(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第3の独立した流体チャネルと、それと流体連通している第2の流体貯留部と、第3のポンプであって、該第3の流体チャネルに流体的に連結され、かつそれを通して該第2の流体貯留部から流体を送り込むために該第3の流体チャネルに陽圧を印加するように構成される、第3のポンプとをさらに備える、請求項1に記載の道具。
第1および第2の弁をさらに備え、該第1および第2の弁は、前記管理回路に応答し、それぞれ、前記第1および第2の流体チャネルを通る流体流量を制御する、請求項3に記載の道具。
前記係合手段は、前記第1および第2の流体チャネルと流体連通している管腔を有する針を備え、該針は、前記充填ポートの中に挿入するように構成される、請求項1に記載の道具。
【発明を実施するための形態】
【0023】
概して、本発明の実施形態は、例えば患者の眼または脳の中等の、患者の体内に埋込型薬物送達ポンプ、およびそれらのポンプに補充するための装置および方法に関する。ある実施形態では、埋込型薬物送達ポンプは、小型で補充可能な薬物貯留部を組み合わせている。小型であるため、薬物送達ポンプからの患者に対する不快感が最小化され、一方で、補充可能な貯留部は、ポンプが交換されるのではなく、原位置で補充されることを可能にする。このように、薬物の溶液等の流体を、長時間にわたって患者に供給することができる。
【0024】
本発明の実施形態は、様々なタイプの埋込型薬物送達ポンプとともに採用され得る。
図1Aおよび1Bは、患者の眼104の中に植設される、そのような埋込型薬物送達ポンプ100(すなわち、例示的な電解ポンプ100)の2つの変形例を概略的に示す。しかしながら、ポンプ100は、代わりに患者の体の他の部分に植設され得る。例えば、脳に対して化学療法を提供するために、または(例えば、脳の実質組織に直接的に投薬することによる)別のタイプの治療を提供するために、脳のくも膜下腔の中に、患者の体のいずれかの部位の腫瘍の近くに、インスリンの放出をトリガする薬剤(例えば、タンパク質、ウイルスベクター等)の薬剤を提供するためにグルコースに良好に応答しない膵臓の中に、骨関節炎または他の軟骨疾病を治療する薬物を提供するために膝の中に、または、鎮痛剤もしくは抗炎症剤を提供するために脊椎の近くに、あるいは他の場所に植設され得る。
図1Aおよび1Bに示されるように、ポンプ100の実施形態は、壁115によって少なくとも部分的に囲まれる一対のチャンバ108、112と、カニューレ120といった、2つの主要な構成要素を含み得る。
図1Aに示されるように、チャンバ108、112を包囲する壁115は、単体のパリレン膜116と、その上の、比較的硬い生体適合性材料(例えば、医療グレードのポリプロピレン)からできている保護シェル128とを含む、またはこれらから成り得る。代替として、
図1Bに示されるように、壁115は、保護シェル128のみに対応し得、パリレンで被覆され得る。頂部チャンバ108は、患者を治療するために使用される時に、液体状態で投与される薬物を含有し得る、薬物貯留部を画定する。その部分のために、底部チャンバ112は、電気分解を受けたときにガス状生成物が発生する、液体を含有し得る。例えば、その液体は水であり得、印加電圧によって水素ガスおよび酸素ガスに電解で分離され得る。代替的に、他の実施例として、電解質液は、食塩水(すなわち、NaClおよびH
2O)、もしくは硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムを含有する溶液であり得る。一実施形態では、2つのチャンバ108、112は、波状のダイアフラム124で分離される。換言すれば、ダイアフラム124は、2つのチャンバ108と112との間に、流体障壁を提供する。単体の膜116と同様に、ダイアフラム124は、例えばパリレンから構築され得る。
【0025】
図1Aに示されるように、単体の膜116は、薬物貯留部108のための外側障壁としての役割を果たし得、保護シェル128は、膜116が圧力を及ぼす硬表面を有し得る。そのような場合、シェル128は、眼液、脳液、または他の体液が移動できるように、有孔であってもよい。代替として、
図1Bに示されるように、保護シェル128は、それ自体が、薬物貯留部108のための外側障壁としての役割を果たし、無孔であってもよい。
図1Aおよび1Bに示される両方の実施形態において、保護シェル128は、薬物貯留部108に外圧が及ぼされることを防止し得る。
図1Aに示されるように、保護シェル128の底部分126(すなわち、床126)は、縫合糸孔130を含み得る。同様に、
図1A、
図1Bのどちらにも示されていないが、カニューレ120は、その側部に沿って縫合糸孔も含み得る。縫合糸孔130は、患者の体の適所にポンプ100を縫合(すなわち、固定)する際に採用され得る。
【0026】
また、
図1Aに示されるように、ポンプ100に電力を提供し、かつそれとともにデータの伝送を可能にするために、バッテリおよび制御回路132が、チャンバ108、112の下(すなわち、薬物貯留部108の単体のパリレン膜116の底部分と保護シェル128の床126との間に)に埋め込まれ得(例えば、気密封止され得)、誘導コイル136が、(例えば、射出成形によって)保護シェル128の中に一体化され得る。
