(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面を参照しながら様々な態様について説明する。以下の記述では、説明の目的で、1つまたは複数の態様の完全な理解を与えるために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、そのような態様をこれらの具体的な詳細なしに実践できることは明白であり得る。
【0019】
様々な態様では、アイドルモードのモバイルデバイスによる頻繁なセル再選択を調整するための機構が本明細書で開示される。当技術分野で一般に知られているように、モバイルデバイスは、システム、デバイス、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル、リモート局、モバイル端末、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、通信デバイス、ユーザエージェント、ユーザデバイス、またはユーザ機器(UE)と呼ばれることもある。モバイルデバイスは、セルラー電話、衛星電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、タブレット、コンピューティングデバイス、あるいはモバイルデバイスにセルラーまたはワイヤレスネットワークアクセスを与える1つまたは複数の基地局(BS)にワイヤレスモデムを介して接続された他の処理デバイスであり得る。
【0020】
基地局(BS)は、モバイルデバイスと通信するために利用することができ、アクセスポイント、フェムトノード、ピコノード、マイクロノード、ノードB、発展型ノードB(eNB)、H(e)NBと総称されるホームノードB(HNB)もしくはホーム発展型ノードB(HeNB)、または何らかの他の用語で呼ばれる場合もある。これらの基地局は一般に低電力基地局と見なされる。たとえば、低電力基地局は、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)に関連するマクロ基地局と比較して、比較的低い電力で送信する。したがって、低電力基地局のカバレージエリアは、マクロ基地局のカバレージエリアよりも実質的に小さい可能性がある。
【0021】
本明細書で説明する技法は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMA、WiFiキャリア検知多重アクセス(CSMA)、および他のシステムなど、様々なワイヤレス通信システムに使用され得る。「システム」および「ネットワーク」という用語は、しばしば互換的に使用される。CDMAシステムは、Universal Terrestrial Radio Access(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装し得る。UTRAは、Wideband-CDMA(W-CDMA(登録商標))およびCDMAの他の変形形態を含む。さらに、cdma2000は、IS-2000規格、IS-95規格およびIS-856規格をカバーする。TDMAシステムは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))などの無線技術を実装し得る。OFDMAシステムは、発展型UTRA(E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash-OFDM(登録商標)などの無線技術を実装し得る。UTRAおよびE-UTRAは、Universal Mobile Telecommunication System(UMTS)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)は、ダウンリンク上ではOFDMAを利用し、アップリンク上ではSC-FDMAを採用する、E-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTEおよびGSM(登録商標)は、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)と称する組織からの文書に記載されている。加えて、cdma2000およびUMBは、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)と称する組織からの文書に記載されている。さらに、そのようなワイヤレス通信システムは、不対無認可スペクトル、802.xxワイヤレスLAN、BLUETOOTH(登録商標)および任意の他の短距離または長距離ワイヤレス通信技法をしばしば使用するピアツーピア(たとえば、モバイルツーモバイル)アドホックネットワークシステムをさらに含み得る。
【0022】
いくつかのデバイス、構成要素、モジュールなどを含み得るシステムに関して、様々な態様または特徴が提示される。様々なシステムが、追加のデバイス、構成要素、モジュールなどを含む場合があり、かつ/または図に関して論じられるデバイス、構成要素、モジュールなどのすべてを含むとは限らないことを、理解および諒解されたい。これらの手法の組合せも使用され得る。
【0023】
図1は、例示的なワイヤレス通信システム100を示す。システム100はマクロ基地局102を含み、マクロ基地局102は1つまたは複数のデバイスにワイヤレスネットワークへのアクセスを与えることができるマクロセル(
図1には示されていないが、
図9を参照しながら以下でより詳細に説明される)を形成する。ワイヤレス通信システム100は、バックホールリンク(図示せず)を介したワイヤレスネットワークアクセスをブロードバンドインターネット接続を介してモバイルネットワークに与えることもできるフェムトノード104、106、108、110、および112も含む。一例では、フェムトノード104、106、108、110、および/または112は他のタイプの低電力基地局、中継ノード、(たとえば、他のデバイスとピアツーピアモードまたはアドホックモードで通信する)デバイスであってよい。各フェムトノードは、フェムトセル(
図1には示されていないが、
図9を参照しながら以下でより詳細に説明される)を形成する。さらに、システム100は、マクロ基地局102および1つまたは複数のフェムトノード104または106と通信してワイヤレスネットワークへのワイヤレスアクセスを受けるモバイルデバイス114を含む。
【0024】
