(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956054
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】ピストンポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 53/10 20060101AFI20160707BHJP
【FI】
F04B53/10 K
F04B53/10 D
【請求項の数】20
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-500834(P2015-500834)
(86)(22)【出願日】2013年3月8日
(65)【公表番号】特表2015-510990(P2015-510990A)
(43)【公表日】2015年4月13日
(86)【国際出願番号】EP2013054766
(87)【国際公開番号】WO2013139629
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2015年6月5日
(31)【優先権主張番号】102012102274.7
(32)【優先日】2012年3月19日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508240177
【氏名又は名称】ビー.ブラウン メルズンゲン アーゲー
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】エーバーハルト,ディートマー
【審査官】
田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭48−000644(JP,B1)
【文献】
特開2002−130589(JP,A)
【文献】
特開2011−017331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 53/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンを有する少なくともひとつのシリンダであって、前記ピストンは、ドライブにより前記シリンダの長軸方向に沿って前記シリンダの内部を移動可能である、シリンダを備える、流体をポンピングするためのピストンポンプであって、それぞれの前記シリンダは、端面において少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジ、かつ、それぞれの前記ピストンと前記載置フランジとの間のシリンダ側面において、前記ピストンが前記シリンダの内部を移動する際に変化する体積を有するチャンバを形成し、前記ピストンポンプは、流体の供給用の入口および排出用の出口を有し、回転可能なバルブプレートが前記載置フランジの側面に配置され、前記側面は前記シリンダから離れる方向を向いており、前記バルブプレートは前記載置フランジと当接し、前記入口および/または前記出口は少なくともひとつの前記載置フランジに取り付けられ、前記載置フランジは前記入口および前記出口の領域内に少なくとも一つの流路を有し、前記流路を通じて前記流体が前記入口および/または前記出口と、前記載置フランジの他方の側面との間を流れ、
前記バルブプレートは少なくとも一つの面において、流体移送手段としてのリセスキャビティを有し、それは対向しない面の方向でブロックされ、それによって、2つの角度位置の間でのバルブプレートの回転に伴い、前記2つの角度位置の各々において、少なくとも一つのシリンダ開口部が入口および/または出口の流路と結合可能であり、
2つの前記載置フランジが与えられ、それらの間に前記バルブプレートが配置され、前記少なくともひとつのシリンダ開口部を有する前記シリンダが前記2つの載置フランジの各々に取り付けられ、前記入口および前記出口が前記2つの載置フランジの一方において一緒に配置されている、ことを特徴とするピストンポンプ。
【請求項2】
ピストンを有する少なくともひとつのシリンダであって、前記ピストンは、ドライブにより前記シリンダの長軸方向に沿って前記シリンダの内部を移動可能である、シリンダを備える、流体をポンピングするためのピストンポンプであって、それぞれの前記シリンダは、端面において少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジ、かつ、それぞれの前記ピストンと前記載置フランジとの間のシリンダ側面において、前記ピストンが前記シリンダの内部を移動する際に変化する体積を有するチャンバを形成し、前記ピストンポンプは、流体の供給用の入口および排出用の出口を有し、回転可能なバルブプレートが前記載置フランジの側面に配置され、前記側面は前記シリンダから離れる方向を向いており、前記バルブプレートは前記載置フランジと当接し、前記入口および/または前記出口は少なくともひとつの前記載置フランジに取り付けられ、前記載置フランジは前記入口および前記出口の領域内に少なくとも一つの流路を有し、前記流路を通じて前記流体が前記入口および/または前記出口と、前記載置フランジの他方の側面との間を流れ、
