(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
生体内(in−vivo)測定システムは当技術分野において既知である。一部の自律カプセル状生体内装置は、消化器(GI)系を横断するが、GI系の内部を撮像する(例えば、その画像を取り込むまたは写真を取る)ための撮像センサ、すなわちイメージャを含み得る。生体内装置は、例えば、生体内における外科手術、GI系における薬物投与(例えば、生体内装置に収容される容器から)、またはその両方のため、1つまたは2つ以上のイメージャ、その他のタイプのセンサ(例えば、pHセンサ、圧力センサ、温度センサなど)、様々なタイプのツール(例えば、微小電気機械システム、すなわち「MEMS」)、またはそれらのうちの1つ以上を備え得る。
【0003】
動作中(例えば、飲み込み後)、生体内装置は、データを外部の(体外の)受信機と無線で交換し得る。例えば、生体内装置は、データ(例えば、撮像した画像に関連する画像データなどのセンサデータ)を外部受信機に無線で送り、外部受信機は、命令を生体内装置に無線で送り返すこともあり、これは例えば、生体内装置から送られたデータによって決まる命令などであり得る。例えば、生体内装置は、画像フレームを受信機に送信し、受信機は、命令を生体内装置に送信して、例えば、画像の撮像レートを、例えば、撮像した画像に基づいて変更することもある。
【0004】
GI系の長さおよび解剖学的な不均質性(長さは約5メートルであり、小腸および大腸などの解剖学的に異なる部分を有する)と、GI管の体内における配置具合とは、生体内装置がGI管内の特定の位置に到達するときに、生体内装置と外部受信機との間の無線通信に悪影響を及ぼす傾向がある。この悪影響は、一つには、自律的な自立型の生体内装置が用いる送信電力が比較的低いことに起因し、さらに、生体組織(例えば、筋肉組織、GI器官の組織、骨組織など)が通信を妨げるために起こる。劣悪な通信チャネルは、雑音の多い通信を、またデータ(例えば、画像データ)の喪失さえももたらすこともある。例えば、生体内装置は画像を送信するかもしれないが、劣悪な通信環境においては、受信機が画像を受信できないこともある。
【0005】
上述した通信の問題は、GI器官(例えば、小腸、大腸)を支える骨盤の巨大な骨構造のためにさらに深刻となり、人体の軟組織に比べて無線電波の透過がさらに少なくなる。従来、アンテナ設定/レイアウトは、生体内装置がGI系の上部/上方部分にあって、そのために、通信の品質への骨盤骨の影響が比較的低い、無視できる、または存在しない場合に、飲み込まれた生体内装置と外部受信機との間でかなり良い通信を可能とするまで設計されてきた。1995年1月17日に出願された「IN VIVO VIDEO CAMERA SYSTEM」と題する特許文献1、2005年3月8日に出願された「ARRAY SYSTEM AND METHOD FOR LOCATING AN IN
VIVO SIGNAL SOURCE」と題する特許文献2、および、(2004年7月4日に出願されたPCT出願である)「IMAGING SENSOR ARRAY
AND DEVICE AND METHOD FOR USE THEREOF」と題する特許文献3は、典型的な従来型のアンテナ設定を示している。しかしながら、通信の品質への骨盤の骨の悪影響は、骨盤の骨が通信の品質に対して最も強い悪影響を有するGI系の下部/下方部分に生体内装置がある場合に、非常に顕著であり、また、通信に用
いられる従来のアンテナ設定は、骨盤内に存在する信号源から出る信号を感知するのに最適には程遠い、すなわち不適当であることが分かっている。
【0006】
概してGI管の下部、また具体的には大腸の下方部分は、その疾患へのかかりやすさから特に臨床的な関心が持たれるために、生体内装置が、GI管の下部/下方部分、およびGI管のあらゆる領域を横断する間、生体内装置と外部受信機との間の無線通信を改善するアンテナ設定があることは有益である。
【0007】
従来のアンテナアレイは、板状「ループ」アンテナであるアンテナ素子を含む。板状「ループ」アンテナにおける1つの問題は、これらのアンテナが指向性であり、比較的鋭いヌルを有し、一般に、そうしたアンテナがダイポールアンテナの放射パターンに似た放射パターンを有することである。指向性であり、鋭いヌルを有することから、飲み込まれた生体内装置とアンテナ素子との間の通信は、GI系内における生体内装置の位置の影響を受けやすい。1つのアンテナ素子が比較的弱い信号を受信したとしても、アンテナアレイのその他のアンテナがより強い信号を受信することもあるが、やはり、すべてのアンテナが、それらの不適当な通信特性に起因して、弱い信号を受信する事態があり得る。
【0008】
GI系を通して生体内装置を移動させることが有益である一方、生体内装置と外部受信機との間でデータを交換するために用いられる従来のアンテナに関係するいくつかの欠点が存在する。生体内装置からの信号受信を、GI系/管における装置の位置によらず可能にする体外アンテナ設定があることは有益である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面において様々な例示的な実施形態が図示されるが、これらの例は限定ではないという意図を有する。説明を簡単および明確にするために、以下に参照される図面に示される要素は、必ずしも縮尺通りでないことが理解されよう。また、適切と判断される場合、参照番号は、図面間で繰り返されて、同様、対応、または類似の要素を指すこともある。添付の図面は、以下のとおりである。
【0018】
以下の説明は、例示的な実施形態の様々な詳細を提供する。しかしながら、この説明は、特許請求の範囲を限定することではなく、本発明の様々な原理およびこれを実施する方法を説明することを意図している。
【0019】
成人男性の場合、GI管は、生きた被験者で長さ約5メートル、あるいは筋緊張のない状態では最大で9メートルまでになり、上部GI管と下部GI管とから成る。GI管はまた、前腸、中腸、および後腸に分けられることもある。上部GI管は、一般に、食道、胃、および十二指腸を含む。GI系に関して、「上部」と「下部」との間の正確な境界は、用いられる規則により変わり得る。下部GI管は、小腸の大部分と、大腸の全部とを含む。
【0020】
生体内装置がGI系を横断する際、これは下部GI管内を受動的にまたは制御可能に移動し得る。下部GI管は、小腸の大部分と大腸の全部とを含むが、骨盤の骨に最も近いGI部分であり、したがって、先に説明したように、従来のアンテナ設定は、生体内装置と、生体内装置が下部GI管に到達したときにこれと共に生体内装置が動作する外部受信機との間で、良好かつ安定な通信チャネルを維持できない。本明細書において論じた通信の問題を軽減する新しいウェアラブルアンテナアセンブリを図示し、以下に説明する。概して、新しいウェアラブルアンテナアセンブリは、後部アンテナセンブリと前部アンテナアセンブリとを含み、これらのそれぞれが、組み立てによって独自の方法で構成される新しいアンテナ素子を含む。後部アンテナセンブリについては、そのアンテナ素子は、信号受信を最適化するような位置に配置され、正しい方向に置かれるのであってもよい。