図示された混合マクロセル/フェムトセル展開では、マクロ基地局102とコロケートされたフェムトノード104、106、108、110、および112との間での頻繁なアイドルモードシステム再選択は、まだら状のフェムトセルカバレージを出入りする高速で移動するモバイルデバイス114(たとえば、車上モバイルデバイス)および/またはマクロセル102とフェムトセル104、106、108、110、および112との間で相互通信するモバイルデバイス114によって生じ得る。頻繁なシステム再選択は、短い時間期間(たとえば、10分)内で隣接するフェムトセルまたはマクロセルに登録しようとするおよび/またはそれから登録解除しようとする1つのモバイルデバイスによる複数回の試行またはいくつかのモバイルデバイスによる1回の試行と見なされ得る。頻繁なシステム再選択は、異なるシステム(たとえば、フェムトセルおよびマクロセル)上での頻繁なモバイルデバイス登録を引き起こす場合があり、今度はこのことがデバイスバッテリーの消耗、シグナリング負荷、ページの欠落、および他の問題を引き起こし得るので、望ましくない。したがって、アイドルモードのモバイルデバイスのシステム再選択を調整し、マクロセルとコロケートされたフェムトセルとの間の再選択によるピンポン効果を低減することが望ましい。
【0025】
図2は、アイドルモードのモバイルデバイスによる頻繁なシステム再選択を調整するための例示的なシステム200を示す。システム200はフェムトノード202を含み、フェムトノード202は実質的に任意の低電力基地局であってよく、一例では、本明細書で説明するようなフェムトノード104、106、108、110、および/または112(
図1)のうちの1つまたは複数ならびにモバイルデバイス204を含むことができる。一般に、フェムトノード202は、限定はしないが、再選択ビーコン調整構成要素206および電力調整構成要素212を含む、アイドルモードのモバイルデバイス114によるマクロセル/フェムトセル再選択を調整する複数の構成要素を含み得る。モバイルデバイス204は、限定はしないが、再選択パラメータ調整構成要素208およびカバレージエリア調整構成要素210を含む、アイドルモードのモバイルデバイスによるマクロセル/フェムトセル再選択を調整する複数の構成要素を含み得る。これらの構成要素の各々について、本明細書では以下でより詳細に説明する。
【0026】
一態様では、フェムトノード202の再選択ビーコン調整構成要素206は、フェムトノード202によって送信される再選択ビーコンを調整し得る。再選択ビーコンは、マクロ基地局によって送信されるRF信号を一時的に妨害し(たとえば、RF信号に対する干渉を作り出し)、それによって、フェムトセル202およびコロケートされたマクロセルのカバレージエリアに位置する任意のモバイルデバイス204に、サービングマクロセルからターゲットフェムトセル202に強制的に再選択させるために、コロケートされたマクロ基地局によって使用されるRFチャネルと同じRFチャネル上で、フェムトセルによって周期的に送信される。特に、一態様では、再選択ビーコン調整構成要素206は、フェムトノード202がその再選択ビーコンを送信する頻度を低減することができる。これは、高速で移動するモバイルデバイス204がフェムトノード202によって送信される再選択ビーコンを検出し、そのフェムトセル202に再選択する確率を低下させ得る。これはまた、低速で移動するモバイルデバイス204のフェムトセル再選択を遅延させ得る。
【0027】
しかしながら、再選択ビーコンを調整することは、モバイルデバイス204が、たとえば、サービングマクロセル204の劣悪なRFチャネル状態という他の理由で周波数間探索を実行するとき、モバイルデバイスがDRXサイクルごとに探索するようにプログラムされているとき、またはS
intersearch閾値が非常に高い値に設定されているとき、必ずしもモバイルデバイス204によるシステム再選択を遅くするとは限らない。これらの場合、本明細書で開示する他の調整方法が使用され得る。
【0028】
別の態様では、モバイルデバイス204の再選択パラメータ調整構成要素208は、モバイルデバイス204によって使用されるセル再選択パラメータを調整して、モバイルデバイス204がセル再選択基準を評価するのに必要な時間を決定することによって、システム再選択を遅くし得る。たとえば、マクロセルは、アイドルモードのモバイルデバイス204によって使用されるTreselectionパラメータを調整して、アイドルモードのモバイルデバイス204がセル再選択基準を評価するのに必要な時間を決定し得る。Treselectionパラメータおよび他の再選択パラメータは通常、SIBメッセージ(たとえば、SIB3)を使用してマクロ基地局によってブロードキャストされる。モバイルデバイス204は周波数内再選択、周波数間再選択およびRAT間再選択にTreselectionパラメータを使用する。特に、モバイルデバイスはTreselection時間のDRXサイクルごとにターゲットセル品質を継続的に評価する。したがって、Treselectionパラメータは、ターゲットセルへの早期の再選択を回避するために使用され得る。
【0029】
この目的で、一態様では、Treselectionパラメータは、高速で移動するモバイルデバイス204がフェムトセルにキャンプオンするのを遅延させるために、マクロ基地局ブロードキャストに基づいて再選択パラメータ調整構成要素208によって増加され得る。フェムトセルは一般にマクロセルとは異なるRFチャネル上で動作するので、周波数間再選択のみを遅延させる必要がある。一例では、これは、Treselectionパラメータに加えて「Inter-frequency ScalingFactor for Treselection」情報要素(IE)を調整することによって達成され得る。再選択評価=「Treselections」×Scaling Factor、ここで、Scaling Factorの範囲は、たとえば、1から4.75に等しくてもよい。別の例では、これは、周波数間再選択に特有のTreselection(またはT-Reselection)パラメータを調整することによって達成され得る。他の態様では、アイドルモードのモバイルデバイスによる頻繁な再選択を防止するために、異なる再選択パラメータがフェムトセルによって調整され得る。
【0030】
別の態様では、モバイルデバイス204のパーセーブカバレージエリア調整構成要素210はまた、高速で移動するモバイルデバイス114による早期の再選択を回避するために使用され得る。特に、増加したQqualminパラメータは、フェムトセルのパーセーブされた有効カバレージエリアを縮小するために、構成要素210に与えられ得る。Qqualminパラメータは通常、コロケートされたマクロ基地局によって、SIBメッセージ(たとえば、SIB11)において隣接セル(またはPSC)ごとに与えられる。Qqualminパラメータはまた、フェムトセルによって、そのSIBメッセージ(たとえば、SIB3)において与えられ得る。Qqualminは、信号対干渉比(Ec/I0)またはモバイルデバイスが隣接セルを再選択には不適切なものと見なす信号電力を下回る受信した信号電力を示す。