前記バルブプレートは少なくとも一つの面において、流体移送手段としてのリセスキャビティを有し、それは対向しない面の方向でブロックされ、それによって、2つの角度位置の間でのバルブプレートの回転に伴い、前記2つの角度位置の各々において、少なくとも一つのシリンダ開口部が入口および/または出口の流路と結合可能であり、
少なくとも第3の角度位置まで前記バルブプレートが回転すると、前記バルブプレートの前記流体移送手段は前記シリンダ開口部を前記入口および/または前記出口の前記流路と結合せず、
2つの前記載置フランジが与えられ、それらの間に前記バルブプレートが配置され、前記少なくともひとつのシリンダ開口部を有する前記シリンダが前記2つの載置フランジの各々に取り付けられ、前記入口および前記出口が前記2つの載置フランジの一方において一緒に配置されている、ことを特徴とするピストンポンプ。
【請求項3】
ピストンを有する少なくともひとつのシリンダであって、前記ピストンは、ドライブにより前記シリンダの長軸方向に沿って前記シリンダの内部を移動可能である、シリンダを備える、流体をポンピングするためのピストンポンプであって、それぞれの前記シリンダは、端面において少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジ、かつ、それぞれの前記ピストンと前記載置フランジとの間のシリンダ側面において、前記ピストンが前記シリンダの内部を移動する際に変化する体積を有するチャンバを形成し、前記ピストンポンプは、流体の供給用の入口および排出用の出口を有し、回転可能なバルブプレートが前記載置フランジの側面に配置され、前記側面は前記シリンダから離れる方向を向いており、前記バルブプレートは前記載置フランジと当接し、前記入口および/または前記出口は少なくともひとつの前記載置フランジに取り付けられ、前記載置フランジは前記入口および前記出口の領域内に少なくとも一つの流路を有し、前記流路を通じて前記流体が前記入口および/または前記出口と、前記載置フランジの他方の側面との間を流れ、
前記バルブプレートは少なくとも一つの面において、流体移送手段としてのリセスキャビティを有し、それは対向しない面の方向でブロックされ、それによって、2つの角度位置の間でのバルブプレートの回転に伴い、前記2つの角度位置の各々において、少なくとも一つのシリンダ開口部が入口および/または出口の流路と結合可能であり、
前記入口および/または前記出口は少なくとも一つの前記シリンダの方向に沿って設けられており、
2つの前記載置フランジが与えられ、それらの間に前記バルブプレートが配置され、前記少なくともひとつのシリンダ開口部を有する前記シリンダが前記2つの載置フランジの各々に取り付けられ、前記入口および前記出口が前記2つの載置フランジの一方において一緒に配置されている、ことを特徴とするピストンポンプ。
【請求項4】
ピストンを有する少なくともひとつのシリンダであって、前記ピストンは、ドライブにより前記シリンダの長軸方向に沿って前記シリンダの内部を移動可能である、シリンダを備える、流体をポンピングするためのピストンポンプであって、それぞれの前記シリンダは、端面において少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジ、かつ、それぞれの前記ピストンと前記載置フランジとの間のシリンダ側面において、前記ピストンが前記シリンダの内部を移動する際に変化する体積を有するチャンバを形成し、前記ピストンポンプは、流体の供給用の入口および排出用の出口を有し、回転可能なバルブプレートが前記載置フランジの側面に配置され、前記側面は前記シリンダから離れる方向を向いており、前記バルブプレートは前記載置フランジと当接し、前記入口および/または前記出口は少なくともひとつの前記載置フランジに取り付けられ、前記載置フランジは前記入口および前記出口の領域内に少なくとも一つの流路を有し、前記流路を通じて前記流体が前記入口および/または前記出口と、前記載置フランジの他方の側面との間を流れ、
前記バルブプレートは少なくとも一つの面において、流体移送手段としてのリセスキャビティを有し、それは対向しない面の方向でブロックされ、それによって、2つの角度位置の間でのバルブプレートの回転に伴い、前記2つの角度位置の各々において、少なくとも一つのシリンダ開口部が入口および/または出口の流路と結合可能であり、
