【文献】
W. A. Carroll et al,Selective P2X7 receptor antagonists for chronic inflammation and pain,Purinergic Signalling,2009年,5,63-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
痛み;神経変性及び神経炎症性疾患;骨関節疾患;閉塞性気道疾患;心血管疾患;眼疾患;皮膚疾患;腹腔及び消化管疾患;泌尿生殖器疾患;癌;他の自己免疫性及びアレルギー性障害;並びに炎症性又は免疫性成分を伴う他の障害から選択される疾患の予防又は治療のための医薬の製造のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
痛み;神経変性及び神経炎症性疾患;骨関節疾患;閉塞性気道疾患;心血管疾患;眼疾患;皮膚疾患;腹腔及び消化管疾患;泌尿生殖器疾患;癌;他の自己免疫性及びアレルギー
性障害;並びに炎症性又は免疫性成分を伴う他の障害から選択される疾患の予防又は治療における使用のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【発明の概要】
【0005】
以下に、本発明の種々の態様を記載する。
【0006】
1)本発明は、式(I)の複素環アミド誘導体及びそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0007】
【化1】
式中、
nは1又は2を表し;
XとYの一方は−N−又は−N(O)−を表し、かつ他方は−N−又は−C(R
6)−を表し;
R
1は水素又はメチルを表し、かつR
2は水素、(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
2)重水素化アルキル、ヒドロキシ−メチル又はヘテロシクリル−メチルを表すか;若しくは、
R
1とR
2は、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜6員の飽和炭素環を形成し;かつ
R
3はアリール、アリールオキシ、アリール−(C
1−C
2)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基であって、芳香族部分において、独立に1、2、3又は4個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2、ハロゲン及びフェノキシから成る群より独立に選
択される基を表し;
又は、
R
1は水素を表し、かつR
2とR
3は、それらが結合する炭素原子と一緒に、インダニル又はテトラヒドロナフチル基(特に、インダニル)であって、芳香族部分において、独立に1、2又は3個の置換基により置換され(特に、2個の置換基により置換され)、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル及びハロゲン(特に、ハロゲン)から成る群より独立に選択される基を形成し;そして
R
4、R
5及びR
6は、互いに独立に、水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)フルオロアルキル又はハロゲンを表す。
【0008】
態様1)に従う式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を含んでいてもよい。二重結合の置換基は、特に明記しない限り、Z−又はE−配置で存在してもよい。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0009】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしている。特段の定義によってより広い又はより狭い定義が与えられない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用される。
【0010】
「アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、1から3個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味する。「(C
x−C
y)アルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、本明細書で定義したアルキル基を意味する。例えば、(C
1−C
3)アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含む。アルキル基の代表的な例は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソ−プロピルを含む。
【0011】
「R
2」が「(C
1−C
2)アルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
1−C
2)アルキル基を意味する。当該基の例は、メチル及びエチルである。好ましくは、メチルである。
【0012】
「R
4」が「(C
1−C
3)アルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)アルキル基を意味する。当該基の例は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソ−プロピルである。好ましくは、メチルである。
【0013】
「R
5」が「(C
1−C
3)アルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)アルキル基を意味する。当該基の例は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソ−プロピルである。好ましくは、メチルである。
【0014】
「R
6」が「(C
1−C
3)アルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)アルキル基を意味する。当該基の例は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソ−プロピルである。好ましくは、メチルである。
【0015】
(C
1−C
3)アルキル基が、アリール、アリールオキシ、アリール−(C
1−C
2)アルキル(特に、アリール−メチル)、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基に対する置換基である場合には、「(C
1−C
3)アルキル」という用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)アルキル基を意味する。当該基の例は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソ−プロピルである。好ましくは、メチル及びエチルであり、そして最も好ましくはメチルである。
【0016】
(C
1−C
3)アルキル基が、R
2、R
3及びそれらが結合する炭素原子からなるインダニル又はテトラヒドロナフチル基に対する置換基である場合には、「(C
1−C
3)アルキル」という用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)アルキル基を意味する。当該基の例は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソ−プロピルである。好ましくは、メチル及びエチルであり、そして最も好ましくはメチルである。
【0017】
「(C
1−C
2)重水素化アルキル」という用語は、1または2個の炭素原子を含む本明細書で定義したアルキル基であって、1から5個の水素原子が重水素に置換されたものを意味する。当該基の例は、モノ重水素化メチル、ジ重水素化メチル、トリ重水素化メチル、モノ重水素化エチル、ジ重水素化エチル、トリ重水素化エチル、テトラ重水素化エチル及びペンタ重水素化エチルである。好ましくは、トリ重水素化メチルである。
【0018】
「アルコキシ」という用語は、単独で使用する場合も、組み合わせて使用する場合も、アルキル基が本明細書で定義した通りである、アルキル−O−基を意味する。「(C
x−C
y)アルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、本明細書で定義したアルコキシ基を意味する。例えば、(C
1−C
3)アルコキシ基は1〜3個の炭素原子を含む。アルコキシ基の代表的な例はメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ及びイソ−プロポキシを含む。
【0019】
「R
4」が「(C
1−C
3)アルコキシ」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)アルコキシ基を意味する。当該基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ及びイソ−プロポキシである。好ましくは、メトキシである。
【0020】
「R
5」が「(C
1−C
3)アルコキシ」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)アルコキシ基を意味する。当該基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ及びイソ−プロポキシである。好ましくは、メトキシである。
【0021】
「R
6」が「(C
1−C
3)アルコキシ」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)アルコキシ基を意味する。当該基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ及びイソ−プロポキシである。好ましくは、メトキシである。
【0022】
(C
1−C
3)アルコキシ基が、アリール、アリールオキシ、アリール−(C
1−C
2)アルキル(特に、アリール−メチル)、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基に対する置換基である場合には、「(C
1−C
3)アルコキシ」という用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)アルコキシ基を意味する。当該基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ及びイソ−プロポキシである。好ましくは、メトキシである。
【0023】
「(C
3−C
6)シクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、3〜6個の炭素原子を持つシクロアルキル基を意味する。(C
3−C
6)シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。
【0024】
「R
4」が「(C
3−C
6)シクロアルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
3−C
6)シクロアルキル基を意味する。当該基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。好ましくは、シクロプロピルである。
【0025】
「R
5」が「(C
3−C
6)シクロアルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
3−C
6)シクロアルキル基を意味する。当該基の例は、シクロプロピル
、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。好ましくは、シクロプロピルである。
【0026】
「R
6」が「(C
3−C
6)シクロアルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
3−C
6)シクロアルキル基を意味する。当該基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。好ましくは、シクロプロピルである。
【0027】
(C
3−C
6)シクロアルキル基が、アリール、アリールオキシ、アリール−(C
1−C
2)アルキル(特に、アリール−メチル)、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基に対する置換基である場合には、「(C
3−C
6)シクロアルキル」という用語は、本明細書で定義した(C
3−C
6)シクロアルキル基を意味する。当該基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。好ましくは、シクロプロピルである。
【0028】
「3から6員の飽和炭素環」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル環を意味する。
【0029】
「ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、1又は2個の炭素原子を含み、1個の水素原子がヒドロキシで置換された、本明細書で定義したアルキル基を意味する。当該基の例は、ヒドロキシ−メチル、1−ヒドロキシ−エチル及び2−ヒドロキシ−エチルである。好ましくは、ヒドロキシ−メチルである。
【0030】
「(C
1−C
2)アルキルカルボニル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、本明細書で定義した通りであるアルキル基が、分子のその他の部分にカルボニル炭素原子を介して結合したアルキル−C(O)−基を意味する。「(C
x−C
y)アルキルカルボニル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、アルキルラジカル中にx〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルキルカルボニル基を意味する。例えば、(C
1−C
2)アルキルカルボニル基は、そのアルキルラジカル中に1又は2個の炭素原子を含む。アルキルカルボニル基の代表的な例としては、メチルカルボニル及びエチルカルボニルが挙げられる。好ましくはメチルカルボニルである。
【0031】
「(C
x−C
y)フルオロアルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、1又は2以上の(場合によってはすべての)水素原子がフルオロで置き換えられた、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義した通りのアルキル基を意味する。例えば、(C
1−C
3)フルオロアルキル基は、1〜3個の炭素原子を含み、1〜7個の水素原子がフルオロで置き換えられている。
【0032】
「R
4」が「(C
1−C
3)フルオロアルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)フルオロアルキル基を意味する。当該基の例は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロ−エチル及び2,2,2−トリフルオロエチルである。好ましくは、トリフルオロメチルである。
【0033】
「R
5」が「(C
1−C
3)フルオロアルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)フルオロアルキル基を意味する。当該基の例は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロ−エチル及び2,2,2−トリフルオロエチルである。好ましくは、トリフルオロメチルである。
【0034】
「R
6」が「(C
1−C
3)フルオロアルキル」を表す場合には、この用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)フルオロアルキル基を意味する。当該基の例は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロ−エチル及び2,2,2−トリフルオロエチルである。好ましくは、トリフルオロメチルである。
【0035】
「(C
1−C
3)フルオロアルキル」が、アリール、アリールオキシ、アリール−(C
1−C
2)アルキル(特に、アリール−メチル)、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基に対する置換基である場合には、「(C
1−C
3)フルオロアルキル」という用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)フルオロアルキル基を意味する。当該基の例は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルである。好ましくは、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルであり、そして最も好ましくはトリフルオロメチルである。
【0036】
「(C
1−C
3)フルオロアルキル」が、R
2、R
3及びそれらが結合する炭素原子からなるインダニル又はテトラヒドロナフチル基に対する置換基である場合には、「(C
1−C
3)フルオロアルキル」という用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)フルオロアルキル基を意味する。当該基の例は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルである。好ましくは、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルであり、そして最も好ましくはトリフルオロメチルである。
【0037】
「(C
x−C
y)フルオロアルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、1又は2以上の(場合によってはすべての)水素原子がフルオロで置き換えられた、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義した通りのアルコキシ基を意味する。例えば、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ基は、1〜3個の炭素原子を含み、1〜7個の水素原子がフルオロで置き換えられている。
【0038】
「(C
1−C
3)フルオロアルコキシ」が、アリール、アリールオキシ、アリール−(C
1−C
2)アルキル(特に、アリール−メチル)、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基に対する置換基である場合には、「(C
1−C
3)フルオロアルコキシ」という用語は、本明細書で定義した(C
1−C
3)フルオロアルコキシ基を意味する。当該基の例は、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ及び2,2,2−トリフルオロエトキシである。好ましくは、トリフルオロメトキシである。
【0039】
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味し、好ましくは、フルオロ又はクロロを、最も好ましくは、クロロを意味する。
【0040】
「R
4」が「ハロゲン」を表す場合には、この用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味し、好ましくは、フルオロ又はクロロを、最も好ましくは、クロロを意味する。
【0041】
「R
5」が「ハロゲン」を表す場合には、この用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味し、好ましくは、フルオロ又はクロロを、最も好ましくは、クロロを意味する。
【0042】
「R
6」が「ハロゲン」を表す場合には、この用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味し、好ましくは、フルオロ又はクロロを、最も好ましくは、クロロを意味する。
【0043】
「ハロゲン」が、アリール、アリールオキシ、アリール−(C
1−C
2)アルキル(特
に、アリール−メチル)、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基に対する置換基である場合には、「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味し、好ましくは、フルオロ又はクロロを、最も好ましくは、クロロを意味する。
【0044】
「ハロゲン」が、R
2、R
3及びそれらが結合する炭素原子からなるインダニル又はテトラヒドロナフチル基に対する置換基である場合には、「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味し、好ましくは、フルオロ又はクロロを、最も好ましくは、クロロを意味する。
【0045】
「アリール」という用語は、単独で使用する場合も、組み合わせて使用する場合も、フェニル又はナフチル基を意味する。好ましくはフェニル基である。アリール基は、1、2、3又は4個の置換基により置換され(好ましくは、2又は3個の置換基により置換され)、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2、ハロゲン及びフェノキシから(特に、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ、ハロゲン及びフェノキシから)なる群より独立に選択される;好ましくは、置換基は、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、シアノ及びハロゲンから(最も好ましくは、メチル、エチル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、シアノ、クロロ及びフルオロから)なる群より独立に選択される。例は、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4,6−トリフルオロ−フェニル、2−クロロ−フェニル、4−クロロ−フェニル、2−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2−クロロ−6−フルオロ−フェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、2,3−ジクロロ−6−フルオロ−フェニル、2,4−ジクロロ−5−フルオロ−フェニル、2,4−ジクロロ−6−フルオロ−フェニル、2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル、2,4−ジクロロ−6−エチル−フェニル、2−クロロ−6−フルオロ−3−メチル−フェニル、2,4−ジクロロ−6−シクロプロピル−フェニル、2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−6−トリフルオロメチル−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−フェニル、4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、4−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル、5−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル、2,3−ジクロロ−6−トリフルオロメチル−フェニル、2,4−ジクロロ−6−トリフルオロメチル−フェニル、2,6−ジクロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニル、2−クロロ−3−シアノ−フェニル、2,4−ジクロロ−6−シアノ−フェニル、2−メチル−フェニル、4−メチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、3−トリフルオロメチル−フェニル、4−トリフルオロメチル−フェニル、2−シアノ−フェニル、4−シアノ−フェニル及び4−フェノキシ−フェニルである。さらなる例は、2−クロロ−3,6−ジフルオロ−フェニル、3,6−ジクロロ−2−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−3−ジフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル、3−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメトキシ−フェニル、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチル−フェニル、2−クロロ−4−シアノ−フェニル、2,4−ジクロロ−3−シアノ−フェニル、2−クロロ−3−シアノ−4−フルオロ−フェニル、3−シアノ−2−トリフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−3−カルバモイル−フェニル及び2−クロロ−3−アセチル−フェニルである。好ましい例は、2−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、3,4−ジクロロ−フェニル、2,3−ジクロロ−6−フルオロ−フェニル、2,4−ジクロロ−5−フルオロ
−フェニル、2,4−ジクロロ−6−フルオロ−フェニル、2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル、2,4−ジクロロ−6−エチル−フェニル、2,4−ジクロロ−6−シクロプロピル−フェニル、4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、4−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル、2,4−ジクロロ−6−トリフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−3−シアノ−フェニル及び2,4−ジクロロ−6−シアノ−フェニルである。他の態様として、最も好ましい例は、2−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2,3−ジクロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,4−ジクロロ−6−フルオロ−フェニル、2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル、2,4−ジクロロ−6−エチル−フェニル、2,4−ジクロロ−6−シクロプロピル−フェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、4−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−3−シアノ−フェニル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−3−ジフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル、3−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル、2−クロロ−3−トリフルオロメトキシ−フェニル、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチル−フェニル、2−クロロ−4−シアノ−フェニル、2−クロロ−3−シアノ−4−フルオロ−フェニル及び3−シアノ−2−トリフルオロメチル−フェニルである。
【0046】
「アリールオキシ」という用語は、単独で使用する場合も、組み合わせて使用する場合も、アリール基が本明細書で定義した通りであるアリール−O−基を意味する。好ましくはフェノキシ基である。アリールオキシ基は、1、2、3又は4個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2、ハロゲン及びフェノキシから(特に、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ、ハロゲン及びフェノキシから)成る群より独立に選択される;好ましくは、アリールオキシ基は、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル及びハロゲンから成る群より独立に選択される。例は、2,4−ジクロロ−フェノキシ、3,4−ジクロロ−フェノキシ及び2,4−ジメチル−フェノキシである。
【0047】
「アリール−(C
1−C
2)アルキル」という用語は、水素原子の1つが本明細書で定義した通りであるアリールで置換されたメチル又はエチル基を意味する。好ましくはベンジル基である。アリール−(C
1−C
2)アルキル基のアリール部分は、1、2、3又は4個の置換基により置換され(好ましくは1、2又は3個の置換基により置換され、そして最も好ましくは2個の置換基により置換され)、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロ−アルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2、ハロゲン及びフェノキシ(もっとも好ましくはハロゲン)から成る群より独立に選択される。例は、2−(4−フルオロフェニル)−エチル及び2,4−ジクロロ−ベンジルである。
【0048】
「アリール−メチル」という用語は、水素原子の1つが本明細書で定義した通りであるアリールで置換されたメチル基を意味する。好ましくはベンジル基である。アリール−メチル基のアリール部分は、1、2、3又は4個の置換基により置換され(好ましくは2又は3個の置換基により置換され、そして最も好ましくは2個の置換基により置換され)、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ、ハロゲン及びフェノキシから成る群より独立に選択される;好ましくは、置換基
は、(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル及びハロゲンからなる群より(最も好ましくはハロゲンより)独立に選択される。例は2,4−ジクロロ−ベンジルである。
【0049】
「ヘテロアリール」という用語は、単独で使用する場合も、組み合わせて使用する場合も、酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含む、5〜10員の単環又は二環式芳香環を意味する。好ましくは、酸素、窒素及び硫黄から(好ましくは酸素及び窒素から)独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子(好ましくは1又は2個のヘテロ原子)を含む5又は6員の単環式芳香環である。そのようなヘテロアリール基の例は、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[2,1,3]オキサジアゾリル、ベンゾ[2,1,3]チアジアゾリル、ベンゾ[1,2,3]チアジアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル及びフタラジニルである。好ましい例は、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル及びピラジニルである。最も好ましくは、イソキサゾリル、ピラゾリル及びピリジルである。ヘテロアリール基は、独立に、1、2、3又は4個の置換基により置換され(好ましくは1又は2個の置換基により置換され、そして最も好ましくは1個の置換基により置換され)、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2、ハロゲン及びフェノキシ(特に、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ、ハロゲン及びフェノキシから)から成る群より独立に選択される;好ましくは、置換基は、(C
