(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
患者に対して医療器具を誘導する誘導装置であって、前記誘導装置は第1の板及び第2の板と共に使用可能であり、前記第1の板は複数の開口を有し、前記第2の板及び前記第1の板は、前記患者の一部を固定するように調節可能であり、前記誘導装置は、前記第1の板の前記開口のうちの選択された1つと結合するように構成される、誘導装置において、
(a)少なくとも1つの面によって画定された本体であって、略近位部及び略遠位部を含む、本体と、
(b)少なくとも1つの通路であって、前記略近位部から前記本体を通って前記略遠位部まで延び、前記医療器具の少なくとも一部を受容するように構成された、少なくとも1つの通路と、
(c)前記本体と一体の、少なくとも1つのヒンジ付き部材であって、前記少なくとも1つのヒンジ付き部材は、前記本体の前記近位部を通過して近位方向に延び、前記誘導装置の拡張を許容するよう動作可能に構成され、前記誘導装置が、前記開口のうちの前記選択された1つを画定する前記第1の板の面と協調するようになっている、少なくとも1つのヒンジ付き部材と、
を含む、誘導装置。
前記一対のヒンジ付き部材はそれぞれ、遠位端及び近位端を含み、前記一対のヒンジ付き部材は、前記一対のヒンジ付き部材それぞれの前記遠位端が前記本体の前記略遠位部に隣接して位置するように、前記本体に連結され、前記一対のヒンジ付き部材それぞれの前記近位端は、前記本体の前記略近位部に隣接して位置する、請求項2に記載の誘導装置。
前記一対のヒンジ付き部材はそれぞれ、外側表面を含み、前記外側表面は、前記本体から離れる方を向き、前記第1の板と協調するように構成され、前記外側表面は、前記第1の板に対して圧縮するように動作可能なエラストマー部を含む、請求項3に記載の誘導装置。
前記エラストマー部は、加硫された熱硬化性プラスチック、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項4に記載の誘導装置。
前記誘導装置は、前記第1の板の前記開口のうちの前記選択された1つ内に挿入可能であり、前記装置は、前記誘導装置の過挿入を防止するように動作可能に構成された着底構造体を更に含む、請求項4に記載の誘導装置。
前記一対のヒンジ付き部材はそれぞれ、前記近位端に肩部を含み、前記肩部は、前記第1の板と接触して、前記誘導装置の過挿入を防止するように動作可能に構成される、請求項6に記載の誘導装置。
前記一対のヒンジ付き部材はそれぞれ、第1の位置及び第2の位置へ、また前記第1の位置及び前記第2の位置から、旋回し、前記第1の位置では、前記一対のヒンジ付き部材は、前記本体の一対の隣接する外面に対して略平行に配向され、前記第2の位置では、前記一対のヒンジ付き部材は、前記本体の前記隣接する外面に対して略非平行に配向される、請求項7に記載の誘導装置。
前記本体は、前記略近位部に凹部を更に含み、前記凹部は、前記一対のヒンジ付き部材が前記第1の位置へ旋回すると前記一対のヒンジ付き部材の突出部分を受容するように構成される、請求項8に記載の誘導装置。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書は、本発明を詳細に指摘し、明白に請求する請求項を以って結論とするが、添付図面と併せた以下の特定の例の説明により、本発明は更によく理解されると考えられている。図面の中で、幾つかの図を通じて、同様の数字は同様の要素を表す。
【
図1】生検装置に遠隔的に連結された制御モジュールを含み、局在化アセンブリーを含む、生検システムの斜視図。
【
図2】
図1の局在化アセンブリーの乳房コイルの斜視図。
【
図3】
図1の局在化アセンブリーの誘導立方体を挿通した生検装置の斜視図。
【
図4】
図1の生検システムの閉塞具及びカニューレの斜視図。
【
図6】
図1の局在化アセンブリーの格子板内に挿入された誘導立方体の斜視図。
【
図7】
図6の誘導立方体及び格子板を挿通した、
図1の奥行き停止装置を有する
図4の閉塞具及びカニューレの斜視図。
【
図9】
図8の誘導立方体を回転させることで達成できる9つの誘導位置の図。
【
図10】自己着底(self-grounding)機構を有する、
図1の生検システム用の、別の誘導立方体の斜視図。
【
図11】
図1の格子板に挿入された
図10の2つの誘導立方体のうちの一方に挿入された、
図1の閉塞具及びカニューレの斜視図。
【
図12】別の自己着底機構を有する、開口した上面及び底面を有する別の誘導立方体の斜視図。
【
図13】別の自己着底機構を有する別の誘導立方体の背面斜視図。
【
図15】透視的に描いた傾斜した平行な誘導穴を有する、
図13の誘導立方体の右側面図。
【
図16】エラストマーの縁部を有する、別の誘導立方体の正面斜視図。
【
図18】エラストマーの本体、及び生検装置の一部を受容する9つの拡張アクセススリットを有する別の誘導立方体の斜視図。
【
図19】エラストマーの本体、及び生検装置の一部を受容する9つの拡張アクセス星形開口部を有する、別の誘導立方体の斜視図。
【
図20】エラストマーの本体、及び拡張して生検装置の一部を収容できる機構を組み込んだ3つの縮小サイズの誘導穴を有する、別の誘導立方体の斜視図。
【
図21】エラストマーの本体、及び拡張して生検装置の一部を収容できる3つの縮小サイズの星形誘導穴を有する、別の誘導立方体の斜視図。
【
図22】エラストマーの本体、及び誘導立方体の誘導穴と平行に隣接した可鍛部材を有する、別の誘導立方体の斜視図。
【
図24】1対のテーパー形状の側面を有する、別の誘導立方体の斜視図。
【
図25】誘導穴を透視的に示した、
図24の誘導立方体の側面断面図。
【
図26】誘導立方体にテーパー形状の輪郭を提供する1組のエラストマーのバンプ(bumps)を有する、別の誘導立方体の斜視図。
【
図28】中央の誘導穴を透視的に示した、1対の側面に沿って延びるヒンジ部材を有する、別の誘導立方体の側面図。
【
図30】部分的に示した格子板に挿入した、
図28の誘導立方体の正面図。
【
図31】
図30の31−31の線に沿った断面の格子板を示し、誘導立方体の中央の誘導穴を透視的に示した、
図30の誘導立方体及び格子板の側面図。
【0005】
〔詳細な説明〕
特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本明細書で開示した形態の他の特徴、態様、及び利点が以下の説明から当業者には明白となるであろう。以下の説明は、実例として、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである。理解されるであろう通り、本明細書で説明した形態は、何れも本発明から逸脱せずに、その他の異なる、かつ明白な態様も実施できる。したがって、図面及び説明は、例示的な性質のものであり、限定的なものであると見なされるべきではない。
【0006】
図に示す通り、例示的な磁気共鳴影像法(MRI又はMR撮像法)に適合した生検システムは、制御モジュール(12)、局在化アセンブリー(15)、及び生検装置(14)を含み得る。具体的には、局在化アセンブリー(15)は、患者の乳房を局在化し、生検装置(14)の針(90)を患者の乳房内の標的部位に誘導するように構成されている一方、制御モジュール(12)は、針(90)が標的部位に導入された後に生検装置(14)を制御するように動作可能である。これらの構成要素及びその下位構成要素について、以下に更に述べる。更に、種々の局在化アセンブリーに使用する誘導立方体についても述べる。この開示は、生検システムを、MRI並びにMRI設備及び装置に適合しているとして参照し得るものの、定位、超音波、PEM、BSGI、並びに/又はその他の撮像技術及び設備を含むがこれに限定されない、その他の撮像技術並びに設備及び装置を下記の構成要素に使用できることを、理解すべきである。
【0007】
I.制御モジュール
図1〜3において、MRIに適合した生検システム(10)は、制御モジュール(12)を有し、この制御モジュール(12)は、MRI装置(図示せず)を収容した遮蔽室の外に配置するか、少なくとも距離を置いて配置することで、その強磁界及び/又は高感度の高周波(RF)信号検出アンテナとの有害な相互作用を緩和することができる。参照によってその全体が組み込まれる米国特許第6,752,768号に記述されているように、事前にプログラムされた様々な機能性を制御モジュール(12)内に組み込んで、組織試料の採取を補助してもよい。制御モジュール(12)は、局在化アセンブリー(15)に使用する生検装置(14)を制御し、これに電力を供給する。生検装置(14)は、MRI又はその他の撮像装置の構台(図示せず)の上に配置できる乳房コイル(18)に取り付けられた局在化固定具(16)によって位置決めされ、誘導される。
【0008】
本実施例において、制御モジュール(12)は、生検装置(14)に機械的、電気的、かつ空気的に連結されているので、MRI装置の強磁界及び高感度のRF受信構成要素から距離を置く必要のある構成要素を分離することができる。ケーブル管理スプール(20)は、制御モジュール(12)の側面から突出したケーブル管理取り付けサドル(22)の上に配置される。ケーブル管理スプール(20)の上には、制御信号及びカッター回転/前進運動をそれぞれ通信する、電気ケーブル(24)及び機械ケーブル(26)の対が巻かれている。具体的には、電気及び機械ケーブル(24、26)は、それぞれ、制御モジュール(12)内の対応する電気及び機械ポート(28、30)に接続された一端、並びに、生検装置(14)のホルスター部(32)に接続された他端を有する。使用中ではないときにホルスター部(32)を保持できるドッキングカップ(34)は、ドッキングステーション取り付けブラケット(36)によって制御モジュール(12)に掛けられている。制御モジュール(12)に関連づけられているとして上述したこのような構成要素は、単に選択的であるということを理解すべきである。
【0009】
壁に取り付けられたインターフェースロックボックス(38)は、制御モジュール(12)上のロックアウトポート(42)に、つなぎケーブル(tether)(40)を提供している。つなぎケーブル(40)は独自に終端されており、長さを短くすることで、制御モジュール(12)を誤ってMRI装置又はその他の装置に近すぎる場所に置くことを排除している。インラインエンクロージャー(44)は、つなぎケーブル(40)、電気ケーブル(24)、及び機械ケーブル(26)を、制御モジュール(12)上のそれぞれのポート(42、28、30)に位置合わせすることができる。
【0010】
制御モジュール(12)と、液体及び固体破片を捕らえる吸引キャニスター(50)の排出口(48)との間に接続された、第1の吸引路(46)によって、吸引補助が提供されている。チュービングキット(52)が、制御モジュール(12)と生検装置(14)との間の空気連通を完成させる。具体的には、吸引キャニスター(50)の吸気口(56)に第2の吸引路(54)が接続されている。第2の吸引路(54)は、生検装置(14)に取り付けられた2つの吸引路(58、60)に分割される。ホルスター部(32)に組み込まれた生検装置(14)を用いて、制御モジュール(12)が機能検査を実行する。潤滑剤としての役割を果たし、真空封止及び/又はその他の目的の達成を補助するように、生理食塩水を生検装置(14)内に手作業で注入し、ないしは別の方法で生検装置(14)に導入してもよい。本実施例では、制御モジュール(12)は、生検装置(14)内のカッター機構(図示せず)を作動させて、生検装置(14)内のカッターの全行程を監視する。機械ケーブル(26)を回転させるために及ぼされるモーター力、及び/又は機械ケーブル(26)の各端部における回転速度若しくは位置と比較して検出される機械ケーブル(26)のねじれ量を参照して、機械ケーブル(26)の、又は生検装置(14)内のバインディングを必要に応じて監視してもよい。