図3Aに示すように、Qqualminは再選択の「入口点」を決定し、それによって、フェムトセルカバレージの半径を効果的に制御する。Qhystパラメータは再選択の「出口点」を決定する。したがって、頻繁なシステム再選択を防止するために、Qqualminカバレージのパーセーブされた直径は、Treselection時間またはScaling Factor×Treselectionにおいて最小の高速で移動するモバイルデバイスによってカバーされる距離未満でなければならない。たとえば、(Qqualminカバレージの直径)<(最小の高速で移動するUEの速度)×Scaling Factor×Treselection。たとえば、モバイルデバイスの速度=10m/s(約22.5mph)、倍率=4.75、Treselection=1秒の場合、したがって、(Qqualminカバレージの直径)<47.5mである。
【0031】
別の態様では、フェムトノード202の電力調整構成要素212は電力ブーストを与えて、セル再選択半径を増大し得る。フェムトセル202に適度により近いモバイルデバイスはフェムトセル202に再選択することができない可能性があるので、Qqualminの固定された高い値は、低速で移動するモバイルデバイス114の発見に影響を及ぼし得る。そのような場合、フェムトノード202の電力調整構成要素212は、そのパイロット電力を周期的にブーストして、フェムトセルのその再選択半径を瞬間的に増大し得る。そのような電力ブーストは、上記で説明したように、フェムトセルによる再選択ビーコンの送信と協調し得る。これは
図3Bに示されており、
図3Bにおいて、半径302は、高速で移動するモバイルデバイスによる再選択を防止する、(
図3Aにも示す)通常動作時のQqualminに基づく「入口点」に対応し、半径304は、低速で移動するモバイルデバイスのシステム再選択を容易にする、電力ブーストされたビーコン動作時のQqualminに基づく「入口点」に対応する。
【0032】
代替態様では、フェムトノード202は、アイドルモードのモバイルデバイス204による少なくとも最初の登録試行を拒否することによって、頻繁な再選択を防止するように構成されたモバイルデバイス再選択調整構成要素214を含み得る。たとえば、モバイルデバイスが、IMSI、TMSIまたはP-TMSI識別子を使用してモバイルデバイスを識別する「RRC接続要求(RRC Connection Request)」メッセージを送信して、フェムトセル202との接続を要求するとき、フェムトノード202および/またはモバイルデバイス再選択調整構成要素214は同じIDを用いたモバイルデバイスによる任意の最近の登録試行をチェックし、以前にいかなる試行も行われていなかった場合、モバイルデバイスに「RRC接続拒否(RRC Connection Reject)」メッセージで応答し得る。しかしながら、第2のまたは後続の登録メッセージが同じモバイルデバイスから受信された場合、フェムトノード202および/またはモバイルデバイス再選択調整構成要素214はモバイルデバイスからの登録を受け入れない場合がある。モバイルデバイス再選択調整構成要素214は、モバイルデバイスを拒否している間、モバイルデバイスを異なる周波数/RATレイヤにリダイレクトし、しばらくの間(たとえば、数秒)モバイルデバイスが同じフェムトセルまたはその周波数/RATに再登録するのを禁止し得ることもあり得る。この場合、フェムトノード202および/またはモバイルデバイス再選択調整構成要素214は、「リダイレクト情報(Redirection info)」および「待機時間(Wait Time)」とともに「RRC接続拒否(RRC Connection Reject)」メッセージを送信し得る。
【0033】
図4Aは、
図1のモバイルデバイス114または
図2のモバイルデバイス204などのアイドルモードのモバイルデバイスによる頻繁な再選択の調整のための例示的な方法を示す。説明を簡単にするために、方法は一連の動作として示され、説明されているが、いくつかの動作は、1つまたは複数の実施形態によれば、本明細書で示され、説明される順序とは異なる順序でおよび/または他の動作と同時に行われ得るので、方法は動作の順序に限定されないことを理解し、諒解されたい。たとえば、方法は代替的に、状態図におけるものなどの、一連の相互に関係する状態またはイベントとして表され得ることを諒解されたい。さらに、1つまたは複数の実施形態に従って方法を実装するために、すべての説明した動作が必要とされるとは限らない。
【0034】
図4Aでは、モバイルデバイスがフェムトセルのカバレージエリアに入る。ステップ404で、フェムトセルからの再選択ビーコンがモバイルデバイスにヒットした場合、ステップ410で、モバイルデバイスはフェムトセル用に設定されたQqualmin基準が満たされるかどうかをチェックする。言い換えれば、モバイルデバイスは、フェムトセルからの信号強度がセルに許容されるカバレージエリア内に入るかどうかを判定する。ステップ410でQqualmin基準が満たされる場合、ステップ416で、モバイルデバイスはフェムトセルを再選択する/フェムトセルに登録する。ステップ410でQqualmin基準が満たされない場合、ステップ414で、モバイルデバイスはフェムトセルを再選択しない/フェムトセルに登録しない。ただし、ステップ404で、再選択ビーコンがフェムトセルによって送信されなかった場合、ステップ406で、モバイルデバイスは周期的な/通常のシステム再選択探索を使用してフェムトセルの存在を検出し得る。ステップ406で近くのフェムトセルがモバイルデバイスによって検出された場合、モバイルデバイスは(Scaling FactorおよびTreselectionパラメータによって調整された)Qqualmin基準が満たされるかどうかをチェックする。上記のように、これらのパラメータは高速で移動するモバイルデバイスによるシステム再選択を防止するように選択される。ステップ412で調整されたQqualmin基準が満たされる場合、ステップ416で、モバイルデバイスはフェムトセルを再選択する/フェムトセルに登録する。ステップ412でQqualmin基準が満たされない場合、ステップ414で、モバイルデバイスはフェムトセルを再選択しない/フェムトセルに登録しない。通常の再選択手順の間に、ステップ406でモバイルデバイスがフェムトセルを検出しない場合、ステップ408で、モバイルデバイスはモバイルデバイスが任意のマクロセルのカバレージの外にあるかどうかを判定し得る。デバイスがマクロセルのカバレージ内にある場合、ステップ404で、デバイスはフェムトセルからの任意のビーコンをリッスンし続け得る。ただし、モバイルデバイスがマクロセルのカバレージの外にある場合、ステップ410で、フェムトセルにおけるQualmin基準のみが確認され得る。一態様では、ステップ410およびステップ412はS基準とR基準の両方が満たされるかどうかをテストすることを含み得ることに留意されたい。S基準はQqualminとQrxlevminの両方を含み、R基準はフェムトが現在のサービングセルよりも良い品質を有することを保証するためのランク付け基準である。