1−C
3)アルキル及びハロゲン(最も好ましくは、メチル及びクロロ)からなる群より独立に選択される。そのような置換されたヘテロアリール基の例は、3−メチル−イソキサゾリル(特に、3−メチル−イソキサゾール−5−イル)、5−メチル−ピラゾリル(特に、5−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)及び2−クロロ−ピリジル(特に、2−クロロ−ピリジン−3−イル)である。好ましい例は、3−メチル−イソキサゾリル(特に、3−メチル−イソキサゾール−5−イル)及び2−クロロ−ピリジル(特に、2−クロロ−ピリジン−3−イル)である。
【0050】
「ヘテロアリールオキシ」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、ヘテロアリール基が本明細書で定義した通りのヘテロアリール−O−基を意味する。「ヘテロアリールオキシ」中の「ヘテロアリール」という用語は、好ましくは酸素、窒素及び硫黄から(好ましくは酸素及び窒素から)独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子(好ましくは1又は2個のヘテロ原子)を含む5又は6員の単環式芳香環を意味する。そのような置換されたヘテロアリールオキシ基の例は、フラニルオキシ、オキサゾリルオキシ、イソキサゾリルオキシ、オキサジアゾリルオキシ、チエニルオキシ、チアゾリルオキシ、イソチアゾリルオキシ、チアジアゾリルオキシ、ピロリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、トリアゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピリミジルオキシ、ピリダジニルオキシ、ピラジニルオキシ、インドリルオキシ、イソインドリルオキシ、ベンゾフラニルオキシ、イソベンゾフラニルオキシ、ベンゾチオフェニルオキシ、インダゾリルオキシ、ベンズイミダゾリルオキシ、ベンズオキサゾリルオキシ、ベンズイソキサゾリルオキシ、ベンゾチアゾリルオキシ、ベンゾイソチアゾリルオキシ、ベ
ンゾトリアゾリルオキシ、ベンゾ[2,1,3]オキサジアゾリルオキシ、ベンゾ[2,1,3]チアジアゾリルオキシ、ベンゾ[1,2,3]チアジアゾリルオキシ、キノリニルオキシ、イソキノリニルオキシ、シノリニルオキシ、キナゾリニルオキシ、キノキサリニルオキシ及びフタラジニルオキシである。好ましい例は、フラニルオキシ、オキサゾリルオキシ、イソキサゾリルオキシ、オキサジアゾリルオキシ、チエニルオキシ、チアゾリルオキシ、イソチアゾリルオキシ、チアジアゾリルオキシ、ピロリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、トリアゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピリミジルオキシ、ピリダジニルオキシ及びピラジニルオキシである。最も好ましくはピリジルオキシである。ヘテロアリールオキシ基は、独立に、1、2、3又は4個の置換基により置換され(好ましくは、1又は2個の置換基により置換され、そして最も好ましくは2個の置換基により置換され)、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2、ハロゲン及びフェノキシ(特に、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ、ハロゲン及びフェノキシ)から成る群より独立に選択される;好ましくは、置換基は、(C
1−C
3)アルキル及びハロゲン(最も好ましくはメチル)からなる群より独立に選択される。そのような置換されたヘテロアリール基の例は、2,6−ジメチル−ピリジルオキシ(特に、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イルオキシ)である。
【0051】
「ヘテロシクリル−メチル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、水素原子の1つがヘテロシクリルに置換されたメチル基を意味し;「ヘテロシクリル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、窒素(好ましい)、酸素及び硫黄から選択される1又は2個のヘテロ原子(好ましくは1個のヘテロ原子)を含む5〜7員環(好ましくは5又は6員環)の飽和単環部分を意味するが、ヘテロシクリル基は、2個の硫黄原子を含むことは無い。ヘテロシクリル基の硫黄原子は、酸化された状態、すなわちスルホキシド又はスルフォニルの状態であってもよい。そのようなヘテロシクリル基の例は、ピロリジニル(好ましい)、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル及びジオキサニルである。好ましいヘテロシクリル−メチル基の例は、ピロリジニル−メチル(特に、ピロリジン−1−イル−メチル)及びピペリジニル−メチル(特に、ピペリジン−1−イル−メチル)である;最も好ましくは、ピロリジニル−メチル(特に、ピロリジン−1−イル−メチル)である。
【0052】
2) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2を表し;
XとYの一方が−N−又は−N(O)−(特に、−N−)を表し、かつ他方が−N−又は−C(R
6)−を表し;
R
1が水素を表し、かつR
2が水素、(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
2)重水素化アルキル又はヒドロキシ−メチルを表すか;若しくは、
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜6員(特に、3〜5員)の飽和炭素環を形成し;かつ
R
3が、アリール基であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2及びハロゲンから成る群より独立に選択される基か;若しくは芳香族部分において1又は2個のハロゲンにより置換されたアリール−(C
1−C
2)アルキル基を表し;
又は、
R
1が水素を表し、かつR
2とR
3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、芳香族部分において1又は2個(特に、2個)のハロゲンにより置換されたインダニル基を形成し;そして
R
4、R
5及びR
6が、互いに独立に、水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、メトキシ、トリフルオロメチル又はハロゲンを表す;
態様1)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0053】
3) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2を表し;
XとYの一方が−N−又は−N(O)−(特に、−N−)を表し、かつ他方が−N−又は−C(R
6)−を表し;
R
1が水素を表し、かつR
2が水素、(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
2)重水素化アルキル又はヒドロキシ−メチルを表すか;若しくは、
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜5員の飽和炭素環を形成し;かつ
R
3が、アリール基であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ及びハロゲンから成る群より独立に選択される基を表し;
又は、
R
1が水素を表し、かつR
2とR
3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、芳香族部分において1又は2個(特に、2個)のハロゲンにより置換されたインダニル基を形成し;R
4が水素、(C
1−C
3)アルキル又はハロゲンを表し;
R
5が水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、メトキシ又はトリフルオロメチルを表し;そして
R
6が水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、メトキシ又はハロゲンを表す;
態様1)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0054】
4) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2を表し;
XとYの一方が−N−又は−N(O)−(特に、−N−)を表し、かつ他方が−N−又は−C(R
6)−を表し;
R
1が水素を表し;
R
2が水素、メチル又はヒドロキシ−メチル(特に、水素)を表し;
R
3が、アリール基であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル及びハロゲンから成る群より独立に選択される基を表し;
R
4が水素、(C
1−C
3)アルキル又はハロゲンを表し;
R
5が水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、メトキシ又はトリフルオロメチル(特に、水素、(C
1−C
3)アルキル又は(C
3−C
6)シクロアルキル)を表し;そして
R
6が水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、メトキシ又はハロゲンを表す;
態様1)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0055】
5) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2を表し;
Xが−N−又は−N(O)−を表し;
Yが−C(R
6)−又は−N−(特に、−C(R
6)−)を表し;
R
1が水素又はメチルを表し、かつR
2が水素、(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
2)重水素化アルキル、ヒドロキシ−メチル又はヘテロシクリル−メチルを表すか;若しくは
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜6員の飽和炭素環を形成し;かつ
R
3が、アリール、アリール−(C
1−C
2)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基であって、芳香族部分において、独立に1、2、3又は4個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2、ハロゲン及びフェノキシから成る群より独立に選択される基を表し;
又は
R
1が水素を表し、かつR
2とR
3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、インダニル又はテトラヒドロナフチル基(特に、インダニル)であって、芳香族部分において、独立に1、2又は3個の置換基により置換され(特に、2個の置換基により置換され)、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル及びハロゲン(特に、ハロゲン)から成る群より独立に選択される基を形成し;そして
R
4、R
5及びR
6が、互いに独立に、水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)フルオロアルキル又はハロゲンを表す;
態様1)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0056】
6) 本発明のさらなる態様は、式(I
P)の化合物でもある、態様1)の化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0057】
【化2】
式中、
nは1又は2を表し;
R
1及びR
2は、独立に水素又はメチルを表すか;又は
R
1とR
2は、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜6員の飽和炭素環を形成し;そして
R
3は、アリール、アリールオキシ、アリール−メチル、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基であって、芳香族部分において、独立に1、2、3又は4個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ、ハロゲン及びフェノキシから成る群より独立に選択される基を表す。
【0058】
7) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2を表し;
Xが−N−又は−N(O)−を表し;
Yが−C(R
6)−又は−N−(特に、−C(R
6)−)を表し;
R
1が水素を表し、かつR
2が水素、(C
1−C
2)アルキル又はヒドロキシ−メチルを表すか;若しくは
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜5員の飽和炭素環を形成し;かつ
R
3が、アリール基であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2及びハロゲンから成る群より独立に選択される基か;又は、芳香族部分において1又は2個のハロゲンにより置換されたアリール−(C
1−C
2)アルキル基を表し;
又は
R
1が水素を表し、かつR
2とR
3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、芳香族部分において1又は2個(特に、2個)のハロゲンにより置換されたインダニル基を形成し、;そして
R
4、R
5及びR
6が、互いに独立に、水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)フルオロアルキル又はハロゲンを表す;
態様1)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0059】
8) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2を表し;
Xが−N−を表し;
Yが−C(R
6)−又は−N−を表し;
R
1が水素を表し、かつR
2が水素、(C
1−C
2)アルキル又はヒドロキシ−メチルを表すか;若しくは
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜5員の飽和炭素環を形成し;かつ
R
3が、アリール基であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、メチル、エチル、シクロプロピル、ヒドロキシ−メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、フルオロ及びクロロから成る群より独立に選択される基を表し;
又は
R
1が水素を表し、かつR
2とR
3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、芳香族部分において2個のクロロにより置換されたインダニル基を形成し、;
R
4が水素を表し;
R
5が水素又はメチルを表し;そして
R
6が水素、メチル又はクロロを表す;
態様1)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0060】
9) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2を表し;
Xが−C(R
6)−を表し;
Yが−N−又は−N(O)−を表し;
R
1が水素を表し;
R
2が水素又はメチルを表し;
R
3が、アリール基であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、シクロプロピル、ヒドロキシ−メチル、(C
1−C
3)フルオロアルキル及びハロゲン(特に、(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル及びハロゲン)から成る群より独立に選択される基を表し;
R
4、R
5及びR
6が、互いに独立に、水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ又はハロゲンを表す;
態様1)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0061】
10) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2(特に、1)を表し;
Xが−C(R
6)−を表し;
Yが−N−又は−N(O)−を表し;
R
1が水素を表し;
R
2が水素を表し;
R
3が、アリール基であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル及びハロゲン(特に、メチル、トリフルオロメチル及びクロロ)から成る群より独立に選択される基を表し;
R
4が水素、(C
1−C
3)アルキル又はハロゲンを表し;
R
5が水素、(C
1−C
3)アルキル又は(C
3−C
6)シクロアルキルを表し;
R
6が水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ又はハロゲンを表す;
態様1)に従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0062】
11) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2を表し;
R
1及びR
2が、独立に水素又はメチルを表すか;又は
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜5員の飽和炭素環を形成し;そして
R
3が、アリール、アリール−メチル、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基であって、芳香族部分において、独立に1、2、3又は4個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、シアノ、ハロゲン及びフェノキシから成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)、5)又は6)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0063】
12) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2を表し;
R
1とR
2が水素を表すか;又は
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜5員の飽和炭素環を形成し;そして
R
3が、アリール基であって、1、2、3又は4個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル(特に、シクロプロピル)、(C
1−C
3)フルオロアルキル(特に、トリフルオロメチル)、シアノ及びハロゲンから成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)、5)又は6)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0064】
13) 本発明のさらなる態様は、
nが1又は2を表し;
R
1とR
2が水素を表し;そして
R
3が、アリール基(特に、フェニル)であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、シアノ及びハロゲンから成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)〜3)又は5)〜7)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0065】
14) 本発明のさらなる態様は、
nが1を表す;
態様1)〜13)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0066】
15) 本発明のさらなる態様は、
nが2を表す;
態様1)〜13)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0067】
16) 本発明のさらなる態様は、
Xが−N−を表し、かつYが−C(R
6)−又は−N−を表す;
態様1)〜5)、7)、8)、14)又は15)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0068】
17) 本発明のさらなる態様は、
Xが−N−を表し、かつYが−C(R
6)−を表す;
態様1)〜5)、7)、8)、14)又は15)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0069】
18) 本発明のさらなる態様は、
Xが−N−を表し、かつYが−N−を表す;
態様1)〜5)、7)、8)、14)又は15)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0070】
19) 本発明のさらなる態様は、
Xが−C(R
6)−又は−N−を表し、かつYが−N−を表す;
態様1)〜4)、14)又は15)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0071】
20) 本発明のさらなる態様は、
Xが−C(R
6)−を表し、かつYが−N−を表す;
態様1)〜4)、9)、10)、14)又は15)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0072】
21) 本発明のさらなる態様は、
XとYの一方が−N−又は−N(O)−を表し、かつ他方が−C(R
6)−を表す;
態様1)〜4)、14)又は15)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0073】
22) 本発明のさらなる態様は、
R
1が水素を表し、かつR
2が水素、メチル、エチル又はヒドロキシ−メチルを表すか;
若しくは
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜5員の飽和炭素環を形成し;かつ
R
3が、フェニル基であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、メチル、エチル、シクロプロピル、ヒドロキシ−メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、フルオロ及びクロロから成る群より独立に選択される基を表し;
又は
R
1が水素を表し、かつR
2とR
3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、芳香族部分において2個のクロロにより置換されたインダニル基を形成する;
態様1)〜3)、5)、7)、8)又は14)〜21)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0074】
23) 本発明のさらなる態様は、
R
1が水素又はメチルを表し、かつR
2が水素、(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
2)重水素化アルキル、ヒドロキシ−メチル又はヘテロシクリル−メチルを表すか;又は
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜5員の飽和炭素環を形成し;そして
R
3が、アリール、アリール−(C
1−C
2)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基であって、芳香族部分において、独立に1、2、3又は4個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2及びハロゲンから成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)、5)又は14)〜21)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0075】
24) 本発明のさらなる態様は、
R
1が水素を表し、かつR
2が水素、メチル、エチル又はヒドロキシ−メチルを表すか;又は
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜5員の飽和炭素環を形成し;そして
R
3が、フェニル基であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、メチル、エチル、シクロプロピル、ヒドロキシ−メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、フルオロ及びクロロから成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)〜3)、5)、7)、8)又は14)〜21)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0076】
25) 本発明のさらなる態様は、
R
1が水素を表し、かつR
2とR
3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、インダニル又はテトラヒドロナフチル基(特に、インダニル)であって、芳香族部分において、独立に1、2又は3個の置換基により置換され(特に、2個の置換基により置換され)、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル及びハロゲン(特に、ハロゲン)から成る群より独立に選択される基を形成する;
態様1)、5)又は14)〜21)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0077】
26) 本発明のさらなる態様は、
R
1が水素を表し、かつR
2とR
3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、芳香族部分
において1又は2個(特に、2個)のハロゲンにより置換されたインダニル基を形成する;
態様1)〜3)、5)、7)又は14)〜21)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0078】
27) 本発明のさらなる態様は、
R
1及びR
2が、独立に水素又はメチルを表す;
態様1)、5)、6)、11)、14)〜21)又は23)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0079】
28) 本発明のさらなる態様は、
R
1とR
2が水素を表す;
態様1)〜24)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0080】
29) 本発明のさらなる態様は、
R
1とR
2が水素を表すか;又は
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜5員の飽和炭素環を形成する;態様1)〜3)、5)〜8)、11)、12)又は14)〜24)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0081】
30) 本発明のさらなる態様は、
R
1とR
2が、それらが結合する炭素原子と一緒に、3〜5員の飽和炭素環を形成する;態様1)〜3)、5)〜8)、11)、12)又は14)〜24)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0082】
31) 本発明のさらなる態様は、
R
1が水素を表す;
態様1)〜26)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0083】
32) 本発明のさらなる態様は、
R
2が水素、メチル、エチル、トリ重水素化メチル又はヒドロキシ−メチル(特に、水素、メチル、エチル又はヒドロキシ−メチル)を表す;
態様1)〜3)、5)、7)、8)又は14)〜24)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0084】
33) 本発明のさらなる態様は、
R
2が水素又はメチルを表す;
態様1)〜9)、11)又は14)〜24)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0085】
34) 本発明のさらなる態様は、
R
2がトリ重水素化メチルを表す;
態様1)〜3)、5)、14)〜21)又は23)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0086】
35) 本発明のさらなる態様は、
R
3が、アリール、アリール−(C
1−C
2)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールオキシ基であって、芳香族部分において、独立に1、2、3又は4個の置換基により
置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2、ハロゲン及びフェノキシから成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)、5)、14)〜21)又は27)〜34)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0087】
36) 本発明のさらなる態様は、
R
3が、フェニル基であって、2、3又は4個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ、ヒドロキシ−(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルコキシ、(C
1−C
2)アルキルカルボニル、シアノ、−CONH
2及びハロゲンから成る群より独立に選択される基を表すか;芳香族部分において独立に1又は2個のハロゲンにより置換された、フェニル−メチル又はフェニル−エチル基を表すか;ヘテロアリール基であって、1又は2個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル及びハロゲンから成る群より独立に選択される基を表すか;又は、1又は2個の(C
1−C
3)アルキルにより置換されたヘテロアリールオキシ基を表す;
態様1)、5)、14)〜21)又は27)〜34)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0088】
37) 本発明のさらなる態様は、
R
3がアリール又はヘテロアリール基であって、独立に1、2又は3個の置換基により置換され、(特に、2又は3個の置換基により置換され)、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル(特に、シクロプロピル)、(C
1−C
3)フルオロアルキル(特に、トリフルオロメチル)、シアノ及びハロゲンから成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)、5)、6)、11)、14)〜21)又は27)〜34)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0089】
38) 本発明のさらなる態様は、
R
3が、アリール基であって、1、2又は3個の置換基により置換され(特に、2又は3個の置換基により置換され)、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル(特に、シクロプロピル)、(C