【0021】
図1は、例示的な実施形態による生体内画像システムのブロック図/概略図である。生体内画像システムは、生体内画像装置110と、データ記録装置として機能し得る外部(体外)受信機120と、ワークステーション130(例えば、パーソナルコンピュータ)と、ディスプレイ132とを含んでいてもよい。生体内画像装置110は、例えば、画像を取り込んで、対応する画像フレームを受信機120などの外部受信装置に送信する飲み込み可能な装置であってもよい。画像フレームは、例えばディスプレイ132を用いることによって、リアルタイムまたは処理後に提示されてもよく、また、ユーザに表示するための画像ストリームまたはビデオムービーの中に結合されてもよい。
【0022】
生体内画像装置は、1つまたは2つ以上のイメージャを有していてもよい。例として、画像装置110は、例えば、イメージャ112などの1つのイメージャを含む(2つのイメージャなどの2つ以上のイメージャが用いられてもよい)。生体内画像装置110はまた、光源/照明光源114と、データ(例えば、画像データ)またはフレームジェネレータ116と、コントローラ118と、記憶装置122と、送受信機124と、これらに電
力供給するための電源126とを含んでもいてもよい。とりわけ、コントローラ118は、照明光源114を制御可能に動作させ、生体内装置110が横断する領域を照らしてもよく、また、イメージャ112の画像の取り込みタイミングを調整してもよい。コントローラ118は、撮像した画像および関連する画像フレームを記憶装置122に一時的に記憶してもよい。コントローラ118はまた、様々な演算を行い、演算結果を記憶装置122に記憶してもよい。
【0023】
フレームジェネレータ116は、画像データ113をイメージャ112から受信し、画像データを用いて、該当する撮像した画像に対する画像フレーム(略して「フレーム」)を生成してもよい。フレームは一般的に、フレームそのものに関する情報、メタデータ、またはその両方を含むヘッダフィールドを含む(例えば、フレームを特定する情報、フレームの通し番号、フレームの時間、フレームのビット単位の長さなど)。フレームはまた、未圧縮の画像データ、その圧縮したもの、またはその両方、ならびにデシメーションされた画像を含んでいてもよい。ヘッダはまた、追加の情報、例えば、装置110内に組み込まれた任意の追加のセンサから読み出した情報を含んでいてもよい。コントローラ118は、照明光源114を例えば1秒当たり4回照らすように動作させ、1秒当たり4つの画像を取り込み可能としてもよく、また、対応するフレームを同じレートまたは異なるレートで並行して送るよう送受信機124を動作させてもよい。コントローラ118は、例えば1秒当たり17の画像または18以上の画像など、1秒当たりより多くの画像を取り込むように照明光源114を動作させてもよく、また、対応するフレームを同じレートで並行して送るように送受信機124を動作させてもよい。
【0024】
フレームジェネレータ116が現在取り込んだ画像のフレームを生成してから、コントローラ118は、送受信機124を用いて、フレームをデータ記録装置120に無線で伝達(125)する。受信機120は、データ記録装置120によって送られたフレームの受信および処理を行うために、生体内装置を飲み込む人の十分近くに配置される独立型の受信機であってもよい。しかしながら、先に説明したように、生体内装置と外部受信機との間における通信の品質は、GI管における生体内装置の場所および配向に強く依存するものであり、一部の場所では、信号対雑音比(「SNR」)はその他の場所に比べてはるかに低く、その結果、SNRが低くなり過ぎると、画像(およびその他のデータ)の喪失につながり得る。データ記録装置120は、送受信機144と、フレームパーサ146と、送受信機144およびフレームパーサ146を管理するプロセッサ148とを含んでいてもよい。データ記録装置120は、例えば、生体内装置110によって取り込まれた画像を処理するように構成され得る外部処理/表示システムと通信する(例えば、これにフレーム、データなどを伝達する)ための追加の部品(例えば、USBインターフェース、セキュアデジタル(「SD」)カードドライバ/インターフェース、コントローラなど)、素子または装置を含んでいてもよい。送受信機144は、特定の取り込まれた画像に対応するフレームを受信してもよく、また、フレームパーサ146は、フレームを解析して、そこに含まれる様々なデータエンティティ(例えば、画像データや、特定の取り込まれた画像に関連する、またはこれを表現するデシメーションされた画像など)を抽出してもよい。
【0025】
図1の生体内画像システムは、ワークステーション130を含んでいてもよい。ワークステーション130は、ディスプレイを含んでいてもよいし、または、例えばディスプレイ132などの1つまたは2つ以上の外部ディスプレイに機能的に接続されていてもよい。ワークステーション130は、データ記録装置120から画像フレーム、およびその他のタイプのデータを受信し、それらを例えばライブビデオとしてリアルタイムで表示してもよいし、または、ビデオストリームを生成してもよい。ワークステーション130は、データ記録装置120から伝達されたフレーム(そして場合によってはその他のタイプのデータ)を記憶するためのメモリ134などのメモリと、記憶したデータ(例えば、画像
データ)を処理するためのプロセッサ136などのプロセッサとを含んでいてもよい。生体内画像装置110はまた、画像装置110をオンおよびオフに切り替えるための「オンオフ」切り替えシステム128を含んでいてもよい。生体内装置110から(例えば、送受信機124によって)送られた信号は、生体内装置を飲み込む人の身体の近くに取り付けられた、または載せられたアンテナによって受信される。アンテナによって受信された信号は、解析および解釈のために、通信ケーブルを介してデータ記録装置120に転送される(アンテナおよび通信ケーブルは、
図1に示していない)。
【0026】
本発明の実施形態によるシステムおよび装置の構成要素は、本発明と共通の譲受人から市販されているカプセル内視鏡システムにおいて用いられる構成要素に類似していてもよく、そのカプセル内視鏡システムは、PillCam(登録商標)カプセルとして商業上知られている。
【0027】
図2Aおよび
図2Bは、それぞれ、人間の骨格の前部像および後部像を示し、その中におけるGI系の位置を含んでいる。GI系は、二分する線210(「骨盤の線」210)に関して2つの部分、すなわち、線210の下方のGI器官を含む下部と、線210の上方のGI系器官を含む上部とに分けられる。本文脈における「下方」および「上方」の語は、単に、直立状態の人における様々なGI器官の相対的な位置を示唆することを意図している。骨盤220は、線210と線230との間に示されている。骨盤220は、一般に小腸の一部分と、大腸のほとんどまたは全部とを含む、GI系の下部を含み、かつ支持する。