図1Bは、簡潔にするために、バッテリを収容するための気密ケース135と、従来の制御回路132とをより明確に示しているが、その中に収容されている構成要素は示していない。気密ケース135は、生体適合性金属(例えば、チタニウム)または金属合金から作製され得る。気密ケース135の底部は平坦であってもよく、または、埋込型ポンプ100を患者の眼104に嵌合させることに役立つように凹状であってもよい。
【0027】
一実施形態では、誘導コイル136は、外部デバイス(例えば、ハンドセット)との無線(例えば、無線周波数)通信を可能にする。ハンドセットは、ポンプ100をプログラム、再プログラム、操作、較正、あるいは構成するために、無線信号を制御回路132に送信するために使用され得る。一実施形態では、制御回路132は、電解液貯留部112の底部分を跨ぐ金属相互接続部(ビア)138によって、電解液チャンバ112の中の電解電極134と電気的に通信する。電解電極134は、例えば、白金、金、および/または他の金属から作製され得る。以下にさらに説明するように、制御回路132は、ポンプ100の送出作用を制御し、以下に説明される閉ループ制御プロセスを含む。
【0028】
一実施形態では、
図1Aに示されるように、カニューレ120は、投与の部位に挿入された逆止弁140に薬物チャンバ108を接続する。代替として、または加えて、
図1Bに示されるように、逆止弁140は、カニューレ120と一体化され、その近位端(すなわち薬物貯留部108に最も近い端部)に位置し得る。カニューレ120を通る薬物の流量を監視する、−それによって、薬物容量の測定を可能にする−1つ以上の流量センサ144は、カニューレ120の近位、中間、または遠位部分のうちの1つ以上と関連付けられ得る。任意選択的に、
図1Aに示されるように、圧力センサ148はまた、投与の部位(例えば、硝子体内チャンバ、肩カプセル、膝カプセル、脳室、脊髄管等)における圧力を測定するために、カニューレ120の遠位端(すなわち、薬剤貯留部108から最も遠く)において一体化され得る。一実施形態では、圧力センサ148は、閉ループ制御プロセスによって薬物の流量を計量できるように、制御回路132にフィードバックを提供する。例えば、薬物標的領域内の圧力の上昇は、ポンプ100からの薬物の流量を減少させ得る。
【0029】
図1Aに示されるように、カニューレ120は、単体のパリレン膜116の延長部であり得る。代替として、
図1Bに示されるように、カニューレ120は、保護シェル128に連結される別個の構成要素であり得る。例えば、カニューレ120の近位端は、保護シェル128に形成された流体接続ポートを通して挿入されて、例えば生体適合性エポキシ糊150によってそこに接合される。シリコーンシース154は、カニューレ120の一部分の周囲に位置し得る(
図1Bを参照されたい)が、これは任意選択である(
図1Aを参照されたい)。
【0030】
一実施形態では、
図1Aに示されるように、充填ポート152は、薬物貯留部108とともに組み立てられて、封止剤(例えば生体適合性エポキシ)156によって単体の膜116および保護シェル128に対して封止される。さらに別の実施形態では、
図1Bに示されるように、保護シェル128およびその中に特徴付けられる充填ポート152を通して、孔が形成され得る。さらに別の実施形態では、充填ポート152は、ポンプ100上の他の場所に形成されて、管系を介して薬物貯留部108に接続され得る。例えば、充填ポート152は、生体適合性材料から成形され、気密ケース135上の整合ノッチに連結されて、管系を介して薬物貯留部108に接続され得る。一実施形態では、管系は、薬物貯留部108を包囲する壁の中に形成される流体接続ポートを通して挿入されて、生体適合性エポキシ糊によってそれに接合される。いずれの場合も、下記に詳しく説明するように、充填ポート152は、薬物貯留部108と流体連通し、ポンプ100の操作者(例えば、医師)が、原位置で(例えば、ポンプ100が患者の眼104内に植設されている間に)薬物貯留部108を補充できるようにする。一般に、薬物貯留部108は、補充針を充填ポート152の中に挿入してそこを通すことによって補充することができる。
【0031】
種々の実施形態では、ポンプ100の主要部分(すなわち、一対のチャンバ108、112およびカニューレ120)は、複数のパリレン層プロセスを使用したモノリシックなマイクロ加工および一体化に適する。充填ポート152、保護シェル128、および他の構成要素は、マイクロ加工ステップの後に、ポンプ100とともに組み立てられ得る。
【0032】
動作に際し、電流が電解電極134に供給されると、電解液がガスを放出して、波状のダイアフラム124を拡張させ(すなわち、
図1Aおよび1Bで、ダイアフラムを上方へ移動させ)、そして、液体(例えば、薬物)が、薬物貯留部108から、カニューレ120を通って、その遠位端を出て、投与の標的部位に導かれるようにする。拡張可能なダイアフラム124の波形または他の折り目は、ダイアフラム124が弛緩させられた時の薬物貯留部108内の容量を犠牲にすることなく、大きい程度の拡張を可能にする。電流が停止されると、電解液ガスはその液体状態に凝縮され、ダイアフラム124は、その空間効率の良い波形を復元する。
【0033】
いくつかの実施形態では、