【0011】
本実施例では、別の状況では生検装置(14)自体の上にあるであろう制御装置が、局在化固定具(16)内に挿入された後に容易にアクセスできないとき、及び/又は制御モジュール(12)の配置が不便なほどに遠く離れている(例えば914cm(30フィート)離れている)ときには特に、ホルスター部(32)から取り外し可能なリモートキーパッド(62)が、電気ケーブル(24)を介して制御盤(12)と通信して、臨床医による生検装置(14)の制御を向上させる。しかし、本明細書で説明するその他の構成要素と同様に、リモートキーパッド(62)は選択的であるに過ぎず、所望により、修正し、置き換え、補い、又は省略することができる。本実施例において、組織試料を採取する側面を回転させるためのホルスター部(32)の後部のサムホイール(63)もまた、挿入後に容易にアクセスできる。
【0012】
勿論、上述の制御モジュール(12)は、一例に過ぎない。その他任意の好適な種類の制御モジュール(12)及び関連づけられた構成要素を使用してもよい。単に一例として、制御モジュール(12)はその代わりに、参照によってその開示が本明細書に組み込まれる、2008年9月18日付で公開され、「Vacuum Timing Algorithm for Biopsy Device」と題された、米国特許出願公開第2008/0228103号の教示に従って構成され、動作可能としてもよい。単に説明のための別の例として、制御モジュール(12)はその代わりに、参照によってその開示が本明細書に組み込まれる、2008年12月18日付で出願され、「Control Module Interface for MRI Biopsy Device」と題された、米国特許出願第12/337,814号の教示に従って構成され、動作可能としてもよい。あるいは、制御モジュール(12)は、その他任意の好適な構成要素、機構、構成、機能性、操作性などを有してもよい。本明細書の教示に鑑みれば、制御モジュール(12)及び関連づけられた構成要素のその他の適切な変型は、当業者には明白となるであろう。
【0013】
II.局在化アセンブリー
本実施例の局在化アセンブリー(15)は、乳房コイル(18)及び局在化固定具(16)を含む。局在化アセンブリー(15)のこれら構成要素については、以下に更に説明する。
【0014】
局在化骨組(68)の左右の平行な上部ガイド(64、66)は、下側(74)に、また乳房コイル(18)の患者支持プラットホーム(78)内に形成された選択された乳房開口(76)の両側に取り付けられた、左右の平行な上部トラック(70、72)内に、それぞれ横方向に調整可能に受容される。乳房コイル(18)のベース(80)は、乳房開口(76)間で患者支持プラットホーム(78)に取り付けられた中心線柱(82)によって接続されている。また、それぞれの乳房開口(76)の両側で離れている1対の外側垂直支持柱(84、86)が、横方向凹部(88)をそれぞれ画定し、その凹部(88)の中に局在化固定具(16)が存在する。
【0015】
本実施例では、患者の乳房は、横方向凹部(88)内の乳房開口(76)の中に、それぞれ垂下することを理解すべきである。便宜上、本明細書では、局在化固定具(16)を基準とした乳房組織内のデカルト座標によって疑わしい病変の位置を特定し、その後、ホルスター部(32)と係合して生検装置(14)を形成するプローブ(91)の針(90)などの器具を選択的に位置づけるために、在来技法を使用する。勿論、その他任意の種類の座標系又は標的技術を使用してもよい。生検システム(10)の手動操作の不要な使用を向上させるために、特にクローズドボアのMRI装置の狭い境界内での再撮像の繰り返しのために、生検システム(10)がカニューレ(94)によって囲まれた閉塞具(92)を誘導することもできる。挿入深度は、針(90)又はカニューレ(94)の何れかの上に長手方向に配置された奥行き停止装置(95)によって制御される。あるいは、挿入深度は、その他任意の好適な方法で制御してもよい。
【0016】
この誘導は、具体的には、左右の平行な上部ガイド(64、66)の下に取り付けられた、横方向に調節可能な外側の3辺からなるプレートブラケット(98)内に受容される、本実施例では格子板(96)として描かれた側面柵によって提供される。同様に、中央側プレート(100)として描かれた、患者の胸部の中央側平面に対する中央側柵が、乳房コイル(18)内に装着されたときに中心線柱(82)の近傍にある、左右の平行な上部ガイド(64、66)の下に取り付けられた内側の3辺からなるプレートブラケット(102)内に受容される。器具(例えば、プローブ(91)の針(90)、閉塞具/カニューレ(92、94)など)の挿入点を更に精密にするために、誘導立方体(104)を格子板(96)内に挿入してもよい。
【0017】
本実施例において、選択された乳房は、中央側プレート(100)によって内側(中央側)に沿って、また格子板(96)によって乳房の外側(側面側)の上に圧迫され、後者はX−Y平面を画定する。X軸は立っている患者に対して垂直(矢状方向)であり、局在化固定具(16)の外部に露出した部分に対向している臨床医から見て左から右の方向の軸に対応する。Z軸は、このX−Y平面と垂直で乳房の中央側の方向に延び、これは通常、生検装置(14)の針(90)又は閉塞具/カニューレ(92、94)の挿入の向き及び深度に対応する。明瞭性のために、Z軸という用語は、「侵入軸」と同意に使用されることがあるものの、後者は、患者に対する挿入点の位置を特定するために使用する空間座標と直交する場合もあれば直交しない場合もある。本明細書で説明する局在化固定具(16)の形態は、便宜な、又は臨床的に有益な角度での、X−Y軸に対して非直交な、病変に対する侵入軸を可能とする。
【0018】
上述の局在化アセンブリー(15)は、一例に過ぎないことを理解すべきである。上述のものとは異なる乳房コイル(18)及び/又は局在化固定具(16)を使用した局在化アセンブリー(15)を含むがこれに限定されない、その他任意の好適な種類の局在化アセンブリー(15)を使用してもよい。本明細書の教示に鑑みれば、局在化アセンブリー(15)のその他の好適な構成要素、機構、構成、機能性、操作性などは、当業者には明白となるであろう。
【0019】
III.生検装置
図1に示すように、生検装置(14)の一形態は、ホルスター部(32)及びプローブ(91)を含んでもよい。例示的なホルスター部(32)は、制御モジュール(12)を扱った上記の項で前に論じた。以下の段落では、プローブ(91)並びに関連づけられた構成要素及び装置について更に詳細に論じる。
【0020】
本実施例では、カニューレ(94)及び閉塞具(92)がプローブ(91)に関連づけられている。具体的には、かつ
図4、5、及び7に示すように、閉塞具(92)がカニューレ(94)内に滑り込み、その組み合わせが誘導立方体(104)の中を通って乳房組織内の生検部位まで誘導される。次に、閉塞具(92)は、カニューレ(94)から引き抜かれ、次にプローブ(91)の針(90)がカニューレ(94)内に挿入され、次に生検装置(14)が操作されて、針(90)を介して乳房から1つ以上の組織試料が取得される。
【0021】
本実施例のカニューレ(94)は、円筒形のハブ(198)に近位で取り付けられており、カニューレ(94)は、ルーメン(196)、及び開口した遠位端(202)に隣接した側面開口(200)を含む。円筒形のハブ(198)は、側面開口(200)を回転させる、外部に呈されたサムホイール(204)を有する。円筒形のハブ(198)は、内部の凹部(206)を有し、内部の凹部(206)は、ダックビルシール(208)、ワイパーシール(210)、及びシール保持部(212)を囲んで、ルーメン(196)が空であるときに流体シールを提供し、また、挿入された閉塞具(92)にシールを提供する。カニューレ(94)の外側表面に沿って長手方向に間隔を空けた測定印(213)は、視覚的、またおそらくは物理的に、
図1の奥行き停止装置(95)の位置を決める手段を提供する。
【0022】
本実施例の閉塞具(92)は、多くの構成要素及びそれらに対応した機構を組み込んでいる。中空シャフト(214)は、撮像可能側面ノッチ(218)と近位ポート(220)との間を連絡する流体ルーメン(216)を含む。中空シャフト(214)は、カニューレ(94)と完全に係合しているとき、カニューレ(94)の遠位端(202)から穿孔先端(222)が延出するように長手方向に寸法が決められている。閉塞具サムホイールキャップ(224)は、近位ポート(220)を囲み、撮像可能側面ノッチ(218)がカニューレ(94)の側面開口(200)と確実に位置を合わせるようにカニューレサムホイール(204)と係合する可視の角度表示器(228)を含む、ロック機構(226)を含む。閉塞具シールキャップ(230)は、閉塞具サムホイールキャップ(224)内に近位で係合して、流体ルーメン(216)を閉じることができる。本実施例の閉塞具シールキャップ(230)は、硬い、軟らかい、又はエラストマーの材料の何れかから作ることができる、閉塞具サムホイールキャップ(224)上の可視の角度表示器(228)に対応した可視の角度表示器(233)を含む、ロック機構又は位置決め機構(232)を含む。
図7において、誘導立方体(104)は、格子板(96)を通って誘導される閉塞具(92)及びカニューレ(94)を有する。
【0023】
本実施例の閉塞具(92)は中空であるものの、閉塞具(92)は、別の方法として、閉塞具(92)が内部ルーメンを画定しないような実質的に中実の内部を有してもよいことを理解すべきである。更に、閉塞具(92)は、形態によっては、側面ノッチ(218)を欠いてもよい。本明細書の教示に鑑みれば、閉塞具(92)に関するその他の好適な構成要素、機構、構成、機能性、操作性などが、当業者には明白となるであろう。同様に、カニューレ(94)は、様々に変型できる。例えば、他の幾つかの形態では、カニューレ(94)は、閉じた遠位端(202)を有する。単に説明のための別の例として、カニューレ(94)は、穿孔先端(222)を有する閉塞具(92)の代わりに、閉じた穿孔先端(222)を有してもよい。このような形態の幾つかにおいて、閉塞具(92)は単に丸い遠位端を有してもよく、又は、閉塞具(92)の遠位端は、その他任意の好適な構造、機構、若しくは構成を有してもよい。本明細書の教示に鑑みれば、カニューレ(94)に関するその他の好適な構成要素、機構、構成、機能性、操作性などが、当業者には明白となるであろう。更に、形態によっては、閉塞具(92)若しくはカニューレ(94)のうちの一方又は両方を完全に省略してもよい。例えば、プローブ(91)の針(90)を、カニューレ(94)を介して誘導立方体(104)内に挿入せずに、誘導立方体(104)内に直接挿入してもよい。
【0024】