【0028】
先に説明したように、従来のアンテナレイアウトは、骨盤の構造に最適化されていない(骨盤の構造を考慮していない)。例えば、従来のアンテナレイアウトは、生体内装置がGI管の下方部分に到達する際、または通り抜ける際における、骨盤の骨構造およびこれに起因する信号減衰を無視している。例えば、一部の従来のアンテナは、飲み込まれた生体内装置から信号を受信するが、
図2Aの240に示されているように、腸骨のすぐ上に配置される(アンテナベルト240は、アンテナ素子250と同様の1つまたは2つ以上のアンテナ素子を含んでいてもよく、このことは単純化して示されている)。アンテナベルト240(およびアンテナ素子が腸骨の上に配置されるその他のアンテナレイアウト)は、上部GI系(二分する線210の上方のGI系の部分)内から送られる信号に対して、比較的良好な受信範囲を提供することもある一方で、二分する線210の下方のGI部分の一部の領域から送られる信号に対して、非安定から劣悪に至る受信範囲を提供することもある。
【0029】
GI領域260は、これらの領域を通信面で隠してしまう骨盤に起因して、無線通信に関して、より問題に満ちた領域のうちの1つであることが分かっている。前述の通信面の問題は、以下に説明するように、
図3A、
図3Bおよび
図3Cに示されている骨盤の特定の開口部、これを通って無線信号は比較的容易に通過し得るものの(「容易に」、すなわち、骨の媒質によって減衰されることなしに)、これを利用することによって、また、
図4に示されているように、アンテナ素子をこれらの開口部の前またはこれらの近くに配置されることによって、軽減される。
【0030】
図3Aは、2つの開口部310を有する骨盤の例300を示す。開口部310のそれぞれは、骨学の分野において「大坐骨切痕」として知られる、略切り欠き形状を有する。別の視点からの大坐骨切痕が、
図3Bおよび
図3Cにおいて、310に示されている。それぞれの大坐骨切痕は、腸骨(
図3Bにおいて320に示されている)と、坐骨(
図3Bにおいて330に示されている)とから形成されている。
【0031】
生体内装置によって送られる信号は、ほぼ等方的である。したがって、生体内装置がG
I系の下部に到達する際、生体内装置が送信する無線信号の少なくとも一部は、大坐骨切痕310を通過することから、この信号の部分は、骨盤の骨を通過するその他の信号の部分よりも、減衰が極めて少ない。大坐骨切痕を通過する信号は、依然として軟組織により減衰するものの、それでも従来のアンテナの配置よりも非常に良好な信号受信をもたらすため、この種の減衰は許容できる。つまり、大坐骨切痕310の近く、またはその前方に配置されたアンテナは、例えば
図2A−
図2Bに示す方法(例えば、アンテナベルト240)で、従来通りに配置されたアンテナと比べて、GI系の下方部分から非常に強い信号を受信する。
【0032】
図4Aは、例示的な実施形態による、骨格400およびそこに配置された例示的なウェアラブルアンテナアセンブリ410の側部像を示す。アンテナレイアウト410は、前部/正面アンテナ420と、後部アンテナ430とを含んでいてもよい。「前部アンテナ」とは、腹部に、またはこれに隣接して配置された(または配置される)アンテナを意味する。「後部アンテナ」とは、背部に、またはこれに隣接して配置された(または配置される)アンテナを意味する。
【0033】
本発明によれば、前部アンテナおよび後部アンテナは、それぞれ、1つまたは2つ以上のアンテナ素子を含んでいてもよい。前部アンテナの例が
図8に示され、後部アンテナの例が例えば
図7Aに示されている(
図7Aおよび
図8については後述する)。再び
図4Aを参照すると、後部アンテナ430は、GI管の下方部分に配置されている生体内装置から(例えば、生体内装置110から)送られる信号の受信を最適化するために、大坐骨切痕(大坐骨切痕は、矢印440で指し示されている)に隣接して、またはこの近くで、臀部上に配置される。GI管の下方部分から最適に受信できるのは、生体内装置の送る信号が、極めて減衰を低減された状態で大坐骨切痕を通過するためである。
【0034】
GI系の上方部分(例えば、線210の上方)にある間に生体内装置が信号を送る際、後部アンテナ430によって拾い上げられる信号は、骨盤の骨による悪影響に起因して、比較的弱い、または存在しない。しかしながら、GI管の下方部分とは異なり、腹部は骨を含まず、先に説明したような無線信号を減衰させる骨によって保護または遮断されていないために、前部アンテナ420は、一般にはるかに強い信号を受信する。GI系の下方部分(例えば、線210の下方)にある間に生体内装置が信号を送る際、前部アンテナ420によって拾い上げられる信号は、弱い、または存在しないこともあるが、後部アンテナ430は、これが大坐骨切痕の近くに配置されていることから、はるかに強い信号を受信し得る。前部アンテナ(例えば、前部アンテナ420)と、大坐骨切痕を通り抜ける信号の受信を最適化するように適合される後部アンテナ(例えば、後部アンテナ430)とを含むアンテナレイアウトを用いることは、生体内装置がGI系の上方部分にあるか、あるいはその下方部分にあるかによらず、生体内装置からより強い信号が得られる/受信されることを確実にする。
【0035】
図4Bは、人体上に配置された
図4Aのウェアラブルアンテナアセンブリ410を示す。
図4A−
図4Bに関して、類似の参照番号は、類似の要素/対象物を指す、または参照する。後部アンテナセンブリ430は、
図4Bに示すように、臀部450の上部上に配置されて、これを装着する人の不便さを最小にし得る。
図4Cは、例示的な実施形態による、骨盤の後部像に対する
図4A−
図4Bの後部アンテナセンブリ430の位置を概略的に示す図である。生体内装置が骨盤内にある場合に無線通信を改善するために、後部アンテナ430/1は、大坐骨切痕440/1に隣接して、またはこの近くで臀部上に配置され、また、後部アンテナ430/2は、大坐骨切痕440/2に隣接して、またはこの近くで臀部上に配置される。
【0036】
従来、アンテナ素子は、患者に接する様々な点(例えば、腹部、胸郭など)に付着され
、このように、患者によって/患者に付着して運ばれる必要があるために、アンテナ素子は小型かつ軽量である必要があり、そのため、許容できる強度で信号を受信可能とするために、身体に可能な限り接近している必要がある。個々のアンテナ素子が個別に患者の身体に付着したアンテナのアレイはまた、個々の患者の体形に容易に調整され得る。別の構成では、従来のアンテナ素子は、着用可能なベルトまたはベストの中に組み込まれるが、この組み込みでは、患者の身体からアンテナ素子を遠ざけてしまうために、信号受信が劣悪になってしまう。本発明によれば、アンテナ素子およびウェアラブルアンテナアセンブリの幾何形状は、一部の従来のアンテナ設定の欠点の一部を克服する。広く使用されている従来のアンテナ幾何形状が、後述する