1−C
3)フルオロアルキル(特に、トリフルオロメチル)、シアノ及びハロゲンから成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)、5)、6)、11)、12)、14)〜21)又は27)〜34)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0090】
39) 本発明のさらなる態様は、
R
3が、アリール基(特に、フェニル)であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、シアノ及びハロゲンから成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)〜3)、5)〜7)、11)〜21)、23)又は27)〜34)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0091】
40) 本発明のさらなる態様は、
R
3が2−クロロ−フェニルであって、1又は2個の置換基によりさらに置換され、当該置換基が、(C
1−C
3)アルキル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、シアノ及びハロゲン(特に、メチル、エチル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、クロロ及びフルオロ)から成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)〜3)、5)〜8)、11)〜24)又は27)〜34)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0092】
41) 本発明のさらなる態様は、
R
3が、フェニル基であって、2又は3個の置換基により置換され、当該置換基が、メチル、エチル、シクロプロピル、ヒドロキシ−メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、フルオロ及びクロロから成る群より独立に選択される基を表す;
態様1)〜3)、5)、7)、8)、14)〜24)又は27)〜34)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0093】
42) 本発明のさらなる態様は、
R
4が、水素、(C
1−C
3)アルキル又はハロゲン(特に、水素、メチル又はクロロ)を表す;
態様1)〜5)、7)又は9)〜41)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0094】
43) 本発明のさらなる態様は、
R
4が、水素を表す;
態様1)〜5)又は7)〜41)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0095】
44) 本発明のさらなる態様は、
R
5が、水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、メトキシ又はトリフルオロメチルを表す;
態様1)〜4)又は11)〜43)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0096】
45) 本発明のさらなる態様は、
R
5が、水素又はメチルを表す;
態様1)〜5)又は7)〜43)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0097】
46) 本発明のさらなる態様は、
R
6が、水素、(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル又はハロゲンを表す;
態様1)〜4)又は9)〜45)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0098】
47) 本発明のさらなる態様は、
R
6が、水素、メチル又はクロロを表す;
態様1)〜5)又は7)〜45)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0099】
48) 本発明のさらなる態様は、
キラル中心の絶対配置が式(I
St1)で表される通りである、
【0100】
【化3】
態様1)〜47)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0101】
49) 本発明のさらなる態様は、
キラル中心の絶対配置が式(I
St1−P)で表される通りである、
【0102】
【化4】
態様6)、11)〜15)、27)〜30)又は37)〜40)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0103】
50) 本発明のさらなる態様は、
キラル中心の絶対配置が式(I
St2)で表される通りである、
【0104】
【化5】
態様1)〜47)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0105】
51) 本発明のさらなる態様は、
キラル中心の絶対配置が式(I
St2−P)で表される通りである、
【0106】
【化6】
態様6)、11)〜15)、27)〜30)又は37)〜40)のいずれか1つに従う化合物及びそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0107】
52) 態様1)に定義した式(I)の好ましい化合物は、下記の化合物からなる群より選択される:
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(S)−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(R)−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(S)−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(R)−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2−シアノ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−o−トリル−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(2−メトキシ−フェニル)−アセタミド;
2−(4−シアノ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−p−トリル−アセタミド;
2−(4−クロロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセタミド;
2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(4−フルオ
ロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−アセタミド;
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−アセタミド;
2−(4−クロロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド;
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−シクロプロパンカルボン酸(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アミド;
1−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−シクロペンタンカルボン酸(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アミド;
2−(4−クロロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−イソブチルアミド;
3−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(S)−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(R)−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(S)−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(R)−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−エチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(4−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(4−フェノキシ−フェニル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−シアノ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−シクロプロピル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メチル−6−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−5−フルオロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−6−フルオロ−3−メチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(5−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フ
ロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(4−シアノ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アセタミド;
N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アセタミド;
N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−2−(4−フェノキシ−フェニル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−アセタミド;
2−(4−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,3−ジクロロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−5−フルオロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−シクロプロパンカルボン酸(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アミド;
1−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−シクロペンタンカルボン酸(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アミド;
2−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−2−(2,6−ジメチル−ピリジン−3−イルオキシ)−アセタミド;
N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−2−(3−メチル−イソキサゾール−5−イル)−アセタミド;
N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−2−(5−メチル−ピラゾール−1−イル)−アセタミド;
2−(4−クロロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−プロピオンアミド;
3−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−プロピオンアミド;
2−(2,3−ジクロロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,3−ジクロロ−6−フルオロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(2−フルオ
ロ−6−トリフルオロメチル−フェニル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−フルオロ−フェニル)−N−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−アセタミド;
2−(2,3−ジクロロ−6−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,6−ジクロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(S)−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(R)−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;及び
2−(2−クロロ−3−シアノ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
又はそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩);
上記の化合物のいずれについても、具体的に帰属されていないキラル中心は、絶対(R)配置にあっても、又は絶対(S)配置にあってもよいと解される;例えば、2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジンのコア構造の3位における又は3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジンのコア構造の4位におけるキラル中心は、絶対(R)配置にあっても、又は絶対(S)配置にあってもよい。特に、キラル中心を1個より多く含む化合物は、具体的に帰属されていないそれぞれのキラル中心において、絶対(R)にあっても、又は絶対(S)配置にあってもよく;例えば、2−(4−クロロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミドとして記載される化合物は、(S)−2−(4−クロロ−フェニル)−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド、(S)−2−(4−クロロ−フェニル)−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド、(R)−2−(4−クロロ−フェニル)−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド、(R)−2−(4−クロロ−フェニル)−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド又はそれらの混合物である。
【0108】
53) 態様1)に定義する式(I)のさらなる好ましい化合物は、下記の化合物から成る群より選択される:
2−(2,4−ジクロロ−6−フルオロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(3,6−ジクロロ−2−フルオロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3,6−ジフルオロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−3−ヒドロキシ−プロピオンアミド;
2−クロロ−3−[(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イルカルバモイル)−メチル]−ベンズアミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−3−ピロリジン−1−イル−プロピオンアミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ブチルアミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピ
リジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−ブチルアミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−プロピオンアミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−トリ重水素化メチル−N−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−プロピオンアミド;
(S)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド;
(S)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド;
(R)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド;
(R)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド;
2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(3−クロロ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−シアノ−フェニル)−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−シアノ−フェニル)−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(7−シクロプロピル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−(7−メトキシ−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−
フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(5,6−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリダジン−5−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(5,6−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリダジン−5−イル)−アセタミド;
2−(3−アセチル−2−クロロ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−3−シアノ−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(3−シアノ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−ジフルオロメチル−フェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アセタミド;
N−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(5−メチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
(S)−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド;
(S)−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−トリ重水素化メチル−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
(S)−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド;
(S)−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−トリ重水素化メチル−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
(R)−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド;
(R)−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−トリ重水素化メチル−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
(R)−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−プロピオンアミド;
(R)−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−トリ重水素化メチル−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−トリ重水素化メチル−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−トリ重水素化メチル−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(4−メチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(7−オキシ−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
5,7−ジクロロ−N−(2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−
2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキサミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(4−メチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(4−シクロプロピル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(6−メチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(6−メチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(4−メトキシ−6−メチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(4−エトキシ−6−メチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(4−メチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(4−メチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(4−メトキシ−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(2,4−ジクロロ−フェノキシ)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
2−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
N−(2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(2,4−ジメチル−フェノキシ)−アセタミド;
N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アセタミド;
N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−アセタミド;
5−クロロ−N−(2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボキサミド;
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(6−オキシ−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
5−クロロ−N−((R)−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((S)−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−カルボキサミド;
2−(2,4−ジクロロ−6−メチル−フェニル)−N−(4−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;及び
2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(4−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−アセタミド;
又はそのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)。
【0109】
上記の化合物のいずれについても、具体的に帰属されていないキラル中心は、絶対(R)配置にあっても、又は絶対(S)配置にあってもよいことと解される;例えば、2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン又は2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジンのコア構造の3位における又は5,6−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリダジンのコア構造の5位におけるキラル中心は、絶対(R)配置にあっても、又は絶対(S)配置にあってもよい。特に、キラル中心を1個より多く含む化合物は、具体的に帰属されていないそれぞれのキラル中心において、絶対(R)にあっても、又は絶対(S)配置にあ
ってもよく;例えば、2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル−3−ヒドロキシ−プロピオンアミドとして記載される化合物は、(S)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(S)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(R)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−((S)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(R)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−N−((R)−2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−3−ヒドロキシ−プロピオンアミド又はそれらの混合物である。
【0110】
本発明はまた、同位体標識された、特に
2H(デューテリウム)標識された式(I)の化合物をも含み、当該同位体標識された化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によってそれぞれ置き換えられていることを除いては、式(I)の化合物と同一である。同位体標識された、特に
2H(デューテリウム)標識された式(I)の化合物、及びその塩は、本発明の範囲に含まれる。水素をより重い同位体
2H(デューテリウム)に置換することにより、代謝安定性が増大するため、例えば、in−vivoでの半減期が長くなったり必要用量を減らすことができ、また、チトクロームP450酵素の阻害が軽減され得るため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の1つの態様においては、式(I)の化合物は同位体標識されていないか、1又は2以上のデューテリウム原子によってのみ標識されている。副態様においては、式(I)の化合物は全く同位体標識されていない。同位体標識された式(I)の化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、下記の方法と同様に製造してもよい。
【0111】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する、文献、例えば、「Salt selection for basic drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217。
【0112】
化合物、塩、医薬組成物、疾患等に対して複数形が使用される場合には、単数の化合物、塩等をも意味することが意図されている。
【0113】
態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、医薬としての使用に適切である。特に、式(I)の化合物はP2X
7受容体を調節し、すなわち、P2X
7受容体アンタゴニストとして作用し、痛み;神経変性及び神経炎症性疾患;骨関節疾患;閉塞性気道疾患;心血管疾患;眼疾患;皮膚疾患;腹腔及び消化管疾患;泌尿生殖器疾患;癌;他の自己免疫性及びアレルギー性障害;並びに炎症性又は免疫性成分を伴う他の障害等のP2X
7受容体の活性化に関連する疾患の予防又は治療に有用である。
【0114】
特に、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、痛みの予防又は治療に適切である。痛みは、急性痛;慢性痛;捻挫および筋挫傷に伴う痛み;慢性関節痛;リウマチ熱に伴う痛み;筋骨格痛;腰部頚部痛;炎症性疼痛;神経因性疼痛;内臓痛;インフルエンザ又は他のウイルス感染症に伴う痛み;癌及び腫瘍浸潤に伴う痛み;関節及び骨痛;非定型顔面痛;偏頭痛に伴う痛み、歯痛及び月経困難;緊張型頭痛及び群発頭痛を含む頭痛;心筋虚血に伴う痛み;機能性腸障害に伴う痛み;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌化学療法に伴う痛み;並びに術後痛を意味する。
【0115】
神経因性疼痛は、特に糖尿病性ニューロパシー、坐骨神経痛、非特異的腰痛、三叉神経痛、多発性硬化症痛、線維筋痛症、HIV関連ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、及び
身体外傷、切断、幻肢症候群、脊髄手術、癌、毒素又は慢性炎症性状態により生じる痛みを含む。加えて、神経因性疼痛状態は、「ちくちくした感覚」のような通常は無痛の感覚に伴う痛み(知覚異常および異常感覚)、触れられた際の感受性の増大(知覚過敏)、無害な刺激後の痛みの感覚(動的、静的、熱的または冷感異痛症)、侵害性刺激に対する感受性の増大(熱、冷、機械刺激に対する痛覚過敏症)、刺激の除去後の痛みの感覚の継続(痛覚過敏)又は選択的感覚経路の不在または欠損(痛覚鈍麻)を含む。
【0116】
慢性関節痛は、特に関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎及び若年性関節炎を含む。
【0117】
機能性腸障害に伴う痛みは、特に非潰瘍性胃腸障害、非心臓性胸痛及び過敏性腸症候群を含む。
