切断したラベル102の一部又は全体を加熱してラベル102の一部又は全体を熱変形させるためのものである。この実施形態では、
図10に示すように第2搬送路22の左右両側(胴部101aの径方向外側)に配設された同構成を採る一対のものから構成されている。
【0063】
各加熱部材63は、70°C〜90°C程度の熱風を、ラベル102の切断した部分に吹きつけるように構成されている。なお、加熱部材63は、熱風を吹きつける形態のものに限らず、切断したラベル102に熱変形し得るように熱を加えるものであればよく、適宜変更できる。
【0064】
回転ブラシ部材は、
図12に示すように第2搬送路22に沿って送られてくるペットボトル100の左上側に配設された第1回転ブラシ部材64aと、右上側に配設された第2回転ブラシ部材64bと、右下側に配設された第3回転ブラシ部材64cと、左下側に配設された第4回転ブラシ部材64dとの同構成を採る4個から構成されている。
【0065】
各回転ブラシ部材64a〜64dは、
図13(a)に示すように軸部64eと、軸部64eの外周に配設されたナイロン等の合成樹脂製のブラシ毛64fとを備えている。軸部64eは、第2搬送路22の搬送方向、すなわち、第2搬送路22に沿って送られてくるペットボトル100の軸方向に沿って延ばされ、その軸回りに回転可能に配設されている。
【0066】
又、この実施形態では、第1回転ブラシ部材64a、第2回転ブラシ部材64b及び第3回転ブラシ部材64cは、
図12の時計方向に回転し、第4回転ブラシ部材64dは、
図12の反時計方向に回転するようになっている。
なお、当例では、第1〜第3回転ブラシ部材64a〜64dが本発明の「正回転ブラシ部材」に相当し、第4回転ブラシ部材64dが本発明の「逆回転ブラシ部材」に相当する。
【0067】
なお、ブラシ毛64fは、軸部64eの外周の全体に配設されたものでもよいが、例えば
図13(b)に示すように、回転ブラシ部材164a〜164dの内の1又は2以上のものにおけるブラシ毛163fは、軸部163eの外周に、軸部163eの軸方向に沿って螺旋状に配設されてもよい。
【0068】
又、この実施形態では、
図12に示すように第1回転ブラシ部材64aと第4回転ブラシ部材64dとの間に第1ボトル案内部材65aが、第2回転ブラシ部材64bと第3回転ブラシ部材64cとの間に第2ボトル案内部材65bが、それぞれ、設けられている。
【0069】
これらの第1ボトル案内部材65aと第2ボトル案内部材65bとは、それぞれ、丸棒状のものから構成され、回転ブラシ部材64a〜53dの軸部64eと略平行に配設され、回転ブラシ部材64a〜53dの回転に際してペットボトル100を第2搬送路22に沿って案内しペットボトル100が第2搬送路22から逸脱しないようにしている。
【0070】
又、この実施形態では、第1ボトル案内部材65aは第1回転ブラシ部材64aと同方向に回転し、その回転に伴いペットボトル100を反対方向に回転させるようになっている。
【0071】
次に、分断部7について説明する。分断部7は、ペットボトル本体101を挟持する
図15、
図16に示す分断挟持部71と、ペットボトル本体101を軸方向に沿って2つに分断する
図17、
図18に示す分断歯72とを備えている。
【0072】
分断挟持部71は、
図15、
図16に示すように、第2搬送路22の左右両側に配設された同一構成と採る一対のものから構成されている。各分断挟持部71は、この実施形態では、ペットボトル本体101を挟持する挟持片71aと、挟持片71aを移動操作する第1移動操作部材73及び第2移動操作部材74とを備えている。
【0073】
挟持片71aは、キャップ残存リング103aの外周に沿う円弧形状に形成され、ペットボトル本体101におけるキャップ残存リング103aを含む口部101bを挟持する。
【0074】
第1移動操作部材73は、挟持片71aを第2搬送路22の搬送方向と直交する左右方向(口部101bの径方向)に移動操作するもので、この実施形態では、第1移動操作部材本体73aと、第1移動操作部材本体73aに移動可能に配設された第1移動操作部材用ロッド73bとを有するエアシリンダーから構成されている。
