(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955950
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】同相フィードバックを備えた広帯域幅C級増幅器
(51)【国際特許分類】
H03F 1/34 20060101AFI20160707BHJP
H03F 3/45 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
H03F1/34
H03F3/45 B
【請求項の数】20
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-513690(P2014-513690)
(86)(22)【出願日】2012年5月31日
(65)【公表番号】特表2014-515588(P2014-515588A)
(43)【公表日】2014年6月30日
(86)【国際出願番号】US2012040178
(87)【国際公開番号】WO2012166897
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2015年5月21日
(31)【優先権主張番号】13/149,376
(32)【優先日】2011年5月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ピー ギンスバーグ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィジェイ ビー レンタラ
(72)【発明者】
【氏名】スリナス ラマスワミ
(72)【発明者】
【氏名】バヘル ハルーン
(72)【発明者】
【氏名】ウニョン ソク
【審査官】
緒方 寿彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−297762(JP,A)
【文献】
特開平07−007340(JP,A)
【文献】
特開2006−352607(JP,A)
【文献】
特開2010−273009(JP,A)
【文献】
特開平09−321555(JP,A)
【文献】
特開平09−331363(JP,A)
【文献】
特開平05−283952(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0195311(US,A1)
【文献】
米国特許第4904953(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/00− 3/45、3/50− 3/52、
3/62− 3/64、3/68− 3/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動出力端子の第1の対を有し、且つ、同相電流を提供する、入力回路と、
出力回路と、
を含む装置であって、
前記出力回路が、
出力端子の第2の対と、
前記差動出力端子の前記第1の対と前記出力端子の第2の対とに結合され、且つ、レジスタネットワークを含む、第1の増幅器と、
感知された同相電流と参照電圧とから制御電圧を生成するように前記レジスタネットワークに結合される第2の増幅器と、
前記制御電圧を受け取るように前記第2の増幅器に結合され、且つ、前記同相電流が所定の閾値より小さいときに第1のフィードバック電流を前記レジスタネットワークに提供するように結合される、第1の同相フィードバック回路と、
前記制御電圧を受け取るように前記第2の増幅器に結合され、且つ、前記同相電流が所定の閾値より大きいときに第2の電流を前記差動出力端子の第1の対に提供するように結合される、第2の同相フィードバック回路と、
を有する、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記装置が供給レールを更に含み、
前記第1の同相フィードバック回路が、
第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有するトランジスタであって、前記トランジスタの前記第1の受動電極が前記供給レールに結合され、前記トランジスタの前記第2の受動電極が前記レジスタネットワークに結合され、前記トランジスタの前記制御電極が前記第2の増幅器に結合される、前記トランジスタと、
前記トランジスタの前記制御電極と前記第2の受動電極との間に結合されるキャパシタと、
を更に含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記トランジスタが第1のトランジスタを更に含み、
前記第2の同相フィードバック回路が、
第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第2のトランジスタであって、前記第2のトランジスタの前記第1の受動電極が前記供給レールに結合され、前記第2のトランジスタの前記制御電極が前記第2の増幅器に結合され、前記第2のトランジスタの前記第2の受動電極が、前記差動出力端子の第1の対からの第1の出力端子に結合される、前記第2のトランジスタと、