図2を参照すると、埋込型ポンプ100は、複数の充填ポート152を含む。例えば、ポンプ100は、薬物貯留部108への外部アクセスを提供する、第1の単一の充填ポート152Aと、電解液チャンバ112への外部アクセスを提供する、第2の単一の充填ポート152Bとを含み得る。このように、チャンバ108、112のいずれかが使い切られた時に(例えば、制御回路132によって感知された時に)補充され得る。代替として、ポンプ100は、(i)薬物貯留部108への外部アクセスを提供する、2つ以上の充填ポート152Aと、電解液チャンバ112への外部アクセスを提供する、ゼロまたは単一の充填ポート152Bとを含み得るか、(ii)電解液チャンバ112への外部アクセスを提供する、2つ以上の充填ポート152Bと、薬物貯留部108への外部アクセスを提供する、単一の充填ポート152A(または充填ポート無し)とを含み得るか、または(iii)薬物貯留部108へのアクセスを提供する、2つ以上の充填ポート152Aと、電解液チャンバ112への外部アクセスを提供する、2つ以上の充填ポート152Bとを含み得る。一実施形態では、単一のチャンバ108、112のための複数の充填ポート152は、既存の流体が別の充填ポートを出る時に、1つの充填ポートが新しい流体を受け取ることで、(例えば、閉じ込められた空気を抽出する等のために)充填ポート108、112を空にする、すすぐ、および/または充填することを容易にする。複数の充填ポート152A、152Bは、上記に説明されるように、ポンプ100と一体化され得る(例えば、保護シェル128を通して形成され、別の場所でポンプ100に連結され、そして、場合によっては管系を通して、薬物貯留部108または電解液チャンバ112に接続される)。
【0034】
図3Aは、補充針200によって貫通された時の、本発明の一実施形態による、充填ポート152の内部構造を概略的に示す。
図3Aでは、充填ポート152は、薬物貯留部108と流体連通しているように示されている。しかしながら、上記に説明されるように、充填ポート152は、代わりに、電解液チャンバ112と流体連通してもよい。さらに、充填ポート152は、薬物貯留部108または電解液チャンバ112と直接接触するのではなく、代わりに、
図3Bに示されるように、中間管系202を通してそれに接続されてもよい。したがって、当業者は、以下の、充填ポート152の種々の実施形態の説明、および充填ポート152を使用して薬物貯留部108を補充する種々の実施形態の説明は、(直接的に、または中間管系202の使用を介して)電解液チャンバ112と流体連通している充填ポート152、および充填ポート152を使用して電解液チャンバ112を補充する方法にも適用されることを理解されるであろう。
【0035】
図3Aおよび3Bに示されるように、充填ポート152の一実施形態は、充填ポート152の壁224によって画定される中空構造208の内側に成形される、弾性栓204を含む。管系202の使用を伴わずに、充填ポート152が薬物貯留部108と流体連通している場合(
図3A)、中空構造208は、実際には、保護シェル128および/または単体の膜116の厚さに架かる開口であってもよい。
図3Aおよび3Bに示されるように、弾性栓204は、少なくとも部分的に開口208を通って延在し得る。一実施形態では、弾性栓204の直径および厚さは、概して3mm未満である。
【0036】
弾性栓204は、例えば、(
図3Aおよび3Bに示すように)シリコーン栓204であってもよい。しかしながら、より一般的には、栓204は、針200で穿刺することができ、かつ針200を除去した際にそれ自体が再封止できる、あらゆる材料(例えば、軟性プラスチック)から作製されてもよい。さらに、栓204の自己封止材料は、針200による複数回の穿刺に耐えることが可能であり、また、生体適合性であってもよい。シリコーンに加えて、栓204が製造され得る材料には、ポリジメチルシロキサン(「PDMS」)、パリレンC、パリレンHT、ポリカーボネート類、ポリオレフィン類、ポリウレタン類、アクリロニトリルのコポリマー類、ポリ塩化ビニルのコポリマー類、ポリアミド類、ポリスルホン類、ポリスチレン類、ポリフッ化ビニル類、ポリビニルアルコール類、ポリビニルエステル類、ポリビニルブチレート、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニリデン類、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド類、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリエーテル類、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロエーテル類、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ナイロン類、セルロース、ゼラチン、および多孔性ゴム類が挙げられるが、これに限定されない。
【0037】
一実施形態では、シリコーン栓204を形成するために、未硬化シリコンゴムを中空構造208の内側に直接的に注入して、適所で硬化させる。シリコンゴムの自己封止特性は、針200が、いかなる永続的な漏れも引き起こさずに、充填ポート152に挿入し、そしてそこから引き抜くことができるようにする。