【0035】
図4Bは、
図1のフェムトセル102または
図2のフェムトノード202などのフェムトセルにおけるワイヤレスシステム再選択を調整するための例示的な方法を示す。説明を簡単にするために、方法は一連の動作として示され、説明されているが、いくつかの動作は、1つまたは複数の実施形態によれば、本明細書で示され、説明される順序とは異なる順序でおよび/または他の動作と同時に行われ得るので、方法は動作の順序に限定されないことを理解し、諒解されたい。たとえば、方法は代替的に、状態図におけるものなどの、一連の相互に関係する状態またはイベントとして表され得ることを諒解されたい。さらに、1つまたは複数の実施形態に従って方法を実装するために、すべての説明した動作が必要とされるとは限らない。
【0036】
図4Bでは、ステップ421で、方法420は、フェムトセルによって、モバイルデバイスによる頻繁なシステム再選択を検出するステップを含む。たとえば、一態様では、モバイルデバイスからの登録要求に応答して、フェムトノード202は、同じモバイルデバイスが以前に要求を行ったかどうかを判定し、現在の要求を拒否するおよび/または、たとえば、モバイルデバイスに将来の要求を遅延させるよう命令するように構成されたモバイルデバイス調整構成要素214を含み得る。さらに、ステップ422で、方法420は、フェムトセルによって再選択ビーコンを送信する頻度を低減するステップを含む。たとえば、一態様では、フェムトノード202は、再選択ビーコンを送信する頻度を低減するように構成された再選択ビーコン調整構成要素206を含み得る。任意選択で、ステップ423およびステップ424で、方法420は、フェムトセルにおいて再選択ビーコンを送信するステップと、再選択ビーコン送信と同時に送信されるパイロット送信の電力を同時に増加させるステップとを含み得る。たとえば、一態様では、フェムトノード202は、再選択ビーコンの送信を引き起こすように構成された再選択ビーコン調整構成要素206と、再選択ビーコン送信と同時にパイロット送信の電力を増加させるように構成された電力調整構成要素212とを含み得る。さらなる選択肢では、ステップ423およびステップ424を条件とし得るステップ425で、方法420はフェムトセルの最小信号品質基準を低減して、フェムトセルのカバレージエリアを最小化するステップを含み得る。たとえば、一態様では、電力調整構成要素212は、フェムトセルの最小信号品質基準を低減して、フェムトセルのカバレージエリアを最小化するように構成され得る。別の任意の態様では、ステップ426で、方法420は、パイロット送信の電力を調整して、モバイルデバイスがフェムトセルに再選択するのを遅延させるステップを含み得る。たとえば、一態様では、電力調整構成要素212は、パイロット送信の電力を調整して、モバイルデバイスがフェムトセルに再選択するのを遅延させるように構成され得る。さらに、任意選択の態様では、方法420は、ステップ427およびステップ428で、1つまたは複数のコロケートされたマクロセルによってブロードキャストされるようなフェムトセルの最
小信号品質基準を決定するステップと、フェムトセルの決定された最小信号品質基準に少なくとも部分的に基づいて、パイロット送信の電力を調整するステップとを含み得る。たとえば、一態様では、電力調整構成要素212は、1つまたは複数のコロケートされたマクロセルによってブロードキャストされるようなフェムトセルの最小信号品質基準を決定し、フェムトセルの決定された最小信号品質基準に少なくとも部分的に基づいて、パイロット送信の電力を調整するように構成され得る。
【0037】
図5Aおよび
図5Bは、アイドルモードのモバイルデバイスによる頻繁な再選択を調整するためのシステム500および501を示す。システム500は、
図1のノード104などのフェムトノードで実装され得る。システム501は、
図1のモバイルデバイス114などのモバイルデバイスで実装され得る。システム500および501は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実装された機能を表す機能ブロックであり得る、機能ブロックを含むものとして表されていることを諒解されたい。
図5Aでは、システム500は、連携して動作することができる電気的構成要素の論理グルーピング502を含む。たとえば、論理グルーピング502は、フェムトセルの再選択ビーコンを調整するための電気的構成要素504と、フェムトセルの送信電力を調整するための電気的構成要素506と、モバイルデバイス再選択を調整するための電気的構成要素508とを含むことができる。
図5Bでは、システム501は、連携して動作することができる電気的構成要素の論理グルーピング503を含む。たとえば、論理グルーピング503は、モバイルデバイスの再選択パラメータを調整するための電気的構成要素508と、フェムトセルのパーセーブされたカバレージエリアを調整するための電気的構成要素510とを含むことができる。
【0038】
加えて、システム500は、電気的構成要素504、506、および508に関連する機能を実行するための命令を保持するメモリ512を含むことができる。メモリ512の外部にあるものとして示されているが、電気的構成要素504、506、および508のうちの1つまたは複数は、メモリ512内に存在し得ることを理解されたい。一例では、電気的構成要素504、506、および508は、少なくとも1つのプロセッサを備えることができ、または各電気的構成要素504、506、および508は、少なくとも1つのプロセッサの対応するモジュールとすることができる。さらに、追加または代替の例では、電気的構成要素504、506、および508はコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品とすることができ、各電気的構成要素504、506、および508は対応するコードとすることができる。
【0039】
同様に、システム501は、電気的構成要素508および510に関連する機能を実行するための命令を保持するメモリ513を含むことができる。メモリ513の外部にあるものとして示されているが、電気的構成要素508および510のうちの1つまたは複数は、メモリ513内に存在し得ることを理解されたい。一例では、電気的構成要素508および510は、少なくとも1つのプロセッサを含むことができ、または各電気的構成要素508および510は、少なくとも1つのプロセッサの対応するモジュールとすることができる。さらに、追加または代替の例では、電気的構成要素508および510はコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品とすることができ、各電気的構成要素508および510は対応するコードとすることができる。