少なくとも第3の角度位置まで前記バルブプレートが回転すると、前記バルブプレートの前記流体移送手段は前記シリンダ開口部を前記入口および/または前記出口の前記流路と結合せず、
前記入口および/または前記出口は少なくとも一つの前記シリンダの方向に沿って設けられており、
2つの前記載置フランジが与えられ、それらの間に前記バルブプレートが配置され、前記少なくともひとつのシリンダ開口部を有する前記シリンダが前記2つの載置フランジの各々に取り付けられ、前記入口および前記出口が前記2つの載置フランジの一方において一緒に配置されている、ことを特徴とするピストンポンプ。
【請求項5】
ピストンを有する少なくともひとつのシリンダであって、前記ピストンは、ドライブにより前記シリンダの長軸方向に沿って前記シリンダの内部を移動可能である、シリンダを備える、流体をポンピングするためのピストンポンプであって、それぞれの前記シリンダは、端面において少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジ、かつ、それぞれの前記ピストンと前記載置フランジとの間のシリンダ側面において、前記ピストンが前記シリンダの内部を移動する際に変化する体積を有するチャンバを形成し、前記ピストンポンプは、流体の供給用の入口および排出用の出口を有し、回転可能なバルブプレートが前記載置フランジの側面に配置され、前記側面は前記シリンダから離れる方向を向いており、前記バルブプレートは前記載置フランジと当接し、前記入口および/または前記出口は少なくともひとつの前記載置フランジに取り付けられ、前記載置フランジは前記入口および前記出口の領域内に少なくとも一つの流路を有し、前記流路を通じて前記流体が前記入口および/または前記出口と、前記載置フランジの他方の側面との間を流れ、
前記バルブプレートは少なくとも一つの面において、流体移送手段としてのリセスキャビティを有し、それは対向しない面の方向でブロックされ、それによって、2つの角度位置の間でのバルブプレートの回転に伴い、前記2つの角度位置の各々において、少なくとも一つのシリンダ開口部が入口および/または出口の流路と結合可能であり、
2つの前記載置フランジが与えられ、それらの間に前記バルブプレートが配置され、それぞれの前記シリンダは前記少なくともひとつのシリンダ開口部を有し、前記入口または前記出口ポートが前記載置フランジの両方にそれぞれ取り付けられている、ことを特徴とするピストンポンプ。
【請求項6】
ピストンを有する少なくともひとつのシリンダであって、前記ピストンは、ドライブにより前記シリンダの長軸方向に沿って前記シリンダの内部を移動可能である、シリンダを備える、流体をポンピングするためのピストンポンプであって、それぞれの前記シリンダは、端面において少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジ、かつ、それぞれの前記ピストンと前記載置フランジとの間のシリンダ側面において、前記ピストンが前記シリンダの内部を移動する際に変化する体積を有するチャンバを形成し、前記ピストンポンプは、流体の供給用の入口および排出用の出口を有し、回転可能なバルブプレートが前記載置フランジの側面に配置され、前記側面は前記シリンダから離れる方向を向いており、前記バルブプレートは前記載置フランジと当接し、前記入口および/または前記出口は少なくともひとつの前記載置フランジに取り付けられ、前記載置フランジは前記入口および前記出口の領域内に少なくとも一つの流路を有し、前記流路を通じて前記流体が前記入口および/または前記出口と、前記載置フランジの他方の側面との間を流れ、
前記バルブプレートは少なくとも一つの面において、流体移送手段としてのリセスキャビティを有し、それは対向しない面の方向でブロックされ、それによって、2つの角度位置の間でのバルブプレートの回転に伴い、前記2つの角度位置の各々において、少なくとも一つのシリンダ開口部が入口および/または出口の流路と結合可能であり、
少なくとも第3の角度位置まで前記バルブプレートが回転すると、前記バルブプレートの前記流体移送手段は前記シリンダ開口部を前記入口および/または前記出口の前記流路と結合せず、
2つの前記載置フランジが与えられ、それらの間に前記バルブプレートが配置され、それぞれの前記シリンダは前記少なくともひとつのシリンダ開口部を有し、前記入口または前記出口ポートが前記載置フランジの両方にそれぞれ取り付けられている、ことを特徴とするピストンポンプ。
【請求項7】