【0038】
図3Aおよび3Bに示される充填ポート152は、滑腔開口208を含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、充填ポート152はさらに、開口208内での栓204の保持を強化するための手段を含む。例えば、
図4Aに示される充填ポート152に示されるように、機械的噛み合いを容易にするネジ山、溝、または他の特徴212が、栓204を適所に固定するために、開口208を画定する壁224の中に機械加工または成形されてもよい。これらの特徴212は、封止表面積を増加させ、また、栓204を機械的に適所に固定する。
【0039】
加えて、栓204が、それと接触する薬物を浸出させるか、または吸収することができるポリマー(例えば、シリコーン)でできている場合、充填ポート152は、ポリマーに露出される薬物がより少なくなるように、生体適合性ポリマー(例えば、パリレン)で被覆されてもよい。被覆216はまた、栓と支持体との界面における漏れの可能性を最小化することにも役立つ。パリレン被覆216が、それぞれ開口208の内側、全体、または内側および全体の両方に適用されるように、パリレン被覆216は、栓204の成形前、後、または前および後の両方に適用されてもよい。例えば、
図4Bに示される充填ポート152は、開口208の内側に単一のパリレン被覆216を有する、滑腔開口208の内側に成形されるシリコーン栓204を特徴とし、
図4Cに示される充填ポート152は、開口208の全体(および内側の一部分だけ)に単一のパリレン被覆216を有する、滑腔開口208の内側に成形されるシリコーン栓204を特徴とし、また、
図4Dに示される充填ポート152は、二重のパリレン被覆216(開口208の内側および全体の両方)を有する滑腔開口208の内側に成形されるシリコーン栓204を特徴とする。
【0040】
さらに別の実施形態では、パリレン被覆216は、開口208の内側、およびその底部分全体に適用され得るが、開口208の頂部分全体には適用され得ない。充填ポート152のためのそのような構造を
図5Eに示すが、
図5A〜5Dは、
図5Eに示される構造を製造するための例示的なプロセスにおけるステップを概略的に示す。より詳細には、最初に
図5Aを参照すると、最初にパリレン被覆216が充填ポート152の開口208に適用され、その後、その中に栓204が形成される。次いで、
図5Bに示されるように、充填ポート152の頂面が、シリコーンのさらなるセグメント226をそれに適用することによって、マスキングされる。続いて、第2のパリレン被覆216が適用され得(
図5C)、そして、シリコーンのさらなるセグメント226が充填ポート152から剥離され(
図5D)、
図5Eに示される構造が残る。有利なことに、シリコーンセグメント226の使用は、第2のパリレン被覆216が開口208の頂面を覆ってしまうことを防止する。このような構造が望ましい1つの理由は、針200の挿入中に、第2のパリレン被覆216が栓204の中に引きずり込まれることを防止することである。パリレン被覆216を栓204の中に引きずり込むことで、例えば、充填ポート152に損傷を与えて、そこからの流体の漏出をもたらし得る。
【0041】
以下、
図6A〜6Dを参照すると、場合によっては、充填ポート152内に配置される針ストッパ220を有することが望ましい。図に示されるように、ストッパ220は、少なくとも部分的に開口208の中に延在し得る。ストッパ220は、充填ポート152の壁224と一体的に形成され得、または例えば、エポキシまたは他の好適な接着剤でストッパ220を壁224に接着することによって壁224に固定される、別個に製造される部品であってもよい。このように、針200の先端部がストッパ220と接触した時に、補充針200の充填ポート152の中への進行は停止される。これは、針200が、ポンプ100の中にさらに深く挿入されて、それに損傷を与え得ることを防止する。
【0042】
ストッパ220は、(例えば、
図6Aおよび6Dに示される)機械的なプレート、(例えば、
図6Cに示される)フィルタ、(例えば、
図6Bに示される)曲がり、またはその形状が、本明細書で説明されるストッパ220の機能を実行するのに好適である、任意の数の他の構造といった形態を取り得る。さらに、
図6Aおよび6Dに示されるように、ストッパ220の頂面は、平坦であってもよい。代替として、ストッパ152の頂面は、茶碗形または凹状であってもよい。このように、ストッパ220は、補充針200が、開口208を画定する側壁224のうちの1つと接触して、場合によってはこれを貫通することを防止することにも役立ち得る。
【0043】
充填ポート152およびその針ストッパ220は、薬物貯留部108にアクセスするためにはある種の針200だけしか使用できないように設計することもできる。換言すれば、充填ポート152は、相補的幾何学形状を有する針200とだけ適合する幾何学形状を有するように設計され得る。例えば、
図6Dに示されるように、針200の出口孔は、針200が針ストッパ220に完全に挿入された時に、アクセスチャネル228とだけ合致する。そして、
図6A〜6Cに示されるように、針200の出口孔は、針200が針ストッパ220に完全に挿入された時に、栓204によって塞がれていない開口208の領域とだけ合致する。
