【実施例】
【0028】
図1は、本発明に使用される電気温熱刺激装置を示す概略図である。
図2は、
図1の電気温熱刺激装置の回路図の概略図である。
【0029】
図において、電気温熱刺激装置は、制御機能を組み込んだ装置本体10と、装置本体10と導線12で接続された熱刺激用導子14とを備える。装置本体10は、熱刺激パターンを記憶する記憶手段16と、記憶手段16から熱激パターンを読出する制御手段(CPU)18と、熱刺激用導子14に熱刺激パターンを供給する出力手段20を備える。熱刺激パターンに従って上記部位内に熱刺激が導入される。
【0030】
制御手段(CPU)18は、記憶手段16に接続されている。記憶手段16は、艾(もぐさ)の燃焼と同等の刺激具合を得るための熱刺激波形が記憶されている。制御手段(CPU)18は、前記記憶手段16から熱刺激波形を読み出し、温度センサ22の検出に基づいて発熱素子への出力を制御して、熱刺激パターンを熱刺激用導子に出力する。
【0031】
装置本体10は、異なる少なくとも2ヶ所の部位に上述した部位に熱刺激波形を供給するための複数個の熱刺激用導子に接続される。かくして、選択された熱刺激波形が、熱刺激用導子を介して体表面の部位に供給される。
【0032】
前記刺激付与起源部位は、左右の足裏の第1と第2指中足骨頭間の部位、第2と第3指中足骨頭間の部位及び第1と第2の指間で内側辺縁の延長線上で内踝の垂線と交叉する部位の少なくとも2ヶ所である。
【0033】
図3は、上述の電気式温熱刺激装置を制御して得られた熱刺激波形及び熱刺激波形のサイクルを示す概略図である。
【0034】
温熱刺激装置は、熱刺激制御装置を備え、熱刺激制御装置は、熱刺激波形、加熱温度、熱刺激強度、温熱印加時間、温刺激波形のサイクル、熱刺激パターン、加温モード、熱刺激のプロトコールの少なくとも1つを制御する。制御の情報は、熱刺激用導子から出力される。
【0035】
熱刺激制御装置は、上記の制御情報により、手関節内側中央部に装着されたレーザードップラー組織血流計で測定して得られる温熱刺激付与の前後における血流量の増加率を60%以上、好ましくは100%以上を生成し、かつ該熱刺激パターンを実質的に互いに重なり合わないように位相をずらして独立した熱刺激波形を生成する。ここで前記血流量の増加率を該刺激付与の指標とする。
【0036】
熱刺激波形30は、所定のピーク温度;50±5℃まで温度に加熱して得られる加熱波形32と、ピーク温度に達したら加熱をオフにして形成される放熱波形34とを備える。加熱波形32と放熱波形34で囲まれた領域は、熱刺激領域36である。熱刺激領域36は、加熱領域熱38と放熱領域40を備える。波形32は、所定のピーク温度;50±5℃まで温度を加熱して得られる凸型状を有する。加熱波形は、凸型状波形以外に直線状の加熱波形、あるいは凹型波形、ノコギリ状、凹凸状であってもよい。
【0037】
ここで、放熱波形は、加熱波形の立ち上がり角度(水平線を基準に対して)をαとし、加熱をオフにして得られる放熱波形の立ち下り角度(ピーク温度点の垂線を基準に対して)をβとすると、β<αを備える領域を備えることが好ましい。
【0038】
熱刺激強度は、熱刺激領域を可変して得られる。熱刺激強度は、熱刺激領域の面積を大きく、ピーク温度を高く、加熱波形の立ち上がりの勾配を大きくすることにより得られる。
【0039】
熱刺激パターンは、加熱波形32と放熱波形34を備える熱刺激領域36と次の熱刺激領域36との間にインターバルを備える第1熱刺激パターン38と、前記第1の熱刺激パターンと位相をずらして形成される第2の熱刺激パターン40を備える。
【0040】
熱刺激パターンの1サイクルは、熱刺激領域;10秒から30秒、該熱領域間のインターバル;1秒から10秒に設定されることが好ましい。熱刺激パターンは、実質的に互いに重なり合わない位相のずれた独立した熱刺激領域を備える。そして、熱刺激パターンのサイクルは、10分から30分繰り返えされることが好ましい。
【0041】
温度センサは、人体の部位に接触するハウジングの所定の位置に設けられ、その位置の温度を検出してセンサアンプに検出信号を与える。制御手段(CPU)は、人体の皮膚表面に接触する温度が所定の温度を超えないように電力発生回路の出力を制御する。温熱装置は、熱刺激用導子の表面温度を40℃から50℃±5℃に制御する。
【0042】
温度センサで検出される発熱素子による加熱温度が、所望の基準温度以下のときに、温度センサの出力に応じてパルス信号の正側期間を長く、負側期間を短くなるように制御し、また基準温度状態では逆に正側期間を短く、負側期間を長くなるように制御する。
【0043】
装置本体10は、異なる少なくとも2ヶ所の上述した部位に熱刺激パターンを供給するための複数個の熱刺激用導子に接続される。かくして、選択された熱刺激パターンが、熱刺激用導子を介して上述した部位に供給される。
【0044】
温度センサ22は、発熱素子の近傍で患部温度に対して相関のある位置に設ける。熱刺激用導子は、以下の構造を備える。熱刺激用導子14は、装置本体を構成するケーシングと、ケーシング内に熱刺激を加えるための温熱源となるヒータと、ヒータの熱を被使用者の皮膚に伝えるためのケーシングの下面に設けられた熱伝導板と、ケーシングの上面に設けられた密封板とを備える。
【0045】