プローブ(91)(又は針(90))に使用できる別の構成要素は、奥行きストップ(95)である。奥行きストップは、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))が所望するよりも深く挿入されることを防止するように操作可能な任意の好適な構成であってよい。例えば、奥行きストップ(95)は、カニューレ(94)(又は針(90))の外面上に位置してもよく、カニューレ(94)が誘導立方体内に挿入される範囲を制限するように構成してもよい。このような奥行きストップ(95)による制限は、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを患者の乳房に挿入できる深度の限度を更に提供できることを理解すべきである。更に、このような制限は、閉塞具(92)がカニューレ(94)から引き抜かれ、針(90)がカニューレ(94)内に挿入された後に、生検装置(14)が1つ以上の組織試料を取得する、患者の乳房内の深度を確定できることを理解すべきである。生検システム(10)に使用できる例示的な奥行きストップ(95)は、前述の通り、参照によって本明細書に組み込まれる、2007年11月1日付で公開され、「Grid and Rotatable Cube Guide Localization Fixture for Biopsy Device」と題された、米国特許出願公開第2007/0255168号に説明されている。
【0025】
本実施例において、また上述のように、生検装置(14)は、カニューレ(94)及び閉塞具(92)の組み合わせが患者の乳房内の所望の場所に挿入された後、並びに、カニューレ(94)から閉塞具(92)が除去された後に、カニューレ(94)内に挿入できる針(90)を含む。本実施例の針(90)は、針(90)がカニューレ(94)のルーメン(196)内に挿入されたときに、カニューレ(94)の側面開口(200)とほぼ位置が合うように構成された側面開口(図示せず)を含む。本実施例のプローブ(91)は、ホルスター(32)内の構成要素によって駆動され、カニューレ(94)の側面開口(200)及び針(90)の側面開口を通って突出する組織を切断するように動作可能な、回転し並進するカッター(図示せず)を更に含む。切断された組織試料は、任意の好適な方法で生検装置(14)から回収できる。
【0026】
単に例として、参照によってその開示が本明細書に組み込まれる、2008年9月18日付で公開され、「Vacuum Timing Algorithm For Biopsy Device」と題された、米国特許出願公開第2008/0228103号の教示に従って、生検装置(14)を構成し、動作可能としてもよい。単に説明のための別の例として、参照によってその開示が本明細書に組み込まれる、2008年12月18日付で出願され、「Mechanical Tissue Sample Holder Indexing Device」と題された、米国特許出願第12/337,874号の教示に従って、生検装置(14)を構成し、動作可能としてもよい。単に説明のための別の例として、参照によってその開示が本明細書に組み込まれる、2008年12月18日付で出願され、「Biopsy Device with Sliding Cutter Cover」と題された、米国特許出願第12/337,674号の教示に従って、生検装置(14)を構成し、動作可能としてもよい。単に例として、「Biopsy Device with Sliding Cutter Cover」と題された、米国特許出願第12/337,674号に説明される取り外し可能な針の何れかで、カニューレ(94)を置き換えてもよい。単に説明のための別の例として、参照によってその開示が本明細書に組み込まれる、2008年12月18日付で出願され、「Biopsy Device with Discrete Tissue Chambers」と題された、米国特許出願第12/337,911号の教示に従って、生検装置(14)を構成し、動作可能としてもよい。単に説明のための別の例として、参照によってその開示が本明細書に組み込まれる、2008年12月18日付で出願され、「Biopsy Device with Central Thumbwheel」と題された、米国特許出願第12/337,942号の教示に従って、生検装置(14)を構成し、動作可能としてもよい。あるいは、生検装置(14)は、その他任意の好適な構成要素、機構、構成、機能性、操作性などを有してもよい。本明細書の教示に鑑みれば、生検装置(14)及び関連づけられた構成要素のその他任意の変型は、当業者には明白となるであろう。
【0027】
IV.誘導立方体
以下に説明する誘導立方体は、一般に、上述の局在化アセンブリー(15)で使用するように構成されている。以下の段落で、ただ単に例示的な誘導立方体の多くの特徴について説明する。
【0028】
A.誘導立方体全般
形態によっては、誘導立方体は、1つ以上の縁部及び面によって画定された本体を含んでもよい。本体は、誘導立方体の面の間を延び、生検装置(14)又は生検装置(14)の一部(例えば、生検装置(14)の針(90)、カニューレ(94)及び閉塞具(92)の組み合わせなど)のような器具を誘導するために使用できる、1つ以上の誘導穴又はその他の種類の通路を含んでもよい。誘導立方体は、誘導立方体の1つ以上の誘導穴又は通路を所望の位置に位置づけるために、1つ、2つ、又は3つの軸を中心に回転可能であってよい。
【0029】
ここで、
図8を参照すると、誘導立方体(104)は、それぞれ対向する1対の面(112、114、116)の相互間を互いに直交して通過する、中央誘導穴(106)、角部誘導穴(108)、及びオフセンター誘導穴(110)を含む。2つの軸で誘導立方体(104)を選択的に回転させることにより、1対の面(112、114、116)が回転していない位置に近位に位置合わせでき、次に選択された近位面(112、114、116)が必要に応じて4分の1回転、半回転、又は4分の3回転できる。その結果、
図9に描かれるように、9つの誘導位置(118、120a〜120d、122a〜122d)のうちの1つが、近位に露出できる。より具体的には、中央誘導穴(106)は誘導位置(118)を提供でき、角部誘導穴(108)は誘導位置(120a〜120d)を提供でき、オフセンター誘導穴(110)は誘導位置(122a〜122d)を提供できる。
【0030】
図6において、2軸回転可能の誘導立方体(104)は、垂直のバー(132)と水平のバー(134)とを交差させることで形成された、格子板(96)の複数の正方形の凹部(130)のうちの1つの中に、近位側から挿入される大きさである。格子板(96)の前面に取り付けられた裏打ち基板(136)によって、誘導立方体(104)が格子板(96)を貫通することが防止されている。裏打ち基板(136)は、各正方形の凹部(130)内の中央に位置したそれぞれの正方形の開口部(138)を含み、誘導立方体(104)の前面を捕らえるのに十分ではあるが、誘導穴(104、106、108)をふさぐほどには大きくないリップ(140)を形成する。正方形の凹部(130)の奥行きは誘導立方体(104)よりも浅く、したがって、誘導立方体(104)の近位部(142)をつかんで格子板(96)から引き抜くことができるように、誘導立方体(104)の近位部(142)が露出している。当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、形態によっては、格子板(96)の裏打ち基板(136)を完全に省略してもよいことを、理解するであろう。裏打ち基板(136)のないこのような形態の幾つかにおいて、以下により詳細に説明するように、誘導立方体のその他の機構を使用して、誘導立方体を格子板内にしっかりとかつ取り外し可能に嵌合させてもよい。しかし、裏打ち基板(136)を部分的に又は完全に省略する代わりに、格子板(96)のような、裏打ち基板(136)を有する格子板との組み合わせでこのようなその他の機構を使用することもできる。
【0031】
B.自己着底型誘導立方体(Self-Grounding Guide Cubes)
図10において、誘導立方体(104a)は、誘導立方体(104a)の立方体部分(242)と共通した縁部を有する追加の方形角柱(240)を用いた自己着底を有する。共通した立方体の縁部と直交した角度から見ると、立方体部分(242)の大きい方の正方形面(244)は、方形角柱(240)の小さい方の正方形面(246)と重なり合う。
図11に示すように、方形角柱(240)は、誘導立方体(104a)の隣接した2つの面(250、252)のうちの一方を近位に露出し、次にそれぞれを4つの4分の1回転位置のうちの1つに回転させることを可能とする。図示した形態では、第1の面(250)が中央誘導穴(106a)を有し、第2の面(252)が角部誘導穴(108a)及びオフセンター誘導穴(110a)を有する。方形角柱(240)に放射状凹部(254)が形成されており、オフセンター誘導穴(110a)が使用されるときに面(252)に対する奥行き停止装置(95)の着底を可能とする。
【0032】
図12において、誘導立方体(104b)は、誘導立方体(104b)の2つの面(262、264)から突出する追加の方形角柱(260)を用いた自己着底を有する。方形角柱(260)は、誘導立方体(104b)の隣接した2つの面(262、264)のうちの一方を近位に露出し、次にそれぞれを4つの4分の1回転位置のうちの1つに回転させることを可能とする。図示した形態では、第1の面(262)が中央誘導穴(106b)を有し、第2の面(264)が角部誘導穴(108b)及びオフセンター誘導穴(110b)を有する。方形角柱(260)に第1の放射状凹部(266)が形成されており、オフセンター誘導穴(110b)が使用されるときに面(264)に対する奥行き停止装置(95)の着底を可能とする。方形角柱(260)に第2の放射状凹部(268)が形成されており、中央誘導穴(106b)が使用されるときに面(262)に対する奥行き停止装置(95)の着底を可能とする。下記により詳細に説明するように、誘導立方体(104b)は、図示した形態で描かれるような誘導立方体(104b)の面によって画定された開口した上面(261)及び/又は開口した底面(図示せず)を有してもよい。
【0033】
図13〜15において、誘導立方体(104c)は、格子板(96)内のような選択された正方形の凹部(130)に対して着底する近位の面(271)の周りに、近位の拡大されたハット部(270)を有し、1つの軸を中心に4つの4分の1回転位置のうちの1つに回転させることができる。4つの傾斜した誘導穴(272a、272b、272c、272d)は、選択された正方形の凹部(130)内のより多くの挿入点へのアクセスを可能とするだけではなく、垂直な挿入に制約されずに所望の貫通の角度でのアクセスをも可能とする。本明細書の教示に基づいて、形態によっては傾斜した誘導穴を使用してもよいが、他の形態では傾斜した誘導穴の代わりに、又はそれに加えて、直交した誘導穴を使用してもよいことが理解されるであろう。
【0034】
C.エラストマーの縁部