第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第3のトランジスタであって、前記第3のトランジスタの前記第1の受動電極が前記供給レールに結合され、前記第3のトランジスタの前記制御電極が前記第2の増幅器に結合され、前記第3のトランジスタの前記第2の受動電極が、前記差動出力端子の第1の対からの第2の出力端子に結合される、前記第3のトランジスタと、
を更に含む、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、
前記第1の増幅器が、
第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第4のトランジスタであって、前記第4のトランジスタの前記第1の受動電極が前記レジスタネットワークに結合され、前記第4のトランジスタの前記第2の受動電極が、前記差動出力端子の第1の対からの前記第1の出力端子に結合される、前記第4のトランジスタと、
第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第5のトランジスタであって、前記第5のトランジスタの前記第1の受動電極が前記レジスタネットワークに結合され、前記第5のトランジスタの前記第2の受動電極が、前記差動出力端子の第1の対からの前記第2の出力端子に結合され、前記第5のトランジスタの前記制御電極が、前記第4のトランジスタの前記制御電極に結合される、前記第5のトランジスタと、
前記第4のトランジスタの前記第2の受動電極に結合される第1の電流ミラーと、
前記第5のトランジスタの前記第2の受動電極に結合される第2の電流ミラーと、
を更に含む、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
前記装置が、前記所定の閾値を設定するように前記第1のトランジスタの前記制御電極と前記第2の増幅器との間に結合される調節回路を更に含む、装置。
【請求項6】
請求項4に記載の装置であって、
前記第1、第2、第3、第4及び第5のトランジスタがバイポーラトランジスタを含む、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
前記第1、第2及び第3のトランジスタがPNPトランジスタを含み、前記第4及び第5のトランジスタがNPNトランジスタを含む、装置。
【請求項8】
差動出力端子の第1の対を有し、且つ、同相電流を提供する、入力回路と、
出力回路と、
を含む装置であって、
前記出力回路が、
出力端子の第2の対と、
前記差動出力端子の第1の対と前記出力端子の第2の対とに結合され、且つ、レジスタネットワークを含む、コモンゲート増幅器と、
感知された同相電流と参照電圧とから制御電圧を生成するように前記レジスタネットワークに結合されるフィードバック増幅器と、
前記制御電圧を受け取るように前記フィードバック増幅器に結合され、且つ、前記同相電流が所定の閾値より小さいときに第1のフィードバック電流を前記レジスタネットワークに提供するように結合される、第1の同相フィードバック回路と、
前記制御電圧を受け取るように前記フィードバック増幅器に結合され、且つ、前記同相電流が所定の閾値より大きいときに第2の電流を前記差動出力端子の第1の対に提供するように結合される、第2の同相フィードバック回路と、
を有する、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、
前記装置が供給レールを更に含み、
前記第1の同相フィードバック回路が、
MOSトランジスタであって、そのソースで前記供給レールに、そのドレインで前記レジスタネットワークに、そのゲートで前記フィードバック増幅器に結合される、MOSトランジスタと、
前記MOSトランジスタの前記ゲートとドレインとの間に結合されるキャパシタと、
を更に含む、装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、
前記MOSトランジスタが第1のMOSトランジスタを更に含み、
前記第2の同相フィードバック回路が、
第2のMOSトランジスタであって、そのソースで前記供給レールに、そのゲートで前記フィードバック増幅器に、そのドレインで前記差動出力端子の第1の対からの第1の出力端子に結合される、第2のMOSトランジスタと、
第3のMOSトランジスタであって、そのソースで前記供給レールに、そのゲートで前記フィードバック増幅器に、そのドレインで前記差動出力端子の第1の対からの第2の出力端子に結合される、第3のMOSトランジスタと、
を更に含む、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、
前記コモンゲート増幅器が、