【0118】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、神経変性及び神経炎症性疾患の予防又は治療に適切である。神経変性及び神経炎症性疾患は、アルツハイマー病、並びにクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及び新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(nvCJD);筋萎縮性側索硬化症、アミロイドーシス;多発性硬化症及び他の脱髄症;脳動脈硬化症及び血管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;ハンチントン病;レビー小体型認知症;及びパーキンソン病を含むが、これらに限定されない他の認知症性疾患を含む。
【0119】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、骨関節疾患の予防又は治療に適切である。骨関節疾患は、関節リウマチ、骨関節炎、痛風又は結晶性関節症等の関節炎;椎間板変性;顎関節変性;骨粗鬆症、ページェット病又は骨壊死等の骨リモデリング疾患;多発性軟骨炎;強皮症;混合結合組織病;脊椎関節症;歯周炎等の歯周病;原発性及び、例えば先天性股関節形成異常に続発性の双方の変形性関節炎/骨関節症に関連する、又はそれらを含む関節炎;頸椎症及び腰椎症;スティル病;強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎及び未分化型脊椎関節炎を含む血清反応陰性脊椎関節炎;化膿性関節炎並びにポット病及びポンセ症候群を含む、結核等の他の感染症関連関節症及び骨障害;尿酸痛風、ピロリン酸カルシウム沈着疾患及びカルシウムアパタイト関連性腱、滑液嚢及び滑膜炎症を含む急性及び慢性の結晶誘発性滑膜炎;ベーチェット病;原発性及び続発性シェーグレン症候群;全身性硬化症及び限局性強皮症;全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病及び未分化結合組織疾患;皮膚筋炎及び多発性筋炎を含む炎症性筋疾患;リウマチ性多発筋痛症;罹患関節を問わない特発性炎症性関節炎を含む若年性関節炎及び関連症候群並びにリウマチ熱及びその全身性合併症;巨細胞動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎並びにウイルス感染、過敏性反応、クリオグロブリン及び異常タンパクに関連する血管炎を含む血管炎;家族性地中海熱、マックル−ウエルズ症候群及び家族性アイルランド熱、菊池病;並びに薬物誘発性関節痛、腱炎及びジストロフィー及び他の炎症性筋疾患を含む筋障害。
【0120】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、気道の閉塞性疾患の予防又は治療に適切である。閉塞性気道疾患は、間欠性及び持続性の両方の、そして全ての重篤度の、気管支、アレルギー性、内因性及び外因性喘息、運動誘発性、(アスピリン及びNSAID誘発性を含む)薬物誘発性及び塵埃誘発性喘息を含む喘息及び他の原因の気道過敏症;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性及び好酸球性気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺及び関連疾患;過敏性肺炎;特発性線維性肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗悪性腫瘍治療並びに結核及びアスペルギルス症その他の真菌感染症を含む慢性感染の合併症としての線維症を含む肺線維症;肺移植の合併症;肺血管系の脈管炎性及び血栓性障
害並びに肺高血圧;気道の炎症及び分泌症状を伴う慢性咳並びに医原性咳の治療を含む鎮咳作用;薬物性鼻炎及び血管神経性鼻炎を含む急性及び慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性及び季節性アレルギー性鼻炎;鼻ポリープ;並びに感冒を含む急性ウイルス感染症及び呼吸系発疹ウイルス、インフルエンザ、(SARSを含む)コロナウイルス及びアデノウイルスに因る感染症;を含む。
【0121】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、心血管疾患の予防又は治療に適切である。心血管疾患は、冠動脈及び末梢循環に悪影響を与えるアテローム性動脈硬化;心膜炎;心筋炎;心サルコイドーシスを含む炎症性及び自己免疫性心筋症;虚血再灌流障害;心内膜炎、弁膜炎及び感染性(例えば、梅毒性)血管炎を含む大動脈炎;並びに深部静脈血栓及び静脈瘤の合併症を含む、静脈炎及び血栓症を含む近位及び末梢静脈の障害を含む。
【0122】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、眼疾患の予防又は治療に適切である。眼疾患は、眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に悪影響を与える自己免疫性、変性又は炎症性の障害;交感性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;並びにウイルス性、真菌性及び細菌性感染症を含む眼の感染症を含む。
【0123】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、皮膚疾患の予防又は治療に適切である。皮膚疾患は、乾癬、火傷、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎若しくは他の湿疹性皮膚疾患及び遅延型過敏反応;植物性及び光線性皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎、中毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭症、スウィート症候群、ウェーバー−クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性及び非感染性の両方の蜂窩織炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非メラノーマ性皮膚がん及び他の腫瘍性病変;並びに固定薬疹を含む薬物誘発性障害を含む。
【0124】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、腹腔及び消化管疾患の予防又は治療に適切である。腹腔及び消化管疾患は、自己免疫性、アルコール性及びウイルス性肝炎を含む肝炎;肝線維症及び肝硬変;胆嚢炎;急性及び慢性の両方の膵臓炎;非炎症性下痢;舌炎、歯肉炎、歯周炎;逆流性食道炎を含む食道炎;好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎を含む大腸炎、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸疾患/症候群及び消化管から離れた作用(例えば、片頭痛、鼻炎又は湿疹)を有し得る食物関連アレルギー;例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚若しくは網膜の移植後又は輸血後の急性及び慢性の同種移植拒絶を含む同種移植拒絶;並びに慢性移植片対宿主病;を含む。
【0125】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、泌尿生殖器疾患の予防又は治療に適切である。泌尿生殖器疾患は、間質性及び糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性及び慢性の(間質性)膀胱炎を含む膀胱炎及びハナー潰瘍;急性及び慢性の尿道炎、出血性膀胱炎、前立腺炎、副睾丸炎、卵巣炎及び卵管炎;外陰腟炎;ペイロニー病;並びに(男性及び女性両方の)勃起障害を含む。
【0126】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、癌の予防又は治療に適切である。癌の治療は、脳腫瘍、前立腺、肺、乳、卵巣、腸及び結腸、胃、膵臓、皮膚及び(白血病を含む)骨髄並びに非ホジキン及びホジキンリンパ腫等のリンパ増殖系を含み、また、転移性疾患及び腫瘍の再発並びに新生物随
伴症候群の予防又は治療を含む。
【0127】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、他の自己免疫性及びアレルギー性障害の予防又は治療に適切である。他の自己免疫性及びアレルギー性障害は、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群及び抗リン脂質症候群を含む。
【0128】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、炎症性の又は免疫学的な要素を伴う他の障害の予防又は治療に適切である。炎症性の又は免疫学的な要素を伴う他の障害は、後天性免疫不全症候群(AIDS)、らい病、セザリー症候群及び新生物随伴症候群を含む。
【0129】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、気分、うつ病、睡眠及び不安障害の予防又は治療に適切である。
【0130】
さらに、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、外傷誘発性損傷(injury induced trauma)及び脊髄損傷の予防又は治療に適切である。
【0131】
特に、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、下記の群の疾患及び障害の1つ、幾つか又はすべてから選択される疾患の予防又は治療に適切である:
1) 痛みであって、急性疼痛;慢性疼痛;捻挫及び筋挫傷に伴う痛み;慢性関節痛;リウマチ熱に伴う痛み;筋骨格痛;腰部頚部痛;炎症性疼痛;神経因性疼痛;内臓痛;インフルエンザ又は他のウイルス感染症に伴う痛み;癌及び腫瘍浸潤に伴う痛み;関節及び骨痛;非定型顔面痛;偏頭痛に伴う痛み、歯痛及び月経困難;緊張型頭痛及び群発頭痛を含む頭痛;心筋虚血に伴う痛み;機能性腸障害に伴う痛み;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌化学療法に伴う痛み;並びに術後痛;を意味する上記痛み;
神経因性疼痛は特に、糖尿病性ニューロパシー、坐骨神経痛、非特異的腰痛、三叉神経痛、多発性硬化症痛、線維筋痛症、HIV関連ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛及び身体外傷、切断、幻肢症候群、脊髄手術、癌、毒素又は慢性炎症性状態により生じる痛みを含む。加えて、神経因性疼痛状態は、「ちくちくした感覚」のような通常は無痛の感覚に伴う痛み(知覚異常および異常感覚)、触れられた際の感受性の増大(知覚過敏)、無害な刺激後の痛みの感覚(動的、静的、熱的又は冷感異痛症)、侵害性刺激に対する感受性の増大(熱、冷、機械刺激に対する痛覚過敏症)、刺激の除去後の痛みの感覚の継続(痛覚過敏)又は選択的感覚経路の不在または欠損(痛覚鈍麻);を含む。
【0132】
慢性関節痛状態は特に関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎及び若年性関節炎;を含む。
【0133】
機能性腸障害に伴う痛みは特に非潰瘍性胃腸障害、非心臓性胸痛及び過敏性腸症候群;を含む。
【0134】
2) アルツハイマー病、並びにクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及び新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(nvCJD);アミロイドーシス;筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症及び他の脱髄症;脳動脈硬化症及び血管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;ハンチントン病;レビー小体型認知症;及びパーキンソン病;を含むが、これらに限定されない他の認知症性疾患;等の神経変性及び神経炎症性疾患;
3) 関節リウマチ、骨関節炎、痛風若しくは結晶性関節症;椎間板変性等の関節炎;
顎関節変性;骨粗鬆症、ページェット病又は骨壊死等の骨リモデリング疾患;多発性軟骨炎;強皮症;混合結合組織病;脊椎関節症;歯周炎等の歯周病;ベーチェット病;原発性及び続発性シェーグレン症候群;全身性硬化症及び限局性強皮症;全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病及び未分化結合組織疾患;皮膚筋炎及び多発性筋炎を含む炎症性筋疾患;リウマチ性多発筋痛症;罹患関節を問わない特発性炎症性関節炎を含む若年性関節炎及び関連症候群並びにリウマチ熱およびその全身性合併症;巨細胞動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎並びにウイルス感染、過敏性反応、クリオグロブリン及び異常タンパクに関連する血管炎を含む血管炎;マックル−ウエルズ症候群及び家族性アイルランド熱、菊池病;並びに薬物誘発性関節痛、腱炎及び筋障害;等の骨関節疾患;
4) 慢性閉塞性肺疾患(COPD);嚢胞性線維症;肺気腫;サルコイドーシス;農夫肺及び関連疾患;結核の合併症としての線維症を含む肺線維症;及び気道の炎症及び分泌症状を伴う慢性咳等の閉塞性気道疾患;
5) 炎症性及び自己免疫性心筋症等の心血管疾患;
6) 網膜に悪影響を与える変性又は炎症性の障害等の眼疾患;
7) 乾癬、火傷、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎若しくは他の湿疹性皮膚疾患;及び円板状エリテマトーデス等の皮膚疾患;
8) 肝線維症及び肝硬変;胆嚢炎;急性及び慢性の両方の膵臓炎;クローン病;潰瘍性大腸炎を含む大腸炎;及び過敏性腸疾患/症候群等の腹腔及び消化管疾患;
9) 間質性及び糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;並びに急性及び慢性の(間質性)膀胱炎を含む膀胱炎等の泌尿生殖器疾患;並びに
10) 橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群及び抗リン脂質症候群等のその他の自己免疫性及びアレルギー性障害。
【0135】
最も好ましくは、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、下記の群の疾患及び障害の1つ、幾つか又はすべてから選択される疾患の予防又は治療に適切である:
1) 痛みであって、急性疼痛;慢性疼痛;捻挫および筋挫傷に伴う痛み;慢性関節痛;リウマチ熱に伴う痛み;筋骨格痛(好ましい);腰部頚部痛;炎症性疼痛;神経因性疼痛(好ましい);内臓痛;インフルエンザまたは他のウイルス感染症に伴う痛み;癌及び腫瘍浸潤に伴う痛み;関節及び骨痛;非定型顔面痛;偏頭痛に伴う痛み、歯痛及び月経困難;緊張型頭痛および群発頭痛を含む頭痛;心筋虚血に伴う痛み;機能性腸障害に伴う痛み;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌化学療法に伴う痛み;及び術後痛を意味する上記痛み;
神経因性疼痛は、特に糖尿病性ニューロパシー、坐骨神経痛、非特異的腰痛、三叉神経痛、多発性硬化症痛、線維筋痛症、HIV関連ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛及び身体外傷、切断、幻肢症候群、脊髄手術、癌、毒素又は慢性炎症性状態により生じる痛みを含む。加えて、「ちくちくした感覚」のような通常は無痛の感覚に伴う痛み(知覚異常および異常感覚)、触れられた際の感受性の増大(知覚過敏)、無害な刺激後の痛みの感覚(動的、静的、熱的または冷感異痛症)、侵害性刺激に対する感受性の増大(熱、冷、機械刺激に対する痛覚過敏症)、刺激の除去後の痛みの感覚の継続(痛覚過敏)又は選択的感覚経路の不在または欠損(痛覚鈍麻)を含む神経因性疼痛状態;
特に関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎及び若年性関節炎を含む慢性関節痛;
特に非潰瘍性胃腸障害、非心臓性胸痛及び過敏性腸症候群を含む機能性腸障害に伴う痛み;
2) 関節リウマチ及び骨関節炎;
3) 慢性閉塞性肺疾患(COPD);及び
4) クローン病。
【0136】
本発明はまた、上記の疾患の治療及び/又は予防のための医薬組成物の製造のための態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物の使用に関する。
【0137】
本発明はまた、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物の薬学的に許容される塩並びに医薬組成物及び製剤に関する。
【0138】
本発明に従う医薬組成物は、活性成分として、態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物の少なくとも1つ(又は、その薬学的に許容される塩)と、任意で担体及び/又は希釈剤及び/又はアジュバントとを含む。
【0139】
態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、たとえば(特に経口等の)経腸又は(局所的適用又は吸入を含む)非経口投与用の医薬組成物の形態で使用することができる。
【0140】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者にもよく知られた方法により(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」[Lippincott Williams & Wilkinsより出版]参照)、上記の式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上適合性のある固体又は液体の担体材料、及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0141】
本発明はまた、薬学的に活性な量の態様1)〜53)のいずれか1つに従う式(I)の化合物又は、その薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、本明細書に言及した疾患又は障害の予防又は治療方法に関する。
【0142】
本明細書における、式(I)、(I
P)、(I
St1)、(I
St2)、(I
St1−P)又は(I
St2−P)の化合物に対するいかなる言及も、適宜かつ文脈に応じて、そのような化合物の塩(そして特に、薬学的に許容される塩)にも言及しているものと解される。式(I)の化合物に対して示した好適性は、当然のことながら、式(I
P)の、式(I
St1)の、式(I
St2)の、(I
St1−P)の、及び式(I
St2−P)の化合物並びに式(I)の、(I
P)の、式(I
St1)の、式(I
St2)の、(I
St1−P)の、及び式(I
St2−P)の化合物の塩及び薬学的に許容される塩にも準用される。医薬としてのこれらの化合物に、これらの化合物を活性成分として含む医薬組成物に、又は疾患の治療のための医薬の製造のためのこれらの化合物の使用についても同様である。
【0143】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に付される「約」(あるいは「およそ」)という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に付される「約」(あるいは「およそ」)という用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。さらに、ここで使用される「室温」(RT)という用語は、約25℃の温度を意味する。
【0144】
数値範囲の記載に「間」という単語が使用される場合は常に、示された範囲の末端の点は明示的にその範囲に含まれると解される。これは、例えば、温度範囲が40℃と80℃の間であると記載される場合、末端の点である40℃と80℃はその範囲に含まれることを意味し;あるいは、可変数が1と4の間の整数であると定義される場合、可変数は整数
の1、2、3又は4であることを意味する。
【0145】
式(I)の化合物は、以下の方法によって、実施例に示された方法によって、又は類似の方法によって製造することができる。最適反応条件は、使用する具体的反応物又は溶媒によって変わるが、このような条件は、当業者により、ルーチンの最適化手順によって決定することができる。
【0146】
別段の記載がない限り、包括的な基、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、X、Y及びnは、式(I)に定義した通りである。その他使用される略語は、実験の部に定義する。
【0147】
場合によっては、包括的な基、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、X、Y及びnは、下記のスキームに図示した製法に適合しないため、保護基(PG)の使用が必要となるだろう。保護基の使用は、当技術分野において周知である(例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis、T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Wiley−Interscience、1999参照)。この目的のために、そのような保護基が必要に応じて適切に導入されているものと仮定する。
【0148】
式(I)の化合物の製造:
式(Ia)の化合物は、HOBt/EDC.HCl、TBTU又はHOAt等の標準的なアミドカップリング試薬及びDIPEA等の塩基を用い、DCM、THF又はDMF等の溶媒中、好ましくはRTと45℃の間の温度にて、アミン(II)を酸(III)により反応させることにより製造することができる(スキーム1)。
【0149】
【化7】
X又はYがN(O)を表し、他方がC(R
6)を表す式(Ib)及び(Ic)の化合物は、X又はYがNを表し、他方がC(R
6)を表す式(Ia)の化合物から、DCM又はTHF等の溶媒中、0℃と45℃の間の温度にて、3−クロロ過安息香酸等の適当な酸化試薬によって酸化することにより製造することができる(スキーム2)。
【0150】
【化8】
式(II)の化合物は、市販されていない場合には、下記のスキーム中に概略した手順に従って製造することができる。
【0151】
nが1を表す式(IIa)の化合物は、Zがブロミド又はクロリドであるカルボン酸エステル誘導体(IV)を出発物質として、ジメトキシエタン又はDMF等の溶媒中、NaH等の適宜な塩基の存在下、好ましくは45℃と80℃の間の温度にて、エチルグリコレートを用いたアルキル化/縮合反応シークェンスにより製造することができる。各β−ヒドロキシエステル(V)から、水又はTHF等の適宜な溶媒中、HCl等の酸の存在下、加熱により脱カルボキシル化させることでケトン(VI)を形成することができる。ケトキシム(VII)は、MeOH又はEtOH等の適宜な溶媒中、任意にNaOAc等の塩基の存在下、好ましくはRTと60℃の間の温度にて、O−メチルヒドロキシルアミンを用いるなど、標準的な条件による縮合により製造することができる。還元による式(IIa)のアミンの形成は、例えばPd/C又はラニーニッケル等の適宜な触媒の存在下、EtOH又はNH
3/MeOH溶液等の溶媒中、触媒による水素化により行うことができる。あるいは、当該還元は、BH
3等の還元剤の存在下、THF等の溶媒中、RTと60℃の間の温度にて行うこともできる(スキーム3)。
【0152】
あるいは、R
4及び/又はR
5が(C
1−C
3)アルキル又は(C
3−C
6)シクロアルキルを表す式(IIa)の化合物は、R
4及び/又はR
5がハロゲンを表すケトキシム(VII)から、(1)K
2CO
3等の適当な塩基及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム触媒の存在下、EtOH又はジオキサン等の溶媒中、好ましくはRTと100℃の間の温度にて、エチルボロン酸又はシクロプロピルボロン酸等のそれぞれのボロン酸誘導体を用いたSuzuki型のカップリング反応すること、及び(2)上述の条件下、得られたケトキシム部分(VIIa)を還元すること、の2工程により合成することができる(スキーム3)。
【0153】
あるいは、R
4及び/又はR
5が(C
1−C
3)アルコキシを表す式(IIa)の化合物は、R
4及び/又はR
5がハロゲンを表すケトキシム(VII)から、(1)例えばNaOMe又はNaOEtを用いた芳香族求核置換を行い、MeOH又はEtOH等の適宜な溶媒中、40℃と90℃の間の温度にて加熱すること、及び(2)上述の条件下、得られたケトキシム部分(VIIa)を還元すること、の2工程により合成することができる(スキーム3)。
【0154】
式(IV)の化合物は、市販されていない場合には、当業者に知られた手順に従って製造することができる。例えば、R
4、R
5及び/又はR
6が(C
1−C
3)アルキル又は(C
3−C
6)シクロアルキルを表す場合には、そのような化合物は、Zが好ましくはクロリドであり、R
aがハロゲン、好ましくはブロミドを表す式(VIII)の適当なハライドのSuzuki型のカップリングにより製造することができる。R
4、R
5及び/又はR
6が(C
1−C
3)アルコキシを表す場合には、式(IV)の化合物は、上述の条件下、Zが好ましくはクロリドであり、R
aがハロゲン、好ましくはブロミド又はクロリド
を表す式(VIII)の化合物から、芳香族求核置換により得ることができる。
【0155】
R
4、R
5及び/又はR
6が(C
1−C
3)フルオロアルキルを表す式(IV)の化合物は、市販されているか、又はCuI/KF等の適宜な触媒系の存在下、NMP又はDMF等の溶媒中、好ましくはRTと90℃の間の温度にて、Zが好ましくはクロリドであり、R
aがハロゲン、好ましくはヨード又はブロミドを表す式(VIII)の適当なハライドから、トリフルオロメチルトリメチルシラン又は2,2−ジフルオロ−2−フルオロスルフォニル酢酸メチルエステルを用いて、芳香族トリフルオロメチル化することにより製造することができる。
【0156】
【化9】
YがNを表し、XがC(R
6)を表し、R
6がクロリドを表す式(IIb)の化合物は、ケトキシム(VIIb)から、酸化/塩素化反応シークェンスからなる2工程により製造することができる。当該酸化は、DCM又はTHF等の溶媒中、0℃と45℃の間の温度にて、3−クロロ過安息香酸等の適宜な酸化試薬を用いて行うことができる。次いで、DCM等の溶媒中、好ましくは0℃と45℃の間の温度にて、塩化ホスホリルなどの標準的な条件下で、中間体であるN−オキシドを、塩素化することができる。ケトキシム(VIIc)の対応するアミン(IIb)への還元は、THF等の溶媒中、RTと60℃の間の温度にて、BH
3等の還元剤を用いて行うことができる。(スキーム4)。
【0157】
YがNを表し、XがC(R
6)を表し、R
6が(C
1−C
3)アルコキシを表す式(IIc)の化合物は、式(VIIc)の化合物を、NaOMe又はNaOEt等のアルコキシドを用いて芳香族求核置換し、MeOH又はEtOH等の適宜な溶媒中、40℃と90℃の間の温度にて加熱することにより製造することができる。R
bが(C
1−C
3)アルキルを表すケトキシム(VIId)の還元による対応するアミン(IIc)の形成は、前記したスキーム3の式(IIa)の化合物の合成のとおりに行うことができる。(スキーム4)。
【0158】
YがNを表し、XがC(R
6)を表し、R
6が(C
1−C
3)アルキル又は(C
3−C
6)シクロアルキルを表す式(IId)の化合物は、上述の条件下、式(VIIc)の化合物のSuzuki型のカップリングにより、R
cが(C
1−C
3)アルキル又は(C
3−C
6)シクロアルキルを表す式(VIIe)の化合物を形成することによって製造することができる。最終的な還元によるアミン(IId)の形成は、前記したスキーム3の式(IIa)の化合物の合成のように行うことができる。(スキーム4)。
【0159】
【化10】
同様に、XがNを表し、YがC(R
6)を表し、R
6が(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)アルコキシ又はハロゲンを表す式(II)の化合物は、XがNを表し、YがC(R
6)を表し、R
6が水素を表す式(VII)の化合物を出発物質として、スキーム4で示したものと同様の合成手法により製造することができる。
【0160】
nが2を表す式(IIe)の化合物は、Zがブロミド又はクロリドを表すアルデヒド(IX)から、LDA等の塩基の存在下、THF等の溶媒中、好ましくは−78℃とRTの間の温度にて、EtOAcを用いてアルキル化することにより、β−ヒドロキシエステル(X)を形成することで製造することができる。エステル部分の還元による対応するジオール(XI)の形成は、THF又はEt
2O等の溶媒中、好ましくは−78℃と45℃の間の温度にて、LiAlH
4、LiBH
4、水素化ジイソブチルアルミニウム又はBH
3等の還元剤を用いて行うことができる。ジオール(XI)は、tBuOH等の溶媒中、好ましくはRTと80℃の間の温度にて、tBuOK等の塩基で処理することにより、式(XII)のヒドロキシ誘導体に変換することができる。アジド(XIII)は、式(XII)の化合物から、DBUの存在下、トルエン又はTHF等の溶媒中、好ましくは0℃とRTの間の温度にて、DPPAなどの条件でのアゾ化により製造することができる。アジド(XIII)の還元による対応するアミン(IIe)の形成は、例えば、Pd/C等の適宜な触媒の存在下、EtOH等の溶媒中、触媒により水素化することにより行うことができる。あるいは、当該アジド部分は、THF/H
2O等の溶媒中、好ましくはRT付近の温度にて、PPh
3を用いたStaudinger型の反応により、アミンに変換することができる(スキーム5)。
【0161】
【化11】
式(IX)の化合物は、市販されていない場合には、当業者に知られた手順に従って製造することができる。例えば、R
4、R
5及び/又はR
6が(C
1−C
3)アルキル、(C
3−C
6)シクロアルキル、(C
1−C
3)フルオロアルキル又は(C
1−C
3)アルコキシを表すアルデヒド(IX)は、カルボン酸エステル誘導体(IV)(上記スキーム3に記載)から、(1)THF又はDCM等の溶媒中、−78℃とRTの間の温度にて、水素化ジイソブチルアルミニウム等の適宜な還元剤を用いて還元し、次いで、必要に応じて、(2)DCM等の溶媒中、好ましくはRT付近の温度にて、各アルコールを、二クロム酸ピリジニウム又はDess Martin試薬等の適当な酸化試薬を用いて酸化することにより製造することができる(スキーム6)。
【0162】
あるいは、式(IX)の化合物は、R
aがハロゲンを表し、Zが好ましくはクロリドであり、R
cがアセタール等の適宜な保護基を有する保護されたアルデヒド部分を表す式(XIV)の化合物から、上述のSuzuki型のカップリング、芳香族トリフルオロメチル化及び芳香族求核置換の条件を用いて製造することができる(スキーム6)。
【0163】
【化12】
式(III)の化合物は、市販されていない場合には、以下のスキーム7に概略する手順又は実験の部に記載する手順に従って、製造することができる。R
3がアリールを表すアニリン(XV)は、市販されていない場合には、当業者に知られた手順に従って製造することができる。
【0164】
R
3がアリールを表し、Rがメチル、エチル又はtert.−ブチルを表す式(XVI
)の化合物は、アニリン誘導体(XV)から、CH
3CN等の溶媒中、CuCl
2等のCu(II)塩、tBu−亜硝酸及び1,1−ジクロロエチレンを用いたMeerwein型のアリール化反応を行い、次いで、ナトリウムメトキシドの存在下、MeOH中で還流し、続いて好ましくはRTと90℃の間の温度にて、濃H
