特許第5955890号(P5955890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955890
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】飲料用容器の栓体
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20160707BHJP
   B65D 39/04 20060101ALI20160707BHJP
   A47J 41/00 20060101ALI20160707BHJP
   A47J 41/02 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   B65D47/08 M
   B65D39/04 G
   A47J41/00 304A
   A47J41/02 104A
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-119082(P2014-119082)
(22)【出願日】2014年6月9日
(65)【公開番号】特開2015-231852(P2015-231852A)
(43)【公開日】2015年12月24日
【審査請求日】2015年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】591261602
【氏名又は名称】サーモス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】倉部 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】杜 宏梁
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−149189(JP,A)
【文献】 特開2005−193944(JP,A)
【文献】 特開2012−111498(JP,A)
【文献】 特開2014−101128(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3179418(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/08
B65D 39/04
A47J 41/00
A47J 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料用容器本体の上部開口部に被着され内部に液通孔を有する栓本体と、前記栓本体の一端にヒンジ軸支され、前記栓本体の液通孔を開閉自在に開閉する蓋体と、前記栓本体の他端で前記蓋体を閉状態に保持するロック機構を備えた飲料用容器の栓体において、
前記ロック機構は、前記栓本体の他端に設けられた左右一対の縦壁と、前記縦壁の間に配置され前記栓本体の内外方向に進退可能に取り付けられて上部に係合部を有するボタンと、前記蓋体の回動端に設けられ前記係合部と係合する係合片と、前記縦壁の外側側面上下方向に設けられたガイド部に挿入されるアーム部と該アーム部の下端を連結するスライド操作部を備えたスライドロックからなり、該スライドロックは前記ガイド部に沿って上下方向にスライド可能に設けられると共に前記ボタンの後部と前記栓本体との間に挿入されるストッパ片を有し、上位置状態で前記ボタンの後部側に前記ストッパ片が挿入して該ボタンの係合解除方向へ動きを規制し、前記アーム部には係止部が内側方向に設けられ、前記ガイド部には前記スライドロックの上位置状態、及び下位置状態でそれぞれ前記係止部に対応する係止受け部が設けられていることを特徴とする飲料用容器の栓体。
【請求項2】
前記ボタンは前記縦壁に設けられたボタン軸により軸支され、前記スライドロックが少なくとも上位置状態である際に、前記アーム部により前記ボタン軸が外観から隠されることを特徴とする請求項1記載の飲料用容器の栓体。
【請求項3】
前記アーム部にはスライド溝が設けられ、前記ボタン軸が前記スライド溝に遊嵌されることを特徴とする請求項2記載の飲料用容器の栓体。
【請求項4】
飲料用容器本体の上部開口部に被着され内部に液通孔を有する栓本体と、前記栓本体の一端にヒンジ軸支され、前記栓本体の液通孔を開閉自在に開閉する蓋体と、前記栓本体の他端で前記蓋体を閉状態に保持するロック機構を備えた飲料用容器の栓体において、
前記ロック機構は、前記蓋体の回動端に設けられた係合片と、前記係合片の左右に設けられた左右一対の縦壁と、前記栓本体の他端に設けられ前記栓本体の内外方向に進退可能に取り付けられて上部に前記蓋体の係合片と係合する係合部を有するボタンと、前記縦壁の外側側面上下方向に設けられたガイド部に挿入されるアーム部と、前記アーム部の上端を連結するスライド操作部を備えたスライドロックからなり、該スライドロックは前記ガイド部に沿って上下方向にスライド可能に設けられると共に下位置状態で前記ボタンの前側上部を被覆して前記ボタンの係合解除方向への動きを規制するストッパ片を有し、前記アーム部には係止部が内側方向に設けられ、前記ガイド部には前記スライドロックの上位置状態、及び下位置状態でそれぞれ前記係止部に対応する係止受け部が設けられていることを特徴とする飲料用容器の栓体。
