【実施例】
【0068】
次に、本発明による実施例について説明する。
【0069】
(実験1)
以下に示す方法でチタン金属部材を製造し、その特性を評価した。
【0070】
まず、被処理体として、寸法が、直径約60mmの市販の丸棒状純チタン試料(第2種のCPチタン)を準備した。
【0071】
図3には、純チタン試料の組織写真(EBSP(電子後方散乱回折像法)像)の一例を示す。EBSP装置のソフトを利用して求めた純チタン試料の平均結晶粒径は、約33μm程度であった。
【0072】
次に、この処理体を用いて、以下のように多軸鍛造処理を実施した。
【0073】
まず、室温(300K)で、試料の第1の方向(X方向)に沿って、試料を鍛造した(第1パス)。第1パスにより導入されるひずみ量Δεは、0.1とした。次に、試料の第2の方向(Y方向)に沿って、試料を鍛造した(第2パス)。第2パスにより導入されるひずみ量Δεは、0.1とした。次に、試料の第3の方向(Z方向)に沿って、試料を鍛造した(第3パス)。第3パスにより導入されるひずみ量Δεは、0.1とした。
【0074】
このように、X方向→Y方向→Z方向の順番で、鍛造処理を合計24回(24パス)繰り返すことにより、被処理体に累積ひずみΣΔε=2.4を導入した。なお、各パスにおいて、ひずみ速度は、いずれも5×10
−3/秒とした。多軸鍛造処理後に、被処理体には、ワレや欠陥の発生は認められなかった。
【0075】
図4には、被処理体の多軸鍛造処理の間に得られた、20パスまでの累積ひずみ量ΣΔεと真応力σ(MPa)の関係を示す。
【0076】
この図から、各パス毎に、被処理体に約0.1ずつひずみが導入されていることがわかる。また、鍛造の繰り返しにより、被処理体の変形抵抗が徐々に増加し、累積ひずみ量ΣΔε=2.0の段階(20パス後)には、被処理体の真応力は、800MPa以上に達していることがわかる。これは、多軸鍛造処理によって、被処理体の高強度化が達成されることを示唆するものである。
【0077】
図5は、初期被処理体(累積ひずみ量ΣΔε=0)、多軸鍛造処理10パス後(累積ひずみ量ΣΔε=1.0)の被処理体、および多軸鍛造処理20パス後(累積ひずみ量ΣΔε=2.0)の被処理体のビッカース硬さをまとめて示したグラフである。
【0078】
この図から、被処理体のビッカース硬さは、累積ひずみ量ΣΔεの増加とともに大きく上昇することがわかる。例えば、20パス後(累積ひずみ量ΣΔε=2.0)の被処理体のビッカース硬さは、約2500MPaとなっており、初期被処理体(累積ひずみ量ΣΔε=0)のビッカース硬さである約1700MPaを大きく上回っている。
【0079】
なお、
図4および
図5から、被処理体のビッカース硬さは、被処理体の強度の指標となることがわかる。すなわち、ビッカース硬さの大きな被処理体は、ビッカース硬さの小さい被処理体に比べて、強度が高いと言える。
【0080】
次に、被処理体に対して、1パスで導入されるひずみ量Δεを0.6として、同様の多軸鍛造処理(4パス)を実施した。これにより、被処理体に累積ひずみΣΔε=2.4が導入された。なお、多軸鍛造処理後に、被処理体には、ワレや欠陥の発生は認められなかった。
【0081】
図6には、被処理体の多軸鍛造処理(Δε0.6×4パス)後に得られた微細組織の一例を示す。この図は、透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影された写真である。
【0082】
図6と
図3(初期被処理体の組織)の比較から、被処理体の多軸鍛造処理によって、結晶粒が均一に微細化されていることがわかる。特に、平均結晶粒径は、約500nm以下となっており、極めて微細で均一な結晶粒組織(以下、「微細粒組織」とも称する)が得られていることがわかる。