【0040】
次に
図6を参照すると、高速ハンドオーバの調整のための機構が実装され得るワイヤレス通信システム600。システム600は基地局602を含み、基地局602はノード102もしくは202またはシステム500などのフェムトノードであってもよく、構成要素を含み、
図1〜
図5に関して上記で説明した機能を実装し得る。一態様では、基地局602は複数のアンテナグループを含むことができる。たとえば、1つのアンテナグループはアンテナ604および606を含むことができ、別のグループはアンテナ608および610を含むことができ、追加のグループはアンテナ612および614を含むことができる。アンテナグループごとに2つのアンテナが示されているが、グループごとにより多いか、またはより少ないアンテナを利用することができる。基地局602は、送信機チェーンおよび受信機チェーンを追加として含むことができ、それらの各々は、諒解されるように、信号の送信および受信に関連する複数の構成要素(たとえば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナなど)を備えることができる。
【0041】
基地局602は、モバイルデバイス616およびモバイルデバイス622などの1つまたは複数のモバイルデバイスと通信することができるが、基地局602は、モバイルデバイス616および622と同様の実質的に任意の数のモバイルデバイスと通信することができることを諒解されたい。モバイルデバイス616および622は、たとえば、セルラー電話、スマートフォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、衛星無線、全地球測位システム、PDA、および/または、ワイヤレス通信システム600を介して通信するための任意の他の適切なデバイスであり得る。図示のように、モバイルデバイス616は、アンテナ612および614と通信中であり、ここでアンテナ612および614は、順方向リンク618を介してモバイルデバイス616に情報を送信し、逆方向リンク620を介してモバイルデバイス616から情報を受信する。さらに、モバイルデバイス622は、アンテナ604および606と通信中であり、ここでアンテナ604および606は、順方向リンク624を介してモバイルデバイス622に情報を送信し、逆方向リンク626を介してモバイルデバイス622から情報を受信する。周波数分割複信(FDD)システムでは、たとえば、順方向リンク618は、逆方向リンク620によって使用される周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用することができ、順方向リンク624は、逆方向リンク626によって採用される周波数帯域とは異なる周波数帯域を採用することができる。さらに、時分割複信(TDD)システムでは、順方向リンク618および逆方向リンク620は、共通の周波数帯域を利用することができ、順方向リンク624および逆方向リンク626は、共通の周波数帯域を利用することができる。
【0042】
アンテナの各グループおよび/またはアンテナが通信するように指定されたエリアは、基地局602のセクタと呼ぶことができる。たとえば、アンテナグループは、基地局602によってカバーされるエリアのセクタ内のモバイルデバイスと通信するように設計することができる。順方向リンク618および624を介した通信では、基地局602の送信アンテナはビームフォーミングを利用して、モバイルデバイス616用の順方向リンク618およびモバイルデバイス622用の順方向リンク624の信号対雑音比を改善することができる。また、基地局602はビームフォーミングを利用して、関連するカバレージを介して不規則に分散したモバイルデバイス616および622に送信するが、隣接セル内のモバイルデバイスは、単一のアンテナを介してすべてのそのモバイルデバイスに送信する基地局と比較して、干渉を被る可能性が少ない。さらに、モバイルデバイス616および622は、図示のように、ピアツーピアまたはアドホック技術を使用して、互いに直接通信することができる。一例によれば、システム600は多入力多出力(MIMO)通信システムであり得る。
【0043】
図7は、例示的なワイヤレス通信システム700を示す。ワイヤレス通信システム700は、簡潔にするために、フェムトノードを含むことができる1つの基地局710、および1つのモバイルデバイス750を図示している。しかしながら、システム700は、2つ以上の基地局および/または2つ以上のモバイルデバイスを含むことができ、さらなる基地局および/またはモバイルデバイスは、以下で説明する例示的な基地局710およびモバイルデバイス750と実質的に同様か、または異なる可能性があることを諒解されたい。加えて、基地局710および/またはモバイルデバイス750は、本明細書で説明するシステム(
図1、
図2、
図3、
図5および
図6)および/または方法(
図4)を採用して、それらの間のワイヤレス通信を容易にすることができることを諒解されたい。たとえば、本明細書で説明するシステムの構成要素もしくは機能および/または方法は、以下で説明するメモリ732および/もしくは772、またはプロセッサ730および/もしくは770の一部とすることができ、かつ/あるいは、プロセッサ730および/もしくは770によって実行されて、開示した機能を実行することができる。
【0044】
基地局710で、いくつかのデータストリームのトラフィックデータが、データソース712から送信(TX)データプロセッサ714に供給される。一例によれば、各データストリームは、それぞれのアンテナを介して送信することができる。TXデータプロセッサ714は、そのデータストリーム用に選択された特定の符号化方式に基づいて、トラフィックデータストリームをフォーマットし、符号化し、インターリーブして、符号化データを供給する。
【0045】
各データストリームの符号化データは、直交周波数分割多重(OFDM)技法を使用して、パイロットデータとともに多重化することができる。追加または代替として、パイロットシンボルは、周波数分割多重(FDM)、時分割多重(TDM)、または符号分割多重(CDM)であり得る。パイロットデータは、通常、既知の様式で処理され、かつモバイルデバイス750で使用されて、チャネル応答を推定することができる既知のデータパターンである。データストリームごとに多重化されたパイロットデータと符号化データは、そのデータストリーム用に選択された特定の変調方式(たとえば、2位相シフトキーイング(BPSK)、4位相シフトキーイング(QPSK)、M位相シフトキーイング(M-PSK)、M直角位相振幅変調(M-QAM)など)に基づいて、変調(たとえば、シンボルマップ)されて、変調シンボルを供給することができる。データストリームごとのデータレート、符号化、および変調は、プロセッサ730によって実行または提供された命令によって決定することができる。