【請求項5】
前記スライドロックが上位置であるとき、前記スライドロック上端部が前記蓋体の上端部よりも下方にあることを特徴とする請求項4記載の飲料用容器の栓体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック機構で蓋体の回動を規制する飲料用容器の栓体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロック機構で蓋体の回動を規制するものとして、栓本体に回動自在に設けたボタン部材を蓋体に設けた係止片に係止させる方式(例えば特許文献1)が知られている。
【0003】
また、ボタン部材にロック部材を取り付け、ボタン部材の回動を規制するものとして、上下スライドするスライドロックがボタン部材の下部を覆うように配置され、ロック位置ではスライドロックが栓本体に設けられたストッパと対向することでボタン部材の回動を規制する方式(例えば特許文献1)が知られている。
【0004】
さらに、ボタン部材の周囲に上下スライドするスライドロックを配置し、スライドロックがスライドすることでボタン部材裏面と栓本体の間にストッパ片が嵌まり込みボタン部材の回動を規制する方式(例えば特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4449725号公報
【特許文献2】特許第5310704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1では、スライドロックをロック状態/非ロック状態で保持するためにロック部材に設けられた係止部とボタン部材に設けられた係止受け部によりスライドロックを係止しているが、どちらの部品も比較的小さいため十分な弾性を得ることが難しく、ひいては係止が安定しない虞があった。
【0007】
また、特許文献2では、スライドロックをロック状態/非ロック状態で保持するためにロック部材に設けられた係止部と栓本体に設けられた係止受け部を前後方向に配置することでスライドロックを係止しているが、前後方向にこれらを配置する十分なスペースを確保する必要があり、栓体のコンパクト化を阻害していた。
【0008】
そこで、本願発明は上記した問題点に鑑み、栓体のコンパクト化を阻害せず、スライドロックの安定した係止を実現する栓体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明では、飲料用容器本体の上部開口部に被着され内部に液通孔を有する栓本体と、前記栓本体の一端にヒンジ軸支され、前記栓本体の液通孔を開閉自在に開閉する蓋体と、前記栓本体の他端で前記蓋体を閉状態に保持するロック機構を備えた飲料用容器の栓体において、前記ロック機構は、前記栓本体の他端に設けられた左右一対の縦壁と、前記縦壁の間に配置され前記栓本体の内外方向に進退可能に取り付けられて上部に係合部を有するボタンと、前記蓋体の回動端に設けられ前記係合部と係合する係合片と、前記縦壁の外側側面上下方向に設けられたガイド部に挿入されるアーム部と該アーム部の下端を連結するスライド操作部を備えたスライドロックからなり、該スライドロックは前記ガイド部に沿って上下方向にスライド可能に設けられると共に前記ボタンの後部と前記栓本体との間に挿入されるストッパ片を有し、上位置状態で前記ボタンの後部側に前記ストッパ片が挿入して該ボタンの係合解除方向へ動きを規制し、前記アーム部には係止部が内側方向に設けられ、前記ガイド部には前記スライドロックの上位置状態、及び下位置状態でそれぞれ前記係止部に対応する係止受け部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明では、前記ボタンは前記縦壁に設けられたボタン軸により軸支され、前記スライドロックが少なくとも上位置状態である際に、前記アーム部により前記ボタン軸が外観から隠されることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明では、前記アーム部にはスライド溝が設けられ、前記ボタン軸が前記スライド溝に遊嵌されることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明では、飲料用容器本体の上部開口部に被着され内部に液通孔を有する栓本体と、前記栓本体の一端にヒンジ軸支され、前記栓本体の液通孔を開閉自在に開閉する蓋体と、前記栓本体の他端で前記蓋体を閉状態に保持するロック機構を備えた飲料用容器の栓体において、前記ロック機構は、前記蓋体の回動端に設けられた係合片と、前記係合片の左右に設けられた左右一対の縦壁と、前記栓本体の他端に設けられ前記栓本体の内外方向に進退可能に取り付けられて上部に前記蓋体の係合片と係合する係合部を有するボタンと、前記縦壁の外側側面上下方向に設けられたガイド部に挿入されるアーム部と、前記アーム部の上端を連結するスライド操作部を備えたスライドロックからなり、該スライドロックは前記ガイド部に沿って上下方向にスライド可能に設けられると共に下位置状態で前記ボタンの前側上部を被覆して前記ボタンの係合解除方向への動きを規制するストッパ片を有し、前記アーム部には係止部が内側方向に設けられ、前記ガイド部には前記スライドロックの上位置状態、及び下位置状態でそれぞれ前記係止部に対応する係止受け部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明では、前記スライドロックが上位置であるとき、前記スライドロック上端部が前記蓋体の上端部よりも下方にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1記載の発明によれば、スライドロックのアーム部を縦壁の外側側面に設けたガイド部を用いて縦壁に上下スライド可能に係止することで、ロック機構を前後方向に省スペース化することができる。また、アーム部を比較的長くすることができるため、アーム部を押し広げる際に十分な弾性が得られ、スライドロックの係止を安定させることができる。