ピストンを有する少なくともひとつのシリンダであって、前記ピストンは、ドライブにより前記シリンダの長軸方向に沿って前記シリンダの内部を移動可能である、シリンダを備える、流体をポンピングするためのピストンポンプであって、それぞれの前記シリンダは、端面において少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジ、かつ、それぞれの前記ピストンと前記載置フランジとの間のシリンダ側面において、前記ピストンが前記シリンダの内部を移動する際に変化する体積を有するチャンバを形成し、前記ピストンポンプは、流体の供給用の入口および排出用の出口を有し、回転可能なバルブプレートが前記載置フランジの側面に配置され、前記側面は前記シリンダから離れる方向を向いており、前記バルブプレートは前記載置フランジと当接し、前記入口および/または前記出口は少なくともひとつの前記載置フランジに取り付けられ、前記載置フランジは前記入口および前記出口の領域内に少なくとも一つの流路を有し、前記流路を通じて前記流体が前記入口および/または前記出口と、前記載置フランジの他方の側面との間を流れ、
前記バルブプレートは少なくとも一つの面において、流体移送手段としてのリセスキャビティを有し、それは対向しない面の方向でブロックされ、それによって、2つの角度位置の間でのバルブプレートの回転に伴い、前記2つの角度位置の各々において、少なくとも一つのシリンダ開口部が入口および/または出口の流路と結合可能であり、
前記入口および/または前記出口は少なくとも一つの前記シリンダの方向に沿って設けられており、
2つの前記載置フランジが与えられ、それらの間に前記バルブプレートが配置され、それぞれの前記シリンダは前記少なくともひとつのシリンダ開口部を有し、前記入口または前記出口ポートが前記載置フランジの両方にそれぞれ取り付けられている、ことを特徴とするピストンポンプ。
【請求項8】
ピストンを有する少なくともひとつのシリンダであって、前記ピストンは、ドライブにより前記シリンダの長軸方向に沿って前記シリンダの内部を移動可能である、シリンダを備える、流体をポンピングするためのピストンポンプであって、それぞれの前記シリンダは、端面において少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジ、かつ、それぞれの前記ピストンと前記載置フランジとの間のシリンダ側面において、前記ピストンが前記シリンダの内部を移動する際に変化する体積を有するチャンバを形成し、前記ピストンポンプは、流体の供給用の入口および排出用の出口を有し、回転可能なバルブプレートが前記載置フランジの側面に配置され、前記側面は前記シリンダから離れる方向を向いており、前記バルブプレートは前記載置フランジと当接し、前記入口および/または前記出口は少なくともひとつの前記載置フランジに取り付けられ、前記載置フランジは前記入口および前記出口の領域内に少なくとも一つの流路を有し、前記流路を通じて前記流体が前記入口および/または前記出口と、前記載置フランジの他方の側面との間を流れ、
前記バルブプレートは少なくとも一つの面において、流体移送手段としてのリセスキャビティを有し、それは対向しない面の方向でブロックされ、それによって、2つの角度位置の間でのバルブプレートの回転に伴い、前記2つの角度位置の各々において、少なくとも一つのシリンダ開口部が入口および/または出口の流路と結合可能であり、
少なくとも第3の角度位置まで前記バルブプレートが回転すると、前記バルブプレートの前記流体移送手段は前記シリンダ開口部を前記入口および/または前記出口の前記流路と結合せず、
前記入口および/または前記出口は少なくとも一つの前記シリンダの方向に沿って設けられており、
2つの前記載置フランジが与えられ、それらの間に前記バルブプレートが配置され、それぞれの前記シリンダは前記少なくともひとつのシリンダ開口部を有し、前記入口または前記出口ポートが前記載置フランジの両方にそれぞれ取り付けられている、ことを特徴とするピストンポンプ。
【請求項9】
前記少なくともひとつのキャビティが前記バルブプレートの表面に凹んで形成され、前記表面は前記入口および/または前記出口を有する前記載置フランジと対向し、前記バルブプレートを回転させることにより、前記シリンダ開口部および、前記入口および前記出口の流路と同時に一致するように、前記キャビティが構成される、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のピストンポンプ。
【請求項10】
前記少なくともひとつのキャビティは前記バルブプレートの表面に凹んで形成され、前記表面は前記入口および/または前記出口を有する前記載置フランジと対向し、前記バルブプレートを通じて前記キャビティから伸長する流路チャネルをさらに備え、前記キャビティおよび前記流路チャネルは、前記バルブプレートを回転させることにより、前記シリンダ開口部および、対向して配置される前記入口および前記出口の前記流路と同時に一致するように構成される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のピストンポンプ。