【0075】
第1移動操作部材本体73aは、搬送方向に沿って移動可能に装置本体10に設けられた設置台70に取り付けられている。又、第1移動操作部材用ロッド73bの先端は、挟持片71aに連結されている。そして、第1移動操作部材本体73aは、第1移動操作部材用ロッド73bの可能に伴い挟持片71aを第2搬送路22の搬送方向と直交する左右方向に移動操作する。
【0076】
第2移動操作部材74は、挟持片71aを第2搬送路22の搬送方向に沿って移動操作するもので、この実施形態では、第2移動操作部材本体74aと、第2移動操作部材本体74aに移動可能に配設された第2移動操作部材用ロッド74bとを有するエアシリンダーから構成されている。
【0077】
第2移動操作部材本体74aは、装置本体10に取り付けられている。又、第2移動操作部材用ロッド74bの先端は、設置台70に連結されている。そして、第2移動操作部材74は、第2移動操作部材用ロッド74bの可能に伴い設置台70を第2搬送路22の搬送方向に沿って移動操作することにより、設置台70を介して挟持片71aを第2搬送路22の搬送方向に沿って移動操作する。
【0078】
分断歯72は、この実施形態では、
図17、
図18に示すように、丸のこ歯から構成されており、図示しないモータの駆動に伴って回転し、その回転に際してペットボトル本体101を軸方向に沿って分断する。
【0079】
次に、細断部8について説明する。細断部8は、第2搬送路22における分断部7の後方側であって第2搬送路22の終端に配設され、2つに分断されたペットボトル本体101を細かく細断する。
【0080】
この細断部8は、ケーシング81と、ケーシング81の内部に回転可能に配設された回転歯82とを備えている。ケーシング81は、内周壁に、固定歯81aを備え、この固定歯81aと回転歯82とで分断されたペットボトル本体101を細断する。
【0081】
又、ケーシング81は、回転歯82の下方側に、網状の篩い部81bを備え、この篩い部81bの孔から所定の大きさに細断されたチップ片を通して集めるようになっている。
【0082】
この実施形態では、篩い部81bの孔は、一辺が10mm程度の矩形状に形成され、10mm以下に細断されたチップ片が通過できるようになっている。
【0083】
次に、このペットボトル処理装置1の動作について説明する。ペットボトル100が投入口12に投入されると、投入されたペットボトル100は、何れか1つの収納部材13aに入り込んで収納される。
【0084】
又、処理対象物よりも大きいペットボトルは、収納部材13aに入らずに、第1搬送路21まで搬送されない。より具体的には、この実施形態では、処理対象物として500mL容器のペットボトル100が設定されており、500mL容器のペットボトル100は収納部材13aに入るが、例えば1000mL容器や2000mL容器のペットボトルは、収納部材13aに入らずに第1搬送路21まで搬送されることがないようになっている。
【0085】
そして、収納部材13aに入り込んだペットボトル100は、移送部材13bによって第1搬送路21の上方側まで移送されて第1搬送路21に落とされるようにして投入される。
【0086】
第1搬送路21に投入されたペットボトル100は、第1搬送部材20の上に載せられた状態になり、第1搬送部材20の可動に伴い第1搬送部材20と共に第1搬送路21に沿って前方側に間欠的に搬送される。
【0087】
そして、ペットボトル100が対象外容器排除部3の位置にくると、
図3に示すように径点検センサー31が下降し、ペットボトル100の胴部101aに当接する。そして、対象外容器排除部3は、その当接した径点検センサー31の高さ位置情報に基づいて、処理対象のペットボトル100であるか否かを判定する。
【0088】
対象外容器排除部3は、処理対象のペットボトル100であると判定した場合は、そのまま、ペットボトル100を流す。
【0089】
一方、対象外容器排除部3は、処理対象のペットボトル100でないと判定した場合は、排除部材32(
図1に図示)を作動させて、第1搬送路21の側方側から処理対象外容器を第1搬送路21の外に押し出させる。