【0046】
データストリーム用の変調シンボルをTX MIMOプロセッサ720に供給することができ、TX MIMOプロセッサ720は、さらに(たとえば、OFDM用の)変調シンボルを処理することができる。次いで、TX MIMOプロセッサ720は、N
T個の変調シンボルストリームをN
T個の送信機(TMTR)722a〜722tに供給する。様々な実施形態では、TX MIMOプロセッサ720は、データストリームのシンボル、およびシンボルがそこから送信されるアンテナに、ビームフォーミング重みを加える。
【0047】
各送信機722は、それぞれのシンボルストリームを受信および処理して、1つまたは複数のアナログ信号を供給し、さらにアナログ信号を調整(たとえば、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)して、MIMOチャネルを介した送信に適した変調信号を供給する。さらに、送信機722a〜722tからのN
T個の変調信号が、それぞれN
T個のアンテナ724a〜724tから送信される。
【0048】
モバイルデバイス750で、送信された変調信号は、N
R個のアンテナ752a〜752rによって受信され、各アンテナ752から受信された信号は、それぞれの受信機(RCVR)754a〜754rに供給される。各受信機754は、それぞれの信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、およびダウンコンバート)し、調整された信号をデジタル化してサンプルを供給し、さらにそのサンプルを処理して対応する「受信」シンボルストリームを供給する。
【0049】
RXデータプロセッサ760は、N
R個の受信機754からN
R個の受信シンボルストリームを受信し、特定の受信機処理技法に基づいて処理して、N
T個の「検出」シンボルストリームを供給することができる。RXデータプロセッサ760は、検出された各シンボルストリームを復調し、デインターリーブし、かつ復号して、データストリーム用のトラフィックデータを復元することができる。RXデータプロセッサ760による処理は、基地局710でのTX MIMOプロセッサ720およびTXデータプロセッサ714によって実行された処理と相補関係にある。
【0050】
逆方向リンクメッセージは、通信リンクおよび/または受信データストリームに関する様々なタイプの情報を含むことができる。逆方向リンクメッセージは、データソース736からいくつかのデータストリーム用のトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ738によって処理され、変調器780によって変調され、送信機754a〜754rによって調整され、基地局710に送り返すことができる。
【0051】
基地局710で、モバイルデバイス750からの変調信号は、アンテナ724によって受信され、受信機722によって調整され、復調器740によって復調され、RXデータプロセッサ742によって処理されて、モバイルデバイス750によって送信される逆方向リンクメッセージを抽出する。さらに、プロセッサ730は、抽出されたメッセージを処理して、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用するかを判定することができる。
【0052】
プロセッサ730および770は、それぞれ基地局710およびモバイルデバイス750での動作を指示(たとえば、制御、調整、管理など)することができる。それぞれのプロセッサ730および770は、プログラムコードおよびデータを記憶するメモリ732および772に関連付けることができる。プロセッサ730および770は、1つまたは複数のフェムトノード用のページングエリア識別子を選択することをサポートするための本明細書で説明する機能を実行することもできる。
【0053】
図8は、本明細書の教示が実装され得る、何人かのユーザをサポートするように構成されたワイヤレス通信システム800を示す。システム800は、たとえば、マクロセル802A〜802Gなどの複数のセル802用の通信を提供し、各セルは、対応するアクセスノード804(たとえば、アクセスノード804A〜804G)によってサービスされる。
図8に示すように、モバイルデバイス806(たとえば、モバイルデバイス806A〜806L)は、時間とともにシステム全体にわたって様々な位置に分散する可能性がある。各モバイルデバイス806は、たとえば、モバイルデバイス806がアクティブであるかどうか、およびソフトハンドオフにあるかどうかに応じて、所与のときに順方向リンク(FL)および/または逆方向リンク(RL)上の1つまたは複数のアクセスノード804と通信することができる。ワイヤレス通信システム800は、広い地理的領域にわたってサービスを提供することができる。いくつかの態様では、デバイス806A、806H、および806Jなどのモバイルデバイス806のうちのいくつかは、ノード102もしくは202またはシステム500などのフェムトノードであってもよく、構成要素を含み、
図1〜
図5に関して上記で説明した機能を実装し得る。
【0054】
図9は、1つまたは複数のフェムトノードがネットワーク環境内に展開される、例示的な通信システム900を示す。具体的には、システム900は、一態様では、
図1〜
図5のフェムトノード104、106、108、110、および112に対応し得る、比較的小さい規模のネットワーク環境に(たとえば、1つまたは複数のユーザの住宅930に)設置された複数のフェムトノード910Aおよび910B(たとえば、フェムトセルノードまたはH(e)NB)を含む。各フェムトノード910は、デジタル加入者回線(DSL)ルータ、ケーブルモデム、ワイヤレスリンク、または他の接続手段(図示せず)を介して、ワイドエリアネットワーク940(たとえば、インターネット)およびモバイル事業者コアネットワーク950に結合することができる。以下で論じるように、各フェムトノード910は、関連するモバイルデバイス920(たとえば、モバイルデバイス920A)、および場合によっては異種のモバイルデバイス920(たとえば、モバイルデバイス920B)にサービスするように構成することができる。言い換えれば、フェムトノード910に対するアクセスは、所与のモバイルデバイス920が1組の指定された(たとえば、ホーム)フェムトノード910によってサービスされ得るが、任意の指定されていないフェムトノード910(たとえば、隣接するフェムトノード)によってサービスされ得ないように、制限することができる。