第4のMOSトランジスタであって、そのドレインで前記レジスタネットワークに、そのソースで前記差動出力端子の第1の対からの前記第1の出力端子に結合される、第4のMOSトランジスタと、
第5のMOSトランジスタであって、そのドレインで前記レジスタネットワークに、そのソースで前記差動出力端子の第1の対からの前記第2の出力端子に、そのゲートで前記第4のMOSトランジスタのゲートに結合される、第5のMOSトランジスタと、
前記第4のMOSトランジスタの前記ソースに結合される第1の電流ミラーと、
前記第5のMOSトランジスタの前記ソースに結合される第2の電流ミラーと、
を更に含む、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記第1、第2及び第3のトランジスタがPMOSトランジスタを更に含み、前記第4及び第5のトランジスタがNMOSトランジスタを更に含む、装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置であって、
前記レジスタネットワークが、
前記第4及び第5のMOSトランジスタの前記ドレイン間に結合され、且つ、前記第1のMOSトランジスタの前記ドレインに結合される、第1のディバイダと、
前記第4及び第5のMOSトランジスタの前記ドレイン間に結合される第2のディバイダと、
前記第4及び第5のMOSトランジスタの前記ドレイン間に結合され、且つ、前記フィードバック増幅器に結合される、第3のディバイダと、
を更に含む、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
前記第1のディバイダが、互いに直列に結合され、且つ、前記第1のMOSトランジスタの前記ドレインに結合される、レジスタの第1の対を更に含み、
前記第2のディバイダが、互いに直列に結合され、且つ、前記供給レールに結合される、第2の対のレジスタを更に含み、
前記第3のディバイダが、互いに直列に結合され、且つ、前記フィードバック増幅器に結合される、第3の対のレジスタを更に含む、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、
前記装置が、前記所定の閾値を設定するように前記第1のトランジスタのゲートと前記フィードバック増幅器との間に結合される調節回路を更に含む、装置。
【請求項16】
請求項14に記載の装置であって、
前記第1、第2及び第3のMOSトランジスタが、前記所定の閾値を設定するように互いに対してスケーリングされる、装置。
【請求項17】
請求項14に記載の装置であって、
前記第1、第2及び第3のMOSトランジスタが、前記所定の閾値を設定するように互いに対して異なる閾値電圧を有する、装置。
【請求項18】
同相電流をコモンゲート増幅器に印加することと、
前記同相電流を感知することと、
前記感知された同相電流に応答して制御電圧を生成することと、
前記同相電流が所定の閾値より小さい場合に第1のフィードバック電流を前記コモンゲート増幅器の差動接地に印加することであって、前記第1のフィードバック電流が前記制御電圧に応答して生成される、前記第1のフィードバック電流を印加することと、
前記同相電流が前記所定の閾値より大きい場合に第2のフィードバック電流を前記コモンゲート増幅器の入力端子に印加することであって、前記第2のフィードバック電流が前記制御電圧に応答して生成される、前記第2のフィードバック電流を印加することと、
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記方法が、概してスタティック電流を前記コモンゲート増幅器に印加することを更に含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記方法が、前記第1のフィードバック電流を印加する前記ステップの前に前記制御電圧をシフトすることを更に含み、前記制御電圧における前記シフトが前記所定の閾値を設定する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概して増幅器に関し、更に特定して言えば、同相フィードバックを備えたC級増幅器に関連する。
【背景技術】
【0002】
擬似差動C級増幅器は、入力スイングに応じて変化する同相電流引き込みを有し、入力スイングは制御不能であり得る。従って、変化するC級電流のもとで出力同相を安定化させるため、抵抗性負荷広帯域幅増幅器においても同相フィードバックループが通常用いられる。この同相フィードバックは、差動帯域幅の劣化を低減し、速いデューティサイクルに対し第1のセトリング時間を維持すべきである。しかし、このようなフィードバック回路は開発されていない。そのため、同相フィードバックを備えた改善されたC級増幅器が求められている。
【0003】
従来の回路の幾つかの例は下記文献に記載されている。
【特許文献1】米国特許番号第5,721,500号
【特許文献2】米国特許公開番号2006/0082416
【発明の概要】
【0004】