図5Aおよび
図5Bに示され、例示的な実施形態によるアンテナ素子幾何形状の例が、例えば
図6に示されている。
【0037】
図5Aおよび
図5Bは、アンテナの分野で「ヘイローアンテナ」として知られる従来のアンテナ500を示す。
図5Aを参照すると、アンテナ500は、水平偏波無指向性1/2波長ダイポールアンテナである。これは、ループ状に成形されているが、給電点520の真向いにあるループの側部にわずかな切れ目、すなわち不連続部510を備えて、ダイポールの端部が接触しないようにする。アンテナは、通常、1つの連続した導体530である。水平偏波であることにより、アンテナは、垂直偏波成分をほとんどもたず、概して、垂直偏波信号には十分に機能しない。
【0038】
それらの電気的特性(例えば、偏波)に起因して、アンテナ500(および類似のアンテナ)は、許容できる強度の信号を受信可能とするために、人体の皮膚に接触しなければならない、あるいは、少なくとも人体の皮膚から数ミリメートルを超えて離れないようにしなければならない。この要件の理由は、人体の電気的特性とループアンテナとの組み合わせが、これらがごく接近している場合、例えば中心周波数434MHzを中心に例えば30MHzの帯域幅を有し得る無線周波数(「RF」)信号に応じてアンテナを共振できるようにする電気回路を形成するためである。共振が強いほど、アンテナの信号は強くなる(受信が良好になる)。アンテナを人体から離すと(例えば、2〜3ミリメートルよりも遠くに離すと)、この機能は、通信が切断されるほど受信機でのSNRが低くなる点まで、著しく損なわれる。アンテナ素子500は、一般的に、アンテナ素子と人体との間の距離が3〜4ミリメートル未満の場合、等方性アンテナに対して1デシベルの利得、および、70〜80オームのインピーダンスを有する。アンテナ素子500がさらに人体から(例えば、3〜4ミリメートルよりも遠くに)遠ざけられると、その性能は著しく低下する。ケーブル540は、アンテナ500を受信機に、例えばデータ記録装置120などのデータ記録装置に接続する。
図5Bを参照すると、アンテナ500は、例えば接着剤などにより皮膚に付着し得るポケット550に埋め込まれた状態で示されている。先に説明したように、ポケット550などのポケット、またはアンテナ自体を皮膚に取り付けることは、アンテナを装着する人に不快感をもたらす。
【0039】
図6は、例示的な実施形態による、アンテナ素子600を示す。アンテナ素子600は、接地面610と、導体ストリップ620とを含んでいてもよい。接地面610および導体ストリップ620のそれぞれは、切頂部を有していてもよく、接地面610が切頂部612を有し、導体ストリップ620が切頂部622を有していてもよい。切頂部612は、概して切頂部622の向かい側に配置されてもよい(切頂部612および622は、アンテナ素子600の向かい合う側面/頂点に配置される)。一部の実施形態では、1つの要素(例えば、接地面または導体ストリップ)だけが切頂部を有するのであってもよい。その他の実施形態では、接地面と導体ストリップとのどちらも切頂部を有さない。接地面610と導体ストリップ620とは、RFチューニングにも用いられるキャパシタ630によって、直流(「DC」)的に、互いに絶縁される。すなわち、キャパシタ630およびアンテナのインダクタンスLは、無線信号に応じて共振する電気回路を構成する。出力端子632は、アンテナ素子で受信した無線信号を出力して、それが、解読/解釈のため
に無線受信機に提供されるようにする。
【0040】
接地面610および導体ストリップ620は、例えばPCB技術を用いることによって、共通の平坦な基板に隣り合わせに形成されてもよい。接地面610は、セグメント(セグメントは616に示されている)を有していてもよく、これは、導体ストリップ620のセグメント(導体ストリップ620のセグメントは626に示されている)と平行で、これに部分的に重なり合う。セグメント626は、導体ストリップ620の切頂部(脚部)622に接続されてもよい。
【0041】
アンテナ素子600は、折り返しダイポールアンテナの一種である。「典型的な」折り返しダイポールアンテナでは、アンテナの先端は、2つの先端が給電点においてもう少しで接触するまで「折り返されて」、アンテナが全波長を含むようにする。したがって、折り返しダイポールアンテナは、標準的な半波長ダイポールのものよりも、広い帯域幅を有する。
図6を参照すると、アンテナ600は、2つの先端、または端部を有する(先端、または端部は、614および624に示されている)。先端/端部624が折り返される一方、先端/端部614が接地面610から外に延びることから、アンテナ600は、「非対称に折り返されたダイポールアンテナ」であるとして考えることもできる。
【0042】
アンテナ素子600は、ほぼ長方形である(これは長方形640に取り囲まれていてもよい)。アンテナ600は、例えば配向を示す線650によって定義または表現され得る、配向を有する。例えば、
図7Aおよび
図8に示されているように、ウェアラブルアンテナアセンブリは、アンテナ素子600と同一または類似であり得る複数のアンテナ素子を含んでいてもよく、各アンテナ素子は、隣接するアンテナ素子とは異なる配向を有していてもよい。明確にするために、配向を示す線650は、わずかに中心を外して示されている。長方形のアンテナ600の長さLは100ミリメートルであっても、約100ミリメートル(例えば、L=100±15ミリメートル)であってもよい。長方形のアンテナ600の幅Wは80ミリメートルであっても、約80ミリメートル(例えば、W=80±10ミリメートル)であってもよい。アンテナ600は、他の長さおよび幅のうちの一方又は両方を有していてもよい。
【0043】
その設計のおかげで、アンテナ600に同一または類似のアンテナは、アンテナ500ほど皮膚に近くなくともよい。それらは、皮膚から離すことができ(例えば、30センチメートルまで)、それでも、上述のRF帯域において(例えば、中心周波数434MHzを中心に30MHzの帯域幅)、良好な無線通信を行う(アンテナ500または類似のアンテナと比較した場合)。アンテナ素子600および類似のアンテナは、一般的に、アンテナ500と比べて拡張した範囲において、等方性アンテナに対して2デシベルの利得、および、70から80オームのインピーダンスを有する。つまり、アンテナ素子600は、人体から30センチメートルまで離すことができ、依然としてこれらの電気的特性を維持し得る。
【0044】
図7Aは、飲み込まれた生体内装置から出て、骨盤の2つの大坐骨切痕を通過した無線信号を受信するための後部アンテナ素子700を示す。後部アンテナ素子700は、後部平坦アンテナ本体710、または略して後部本体710を含んでいてもよい。後部アンテナ素子700は、ベルトに取り付けられて、ウェアラブルアンテナアセンブリを構成し得る2つまたは3つ以上のアンテナアセンブリのうちの1つであってもよい。別のアンテナアセンブリが、本明細書において「前部アンテナアセンブリ」と呼ばれるが、
