(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955904
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】発電所中央制御室
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20160707BHJP
G21C 17/00 20060101ALN20160707BHJP
【FI】
F21S8/02 410
!G21C17/00 W
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-156299(P2014-156299)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-33877(P2016-33877A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2015年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】灘 晃洋
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼田 正徳
【審査官】
當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭56−096404(JP,A)
【文献】
特開2008−117718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
G21C 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電プラントを監視、操作するためのモニタが複数配設され、スポット的に下方を照らすダウンライトが天井に複数配設されて、所定の照明空間が施された発電所中央制御室であって、
前記ダウンライトが前記モニタの画面に映り込むのを防止する遮光体が、前記ダウンライトに配設され、
前記遮光体は、複数の遮光板が格子状に配設され、各格子の前記モニタに対向する側面が、該側面と直交する側面よりも長くなるように構成され、前記遮光板の高さが前記天井の高さに基づき、前記ダウンライトが前記モニタの画面に映り込むのを防止する高さに形成されている、
ことを特徴とする発電所中央制御室。
【請求項2】
前記遮光体は、黒色に着色されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の発電所中央制御室。
【請求項3】
所定の照度が得られるように前記遮光板が形成および配設されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の発電所中央制御室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発電所の中央制御室に関し、特に、ダウンライトが複数配設された発電所中央制御室に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、店舗や展示場などにおいては、天井に埋め込められたダウンライトが複数配設され、所定の遮光角で商品や展示物などを集中的に照射している。また、ワット数が異なる(発光管の長さが異なる)ランプを取り付けても、同じ遮光角が得られて効率がよい、というダウンライトが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このダウンライトは、ランプホルダの位置を上下に移動させるソケット取付金具とソケット台とを設け、ランプホルダを移動させることで、ランプの下端遮光角を一定に保てるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2003−308722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、原子力発電所の中央制御室は、近年、従来のハード機器がディスプレイ化・ビジュアル化され、さらに、コンパクト化と集中化を図ることで、運転員が着座したままで移動することなく、監視や操作が行えるようになった。しかしながら、運転員が同一姿勢を長時間継続しなければならないため、疲労・負担が大きく、また、集中力が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、このような疲労や集中力の低下などを軽減するために、ダウンライトを含む多様な照明機器を組み合わせて中央制御室に配置することで、快適性や緊張感、落ち着き感などを与えるような演出・デザインが行われている。しかしながら、天井からスポット的に照らすダウンライトを使用する場合、
図5に示すように、ダウンライト101がモニタ102の画面に映り込む場合がある。そして、このような映り込みがあると、運転員Mの視認性の低下や視覚疲労などを誘発して、発電プラントの運転に支障をきたすおそれがあった。
【0006】