【0044】
一般に、充填ポート152のストッパ220は、本明細書で説明されるストッパ220の機能を行うための必要な機械的強度を有する、比較的硬く機械的に頑健なあらゆる材料、または材料の組み合わせで構築され得る。例えば、ストッパ220は、金属、硬質(例えば、完全に架橋された、または強化された)プラスチック、複合材料、またはそれらの組み合わせで構築され得る。ストッパ220のための材料のより具体的な例には、PDMS、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリアリールエーテルエーテルケトン(「PEEK」)、ポリカーボネート、アセチル膜(例えば、アセチルコポリマー)、ポリオキシメチレンプラスチック(例えば、DELRIN)、金、ステンレス鋼、ニッケル、および/またはクロムの厚層が挙げられる。ストッパ220は、(必ずしもそうである必要はないが)生体適合性であってもよい。
【0045】
充填ポート152は、比較的小型のものであってもよいので、いくつかの実施形態では、充填ポート152は、針200が実質的に真っ直ぐに充填ポート152の中に挿入されるように、針ガイドも含むことが望ましい場合がある。誤りの余地はいくらかあるが、入射角が大きすぎると、針200が、充填ポート152のための支持構造体(すなわち、壁224)に突き刺さり、弾性栓204を貫通し損なわせ得る。
図7に示されるように、針ガイド232は、円錐形状または別の形状を有してもよい。加えて、針ガイド232は、充填ポート152と一体的に形成されてもよく、または取り外し可能で、充填ポート152の頂部に設置されて、補充手順の直前に、それに機械的または磁気的に係止されてもよい。
【0046】
別の実施形態では、埋込型薬物送達ポンプ100はまた、充填ポート152を通した貯留部108からの逆流を防止するために、例えば薬物貯留部108内または中間管系202内で、開口208上に閉鎖可能である逆止弁を含む。逆止弁はまた、針200から薬物貯留部108の中への薬物の流量を調整して、漏出の可能性を低減し得る。一実施形態では、液体が薬物貯留部108の中に押し込まれた時に弁が開き、その後に閉じる。
【0047】
2つの例示的な逆止弁の設計を
図8および9に示す。図示される逆止弁300は、1つ(
図9)または、2つ(
図8)の、パリレン等の生体適合性ポリマーの、フラップ304A、304Bを含む。フラップ304A、304Bは、例えば、接着剤、熱接合、超音波接合、レーザー溶接等を使用して、充填ポートの壁224の底面に接合され得る。
図8に示されるように、フラップ304A、304Bは、補充針200から薬物チャンバ108の中に液体が注入される時に、強制的に離される(または、
図9に示されるように、単一のフラップ304が開口208から変位させられる)。針200を引き抜いた後には、注入された液体によってフラップ304A、304Bに及ぼされた圧力が、逆止弁300を、開口208上で閉じたままにさせ、したがって、充填ポート152を通したいかなる液体の逆流も防止する。
図8および9では、充填ポート152が、被覆していない滑腔開口208の設計を有するように示されているが、当業者は、充填ポート152が、実際には、上記に説明される構成のうちのいずれか(例えば、ネジ山付きまたは溝付きの側壁有する、パリレン被覆される等)を有し得ることを理解されるであろう。
【0048】
本発明の実施形態はまた、上記に説明される埋込型薬物送達デバイス100の薬物貯留部108の充填または補充を容易にする。ポンプ100の充填ポート152を通して、あらゆる残りの液体が除去され、薬物貯留部108が洗浄され、そして新しい薬物が注入され得る。したがって、本発明の実施形態は、薬物貯留部108の自動化された補充を容易にするために、埋込型薬物送達ポンプ100と結合する外部の道具を特徴とし得る。薬物貯留部108の充填または補充は、ポンプ100が患者の体内(例えば、患者の眼104の中)に植設されている間に生じ得、また、薬物チャンバ108を空にする、洗浄する、および充填または補充するための手順が関与し得る。以下に説明するように、これらのプロセスは、単一管腔か二重管腔の針を特徴とする道具を使用して行われ得る。
【0049】
本明細書で説明されるように、薬物貯留部108に結合させて補充するための道具は、2つ、3つ、またはそれ以上の独立した流体チャネルを有し得る。例えば、
図10に示される道具400は、3つの独立した流体チャネル404、408、412を含む。第1のチャネル404は、薬物420を扱う第1のポンプ416と流体連通している。第2のチャネル408は、すすぎ液428を扱う第2のポンプ424と流体連通している。第3のチャネル412は、真空吸引432を使用して、薬物貯留部108から流体廃棄物436を除去または吸い出す。3つの全てのチャネル404、408、412を通る流体流量は、標準的な機械式ポンプ技術(例えば、歯車、ダイアフラム、蠕動運動、注射器等)を使用して生じさせることができる。流量は、個々のチャネル404、408、412に対する圧力または真空の適用を介して、空気圧で制御することもできる。