【請求項11】
閉塞センサが前記入口および/または前記出口に一体化され、前記閉塞センサは非破壊的に分離不能である、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のピストンポンプ。
【請求項12】
少なくともひとつのリセスが前記入口および/または前記出口に設けられ、前記リセスは圧力検知材料からなるセンサーコンポーネントによってきつく覆われ、前記入口および/または前記出口の材料は、前記センサーコンポーネントの前記圧力検知材料よりも硬く、前記ピストンポンプは、前記リセス領域内の前記センサーコンポーネントの誘起圧力の変化を測定可能なフォースセンサを有する、ことを特徴とする請求項11に記載のピストンポンプ。
【請求項13】
前記センサーコンポーネントはチューブであり、かつ、内側または外側からそれぞれのリセスをきつく覆うように前記入口および/または前記出口に取り付けられている、ことを特徴とする請求項12に記載のピストンポンプ。
【請求項14】
前記入口および/または前記出口の内部の気泡を検出するために、超音波センサが前記入口および/または前記出口に一体化されており、前記超音波センサは、非破壊的に分離不能である、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のピストンポンプ。
【請求項15】
前記入口および/または前記出口の内側面を、前記センサーコンポーネントと当接させる形状固定子を有し、前記入口および/または前記出口の内側にはチューブが挿入され、それを通じて、前記流体が前記入口へ供給され、または前記出口から放出され、付加的な超音波センサの複数の脱着面は、関連する前記入口および/または前記出口の両面側において、前記チューブの領域内に設けられる、ことを特徴とする請求項14に記載のピストンポンプ。
【請求項16】
前記複数の脱着面は同一面上にあるように形成される、ことを特徴とする請求項15に記載のピストンポンプ。
【請求項17】
前記入口および/または前記出口は少なくとも一つの他のリセスを有する、ことを特徴とする請求項16に記載のピストンポンプ。
【請求項18】
ピストンを有する少なくともひとつのシリンダであって、前記ピストンは、ドライブにより前記シリンダの長軸方向に沿って前記シリンダの内部を移動可能である、シリンダを備える、流体をポンピングするためのピストンポンプであって、それぞれの前記シリンダは、端面において少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジ、かつ、それぞれの前記ピストンと前記載置フランジとの間のシリンダ側面において、前記ピストンが前記シリンダの内部を移動する際に変化する体積を有するチャンバを形成し、前記ピストンポンプは、流体の供給用の入口および排出用の出口を有し、前記入口および前記出口は前記シリンダの方向にのみ伸長し、回転可能なバルブプレートが前記載置フランジの側面に配置され、前記側面は前記シリンダから離れる方向を向いており、前記バルブプレートは前記載置フランジと当接し、前記入口および/または前記出口は少なくともひとつの前記載置フランジに取り付けられ、前記載置フランジは前記入口および前記出口の領域内に少なくとも一つの流路を有し、前記流路を通じて前記流体が前記入口および/または前記出口と、前記載置フランジの他方の側面との間を流れ、
前記バルブプレートは少なくとも一つの面において、流体移送手段としてのリセスキャビティを有し、それは対向しない面の方向でブロックされ、それによって、2つの角度位置の間でのバルブプレートの回転に伴い、前記2つの角度位置の各々において、少なくとも一つのシリンダ開口部が入口および/または出口の流路と結合可能である、ことを特徴とするピストンポンプ。
【請求項19】
少なくとも第3の角度位置まで前記バルブプレートが回転すると、前記バルブプレートの前記流体移送手段は前記シリンダ開口部を前記入口および/または前記出口の前記流路と結合しない、ことを特徴とする請求項18に記載のピストンポンプ。
【請求項20】