そこでこの発明は、ダウンライトがモニタに映り込むことがなく、視認性の低下や視覚疲労などを誘発しない発電所中央制御室を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、発電プラントを監視、操作するためのモニタが複数配設され、スポット的に下方を照らすダウンライトが天井に複数配設されて、所定の照明空間が施された発電所中央制御室であって、前記ダウンライトが前記モニタの画面に映り込むのを防止する遮光体が、前記ダウンライトに配設さ
れ、前記遮光体は、複数の遮光板が格子状に配設され、各格子の前記モニタに対向する側面が、該側面と直交する側面よりも長くなるように構成され、前記遮光板の高さが前記天井の高さに基づき、前記ダウンライトが前記モニタの画面に映り込むのを防止する高さに形成されている、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発電所中央制御室において、前記遮光体は、
黒色に着色されている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の発電所中央制御室において、所定の照度が得られるように前記遮光板が形成および配設されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、ダウンライトがモニタの画面に映り込むのを防止する遮光体がダウンライトに配設されているため、ダウンライトがモニタに映り込むことがなく、視認性の低下や視覚疲労などを誘発しない。しかも、複数のダウンライトが配設されて、所定の照明空間が施されている。このようにして、ダウンライトによって快適性や緊張感、落ち着き感などを確保した上で、ダウンライトがモニタに映り込むことによる視認性の低下などを防止して、発電プラントを円滑に運転することが可能となる。
また、遮光体の各格子のモニタに対向する側面(横側面)が、この側面と直交する側面(縦側面)よりも長く構成され、遮光板の高さが天井の高さに基づいて形成されているため、ダウンライトがモニタに映り込むのを横側面によって効果的に防止、抑制することが可能になるともに、縦側面によってダウンライトからの光がより効果的に照射されるため、所定の照明空間を確保することが可能となる。
【0011】
請求項2の発明によれば、
遮光体が黒色に着色されているため、遮光性を高めることが可能となる。
【0012】
請求項3の発明によれば、中央制御室において所定の照度が得られるように遮光板が形成および配設されているため、所定の照明空間をより適正に形成して、快適性や緊張感、落ち着き感などをより形成、確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明の実施の形態に係る発電所中央制御室を示す正面図である。
【
図2】
図1の発電所中央制御室を示す平面図である。
【
図3】
図1の発電所中央制御室のダウンライトを示す(a)正面図(半断面図)と(b)平面図である。
【
図4】
図3のダウンライトの遮光体の高さが、(a)低い場合の光の経路を示す図と、(b)高い場合の光の経路を示す図である。
【
図5】従来の発電所中央制御室を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0015】
図1は、この発明の実施の形態に係る発電所中央制御室1を示す正面図である。この発電所中央制御室1は、発電プラントを監視、操作するためのモニタ2が複数配設され、スポット的に下方を照らすダウンライト3が天井4に複数配設されて、所定の照明空間が施された原子力発電所の中央制御室であり、ダウンライト3がモニタ2の画面21に映り込むのを防止、抑制する遮光体5が、ダウンライト3に配設されている。
【0016】
すなわち、まず、
図2に示すように、発電プラントを監視、操作するためのモニタ2が複数配設されている。具体的に、この実施の形態では、モニタ2が複数横並びに配置された列が、複数列配置され、さらに、この列群の前方に、複数のモニタ2が円弧状に配置されている。そして、これらのモニタ2に対して、各モニタ2を使用する運転員Mの人数に応じた数の椅子22が配置されている。
【0017】
各ダウンライト3は、
図1に示すように、天井4内に配設されてスポット的に下方を照らすライトである。このダウンライト3は、
図3に示すように、光を反射する反射板で構成されたお椀状(ドーム状)の反射体31の内側に、ランプ(光源)32が望むように配設されている。このランプ32は、円柱状で、軸心が垂直に延びるように配設され、スポット的に下方を照らすようになっている。また、反射体31の開口縁は、円形となっている。
【0018】
そして、このようなダウンライト3を含む照明機器が、室内に所定の照明空間が形成されるように複数配設されている。すなわち、各モニタ2の配置位置・レイアウトに基づいて、運転員Mに対して快適性や緊張感、落ち着き感などを与えて、疲労や集中力の低下などを軽減できるような照明空間・照明デザインが室内に演出されるように、各ダウンライト3の配置位置や配置数、ランプ32の輝度・明度などが設定されている。
【0019】
遮光体5は、ダウンライト3がモニタ2の画面21に映り込むのを防止、抑制するために、ダウンライト3に配設されているものである。一方、遮光体5を取り付けなくても、モニタ2の画面21に映り込むことがないダウンライト3に対しては、
図1に示すように、素通しの枠体6が配設されている。
【0020】
この遮光体5は、