図10に示されるように、これらの3つの流体チャネル404、408、412は、流量切り替えまたは弁システム440に結合されて、最終的に針200の中で終端し、針は、充填ポート152の弾性栓204を貫通して、薬物貯留部108にアクセスするために使用される。
【0050】
加えて、一実施形態では、チャネル404、408、412のうちの1つ、2つ以上、または全ては、気泡検出器442および/またはインライン脱ガス器446を含む。検出器442および脱ガス器446の各々は、
図10に示されるように、弁システム440の上流に位置し得る。代替として、検出器442および脱ガス器446のうちの一方または両方は、実際には、弁システム440の下流に位置し得る。よって、
図10に示される道具400の種々の構成要素が設置される順序は、限定されるものではない。
【0051】
一実施形態では、気泡検出器442は、そのそれぞれのチャネル404、408、412内のガスを検出するように機能する。薬物貯留部108内部のガスの存在は、ポンプ100に不具合を生じさせる可能性がある。有利なことに、チャネル404、408、412のうちの1つの中の気泡検出器442によるガス気泡の検出に応じて、検出器442は、このようなガスの存在を(例えば、以下にさらに説明される、管理回路444に)信号で伝えることができる。次いで、任意のおよび全てのガスを除去するために、薬物貯留部108の充填/補充が停止され、針200が充填ポート152から除去され、そして、道具400が洗い流され得る。
【0052】
気泡検出器442は、超音波、光、熱、または電気が挙げられるが、これに限定されない、様々な手段を介して実施され得る。例えば、超音波気泡検出器442を、チャネル404、408、412を通って流れる流体に近接させるが接触させずに設置し、流動流体を介して超音波エネルギーを伝達し、そして、それを介して伝達されたエネルギーの量を感知し得る。流体内にガスが存在すれば、流体を介して伝達されるエネルギー量が変化する。好適な超音波気泡検出器442は、例えば、Introtek International,Edgewood,New York;Zevek,Inc.(Salt L
ake City,Utah);およびConsense,Inc.によって提供され得
る。
【0053】
また、光学検出器442を、チャネル404、408、412を通して流動流体に近接させるが接触させずに設置し、流れる流体を通して光(例えば、赤外光)を当て、そして、それを通して伝達された光の量を感知し得る。ここでも、流体の中にガスが存在すれば、流体を通して伝達される光の量が変化する。
【0054】
その部分については、熱検出器442を、流体に接触させて(または近接させるが接触させずに)設置し得る。次いで、熱検出器442は、(例えば、加熱器の使用を介して)検出器442を通って流れる流体を加熱し、例えば下流位置において、流体の温度を感知し得る。流動流体の異なる熱的特性は、ガスを含む流動流体とは対照的に、下流で感知されるそれぞれについて異なる温度をもたらす。したがって、下流で感知される温度は、流体内のガスの有無を示し得る。好適な熱気泡検出器442は、例えば、Sensirion AG(Switzerland)によって提供され得る。
【0055】
最後に、電気検出器442は、チャネル404、408、412を通って流れる流体のいくつかの電気特性を測定し得る。例えば、電気検出器442は、流動流体の誘電率、比抵抗等を測定し得る。示度は、流体内のガスの有無の指標を提供し得る。
【0056】
その部分について、脱ガス器446は、そのそれぞれのチャネル404、408、412から、任意のおよび全てのガスを自動的に除去し得る。例えば、脱ガス器446は、そのそれぞれのチャネル404、408、412内の半透膜(例えば、ガスを透過させるが、流体はさせない)として実装され得る。そのチャネル内に存在するガスは、膜を通してチャネルから排出される。加えて、ガス除去プロセスの速度を上げるために、チャネル404、408、412の外側の膜壁に真空を印加してもよい。
【0057】
図10は、独立して制御される3つの流体チャネル404、408、412を有する道具400を示しているが、場合によっては、述べられるように、より少ない数も可能である。例えば、薬物貯留部108をすすぐために専用の洗浄液428を使用する代わりに、薬液420自体をそのために使用することができる。これらの実施形態では、2つの独立した流体チャネル404、412―1つ(404)は、薬物420を注入するためのもの、もう1つ(412)は、貯留部108から液体436を吸い出すためのもの―で十分であろう。
【0058】
道具400はまた、第1および第2のポンプ416、424、真空吸引432、流量切り替えまたは弁システム440、気泡検出器442、および/または脱ガス器446と結合する真空を制御および作動させるための管理回路444を含み得る。管理回路444の基礎を成す制御論理は、本明細書で説明される機能を達成することができる、あらゆるソフトウェアプログラム、ハードウェアデバイス、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、管理回路440は、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。代替として、管理回路440は、あらゆる好適な1つまたは複数のプログラミング言語(例えば、C++、C#、Java(登録商標)、Visual Basic、LISP、BASIC、PERL等)を使用してプログラムされる、1つ以上の汎用マイクロプロセッサ(例えば、Intel Corp.によって供給されるPENTIUM(登録商標)マイクロプロセッサのうちのいずれか)であってもよい。好適な制御プログラミングは、過度の実験を伴わずに、当業者によって直接的に実装される。