2SO
4で処理することにより製造することができる。
【0165】
R
3がニトリル置換基を含む式(XVI)の化合物は、R
3がヨード又はブロミドの置換基を含む式(XVI)の化合物から、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の適宜な触媒の存在下、NMP等の溶媒中、好ましくはRTと100℃の間の温度にて、Zn(CN)
2を用いて、パラジウム触媒によるシアン化反応により製造することができる。
【0166】
あるいは、R
3がニトリル置換基を含む式(XVI)の化合物は、R
3がカルボキサミド置換基を含む式(XVI)の化合物から、Et
3Nの存在下、DCM等の溶媒中、好ましくは0℃とRTの間の温度にて、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を脱水剤として用いた脱水反応により製造することができる。
【0167】
あるいは、式(XVI)の化合物は、例えば安息香酸又はピリジン−カルボン酸といった、対応する式(XVII)のカルボン酸を出発物質として、Arndt−Eistert同族体化により製造することができる。各α−ジアゾケトンは、DCM中、塩化オキサリルを用い、次いで、THF又はジエチルエーテル等の溶媒中、好ましくは−5℃とRTの間の温度にて、(トリメチルシリル)ジアゾメタンで処理することにより製造することができる。MeOH等のアルコールの存在下、好ましくは0℃とRTの間の温度にて、安息香酸銀等の銀(I)触媒を用いたウォルフ転移に付することにより、所望のエステル誘導体(XVI)となる(スキーム7)。
【0168】
あるいは、式(XVI)の化合物は、Zがクロリド又はヨードであり、R
3がアリール又はヘテロアリールを表す式(XVIII)の対応するハライドR
3−Zを出発物質として、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の適宜な触媒の存在下、THF又はジオキサン等の溶媒中、好ましくはRTと100℃の間の温度にて、(2−tert.−ブトキシ−2−オキソエチル)亜鉛クロリド等の亜鉛試薬を用いて、パラジウム触媒によるNegishi型のカップリングにより製造することができる。
【0169】
あるいは、ハライドZが好ましくはブロミド又はフルオリドであり、R
3がヘテロアリールを表す式(XVIII)のハライドR
3−Zは、マロネート付加/脱カルボキシル化シークェンスにより、式(XVI)の化合物に変換することができる。マロネート付加は、NaH等の適宜な塩基の存在下、DMF又はNMP等の溶媒中、好ましくは0℃とRTの間の温度にてマロン酸メチル等のマロネートを用いて行うことができる。脱カルボキシル化は、DCM又はジクロロエタン中、TFA又はHCl等の酸の存在下、ジエステルを加熱することにより行うことができる。
【0170】
R
3がアリール−メチルである式(XVI)の化合物は、Zが好ましくはブロミド又はヨードであり、R
3がアリールであるハライドR
3−Z(XVIII)を出発物質として、(1)標準的な条件によるHeck又はSuzuki型のカップリング反応を行うこと、及び(2)パラジウム等の触媒の存在下、EtOH又はEtOAc等の適宜な溶媒中、RT付近の温度にて、得られた桂皮酸塩誘導体の水素化反応を行うことの2工程によって製造することができる。Suzuki反応は、K
2CO
3等の適宜な塩基及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム触媒の存在下、EtOH又はジオキサン等の溶媒中、好ましくはRTと100℃の間の温度にて、例えば、2−エトキシカルボニルビニルボロン酸ピナコールエステル等のビニルボロン酸誘導体を用いて行うこと
ができる。Heckのカップリング反応は、Et
3N等の塩基及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の適当なパラジウム触媒の存在下、DMF等の溶媒中、好ましくはRTと100℃の間の温度にて、例えば、アクリル酸メチルを用いて行うことができる。
【0171】
R
3がアリール−エチルである式(XVI)の化合物は、Zが好ましくはブロミド又はヨードであり、R
3がアリールであるハライドR
3−Z(XVIII)を出発物質として、(1)標準的な条件によるHeck型のカップリング反応を行うこと、及び(2)パラジウム等の触媒の存在下、EtOH又はEtOAc等の適宜な溶媒中、RT付近の温度にて、得られた不飽和カルボン酸エステル誘導体の水素化反応を行うことの2工程により製造することができる。Heckのカップリング反応は、例えば、Et
3N等の塩基及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の適当なパラジウム触媒の存在下、DMF又はCH
3CN等の溶媒中、好ましくはRTと100℃の間の温度にて、3−ブテン酸メチルを用いて行うことができる。
【0172】
あるいは、R
3がアリール−エチルである式(XVI)の化合物は、Zが好ましくはブロミド又はヨードであり、R
3がアリールであるハライドR
3−Z(XVIII)を出発物質として、K
3PO
4等の塩基及びジクロロ(ジフェニルホスフィノフェロセン)−パラジウム等の適宜なパラジウム触媒の存在下、THF又はDMF等の溶媒中、好ましくはRTと100℃の間の温度にて、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−9−ブタン酸メチルエステル等の各トリアルキルボランを用いたSuzukiのクロスカップリング法により製造することができる。
【0173】
R
3がアリールオキシ又はヘテロアリールオキシである式(XVI)の化合物は、K
2CO
3等の塩基の存在下、アセトン又はDMF等の適宜な溶媒中、好ましくは0℃と90℃の間の温度にて、各ヒドロキシアリール又はヒドロキシヘテロアリール誘導体をブロモ酢酸エステル誘導体を用いてアルキル化することにより製造することができる。
【0174】
水とMeOH、EtOH又はTHF等の適宜な有機溶媒系との混合物中のNaOH又はLiOHなど、標準的な条件を用いた、Rがメチル又はエチルを表すエステル(XVI)の加水分解により、R
1及びR
2が水素を表す式(III)の各化合物を与えられる(スキーム7)。
【0175】
RがtBuを表すエステル(XVI)の加水分解は、DCM等の適宜な溶媒中、好ましくはRT付近の温度にて、TFAを用いて行うことができる。
【0176】
あるいは、R
1及びR
2が水素を表し、R
3がアリール−メチルである式(III)の化合物は、R
3がアリールであるベンズアルデヒド(XIX)を出発物質として、ピペリジン/ピリジン等のアミンの存在下、好ましくはRTと100℃の間の温度にて、マロン酸等のマロン酸誘導体を用いたKnoevenagel型の縮合反応により製造することができる。次いで、形成された桂皮酸塩誘導体を、上述の条件下で水素化することができる。
【0177】
R
3が(C
1−C
2)アルキルカルボニル置換基を含む式(III)の化合物は、例えば、R
3がカルボン酸置換基を含む式(XVIII)の化合物から、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンを用いて対応するワインレブアミドを生成し、続いてTHF等の適宜な溶媒中、好ましくは−78℃とRTの間の温度にて、メチルマグネシウムブロミド又はエチルマグネシウムブロミド等のグリニヤール試薬で処理することにより製造することができる。
【0178】
R
1及びR
2の少なくとも1つが水素ではない式(III)の化合物は、R
1及びR
2が水素である式(III)の化合物、又は式(XVI)の化合物を出発物質として、NaH、tBuOK又はLDA等の塩基の存在下、THF又はDMF等の適宜な有機溶媒中、好ましくは−78℃とRTの間の温度にて、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル又は1,2−ジブロモエタン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジブロモブタン若しくは1,5−ジブロモペンタン等のジハロアルカンを用いたアルキル化により合成することができる(スキーム7)。
【0179】
R
1が水素であり、R
2がヒドロキシ−メチルである式(III)の化合物は、式(XVI)の化合物を出発物質として、DBU又はNaHCO
3等の塩基を触媒として、DMSO又はジオキサン等の溶媒中、好ましくはRT付近の温度にて、パラホルムアルデヒドを用いたヒドロキシメチル化反応により合成することができる。
【0180】
R
1が水素であり、R
2がヘテロシクリル−メチルである式(III)の化合物は、式(XVI)の化合物を出発物質として(1)K
2CO
3、NaOMe又はNaH等の塩基の存在下、DMSO又はDMF等の適宜な溶媒中、好ましくはRTと100℃の間の温度にて、パラホルムアルデヒドを用いた縮合反応を行い、(2)THF等の適宜な溶媒中、0℃とRTの間の温度にて、得られたアクリレート誘導体をピロリジン等の各複素環によりMichael付加反応に付することにより合成することができる(スキーム7)。
【0181】
【化13】
R
1が水素を表し、かつR
2とR
3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、インダニル又はテトラヒドロナフチル基を形成する式(IIIa)の化合物は、Rがハロゲン等の置換基を表し、mが1、2又は3を表すケトン(XX)から、(1)tBuOK等の塩基の存在下、ジメトキシエタン又はEtOH等の適宜な溶媒中、好ましくは0℃とRTの間の温度にて、TosMICを用いて還元性のシアノ化を行って式(XXI)の化合物を生
成すること、及び(2)HCl及び/又はAcOH等の酸の存在下、好ましくは40℃と100℃の間の温度にて、当該ニトリルを加熱により加水分解することの2工程により製造することができる(スキーム8)。
【0183】
実験の部
(この項において、及び明細書の上記の部分において使用される)略語:
Ac アセチル
anh. 無水物
aq 水性
CC カラムクロマトグラフィー
dba ジベンジリデンアセトン
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
Deoxo−Fluor(登録商標) ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルフォキシド
DPPA ジフェニルホスフォリルアジド
Et エチル
EDC.HCl N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩
h 時間
Hept ヘプタン
HOAT 1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
HV 高真空
ID 内径
LC−MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
M モル濃度
Me メチル
min 分
N 規定度
NCS N−クロロスクシンイミド
NMP N−メチル−2−ピロリドン
NMR 核磁気共鳴
PG 保護基
Q−Phos 1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1’−(ジ−tBu−ホス
フィノ)フェロセン
RT 室温
sat. 飽和
TBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
tBu tert−ブチル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TMS トリメチル−シリル
TosMIC 1−(イソシアノメチルスルフォニル)−4−メチルベンゼン
t
R 保持時間
UV 紫外線
Vis 可視
【0184】
使用した定性分析法
NMR:Brucker Avance 400、400MHz;化学シフトは、使用する溶媒と比較してppmで示す;多重度:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項、br=広域、結合定数はHzで示す。
【0185】
LC−MS:Agilent 1100 Binary Pump及びDADを備えたThermo Finnigan MSQ Surveyor MS。
【0186】
条件:溶出液:A:H
2O+0.04%TFA;B:CH
3CN;勾配:5%Bから95%Bへ;ランタイム(runtime):1.5min;流速:4.5mL/min;検出:UV/Vis+MS、t
Rはmin.で表す;
LC−MS(A):カラム Waters XBridge C18、2.5μm、4.6x30mm LC−MS(B):カラム Waters Atlantis T3、
5μm、4.6x30mm LC−MS(C):カラム Zorbax SB−aq、
3.5μm、4.6x50mm
条件:LC−MS(D):溶出液:A:H
2O+13mmol/L NH
4OH;B:CH
3CN;勾配:5%Bから95%Bへ;ランタイム(runtime):1.5min;流速:4.5mL/min;検出:UV/Vis+MS、t
Rはmin.で表す;
カラム Waters XBridge C18、2.5μm、4.6x50mm。
【0187】
LC−MS:Waters Acquity UPLC(ACQ−CM,−ACQ−BSM−ACD−SM)
条件:LC−MS(E):溶出液:A:H
2O+0.05%v/vギ酸;B:CH
3CN+0.045%v/vギ酸;勾配:2%Bから98%Bへ;ランタイム(runtime):2min;流速:1.2mL/min;検出:UV214nm+ELSD及びMS;カラム Acquity UPLC CSH C18 1.7μm、2.1x50mm。
【0188】
条件:LC−MS(F):溶出液:A:H
2O+0.05%v/vTFA;B:CH
3CN+0.045%v/vTFA;勾配:2%Bから98%Bへ;ランタイム(runtime):2min;流速:1.2mL/min;検出:UV214nm+ELSD及びMS;カラム Acquity UPLC CSH C18 1.7μm、2.1x50mm。
【0189】
使用した精製方法
カラムクロマトグラフィー(CC)(方法G)は、シリカゲル60 Merck(0.063−0.200mm)又はBiotageの充填済カートリッジ(SNAP KP−
SIL(登録商標)、SNAP KP−NH(登録商標)、Isolute(登録商標))を用いて行った。
【0190】
分取用LC−MS(順相):流速:40mL/min。検出:UV/Vis及び/又はMS。
【0191】
カラム:Macherey−Nagel Nucleosil SiOH、10μM、21x100mm
溶出液:A=Hept、B=EtOAc、C=MeOH
【0193】
【表2】
分取用LC−MS(逆相):流速:75mL/min。検出:UV/Vis及び/又はMS。
【0194】
XBridge:カラム Waters XBridge C18、10μm、30x75mm
酸性:溶出液:A=0.5%のギ酸を含むH
2O、B=CH
3CN
塩基性:溶出液:A=0.125%のNH
4OHを含むH
2O、B=CH
3CN
無極性勾配:3.5分に渡り30%Bから95%Bへ、次いで2.5分に渡り95%B
順相勾配:4分に渡り20%Bから95%Bへ、次いで2分に渡り95%B
極性勾配:4分に渡り10%Bから95%Bへ、次いで2分に渡り95%B
高極性勾配:3分に渡り5%Bから50%Bへ、次いで1分に渡り50%Bから95%Bへ、そして最後に2分に渡り95%B
超強極性勾配:1分に渡り0%B、次いで2.5分に渡り0%Bから20%Bへ、次いで0.5分に渡り20%Bから95%Bへ、そして最後に2分に渡り95%B
実施例の精製に用いた方法:
【0195】
【表3】
ラセミ体は、分取用キラルHPLCにより、各々のエナンチオマーに分離することができる。
【0196】
以下の実施例は本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではまったくない。
【0197】
A. 前駆体と中間体の製造:
A.1 カルボン酸誘導体(III)の合成
A.1.1 2,4−ジクロロアニリンの合成(一般的手順)
各アニリン(11.3mmol)を50mLのCH
3CNに溶解したものに、0℃にて、NCS(22.6mmol)を添加した。15min後、冷却浴を除き、得られた混合物をRTにて2h撹拌し、次いで40℃に一晩加熱した。Na
2S
2O
3の10%水溶液を添加し、混合物をEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。粗製物をHept/EtOAcを用いてCCで精製して、所望の2,4−ジクロロアニリン誘導体を得た。
【0198】
2,4−ジクロロ−6−エチルアニリン
2−エチルアニリンから製造;LC−MS(A):t
R=0.89min;[M+CH
3CN+H]+:231.10。
【0199】
2,4−ジクロロ−6−シクロプロピルアニリン
2−シクロプロピルアニリンから製造;LC−MS(A):t
R=0.92min;[M+H]+:202.13。
【0200】
A.1.2 3−アミノ−2−クロロベンズアミドの合成
3−アミノ−2−クロロ安息香酸(5.8mmol)を12mLのDCM中に溶解したものに、3.0mLのDIPEA、HOBT(7.0mmol)及びEDC.HCl(7.0mmol)を添加し、次いで、NH
3の水溶液(13M)0.67mLを添加した。混合物をRTにて一晩攪拌し、次いでEtOAcを添加し、混合物を水、飽和NaHCO
3水溶液及び塩水(brine)で抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の化合物を黄色の固体として得た。LC−MS(A):t
R=0.17min;[M+H]+:170.96。
【0201】
A.1.3 3,5−ジクロロ−2−ヨードベンジル アセテートの合成
1−(ブロモメチル)−3,5−ジクロロ−2−ヨードベンゼン(1.29mmol)[WO2011/027156]と酢酸ナトリウム(9.91mmol)の、AcOH4mL中の混合物を、100℃に1h、次いで80℃に20h加熱した。混合物をDCMで希釈し、水と塩水で抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。HeptからHept/EtOAc(9/1)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biot
age製)による精製により、所望の化合物を白色の固体として得る。LC−MS(A):t
R=0.97min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.77(d、1H)、7.44(d、1H)、5.08(s、2H)、2.13(s、3H)。
【0202】
A.1.4 3−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンゾニトリルの合成
A.1.4.1 3−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンズアミドの合成
3−アミノ−2−クロロ安息香酸を3−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロ安息香酸で置き換えて、本化合物を3−アミノ−2−クロロベンズアミド(A.1.2)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(A):t
R=0.52min;[M+H]+:253.81。
【0203】
A.1.4.2 3−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンゾニトリルの合成
3−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンズアミド(3.56mmol)のDCM50mL中の溶液に、Et
3N、1.5mL、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(7.11mmol)を0℃にて添加した。氷浴を除き、反応混合物をRTにて攪拌した。30min後、水を添加し、混合物をDCM(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の化合物を茶色の固体として得た。LC−MS(A):t
R=0.80min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:8.23(dd、1H)、7.56(t、1H)。
【0204】
A.1.5 2−クロロ−1−ヨード−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの合成
1−クロロ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(2.54mmol)のTHF10mL中の溶液に、n−BuLi(2.5Mのヘキサン溶液)1.42mLを−78℃にて添加した。40min後、ヨウ素(2.8mmol)をTHF2.5mL中に溶解したものを添加し、攪拌をRTにて一晩続けた。反応を、冷却下で水でクェンチし、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。HeptからHept/EtOAc(4/1)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の化合物(位置異性体混合物中の主生成物として)を無色のオイルとして得る。LC−MS(A):t
R=0.99min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.98(dd、1H)、7.70(dd、1H)、7.21(t、1H)。
【0205】
A.1.6 1−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)エタノンの合成
A.1.6.1 3−ブロモ−2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミドの合成
3−ブロモ−2−クロロ安息香酸(1.79mmol)のTHF、12mL中の溶液に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンHCl(2.32mmol)、EDC.HCl(4.29mmol)及びピリジン(2.68mmol)を0℃にて添加した。冷却浴を除き、攪拌をRTにて一晩続けた。反応液をDCM(10mL)で希釈し、水、飽和NH
4Cl水溶液、飽和NaHCO
3水溶液で抽出し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。HeptからEtOAcを用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の化合物を無色のオイルとして得る。LC−MS(C):t
R=0.76min;[M+H]+:277.90。
【0206】
A.1.6.2 1−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)エタノンの合成
3−ブロモ−2−クロロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(0.71mmol)をTHF7mL中に溶解したものに、MeMgBr(4.31mmol、3MのEt
2O溶液)の溶液を0℃にて添加した。1h後、冷却浴を除き、攪拌をRTにて一晩続けた。反応を、冷却下で水及び飽和NH
4Cl水溶液でクェンチした。混合物をEtOAc(3
x)で抽出し、有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。HeptからHept/EtOAc(85/15)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の化合物を無色のオイルとして得る;LC−MS(C):t
R=0.84min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.91(d、1H)、7.65(d、1H)、7.39(t、1H)、2.58(s、3H)。
【0207】
A.1.7 3−ブロモ−2,6−ジクロロベンゾニトリルの合成
A.1.7.1 3−アミノ−2,6−ジクロロベンゾニトリルの合成
2,6−ジクロロ−3−ニトロベンゾニトリル(1.38mmol)とSnCl
2二水和物(4.15mmol)をDMF3mL中に溶解したものを、マイクロ波条件下にて、100℃に10min加熱した。反応混合物を水で希釈し、1M NaOH溶液でpH11〜12まで塩基性化し、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の生成物を茶色の固体として得た;LC−MS(C):t
R=0.78min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.36(d、1H)、7.07(d、1H)。
【0208】
A.1.7.2 3−ブロモ−2,6−ジクロロベンゾニトリルの合成
1mLのconc.H
2SO
4に、亜硝酸ナトリウム(1.38mmol)を少しずつ添加した。完全に溶解させた後、3−アミノ−2,6−ジクロロベンゾニトリル(1.24mmol)の氷酢酸2.5mL中の溶液を、0℃にて添加した。0℃にて30min放置後、前もって冷却したCuBr(2.76mmol)をHBr(H
2O中に48%)0.5mL中に溶解したものを、ゆっくりと添加した。反応液を0℃にて45min、次いでRTにて45min攪拌した。混合物を水でクェンチし、EtOAc(3x)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の生成物を茶色の固体として得た;LC−MS(C):t
R=0.90min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:8.15(d、1H)、7.70(d、1H)。
【0209】
A.1.8 3−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルの合成
2−ブロモ−6−フルオロベンゾニトリル(2.06mmol)とKCN(4.12mmol)を2.5mLのDMSO中に溶解したものを、85℃に5h加熱し、次いで、RTにて一晩攪拌し、90℃にさらに5h加熱した。混合物をRTに冷却し、10%NaHCO
3水溶液でクェンチし、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。HeptからHept/EtOAc(5/1)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の化合物を白色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.87min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:8.27(d、1H)、8.16(d、1H)、7.79(t、1H)。
【0210】
A.1.9 1−ブロモ−2−クロロ−3−(ジフルオロメチル)ベンゼンの合成
A.1.9.1 2−クロロ−1−(ジフルオロメチル)−3−ニトロベンゼンの合成2−クロロ−3−ニトロベンズアルデヒド(1.08mmol)とDeoxo−Fluor(登録商標)(3.23mmol)を1mLのDCM中に溶解したものを、RTにて一晩攪拌した。反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(2x)と塩水で抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。HeptからHept/EtOAc(85/15)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の化合物を黄色のオイルとして得る;LC−MS(C):t
R=0.85min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:8.25(d、1H)、8.02(d、1H)、7.78(t、1H)、7.35(t、1H)。
【0211】
A.1.9.2 2−クロロ−3−(ジフルオロメチル)アニリンの合成
2−クロロ−1−(ジフルオロメチル)−3−ニトロベンゼン(0.43mmol)とSnCl
2二水和物(0.86mmol)を1mLのEtOH中に溶解したものを、封止したバイアル中で110℃に6min加熱した。RTにて混合物を水で希釈し、1M NaOH溶液でpH13〜14まで塩基性化し、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の生成物を茶色のオイルとして得た;LC−MS(C):t
R=0.77min;[M+CH
3CN+H]+:219.13。
【0212】
A.1.9.3 1−ブロモ−2−クロロ−3−(ジフルオロメチル)ベンゼンの合成
CuBr
2(0.557mmol)を1mLのCH
3CNに溶解したものに、tBu−亜硝酸(0.669mmol)を0℃にて添加した後、2−クロロ−3−(ジフルオロメチル)アニリン(0.372mmol)を1mLのCH
3CN中に溶解したものを添加した。反応混合物を0℃にて70min攪拌した。次いで、混合物を、1M HCl溶液でクェンチし、EtOAc(3x)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の生成物をオレンジ色のオイルとして得た;LC−MS(C):t
R=0.91min;[M+CH
3CN+H]+:282.25。
【0213】
A.1.10 エステルの合成(一般的手順A)
CuCl
2(11mmol)の90mL CH
3CN懸濁液に、tBuONO(15mmol)を添加し、次いで、1,1−ジクロロエチレン(146mmol)を滴下した。各アニリン(8mmol)を10mLのCH
3CN中に溶解したものを、ゆっくりと添加した。RTにて5h攪拌した後、反応を20%HCl水溶液でクェンチし、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をMgSO
4上で乾燥した。溶媒除去後、粗製物を50mLのMeOH中に再溶解した。NaOMeの30%MeOH溶液を9mL添加した後、混合物を5h還流した。次いで、1.8mLの濃H
2SO
4を添加し、混合物をさらに1h還流加熱した。真空濃縮の後、得られた固形物を水とDCMの間で分画した。水相をDCMで2回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥した。Hept/EtOAcを用いたCCによる精製により、所望のエステル誘導体が得られる。
【0214】
2,4−ジクロロ−6−メチルフェニル酢酸メチルエステル
2,4−ジクロロ−6−メチルアニリンから製造;LC−MS(A):t
R=0.90min;
1H NMR(CDCl
3)δ:7.28(s、1H)、7.12(s、1H)、3.83(s、2H)、3.72(s、3H)、2.32(s、3H)。
【0215】
2,4−ジクロロ−6−エチルフェニル酢酸メチルエステル
2,4−ジクロロ−6−エチルアニリンから製造;LC−MS(A):t
R=0.95min;
1H NMR(CDCl
3)δ:7.29(s、1H)、7.14(s、1H)、3.85(s、2H)、3.72(s、3H)、2.64(q、2H)、1.22(t、3H)。
【0216】
2,4−ジクロロ−6−シクロプロピルフェニル酢酸メチルエステル
2,4−ジクロロ−6−シクロプロピルアニリンから製造;LC−MS(A):t
R=0.96min;
1H NMR(CDCl
3)δ:7.28(s、1H)、7.02(s、1H)、4.05(s、2H)、3.73(s、3H)、1.89(m、1H)、0.98(m、2H)、0.68(m、2H)。