【0015】
本発明の請求項2記載の発明によれば、ボタン軸をスライドロックのアーム部が隠すことで、外観性に優れ、且つ、ボタン軸が衝撃などで抜け落ちるのを防止できる。
【0016】
本発明の請求項3記載の発明によれば、スライドロックの上下スライド動作のガイドと、スライドロックを栓本体と一体化させる両方の効果をボタン軸が担うことで、ロック機構の更なるコンパクト化を図ることができる。
【0017】
本発明の請求項4記載の発明によれば、スライドロックのアーム部を縦壁の外側側面に設けたガイド部を用いて縦壁に上下スライド可能に係止することで、ロック機構を前後方向に省スペース化することができる。また、アーム部を比較的長くすることができるため、アーム部を押し広げる際に十分な弾性が得られ、スライドロックの係止を安定させることができる。また、ボタンとスライドロックを栓本体と蓋体で分けることでそれぞれの操作部を比較的大きくできるので、操作性が向上する。
【0018】
本発明の請求項5記載の発明によれば、スライドロックが上位置にあるときに、スライドロックの上端部が蓋体の上端部よりも下方にあることで、蓋体の上端部を押して蓋体閉動作をする際に誤ってスライドロックを操作してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例1を示す蓋体閉状態の縦断面図である。
図2】同上、蓋体開状態の縦断面図である。
図3】同上、ロック状態の斜視図である。
図4】同上、ロック解除状態の斜視図である。
図5】同上、ロック状態の断面図である。
図6】同上、ロック解除状態の断面図である。
図7】同上、栓本体の斜視図である。
図8】同上、栓本体の正面図である。
図9】同上、スライドロックの斜視図である。
図10】本発明の実施例2を示すロック状態の斜視図である。
図11】同上、ロック解除状態の斜視図である。
図12】同上、ロック状態の断面図である。
図13】同上、ロック解除状態の断面図である。
図14】同上、栓本体の斜視図である。
図15】同上、スライドロックの斜視図である。
図16】本発明の実施例3を示す蓋体閉状態の縦断面図である。
図17】同上、蓋体開状態の縦断面図である。
図18】同上、ロック状態の斜視図である。
図19】同上、ロック解除状態の斜視図である。
図20】同上、ロック状態の断面図である。
図21】同上、ロック解除状態の断面図である。
図22】同上、蓋体の斜視図である。
図23】同上、図22とは異なる方向からの蓋体の斜視図である。
図24】同上、スライドロックの背面側斜視図である。
図25】同上、スライドロックの正面側斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明を金属製二重断熱構造の飲料用容器の栓体に適用した実施例1を図1〜9に基づいて説明する。片手で持てる大きさの飲料用容器1は、断熱構造の容器本体2と、該容器本体2の上部の容器口部3に着脱可能に装着される栓体4とで構成されている。容器本体2は、上部を開口した金属製の内容器5及び外容器6の上端同士を一体に接合したもので、内容器5、外容器6間に真空断熱構造の断熱部7を有している。また、容器本体2の容器口部3の外周には、栓体4を螺着する第1の雄螺子部8が形成されている。
【0022】
栓体4は、容器口部3に着脱自在に取り付けられる略円筒状の栓本体9と、栓本体9を開閉する蓋体10とを備えており、栓本体9と蓋体10はそれらの後部に設けられた蓋開閉用ヒンジ軸11により回動自在に連結している。
【0023】
そして、蓋開閉用ヒンジ軸11の反対側、すなわち前部に設けられ、蓋体10の閉状態の保持と解除とを行うロック機構12は、蓋体10の円筒状部13の前側下部に設けられた係合片14と、栓本体9の円筒状部15の外側部に設けたロックボタン16と、栓本体9の円筒状部15の外側部にスライド可能に設けられたスライドロック17とを備えている。ロックボタン16は、栓本体9の円筒状部15の前側に設けられた左右一対の縦壁部18の間に配置されており、ロックボタン16の上下方向の中間部は軸心が水平な軸部材19により左右一対の縦壁部18に軸支されて、栓本体9の内外方向、すなわち後側と前側に回動可能に取り付けられることで、ロックボタン16はシーソー式に構成されている。
【0024】
前記係合片14は、蓋体10閉時において円筒状部13の前方へ水平方向となってやや突設する薄板状であって、その平面視及び正面視は矩形、ほぼ水平であって、その上部20は正面視で上向きの円弧状となっている。そして、係合片14と係合片の上部20の間には、係合部16Aが係合するように凹部21が形成されている。上部20は、ロックボタン16の上側円弧部を外嵌可能に形成されている。