【0055】
図10は、各々がいくつかのマクロカバレージエリア1004を含むいくつかのトラッキングエリア1002(またはルーティングエリアまたはロケーションエリア)が画定された、カバレージマップ1000の一例を示す。ここでは、トラッキングエリア1002A、1002Bおよび1002Cに関連するカバレージのエリアが太線によって示され、マクロカバレージエリア1004が六角形によって表されている。トラッキングエリア1002は、構成要素を含み、
図1〜
図5に関して上記で説明した機能を実装し得る、ノード102もしくは202またはシステム500などのそれぞれのフェムトノードに対応するフェムトカバレージエリア1006も含む。この例では、フェムトカバレージエリア1006の各々(たとえば、フェムトカバレージエリア1006C)は、マクロカバレージエリア1004(たとえば、マクロカバレージエリア1004B)内に描かれている。しかしながら、フェムトカバレージエリア1006は、完全にマクロカバレージエリア1004内にあるとは限らないことを諒解されたい。実際には、多数のフェムトカバレージエリア1006は、所与のトラッキングエリア1002またはマクロカバレージエリア1004で画定することができる。また、1つまたは複数のピコカバレージエリア(図示せず)は、所与のトラッキングエリア1002またはマクロカバレージエリア1004内に画定することができる。
【0056】
再び
図9を参照すると、フェムトノード910の所有者は、たとえば、モバイル事業者コアネットワーク950を介して提供される、3Gモバイルサービスなどのモバイルサービスに加入することができる。別の例では、ワイヤレスネットワークのカバレージを拡大するために、モバイル事業者コアネットワーク950によってフェムトノード910を動作させることができる。加えて、モバイルデバイス920は、マクロ環境内と、より小規模(たとえば、住宅)のネットワーク環境内の両方で動作可能であり得る。したがって、たとえば、モバイルデバイス920の現在の位置に応じて、モバイルデバイス920は、マクロセルアクセスノード960によって、または1組のフェムトノード910(たとえば、対応するユーザの住居930内に存在するフェムトノード910Aおよび910B)のうちのいずれか1つによってサービスされ得る。たとえば、加入者が自分の家の外部にいるときは、加入者は標準的なマクロセルアクセスノード(たとえば、ノード960)によってサービスされ、加入者が家にいるときは、加入者はフェムトノード(たとえば、ノード910A)によってサービスされる。ここで、フェムトノード910は、既存のモバイルデバイス920との後方互換性があり得ることを諒解されたい。
【0057】
フェムトノード910は、単一の周波数上か、または代替として、複数の周波数上に展開することができる。特定の構成に応じて、単一の周波数、または複数の周波数のうちの1つもしくは複数は、マクロセルアクセスノード(たとえば、ノード960)によって使用される1つまたは複数の周波数と重なる可能性がある。いくつかの態様では、モバイルデバイス920は、そのような接続が可能であるときはいつでも、好ましいフェムトノード(たとえば、モバイルデバイス920のホームフェムトノード)に接続するように構成することができる。たとえば、モバイルデバイス920がユーザの住居930内にあるときはいつでも、モバイルデバイス920はホームフェムトノード910と通信することができる。
【0058】
いくつかの態様では、モバイル920がモバイル事業者コアネットワーク950内で動作するが、(たとえば、好ましいローミングリスト内に規定されたような)その最も好ましいネットワーク上に存在していない場合、より良いシステムが現在利用可能かどうかを判定するための利用可能なシステムの周期的走査、およびそのような好ましいシステムに関連付けるためのその後の努力を含み得るBetter System Reselection(BSR)を使用して、モバイルデバイス920は最も好ましいネットワーク(たとえば、フェムトノード910)を探し続けることができる。一例では、(たとえば、好ましいローミングリスト内の)取得テーブル項目を使用して、モバイルデバイス920は特定の帯域およびチャネルに対する探索を制限することができる。たとえば、最も好ましいシステムに対する探索は、周期的に繰り返すことができる。フェムトノード910などの好ましいフェムトノードが発見されると、モバイルデバイス920は、そのカバレージエリア内のキャンピング用にフェムトノード910を選択する。
【0059】
いくつかの態様では、フェムトノードは制限される可能性がある。たとえば、所与のフェムトノードは、特定のモバイルデバイスに特定のサービスを提供することしかできない。いわゆる制限された(または限定された)関連付けを有する展開では、所与のモバイルデバイスは、マクロセルモバイルネットワークおよび規定されたセットのフェムトノード(たとえば、対応するユーザの住居930内に存在するフェムトノード910)のみによってサービスされ得る。いくつかの実装形態では、フェムトノードは、少なくとも1つのモバイルデバイスに、シグナリング、データアクセス、登録、ページング、またはサービスのうちの少なくとも1つを提供しないように制限され得る。
【0060】
いくつかの態様では、(限定加入者グループH(e)NBと呼ばれることもある)制限フェムトノードは、制限付きの供給されたセットのモバイルデバイスにサービスを提供するフェムトノードである。このセットは、必要に応じて一時的または永続的に拡張することができる。いくつかの態様では、限定加入者グループ(CSG)は、モバイルデバイスの共通アクセス制御リストを共有するアクセスノード(たとえば、フェムトノード)のセットとして規定することができる。ある領域内のすべてのフェムトノード(またはすべての制限フェムトノード)が動作するチャネルは、フェムトチャネルと呼ぶことができる。
【0061】
所与のフェムトノードと所与のモバイルデバイスとの間には、このように様々な関係が存在する可能性がある。たとえば、モバイルデバイスの観点から、オープンフェムトノードは制限された関連付けがないフェムトノードを指すことができる。制限フェムトノードは、何らかの方式で制限された(たとえば、関連付けおよび/または登録について制限された)フェムトノードを指すことができる。ホームフェムトノードは、その上でモバイルデバイスがアクセスおよび動作することを認可されたフェムトノードを指すことができる。ゲストフェムトノードは、その上でモバイルデバイスがアクセスまたは動作することを一時的に認可されたフェムトノードを指すことができる。異種フェムトノードは、おそらく緊急事態(たとえば911呼)を除いて、その上でモバイルデバイスがアクセスまたは動作することを認可されないフェムトノードを指すことができる。