図16及び17において、誘導立方体(304)は、4つの面(308、310、312、314)によって画定された本体(306)を含む。面(308、310、312、314)は、図示した形態に示すように、2組の対向面を含み、面(308)と面(310)が対向し、同様に面(312)と面(314)が対向する。誘導立方体(304)は、誘導立方体(304)を貫通する誘導穴(316、318、320)を有する。誘導穴(316、318、320)は、1組の対向面に対応した開口部を有することで、誘導立方体(304)の一方の側から反対側に至る通路によるアクセスを提供する。形態によっては、ある面内に共通の開口部を共有するように誘導穴を構成してもよいことを、理解すべきである。図示した形態に示されるように、面(308、310)が中央誘導穴(316)を含む一方、面(312、314)は角部誘導穴(318)及びオフセンター誘導穴(320)を含む。但し、面(308、310、312、314)はそれぞれ、任意の好適な配置又は配列で任意の好適な数の誘導穴を有することができ、誘導立方体(304)の中を通る任意の好適な数の通路を提供することができることを理解すべきである。
【0035】
誘導立方体(304)の各面(308、310、312、314)は、縁部によって画定できる。このような構成において、幾つかの面(308、310、312、314)は、1つ以上の共通の縁部を共有できることが理解されるであろう。例えば、面(308)は、縁部(322a〜322d)によって画定できる。面(312)は、縁部(326a〜326c、322d)によって画定できる。面(310)は、縁部(324a〜324c、326c)によって画定できる。面(314)は、縁部(328a、328b、322c、324c)によって画定できる。面(308、310、312、314)は、それぞれが共通の縁部を共有せずに、むしろ面の縁部が互いに隣接して誘導立方体(304)の縁部(322a〜322d、324a〜324c、326a〜326c、328a〜328b)を形成するように構成してもよいことを、更に理解すべきである。例えば、面(308、310、312、314)は、それぞれが独自の4つの縁部を有する別個の板として形成し、この別個の板を互いに結合して誘導立方体(304)を形成するなどして、初期には別個に形成できる。
【0036】
図16に示すように、誘導立方体(304)の縁部(322a〜322d、324a〜324c、326a〜326c、328a〜328b)の少なくとも一部は、エラストマー材で構成されてよく、又はそれにエラストマー材を取り付けてもよい。
図16において、縁部(322a、324a、236a、328a、322b、324b、326b、及び328b)は、エラストマー材で構成される。これにより、誘導立方体(304)には、エラストマーの縁部を有する4つの面(308、310、312、314)の対向する縁部が提供される。本明細書の教示に基づいて、その他の誘導立方体の形態が任意の好適な構成でエラストマーの縁部を配置してもよいことが理解されるであろう。例えば、その他の形態において、誘導立方体の全ての縁部がエラストマーの縁部を有してもよい。誘導立方体の格子板とのより良い嵌合を補助するエラストマーの縁部のいかなる配置も好適であると思われる。
【0037】
誘導立方体(304)は、誘導立方体(304)の2つの面(308、312)から突出する方形角柱(330)を用いた自己着底を有する2軸について、更に回転可能であってもよい。方形角柱(330)は、誘導立方体(304)の隣接した2つの面(308、312)のうちの一方を近位に露出し、次にそれぞれを4つの4分の1回転位置のうちの1つに回転させることを可能とする。図示した形態において、方形角柱(330)には第1の放射状凹部(332)が形成されており、オフセンター誘導穴(320)を使用するときに、奥行き停止装置(95)が面(312)に対して着底することを可能とする。方形角柱(330)には第2の放射状凹部(334)が形成されており、中央誘導穴(316)を使用するときに、奥行き停止装置(95)が面(308)に対して着底することを可能とする。
【0038】
誘導立方体(304)は、図示した形態に示すような誘導立方体(304)の面(308、310、312、314)によって画定された、開口した上面(336)及び/又は開口した底面(図示せず)を有してもよい。開口した上面(336)及び開口した底面(図示せず)は、誘導立方体(304)内に空隙容量を提供でき、本体(306)の剛性次第では、本体部分(306)はある程度屈曲でき、したがって、格子板内でよりよく嵌合し、又は様々な格子板内でより適合して嵌合することができる。あるいは、誘導立方体(304)は、閉じた上面及び/又は底面を有してもよい。同様に、誘導穴(316、318、320)間で提供された通路を除いて、誘導立方体(304)の内部は、所望に応じて、実質的に中空でも、実質的に中実でもよい。
【0039】
当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、幾つかのエラストマー材が誘導立方体(304)での使用に好適であり得ることを理解するであろう。あくまで例として、好適なエラストマー材には、加硫を必要とすることのある熱硬化性プラスチック、熱可塑性エラストマー(例えば、とりわけ、Santoprene(商標))、天然ゴム、合成ゴム(例えば、とりわけ、エチレンプロピレンジエン(Mクラス)−EPDM)、及び好適な弾性特性を有するその他のポリマーを挙げることができる。
【0040】
エラストマーの縁部を有する誘導立方体を作製する工程は、様々な方法で達成できる。例えば、エラストマーの縁部(322a、324a、326a、328a、322b、324b、326b、328b)を有する誘導立方体(304)のような誘導立方体を作製する工程において、形態によっては、多重射出成形プロセスを使用して、例えば非エラストマー材などの第1の材料で誘導立方体(304)の本体(306)を成形することができ、例えば上述の、又はそれ以外の弾性材などの第2の材料でエラストマーの縁部を成形してもよい。その他の幾つかの形態において、本体(306)とは別個に、エラストマーの縁部(322a、324a、326a、328a、322b、324b、326b、328b)を成形又は押し出し加工し、次に、機械的締結、化学的接着剤、又はその他の好適な接着若しくは結合技術によって本体(306)と結合してもよい。
【0041】
当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、エラストマーの縁部の構成、縁部に使用するエラストマー材の種類、エラストマー材を縁部に適用するのに使用する適用プロセス、及びその他の要因が、特定のエラストマーの縁部の設計及び材料が好適であるか否かに影響する可能性があることを、理解するであろう。当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、少なくとも1つのエラストマーの縁部を有する誘導立方体の好適な設計は、誘導立方体を格子板に挿入するか、又は格子板から取り除くために必要な力を著しく増大させずに、格子板と誘導立方体との間でしっかりとした干渉を生成することができることを、更に理解するであろう。したがって、本実施例の誘導立方体(304)は、様々な寸法又は構成の格子開口部又は凹部を有する様々な種類の格子板に嵌合することができる。設定によっては、縁部(322a、324a、326a、328a、322b、324b、326b、328b)上のエラストマー材の存在が、格子板との十分な摩擦を提供して、誘導立方体(304)が格子板から望まずして脱落する可能性を低減することができることも、併せて理解すべきである。更に、本明細書の教示に鑑みれば、誘導立方体(304)のその他の好適な機構、構成、構成要素、機能性、操作性、及び変型が、当業者には明白となるであろう。
【0042】
D.エラストマーの本体
図18〜21は、格子板毎に、又は単一の格子板内であっても形状及び/又は寸法が異なることのある開口部を有する多数の格子板と嵌合するように圧縮できるエラストマーの本体を含む、他の形態の誘導立方体を示す。当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、これらの実施例における本体のエラストマーの性質が、様々な格子板に使用する誘導立方体の適合性を大きく向上できることを、理解するであろう。多数の格子板と嵌合するように圧縮するエラストマーの本体に加えて、又はそれとは別個に、
図18〜21は、拡張アクセスポートを有する誘導立方体の形態も併せて示す。拡張アクセスポートは、生検装置の一部がアクセスポート内に挿入されたときに、アクセスポートの拡張を可能とするエラストマーの本体又はエラストマーの本体の一部によって画定され、又は囲まれることができる。エラストマーの本体の概念については、
図18〜21に示す実施例を参照して、以下により詳細に説明するが、この概念は、本明細書に説明した任意の誘導立方体及びこのような誘導立方体の変型に別の方法で適用できることを理解すべきである。したがって、エラストマーの本体の概念は、必ずしも
図18〜21に示し、以下に説明する実施例に限定されない。
【0043】
ここで
図18を参照すると、誘導立方体(400)は、生検装置(14)のプローブ(91)及び/又はその他の構成要素を受容する9つのアクセススリット(410)を有する、エラストマーの本体(408)を有する。勿論、9つよりも多い数又は少ない数を含む、その他任意の好適な数のアクセススリット(410)を提供してもよい。スリット(410)は、様々な長さ及び/又は幅などであってもよいことも、併せて理解すべきである。エラストマーの本体(408)の性質によって、本体(408)は、格子板内のより小さい開口部内に嵌合したときに縮むことができる。縮んだ状態で格子板の開口部内に挿入されているとき、エラストマーの本体(408)は、誘導立方体(400)がその位置にしっかりと保持されるように、格子板の開口部を画定する格子板の内壁部分に対して力を提供する。前述のように、誘導立方体(400)の一部は、ユーザーにとってアクセスできる状態を誘導立方体(400)が維持するように、格子板の近位側から突出してもよい。誘導立方体(400)を取り除くために、ユーザーは誘導立方体(400)の突出部分をつかみ、更に圧縮力を提供して誘導立方体(400)の寸法を縮小し、格子板の開口部から誘導立方体(400)を引き抜くことができる。
【0044】
誘導立方体(400)は、第1の面(414)から誘導立方体(400)を通って対向面(図示せず)まで延びるアクセススリットを更に含み、対向面の間に通路を提供してもよい。図示した形態において、誘導立方体(400)を回転させる必要の如何に拘らず、生検装置(14)を、任意の選択されたアクセススリット(410)に使用することができる。使用に際して、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを選択されたアクセススリット(410)内に挿入すると、アクセススリット(410)を囲むエラストマーの本体(408)の性質によって、エラストマーの本体(408)が縮んで、導入されたカニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせの体積を収容できるようになっている。カニューレ(94)(又は針(90))の全長を誘導穴又はアクセススリット(410)内に挿入する必要はなく、形態によっては、カニューレ(94)(又は針(90))の長さの一部のみを誘導穴又はアクセススリット(410)内に挿入してもよいことを、理解すべきである。形態によっては、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを受容しない近傍のアクセススリット(410)又は誘導穴は、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを選択されたアクセススリット(410)内に挿入したときに、縮んでもよい。誘導立方体(400)を格子板の開口部内に挿入するいくつかの形態では、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせをアクセススリット(410)内に挿入することにより、エラストマーの本体(408)が、格子板の開口部を画定する格子板の壁部に対して更なる力を加える。本明細書の教示に基づいて、エラストマーの本体(408)及びアクセススリット(410)は協働して、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせのアクセススリット(410)を通した挿入時、及びカニューレ(94)(又は針(90))のアクセススリット(410)を通した抜き取り時の両方の間、誘導立方体(400)が格子板の開口部内にしっかりと嵌合するように、誘導立方体(400)から格子板の開口部を画定する壁に、十分な外向きの力を提供できることが、理解されるであろう。