【0083】
なお、組織の一部には、変形双晶が観測された。従って、このような変形双晶の発生が、結晶粒の微細化を促進しているものと考えられる。
【0084】
ここで、変形双晶とは、ある面に平行な剪断変形によって形成された母層と同じ結晶構造を有する方位の異なる領域を意味する。
【0085】
また、
図6の左下に示すように、被処理体の電子線回折パターンは、リング形状に近くなっている。このことから、生成された微細結晶粒同士が、高方位をなしていることがわかる。
【0086】
次に、被処理体に対して、1パスで導入されるひずみ量Δεを、0.1〜0.8の範囲で変化させるとともに、各パスにおけるひずみ速度を、1×10
−3/秒〜1×10
−2/秒の範囲で変化させ、同様の多軸鍛造処理を実施した。なお、累積ひずみ量ΣΔεは、いずれも2.4に統一した。
【0087】
図7には、各条件下での多軸鍛造処理後に得られた被処理体のビッカース硬さをまとめて示す。なお、図において、横軸は、1パスで導入されるひずみ量Δεであり、縦軸は、ビッカース硬さである。また、図には、参考のため、液体窒素温度(77K)での同様の多軸鍛造処理後の結果も合わせて示した(図中の×印)。
【0088】
なお、何れの条件の場合も、処理後の被処理体には、ワレや欠陥等の不具合は、認められなかった。また、処理後の被処理体には、
図6に示すような均一な微細粒組織が観察された。
【0089】
この
図7から、被処理体に導入される累積ひずみ量ΣΔεが同一(累積ひずみ量ΣΔε=2.4)の場合でも、ビッカース硬さは、1パスで導入されるひずみ量Δεおよびひずみ速度によって変化する傾向にあることがわかる。すなわち、同一のひずみ速度(5×10
−3/秒)で比較した場合、1パスで導入されるひずみ量Δεを大きくすると、ビッカース硬さは、より増加する傾向にある。また、同一のひずみ量Δε(0.6および0.8)で比較した場合、ひずみ速度が1×10
−3/秒から1×10
−2/秒まで上昇すると、ビッカース硬さは、より増加する傾向にあることがわかる。
【0090】
さらに、同一のひずみ量Δε(0.6)、同一のひずみ速度(5×10
−3/秒)での比較から、室温よりも低い温度(77K)で多軸鍛造処理を実施した方が、ビッカース硬さが向上することがわかる。
【0091】
以上の実験から、1パスで導入されるひずみ量Δεを0.1〜0.8の範囲とした多軸鍛造処理により、純チタン試料に微細粒組織が導入され、強度が高まることが確認された。
【0092】
特に、1パスで導入されるひずみ量Δεをより大きくし、各パスにおけるひずみ速度をより大きくし、多軸鍛造処理の温度をより低下させることにより、被処理体において微細粒組織がより発達しやすくなり、これにより強度が向上する傾向にあることが確認された。
【0093】
(実験2)
次に、以下の方法で、多軸鍛造処理された後の被処理体に対して時効処理を実施し、その効果を評価した。
【0094】
まず、被処理体を多軸鍛造処理した。多軸鍛造処理の温度は室温とし、1パスで導入されるひずみ量Δεは0.4とし、各パスにおけるひずみ速度は5×10
−3/秒とし、被処理体に導入される累積ひずみ量ΣΔεは2.4とした。
【0095】
次に、多軸鍛造処理された被処理体に対して、各種条件下で、時効処理を実施した。時効処理温度は、573K〜723Kの範囲とした。
【0096】
図8には、各種条件での時効処理後の被処理体のビッカース硬さの測定結果をまとめて示す。図において、横軸は、時効時間とした。
【0097】
この結果から、適正な時効処理によって、被処理体のビッカース硬さ、すなわち強度がさらに向上することがわかった。より具体的には、時効温度を573K(300℃)〜673K(400℃)の範囲とし、時効時間を10秒〜10