図8に示されており、後に説明する。
【0045】
後部本体710は、概して引き伸ばされた形状の物体であってもよく、長さL1および幅W1を有する。後部本体710は、横方向の線(横方向線)730を有する横方向部分
720と、横方向部分720から連続して(その延長であってもよい)、一般に横方向の線730に対して垂直に、横方向の線730から離れるように延びている少なくとも第1の突出部740とを含んでいてもよい。「一般に横方向の線730に対して垂直に」の語は、横方向の線730に対して直角または実質的に直角(例えば、90°±30°)を意味している。例えば、第1の突出部740は、60°または80°などで横方向の線730から離れる方向に延びていてもよい。第1のアンテナ素子は(第1のアンテナ素子は742に示されている)、第1の突出部740の上に設置、中に組み込みもしくは埋め込み、または内蔵されていてもよい。アンテナ素子742は、
図6のアンテナ素子600に同一または類似であってもよい。例えば、アンテナ素子742は、アンテナ素子600の導体ストリップ620に同一または類似であり得る導体ストリップ744と、アンテナ素子600の接地面610に同一または類似であり得る接地面746とを含んでいてもよい。
【0046】
後部本体710はまた、横方向部分720から同様に連続して(同様にその延長であってもよい)、一般に横方向の線730に対して垂直に、同様に横方向の線730から離れるように延びている第2の突出部750を含んでいてもよい。後部本体710の第1の突出部740および第2の突出部750は、対称中心線770に対して対称であってもよいが、必ずしも対称でなくともよい。対称中心線770は、横方向の線730に垂直であってもよい。
【0047】
第2のアンテナ素子は(第2のアンテナ素子は752に示されている)、第2の突出部750の上に設置、中に組み込みもしくは埋め込み、または内蔵されていてもよい。アンテナ素子742および752のそれぞれは、
図6のアンテナ素子600に同一または類似であってもよい。例えば、アンテナ素子752は、アンテナ素子600の導体ストリップ620に同一または類似であり得る導体ストリップ754と、アンテナ素子600の接地面610に同一または類似であり得る接地面756とを含んでいてもよい。各アンテナ素子の接地面(例えば、接地面746、または接地面756、または両方の接地面)は、横方向部分720と、該当する導体ストリップとの間に配置されてもよい。
【0048】
第1の突出部740、または第2の突出部750、または両方の突出部740および750は、ベルトが人のウエスト部分に装着された場合、後部アンテナ素子700が装着者の臀部に適合するように構成(例えば、寸法決定、形状決定、材料から作成など)されて、1つのアンテナ素子が骨盤の2つの大坐骨切痕のうちの一方に隣接してしっかりと配置されるようにし、第2のアンテナ素子もまた存在する場合(例えば、後部本体710の別の突出部上に)、第2のアンテナ素子は、他方の大坐骨切痕に隣接してしっかりと配置されるようにしてもよい。例として、後部本体700の全長L1は253ミリメートルであっても、約253ミリメートルであってもよく、後部本体710の全幅W1は105ミリメートルであっても、約105ミリメートルであってもよい。後部本体710の厚さは13ミリメートルであっても、約13ミリメートルであってもよい。後部本体710は、間隙760を有して、後部本体710を全体として複数の方向により柔軟にしてもよい。例えば、間隙760は、突出部740および750を、横方向の線730に対して反対方向にねじれたり曲がったりすることを可能にし、例えば、一方の突出部(例えば突出部740)を観察者に向けて、また、他方の突出部(例えば、突出部750)を観察者から離れる方向にねじれたり曲がったりすることを可能にする。間隙760は、突出部740および750を、同様に対称中心線770に対してねじれたり曲がったりすることを可能にする。後部本体710をより柔軟にすることにより、間隙760は、後部本体710をその装着者により良好に適合させることができる。一般的に、間隙760は、対称中心線770に位置合わせさせる、または一致させるが、必要というわけではない。
【0049】
アンテナ素子600と同様に、アンテナ素子742および752のそれぞれは、それに付随し、例えば横方向の線730に対してその配向を規定する長手方向の軸を有する。ア
ンテナ素子の「配向」は、その長手方向の軸の方向、またはその長手方向の軸と横方向の線730との間の角度αとして表され得る。例えば、アンテナ素子742は、横方向の線730に対してアンテナ素子742の配向を規定する長手方向の軸748を有し、また、アンテナ素子752は、横方向の線730に対してアンテナ素子752の配向を規定する長手方向の軸758を有する。
図7Aに示されているように、アンテナ素子742(後部本体710の「第1のアンテナ」)は、アンテナ素子752(後部本体710の「第2のアンテナ」)の配向(「第2の配向」)とは異なる配向(「第1の配向」)を有する。すなわち、アンテナ素子742の配向は、731に示されているように、横方向の線730に対して鋭角αであり、アンテナ素子752の配向は、横方向の線730に平行である(すなわち、α=0°)。一般に、第1の配向は、α1として定義され(例えば、アンテナ素子742と横方向の線730との間の角度、ここで、0°≦α1≦90°)、また、第2の配向は、α2として定義されてもよく(例えば、アンテナ素子752と横方向の線730との間の角度、ここで、0≦°α2≦90°)、ただし、α1≠α2であって、GI管の下方部分における装置の位置、またはその配向を問わず、飲み込まれた生体内装置から送られる無線信号の良好な受信を確保する。
図7Aに示されている例では、α1≒45°であり、α2=0°である。別の例では、α1は80°であり、α2は20°であってもよい。別の例では、α1は0°に等しく、α2は45°±10°に等しくてもよい。配向α1およびα2は、例えば後部アンテナ素子700を装着する個々の人に応じて調整してもよい。
【0050】
後部本体710は、カプトン(登録商標)(Kapton)などの平坦で柔軟な電気絶縁性の材料を含んでいてもよい(カプトンは、「デュポン(Dupon)」社で開発されたポリイミド膜である。カプトンは、広い温度範囲で安定した状態を保つことができ、フレキシブルPCBで用いられる)。これに加えて、またはこれに代えて、後部本体710は、別のタイプの平坦な誘電体基板を含んでいてもよい。後部本体710は、1つの柔軟な層から構成されていてもよいし、または、多層であって、複数の柔軟な層を有していてもよい。後部本体710は、横方向の線730および対称中心線770のいずれかに対して柔軟であってもよいし、横方向の線730および対称中心線770の両方に対して柔軟であってもよい。後部本体710は、すべての方向に柔軟、すなわち、等方的に柔軟であって、全体として、その装着者の臀部に後部アンテナ素子700を良好に適合できるようにしてもよい。後部本体710の柔軟性は、方向に依存するものであってもよい。後部本体710は、求められる柔軟性特性を得られるあらゆる材料、またはあらゆる材料の組み合わせからなってもよく、またはこれを含んでもよい。