【0045】
ここで
図19を参照すると、誘導立方体(402)は、生検装置(14)のプローブ(91)及び/又はその他の構成要素を受容する、9つの星型のアクセス開口部(412)を有するエラストマーの本体(408)を有する。勿論、9つよりも多い、又は少ない数を含む、その他任意の好適な数の開口部(412)を提供してもよい。同様に、開口部(412)は、星形である必要はなく、その他任意の好適な形状を有することができる。例えば、開口部(412)は、各開口部の外辺部の周りに(例えば、外辺部に対して外方向に放射状に延びる)任意数のスリットを有する任意の種類の小さめのアクセス開口部を含んでもよい。設定によっては、「小さめ」とは、弛緩した開口部(412)(例えば、カニューレ(94)(又は針(90))をその中に挿入していないもの)の直径が、カニューレ(94)(又は針(90))の直径よりも小さいことを意味し得る。本実施例のエラストマーの本体(408)の性質によって、本体(408)は、格子板内のより小さい開口部内に嵌合したときに縮むことが可能である。縮んだ状態で格子板の開口部内に挿入されているとき、エラストマーの本体(408)は、誘導立方体(402)がその位置にしっかりと保持されるように、格子板の開口部を画定する格子板の内壁部分に対して力を提供する。前述のように、誘導立方体(402)の一部は、ユーザーにとってアクセスできる状態を誘導立方体(402)が維持するように、格子板の近位側から突出してもよい。誘導立方体(402)を取り除くために、ユーザーは誘導立方体(402)の突出部分をつかみ、更に圧縮力を提供して誘導立方体(402)の寸法を縮小し、格子板の開口部から誘導立方体(402)を引き抜くことができる。
【0046】
誘導立方体(402)は、第1の面(420)から誘導立方体(402)を通って対向面(図示せず)まで延びる星形のアクセス開口部(412)を更に含み、対向面間に通路を提供してもよい。図示した形態において、誘導立方体(402)を回転させる必要の如何に拘らず、生検装置(14)を、任意の選択されたアクセス開口部(412)に使用することができる。使用に際して、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを選択されたアクセス開口部(412)内に挿入すると、アクセス開口部(412)を囲むエラストマーの本体(408)の性質によって、エラストマーの本体(408)が縮んで、導入されたカニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせの体積を収容できるようになっている。カニューレ(94)(又は針(90))の全長を誘導穴又はアクセス開口部(412)内に挿入する必要はなく、形態によっては、カニューレ(94)(又は針(90))の長さの一部のみを誘導穴又はアクセス開口部(412)内に挿入してもよいことを、理解すべきである。形態によっては、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを受容しない近傍のアクセス開口部(412)又は誘導穴は、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを選択されたアクセス開口部(412)内に挿入したときに、縮んでもよい。誘導立方体(402)を格子板の開口部内に挿入するいくつかの形態では、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせをアクセス開口部(412)内に挿入することにより、エラストマーの本体(408)が、格子板の開口部を画定する格子板の壁部に対して更なる力を加える。本明細書の教示に基づいて、エラストマーの本体(408)及びアクセス開口部(412)は協働して、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせがアクセス開口部(412)を通して挿入されるとき、及びカニューレ(94)(又は針(90))がアクセス開口部(412)を通して抜き取られるときの両方において、誘導立方体(402)が格子板の開口部内にしっかりと嵌合するように、誘導立方体(402)から格子板の開口部を画定する壁に、十分な外向きの力を提供できることが、理解されるであろう。
【0047】
図18〜19に示す誘導立方体(400、402)は、1つ、2つ、又は3つの軸を中心に回転可能であり、スリット(410)又は開口部(412)によって画定される通路の、格子板(96)に対する所望の配向を提供できることを、理解すべきである。例えば、
図18〜19に示す形態では、誘導立方体(400、402)は、その他の軸の中でも特に、面(414、420)を通って延びる軸の周りに回転可能であってよい。スリット(410)及び開口部(412)は、
図18〜19内で、ほぼ等間隔で面(414、420)の全域に亘って分布しているように示されているが、その他任意の好適な配列又は配置を提供してもよい。更に、スリット(410)及び開口部(412)は、1つの面(414、420)から対向面(図示せず)への通路を提供するのみであるが、誘導立方体(400、402)のその他の面にスリット(410)又は開口部(412)を追加的に提供してもよいことを、理解すべきである。本明細書の教示に鑑みれば、誘導立方体(400、402)の更に他の好適な変型が、当業者には明白となるであろう。
【0048】
ここで
図20及び21を参照すると、誘導立方体(404、406)は、(例えば、1つ、2つ、又は3つの軸の周りに)回転可能であってよく、誘導立方体(404、406)の対向面の間を延びて誘導立方体(404、406)の対向面の間に通路を提供する誘導穴(414、415)を有する。図示されるように、幾つかの形態は3つの誘導穴(414、415)を有する誘導立方体(404、406)を含んでもよく、更に他の形態は、より多いかより少ない誘導穴(414、415)を含んでもよい。誘導穴(414、415)は、カニューレ(94)又は針(90)の直径よりも小さい弛緩した直径を画定してもよいが、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを挿入したときに誘導穴(414、415)の拡張を可能とする機構を、更に含んでもよい。場合によっては、拡張機構の存在は、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを挿入するときの削れ(skiving)を低減することができる。
図20に示すように、誘導穴(414)は、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせが挿入されたときに拡張するスリット(438)を含む。
図21に示すように、誘導穴(415)は、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせが挿入されると延長フレア(440)が拡張できる、星形を有してもよい。
【0049】
誘導立方体(400、402)に関して上述したように、誘導立方体(404、406)は、1つ、2つ、又は3つの軸を中心に回転可能であり、誘導穴(414、415)によって画定される通路の、格子板(96)に対する所望の配向を提供できる。例えば、
図20〜21に示す形態では、誘導立方体(404、406)は、その他の軸の中でも特に、面(426、432)を通って延びる軸の周りに回転可能であってよい。更に、誘導穴(414、415)は、
図20〜21に示す配列とは異なる任意の好適な配列又は配置を有してもよい。更に、誘導穴(414、415)は、1つの面(426、432)から対向面(図示せず)への通路を提供するのみであるが、誘導立方体(404、406)のその他の面に誘導穴(414、415)を追加的に提供してもよいことを、理解すべきである。本明細書の教示に鑑みれば、誘導立方体(404、406)の更に他の好適な変型が、当業者には明白となるであろう。
【0050】
エラストマーの本体(408)を有する誘導立方体(400、402、404、406)の幾つかの形態において、本体(408)を作製するときに複数のジュロ硬度を使用してもよい。このような幾つかの形態において、複数のジュロ硬度を有する設計は、使用時に生検プローブ(14)の挿入された部分の回転、角形成、又はその他の動きを防止できる。例えば、スリット(410)又は星形開口部(412)の内部は、生検装置(14)の角形成又は動きを防止するために本体(408)の他の部分よりも硬くてもよく、本体(408)の外側の格子と接触する部分は、複数の格子板の形態との嵌合のよりよい適合性を可能とするために、より軟らかくてもよい。同様に、誘導立方体(404、406)の誘導穴(414、415)は、生検装置(14)の角形成又は動きを防止するために本体(408)の他の部分よりも硬くてもよい一方、本体(408)の外側の格子と接触する部分は、複数の格子板の形態との嵌合のよりよい適合性を可能とするために、より軟らかくてもよい。形態によっては、生検装置(14)の角形成又は動きを防止するために、誘導立方体(400、402、404、406)は、例えばポリカーボネートのような硬質材料から構成された誘導穴(414、415)を有することさえできる。次に、格子板の複数の形態との嵌合のよりよい適合性を可能とするため、又はその他の目的で、誘導穴(414、415)の硬質材料を、エラストマーの本体(408)によって囲んでもよい。
【0051】
更に他の形態の幾つかでは、誘導立方体(400、402、404、406)は、生検装置(14)のプローブ(91)又はその他の構成要素を受容する、所定の誘導穴又は通路を有さなくてもよい。このような形態において、ユーザーが誘導立方体(400、402、404、406)を通る通路を画定し、又は作れるように、誘導立方体(400、402、404、406)は貫通可能であってもよい。幾つかのこのような形態では、ユーザーは、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを誘導立方体(400、402、404、406)の本体(408)に挿通させることによって通路を画定し、又は作ってもよい。本明細書の教示に基づいて、ユーザーが通路を画定する形態における誘導立方体(400、402、404、406)の構成は、誘導立方体(400、402、404、406)の本体(408)がカニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせによって貫通できるほど十分に弱く、かつ、誘導立方体(400、402、404、406)の本体(408)が、挿入後の生検装置(14)を好ましくない角形成又は望ましくないその他の動きから防止するほどに十分に強いようにできることが、理解されるであろう。ユーザーによって画定された誘導立方体の通路の幾つかの形態では、誘導立方体(400、402、404、406)を、エラストマー材、硬質材料若しくはこれらの組み合わせ、又はその他の好適な材料で構成してもよい。