4秒の範囲とすることにより、被処理体の強度が向上することがわかった。
【0098】
これは、時効処理によって被処理体に含まれる微量不純物の酸素とチタンが反応し、酸化物が形成された(析出硬化された)ためであると考えられる。ただし、時効温度を723K(450℃)とした場合、および時効時間が1×10
4秒を超える場合、ビッカース硬さの向上効果は、得られなかった。これは、これらの条件下では、過時効が生じるためであると考えられる。
【0099】
この結果から、適正な条件での被処理体の時効処理は、被処理体の強度向上に有効なプロセスであることがわかった。
【0100】
(実験3)
次に、以下の方法で、多軸鍛造処理された後の被処理体に対して圧延処理を実施し、その効果について評価した。
【0101】
まず、被処理体を多軸鍛造処理した。多軸鍛造処理の温度は室温とし、1パスで導入されるひずみ量Δεは0.1とし、各パスにおけるひずみ速度は5×10
−3/秒とし、被処理体に導入される累積ひずみ量ΣΔεは2.0とした。
【0102】
次に、多軸鍛造処理された被処理体に対して、圧延処理を実施した。圧延処理は、室温で実施した。また、圧延による被処理体の圧延率は、65%および86%とした。なお、圧延処理前に、時効処理は実施していない。
【0103】
このようにして作製した圧延率の異なる2種類の被処理体を用いて、ビッカース硬さを測定した。
【0104】
図9には、圧延処理後の被処理体のビッカース硬さの測定結果をまとめて示す。なお、
図9では、横軸を多軸鍛造によって導入された累積歪み量ΣΔεで表示し、縦軸をビッカース硬さで表示した。また、図には、前述の(実験1)において得られた、各累積ひずみ量ΣΔεでの被処理体のビッカース硬さの測定結果(
図5のプロットおよび曲線)を同時に示した。
【0105】
この
図9から、多軸鍛造処理のみを実施した場合に比べて、圧延処理を実施することにより、被処理体のビッカース硬さ、すなわち強度がより上昇することがわかる。また、ビッカース硬さの上昇は、被処理体の圧延処理の際の圧延率の増加とともに顕著になることがわかる。
【0106】
図10には、被処理体に対して、多軸鍛造処理、時効処理、および圧延処理を実施した後の微細組織の一例を示す。この図は、透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影された写真である。
【0107】
多軸鍛造処理の温度は室温とし、1パスで導入されるひずみ量Δεは0.4とし、各パスにおけるひずみ速度は5×10
−3/秒とし、被処理体に導入される累積ひずみ量ΣΔεは2.4(Δε0.6×4パス)とした。また、時効処理条件は、時効温度573K(300℃)、時効時間1800秒とした。さらに、圧延処理は、室温冷間圧延とし、圧延率は95%とした。
【0108】
この
図10の組織写真と
図6に示した多軸鍛造処理後の組織写真を比べると、結晶粒の寸法など、微細粒組織自身には、大きな変化は認められないことがわかる。この結果から、圧延処理の実施による、結晶粒のさらなる微細化効果は少ないと考えられる。
【0109】
従って、圧延処理による被処理体の強度向上の効果の大部分は、結晶粒の微細化ではなく、圧延集合組織の形成によってもたらされていると考えられる。すなわち、圧延処理によって、被処理体の圧延面には、底面集合組織が形成される。従って、この底面集合組織によって、被処理体の塑性変形の抵抗上昇効果が生じ、これにより、被処理体の強度が向上するものと考えられる(圧延集合組織強化)。
【0110】