【0090】
この実施形態では、上述のように処理対象物として500mL容器のペットボトル100が設定されており、被移送物が、例えば250mLのコーヒー缶容器である場合は、そのコーヒー缶容器に当接するまで下降した径点検センサー31の高さ位置情報に基づいて、排除部材32がコーヒー缶容器を第1搬送路21の側方側から第1搬送路21の外に押し出して排除する。
【0091】
ペットボトル100が向き調整部4まで送られてくると、向き点検センサー41の点検情報に基づいて、向き調整部4は、ペットボトル100の口部101b(キャップ103)が前側に位置しているか否かを判定する。
【0092】
又、ペットボトル100は、保持部材42aに挟持されるようにして保持される。そして、向き調整部4は、ペットボトル100の口部101b(キャップ103)が前側に位置していると判定した場合は、
図4に示すように保持部材42aを反時計方向(図のW方向)に90°回動させて、ペットボトル100の口部101b(キャップ103)が第2搬送路22の前側になるように向き調整する。
【0093】
一方、ペットボトル100の口部101b(キャップ103)が前側に位置していないと判定した場合は、保持部材42aを時計方向(図のZ方向)に90°回動させて、ペットボトル100の口部101b(キャップ103)が第2搬送路22の前側になるように向き調整する。
【0094】
向き調整されたペットボトル100は、第2搬送部材23によって、第2搬送路22の始端側のキャップ外し部5まで搬送され、キャップ103が外し操作部材52の2つの操作片52aの間に配置される。尚、第2搬送部材23は、ペットボトル100をキャップ外し部5まで搬送後、元の位置まで戻り、次のペットボトル100をキャップ外し部5まで搬送する。
【0095】
そして、キャップ外し部5まで搬送されたペットボトル100は、胴部101aが左右両側からチャック部材51に掴まれるとともに、第2可動操作部材52hが作動し、外し操作部材52の2つの操作片52aが互いに接近するように胴部101aの径方向内側に移動する。これにより、一方側(
図6の左側のもの)の操作片52aの当接部52bの下端部と、他方側(
図6の右側のもの)の操作片52aの当接部52bの上端部とがそれぞれキャップ103に当接する。
【0096】
この状態から、各第1可動操作部材52cが作動し、
図7に示すように一方側(
図7の左側のもの)の操作片52aが下方に移動し、他方側(
図7の右側のもの)の操作片52aが上方に移動する。
【0097】
それらの操作片52aの移動に際して、キャップ103が
図7の反時計方向にペットボトル本体101に対して回動し、又、その際、操作片52aの当接部52bが凹凸状に形成されているため、キャップ103と当接部52bとが滑り難く、効率よく、確実にキャップ103がペットボトル本体101に対して回動し、キャップ103がペットボトル本体101から外れる。
【0098】
尚、キャップ103がペットボトル本体101から外れた後は、チャック部材51及び外し操作部材52が元の位置まで戻る。又、外れたキャップ103は、装置本体10におけるキャップ外し部5の下方に設けられたキャップ収納部(図示せず)に収納されて集められる。
【0099】
キャップ103が外されたペットボトル100は、第3搬送部材24によって、ラベル剥がし部5を通過する。その通過に際してラベル剥がし部5は、ペットボトル100に対して以下のように動作する。
【0100】
まず、ペットボトル100がラベル切断部材61の位置まで搬送されると、
図9に示すようにラベル切断部材61の刃部61aがペットボトル100の胴部101aに当接して前方側に押圧される。そして、その押圧に伴い、ラベル切断部材61が付勢部材62の付勢力に抗して連結部61cを回動軸に刃部61aが前方側に回動する(
図9中の2点鎖線で示す状態)。
【0101】
そして、ラベル切断部材61の刃部61aが胴部101aに当接した状態で、ペットボトル100は、第3搬送部材24(
図8参照)によって、刃部61aを通過する。その際、刃部61aは付勢部材62の付勢力によって後方側に付勢された状態になり、刃部61aがペットボトル100の胴部101aに押し付けられた状態になる。