【0051】
図7Bおよび
図7Cはそれぞれ、例示的な実施形態による、
図7Aの後部アンテナ素子700の上側(
図7Bの780)と、下側(
図7Cの790)とを示す。
図6のアンテナ600に同一または類似のアンテナ(例えば、
図7Aのアンテナ742および752)が、後部本体710などの後部本体に形成(例えば、上に設置、上もしくは内部に積層、または内蔵)された後、キャパシタ630および端子632は、後部本体の頻繁または激しい折り畳み/折り曲げの下で、正常に機能しないこともある。したがって、後部本体のこれらの領域を強固にして、これらが、折り畳みによる応力とその他のタイプの機械的応力に耐え得るようにしてもよい。
図7Bを参照すると、後部本体710は、アンテナ素子742のキャパシタおよび出力端子のために、それぞれ堅い補強材782および784と、アンテナ素子752のキャパシタおよび出力端子のために、それぞれ堅い補強材786および788とを含んでいてもよい。
図7Cを参照すると、後部本体710は、補助的な堅い補強材、すなわち、アンテナ素子742のキャパシタおよび出力端子のために、それぞれ堅い補強材792および794と、アンテナ素子752のキャパシタおよび出力端子のために、それぞれ堅い補強材796および798とを含む。後部アンテナセンブリは、ウェアラブルアンテナアセンブリの一部であり得るが、例えば、
図7Dおよび
図7Eに示されるように、後部アンテナ素子700と、平坦で柔軟な電気絶縁性の支持体とを含んでい
てもよい。2つの大坐骨切痕の間の距離と、骨盤におけるそれらの相対的な位置は、身長、体重、または体格指数(「BMI」)の違いがあっても、人によってそれほど違わないことが知られている。したがって、後部アンテナ素子700に同一または類似の1つのサイズの後部アンテナ素子が、誰にでも適合し得る。
【0052】
図7Dは、例示的な実施形態による、後部アンテナセンブリ(パウチ内に挿入するための後部挿入体)722を示す。後部アンテナセンブリ722は、平坦で柔軟な後部支持体701と、平坦で柔軟な後部支持体701に支持される後部アンテナ素子700とを含んでいてもよい。後部アンテナ素子700は、例えば積層技術を用いることによって、平坦な後部支持体701上に設置されてもよい。後部アンテナ素子700は、後部支持体701の一部分に完全または部分的に重なり合ってもよい。
図7Dでは、後部アンテナ素子700は、後部支持体701の一部分に完全に重なり合っている(後部アンテナ素子700は、点線702に取り囲まれて示されている)。
【0053】
後部支持体701は、カプトンなどの等方的に柔軟な電気絶縁性の材料から作られてもよく、その上に(例えば、積層技術を用いることによって)後部アンテナ素子700を設置してもよく、あるいは、例えばカプトンまたは類似の材料である、またはこれに基づく、またはこれを含む、等方的に柔軟でない材料から作られてもよい。後部アンテナ素子700は、本体または層703などの本体または層を含んでいてもよく、その上にアンテナ素子742および752が形成されてもよい。アンテナ素子742の出力信号(このアンテナで受信した無線信号)は、端子705を介して、アンテナケーブル707に提供されてもよい。同様に、アンテナ素子752の出力信号(このアンテナで受信した無線信号)は、端子709を介して、アンテナケーブル711に提供されてもよい。アンテナケーブル707および711は、接続部713で、支持体701の「首部」717を経由する、または通過する1つの信号ケーブル715に接合させてもよい。
【0054】
アンテナ素子742および752のそれぞれは、後部本体703の横方向の線に関して、または、互いに関して規定され得る配向を有していてもよく、アンテナ素子の配向は、大坐骨切痕を通る信号受信を最大化するように最適化されてもよい。後部アンテナセンブリは、後部パウチ(例えば、
図9のパウチ912、
図11のパウチ1100)をさらに含んで、後部アンテナ素子700および後部支持体701を収容/格納してもよい。後部パウチは、例えばベルクロストリップ/ファスナを用いることによって、ベルトに取り外し可能に接続可能または取り付け可能であってもよい。
【0055】
図7Eは、別の例示的な実施形態による、後部アンテナセンブリ(パウチ内に挿入するための後部挿入体)724を示す。後部アンテナセンブリ724は、平坦で柔軟な支持体719と、平坦な支持体719の上に設置、またはこれに支持される後部アンテナ素子700とを含んでいてもよい。支持体719は、対称中心線770に位置を合わせられ、後部本体710の突出部740および750を隔てる間隙760の向かい側に配置され得る切り欠き721を含んでいてもよい。支持体719は、カプトンなどの柔軟で、場合により一様な、電気絶縁性の材料で作られてもよく、この上に後部アンテナ素子700が設置されてもよい。支持体719は、後部アンテナセンブリ724を、全体として、対称中心線770に関してより柔軟にする切り欠き721を含んでいてもよい。後部アンテナセンブリ724のアンテナ素子に接続されるアンテナケーブルは、
図7Eに示されていない。後部アンテナ素子700、および後部アンテナセンブリ724は概して、側部723および725を有し、側部723と725との間の角度δは、零(すなわち、側部723および725が平行)または、
図7Eに示されているように、零より大きくてよい。例えば、
図7Eでは、δ=32°である。本明細書において開示されるウェアラブルアンテナアセンブリはまた、
図8から
図11に示されているような前部アンテナアセンブリを含んでいてもよく、これらは、以下に説明する。
【0056】
図8は、例示的な実施形態による、前部アンテナアセンブリ(前部挿入体)800を示す。前部アンテナアセンブリ800は、引き伸ばされた形状の物体であってもよく、長さL2および幅W2を有する。前部アンテナアセンブリ800は、その他の形状を有していてもよい。前部アンテナアセンブリ800は、平坦で柔軟かつ電気絶縁性の前側部本体802を含んでいてもよい。前側部本体802は、横方向の線804を有していてもよく、また、これは、前側部本体802に横方向の線804に沿って隣り合わせに形成(例えば、上に設置または内蔵)され得るn個の(前部)アンテナ素子を含んでいてもよく、ここで、nは1以上の整数である。例えば、
図8に示されるように、810、820、830、および840と指定される4つ(n=4)のアンテナ素子が、前側部本体802に形成されてもよい。n個のアンテナ素子のそれぞれは、例えば、横方向の線に対して既定され得る配向を有していてもよい。前側部本体802は、ベルトが装着されたときに、その内部に形成されたn個のアンテナ素子(例えば、アンテナ素子810、820、830、840)が、腹部に隣接して、またはその前方に配置されるように構成されてもよい。