【0217】
2,4−ジクロロ−6−トリフルオロメチルフェニル酢酸メチルエステル
2,4−ジクロロ−6−トリフルオロメチルアニリンから製造;LC−MS(A):t
R
=0.93min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:8.11(s、1H)、7.88(s、1H)、3.97(s、2H)、3.65(s、3H)。
【0218】
2,4−ジクロロ−6−ヨードフェニル酢酸メチルエステル
2,4−ジクロロ−6−ヨードアニリンから製造;LC−MS(A):t
R=0.95min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.99(s、1H)、7.75(s、1H)、4.04(s、2H)、3.66(s、3H)。
【0219】
2−クロロ−3−カルバモイルフェニル酢酸メチルエステル
3−アミノ−2−クロロベンズアミドから製造;LC−MS(A):t
R=0.42min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.90(brs、1H)、7.57(brs、1H)、7.45(m、1H)、7.35(m、2H)、3.86(s、2H)、3.36(s、3H)。
【0220】
A.1.11 エステルの合成(一般的手順B)カルボン酸(7.66mmol)を25mLのDCM中に混合したものに、塩化オキサリル(11.5mL)、次いで、数滴のDMFを−5℃にて添加した。RTにて2h攪拌した後、溶媒を真空除去し、残渣を42mLのTHF中に再溶解した。混合物を−5℃に冷却してトリメチルシリルジアゾメタン(17.2mmol、2Mのヘキサン溶液)を添加し、反応混合物を2hに渡ってRTに温めた。溶媒を真空蒸発させた後、粗製物をHept/EtOAcを用いてCCで精製した。単離α−ジアゾケトンを39mLのMeOH中に溶解し、安息香酸銀(3.3mmol)を添加し、次いで、氷浴中で冷却しながら11mLのEt
3Nを滴下した。黒色の溶液をRTにて1日間攪拌し、真空濃縮し、Hept/EtOAcを用いてCCで精製して、所望のエステル誘導体を得た。
【0221】
2,4−ジクロロ−6−フルオロフェニル酢酸メチルエステル
2,4−ジクロロ−6−フルオロ安息香酸から製造;LC−MS(A):t
R=0.85min;
1H NMR(CDCl
3)δ:7.07(s、1H)、7.04(s、1H)、3.80(s、2H)、3.72(s、3H)。
【0222】
A.1.12 エステルの合成(一般的手順C)
各ハライド(0.979mmol)、Pd(dba)
2(0.049mmol)及びQ−Phos(0.049mmol)を、2.5mLのTHF中で混合したものに、2.15mLの2−tBu−オキシ−2−オキソエチル亜鉛クロリド(0.5MのEt
2O溶液)を添加した。反応混合物をアルゴンでフラッシュして、次いで70℃に6h加熱した。溶媒を真空濃縮した後、残渣をEtOAc中に溶解し、水と塩水で抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、Hept/EtOAcを用いてCCで精製して、所望のエステル誘導体を得た。
【0223】
2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸tBu−エステル
3−クロロ−4−ヨードベンゾトリフルオリドから製造;LC−MS(A):t
R=1.02min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.87(s、1H)、7.71(d、1H)、7.65(d、1H)、3.83(s、2H)、1.41(s、9H)。
【0224】
2−クロロ−4−シアノフェニル酢酸tBu−エステル
4−ブロモ−3−クロロベンゾニトリルから製造;LC−MS(A):t
R=0.89min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:8.06(d、1H)、7.82(dd、1H)、7.62(d、1H)、3.83(s、2H)、1.40(s、9H)。
【0225】
3−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸tBu−エステル
2−ブロモ−6−クロロベンゾトリフルオリドから製造;LC−MS(A):t
R=0.98min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.62(m、2H)、7.43(d、1H)、3.89(m、2H)、1.38(s、9H)。
【0226】
2−(2−アセトキシメチル)−4,6−ジクロロフェニル酢酸tBu−エステル
3,5−ジクロロ−2−ヨードベンジルアセテートから製造;LC−MS(A):t
R=0.99min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.66(d、1H)、7.48(dd、1H)、5.11(s、2H)、3.77(s、2H)、2.03(s、3H)、1.39(s、9H)。
【0227】
2−クロロ−3−シアノ−4−フルオロフェニル酢酸tBu−エステル
3−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロベンゾニトリルから製造;LC−MS(A):t
R=0.89min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.85(dd、1H)、7.56(t、1H)、3.82(s、2H)、1.40(s、9H)。
【0228】
2−クロロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸tBu−エステル
2−クロロ−1−ヨード−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンから製造;LC−MS(A):t
R=1.02min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.61(dd、1H)、7.43(m、2H)、3.73(s、2H)、1.39(s、9H)。
【0229】
3−アセチル−2−クロロフェニル酢酸tBu−エステル
1−(3−ブロモ−2−クロロフェニル)エタノンから製造;LC−MS(C):t
R=0.91min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.54(m、2H)、7.40(t、1H)、3.77(s、2H)、2.56(s、3H)、1.41(s、9H)。
【0230】
2,4−ジクロロ−3−シアノフェニル酢酸tBu−エステル
3−ブロモ−2,6−ジクロロベンゾニトリルから製造;LC−MS(C):t
R=0.96min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.77(d、1H)、7.47(d、1H)、3.83(s、2H)、1.40(s、9H)。
【0231】
3−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸tBu−エステル
3−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルから製造;LC−MS(C):t
R=0.94min;[M+H]+:286.27。
【0232】
2−クロロ−3−(ジフルオロメチル)フェニル酢酸tBu−エステル
1−ブロモ−2−クロロ−3−(ジフルオロメチル)ベンゼンから製造;LC−MS(C):t
R=0.96min;[M+H]+:276.18。
【0233】
A.1.13 2,4−ジクロロ−6−シアノフェニル酢酸メチルエステルの合成
2,4−ジクロロ−6−ヨードフェニル酢酸メチルエステル(0.95mmol)、Zn(CN)
2(0.95mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05mmol)を1.5mL無水NMP中で混合したものを脱気し、アルゴン下、封止したバイアル中で、120℃に2.5h加熱した。反応混合物をRTに冷却し、10%Na
2CO
3水溶液でクェンチし、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(9/1)を用いたCCによる精製により、所望の生成物を黄色のオイルとして得る。LC−MS(A):t
R=0.80min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:8.15(s、1H)、8.12(s、1H)、4.03(s、2H)、3.68(s、3H)。
【0234】
A.1.14 2−クロロ−3−シアノフェニル酢酸メチルエステルの合成
2−クロロ−3−カルバモイルフェニル酢酸メチルエステル(0.35mmol)を5mLのDCM中に溶解したものに、0.15mLのEt
3N、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.70mmol)を0℃にて添加した。氷浴を除き、反応混合物をRTにて攪拌した。30min後、水を添加し、混合物をDCM(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の化合物を茶色のオイルとして得た。LC−MS(A):t
R=0.68min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.94(m、1H)、7.79(m、1H)、7.55(t、1H)、3.95(s、2H)、3.65(s、3H)。
【0235】
A.1.15 2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロパン酸メチルエステルの合成
2,4−ジクロロフェニル酢酸メチルエステル(1.38mmol)とパラホルムアルデヒド(1.45mmol)を2.7mLのDMSO中に懸濁したものに、NaHCO
3(0.07mmol)を添加した。反応混合物をRTにて2h攪拌し、次いで水でクェンチした。混合物を1M HCl溶液で中和し、EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。HeptからHept/EtOAc(1/1)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の化合物を無色のオイルとして得る;LC−MS(B):t
R=0.77min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:7.64(d、1H)、7.46(m、2H)、5.14(t、1H)、4.18(m、1H)、3.92(m、1H)、3.72(m、1H)、3.62(s、3H)。
【0236】
A.1.16 2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン酸メチルエステルの合成
A.1.16.1 2−(2,4−ジクロロフェニル)アクリル酸メチルエステルの合成
2,4−ジクロロフェニル酢酸メチルエステル(4.62mmol)を9mLのDMSOに溶解したものに、パラホルムアルデヒド(4.85mmol)とNaOMe(0.23mmol)を添加した。反応混合物をRTにて1h攪拌し、次いで、氷冷した水中に注いだ。混合物を1M HCl溶液で中和し、トルオール(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをNaCl水溶液で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(9/1から8/2へ)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の化合物を無色のオイルとして得る;LC−MS(A):t
R=0.89min;
1H NMR(CDCl
3)δ:7.43(d、1H)、7.27(d、1H)、7.22(s、1H)、6.56(d、1H)、5.81(d、1H)、3.80(s、3H)。
【0237】
A.1.16.2 2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン酸メチルエステルの合成
2−(2,4−ジクロロフェニル)アクリル酸メチルエステル(0.70mmol)を2mLのTHF中に溶解したものに、ピロリジン(0.77mmol)を0℃にて添加した。反応混合物を0℃にて50min攪拌し、DCMで希釈し、水で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の化合物をピンク色がかったオイルとして得た;LC−MS(B):t
R=0.56min;[M+H]+:302.28。
【0238】
A.1.17 カルボン酸誘導体の合成(一般的手順A)各エステル(4.9mmol)を15mLのMeOH中に溶解したものに、LiOH(14.7mmol)を添加し、1mLのH
2O中に溶解した。RTにて一晩攪拌した後、MeOHを除き、残渣を水中に溶解した。pHをpH1に調整し、沈殿をろ過し、真空乾燥して、所望の誘導体を得た
。
【0239】
2,4−ジクロロ−6−メチルフェニル酢酸
2,4−ジクロロ−6−メチルフェニル酢酸メチルエステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.74min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:12.6(brs、1H)、7.45(s、1H)、7.32(s、1H)、3.74(s、2H)、2.29(s、3H)。
【0240】
2,4−ジクロロ−6−エチルフェニル酢酸
2,4−ジクロロ−6−エチルフェニル酢酸メチルエステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.79min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ: 12.5(brs、1H)、7.46(s、1H)、7.29(s、1H)、3.75(s、2H)、2.63(q、2H)、1.12(t、3H)。
【0241】
2,4−ジクロロ−6−シクロプロピルフェニル酢酸
2,4−ジクロロ−6−シクロプロピルフェニル酢酸メチルエステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.81min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:12.5(brs、1H)、7.45(s、1H)、7.08(s、1H)、3.92(s、2H)、1.95(m、1H)、0.94(m、2H)、0.68(m、2H)。
【0242】
2,4−ジクロロ−6−トリフルオロメチルフェニル酢酸
2,4−ジクロロ−6−トリフルオロメチルフェニル酢酸メチルエステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.78min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:12.8(brs、1H)、8.08(s、1H)、7.86(s、1H)、3.86(s、2H)。
【0243】
2,4−ジクロロ−6−シアノフェニル酢酸
2,4−ジクロロ−6−シアノフェニル酢酸メチルエステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.65min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:13.0(brs、1H)、8.12(s、1H)、8.10(s、1H)、3.92(s、2H)。
【0244】
2,4−ジクロロ−6−フルオロフェニル酢酸
2,4−ジクロロ−6−フルオロフェニル酢酸メチルエステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.70min;
1H NMR(CDCl
3)δ:7.11(s、1H)、7.08(s、1H)、3.87(s、2H)。
【0245】
2−クロロ−3−シアノフェニル酢酸
2−クロロ−3−シアノフェニル酢酸メチルエステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.53min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:12.6(brs、1H)、7.91(m、1H)、7.77(m、1H)、7.53(t、1H)、3.84(s、2H)。
【0246】
2−クロロ−3−カルバモイルフェニル酢酸
2−クロロ−3−カルバモイルフェニル酢酸メチルエステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.30min;[M+H]+:214.01。
【0247】
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロパン酸
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシプロパン酸メチルエステルから製造;LC−MS(B):t
R=0.64min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:12.6(brs、1H)、7.62(d、1H)、7.45(m、2H)、5.04(b
rs、1H)、4.09(t、1H)、3.89(m、1H)、3.71(m、1H)。
【0248】
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン酸
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン酸メチルエステルから製造;LC−MS(B):t
R=0.50min;[M+H]+:288.28。
【0249】
A.1.18 カルボン酸誘導体の合成(一般的手順B)各エステル(0.44mmol)を1mLのDCM中に溶解したものに、TFA(0.44mmol)を添加した。RTにて1h攪拌した後、反応を10%Na
2CO
3水溶液でクェンチし、DCMで抽出した。水相のpHをpH1〜2に調整し、DCM(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の誘導体を得た。
【0250】
2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸
2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸tBu−エステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.73min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:12.6(brs、1H)、7.87(s、1H)、7.68(m、2H)、3.84(s、2H)。
【0251】
2−クロロ−4−シアノフェニル酢酸
2−クロロ−4−シアノフェニル酢酸tBu−エステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.56min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:12.6(brs、1H)、8.06(d、1H)、7.81(dd、1H)、7.63(d、1H)、3.84(s、2H)。
【0252】
3−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸
3−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸tBu−エステルから製造;LC−MS(A):t
R=0.69min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:12.5(brs、1H)、7.62(m、2H)、7.44(d、1H)、3.90(m、2H)。
【0253】
2−(2−アセトキシメチル)−4,6−ジクロロフェニル酢酸
2−(2−アセトキシメチル)−4,6−ジクロロフェニル酢酸tBu−エステルから製造;LC−MS(D):t
R=0.55min;[M−H]
−:275.03。
【0254】
2−クロロ−3−シアノ−4−フルオロフェニル酢酸
2−クロロ−3−シアノ−4−フルオロフェニル酢酸tBu−エステルから製造;LC−MS(D):t
R=0.49min;[M−H]
−:212.10。
【0255】
2−クロロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸
2−クロロ−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル酢酸tBu−エステルから製造;LC−MS(D):t
R=0.57min;[M−H]
−:253.12。
【0256】
3−アセチル−2−クロロフェニル酢酸
3−アセチル−2−クロロフェニル酢酸tBu−エステルから製造;LC−MS(D):t
R=0.41min;[M−H]
−:211.14。
【0257】
2,4−ジクロロ−3−シアノフェニル酢酸
2,4−ジクロロ−3−シアノフェニル酢酸tBu−エステルから製造;LC−MS(C):t
R=0.72min;
1H NMR((CD
3)
2SO)δ:12.7(brs、
1H)、7.79(m、2H)、3.84(m、2H)。
【0258】
3−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸
3−シアノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸tBu−エステルから製造;LC−MS(D):t
R=0.31min;[M−H]
−:228.12。
【0259】
2−クロロ−3−(ジフルオロメチル)フェニル酢酸
2−クロロ−3−(ジフルオロメチル)フェニル酢酸tBu−エステルから製造;LC−MS(D):t
R=0.43min;[M−H]
−:219.13。
【0260】
A.1.19 カルボン酸誘導体の合成(一般的手順C)
ジイソプロピルアミン(16.1mmol)を15mLのTHF中に溶解したものに、6.4mLのn−BuLi(2.5Mのヘキサン溶液)を−30℃にて添加し、混合物をこの温度にて30min攪拌した。−78℃に冷却後、各カルボン酸(7.3mmol)を5mLのTHF中に溶解したものを、ゆっくりと添加し、攪拌を−30℃にて1h続けた。−78℃に冷却後、各アルキル化剤(11.0mmol)を添加し、攪拌をさらに2h続けた。反応を2M HCl溶液でクェンチし、DCM(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAcを用いたCCによる精製により、所望の誘導体が得られる。
【0261】
2−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン酸
2,4−ジクロロフェニル酢酸とヨードメタンから製造;LC−MS(A):t
R=0.75min;
1H NMR(MeOD)δ:7.48(brs、1H)、7.37(dd、2H)、4.16(m、1H)、1.49(d、3H)。
【0262】
2−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン酸−(メチル−D3)
2,4−ジクロロフェニル酢酸とヨードメタン−D3から製造;LC−MS(A):t
R=0.76min;
1H NMR(CDCl
3) δ:7.43(s、1H)、7.30(dd、2H)、4.22(s、1H)。
【0263】
2−(2,4−ジクロロフェニル)ブタン酸
2,4−ジクロロフェニル酢酸とヨードエタンから製造;LC−MS(A):t
R=0.82min;
1H NMR(CDCl
3) δ:7.43(brs、1H)、7.34(d、1H)、7.26(d、1H)、4.09(t、1H)、2.12(m、1H)、1.83(m、1H)、0.95(t、3H)。
【0264】
2−(2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸
2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸とヨードメタンから製造;LC−MS(A):t
R=0.76min;
1H NMR(CDCl
3) δ:7.67(d、1H)、7.58(d、1H)、7.40(t、1H)、4.42(m、1H)、1.59(d、3H)。
【0265】
2−(2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン酸−(メチル−D3)
2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸とヨードメタン−D3から製造;LC−MS(C):t
R=0.82min;
1H NMR(CDCl
3) δ:7.66(d、1H)、7.58(d、1H)、7.40(t、1H)、4.39(s、1H)。
【0266】
A.1.20 5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボン酸の合成
A.1.20.1 5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリルの合成
5,7−ジクロロ−1−インダノン(2.24mmol)とTosMIC(6.71mmol)を25mLの1,2−ジメトキシエタンと1mLのEtOH中に溶解したものに、tBuOK(6.71mmol)を5℃にて添加した。冷却浴を除き、反応混合物をRTにて1h攪拌した。混合物を水でクェンチし、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(7/3)を用いたCCによる精製により、所望の化合物を黄色の固体として得る。LC−MS(C):t
R=0.90min;[M+CH
3CN+H]+:254.01。
【0267】
A.1.20.2 5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボン酸の合成
5,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(0.77mmol)を2mLの25%HCl溶液と2mLのAcOH中に懸濁したものを、100℃に5h加熱した。RTにて混合物を水でクェンチし、EtOAc(3x)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の化合物を茶色の固体として得た。LC−MS(C):t
R=0.72min;[M+H]+:230.08。
【0268】
A.2 式(II)のアミンの合成
A.2.1 2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.1.1 フロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン(78.3mmol)[J.Heterocyclic Chem.、23、1465(1986)]を500mLのEtOH中に溶解したものに、O−メチル−ヒドロキシルアミン(157mmol)とNaOAc(157mmol)を添加した。還流しながら2h加熱した後、反応混合物を体積が半量となるまで真空濃縮し、水相をDCMで3回抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(5/1から1/1へ)を用いたCCによる精製により、所望の生成物を黄色のオイルとして得る;LC−MS(A):t
R=0.50min;[M+H]+:165.23。
【0269】
A.2.1.2 2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成フロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチル−オキシム(22.2mmol)を25mLの7N NH
3のMeOHに溶解したものに、Actimet Mラニー−ニッケル(3g)を添加し、反応混合物を、H
2雰囲気下、5barにて一晩攪拌した。次いで、混合物をセライト上でろ過し、100mLのMeOHで洗浄し、真空濃縮し、表題化合物を茶色の固体として得た;LC−MS(A):t
R=0.35min;[M+H]+:137.16。
【0270】
A.2.1.3 tBu−(2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)カーバメートの合成
2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミン(7.4mmol)を15mLのTHF、2mLのDCM及び1.52mLのDIPEA中に溶解したものに、ジ−tBu−炭酸(8.1mmol)を0℃にて添加した。冷却浴を除き、攪拌をRTにて1.5h続けた。反応をKHSO
4溶液でクェンチし、EtOAcで抽出した。有機層を、KHSO
4水溶液、飽和NaHCO
3水溶液及び塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(8/2から2/8へ)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を白色の固体として得る;LC−MS(A):t
R=0.57min;[M+H]+:237.26。
【0271】
A.2.1.4 tBu−(2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)カーバメートのキラル分離
分取用キラルHPLC(Daicel、ChiralCel OJ−H、5μm、20x250mm;Hept/EtOH 60/40、流速16mL/min)を用いて、tBu−(2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)カーバメートを各エナンチオマーに分離した;キラル分析HPLC(ChiralCel OJ−H、5μm、250x4.6mmID、Hept/EtOH 60/40、流速0.8mL/min);
エナンチオマーA:t
R=5.50min;
エナンチオマーB:t
R=6.81min。
【0272】
A.2.1.5 (R)−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミン及び(S)−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
tBu−(2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)カーバメート(0.89mmol)の純粋な各エナンチオマーを、0.5mLのEtOAcと0.5mLのTHF中に懸濁した後、0.56mLのHCl(ジオキサン中の4M溶液)を添加した。混合物をRTにて一晩、次いで45℃にて1h攪拌した。蒸発乾固により、所望の化合物をそれぞれ塩酸塩の状態の灰白色の固体として得る。LC−MS(C):t
R=0.19min;[M+H]+:137.15。
キラル分析HPLC(Chiralpak AY−H、5μm、250x4.6mmID、Hept+0.05%DEA/EtOH+0.05%DEA 75/25、流速0.8mL/min);
エナンチオマーA:t
R=9.68min;
エナンチオマーB:t
R=13.02min。
【0273】
A.2.2 3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−アミンの合成
A.2.2.1 3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−オールの合成
1−(2−ブロモピリジン−3−イル)プロパン−1,3−ジオール(40.9mmol)(Bioorg.Med.Chem.Lett.、20(9)、2938−2941、2010)とtBuOK(123mmol)を164mLのtBuOH中に混合したものを、80℃にて90min攪拌した。次いで、反応混合物を真空濃縮して、H