【0025】
前記円筒状部15の前部にはやや前方へ突設する突設平坦面22が設けられ、該突設平坦面22には前記の一対の縦壁部18が設けられている。そして、この一対の縦壁部18の間にロックボタン16が縦向きに配置されると共に、このロックボタン16の上端に設けられた係合部16Aは後ろ向きの爪状となって閉蓋体状態の係合片14の凹部21と対向して、係合部16Aと係合片14は係合できるようになっている。一方、ロックボタン16の下端の前部には指で押すことが可能な押圧操作部23が設けられている。
【0026】
そして、ロックボタン16における係合部16Aと押圧操作部23との中間には軸受部24が設けられており、また、縦壁部18の後述する側面側のガイド部31の上部に貫通部25を備えている。これら軸受部24と貫通部25に軸部材19が貫通することで、ロックボタン16は軸部材19を回転中心として回動できるようになっている。さらに、軸部材19の下方において突設平坦面22と押圧操作部23の後部との間には付勢手段たる弾性部材であるコイルスプリング26が介在しており、このコイルスプリング26によりロックボタン16は常時係合部16Aが係合片14に係合できるように付勢されている。
【0027】
そして押圧操作部23の下側後部と突設平坦面22との隙間27に、この隙間27の真下にあって該隙間27に対向しているスライドロック17のストッパ片28が挿入することで、ロックボタン16は係合解除方向への動きを規制でき、一方スライドロック17のストッパ片28を隙間27の下方位置となる非挿入位置へスライド移動したときにロックボタン16の係合解除方向への動きの規制を解除することができるようになっている。
【0028】
また、スライドロック17が下方へ抜けてしまわないように、スライドロック17のストッパ片28の後部に凹設された抜け止め部29と、突設平坦面22に設けられた抜け止め突起部30とによりスライドロック17の下方へのスライド距離が規制されている。抜け止め突起部30は、上面30Aを平坦面とし、上面30Aの前端から下方に向かって後方へ傾斜した傾斜面30Bを有している。抜け止め突起部30の傾斜面30Bは、スライドロック17のストッパ片28が下方から栓本体9の円筒状部15に取り付けられる際に、ストッパ片28の上面28Aが抜け止め突起部30を乗り越えるためのガイドとなっている。また、栓本体9の円筒状部15に取り付けられた後のスライドロック17では、抜け止め突起部30の上面30Aが抜け止め部29に当接することで、スライドロック17の抜け止めやロック解除状態でのストッパを兼ねている。
【0029】
また、縦壁部18の外側面及び下面にかけて連続して凹設され、スライドロック17の上下方向案内路を形成する凹溝状のガイド部31が設けられている。
【0030】
スライドロック17は、一対のアーム部32を備え、このアーム部32の下部を連結するストッパ片28を有する正面視でU字形状或いは上方を開口した倒コ字形状である。このスライドロック17は、一対のアーム部32をガイド部31に係入できるように形成されている。
【0031】
アーム部32の内側面には、上から順に第1の突起部33、第2の突起部34、第3の突起部35が所定間隔を有して内向きに突設されている。尚、第2の突起部34は、第1の突起部33及び第3の突起部35より突出する量を小さく形成されている。
【0032】
また、縦壁部18の外側面側におけるガイド部31内には、外向きに突設され、第1の突起部33、第2の突起部34、第3の突起部35に係止可能な係止受け部36を備えている。ここで、アーム部32の上部である第1の突起部33の上部内側には、圧入導入部として傾斜面33Aが形成されており、アーム部32を下方からガイド部31に挿入して取り付ける際に、この傾斜面33Aがアーム部32を押し開いて係止受け部36を容易に乗り越えるためのガイドとなっている。また、ガイド部31に取り付けられた後のアーム部32では、第1の突起部33の下面33Bが係止受け部36の上面36Aに当接することで、スライドロック17の抜け止めやロック解除状態でのストッパを兼ねている。
【0033】
またロック機構12は、図5に示すようなアーム部32の第2の突起部34が縦壁部18の係止受け部36を乗り越えるようにスライドロック17を栓本体9に対して相対的に上昇させて、係止受け部36がアーム部32の第2の突起部34と第3の突起部35の間に配置され、第2の突起部34が係止受け部36に係止することでスライドロック17が上位置状態で保持されるロック状態と、図6に示すようなアーム部32の第2の突起部34が縦壁部18の係止受け部36を乗り越えるようにスライドロック17を栓本体9に対して相対的に下降させて、係止受け部36がアーム部32の第1の突起部33と第2の突起部34の間に配置され、第2の突起部34が係止受け部36に係止するとともに、ストッパ片28の抜け止め部29が栓本体9の抜け止め突起部30に係止することでスライドロック17が下位置状態で保持されるロック解除状態との間で、スライドロック17が縦壁部18に上下方向にスライド自在に設けられている。