前記入口および/または前記出口は少なくとも一つの前記シリンダの方向に沿って設けられている、ことを特徴とする請求項18または19に記載のピストンポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、流体をポンピングするためのピストンポンプに関する。当該ピストンポンプは、シリンダの内部をドライブによって当該シリンダの長軸方向に沿って移動するピストンを有する少なくともひとつのシリンダであって、それぞれのシリンダが端面において少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジを有するシリンダと、関連ピストンがシリンダ内部を移動する際に体積が変化するチャンバであって、それぞれのピストンと載置フランジとの間のシリンダ側面に形成されたチャンバとを有する。また、当該ピストンポンプは流体を供給するための入口および流体を排出するための出口を有する。
【背景技術】
【0002】
このようなピストンポンプは、医療用注入技術での使用に特に適している。主に、チューブポンプおよび噴射ポンプが現在使用されている。大量の流体を投与しなければならない場合には、とりわけ蠕動原理によって動作するチューブポンプが使用される。大量の流体の供給は、例えば、注入バッグによって行われる。噴射ポンプの場合、注入ボディを通過する分配体積は制限され、概して、50ml未満である。いくつかのモデルでは、100mlまでの液体を供給することが可能である。
【0003】
蠕動原理に従うチューブポンプは広範に使用されており、歩きながらの人口栄養の摂取にも使用されている。ポンプ原理のために、それらの分配精度は注入ポンプより悪い。一方、周期的に動作するピストンポンプは、注射ポンプと同様に非常に高い精度を有し、蠕動ポンプと同様に交換可能な格納タンクから液体を吸引し、排出することができる。
【0004】
医療用注入技術用のピストンポンプは、例えば、米国特許第7,887,308号に記載されている。このポンプは、径方向に互いに対向して配置された入口および出口を含む円筒ハウジングを有する。ハウジング内部においてピストンは、ハウジングの長軸方向に沿って移動すると同時にこの長軸方向の周りに回転するように、当該ハウジングに取り付けられたローターによって双方向に移動する。この移動によって、ピストン内部のチャネルが切り替わり、それぞれ入口および出口に結合され、測定された量の流体が運ばれる。他の例において、2つの同軸ピストンが設けられ、両者はハウジング内部をこのハウジングの長軸方向に沿って移動し、ハウジング内に体積可変のチャンバを形成している。2つのピストンの間にバルブプレートが配置され、入口および出口が互いに対向してバルブプレートに組み込まれている。バルブプレートはそれに取り付けられたローターによって双方向に移動可能であり、ハウジングは、ピストンの長軸方向に沿って前方および後方に移動する。同時に、バルブプレート内のチャネルは、長軸の周りのバルブプレートの回転によって交互に覆われ、シリンダチャンバは入口および出口と交互に結合される。これによって、ポンプは連続的にポンピング動作が可能となる。入口および出口は往復運動するバルブプレートに取り付けられているため、結合したチューブはポンピング動作と一緒に移動する。それにより、ポンプ部品が大きく動き、好ましくない。特に、これは非常に大きな機能的スペースを必要とし、とりわけポンプのコンパクトな構造を妨げる。
【0005】
周期的に動作するピストンポンプによれば、大量の分配容積においても、高い分配精度を達成することが可能である。しかし、このようなピストンポンプおよび他のコンポーネントを非常にコンパクトに形成することがしばしば所望される。例えば、家庭介護の分野における医療用使い捨て物品および/または注入技術を扱う場合、交換可能な注入容器用のポンプが患者、不慣れな家族またはヘルパーによって、容易に結合できなければならない。付加的なコンポーネントと一緒にポンプ全体をカセットタイプで収容することが有利である。これらの付加的コンポーネントには、閉塞および気泡を検出するための特定のセンサーシステムが含まれる。
【0006】
閉塞の検出は、流体を供給するために機能するチューブ内の内圧を直接測定することによって実行される。閉塞が存在する場合、ポンプの下流側のチューブの内圧が増加し、それが直接観測可能である。チューブの円形断面はバイアス力によって楕円形に変形し、決定されるべきチューブの内圧はこのバイアス力を増減し、フォースセンサによって決定される。DE3838689C1にはこのような圧力測定および閉塞検出の方法が開示されている。
【0007】
この方法は、チューブの変形が数時間持続するクリーププロセスを導くという欠点を有する。このクリープはチューブ断面内のテンションを解放し、それが測定される力の連続的な変化をもたらす。クリープに生じる不所望な力の変化は、チューブの内圧の変化による所望の測定結果と類似のオーダである。したがって、信頼できる閉塞検出が妨げられる。シリコンのような特別のエラストマーは有意に減少したクリープ特性を有し、閉塞センサ用のチューブセグメントとして予め形成される。プロセス安定な接着ジョイントは不可能のため、シリコンと非シリコン材料との組み合わせは非常にコストが高い。