一実施例は或る装置を提供する。この装置は、差動出力端子の第1の対を有し、且つ、同相電流を提供する入力回路と、出力回路とを含む。出力回路は、出力端子の第2の対と、出力端子の第1及び第2の対に結合され、且つ、レジスタネットワークを含む第1の増幅器と、感知された同相電流と参照電圧とから制御電圧を生成するようにレジスタネットワークに結合される第2の増幅器と、制御電圧を受け取るように第2の増幅器に結合され、且つ、同相電流が所定の閾値より小さいとき第1のフィードバック電流をレジスタネットワークに提供するように結合される第1の同相フィードバック回路と、制御電圧を受け取るように第2の増幅器に結合され、且つ、同相電流が所定の閾値より大きいとき第2の電流を出力端子の第1の対に提供するように結合される第2の同相フィードバック回路とを有する。
【0005】
一実施例に従って、この装置は供給レールを更に含み、第1の同相フィードバック回路が、第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有するトランジスタと、トランジスタの制御電極と第2の受動電極との間に結合されるキャパシタを更に含む。トランジスタの第1の受動電極は供給レールに結合され、トランジスタの第2の受動電極はレジスタネットワークに結合され、トランジスタの制御電極は第2の増幅器に結合される。
【0006】
一実施例に従って、トランジスタは第1のトランジスタを更に含み、第2の同相フィードバック回路は、第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第2のトランジスタと、第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第3のトランジスタとを更に含む。第2のトランジスタの第1の受動電極は供給レールに結合され、第2のトランジスタの制御電極は第2の増幅器に結合され、第2のトランジスタの第2の受動電極は、差動出力端子の第1の対からの第1の出力端子に結合される。第3のトランジスタの第1の受動電極は供給レールに結合され、第3のトランジスタの制御電極は第2の増幅器に結合され、第3のトランジスタの第2の受動電極は、差動出力端子の第1の対からの第2の出力端子に結合される。
【0007】
一実施例に従って、第1の増幅器は、第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第4のトランジスタと、第1の受動電極と第2の受動電極と制御電極とを有する第5のトランジスタと、第4のトランジスタの第2の受動電極に結合される第1の電流ミラーと、第5のトランジスタの第2の受動電極に結合される第2の電流ミラーとを更に含む。第4のトランジスタの第1の受動電極はレジスタネットワークに結合され、第4のトランジスタの第2の受動電極は、差動出力端子の第1の対からの第1の出力端子に結合される。第5のトランジスタの第1の受動電極はレジスタネットワークに結合され、第5のトランジスタの第2の受動電極は、差動出力端子の第1の対からの第2の出力端子に結合され、第5のトランジスタの制御電極は、第4のトランジスタの制御電極に結合される。
【0008】
一実施例に従って、この装置は所定の閾値を設定するように第1のトランジスタの制御電極と第2の増幅器との間に結合される調節回路を更に含む。
【0009】
一実施例に従って、第1、第2、第3、第4、及び第5のトランジスタがバイポーラトランジスタを含む。
【0010】
一実施例に従って、第1、第2、及び第3のトランジスタがPNPトランジスタを含み、第4及び第5のトランジスタがNPNトランジスタを含む。
【0011】
一実施例に従って或る装置が提供される。この装置は、差動出力端子の第1の対を有し、且つ、同相電流を提供する入力回路と、出力回路とを含む。出力回路は、出力端子の第2の対と、出力端子の第1及び第2の対に結合され、且つ、レジスタネットワークを含むコモンゲート増幅器と、感知された同相と参照電圧から制御電圧を生成するようにレジスタネットワークに結合されるフィードバック増幅器と、制御電圧を受け取るようにフィードバック増幅器に結合され、且つ、同相電流が所定の閾値より小さいとき第1のフィードバック電流をレジスタネットワークに提供するように結合される第1の同相フィードバック回路と、制御電圧を受け取るようにフィードバック増幅器に結合され、且つ、同相電流が所定の閾値より大きいとき第2の電流を入力端子の第1の対に提供するように結合される第2の同相フィードバック回路とを有する。
【0012】
一実施例に従って、この装置は供給レールを更に含み、第1の同相フィードバック回路は、MOSトランジスタであって、そのソースで供給レールに、そのドレインでレジスタネットワークに、及びそのゲートでフィードバック増幅器に結合されるMOSトランジスタと、MOSトランジスタのゲートとドレインとの間に結合されるキャパシタとを更に含む。
【0013】