2O中に取り、EtOAcとDCMで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。CC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、DCM/MeOH(1−5%)を用いて、所望の生成物を茶色のオイルとして得る;LC−MS(D):t
R=0.59min;[M+H]+:152.04。
【0274】
A.2.2.2 4−アジド−3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジンの合成
3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−オール(3.31mmol)を16.5mLのトルエン中で混合したものに、DPPA(4.96mmol)、次いでDBU(4.96mmol)を0℃にて添加した。2h後、冷却浴を除き、混合物をRTにて一晩攪拌した。反応を、飽和NaHCO
3水溶液を添加することによりクェンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(4/1)からEtOAcを用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を無色のオイルとして得る;LC−MS(A):t
R=0.39min;[M+H]+:177.29。
【0275】
A.2.2.3 3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン−4−ア
ミンの合成
4−アジド−3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−b]ピリジン(3.0mmol)とPd/C(10mol%)を12mLのEtOH中で混合したものを、H
2雰囲気下、攪拌した。3h後、混合物をセライトのパッド上でろ過し、EtOHで洗浄し、真空濃縮し、表題化合物を無色のオイルとして得た;LC−MS(D):t
R=0.44min;[M+H]+:151.09。
【0276】
A.2.3 5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミンの合成
A.2.3.1 5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステルの合成
NaH(44.7mmol)を100mLの1,2−ジメトキシエタン中に懸濁したものに、エチルグリコレート(43mmol)を氷冷下にて撹拌しながら添加した。氷浴を除き、攪拌をRTにて続けた。30min後、3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステル(17.2mmol)の40mLの1,2−ジメトキシエタン中の溶液を、ゆっくりと添加し、混合物を75℃に2h加熱した。次いで、溶媒を蒸発させ、残った固体をNaHCO
3水溶液とEtOAc中に再溶解した。水層をAcOHで酸性化し、DCM(3x)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。EtOAc/MeOH(1/1)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を茶色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.57min;[M+H]+:209.22。
【0277】
A.2.3.2 フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンの合成
5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(5.39mmol)を15mLのTHF中に溶解したものに、1M NaOH溶液25mLを添加した。RTにて一晩攪拌した後、25%HCl溶液5mLを注意深く添加した。1h攪拌した後、反応混合物を真空濃縮し、所望の生成物を塩酸塩の状態の黒色の固体として得た;LC−MS(C):t
R=0.37min;[M+H]+:137.06。
【0278】
A.2.3.3 フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン(4.81mmol)を30mLのEtOH中に溶解したものに、O−メチル−ヒドロキシルアミン(9.62mmol)とNaOAc(9.62mmol)を添加した。30℃で4.5h加熱した後、反応混合物を体積が半量となるまで真空濃縮した。水とDCMを添加し、水相をDCM(3x)で抽出した。合わせた有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(1/1)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物をベージュ色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.51min;[M+H]+:165.97。
【0279】
A.2.3.4 5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(1.35mmol)をNH
3の7N MeOH溶液10mLに溶解したものに、Pd/C(50mg)を添加し、反応混合物を、H
2雰囲気下、1h攪拌した。次いで、混合物をセライト上でろ過し、20mLのMeOHで洗浄し、真空濃縮し、表題化合物を暗赤色のオイルとして得た;LC−MS(C):t
R=0.15min;[M+H]+:138.08。
【0280】
A.2.4 2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.4.1 3−クロロイソニコチン酸エチルエステルの合成
3−クロロイソニコチン酸(18.6mmol)を120mLのEtOHと3mLのco
nc.H
2SO
4中に溶解したものを、一晩加熱還流した。反応混合物を真空濃縮し、NaHCO
3水溶液中に再溶解し、EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の生成物を黄色のオイルとして得た;LC−MS(A):t
R=0.63min;[M+H]+:186.08。
【0281】
A.2.4.2 3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを3−クロロイソニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(A):t
R=0.36min;[M+H]+:208.06。
【0282】
A.2.4.3 フロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オンの合成
3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(10mmol)を10mLの25%HCl溶液と5mLのH
2O中に懸濁したものを、一晩加熱還流した。RTに冷却後、反応混合物を、飽和NaHCO
3水溶液でクェンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の生成物を茶色の固体として得た;LC−MS(A):t
R=0.13min;[M+H]+:136.26。
【0283】
A.2.4.4 フロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンをフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した。Hept/EtOAc(1/1)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を茶色の固体として得る;LC−MS(A):t
R=0.34min;[M+H]+:165.13。
【0284】
A.2.4.5 2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成フロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムをフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミン(A.2.1.2)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(D):t
R=0.35min;[M+H]+:137.10。
【0285】
A.2.5 7−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.5.1 2,3−ジクロロイソニコチン酸エチルエステルの合成
2,3−ジクロロイソニコチン酸(5.62mmol)を15mLのDMF中に溶解したものに、NaH(7.31mmol)、次いで、ヨードエタン(6.75mmol)を0℃にて添加した。冷却浴を除き、混合物をRTにて一晩攪拌した。反応を、飽和NaHCO
3水溶液でクェンチし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(6/4)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を黄色のオイルとして得る;LC−MS(A):t
R=0.78min;[M+H]+:219.95。
【0286】
A.2.5.2 3−クロロ−2−メチルイソニコチン酸エチルエステルの合成
2,3−ジクロロイソニコチン酸エチルエステル(3.15mmol)、K
2CO
3(4.73mmol)及びトリメチルボロキシン(3.15mmol)を4mLのジオキサン
中で混合したものを、アルゴンで脱気した。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.31mmol)を添加し、混合物を一晩加熱還流した。RTにて、反応混合物を水中に注ぎ、DCMで抽出した。有機層を合わせたものをK
2CO
3上で乾燥し、セライトのパッド上でろ過し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(8/2)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を茶色のオイルとして得る;LC−MS(A):t
R=0.67min;[M+H]+:200.03。
【0287】
A.2.5.3 3−ヒドロキシ−7−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを3−クロロ−2−メチルイソニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した。EtOAc/MeOH(8/2)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を茶色の固体として得る;LC−MS(A):t
R=0.37min;[M+H]+:222.03。
【0288】
A.2.5.4 7−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オンの合成3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを3−ヒドロキシ−7−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(A):t
R=0.21min;[M+H]+:150.25。
【0289】
A.2.5.5 7−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを7−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した。LC−MS(A):t
R=0.35min;[M+H]+:179.14。
【0290】
A.2.5.6 7−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを7−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(A):t
R=0.11min;[M+H]+:151.29。
【0291】
A.2.6 7−シクロプロピル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.6.1 3−クロロ−2−シクロプロピルイソニコチン酸エチルエステルの合成
トリメチルボロキシンをシクロプロピルボロン酸で置き換えて、本化合物を3−クロロ−2−メチルイソニコチン酸エチルエステル(A.2.5.2)と類似の方法を用いて製造した。Hept/EtOAc(9/1)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を無色のオイルとして得る;LC−MS(A):t
R=0.86min;[M+H]+:226.02。
【0292】
A.2.6.2 3−ヒドロキシ−7−シクロプロピルフロ[2,3−c]ピリジン
−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを3−クロロ−2−シクロプロピルイソニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した。Hept/EtOAc(7/3)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を無色のオイルとして得る;LC−MS(A):t
R=0.48min;[M+H]+:248.00。
【0293】
A.2.6.3 7−シクロプロピルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オンの合成
3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを3−ヒドロキシ−7−シクロプロピルフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(A):t
R=0.32min;[M+H]+:176.14。
【0294】
A.2.6.4 7−シクロプロピルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを7−シクロプロピルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した。Hept/EtOAc(9/1)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を茶色のオイルとして得る;LC−MS(A):t
R=0.51min;[M+H]+:205.41。
【0295】
A.2.6.5 7−シクロプロピル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを7−シクロプロピルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(A):t
R=0.15min;[M+H]+:177.47。
【0296】
A.2.7 7−クロロ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.7.1 3−(メトキシイミノ)−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン6−オキシドの合成
フロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシム(5.35mmol)(A.2.4.4)を15mLのDCM中に溶解したものに、3−クロロ過安息香酸(16.0mmol)を添加した。混合物をRTにて一晩攪拌し、20mLのDCMで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(2x)、飽和Na
2S
2O
3水溶液(2x)及び塩水で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の生成物を黄色の固体として得た;LC−MS(A):t
R=0.34min;[M+H]+:181.13。
【0297】
A.2.7.2 7−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
3−(メトキシイミノ)−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン6−オキシド(5.35mmol)を30mLのDCM中に溶解したものに、塩化ホスホリル2.9mLを0℃にて添加した。混合物を50℃に7h加熱し、真空濃縮し、DCM中に再溶解し、
そして固体NaHCO
3、次いで水でクェンチした。水層をDCM(2x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(8/2)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物をベージュ色の固体として得る;LC−MS(A):t
R=0.67min;[M+H]+:199.36。
【0298】
A.2.7.3 7−クロロ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
7−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシム(0.045mmol)を1mLのTHF中に溶解したものに、10mLのボラン溶液(THF中の1M溶液)を添加した。封止した容器内で、混合物を60℃に一晩加熱した。RTにて、反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液でクェンチし、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の生成物を黄色のオイルとして得た;LC−MS(A):t
R=0.44min;[M+H]+:171.09。
【0299】
A.2.8 7−メトキシ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.8.1 7−メトキシフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
7−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシム(1.01mmol)(A.2.7.2)を4mLのMeOH中に懸濁したものに、NaOMe(MeOH中の30%溶液)0.56mLを添加した。封止した容器内で、混合物を90℃に12h加熱し、次いで真空濃縮した。Hept/EtOAc(9/1)を用いたCC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物をベージュ色の固体として得る;LC−MS(A):t
R=0.65min;[M+H]+:195.09。
【0300】
A.2.8.2 7−メトキシ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを7−メトキシフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(A):t
R=0.22min;[M+H]+:167.19。
【0301】
A.2.9 5−クロロ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.9.1 5−クロロ−3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを5−ブロモ−2−クロロイソニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した。CC(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、EtOAc/MeOH(9/1)を用いて、所望の生成物を茶色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.75min;[M+H]+:241.92。
【0302】
A.2.9.2 5−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オンの合成3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを5−クロロ−3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置き
換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.62min;[M+H]+:170.09。
【0303】
A.2.9.2 5−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを5−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.77min;[M+H]+:199.07。
【0304】
A.2.9.3 5−クロロ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
5−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシム(0.71mmol)を1mLのTHF中に溶解したものに、2.2mLのボラン溶液(1M、THF)を添加した。封止した容器内で、混合物を40℃にて1h加熱した。RTにて、反応混合物をMeOHでクェンチし、1M NaOH水溶液でpHを9に調整し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の生成物を黄色のオイルとして得た;LC−MS(C):t
R=0.56min;[M+H]+:171.11。
【0305】
A.2.10 5−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.10.1 5−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
2,3−ジクロロイソニコチン酸エチルエステルを5−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を3−クロロ−2−メチルイソニコチン酸エチルエステル(A.2.5.2)と類似の方法を用いて製造した。分取用HPLC、xbridge、強極性法、酸性による精製により、所望の生成物を茶色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.45min;[M+H]+:179.20。
【0306】
A.2.10.2 5−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを5−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(D):t
R=0.47min;[M+H]+:151.07。
【0307】
A.2.11 4−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.11.1 3,5−ジクロロイソニコチン酸エチルエステルの合成
3,5−ジクロロイソニコチン酸(52mmol)を250mLのDCMと5mLのDMF中に懸濁したものに、塩化チオニル11.4mLを添加した。混合物を40℃に2.5h加熱し、RTに冷却した後、100mLのEtOHを添加した。溶液をRTにて10min攪拌し、次いで、真空濃縮した。粗製混合物をEtOAc中に取り、飽和NaHCO
3水溶液でクェンチし、氷冷下にて水層をEtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(95/5から85/15へ)を用いたCCによる精製により、所望の生成物を無色のオ
イルとして得る;LC−MS(C):t
R=0.84min;[M+H]+:220.05。
【0308】
A.2.11.1 4−クロロ−3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを3,5−クロロイソニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.79min;[M+H]+:241.90。
【0309】
A.2.11.2 4−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オンの合成3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを4−クロロ−3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.50min;[M+H]+:169.89。
【0310】
A.2.11.3 4−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを4−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.77min;[M+H]+:199.06。
【0311】
A.2.11.4 4−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
2,3−ジクロロイソニコチン酸エチルエステルを4−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を3−クロロ−2−メチルイソニコチン酸エチルエステル(A.2.5.2)と類似の方法を用いて製造した。Hept/EtOAc(9/1から1/1へ)を用いたCCによる精製により、白色の固体を得る;LC−MS(C):t
R=0.52min;[M+H]+:179.20。
【0312】
A.2.11.5 4−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを4−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.15min;[M+H]+:151.32。
【0313】
A.2.12 4−シクロプロピル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.12.1 4−シクロプロピルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
トリメチルボロキシンをシクロプロピルボロン酸で置き換えて、本化合物を4−メチルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシム(A.2.11.4)と類似の方法を用いて製造した。Hept/EtOAc(9/1から8/2へ)を用いたCCによる精製により、所望の生成物を白色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.61min;[M+H]+:205.13。
【0314】
A.2.12.2 4−シクロプロピル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを4−シクロプロピルフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.19min;[M+H]+:177.21。
【0315】
A.2.13 6−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.13.1 2−クロロ−6−メチルニコチン酸エチルエステルの合成
2−クロロ−6−メチルニコチン酸(7.23mmol)と1.2mLの塩化チオニルを、50mLのEtOH中に懸濁したものを、一晩加熱還流した。混合物を体積が半量になるまで減らし、飽和NaHCO
3水溶液でクェンチし、DCM(2x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。HeptからHept/EtOAc(1/1)を用いた(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を無色のオイルとして得る;LC−MS(C):t
R=0.76min;[M+H]+:200.25。
【0316】
A.2.13.2 3−ヒドロキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを2−クロロ−6−メチルニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.70min;[M+H]+:221.70。
【0317】
A.2.13.3 6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンの合成
3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを3−ヒドロキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.51min;[M+H]+:150.14。
【0318】
A.2.13.4 6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した。HeptからHept/EtOAc(1/1)を用いた(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を白色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.67min;[M+H]+:179.20。
【0319】
A.2.13.5 6−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(D):t
R=0.50min;[M+H]+:151.10。
【0320】
A.2.14 6−クロロ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.14.1 3−ヒドロキシ−6−クロロフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを2,6−ジクロロニコチン酸メチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.77min;[M+H]+:241.97。
【0321】
A.2.14.2 6−クロロフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンの合成
3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを3−ヒドロキシ−6−クロロフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.58min;
1H NMR(CDCl
3) δ:8.00(d、1H)、7.19(d、1H)、4.82(s、2H)。
【0322】
A.2.14.3 6−クロロフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを6−クロロフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.76min;[M+H]+:199.05。
【0323】
A.2.14.4 6−クロロ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
5−クロロフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムを6−クロロフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5−クロロ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−3−アミン(A.2.9.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(D):t
R=0.50min;[M+H]+:170.96.