【0057】
前側部本体802は、カプトンなどの等方的に柔軟な電気絶縁性の材料から作られてもよく、その上に前部アンテナ素子が設置され(例えば、積層され)、あるいは、例えばカプトンまたは類似の材料に基づく、またはこれを含む、等方的に柔軟でない材料から作られてもよい。前側部本体802は、本体または層を含んでいてもよく、その上にアンテナ素子810、820、830、および840が形成されてもよい。各アンテナ素子810から840の出力信号(各アンテナで/各アンテナから受信した無線信号)は、該当するアンテナの出力端子を介して、導体(例えば、信号線または電線)に提供されてもよい。導体は、アンテナ信号が、前側部本体802から、受信機に、またはデータ記録装置に、850に概略的に示されている信号ケーブルを介して伝達され得るようにする。
【0058】
アンテナ素子810から840のそれぞれは、(例えば、寸法、または形状、または電気的特性、またはこれらの組み合わせにおいて)
図6のアンテナ素子600に同一または類似であってもよい。生体内装置と体外の受信機との間において、GI系の上部に装置がある時に、良好かつ安定した無線通信を確保するために、前部アンテナアセンブリ800のアンテナ素子の配向は、各2つの隣接するアンテナ素子同士が異なる配向を有する、配向設定を構成する。n個の前部アンテナ素子のそれぞれは、配向設定にしたがう配向、すなわち配向設定による配向を有していてもよい。配向設定の例が
図8に示され、ここでは、アンテナ素子810は、配向812、またはβ1を有し、横方向の線804に対してこれは約45°であり、また、アンテナ素子820の配向(配向822として示す)は、横方向の線804に対して90°であり、このように、隣接するアンテナ素子810および820は、異なる配向を有する。同様に、アンテナ素子820の配向は、横方向の線804に対して90°であり、また、アンテナ素子830の配向(配向804として示す)は、横方向の線804に対して0°であり、このように、隣接するアンテナ素子820および830は、異なる配向を有する。同様に、アンテナ素子830の配向は、横方向の線804に対して0°であり、また、アンテナ素子840の配向β2(配向842として示す)は、横方向の線804に対して約135°であり、このように、隣接するアンテナ素子830および840は、異なる配向を有する。アンテナ素子810、820、830、および840は、非対称に折り返されたダイポールアンテナであってもよい。
【0059】
別の配向設定の例では、n個のアンテナ素子の配向は、アンテナ素子ごとに一定の増分(すなわち、デルタ)Δだけ増大する。例えば、Δ=40°の場合、アンテナ素子810の配向は10°であり、アンテナ素子820の配向は50°(例えば、10+40)であり、アンテナ素子830の配向は90°(50+40)であり、アンテナ素子840の配向は130°(90+40)である。Δはその他の値を有していてもよい。別の配向設定の例では、2つの配向が用いられて、n個のアンテナ素子の配向は、アンテナ素子を通じ
て交互に変わる、すなわち、アンテナ素子の配向は、アンテナ素子ごとに交互に変わってもよい。例えば、A1、A2、A3、A4、A5、…Anと指定される一連のn個の連続したアンテナ素子では、アンテナ素子の配向は、第1の配向γ1および第2の配向γ2(γ1≠γ2)を交互に繰り返してもよく、すなわち、すべての奇数のアンテナ素子(例えば、アンテナ素子A1、A3、A5、…)は、配向γ1(または配向γ2)を有していてもよく、また、すべての偶数のアンテナ素子(例えば、アンテナ素子A2、A4、A6、…)は、配向γ2(または配向γ1)を有していてもよい。1つの例では、γ1は例えば45°に等しく、γ2は例えば135°に等しくてもよい。配向γ1およびγ2のうちの一方又は両方は、異なる値であってもよい。その他の配向設定が用いられてもよく、配向設定は、隣接するアンテナ素子は同じ配向を有さないという条件で、k個の配向を含んでいてもよい(ここで、kは1よりも大きい整数)。
【0060】
図8の前側部本体802は、4つの前部アンテナ素子を含むが、n個の前部アンテナ素子を含んでいてもよい(nは、1以上であってもよい)。前側部本体802に形成されるアンテナ素子のそれぞれは、横方向の線804に関して所定の配向を有していてもよく、アンテナ素子の配向は、腹部を通る信号受信を最大化するように最適化されてもよい。前側部本体802が構成され、またその内部にアンテナ素子が形成されて、ベルトが人に装着されたときに、前部アンテナ素子が腹部に載せられ、または腹部に隣接して、またはその前方に配置され、腹部を通る信号受信を最大化するようにしてもよい。
【0061】
図6のアンテナ素子600と同様に、前部側部アセンブリ800の各アンテナ素子は、(例えば、アンテナ600の接地面610と同様の)接地面と、(例えば、アンテナ600の導体ストリップ620と同様の)導体ストリップとを含んでいてもよく、接地面および導体ストリップは、隣り合わせに設置されるが、その他の構成も用いられ得る。例えば、アンテナ素子の接地面および導体ストリップは、隣り合わせではなく並列に設置してもよい。例として、アンテナ素子810は、接地面814と導体ストリップ816とを含む。
図6のアンテナ素子600と同様に、前部側部アセンブリ800の各アンテナ素子の接地面は、第1の切頂部を含んでいてもよく、また、それぞれの導体ストリップは、第2の切頂部を含んでいてもよく、第2の切頂部が、第1の切頂部の向かい側に配置されてもよい。例として、アンテナ素子820の接地面および導体ストリップは、それぞれ、互いに向い合わせに配置される切頂部824および826を含んでいてもよい。前部側部アセンブリ800のアンテナ素子(例えば、アンテナ素子810および840)は、前部側部アセンブリ800の幅W2を低減可能とするために切頂部を含む一方、その他のアンテナ素子がいかなる切頂部も有さなくともよい。
図6のアンテナ素子600と同様に、前部側部アセンブリ800の各アンテナ素子の接地面は、第1のセグメントを含んでいてもよく、また、導体ストリップは、第2のセグメントを含んでいてもよく、第1のセグメントおよび第2のセグメントが、部分的に重なり合ってもよい。例として、アンテナ素子830の接地面および導体ストリップは、それぞれ、部分的に重なり合うセグメント832および834を含む。
【0062】
前部アンテナアセンブリは、前部パウチ(例えば、
図9のパウチ922)をさらに含んで、前部アンテナ素子800を収容/格納してもよい。前部パウチは、例えばベルクロストリップ/ファスナを用いることによって、ベルトに取り外し可能に接続可能または取り付け可能であってもよい。
図8は、例として、4つのアンテナ素子を示しているが、その他の数のアンテナ素子を用いてもよい。例えば、nが4よりも大きいこともあるアンテナ素子(例えば、n=5またはn=6のアンテナ素子)、または、4未満であることもあるアンテナ素子(例えば、n=3のアンテナ素子)である。