【0059】
一実施形態では、道具400は、薬物貯留部108の内部圧力(すなわち、針200の流出口での流体圧力)が所与の臨界値を超えないように、補充プロセスの慎重な制御に対して構成される。これは、ポンプ100に対する損傷を防止し、かつカニューレ120を通した患者の中への薬物の不要な排出を防止する。薬物貯留部108の内部の圧力は、幾通りかの方法で臨界値以下に保持され得る。例えば、液体が空気圧で薬物貯留部108に注入される場合、管理回路444は、注入圧力を臨界値以下に保ち得る。圧力開放弁を、フェイルセーフ機構として、空気圧駆動で使用することもできる。別の実施例として、機械式ポンプ(例えば、歯車、ダイアフラム、蠕動運動、注射器等)を使用して液体が注入される場合、薬物貯留部108の内部の圧力は、圧力センサを一体化することによって、液圧が最も高い時点で制御され得る。管理回路444は、圧力センサを監視し得、この時点での圧力が臨界値を超えないように、従来のフィードバックシステムを採用し得る。さらに別の実施例として、管理回路444は、過補充を防止するために、薬物貯留部108に送達される流体の容量を計量し得る。一般に、貯留部108が全容量に到達した時にのみ、内部圧力が上昇し始める。
【0060】
その部分について、針200は、単一管腔針であってもよく、または針200は、第1の管腔とそれを通る第2の管腔とを含んでもよい。単一管腔針200の場合、針の管腔は、
図11に示されるように、3つの流体チャネル404、408、412の各々と流体連通し、または、別個の洗浄液428およびそのためのポンプ424が使用されない場合には、単に第1および第3のチャネル404、412の各々と流体連通する。二重管腔針200の場合、第1および第2の管腔は、互いに流体的に分離され得る。
図12に示されるように、第1の管腔は、第1および第2のチャネル404、408と(または、別個の洗浄液428およびそのためのポンプ424が使用されていない場合には、単に第1のチャネル404と)流体連通し得、第2の管腔は、第3のチャネル412と流体連通し得る。
【0061】
ポンプ100の薬物貯留部108を充填および/または補充する例示的な方法は、
図11および12を参照して理解され得る。最初に
図11を参照すると、本実施例では、補充プロセス全体は、単一の針200(単一管腔を有する)と、埋込型薬物送達ポンプ100の単一の充填ポート152を通して実施される。弁システム440の中の3つの全ての弁A、B、およびCは、針200が充填ポート152に挿入されているので、最初は閉じている。
図6A〜6Dを参照して上記に説明されるように、針200は、その遠位端がストッパ220と接触するまで、充填ポート152の中を進み、その出口ポートは、薬物チャンバまたは貯留部108と流体連通している。その時点で、管理回路444は、弁Cを開かせて、吸引を使用して貯留部108内のあらゆる流体を除去し得る。具体的には、管理回路444は、薬物貯留部108内のあらゆる流体を廃棄物貯留部436の中に吸い出すように、真空吸引ポンプ432に、陰圧を第3の流体チャネル412に印加させ得る。次いで、管理回路444によって、真空吸引ポンプ432が遮断され、弁Cが閉じられ得る。回路444は、次いで、洗浄剤貯留部428から第2のチャネル408および針200の管腔を通して薬物チャンバ108の中に洗浄液を送り込むために、弁Aを開かせ、第2のポンプ424に、陽圧を第2の流体チャネル408に印加させ得る。十分な洗浄液428が薬物貯留部108の中に送出されると、管理回路444は、第2のポンプ424を遮断させ、弁Aを閉じさせる。これらの2つのステップは、有効性について必要な回数だけ繰り返すことができる。代替として、これらの2つのステップ中に、弁システム440の中の弁AおよびCは、開いたままにされ、第2のポンプ424は、洗浄液を薬物貯留部108の中に連続的に送出し、そして、真空吸引ポンプ432は、薬物貯留部108から流体を連続的に除去してもよい。このように、薬物貯留部108を洗浄および空にするステップは、相前後して生じる。さらに別の実施形態では、(上記に説明されるように)別個の洗浄液428およびそのためのポンプ424が使用されていない場合、ポンプ100の薬物貯留部108が、この浄化ステップ中に、代わりに薬液420ですすがれ得る。そうするために、弁システム440の中の弁Bおよび第1のポンプ416は、それぞれ、弁Aおよび第2のポンプ424について説明されるものに類似した手法で、管理回路444によって作動される。
【0062】
最終的な廃棄物除去ステップが完了して、薬物チャンバ108が浄化された後に、管理回路444は、弁AおよびCを閉じ、そして弁Bを開いて、薬物貯留部108に薬液420を充填し得る。具体的には、弁Bが開かれると、管理回路444は、貯留部420から第1のチャネル404および針200の管腔を通して、植設された薬物送達ポンプ100の薬物貯留部108の中に洗浄液を送り込むために、第1のポンプ416に、陽圧を第1の流体チャネル404に印加させ得る。十分な量の薬液420が薬物貯留部108の中に送出されると、管理回路444は、第1のポンプ416を遮断させ、そして弁Bを閉じさせ得る。