【0052】
当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、幾つかのエラストマー材を誘導立方体(400、402、404、406)に好適に使用できることを、理解するであろう。単に例として、好適なエラストマー材には、加硫を必要とすることのある熱硬化性プラスチック、熱可塑性エラストマー(例えば、とりわけ、Santoprene(商標))、天然ゴム、合成ゴム(例えば、とりわけ、エチレンプロピレンジエン(Mクラス)−EPDM)、及び好適な弾性特性を有するその他のポリマーを挙げることができる。
【0053】
形態によっては、本体(408)に使用されるエラストマーには、潤滑剤を埋め込むか、潤滑剤をコーティングしてもよい。潤滑剤は、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせの誘導立方体(400、402、404、406)への挿入及びそれからの抜き取りを容易にし、削れの可能性を更に低減することができる。
【0054】
エラストマーの本体(408)を有する誘導立方体(400、402、404、406)を作る工程は、様々な方法で達成できる。例えば、形態によっては、多重射出成形プロセスを使用でき、誘導立方体(400、402、404、406)の本体(408)の内側部分を第1のジュロ硬度を有する第1の材料で成形でき、本体(408)の外側部分を第2のジュロ硬度を有する第2の材料で成形することができる。他の幾つかの形態において、エラストマーの本体(408)は、後に一体結合して本体(408)を形成する別個の部品として製造してもよい。このような形態では、本体(408)の部品は、機械的締結、化学的接着剤、又はその他の好適な接着若しくは結合技術によって一体結合してもよい。更に、本体(408)は、エラストマー材の均一な組成を有する単一の一体型部品として成形し、又は押し出し加工してもよいことを、理解すべきである。
【0055】
当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、エラストマーの本体(408)の構成、本体(408)に使用されるエラストマー材の種類、エラストマーの本体(408)を作るために使用される適用プロセス、及びその他の要因が、特定のエラストマーの本体の設計が好適であるか否かに影響する場合があることを、理解するであろう。当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、エラストマーの本体を有する誘導立方体の好適な設計は、誘導立方体を格子板に挿入するか、又は格子板から取り除くために必要な力を著しく増大させずに、格子板と誘導立方体との間でしっかりとした干渉を生成することができることを、更に理解するであろう。したがって、本実施例の誘導立方体(400、402、404、406)は、様々な寸法又は構成の格子開口部又は凹部を有する様々な種類の格子板に嵌合することができる。設定によっては、本体(408)のエラストマー特性が、格子板との十分な摩擦を提供して、誘導立方体(400、402、404、406)が格子板から望まずして脱落する可能性を低減できることも、併せて理解すべきである。更に、本明細書の教示に基づいて、エラストマーの本体を有する誘導立方体の好適な設計は、生検装置のプローブ又はその他の構成要素とそれに対応した本体の誘導穴又はアクセスポートとの間にしっかりとした境界面を生成できることが、理解されるであろう。
【0056】
エラストマーの本体(408)を有する誘導立方体(400、402、404、406)の幾つかの形態では、上述の自己着底機構を更に含んでもよい。例えば、方形角柱の自己着底部材(240、260、330)を、誘導立方体(400、402、404、406)に使用できるように構成してもよい。他の形態では、誘導立方体(400、402、404、406)は、自己着底機構として拡張されたハット部(270)を組み込んでもよい。自己着底機構は、エラストマー材で構成されてもよく、そうでなくてもよいことを、理解すべきである。更に、誘導立方体(400、402、404、406)から、格子板又はその他の構成要素と合体する他の着底機構の代わりに自己着底機構を完全に省略してもよいことを、理解すべきである。更に、エラストマーの本体(408)自体が誘導立方体(400、402、404、406)の自己着底機構としての役割を果たしてもよいことを、理解すべきである。このような形態において、エラストマーの本体(408)によって格子板の内壁に対して加えられた外向きの力が、誘導立方体(400、402、404、406)をしっかりとその位置に保持する着底機構を提供できる。更に、本明細書の教示に鑑みれば、誘導立方体(400、402、404、406)のその他の好適な機構、構成、構成要素、機能性、操作性、及び変型が、当業者には明白であろう。
【0057】
E.可鍛部材を有するエラストマーの本体
図22〜23は、誘導立方体(500)の別の例示的な形態を示す。誘導立方体(500)の幾つかの形態は、生検装置(14)のプローブ(91)及び/又はその他の構成要素を傾け、所望の角度を維持する能力を助長することができる。図示した形態において、誘導立方体(500)は、面(504、506、508)及びその他の面(図示せず)を含む対向面の対によって画定された本体(502)を含む。本体(502)は、上述のように、ないしは別の方法で、全体的に又は部分的にエラストマー材で構成されてもよい。
【0058】
誘導立方体(500)は、例えば面(504)及びその対向面(図示せず)、並びに面(506)及びその対向面(図示せず)のような対向面の対の間に通路を提供する、1つ以上の誘導穴(510)を、更に含んでもよい。
図22を参照すると、誘導穴(510)は、初期には、関連づけられた対向面の対に垂直に位置してもよい。本実施例では、ワイヤー(512)が各誘導穴(510)に隣接し、平行している。ワイヤー(512)は、誘導立方体(500)の本体(502)を構成するエラストマー材によってオーバーモールドされ、又は実質的に囲まれてもよい。あるいは、ワイヤー(512)は、本体(502)内に挿入され、ないしは別の方法で本体内に提供されてもよい。ワイヤー(512)は、関連した撮像処置の間、MRIの人為的要素が発生しないか又は最小限に抑えられるように、非磁性材料から作られてもよい。ワイヤー(512)に好適な幾つかの材料として、コバルトL605などのコバルト合金、アルミニウム6061などのアルミニウム合金、316Lステンレス鋼などのステンレス鋼合金、チタン6などのチタン合金、MP35Nなどのニッケルコバルト合金、及びその他の好適な合金が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、ワイヤー(512)は、その他任意の好適な材料、又は材料の組み合わせで形成してもよい。
【0059】
使用に際して、カニューレ(94)及び閉塞具(92)(又は針(90))の組み合わせを誘導穴(510)のうちの1つに挿通できる。カニューレ(94)及び閉塞具(92)の組み合わせを使用する範囲においては、次に閉塞具(92)をカニューレ(92)から取り除くことができ、次に針(90)をカニューレ(94)内に挿入できる。次に、生検装置(14)を、所望の姿勢に傾けても(例えば、針(90)の所望の角度方向を提供しても)よい。生検装置(14)を傾ける行為は、ワイヤー(512)が、可鍛であり、一旦生検装置(14)が所望の配向に達するとその姿勢を保持するように、ワイヤー(512)を塑性変形することができる。誘導立方体(500)の本体(502)のエラストマーの性質は、本体(502)が生検装置(14)の傾いた配向にぴったりと一致することを可能とする。更に、誘導立方体(500)の構成は、ワイヤーが一旦その曲がった姿勢になると、誘導立方体(500)をその初期状態に戻そうとする可能性のある本体(502)の一切の付勢力にワイヤー(512)が耐えるようにできる。したがって、このような形態では、ユーザー又は別の人若しくは装置が生検装置(14)を所望の姿勢に保持しなくても、挿入された生検装置(14)の傾いた配向を維持できる。勿論、閉塞具(92)及びカニューレ(94)を使用する設定において、針(90)をカニューレ(94)内に挿入する前に、ユーザーが先ず、カニューレ(94)、又は閉塞具(92)及びカニューレ(94)の組み合わせを用いて、所望の角度配向を得てもよい。ワイヤー(512)が、略水平な配向又はその他の所定の配向をそのまま補強するので、ユーザーは、誘導立方体(500)内のカニューレ(94)又は針(90)の角度を必ずしも調整する必要はないことも、併せて理解すべきである。
【0060】
誘導立方体(500)は、
図22及び23に示す方形角柱(514)のような自己着底部材を、更に含んでもよい。しかし、本明細書の教示に基づいて、方形角柱(514)に加えて、又はその代わりに、その他の好適な着底機構を使用してもよいことを理解すべきである。更に、誘導立方体(500)は、挿入された生検装置(14)を傾けることができるように構成されているが、誘導立方体(500)を、様々な誘導穴(510)の配向を提供できるように回転可能としてもよいことを、理解すべきである。
【0061】
当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、幾つかのエラストマー材を誘導立方体(500)に好適に使用できることを理解するであろう。単に例として、好適なエラストマー材には、加硫を必要とすることのある熱硬化性プラスチック、熱可塑性エラストマー(例えば、とりわけ、Santoprene(商標))、天然ゴム、合成ゴム(例えば、とりわけ、エチレンプロピレンジエン(Mクラス)−EPDM)、及び好適な弾性特性を有するその他のポリマーを挙げることができる。
【0062】
本体(502)を有する誘導立方体(500)を作る工程は、様々な方法で達成できる。例えば、形態によっては、第1の成形プロセスで誘導穴(510)を作る成形プロセスを使用してもよい。次に、ワイヤー(512)を誘導穴(510)の周りに設置し、続いて、第2の成形プロセスで、本体(502)を構成する材料でワイヤー(512)及び誘導穴(510)をオーバーモールドしてもよい。他の形態では、誘導立方体(500)は、単一の中実構造体として成形し、又は押し出し加工してもよい。次に、任意の好適な技術によって、誘導立方体(500)内に内腔を作って誘導穴(510)を作ってもよい。次に、ワイヤー(512)を本体(502)に突き刺して、誘導穴(510)に沿って本体(502)内に挿入してもよい。当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、本体(502)内にワイヤー(512)を配置する様々な他の方法を含むがこれらに限定されない、
図22及び23の誘導立方体(500)を作る様々な他の方法があることを、理解するであろう。
【0063】