【0063】
ウェアラブルアンテナアセンブリは、人が、例えばその人のウエスト部分に着用できるように適合されているベルトと、本明細書において「後部パウチ」と呼ばれ、ベルトに取
り外し可能に接続、取り付け、締結または繋がれるように、また、
図7Dの後部アンテナセンブリ722などの後部アンテナセンブリを快適に受け入れ、すなわち収容/格納するように適合される第1のパウチと、本明細書において「前部パウチ」と呼ばれ、ベルトに取り外し可能に接続、取り付け、締結または繋がれるように、また、前部アンテナアセンブリ800などの前部アンテナアセンブリを快適に受け入れ、すなわち収容/格納するように適合される第2のパウチとを含んでいてもよい。
【0064】
後部本体710に形成されるアンテナ素子は、「後部アンテナ」と呼ばれることもあり、前側部本体802に形成されるアンテナ素子は、「前部アンテナ」と呼ばれることもある。後部アンテナおよび前部アンテナは、同じ方法または異なる方法で構成されてもよい。例えば、後部アンテナおよび前部アンテナのうちの一方又は両方は、カプトンカバー層と単一銅層とを含んでいてもよい。本体710および802のそれぞれは、PORON(登録商標)発泡層に積層されてもよく、あるいは、PORON発泡層の間に挟まれてもよい。層は、しっかりと結合されて、層間に空気が入らないようにしてもよい。この方法で積層されたアンテナ素子(例えば、挟まれたアンテナ素子)は、柔軟であり、容易に変形して、多様な体形および寸法の患者に適合し得る。「PORON」は、ロジャースコーポレーション(Rogers Corporation)社製品の商品名である。簡単に言えば、PORONは、絶縁および詰め物に用いられるウレタンポリマーの一種である。
【0065】
図9は、例示的な実施形態による、ウェアラブルアンテナアセンブリ900を概略的に示す。ウェアラブルアンテナアセンブリ900は、2つの異なる部分、すなわち、後部アンテナセンブリを含む第1のセクション910と、前部アンテナアセンブリを含む第2のセクション920とを含む。後部アンテナセンブリおよび前部アンテナアセンブリは、
図9に示していない。それぞれのセクションはまた、該当するアンテナアセンブリを収容するように適合されるパウチを含む。セクション910は、ベルト918に取り外し可能に取り付けられる後部パウチ912を含む。後部パウチ912は、後部アンテナセンブリを収容/格納するポケット914と、ベルト918に取り付けられるタブ916とを含む。前部パウチ922は、ベルト918に取り付けられるが、前部アンテナアセンブリを収容/格納するポケット924を含む。
【0066】
パウチ912に収容/格納される後部アンテナセンブリは、後部アンテナ素子722に同一または類似であってもよく、パウチ922に収容/格納される前部アンテナアセンブリは、前部アンテナアセンブリ800に同一または類似であってもよい。用途に応じて、ウェアラブルアンテナアセンブリは、(前部パウチの有無を問わず)後部アンテナセンブリのみ、または(後部パウチの有無を問わず)前部アンテナアセンブリのみ、または両方のアンテナアセンブリを含んでいてもよい。主信号ケーブル930は、後部アンテナセンブリおよび前部アンテナアセンブリのアンテナ素子に、また、アンテナ信号を外部受信機940に伝達するために、外部受信機940に(例えば、平形コネクタを介して)接続されてもよい(ウェアラブルアンテナアセンブリを受信機940に接続する電気的接続は、
図9に示していない)。外部受信機940は、例えば携帯/連結用の紐950によって、アンテナアセンブリを着用している人に掛けたり繋いだりしてもよい。
【0067】
図10は、例示的な実施形態による、ウェアラブルアンテナアセンブリの後部アンテナセクション1000を概略的に示す。後部アンテナセクション1000は、ベルト1020に取り付けられ得る後部パウチ1010と、後部パウチ1010の外側に示され、後部パウチ1010内に挿入1060され得る、後部アンテナセンブリ1030とを含んでいてもよい。ケーブル1040は、
図7Dのケーブル715と類似であってもよいが、後部アンテナセンブリ1030の一部分である後部アンテナ素子のアンテナ素子によって受信された無線信号の伝達に用いられてもよい。ウェアラブルアンテナアセンブリの前部アンテナセクションは、1050に部分的に示されている。後部パウチ1010は、縫い付け
たポリプロピレンを用いることによって、補強されてもよい。
【0068】
図11は、例示的な実施形態による、後部パウチ1110を概略的に示す。後部パウチ1110は、ベルクロタイプストリップ/ファスナ1130を用いることによって、ベルト1120に留められた状態で示されている。
図12では、例示的な実施形態による、後部パウチ1210が、ベルト1220に連結された状態で示されている。さらに信号ケーブルが通るスリーブ1230も示されている。
図13Aおよび
図13Bは、例示的な実施形態による、人が着用した状態の後部アンテナセンブリ1300(後部挿入体)を示している。後部アンテナセンブリ1300は、2つの後部アンテナ1310および1320を含んでいてもよい。
図13Aの後部アンテナセンブリ1300は、
図13Bでは、人の身体とズボンとの間に挿入されている。矢印1330は、後部アンテナセンブリ1300が連結されているベルトを指し示している。
【0069】
本明細書において、冠詞「ひとつの(「a」および「an」)」は、文脈に応じて、冠詞の文法上の対象物の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すように用いられている。例として、文脈に応じて、「ひとつの要素」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味し得る。「含む(including)」の語は、「含むが、これに限定されない」の句を意味するとして本明細書において用いられ、また、交換可能に用いられる。「または(or)」および「および(and)」の語は、特段の指定の無い限り、「および/または(and/or)」の語を意味するとして本明細書において用いられ、また、交換可能に用いられる。「などの(such as)」の語は、「などであるが、これに限定されない」の句を意味するとして本明細書において用いられ、また、交換可能に用いられる。このように、本発明の例示的な実施形態を説明してきたが、当業者には、開示された実施形態の変更が本発明の範囲内であることは明らかであろう。したがって、代替的な実施形態は、より多くのモジュール、またはより少ないモジュール、または機能的に等価なモジュール、またはこれらの組み合わせを含む。本開示は、様々なタイプの生体内装置に関する(例えば、1つまたは2つ以上のイメージャを有する生体内装置、イメージャをもたない生体内装置など)。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書の開示に限定されない。