【0062】
制限フェムトノードの観点から、ホームモバイルデバイスは、制限フェムトノードにアクセスすることを認可されたモバイルデバイスを指すことができる。ゲストモバイルデバイスは、制限フェムトノードへの一時的なアクセス権を有するモバイルデバイスを指すことができる。異種モバイルデバイスは、おそらく緊急事態、たとえば911呼を除いて、制限フェムトノードにアクセスする許可を有さないモバイルデバイス(たとえば、制限フェムトノードに登録する資格証明または許可を有さないアクセス端末)を指すことができる。
【0063】
便宜上、本開示は、フェムトノードの文脈で様々な機能について本明細書で説明する。しかしながら、ピコノードは、より大きいカバレージエリアでなければ、フェムトノードと同じまたは同様の機能を提供することができることを諒解されたい。たとえば、ピコノードを制限すること、家庭用ピコノードを所与のモバイルデバイスに関して定義することなどが可能である。
【0064】
ワイヤレス多元接続通信システムは、複数のワイヤレスモバイルデバイス用の通信を同時にサポートすることができる。上述のように、各端末は、順方向リンクおよび逆方向リンク上の伝送を介して、1つまたは複数の基地局と通信することができる。順方向リンク(またはダウンリンク)は基地局から端末までの通信リンクを指し、逆方向リンク(またはアップリンク)は端末から基地局までの通信リンクを指す。この通信リンクは、単入力単出力システム、MIMOシステム、または何らかの他のタイプのシステムを介して確立することができる。
【0065】
本明細書で開示する実施形態に関して説明した、様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、構成要素、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート論理もしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せによって、実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。加えて、少なくとも1つのプロセッサは、上記で説明したステップおよび/または動作のうちの1つまたは複数を実行するように動作可能な1つまたは複数のモジュールを備え得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合され得る。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。さらに、いくつかの態様では、プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に存在してもよい。さらに、ASICはユーザ端末中に存在し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として存在し得る。
【0066】
1つまたは複数の態様では、説明した機能、方法、またはアルゴリズムは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装された場合、機能は、1つまたは複数の命令もしくはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶することができるか、または、コンピュータ可読媒体上で送信することができ、コンピュータ可読媒体はコンピュータプログラム製品に組み込むことができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送もしくは記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる、任意の他の媒体を含み得る。また、実質的にいかなる接続もコンピュータ可読媒体と呼ぶことができる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(登録商標) (disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、通常、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
【0067】
本出願で使用される場合、「構成要素」、「モジュール」、「システム」などの用語は、限定はしないが、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアなど、コンピュータ関連のエンティティを含むものとする。たとえば、構成要素は、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得るが、これらに限定されない。例として、コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションと、そのコンピューティングデバイスの両方が、構成要素であり得る。1つまたは複数の構成要素が、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在することができ、1つの構成要素が、1つのコンピュータ上に局在化されてよく、かつ/または2つ以上のコンピュータ間に分散されてよい。さらに、これらの構成要素は、様々なデータ構造を記憶している様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。これらの構成要素は、信号によって、ローカルシステム、分散システム内の別の構成要素と対話し、かつ/またはインターネットなどのネットワークを介して他のシステムと対話する1つの構成要素からのデータなどの、1つまたは複数のデータパケットを有する信号に従うことなどによって、ローカルプロセスおよび/またはリモートプロセスによって通信し得る。
【0068】
上記の開示は、例示的な態様および/または実施形態について論じたが、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、説明した態様および/または実施形態の範囲から逸脱することなく、様々な変更および改変を本明細書で行うことができることに留意されたい。さらに、説明した態様および/または実施形態の要素は、単数形で説明または特許請求されていることがあるが、単数形に限定することが明示的に述べられていない限り、複数形が企図される。さらに、任意の態様および/または実施形態の全部または一部は、別段に記載されていない限り、任意の他の態様および/または実施形態の全部または一部とともに利用され得る。