前述のように、通常の純チタン金属部材に対して、50%〜95%の高圧縮率で圧延処理を実施した場合、ワレや欠陥等の不具合が生じる可能性がある。しかしながら、本発明の一実施例による製造方法では、多軸鍛造処理によって被処理体の結晶粒が超微細化されている。このため、圧延率が50%〜95%の高圧縮率で圧延処理を実施しても、被処理体にワレや欠陥等が生じることを有意に抑制することができる。さらに、このような圧延処理によって、例えば圧延集合組織強化等の効果が生じ、被処理体のさらなる強度向上効果を得ることができる。
【0111】
(実験4)
次に、以下の4種類のサンプルを準備し、多軸鍛造処理された後の被処理体に対する圧延処理の効果について評価した。
【0112】
(サンプル1)
多軸鍛造処理および圧延処理をいずれも実施していない前述の純チタン製被処理体をサンプル1とする。
【0113】
(サンプル2)
以下の条件で被処理体を多軸鍛造処理し、サンプル2を作製した。
【0114】
多軸鍛造処理の温度は室温とし、1パスで導入されるひずみ量Δεは0.1とし、各パスにおけるひずみ速度は5×10
−3/秒とし、被処理体に導入される累積ひずみ量ΣΔεは1.0とした(従って、トータル10パス)。なお、圧延処理は、実施していない。
【0115】
(サンプル3)
以下の条件で被処理体を多軸鍛造処理し、サンプル3を作製した。
【0116】
多軸鍛造処理の温度は室温とし、1パスで導入されるひずみ量Δεは0.1とし、各パスにおけるひずみ速度は5×10
−3/秒とし、被処理体に導入される累積ひずみ量ΣΔεは2.0とした(従って、トータル20パス)。なお、圧延処理は、実施していない。
【0117】
(サンプル4)
以下の条件で、被処理体を多軸鍛造処理した後に圧延処理し、サンプル4を作製した。
【0118】
まず、被処理体を多軸鍛造処理した。多軸鍛造処理の温度は室温とし、1パスで導入されるひずみ量Δεは0.1とし、各パスにおけるひずみ速度は5×10
−3/秒とし、被処理体に導入される累積ひずみ量ΣΔεは2.0とした(従って、トータル20パス)。次に、被処理体を圧延処理した。圧延処理による被処理体の圧延率は、86%とした。なお、圧延処理は、室温で実施した。
【0119】
(評価)
次に、各サンプル1〜4を用いて、室温での引張試験を実施した(引張速度:1.7×10
−3/秒)。
【0120】
図11には、各サンプル1〜4の引張試験結果をまとめて示す。
【0121】
ここで、
図11において、サンプル4の結果として、2本の応力−ひずみ曲線が示されている。これは、サンプルの圧延方向と引張方向の関係が異なるためである。すなわち、曲線4(1)は、サンプル4の圧延方向と引張試験の引張方向とが等しい場合の応力−ひずみ曲線に対応し、曲線4(2)は、サンプル4の圧延方向と引張試験の引張方向とが垂直な場合の応力−ひずみ曲線に対応する。
【0122】
図11の結果から、多軸鍛造処理および圧延処理をともに実施していないサンプル1に比べて、多軸鍛造処理のみを実施したサンプル2およびサンプル3においても、強度の向上が認められることがわかる。また、多軸鍛造処理後にさらに圧延処理を実施したサンプル4では、サンプル2、3に比べて、よりいっそうの強度の向上が認められることがわかる。特に、サンプル4では、純チタン金属製のサンプルであるにもかかわらず、930MPaもの高い真応力の値が達成されている(サンプル1の約2倍)。
【0123】
なお、サンプル4において、圧延方向と引張方向の違いが強度に及ぼす影響は、認められなかった。
【0124】
このように、多軸鍛造処理後に圧延処理を加えることによって、被処理体の強度がいっそう上昇することが確認された。
【0125】
なお、加工熱処理プロセス中の結晶粒超微細化により、ヤング率の低下が起こる。例えば、
図11の引張試験の時にひずみゲージを試料に貼り付け、ヤング率を測定すると、ヤング率として、85GPa以下が達成された。
【0126】
(実験5)
次に、以下の4種類のサンプルを準備し、多軸鍛造処理された後の被処理体に対する時効処理および圧延処理の効果について評価した。