誘導立方体(400、402、404、406)に関して上述したように、誘導立方体(500)は、誘導穴(510)によって画定された通路の、格子板(96)に対する所望の配向を提供するために、1つ、2つ、又は3つの軸の周りに回転可能であってもよい。例えば、
図22〜23に示した形態において、誘導立方体(500)は、それら軸の中でも特に、面(504、506)を通る軸の周りに回転可能であってよい。更に、誘導穴(510)は、
図20〜21に示す配列とは異なる任意の好適な配列又は配置を有してもよい。更に、誘導穴(510)は、1つの面(504、506)から対向面(図示せず)への通路を提供するのみであるが、誘導立方体(500)のその他の面に誘導穴(510)を追加的に提供してもよいことを、理解すべきである。本明細書の教示に鑑みれば、誘導立方体(500)の更に他の好適な変型が、当業者には明白となるであろう。
【0064】
当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、エラストマーの本体(502)を有する誘導立方体(500)の好適な形態は、誘導立方体(500)を格子板に挿入するか、又は格子板から取り除くために必要な力を著しく増大させずに、格子板と誘導立方体(500)との間のしっかりとした干渉を生成することによって、誘導立方体(500)の様々な格子板との嵌合及び適合性を向上できることを、更に理解するであろう。したがって、本実施例の誘導立方体(500)は、様々な寸法又は構成の格子開口部又は凹部を有する様々な種類の格子板内に嵌合できる。設定によっては、本体(502)のエラストマー特性が、格子板との十分な摩擦を提供して、誘導立方体(500)が格子板から望まずして脱落する可能性を低減できることも、併せて理解すべきである。更に、本明細書の教示に基づいて、誘導立方体(500)の好適な形態は、生検装置(14)がその使用中に誘導穴(510)内で滑らないように、生検装置(14)のカニューレ(94)、プローブ(91)、又はその他の構成要素と、それに対応した本体(502)の誘導穴(510)との間にしっかりとした境界面を生成できることが、理解されるであろう。更に、本明細書の教示に鑑みれば、誘導立方体(500)のその他の好適な機構、構成、構成要素、機能性、操作性、及び変型が、当業者には明白となるであろう。誘導立方体(400、402、404、406)を含むがこれらに限定されない、本明細書で説明したその他任意の誘導立方体、及びこれらの変型は、所望により、1つ以上のワイヤー(512)を含んでもよいことを、併せて理解すべきである。
【0065】
F.テーパー形状の誘導立方体
図24〜27は、様々な設計の格子板にぴったり一致する誘導立方体(600、602)を作るために、テーパー形状の機構を組み込んだ、誘導立方体(600、602)の他の形態を示す。
図24及び25を参照すると、誘導立方体(600)は、面(604、605、606、608、609)及びその他の面(図示せず)を含む対向面の対を含む。誘導立方体(600)は、面(604)と面(605)との間を直交して通って、面(604、605)を通るそれぞれの通路を提供する、中央誘導穴(610)、角部誘導穴(612)、及びオフセンター誘導穴(614)を、更に含む。
図25の断面図に示すように、面(604)及び面(605)は、誘導立方体(600)の一方の側から誘導立方体(600)の他方の側へとテーパーを作る、等しくない寸法を有する。格子板と共に使用する際、誘導立方体(600)のテーパー形状の側面(611)は、テーパー形状の側面(611)が格子板内の開口部の内壁と接触するまで、誘導立方体(600)を格子板内に挿入することによって、誘導立方体(600)が格子板の開口部としっかり協調することを可能とすることができる。設定によっては、格子板の開口部の内壁が、それらの長さに沿って略水平及び垂直であるか、あるいはそれらの長さに沿って非水平及び/又は非垂直な角度であるかに拘らず、このような境界面を確実に提供できる。
【0066】
当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、誘導立方体(600)に、追加的な着底機構を組み込み、又は使用できることを、理解するであろう。例えば、形態によっては、誘導立方体(600)は、その全体が実質的に剛性であってもよい。他の幾つかの(例えば、誘導立方体(600)が実質的に硬質材料で形成される)形態では、誘導立方体(600)のテーパー形状の側面(611)の周りにエラストマーの縁部を嵌め込むことで、ある程度の圧縮力を提供して、誘導立方体(600)を格子板内に更に固定してもよい。誘導立方体(600)の縁部及び/又は面(604、605、606、608、609)にエラストマー材を有することに加えて、又はその代わりに、誘導穴(610、612、614)もまた、その中にエラストマー材を有してもよい。更に他の形態において、誘導立方体(600)は、格子板内に圧縮嵌合することのできるエラストマーの本体を有してもよい。エラストマーの本体を組み込んだテーパー形状の誘導立方体(600)のいくつかの形態では、多段階成形プロセスを使用して、エラストマーの本体部分自体よりも高いジュロ硬度又は高い剛性を有する誘導穴(610、612、614)を得てもよい。
【0067】
誘導立方体(600)は、1対より多くのテーパー形状の側面(611)を含んでもよいことを、更に理解すべきである。例えば、側面(611)の一方又は両方がテーパー形状であるのに加えて、又はその代わりに、面(606)及びその対向面(図示せず)で構成される対向面の対もまた、テーパー形状であってよい。あるいは、誘導立方体(600)は、ただ1つのテーパー形状の側面(611)を有してもよい。更に他の形態において、誘導立方体(600)は、3対よりも多い対向面を含むことで、6面立方体以外の形状を有してもよい。このような形態において、1つの、幾つかの、又は全ての面がテーパー形状であってもよいし、そうでなくてもよい。本明細書の教示に鑑みれば、誘導立方体(600)の更にその他の好適な機構、構成、構成要素、機能性、操作性、及び変型が、当業者には明白となるであろう。
【0068】
ここで
図26及び27を参照すると、誘導立方体(602)は、誘導立方体(602)が格子板内に挿入されたときに近位の高さが増加する、エラストマーのバンプ(616)の組を含む。エラストマーのバンプ(616)は、誘導立方体(602)の面(618)に沿ってテーパーを作る。このテーパーは、誘導立方体(602)が複数の格子板(例えば、異なる大きさの開口部を有する異なる種類の格子板)内に嵌合することを可能にする。
図26及び27は、誘導立方体(602)の1つの面(618)の上にエラストマーのバンプ(616)を示すが、他の形態では、エラストマーのバンプ(616)を誘導立方体(602)の任意の又は全ての面の上に配置してもよい。
【0069】
誘導立方体(602)は、硬質材料で構成されてもよい本体(620)を更に含んでもよい。但し、本明細書の教示に基づけば、本体(620)は、エラストマー材で構成され、部分的にエラストマー材で構成され、又は(類似の若しくは異なる特性を有する材料の組み合わせを含む)その他任意の好適な種類の材料で構成されてもよいことが、理解されるであろう。本明細書の教示に基づけば、本体(620)の構成に拘らず、本実施例の誘導穴(622)は、生検装置(14)の、挿入されたプローブ(91)及び/又はその他の構成要素の不要な角形成又は動きを防止、又は少なくとも制限する材料で構成されてもよいことが、理解されるであろう。例えば、本体(620)の剛性によって、このような制限又は防止を提供してもよい。あるいは、本体(620)がエラストマー材で形成される形態におけるように、このような制限又は防止を、誘導穴(622)を挿通する剛性のスリーブによって、誘導穴(622)の近傍に位置した1つ以上のワイヤー(512)によって、又はその他任意の好適な方法で提供してもよい。
【0070】
図26及び27に示すように、誘導立方体(602)は、方形角柱(624)の自己着底機構を更に含んでもよい。この自己着底機構は、誘導立方体(602)の角部に沿って、かつエラストマーのバンプ(616)が最大高さを有する誘導立方体(602)の近位端に位置してもよい。この配置は、方形角柱(624)が、格子板に接触して誘導立方体(602)が更に挿入されるのを阻止するまで、エラストマーのバンプ(616)が格子板と協調し、しかるべく圧縮することを確実にする上で役立つと思われる。エラストマーのバンプ(616)は、ある程度の圧縮力を提供して、誘導立方体(600)を格子板内に更に固定できることを、併せて理解すべきである。更に、バンプ(616)のエラストマー特性が、格子板との十分な摩擦を提供して、誘導立方体(602)が格子板から望まずして脱落する可能性を低減できる。本明細書で説明したその他任意の誘導立方体及びその変型は、所望により、1つ以上のバンプ(616)又は類似の機構を含んでもよいことを、併せて理解すべきである。本明細書の教示に鑑みれば、誘導立方体(602)の更にその他の好適な機構、構成、構成要素、機能性、操作性、及び変型が、当業者には明白となるであろう。
【0071】
G.ヒンジ付き誘導立方体
図28〜31は、誘導立方体(700)が異なる開口部寸法を有する格子板内に嵌合することを可能とする、ヒンジ部材(702)を有する誘導立方体(700)を示す。
図28に示すように、誘導立方体(700)は、面(704)及び面(705)を含む1対の対向面に沿ってヒンジ部材(702)を含む。ヒンジ部材(702)は、誘導立方体(700)の遠位端(706)に始まり、誘導立方体(700)の近位面(708)を通過して、ある角度で近位方向に延び、誘導立方体(700)の面(704)及び面(705)に対してテーパーを画定する。各ヒンジ部材(702)は、誘導立方体(700)が格子板の開口部内に挿入されたときに、格子板の内壁と係合する外側エラストマー表面(710)を含んでもよい。また、各ヒンジ部材(702)は、
図28及び31に示すように、近位面(708)を通過して延びる肩部(712)を含んでもよい。本実施例のヒンジ部材(702)は、ヒンジ部材(702)を
図28に示すように外側方向に広げるように、弾力的に付勢された一体ヒンジ(living hinges)によって、誘導立方体(700)の残部と結合している。追加的に、又は別の方法として、ヒンジ部材(702)自体が、外側に広がるように弾力的に付勢されていてもよい。誘導立方体(700)が格子板内に挿入されると、肩部(712)は、
図30に示すように、格子板の開口部を画定する格子線(714)と重なり合い、したがって誘導立方体(700)の過挿入を防止する。エラストマー表面(710)は、ヒンジ部材(702)の弾力的な外側方向の付勢と共に、格子板との十分な摩擦を提供して、誘導立方体(700)が格子板から望まずして脱落する可能性を低減できる。
【0072】
操作の一例として、ユーザーは、中央誘導穴(716)によって表されることのできる誘導立方体(700)の中央の方向にヒンジ部材(702)をつまむ。次に、ユーザーは、誘導立方体(700)を格子板内の選択された開口部内に挿入し、誘導立方体(700)を患者に向かって遠位方向に押すと同時にヒンジ部材(702)を解放する。誘導立方体(700)が挿入されるとき、ヒンジ部材(702)は、誘導立方体(700)の中央から弾力的に遠ざかり、格子板の開口部を画定する内壁と接触する。ヒンジ部材(702)のエラストマー表面(710)は、格子板の開口部を画定する内壁に対して圧縮することで、誘導立方体(700)を格子板内にしっかりと嵌合させることができる。誘導立方体(700)を格子板から解放するには、ユーザーは、ヒンジ部材(702)の肩部(712)をつかんで、ヒンジ部材(702)を誘導立方体(700)の中央方向に押す。