【0034】
尚、ロック状態ではストッパ片28が隙間27に挿入されており、ロックボタン16の押圧操作が規制されており、ロック解除状態ではストッパ片28は隙間27から離脱しており、ロックボタン16は押圧操作可能となっている。
【0035】
さらに、アーム部32は、貫通部25を被覆可能に設けられており、ロック状態及びロック解除状態にかかわらず、貫通部25及び軸部材19が外部に露出しない構成となっている。
【0036】
また、ロック状態では、縦壁部18の上部とアーム部32の上部がほぼ面一に揃えされるとともに、栓本体9を正面側から見てアーム部32が縦壁部18にほぼ完全に被覆されるように収容される。また、ストッパ片28の下部には、前方に突設されたスライド操作部37が設けられている。
【0037】
このように構成された栓体4は、ロック機構12をロック解除状態とし、ロックボタン16の押圧操作部23を内側へ押すと、ロックボタン16の係合部16Aは蓋体10の係合片14との係止が解除され、蓋体10は、蓋開閉用ヒンジ軸11まわりの弾性部材であるコイルスプリング(図示せず)の付勢力にて上方に回動して開き、栓本体9の前側、すなわち栓本体9の縦方向の仮想した中心軸線39を中心としたとき蓋開閉用ヒンジ軸11と反対側にある飲み口38に唇をつけて飲料用容器1を傾けることにより、容器本体2内の飲料を直接飲むことができる。
【0038】
さらに栓本体9は、上下方向に設けられる中心軸線39を中心としたとき、その外側に配置され蓋開閉用ヒンジ軸11、スライドロック17が設けられる外栓部40と、外栓部40の内側に着脱自在に配置される内栓部41を備える。外栓部40は中心軸線39を中心として容器口部3の外側に配置される略円筒形状であって、略円形の上部開口42が貫通しており、外栓部40の内周下部に第1の雌螺子部43が設けられ、この第1の雌螺子部43が容器口部3に形成した第1の雄螺子部8に螺着することで、外栓部40、ひいては栓体4は容器本体2に装着できるようになっている。
【0039】
そして内栓部41は上部開口42の下方から外栓部40に挿入して上部開口42から突設した略有底筒状をなしており、底面44の前部に液通孔45、後部には空気孔46がそれぞれ上下方向に連通するように貫通しており、また底面44の周縁の前部、左右両側部さらに後部より一体的に飲み口38を形成した周壁47を立ち上げる。周壁47はスライドロック17側、すなわち前側を蓋開閉用ヒンジ軸11、すなわち後側より高くして形成しており、飲み口38は、その周壁47の前部に最上位に形成されており、そして周壁47の高さは左右両側において後部に向かうにしたがって次第に低く形成している。また、内栓部41の下部外周には、容器口部3の下方で全周に突設された内容器5に設けられたシール部103の内周に密着するパッキン48を設けている。
【0040】
そして、内栓部41を外栓部40に固定するために内栓部41の周壁47の前側に上部外向き鍔49を設けると共に、外栓部40の上部開口42の前側に上部外向き鍔49が係止可能な係止受け部50が設けられている。
【0041】
また、外栓部40の上部開口42の後側の縁を僅かに内側に突設して内向き鍔51が形成されている。
【0042】
内栓部41の後側に設けられる係止部材52は、内向き鍔51に係止するようなフック部材からなり、内栓部41に対して後述する付勢手段53に抗して揺動可能に設けられている。
【0043】
また、揺動用ヒンジ軸54を介在して、内栓部41の下部と係止部材52の下部は揺動可能に連結され、内栓部41の係止部材52は内向きに進退可能に設けられている。そして、内栓部41と係止部材52との間に、ゴム材からなる付勢手段53が介在しており、この付勢手段53によって係止部材52は揺動用ヒンジ軸54を中心として常時外側に回動するように付勢されている。尚、付勢手段53はゴム材やバネ材などの弾性部材によって形成されている。
【0044】
尚、係止部材52が内側に回動しているときに、周壁47は上部開口42へ下方から上方に嵌入できると共に、上部外向き鍔49が係止受け部50に係止すると同時に係止部材52が内向き鍔51に係止することで、内栓部41が外栓部40に一体化される。
【0045】
蓋体10は、栓体4の上部開口42を覆う蓋部55と、蓋部55の下方に設けられる蓋下部56とを有し、蓋下部56にはシール部材57が備えられている。また、シール部材57は、内栓部41の底面44に当接するシール本体58に、液通孔45を上方から密閉する流入側シール部59と、空気孔46を上方から密閉する空気孔シール部60を一体形成したものである。
【0046】
次に前記構成についてその作用を説明する。外栓部40に内栓部41が固定されている状態では、係止部材52が付勢手段53により揺動用ヒンジ軸54を中心として外側に回動するように付勢されて内向き鍔51に係止していると共に、係止受け部50に上部外向き鍔49の下面が係止することで、内栓部41は外栓部40と一体化される。
【0047】
ロック状態のロック機構12をロック解除状態とし、ロックボタン16の押圧操作部23を内側へ押すと、ロックボタン16の係合部16Aは蓋体10の係合片14との係止を解除することで、蓋体10は、蓋開閉用ヒンジ軸11まわりの弾性部材であるコイルスプリング(図示せず)の付勢力によって開蓋し、そして蓋体10を開いた状態で飲料用容器1を傾けることで、収容されている飲料が液通孔45から飲み口38に至る液通路を介して吐出されて飲み口38より飲むことができるようになっている。