【0063】
図11を参照して説明されるプロセス全体の間、種々の流体の流量、ならびに種々の注入および吸引の圧力は、全て、管理回路444によって制御され得る。例えば、管理回路444は、圧力が臨界値を超えないように、上記に説明されるように、薬物チャンバ108の中の圧力を監視または追跡し得る。
【0064】
以下、
図12を参照すると、第2の実施例では、補充プロセス全体は、単一の針200(二重管腔構造を有する)と、埋込型薬物送達ポンプ100の単一の充填ポート152を通して実施される。針200の2つの管腔は、流体が薬物貯留部108の中および外へ移動するための、2つの並列する分離した経路を提供する。
図12に示されるように、これらの管腔のうちの1つは、第3のチャネル412と流体連通し、流体の薬物貯留部108からの吸い出し専用であり得、一方で、他の管腔は、第1および第2のチャネル404、408と(または、別個の洗浄液428およびそのためのポンプ424が使用されていない場合は、単に第1のチャネル404と)流体連通し、液体(すなわち、薬物および/または洗浄液420、428)を薬物貯留部108の中に注入するために使用される。
【0065】
弁システム440の中の3つの全ての弁A、B、およびCは、針200が充填ポート152に挿入されているので、最初は閉じている。次いで、針200が適切に挿入されると、管理回路444は、弁Cを開き、そして吸引を使用して薬物貯留部108の中のあらゆる流体を除去する。管理回路444は、次いで、弁Aを開くことによって、洗浄液428を送出して薬物貯留部108を満たす。ここでも、この後者のステップ中に、吸引をオフにして、(弁AおよびCを交互に開閉することによって)複数の吸引/洗浄ステップを行うか、または吸引をそのままにして、薬物貯留部108の連続的なすすぎを行うことができる。いずれの場合も、最終的な廃棄物除去ステップが完了して、薬物チャンバ108が浄化された後に、管理回路444によって弁AおよびCが閉じられ、弁Bが開かれて、薬物貯留部108に薬液420を充填し得る。
【0066】
ここでも、種々の流体の流量、ならびに種々の注入および吸引の圧力は、例えば薬物貯留部108の内部の圧力が臨界値を超えるのを防止するために、全て、管理回路444によって制御され得る。さらに、上記に説明されるように、別個の洗浄液428およびそのためのポンプ424は省略されてもよく、代わりに薬液420が洗浄/すすぎ液として使用される。
【0067】
図13は、本発明の一実施形態による、入力および表示装置448に連結される道具400を示す。より具体的には、
図10に示されるポンプ416、424、432、貯留部420、428、436、チャネル404、408、412、および弁システム440を収容し得る、カートリッジ452は、一端で入力および表示装置448に連結され、他端で針200に連結される。管理回路444は、一般的に、入力および表示装置448の一部分であるが、他の実施形態では、カートリッジ452の一部分であって、入力および表示装置448と結合し得る。図に示されるように、入力および表示装置448は、1つ以上の入力ボタン456と、表示画面460とを特徴とする。表示画面460は、例えば、薬物および/またはその投与される用量、道具400がどのサイクル(例えば、空にする、すすぐ、充填、待機、または準備完了)にあるか、埋込型ポンプ100の状態(例えば、満杯、空)、薬物貯留部108の内部の圧力、または道具400の操作者が関心のある他のあらゆる情報を表示し得る。それらの部分について、入力ボタン456は、操作者が、(例えば、投与される薬物の用量、動作モード、送出および浄化に関連するパラメータ、および薬物貯留部108に供給される薬物を選択するために)表示画面460によって提示される種々のオプション等を介してナビゲートするように、道具400を制御できるようにする。
【0068】
当業者によって理解されるように、
図10〜13を参照して説明される道具400は、電解液チャンバ112を空にする、すすぐ、充填/補充するためにも採用され得る。そのようにする1つの手法は、単純に、薬液420を適切な電解溶液に置き換え、次いで、上記に説明されるように道具400を操作することである。
【0069】
したがって、本明細書で説明されるように、操作者は、1つ以上の自己封止式で針のアクセスが可能な充填ポート152を介して、原位置で、埋込型薬物送達ポンプ100の薬物貯留部108および/または電解液チャンバ112を、迅速かつ正確に充填または補充し得る。さらに、説明されるように、これは、ポンプ100に対する損傷のリスクを最小化し、それによってその有効寿命を最大化する手法で行われ得る。
【0070】
本発明のある実施形態を説明してきたが、当業者には、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、本明細書で開示されている概念を組み込んだ他の実施形態が使用され得ることが明らかとなるであろう。したがって、説明された実施形態は、全ての側面において例示的なものに過ぎず、限定的なものではないとみなされる。