温度センサは、人体の部位に接触するハウジングの所定の位置に設けられ、その位置の温度を検出してセンサアンプに検出信号を与える。制御手段(CPU)は、人体に皮膚表面接触する温度が所定の温度を超えないように電力発生回路の出力を制御する。
【0046】
温度センサで検出される発熱素子による加熱温度が所望の基準温度以下のときは、温度センサの出力に応じてパルス信号の正側期間を長く、負側期間を短くなるように制御し、また基準温度状態では逆に正側期間を短く、負側期間を長くなるように制御する。
【0047】
熱刺激用導子の熱伝導板は、以下の材料が用いられ、これら材料の少なくとも2種類の熱伝導率の異なる材料で構成される。室温付近での材料の熱伝導率(単位;W・m
-1・K
-1)は以下の通りであり、熱伝導率の異なる少なくとも2つの材料を組み合わせて使用する。
【0048】
カーボンナノチューブ;3000〜5500、ダイヤモンド;1000〜2000、銀;420、銅;398、金;320、アルミニウム;236、シリコン;168、真鍮;106、鉄;84、白金;70、ステンレス鋼;16.7〜20.9、ガラス;1、エポキシ樹脂;0.21、シリコーンゴム;0.16である。
【0049】
熱伝導率の異なる材料の組み合わせとしては、アルミニウムと金、銅、白金、ステンレス鋼、又はダイヤモンドとのいずれかの組合せ、ステンレス鋼とダイヤモンド、金、又は白金等の組合せが考えられる。これらの組み合わせに限定されるものではない。なお、例えば、精神的ストレスレベルが高いほど、熱伝導率の差が大きい組み合わせが好ましい。
【0050】
被験者は成人男女を対象とする。刺激付与部位に上記の電気式温熱装置を使用して温熱刺激を行なった。プローブは直径10mmでピーク温度50±5℃を15分、温熱刺激を行なうよう設定をする。プローブを以下の温熱刺激部位の体表面に設けて体表面の温度を40℃〜50℃で温熱刺激を行なった。
【0051】
電気温熱刺激装置の温熱制御操作を以下に記載する。
上述した温熱刺激部位の2ヵ所に
熱刺激用導子を固定する場合を説明する。2個の
熱刺激用導子を選択した2ヶ所の部位に固定し、温熱刺激部位装置に電源を入れる。ここで、
熱刺激用導子の温度の設定及び刺激付与の仕方について温熱刺激部位が2ヵ所の場合を、
図4を参照して説明する。
熱刺激用導子1及び2を使用する。温度設定スイッチで温度を調節する。スイッチを押す毎に1−2−3−4−5の順に温度が46.5℃から52.5℃に制御される。
【0052】
加温のモードとして交互モード・順次モードを選択する、モード選択機能を備えるモード選択ボタンが設置されている。交互モードでは、2個の
熱刺激用導子1、2がそれぞれ交互に加温・休止を繰り返す。順次モードでは、2つの
熱刺激用導子が順番に1つずつ加温を繰り返す。かくして、加温(温熱)が、2ヶ所の異なる部位に非同時に互いに独立して供給される。4ヶ所の部位を加温(温熱)するには、4個の
熱刺激用導子を使用する。また、加温間隔のインターバル(時間)モードが選択できる。交互モードを選択し、その後インターバル(時間)モード「短・中・長」を選択する。例えば、交互モードと短では、
熱刺激用導子1と2を交互に加温した5秒後(中では10秒後、長では15秒後)に休止します。順次モードと短では、
熱刺激用導子1と2は、7.5秒間隔で順次に加温される。
【0053】
刺激付与起源部位は、左右の足裏の(i)第1と第2指中足骨頭間の部位、(ii)第2と第3指中足骨頭間の部位及び(iii)第1と第2の指間で内側辺縁の延長線上で内踝の垂線と交叉する部位の少なくとも2ヶ所である。そして、この選択された部位に温熱刺激が与えられる。この部位の位置を
図5に示す。これら刺激付与起源部位は、血流量の増加が図られると共に深部体温の上昇等の上述した刺激による効用が得られる部位である。
【0054】
少なくとも2つ刺激付与起源部位の組合せは、(i)と(ii)、(i)と(iii)、(ii)と(iii)、さらに左右の足の(i)、左右の足の(ii)、右の足の(iii)等である。そして、これら組合せの刺激付与起源部位に非同時に互いに独立して刺激が付与される。
【0055】
自律神経を介する精神性ストレスへの影響を考慮して、被験者を20分間仰臥位の状態で安静にした。この後、刺激直前に血圧、深部体温、唾液アミラーゼ、ハートレーター(動脈年齢)を計測する。その後温熱刺激を15分間行い、刺激直後に再測定する。
【0056】
熱刺激のプロトコールを
図6に示す。安静仰臥位で血圧等の検査・測定、採血し、その後熱刺激を付与する。その後、安静仰臥位で血圧等の検査・測定、採血する。
【0057】
表1は、上記温熱刺激部位に電気温熱刺激装置を用いて温熱刺激を付与し、レーザードップラー組織血流計を用いて手関節横紋の中央部の刺激付与の前後の血流量を測定した結果を示す。表より、刺激の付与の前後で血流量の増加が認められた。該表より血流の増加率;60%以上、好ましくは120%以上で治療効果が顕著であった。
【0058】
【表1】
【0059】
上記温熱刺激部位での血流量の増加に伴い、深部体温の上昇(+2.1)。収縮期血圧の低下(−4.5)、唾液アミラーゼの低減、コルチゾールの減少、肝機能の改善、総コレステロールの減少、善玉並びに悪玉コレステロールの低下、血糖値の低下(−5.25)、AI(動脈硬化指数)の低下(−0.02)、レプチンの減少が達成された。ハートレーターにより自律神経のバランスを計測した結果、ストレス抵抗度が増加した(+12.25)。