一実施例に従って、MOSトランジスタは第1のMOSトランジスタを更に含み、第2の同相フィードバック回路は、第2のMOSトランジスタであって、そのソースで供給レールに、そのゲートでフィードバック増幅器に、及びそのドレインで差動出力端子の第1の対からの第1の出力端子に結合される第2のMOSトランジスタと、第3のMOSトランジスタであって、そのソースで供給レールに、そのゲートでフィードバック増幅器に、及びそのドレインで差動出力端子の第1の対からの第2の出力端子に結合される第3のMOSトランジスタとを更に含む。
【0014】
一実施例に従って、コモンゲート増幅器は、第4のMOSトランジスタであって、そのドレインでレジスタネットワークに、及びそのソースで差動出力端子の第1の対からの第1の出力端子に結合される第4のMOSトランジスタと、第5のMOSトランジスタであって、そのドレインでレジスタネットワークに、そのソースで差動出力端子の第1の対からの第2の出力端子に、及びそのゲートで第4のMOSトランジスタのゲートに結合される第5のMOSトランジスタと、第4のMOSトランジスタのソースに結合される第1の電流ミラーと、第5のMOSトランジスタのソースに結合される第2の電流ミラーとを更に含む。
【0015】
一実施例に従って、第1、第2、及び第3のトランジスタがPMOSトランジスタを更に含み、第4及び第5のトランジスタがNMOSトランジスタを更に含む。
【0016】
一実施例に従って、レジスタネットワークは、第4及び第5のMOSトランジスタのドレイン間に結合され、且つ、第1のMOSトランジスタのドレインに結合される第1のディバイダと、第4及び第5のMOSトランジスタのドレイン間に結合される第2のディバイダと、第4及び第5のMOSトランジスタのドレイン間に結合され、且つ、フィードバック増幅器に結合される第3のディバイダとを更に含む。
【0017】
一実施例に従って、第1のディバイダは、互いに直列に結合され、且つ、第1のMOSトランジスタのドレインに結合されるレジスタの第1の対を更に含み、第2のディバイダは、互いに直列に結合され、且つ、供給レールに結合される第2の対のレジスタを更に含み、第3のディバイダは、互いに直列に結合され、且つ、フィードバック増幅器に結合される第3の対のレジスタを更に含む。
【0018】
一実施例に従って、第1、第2、及び第3のMOSトランジスタは、所定の閾値を設定するように互いに対してスケーリングされる。
【0019】
一実施例に従って、この装置は、所定の閾値を設定するように第1のトランジスタのゲートとフィードバック増幅器との間に結合される調節回路を更に含む。
【0020】
一実施例に従って、第1、第2、及び第3のMOSトランジスタは、所定の閾値を設定するように互いに対して異なる閾値電圧を有する。
【0021】
一実施例に従って或る方法が提供される。この方法は、同相電流をコモンゲート増幅器に印加すること、同相電流を感知すること、感知された同相電流に応答して制御電圧を生成すること、同相電流が所定の閾値より小さい場合、第1のフィードバック電流をコモンゲート増幅器の差動接地に印加することであって、第1のフィードバック電流が制御電圧に応答して生成されること、及び同相電流が所定の閾値より大きい場合、第2のフィードバック電流をコモンゲート増幅器の入力端子に印加することであって、第2のフィードバック電流が制御電圧に応答して生成されることを含む。
【0022】
一実施例に従って、この方法は、概してスタティック電流をコモンゲート増幅器に印加することを更に含む。
【0023】
一実施例に従って、この方法は、第1のフィードバック電流を印加するステップの前に制御電圧をシフトすることを更に含み、制御電圧におけるシフトが所定の閾値を設定する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
例示の実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0025】
【
図1】
図1は、一実施例に従った増幅器の一例の図である。
【0026】
【
図2】
図2は、
図1の増幅器のオペレーションを示す図である。
【
図3】
図3は、
図1の増幅器のオペレーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、一実施例に従ったC級増幅器100の一例を示す。オペレーションにおいて、出力回路104が、同相フィードバックを「分割」し、差動接地に、又は一層高い周波数差動ポールを備えたノードに分配することができる。概して、入力回路102(これは例えばダウンコンバージョンミキサとし得る)は、その入力スイングに依存する同相電流を引き込む(又は提供する)。この同相電流は端子INを介して引き込まれ(又は提供され)、端子INは、コモンゲート(又はコモンベース)増幅器110の入力に結合される。即ち、これらの端子INは、トランジスタQ4及びQ5(これらは、例えばNMOS又はNPNトランジスタとし得る)のソース(又はエミッタ)に結合される。これらのトランジスタQ4及びQ5の各々が、増幅器110のための差動負荷レジスタ(これは、例えば約100Ωとし得る)として動作するレジスタネットワーク(即ち、レジスタR1〜R6)に結合される。