図29及び30に示すように、誘導立方体(700)の近位面(708)は、ヒンジ部材(702)をつまんだときのヒンジ部材(702)の近位端の突出部(720)のための空間を作る切欠き部(718)を含んでもよい。ヒンジ部材(702)をつまむと、エラストマー表面(710)を格子板から解放でき、誘導立方体(700)を格子板から引き抜くことができる。
【0073】
誘導立方体(700)は、誘導穴の任意の好適な配列を含んでもよく、図示した形態のように中央誘導穴(716)を含むことのみに限定する必要はない。形態によっては、誘導立方体(700)は、それぞれ3つの誘導穴からなる3列に配列された、9つの個別の誘導穴を含んでもよい。他の幾つかの形態では、誘導立方体(700)は、1つ以上の誘導穴を含んでもよく、誘導立方体(700)は、誘導穴の別の配向を提供するように回転可能であってもよい。更に他の形態では、誘導立方体(700)は、誘導穴の代わりにスリット又は類似の機構を含んで、対向面の間に通路を提供する。形態によっては、誘導立方体(700)から取り外し可能なヒンジ部材(702)を含むことで、面(708)以外の面が格子板内で近位に位置するように、誘導立方体(700)の回転を可能としてもよいことを、理解すべきである。このような形態では、ヒンジ部材(702)を、単に面(704、705)だけではなく、誘導立方体(700)の他の面に沿って取り付け直すことができる。誘導立方体(700)は、実質的に硬質な材料、エラストマー材、及び/又は材料の組み合わせを含むその他任意の好適な材料で形成してもよいことを、併せて指摘しておく。本明細書の教示に鑑みれば、誘導立方体(700)の更にその他の好適な機構、構成、構成要素、機能性、操作性、及び変型が、当業者には明白となるであろう。本明細書で説明したその他任意の誘導立方体及びその変型は、所望により、1つ以上のヒンジ部材(702)を含んでもよいことを、併せて理解すべきである。
【0074】
上記に幾つかの誘導立方体について詳細に論じたが、論じた誘導立方体の構成要素、機構、構成、及び使用法は、上記に提供された文脈に限定されないことを理解すべきである。特に、誘導立方体のうちの1つに関する文脈の中で説明した構成要素、機構、構成、及び使用法は、その他任意の誘導立方体に組み込むことができる。本明細書で説明した誘導立方体の何れかの中に提供できる、1つの単なる例示的な追加的機構は、立方体の1つ以上の外面上の1つ以上の隆起である。このような隆起は、実質的に剛性であるか、エラストマー性であってよく、又はその他任意の好適な特性を有してもよい。このような隆起は、立方体と格子との間でよりしっかりとした嵌合を提供でき(例えば、誘導立方体が格子板から望まずして脱落する可能性を低減し)、異なる大きさの開口部を有する異なる格子内に単一の立方体を挿入することを可能とすることができ、かつ/又はその他の結果をもたらすことができる。本明細書の教示に鑑みれば、誘導立方体の、その他の更に追加的な、及び代替的な、好適な構成要素、機構、構成、及び使用法は、当業者には明白となるであろう。
【0075】
本発明の形態は、従来の内視鏡的手術及び開腹手術の機器、並びにロボット支援手術に用途を有する。
【0076】
本明細書で開示した装置の形態は、1回の使用後に処分するように設計されることができ、又はそれらの形態は、複数回使用するように設計することができる。諸形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整する工程は、装置を分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄又は交換する工程、並びにその後の再組み立てする工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置の実施形態は分解でき、また、装置の任意の数の特定の部片又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換し、又は取り外すことができる。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の実施形態は、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前に外科チームによって、その後の使用のために再組み立てされ得る。装置の再調整では、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術が利用され得ることは、当業者には理解されよう。そのような技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置はすべて、本出願の範囲内にある。
【0077】
単に例として、本明細書で説明した形態は、手術の前及び/又は後に、滅菌してもよい。1つの滅菌技術では、装置は、プラスチック又はTYVEK(登録商標)バッグなど、閉められかつ密閉された容器に入れられる。次いで、容器及び装置は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌された装置は、後の使用のために、滅菌した容器内に保管してもよい。装置はまた、限定されるものではないが、β若しくはγ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0078】
本開示で様々な形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そのような考えられる変更の幾つかが述べられており、その他の変更も当業者には明らかとなろう。例えば、上記に論じた実施例、形態、幾何学的図形、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0079】
〔実施の態様〕
(1) 患者に対して医療器具を誘導する誘導装置であって、前記誘導装置は第1の板及び第2の板と共に使用可能であり、前記第1の板は複数の開口を有し、前記第2の板及び前記第1の板は、前記患者の一部を固定するように調節可能であり、前記誘導装置は、前記第1の板の前記開口のうちの選択された1つと結合するように構成される、誘導装置において、
a.少なくとも1つの面によって画定された本体であって、前記少なくとも1つの面は前記本体の略近位部及び前記本体の略遠位部を含む、本体と、
b.少なくとも1つの通路であって、前記略近位部から前記本体を通って前記略遠位部まで延び、前記医療器具の少なくとも一部を受容するように構成された、少なくとも1つの通路と、
c.外側エラストマー部であって、前記外側エラストマー部は、前記外側エラストマー部に加えられた力に応答して圧縮するように動作可能に構成され、前記外側エラストマー部は前記誘導装置の前記本体の前記少なくとも1つの面の一方若しくは両方、又は前記誘導装置の前記本体の少なくとも1つの縁部に関連づけられ、前記エラストマー部は前記第1の板と係合するように構成された、外側エラストマー部と、
を含む、誘導装置。
(2) 前記誘導装置は、前記第1の板の前記複数の開口のうちの前記選択された1つ内に挿入可能であり、前記装置は、前記誘導装置の過挿入を防止するように動作可能に構成された着底構造体を更に含む、実施態様1に記載の誘導装置。
(3) 前記少なくとも1つの通路を、選択された配向に位置づけるように回転可能である、実施態様1に記載の誘導装置。
(4) 前記外側エラストマー部は、加硫された熱硬化性プラスチック、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料で構成される、実施態様1に記載の誘導装置。
(5) 前記誘導装置の前記本体は複数の面を含み、前記複数の面は前記略近位部及び前記略遠位部を含む、実施態様1に記載の誘導装置。
(6) 前記誘導装置は、前記複数の面のうちの交差する面によって画定された複数の縁部を更に含み、前記複数の縁部のうちの少なくとも一部が前記外側エラストマー部を含む、実施態様5に記載の誘導装置。
(7) 前記外側エラストマー部を含む前記複数の縁部の前記少なくとも一部は、前記本体を構成する硬質材料の上にオーバーモールドされる、実施態様6に記載の誘導装置。
(8) 6つの面及び該面の交点によって画定された12個の縁部を含む立方体である、実施態様6に記載の誘導装置。
(9) 前記本体を通って延びる複数の通路を含む、実施態様6に記載の誘導装置。
(10) 前記複数の通路は、相互に略平行である、実施態様9に記載の誘導装置。
【0080】
(11) 前記複数の通路のうちの1つ以上は、相互に略垂直である、実施態様9に記載の誘導装置。
(12) 前記複数の通路は、中央通路、角部通路、及びオフセンター通路を含み、前記中央通路は、前記角部通路及び前記オフセンター通路と略垂直である、実施態様9に記載の誘導装置。
(13) 前記立方体の前記面は、4つの固体面及び2つの開口面を含む、実施態様8に記載の誘導装置。
(14) 前記2つの開口面は、前記立方体の対向する側に位置し、前記2つの開口面に関連づけられた前記縁部は、前記誘導装置の前記外側エラストマー部を含む、実施態様13に記載の誘導装置。
(15) 格子板内に挿入可能な、患者に対して医療器具を誘導する誘導装置において、
a.複数の面によって画定された本体であって、前記複数の面は、前記複数の面の交点で複数の縁部を画定する、本体と、
b.少なくとも1つの通路であって、前記複数の面のうちの一対の略対向する面から前記本体を通って延び、前記医療器具の少なくとも一部を受容するように構成された、少なくとも1つの通路と、
c.前記複数の縁部のうちの1つ以上の縁部に関連づけられた圧縮性部分であって、前記圧縮性部分は、前記圧縮性部分に加えられた力に応答して体積を減少させるように動作可能に構成された、圧縮性部分と、
を含む、誘導装置。
(16) 前記誘導装置の前記格子板内への過挿入を防止するように動作可能に構成された着底構造体を更に含む、実施態様15に記載の誘導装置。
(17) 前記圧縮性部分は、前記本体の上にオーバーモールドされた第1の材料を含み、前記本体は、第2の材料で事前に形成された、実施態様15に記載の誘導装置。
(18) 前記少なくとも1つの通路を所望の配向に位置づけるように回転可能である、実施態様15に記載の誘導装置。
(19) 前記誘導装置は、複数の誘導穴を含む回転可能な誘導立方体を含み、第1の組の誘導穴は、第1の対の対向面の間で前記本体を貫通して第1の通路を提供し、第2の組の誘導穴は、第2の対の対向面の間で前記本体を貫通して第2の通路を提供する、実施態様18に記載の誘導装置。
(20) 患者に対して医療器具を誘導する方法において、
a.誘導装置の近位部及び遠位部を指定する工程であって、前記誘導装置は少なくとも1つのエラストマーの縁部を有する、工程と、
b.前記患者に隣接して配置可能な板の開口内に前記誘導装置を挿入する工程であって、前記誘導装置の前記遠位部が、先に前記板内に挿入され、前記誘導装置の前記近位部が前記板の近位側から突出し、前記誘導装置の前記少なくとも1つのエラストマーの縁部が、前記挿入する行為に応答して圧縮し、前記圧縮された少なくとも1つのエラストマーの縁部が、前記板の前記開口を画定する内壁に対して拡張する、工程と、
c.前記医療器具の一部を、前記誘導装置の前記近位部から前記誘導装置の前記遠位部まで延びる通路内に挿入する工程と、
を含む、方法。