【0048】
そして、洗浄などのために容器本体2より取り外した栓体4を内栓部41と外栓部40に分解するには、開蓋状態で栓体4の内向き鍔51の上方に突設している係止部材52を目視した後に、この係止部材52を付勢手段53に抗して内側に押圧する。係止部材52の内側への押圧によって、係止部材52は揺動用ヒンジ軸54心として内側に回動することで、係止部材52は内向き鍔51との係止状態が解除される。
【0049】
このように、係止部材52を内側に押圧することにより、内向き鍔51と係止部材52との係止が解除されて、内栓部41を外栓部40より下方に抜け出して分解を行うことができる。このようにして分解した内栓部41、外栓部40をそれぞれ洗浄する。
【0050】
洗浄した内栓部41、外栓部40を組み立てる場合は、外栓部40の下方に内栓部41を配置する。次に外栓部40の上部開口42に内栓部41の周壁47を挿入する。この際、内側に押圧された係止部材52は揺動用ヒンジ軸54を中心として内側に回動する。
【0051】
そして、上部外向き鍔49が係止受け部50を通り抜けて係合して、同時に、係止部材52による押圧が解除され圧縮されていた付勢手段53が復元することで、内向き鍔51に係止部材52が係止して外栓部40と内栓部41が一体化される。
【0052】
以上のように本実施例の飲料用容器1は、飲料用容器本体である容器本体2の上部開口部である容器口部3に被着され内部に液通孔45を有する栓本体9と、前記栓本体9の一端にヒンジ軸支され、前記栓本体9の液通孔45を開閉自在に開閉する蓋体10と、前記栓本体9の他端で前記蓋体10を閉状態に保持するロック機構12を備えた飲料用容器1の栓体4において、前記ロック機構12は、前記栓本体9の他端に設けられた左右一対の縦壁である縦壁部18と、前記縦壁部18の間に配置され前記栓本体9の内外方向に進退可能に取り付けられて上部に係合部16Aを有するボタンであるロックボタン16と、前記蓋体10の回動端に設けられ前記係合部16Aと係合する係合片14と、前記縦壁部18の外側側面上下方向に設けられたガイド部31に挿入されるアーム部32と該アーム部32の下端を連結するストッパ片28を備えたスライドロック17からなり、該スライドロック17は前記ガイド部31に沿って上下方向にスライド可能に設けられ、ストッパ片28は前記ロックボタン16の後部と前記栓本体9との間に挿入される上位置状態でロックボタン16の係合解除方向への動きを規制し、前記アーム部32には係止部として第1の突起部33、第2の突起部34、第3の突起部35が内側方向に設けられ、前記ガイド部31には前記スライドロック17の上位置状態、及び下位置状態でそれぞれ第2の突起部34に対応する係止受け部36が設けられている。
【0053】
この場合、スライドロック17のアーム部32を縦壁部18の外側側面に設けたガイド部31を用いて縦壁部18に上下スライド可能に係止することで、ロック機構12を前後方向に省スペース化することができる。また、アーム部32を比較的長くすることができるため、アーム部32を外側方向へ押し広げて第2の突起部34が係止受け部36を乗り越えるようにスライドロック17がガイド部31に対して上下にスライドする際に十分な弾性が得られ、スライドロック17の係止を安定させることができる。
【0054】
また、ロックボタン16は縦壁部18に設けられたボタン軸としての軸部材19により軸支され、スライドロック17が少なくとも上位置状態である際に、アーム部32により軸部材19が外観から隠されており、軸部材19をスライドロック17のアーム部32が隠すことで、外観性に優れ、且つ、軸部材19が衝撃などで抜け落ちるのを防止できる。
【実施例2】
【0055】
図10〜15は実施例2を示すもので、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。本実施例のロック機構70では、アーム部32の前面がストッパ片28の前面より栓本体9の前後方向前向きに突出するように、アーム部32の前後方向の厚みをストッパ片28の前後方向の厚みより大きく形成している。
【0056】
そして、第1の突起部33、第2の突起部34、第3の突起部35を、アーム部32の内側面後方に形成し、アーム部32の内側面前方を第1の突起部33及び第3の突起部35の各先端部分とほぼ面一に形成した平面状としている。
【0057】
また、アーム部32の内側面後方上部の第1の突起部33から第2の突起部34にかけてアーム部32の左右方向に貫通する上下方向の長孔状のスライド溝71が形成されている。
【0058】
また、軸部材19の両端は、縦壁部18の外側面より突出してスライド溝71に挿通されている。
【0059】