【0127】
(サンプル1)
多軸鍛造および圧延処理のいずれも実施していない前述の純チタン製被処理体をサンプル1とする。
【0128】
(サンプル5)
以下の条件で被処理体を多軸鍛造処理し、サンプル5を作製した。
【0129】
多軸鍛造処理の温度は室温とし、1パスで導入されるひずみ量Δεは0.4とし、各パスにおけるひずみ速度は5×10
−3/秒とし、被処理体に導入される累積ひずみ量ΣΔεは2.4とした(従って、トータル6パス)。なお、時効処理および圧延処理は、実施していない。
【0130】
(サンプル6)
以下の条件で、被処理体を多軸鍛造処理した後、時効処理し、さらに圧延処理し、サンプル6を作製した。
【0131】
まず、被処理体を多軸鍛造処理した。多軸鍛造処理の温度は室温とし、1パスで導入されるひずみ量Δεは0.4とし、各パスにおけるひずみ速度は5×10
−3/秒とし、被処理体に導入される累積ひずみ量ΣΔεは2.4とした(従って、トータル6パス)。次に、被処理体を時効処理した。時効処理温度は、573K(300℃)とし、時効処理時間は、1800秒とした。次に、被処理体を圧延処理した。圧延処理による被処理体の圧延率は、86%とした。なお、圧延処理は、室温で実施した。
【0132】
(サンプル7)
以下の条件で、被処理体を多軸鍛造処理した後、時効処理し、さらに圧延処理し、サンプル7を作製した。
【0133】
まず、被処理体を多軸鍛造処理した。多軸鍛造処理の温度は77K(液体窒素環境)とし、1パスで導入されるひずみ量Δεは0.4とし、各パスにおけるひずみ速度は5×10
−3/秒とし、被処理体に導入される累積ひずみ量ΣΔεは2.4とした(従って、トータル6パス)。次に、被処理体を時効処理した。時効処理温度は、573K(300℃)とし、時効処理時間は、1800秒とした。次に、被処理体を圧延処理した。圧延処理による被処理体の圧延率は、86%とした。なお、圧延処理は、77K(液体窒素環境)で実施した。
【0134】
(評価)
次に、各サンプル1、5〜7を用いて、室温での引張試験を実施した(引張試験の初期ひずみ速度1.0×10
−2/秒)。
【0135】
図12には、各条件下で作製したサンプルに対する室温での引張試験結果から得られた、最大引張応力と伸びとの関係をまとめて示す。
【0136】
図において、□印は、前述のサンプル1の結果を表し、○印は、前述のサンプル5の結果を表し、△印は、前述のサンプル6の結果を表し、▲印は、前述のサンプル7の結果を表す。
【0137】
図12から、多軸鍛造処理、時効処理、および圧延処理をいずれも実施していないサンプル1に比べて、多軸鍛造処理のみを実施したサンプル5においても、強度の向上が認められる。また、多軸鍛造処理、時効処理、および圧延処理を全て実施したサンプル6、7では、サンプル5に比べて、よりいっそうの強度の向上が認められることがわかる。特に、サンプル6、7では、純チタン金属製のサンプルであるにもかかわらず、1000MPaを超える最大引張応力の値が達成されている(サンプル1の約2.5倍)。
【0138】
このように、多軸鍛造処理、時効処理、および圧延処理の組み合わせにより、被処理体の強度(最大引張応力)が大きく向上することが確認された。
【0139】
これらの純チタン材料の引張試験の結果から、加工熱処理プロセス過程で徐々にヤング率低下が起こり、最低で62GPaを達成した。一般的な純チタンのヤング率100〜110GPaの半分近くまで低化させることを得た。この低ヤング率は、人骨のヤング率約40GPa程度に近く、生体材料としての有用性が期待される。このような低ヤング率チタンは、元素添加によって合金化された体心立方晶チタン合金等では報告があるものの、純チタンでは無い。