図3に示すように、円環状の取付枠51内に、長方形状の複数の遮光板52が、その板面が垂直に延びて、格子状に配設されている。そして、取付枠51の取付ボルト53をダウンライト3のネジ穴に締め込んだり外したりすることで、遮光体5をダウンライト3に対して同軸に着脱自在となっている。さらに、一端部が遮光体5に取り付けられた吊り紐54の他端部をダウンライト3に取り付けることで、遮光体5が不用意に落下するのを防止するようになっている。
【0021】
ここで、遮光板52は、遮光性を高めるために全表面が黒く着色され、また、各格子のモニタ2に対向する側面(横側面K1)が、この側面と直交する側面(縦側面K12)よりも長くなるように、格子状に配設されている。すなわち、遮光板52を格子状に配設して形成される各格子が、長方形状となり、その長辺と短辺の比(横側面K1と縦側面K12の比)が2:1になっている。そして、横側面K1がモニタ2の画面21に対向するように、遮光板52が配設されている。
【0022】
また、遮光板52の高さhは、各モニタ2と各ダウンライト3の配設位置・配設関係やダウンライト3の配設高さH(
図1参照)などに基づいて、ダウンライト3がモニタ2の画面21に映り込まないように設定されている。すなわち、
図4(a)に示すように、遮光板52の高さhが低い場合には、遮光体5を通過する光の一部の放射角θは、小さい鋭角となり、ダウンライト3から比較的遠い位置まで光が届く。一方、
図4(b)に示すように、遮光板52の高さhが高い場合には、遮光体5を通過する光の放射角θは、直角に近くなり、ダウンライト3の真下付近に光が届く。
【0023】
そして、このような直接光の到達範囲を考慮して、ダウンライト3(光源)がモニタ2の画面21に映り込まないように、遮光板52の高さhが設定されている。従って、各モニタ2と各ダウンライト3の配設関係などによっては、すべての遮光体5で遮光板52の高さhが同一に設定される場合もあるし、各遮光体5で遮光板52の高さhが異なる場合もある。
【0024】
さらに、このようにしてダウンライト3がモニタ2に映り込まないようにした上で、室内で所定の照度・明度が得られるように、遮光板52が形成および配設されている。すなわち、ダウンライト3がモニタ2に映り込まないように遮光しつつ、かつ、室内で所定の照度が得られて上記のような照明空間が形成されるように、遮光板52の高さhや格子形状などが設定されている。例えば、
図4(b)に示すように、遮光板52の高さhが高い場合には、
図1に示すように、ダウンライト3から離れた(真下にない)モニタ2への映り込みを防止できるが、遮光板52の高さhが高すぎると所定の照度が得られなくなる。このため、映り込みを防止できる範囲で、できるだけ遮光板52の高さhが低く設定されている。
【0025】
換言すると、このような遮光体5による遮光作用・効果を考慮した上で、発電所中央制御室1内で所定の照明空間(照度を含む)が形成されるように、各ダウンライト3の配置位置や配置数、ランプ32の輝度・明度および遮光板52の高さhや格子形状、さらには、枠体6の配設位置などが設定されている。ここで、
図1では、構成をわかりやすくするために、遮光体5や枠体6が天井4から突出して図示されているが、
図3に示すように、遮光体5や枠体6は天井4内に位置する。
【0026】
以上のように、この発電所中央制御室1によれば、ダウンライト3(光源)がモニタ2の画面21に映り込むのを防止する遮光体5がダウンライト3に配設されているため、ダウンライト3がモニタ2に映り込むことがなく、運転員Mの視認性の低下や視覚疲労などを誘発しない。しかも、各遮光板52の全表面が黒く着色されているため、ダウンライト3がモニタ2に映り込むのをより効果的に防止、抑制することができる。一方、複数のダウンライト3が配設されて、所定の照明空間が施されている。このようにして、ダウンライト3によって快適性や緊張感、落ち着き感などを確保した上で、ダウンライト3がモニタ2に映り込むことによる視認性の低下などを防止して、発電プラントを円滑に運転することが可能となる。
【0027】
また、遮光体5の各格子のモニタ2に対向する横側面K1が、この横側面K1と直交する縦側面K2よりも長く(2倍に)構成されている。このため、ダウンライト3がモニタ2に映り込むのを横側面K1によって効果的に防止、抑制することが可能になるとともに、縦側面K2によってダウンライト3からの光がより効果的に照射されるため、所定の照明空間を確保することが可能となる。
【0028】
さらに、発電所中央制御室1において所定の照度が得られるように遮光板52が形成および配設されているため、所定の照明空間をより適正に形成して、快適性や緊張感、落ち着き感などをより形成、確保することが可能となる。
【0029】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、各格子が長方形状になるように遮光板52が配設されているが、遮光の方向(モニタ2の位置)などに応じて、各格子が菱形状や三角形状などになるように遮光板52を配設してもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 発電所中央制御室
2 モニタ
21 画面
3 ダウンライト
31 反射体
32 ランプ(光源)
4 天井
5 遮光体
51 取付枠
52 遮光板
53 取付ボルト
54 吊り紐
6 枠体
M 運転員