またロック機構70は、図12に示すようなアーム部32の第2の突起部34が縦壁部18の係止受け部36を乗り越えるようにスライドロック17を栓本体9に対して相対的に上昇させて、係止受け部36がアーム部32の第2の突起部34と第3の突起部35の間に配置され、第2の突起部34が係止受け部36に係止することでスライドロック17が上位置状態で保持されるロック状態と、図13に示すようなアーム部32の第2の突起部34が縦壁部18の係止受け部36を乗り越えるようにスライドロック17を栓本体9に対して相対的に下降させて、係止受け部36がアーム部32の第1の突起部33と第2の突起部34の間に配置され、第2の突起部34が係止受け部36に係止するとともに、ストッパ片28の抜け止め部29が栓本体9の抜け止め突起部30に係止され、さらにスライド溝71の上部に軸部材19が当接することでスライドロック17が下位置状態で保持されるロック解除状態との間で、スライドロック17が縦壁部18に上下方向にスライド自在に設けられている。
【0060】
以上のように本実施例では、アーム部32にはスライド溝71が設けられ、軸部材19がスライド溝71に遊嵌されることで、スライドロック17の上下スライド動作のガイドと、スライドロック17を栓本体9と一体化させる両方の効果を軸部材19が担うことで、ロック機構70の更なるコンパクト化を図ることができる。
【実施例3】
【0061】
図16〜25は実施例3を示すもので、前記実施例1及び2と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。本実施例のロック機構80は、蓋体10の円筒状部13の前側下部に設けられた係合片14と、栓本体9の円筒状部15の外側部に設けたロックボタン16と、蓋体10の円筒状部13の外側部にスライド可能に設けられたスライドロック81とを備えている。
【0062】
ロックボタン16は、栓本体9の円筒状部15の前側に設けられた正面視でU字形状或いは上方を開口した倒コ字形状の周壁部82の内側に配置されており、ロックボタン16の上下方向の中間部は軸心が水平な軸部材19により周壁部82の左右一対の縦壁部83に軸支されて、栓本体9の内外方向、すなわち後側と前側に回動可能に取り付けられることで、ロックボタン16はシーソー式に構成されている。
【0063】
前記係合片14は、蓋体閉時において円筒状部13の前方へ水平方向となってやや突設する薄板状であって、その平面視及び正面視は矩形、ほぼ水平であって、その上部には突設平坦面84が設けられている。
【0064】
係合片14の両端には、左右一対の蓋体側縦壁部85が設けられている。そして、周壁部82にロックボタン16が縦向きに配置されると共に、このロックボタン16の上端に設けられた係合部16Aは後ろ向きの爪状となって閉蓋体状態の係合片14と対向して、係合部16Aと係合片14は係合できるようになっている。
【0065】
スライドロック81は、上部にストッパ片86を備え、ストッパ片86の左右両端から下向きに延設された左右一対のアーム部87を備えた正面視で逆U字形状或いは下方を開口した倒コ字形状である。
【0066】
そして、ロックボタン16における係合部16Aと押圧操作部23との中間には軸受部24が設けられており、また、縦壁部83の上部に貫通部88を備えている。これら軸受部24と貫通部88に軸部材19が貫通することで、ロックボタン16は軸部材19を回転中心として回動できるようになっている。
【0067】
ロックボタン16の前側上部には、段差状に凹設されたボタン側係合受部89が形成されている。また、ストッパ片86の前側下部には、下方に突設したストッパ側係合部90が形成されている。そして、ボタン側係合受部89にストッパ側係合部90が係合することで、ロックボタン16は係合解除方向への動きを規制でき、一方スライドロック81のストッパ片86を上位置となる非係合位置へスライド移動したときにロックボタン16の係合解除方向への動きの規制を解除することができるようになっている。
【0068】
また、突設平坦面84には、スライドロック81のストッパ片86の後部に凹設された抜け止め部91が係止可能な抜け止め突起部92が前方へ突起状に設けられている。
【0069】
また、アーム部87の外側面及び上面に掛けて連続して凹設され、スライドロック81の上下方向案内路を形成する凹溝状のガイド部93が設けられている。このスライドロック81は、一対のアーム部87を外側面側のガイド部93に、そしてストッパ片86を上面側のガイド部93にそれぞれ蓋体側縦壁部85に対して嵌合可能に形成されている。
【0070】
アーム部87の内側面には、下から順に第1の突起部94、第2の突起部95が所定間隔を有して内向きに突設されている。尚、第1の突起部94は、第2の突起部95より突出する量を小さく形成されている。
【0071】
また、蓋体側縦壁部85の外側面側におけるガイド部93内には、外向きに突設され、第1の突起部94及び第2の突起部95に係止可能な係止受け部96を備えている。
【0072】
またロック機構80は、図20に示すようなアーム部87の第1の突起部94がガイド部93の係止受け部96を乗り越えるようにスライドロック81を蓋体10に対して相対的に下降させて、係止受け部96がアーム部87の第1の突起部94と第2の突起部95の間に配置され、第2の突起部95が係止受け部96に係止することでスライドロック81が下位置状態で保持されるロック状態と、図21に示すようなアーム部87の第1の突起部94がガイド部93の係止受け部96を乗り越えるようにスライドロック81を蓋体10に対して相対的に上昇させて、係止受け部96がアーム部87の第1の突起部94の下部に配置され、ストッパ片86の係止部91が蓋体10の係止受け部92に係止することで抜け止めした状態で、スライドロック81が上位置状態で保持されるロック解除状態との間で、スライドロック81が蓋体側縦壁部85に上下方向にスライド自在に設けられている。