1H NMR(CDCl
3) δ:7.60(d、1H)、6.93(d、1H)、4.80(m、1H)、4.68(dd、1H)、4.28(dd、1H)。
【0324】
A.2.15 4−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.15.1 3−ヒドロキシ−4−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを2−クロロ−4−メチルニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.77min;[M+H]+:222.11。
【0325】
A.2.15.2 4−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンの合成
3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを3−ヒドロキシ−4−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)
と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.54min;[M+H]+:150.20。
【0326】
A.2.15.3 4−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを4−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.74min;[M+H]+:179.20。
【0327】
A.2.15.4 4−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを4−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.24min;[M+H]+:151.06。
【0328】
A.2.16 4−メトキシ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.16.1 4−ブロモ−2−クロロニコチン酸エチルエステルの合成
4−ブロモ−2−クロロピリジン(21.2mmol)を60mLのTHF中に溶解したものに、LDAの溶液(THF、2M)11.7mLを、−78℃にて、滴下した。−78℃にて35min攪拌した後、クロロギ酸エチル(20.7mmol)の5mLのTHF中の溶液を添加し、混合物を−78℃にて2h攪拌した。反応を、飽和NaHCO
3水溶液でクェンチし、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせたものをMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。HeptからHept/EtOAc(8/2)を用いた(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を茶色のオイルとして得る;LC−MS(C):t
R=0.83min;[M+H]+:265.95。
【0329】
A.2.16.2 4−メトキシ−2−クロロニコチン酸エチルエステルの合成
4−ブロモ−2−クロロニコチン酸エチルエステル(5.06mmol)を15mLのMeOH中に溶解したものに、NaOMeの溶液(MeOH中30%)1.0mLを添加した。反応混合物を40℃にて4h攪拌し、RTに冷却し、EtOAcで希釈し、次いで、飽和NH
4Cl水溶液でクェンチした。MgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の化合物を茶色のオイルとして得た;LC−MS(C):t
R=0.74min;[M+H]+:216.06。
【0330】
A.2.16.3 3−ヒドロキシ−4−メトキシフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを4−メトキシ−2−クロロニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.69min;[M+H]+:238.11。
【0331】
A.2.16.4 4−メトキシフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンの合成
3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを3−ヒドロキシ−4−メトキシフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置
き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.47min;[M+H]+:166.13。
【0332】
A.2.16.4 4−メトキシフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを4−メトキシフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した。Hept/EtOAc(1/1)を用いた(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を白色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.59min;[M+H]+:195.16。
【0333】
A.2.16.5 4−メトキシ−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを4−メトキシフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.24min;[M+H]+:166.99。
【0334】
A.2.17 4−エトキシ−6−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.17.1 2−クロロ−4−エトキシ−6−メチルニコチン酸エチルエステルの合成
2,4−ジクロロ−6−メチルニコチン酸エチルエステル(2.49mmol)を6mLのEtOH中に溶解したものに、NaOEt(2.61mmol)を添加した。封止した容器内で、混合物を60℃に一晩加熱した。RTにて、混合物をEtOAcで希釈し、NH
4Cl水溶液で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮した。Hept/EtOAc(1/1)を用いた(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物をベージュ色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.83min;[M+H]+:244.13。
【0335】
A.2.17.2 3−ヒドロキシ−4−エトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを2−クロロ−4−エトキシ−6−メチルニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.71min;[M+H]+:266.16。
【0336】
A.2.17.3 4−エトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンの合成
3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを3−ヒドロキシ−4−エトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.58min;[M+H]+:194.28。
【0337】
A.2.17.4 4−エトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2
H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを4−エトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した。Hept/EtOAc(1/1)を用いた(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を白色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.68min;[M+H]+:223.23。
【0338】
A.2.17.5 4−エトキシ−6−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを4−エトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.36min;[M+H]+:195.33。
【0339】
A.2.18 4−メトキシ−6−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.18.1 2−クロロ−4−メトキシ−6−メチルニコチン酸エチルエステルの合成
NaOEtをNaOMeで置き換えて、本化合物を2−クロロ−4−エトキシ−6−メチルニコチン酸エチルエステル(A.2.17.1)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.76min;[M+H]+:230.12。
【0340】
A.2.18.2 3−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを2−クロロ−4−メトキシ−6−メチルニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.72min;[M+H]+:252.10。
【0341】
A.2.18.3 4−メトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンの合成
3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを3−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.51min;[M+H]+:180.30。
【0342】
A.2.18.4 4−メトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを4−メトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した。Hept/EtOAc(1/1)を用いた(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を白色の固体として得る;LC−MS(C):t
R=0.61min;[M+H]+:209.19。
【0343】
A.2.18.5 4−メトキシ−6−メチル−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b
]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを4−メトキシ−6−メチルフロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.21min;[M+H]+:181.33。
【0344】
A.2.19 4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
A.2.19.1 3−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)フロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成
3−クロロピリダジン−4−カルボン酸エチルエステルを2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ニコチン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物を5−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリダジン−6−カルボン酸エチルエステル(A.2.3.1)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.86min;[M+H]+:276.09。
【0345】
A.2.19.2 4−(トリフルオロメチル)フロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンの合成
3−ヒドロキシフロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを3−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)フロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリジン−3(2H)−オン(A.2.4.3)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(C):t
R=0.66min;[M+H]+:203.95。
【0346】
A.2.19.3 4−(トリフルオロメチル)フロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オンを4−(トリフルオロメチル)フロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オンで置き換えて、本化合物をフロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシム(A.2.3.3)と類似の方法を用いて製造した。Hept/EtOAc(9/1)を用いた(KP−SIL(登録商標)、Biotage製)による精製により、所望の生成物を無色のフォームとして得る;LC−MS(C):t
R=0.84min;[M+H]+:233.07。
【0347】
A.2.19.4 4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−アミンの合成
フロ[2,3−c]ピリダジン−5(6H)−オン O−メチルオキシムを4−(トリフルオロメチル)フロ[2,3−b]ピリジン−3(2H)−オン O−メチルオキシムで置き換えて、本化合物を5,6−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリダジン−5−アミン(A.2.3.4)と類似の方法を用いて製造した;LC−MS(D):t
R=0.59min;[M+H]+:205.23。
【0348】
B. 実施例の製造:
B.1 式(Ia)の化合物の合成(一般的手順)
各酸(0.975mmol)を8mLのDCM中に溶解したものに、0.25mLのDIPEA、HOBT(1.27mmol)及びEDC.HCl(1.27mmol)を添加し、次いで、各アミン(1.46mmol)を2mLのDCM中に溶解した溶液を添加した。混合物をRTにて一晩攪拌し、次いで、DCMで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液と水で抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、粗製物を、前述の精製法で精製し、所望のアミドを得た。
【0349】
B.2 rac−2−(2,4−ジクロロ−6−(ヒドロキシメチル)フェニル)−N−(2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アセタミドの合成
rac−3,5−ジクロロ−2−(2−((2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)アミノ)−2−オキソエチル)ベンジルアセテート(0.097mmol)の、THF0.5mLと2M NaOH溶液0.24mL中の混合物を、30℃にて3h攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水と塩水で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、所望の化合物を白色の固体として得た。
【0350】
B.3 式(Ib)及び(Ic)の化合物の合成(一般的手順)
式(1a)の化合物(0.08mmol)を1mLのDCM中に溶解したものに、3−クロロ過安息香酸(0.25mmol)を添加した。混合物をRTにて一晩攪拌し、DCMで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液、飽和Na
2S
2O
3水溶液及び塩水で抽出した。有機層をMgSO
4上で乾燥し、真空濃縮し、粗製物を、前述した精製法で精製し、所望のN−オキシドを得た。
【0351】
B.4 式(I)の化合物のキラル分離
分取用キラルHPLC(Daicel、ChiralPak AY−H、5μm、20x250mm;Hept/EtOH 80/20、流速16mL/min)を用いて、実施例1を各エナンチオマーに分離した。検出:UV210nm;
キラル分析HPLC(ChiralPak AY−H,5μm、250x4.6mmID、Hept/EtOH 80/20、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;
エナンチオマーA:t
R=10.53min(実施例3);
エナンチオマーB:t
R=14.33min(実施例4)。
【0352】
分取用キラルHPLC(Daicel、ChiralPak AD−H、5μm、30x250mm;Hept/EtOH 0.1%DEA 75/25、流速34mL/min)を用いて、実施例5を各エナンチオマーに分離した、検出:UV283nm;
キラル分析HPLC(ChiralPak AD−H、5μm、250x4.6mmID、Hept 0.05%DEA/EtOH 0.05%DEA 75/25、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;
エナンチオマーA:t
R=8.93min(実施例6);
エナンチオマーB:t
R=11.43min(実施例7)。
【0353】
分取用キラルHPLC(Daicel、ChiralPak AD−H、5μm、30x250mm;Hept/EtOH 0.1%DEA 75/25、流速34mL/min)を用いて、実施例8を各エナンチオマーに分離した、検出:UV210nm;
キラル分析HPLC(ChiralPak AD−H、5μm、250x4.6mmID、Hept 0.05%DEA/EtOH 0.05%DEA 75/25、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;
エナンチオマーA:t
R=11.61min(実施例28);
エナンチオマーB:t
R=13.97min(実施例29)。
【0354】
分取用キラルHPLC(Daicel、ChiralPak IA、5μm、20x250mm;Hept/EtOH+0.1%DEA 70/30、流速16mL/min)を用いて、実施例9を各エナンチオマーに分離した、検出:UV210nm;
キラル分析HPLC(ChiralPak IA、5μm、25x4.6mmID、Hept+0.05%DEA/EtOH+0.05%DEA 70/30、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;
エナンチオマーA:t
R=8.00min(実施例30);
エナンチオマーB:t
R=10.42min(実施例31)。
【0355】
分取用キラルHPLC(Daicel、ChiralPak AY−H、5μm、20x250mm;Hept/EtOH 50/50、流速16mL/min)を用いて、実施例34を各エナンチオマーに分離した、検出:UV210nm;
キラル分析HPLC(ChiralPak AY−H、5μm、250x4.6mmID、Hept/EtOH 50/50、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;
エナンチオマーA:t
R=4.59min(実施例73);
エナンチオマーB:t
R=6.53min(実施例74)。
【0356】
分取用キラルHPLC(Daicel、ChiralPak AD−H、5μm、20x250mm;Hept/EtOH 85/15+0.1%DEA、流速16mL/min)を用いて、4種の立体異性体からなる実施例85を各異性体に分離した、検出:UV210nm;
キラル分析HPLC(ChiralPak AD−H、5μm、250x4.6mmID、Hept+0.05%DEA/EtOH+0.05%DEA 85/15、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;
異性体A:t
R=9.50min(実施例92);
異性体B:t
R=11.58min(実施例93);
異性体C:t
R=13.03min(実施例94);
異性体D:t
R=14.85min(実施例95)。
【0357】
分取用キラルHPLC(Daicel、ChiralPak AD−H、5μm、20x250mm;Hept/EtOH 40/60、流速16mL/min)を用いて、実施例89を各エナンチオマーに分離した、検出:UV210nm;
キラル分析HPLC(ChiralPak AD−H、5μm、250x4.6mmID、Hept/EtOH 40/60、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;
エナンチオマーA:t
R=5.31min(実施例101);
エナンチオマーB:t
R=6.74min(実施例102)。
【0358】
分取用キラルHPLC(Daicel、ChiralPak AD−H、5μm、4.6x250mm;Hept/EtOH 95/5、流速0.8mL/min)を用いて、4種の立体異性体からなる実施例91を各異性体に分離した、検出:UV210nm;
キラル分析HPLC(ChiralPak AD−H、5μm、250x4.6mmID、Hept+0.05%DEA/EtOH+0.05%DEA 95/5、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;
異性体A:t
R=18.15min(実施例118);
異性体B:t
R=19.57min(実施例120);
異性体C:t
R=25.86min(実施例122);
異性体D:t
R=45.48min(実施例124)。
【0359】
分取用キラルHPLC((R,R)Whelk−O1、5μm、21x250mm;Hept/EtOH 10/90、流速16mL/min)を用いて、A.2.1.5のエナンチオマーAから合成したエピマー混合物である実施例126を各異性体に分離した、検出:UV282nm;
キラル分析HPLC((R,R)Whelk−O1、5μm、250x4.6mmID、Hept/EtOH 10/90、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;
異性体A:t
R=5.34min(実施例119);
異性体B:t
R=7.54min(実施例125)。
【0360】
分取用キラルHPLC((R,R)Whelk−O1、5μm、21x250mm;Hept/EtOH 10/90、流速16mL/min)を用いて、A.2.1.5のエナンチオマーBから合成したエピマー混合物である実施例127を各異性体に分離した、検出:UV282nm;
キラル分析HPLC((R,R)Whelk−O1、5μm、250x4.6mmID、Hept/EtOH 10/90、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;異性体A:t
R=5.14min(実施例121);
異性体B:t
R=7.51min(実施例123)。
【0361】
分取用キラルHPLC(Daicel、ChiralPak AD−H、5μm、20x250mm;Hept/EtOH 60/40、流速16mL/min)を用いて、4種の立体異性体からなる実施例130を各異性体に分離した、検出:UV210nm;
キラル分析HPLC(ChiralPak AD−H、5μm、250x4.6mmID、Hept/EtOH 90/10、流速0.8mL/min)、検出:UV210nm;
異性体A:t
R=25.53min(実施例146);
異性体B:t
R=38.66min;
異性体C:t
R=43.84min;
異性体D:t
R=55.02min(実施例147)。
【0374】
II.生物学的試験
イン・ヴィトロ試験
式(I)の化合物のP2X
7受容体アンタゴニスト活性を、以下の実験方法に従って測定する。
【0375】
実験方法:
細胞株の樹立及びYO−PRO試験
概して細胞株の樹立は、確立された分子クローニングプロトコルに従って行った。具体的には、Qiagen RNeasy kit(Qiagen、CH)を製造業者の取り扱い説明書に従って用いて、RNAをヒト全血から抽出した。続いてcDNAを作成し(Superscript II、Invitrogen AG、CH)、ヒトP2X7遺伝子(genbank ref. BC011913)を下記のプライマーを用いて増幅した:
ATCGCGGCCGCTCAGTAAGGACTCTTGAAGCCACT及び
CGCCGCTAGCACCACCATGCCGGCCTGCTGCAGCTGCA。次に、増幅したシークエンスをpcDNA3.1(+)NotI、NheI消化(digested)プラスミド内にライゲーションした。lipofectamine2000(Invitrogen AG、CH)を製造業者の取り扱い説明書に従って用いて、ヒト胎児由来腎臓(HEK)細胞(ATCC CRL−1573、Manassas、VA、USA)にpcDNA3.1(+).hP2X7プラスミドを導入した。DNAに24h暴露した後、細胞をトリプシン処理し、250μgのジェネティシンの存在下で低密度で再播種した。段階的限界希釈(serial limiting dilution)による連続した2回のクローニングの間にジェネティシン耐性細胞を目視にて選択した。ATPを加え、結果として生じるYO−PRO1の取り込みを記録することにより、個々のクローンをP2X7の発現でスクリーニングした。RNAとタンパクの発現に基づいて細胞クローンを選択した。P2X7を安定に発現するHEK細胞を、YO−PRO1試験を用いた薬剤のスクリーニングにに用いた。細胞を、加湿5%CO
2インキュベーター内で37℃にて、コンフルエントになるまで接着培養で増殖させた(10%のFCS、1%の
ペニシリン/ストレプトマイシン、250μg/mlのジェネティシンを加えたDMEMで3〜4日毎に1/5の継代比率)。接着細胞をトリプシン(165cm
2ディッシュ当たり1ml)で2分間インキュベートして剥がし、次いで10mlの(Mg
2+及びCa
2+を含まない)PBSで洗浄し、そして10%のFCS、1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含み、ジェネティシンを含まないDMEMに再懸濁した。50μlの完全培地(full medium)中、1ウェル当たり10’000細胞(試験前48時間)又は1ウェル当たり25’000細胞(Vi−cell XR(Beckman Coulter)(試験前24時間)を側面が黒く底面が透明の384ウェルプレートに藩種した。プレートは、予め1ウェル当たり10μlのPoly−L−Lysineでコートし、37℃にて30〜60分間インキュベートし、PBSで1回洗浄した。培地を細胞から除き、0.5μMのYO−PRO−1を含む試験バッファー50μlをウェルに添加した。アンタゴニスト化合物の溶液は、アンタゴニストの10mM DMSO溶液をBioMek(Beckman Coulter)を用いてPBSで段階希釈することにより調製した。各濃度について2度ずつ試験を行った。IC
50の測定については、10種の濃度で試験を行った(10μMを最も高い濃度とし、それについて1/3の比率で9回の段階希釈を行う。)。細胞を本発明のアンタゴニスト及び最終濃度が250μMのATPと90分間インキュベートした。この時間内の4時点を選び、各時点において、数秒内に行う数回の測定を行いそれらを平均した。蛍光は、YO−PRO−1蛍光(励起485/20、発光530/25)に適切なフィルターを用いて、FLIPR tetra(Molecular Devices)で測定した。FLIPR tetraは、実験プロトコルを定義し作動させるためのMolecular Devices Screen Worksシステムコントロールソフトウェアを備えている。アンタゴニスト活性の測定について、最大強度は、アゴニストによる活性化に対するEC
50値(ヒト組み換えP2X7受容体を発現するHEK−293細胞に対して0.25mMのATP)により誘導される最大強度の百分率として表した。IC50の測定については、最大強度を化合物の濃度に対してプロットしてIC50値を決定した。
【0376】
例示化合物のP2X
7受容体に対するアンタゴニスト活性(IC
50値)を表1に示す。