このレジスタネットワークは、トランジスタQ4及びQ5のドレイン(又はコレクタ)間に結合されるディバイダ(即ち、レジスタR1/R2、R3/R4、及びR5/R6)に分けられ得る。レジスタR3及びR4を含むディバイダは、二次同相ポールを動かすことにより同相安定性を改善することができる同相負荷抵抗(ここで、各レジスタR3及びR4は、例えば、約540Ωの抵抗値を有し得る)として動作し得、レジスタR5及びR6(これらは例えば約1100Ωの抵抗値を有し得る)を含むディバイダは、同相電流を感知し得る。フィードバック増幅器106(これは、典型的に差動増幅器である)は、感知された同相電圧(即ち、レジスタR5/R6を含むディバイダからの)と基準電圧(即ち、約1V)とを用いることにより制御電圧を(ノードN1で)生成することができる。増幅器106からのこの制御電圧はその後、フィードバック電流FB1及びFB2を生成するために同相フィードバック回路112及び114により用いられ得る。
【0028】
フィードバック回路114は、低い又は小さい同相電流(即ち、所定の閾値を下回る)に対しフィードバック電流FB1を提供することができる。フィードバック回路114は概して、フィードバック電流FB1(これは、典型的に、供給レールVDD上の電圧と、レジスタR1及びR2を含むディバイダの抵抗により分けられる端子OUT上の電圧との間の差に制限される)をレジスタR1及びR2間のノードに供給し、これは概してトランジスタQ3(これは、例えば、PMOS又はPNPトランジスタとし得る)及びキャパシタCの利用により達成される。レジスタR1及びR2間のノードは、コモンゲート(又はコモンベース)増幅器110のための差動接地として動作し、このフィードバック電流FB1を所定の閾値を下回るこのノードに印加することにより、コモンゲート(又はコモンベース)増幅器110のカスコードノードのソースにおける帯域幅は最大化され得、これは、概して二次ポールが周波数で低下しないようにし得る。二次ポールが周波数で低下する場合、同相安定性及び差動帯域幅は低減され得る。
【0029】
フィードバック回路112は、同相電流が所定の閾値を上回るときフィードバック電流FB1を提供することができる。概して、フィードバック回路112は、トランジスタQ1及びQ2(これらは、例えばPMOS又はPNPトランジスタとし得る)で構成される。これらのトランジスタQ1及びQ2は(トランジスタQ3と同様に)、増幅器106から制御電圧を受け取るが、1つの違いは、トランジスタQ1及びQ2が制限されない範囲を提供し得ることである。しかし、低い同相電流(所定の閾値を下回る)の場合、フィードバック電流112は、電流ミラーQ6/Q7及びQ8/Q9から電流を「盗む」。これらの電流ミラーQ6/Q7及びQ8/Q9(これらは、例えばNMOS又はNPNトランジスタとし得る)は、トランジスタQ4及びQ5とカスコード接続され、概してスタティック電流をトランジスタQ4及びQ5に提供する。これらのスタティック電流は、トランジスタQ4及びQ5を概して「シャットオフ」しないようにする「キープアライブ」電流として概して機能し得る。通常、トランジスタQ7及びQ8は、電流I1及び12(これらは、概してオフセット電流に概してスタティック同相電流を加えたものである)を受け取り、これは、トランジスタQ6及びQ9(これらは、例えば、トランジスタQ7及びQ8より約5倍大きくし得る)を介してミラーされる。そのため、フィードバック回路114なしでフィードバック回路112が用いられる場合、フィードバック回路112はトランジスタQ4及びQ5を「シャットオフ」し得、そのため、フィードバック回路114(フィードバック回路114が範囲外であるとき)に関連する代わりに、フィードバック回路112を用いることにより、帯域幅の低い劣化での一層大きい最大電流搬送が達成でき、また、主要なポールノードに対する負荷を概して避ける。
【0030】
所定の閾値を調節し得るように調節するため、幾つかの異なるアプローチを用いることができる。トランジスタQ3のための閾値電圧は、トランジスタQ1及びQ2のものとは異なるレベルに設定され得、又は、代替として、トランジスタQ3のサイズは、トランジスタQ1及びQ2のものとは異なるサイズに設定され得る。別の代替例として、トランジスタQ3のゲート又はベースへの電圧シフトが調節回路108を用いて実行され得る。
【0031】
図2及び
図3は、増幅器100のオペレーションの例を示す。
図2及び
図3の各々において、端子OUT及びノードN1上の信号を見ることができ、(
図2に見られるような)低い同相電流及び(
図3に見られるような)高い同相電流のそれぞれの場合に対し、出力回路104は性能を著しく改善する。
【0032】
当業者であれば、本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得ること、及び多くの他の実施例が可能であることが分かるであろう。