【0073】
尚、ロック状態ではボタン側係合受部89にストッパ側係合部90が係合しており、ロックボタン16の押圧操作が規制されており、ロック解除状態ではボタン側係合受部89とストッパ側係合部90の係合が解除されており、ロックボタン16は押圧操作可能となっている。
【0074】
また、ロック状態では、蓋体側縦壁部85の上部とアーム部87の上部がほぼ面一に揃えされるとともに、蓋体10を正面側から見てアーム部87が蓋体側縦壁部85にほぼ完全に被覆されるように収容される。また、ストッパ片86の下部には、前方に突設されたスライド操作部97が設けられている。
【0075】
このように構成された栓体4は、ロック機構80をロック解除状態とし、ロックボタン16の押圧操作部23を内側へ押すと、ロックボタン16の係合部16Aは蓋体10の係合片14との係止が解除され、蓋体10は、蓋開閉用ヒンジ軸11まわりの弾性部材であるコイルスプリング(図示せず)の付勢力にて上方に回動して開き、栓本体9の前側、すなわち栓本体9の縦方向の仮想した中心軸線17を中心としたとき蓋開閉用ヒンジ軸11と反対側にある飲み口38に唇をつけて飲料用容器1を傾けることにより、容器本体2内の飲料を直接飲むことができる。
【0076】
以上のように本実施例では、飲料用容器本体である容器本体2の上部開口部である容器口部3に被着され内部に液通孔45を有する栓本体9と、前記栓本体9の一端にヒンジ軸支され、前記栓本体9の液通孔45を開閉自在に開閉する蓋体10と、前記栓本体9の他端で前記蓋体10を閉状態に保持するロック機構80を備えた飲料用容器1の栓体4において、前記ロック機構80は、前記蓋体10の回動端に設けられた係合片14と、前記係合片14の左右に設けられた左右一対の縦壁としての蓋体側縦壁部85と、前記栓本体9の他端に設けられ前記栓本体9の内外方向に進退可能に取り付けられて上部に前記蓋体10の係合片14と係合する係合部16Aを有するボタンとしてのロックボタン16と、蓋体側縦壁部85の外側側面上下方向に設けられたガイド部93に挿入されるアーム部87と、前記アーム部87の上端を連結するスライド操作部97を備えたスライドロック81からなり、該スライドロック81は前記ガイド部93に沿って上下方向にスライド可能に設けられると共に下位置状態でロックボタン16の前側上部を被覆してロックボタン16の係合解除方向への動きを規制するストッパ片86を有し、前記アーム部87には係止部として第1の突起部94、第2の突起部95が内側方向に設けられ、前記ガイド部93には前記スライドロック81の上位置状態、及び下位置状態でそれぞれ第1の突起部94、第2の突起部95に対応する係止受け部96が設けられている。
【0077】
この場合、スライドロック81のアーム部87を蓋体側縦壁部85の外側側面に設けたガイド部93を用いて蓋体側縦壁部85に上下スライド可能に係止することで、ロック機構80を前後方向に省スペース化することができる。また、アーム部87を比較的長くすることができるため、アーム部87を外側方向へ押し広げて第1の突起部94が係止受け部96を乗り越えるようにスライドロック81がガイド部93に対して上下にスライドする際に十分な弾性が得られ、スライドロック17の係止を安定させることができる。また、ロックボタン16とスライドロック81を栓本体9と蓋体10で分けることでそれぞれの操作部を比較的大きくできるので、操作性が向上する。
【0078】
また、前記スライドロック81が上位置であるとき、スライドロック81の上端部が蓋体10の上端部よりも下方にあることにより、蓋体10の上端部を押して蓋体閉動作をする際に誤ってスライドロック81を操作してしまうことを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上のように本発明に係る飲料用容器は、各種の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0080】
1 飲料用容器
2 容器本体
3 容器口部
9 栓本体
10 蓋体
12 ロック機構
14 係合片
16 ロックボタン
16A 係合部
17 スライドロック
18 縦壁部
19 軸部材
28 ストッパ片
31 ガイド部
32 アーム部
33 第1の突起部(係止部)
34 第2の突起部(係止部)
35 第3の突起部(係止部)
36 係止受け部
37 スライド操作部
45 液通孔
70 ロック機構
71 スライド溝
80 ロック機構
81 スライドロック
85 蓋体側縦壁部
86 ストッパ片
87 アーム部
93 ガイド部
94 第1の突起部(係止部)
95 第2の突起部(係止部)
96 係止受け部
97 スライド操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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