【0102】
従って、ペットボトル100が刃部61aを通過する際に、ペットボトル100のラベル102が刃部61aに切断される。尚、切断されたラベル102は、静電気等によってペットボトル本体101の胴部101aに張り付いている場合が多い。
【0103】
このようにして切断することにより、刃部61aは、ペットボトル本体101の胴部101aを切断することなくラベル102だけを切断し、刃部61aに大きな力がかかることのないものにできる。
【0104】
その後、ペットボトル100が加熱部材63を通過する。そして、その加熱部材63を通過する際に、切断したラベル102の切断部が加熱部材63によって熱風を吹き付けられる。これにより、例えば
図11に示すように、ラベル102の切断部が熱収縮等して波形状になってペットボトル本体101の胴部101aから浮き上がる。
【0105】
又、加熱部材63を通過した後、ペットボトル100は、回転ブラシ部材64a〜64dを通過する。そして、その通過に際して、ブラシ毛64fによってラベル102がペットボトル本体101から掻きとられるように剥がされる。
【0106】
その際、ラベル102の切断部が波形状になってペットボトル本体101の胴部101aから浮き上がっているため、ブラシ毛64fがラベル102に掛かり易く、容易にしかも確実に掻きとる。又、しかも、ブラシ毛64fがナイロン等の合成樹脂製であるため、ブラシ毛64fがラベル102に、より掛かり易く、より一層、容易に確実に掻きとる。
【0107】
更には、ペットボトル100が回転ブラシ部材64a〜64dを通過する際に、第1ボトル案内部材65aによって回転させられながら通過するため、ブラシ毛64fによってラベル102が掻きとられる。これにより、ラベル102は、ラベル剥がし部5を通過する際にペットボトル本体101から剥がされる。
【0108】
ラベル102が剥がされたペットボトル本体101は、第4搬送部材25によって、ラベル剥がし部5から分断部7を通過するまで搬送される。
【0109】
そして、ペットボトル本体101は、分断部7を通過する際に、分断歯72によって軸方向に2つに分断される。
【0110】
詳しくは、ペットボトル本体101が分断部7まで送られてくると、第1移動操作部材73が作動し、挟持片71aでペットボトル本体101のキャップ残存リング103aを含む口部101bを挟持する。
【0111】
その後、第2移動操作部材74が作動し、ペットボトル本体101の第4搬送部材25による搬送に伴い挟持片71aを第2搬送路22の搬送方向に沿って移動操作する。
【0112】
そして、ペットボトル本体101が分断歯72を通過する際に、軸方向に2つに分断される。その際、キャップ残存リング103aが挟持片71aで挟持されているため、キャップ残存リング103aが略2等分に切断され、キャップ残存リング103aがペットボトル本体101から外れる。
【0113】
キャップ残存リング103aが外されるとともに、2つに分断されたペットボトル本体101は、第5搬送部材26の無端ベルトコンベア26aに載せられて細断部8に搬送される。
【0114】
細断部8に搬送されたペットボトル本体101は、回転歯82と固定歯81aとで10mm以下に細断される。
【0115】
以上のように構成されたペットボトル処理装置1は、この実施形態では、
図20に示すようにペットボトル処理装置搭載車両200の車両本体201に搭載されて使用される。
【0116】
詳しくは、ペットボトル処理装置搭載車両200は、車両本体201と、ペットボトル処理装置1とを備えている。車両本体201は、例えば最大積載量が2トンのトラックから構成されている。そして、ペットボトル処理装置1は、その車両本体201の荷台に搭載されている。
【0117】
尚、上記実施形態では、ペットボトル処理装置1は、車両本体201に搭載されて移動可能に形成されたが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば地面に移動不能に設置されて使用される形態のものでもよい。