【0008】
また、医療用注入セットおよび透析応用において気泡の検出は重要である。しばしば気泡は測定すべきチューブ片の両側に音的に結合された超音波トランスミッタおよびレシーバを介して認識される。しかし、超音波コンポーネントと流体充填チューブとの間に存在する気泡を、チューブの空気充満部分から区別することは測量的に不可能である。したがって、チューブ片は、2つの超音波コンポーネントの間の特別のサポートによって手動で押しつけられ、それに対応して変形し、その結果、気泡が回避される可能性が上がる。
【0009】
従来、ポンプ内にチューブセットを挿入する場合、個々のセンサに応答可能なチューブセグメントは特定のサポート内に手で挿入されなければならなかった。それは家庭介護の分野に限らず問題である。関連技術として、米国特許公開公報第US2008/0294040A1、US2011/0021990A1、および、米国特許第US4854836Aが上げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本願発明の目的は、コンパクトな構成で、かつ、ポンピング機能および、閉塞センサおよび超音波センサのような付加的コンポーネントの両方を簡単に扱うことができるピストンポンプを与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明に従い、この目的は、独立項1にかかるピストンポンプによって達成される。ピストンポンプの付加的な利点は従属項2−15にかかるピストンポンプによって達成される。
【0012】
本願発明にしたがうピストンポンプは流体をポンピングするよう機能し、シリンダの内部をドライブによってシリンダの長軸方向に沿って移動可能なピストンを有する少なくともひとつのシリンダを含む。各シリンダは端面において、少なくともひとつのシリンダ開口部を有する載置フランジを有し、それぞれのピストンと載置フランジとの間のシリンダ側面においてシリンダ内を関連するピストンが移動するとき体積が変化するチャンバを形成する。また、ピストンポンプは流体を供給するための入口および流体を排出するための出口を有する。
【0013】
本願発明にしたがって、回転可能なバルブプレートが載置フランジの側面に配置される。その側面はシリンダから離れる方向を向いており、バルブプレートはそれぞれの載置フランジと当接する。本願発明において、これは、主面または上面を有する例えば円筒形状のバルブプレートが載置フランジと当接することを意味する。バルブプレートの回転軸はピストンの動作方向と好適に平行に設けられるが、平行からのずれも本願発明によってカバーされる。バルブプレートの回転軸は移動方向にのみ設けられても良い。平行からのずれは例えば、1°〜20°のオーダであってよいが、これに限定されない。
【0014】
入口および/または出口は少なくともひとつの載置フランジに取り付けられる。載置フランジは入口および出口の領域内に少なくともひとつの流路をそれぞれ有する。その流路を通じて流体が入口および/または出口と載置フランジの他方側との間を流れる。バルブ機能に対して、バルブプレートは流体移送手段を有し、それによって、2つの角度位置の間でバルブプレートが回転するにともない、2つの角度位置のそれぞれにおいて、少なくともひとつのシリンダ開口部が入口および/または出口の流路を結合される。
【0015】
入口および出口は動かず、バルブプレートの回転移動と独立である。こうして、可動パーツを有する他のポンプと比べてスペースを節約することができる。また、ピストンポンプの組み立ては明確に単純となり、ポートからチューブへの結合はポートの移動によって妨害されることもない。したがって、バルブプレートの回転移動がシリンダのピストンの往復運動に結合され、その結果ピストン位置に応じてバルブが機能するようになる。
【0016】
本願発明のひとつの態様において、少なくとも第3の角度位置までのバルブプレートの回転の際、流体移送手段は、シリンダ開口部を入口および/または出口と結合しない。この角度位置において、シリンダ、または、入口および/または出口はバルブプレートによって完全にブロックされる。
【0017】
入口および/または出口の各々は、少なくとも一つのシリンダの方向に好適に設けられる。さらに、入口および/または出口の各々が、少なくとも一つのシリンダと平行に設けられるが、平行からわずかにずれた態様も本願発明に含まれる。このずれは、1°〜20°のオーダであってよいが、これに限定されない。したがって、バルブプレートの軸線もまた少なくとも一つのシリンダの軸線に対して平行またはその方向に伸長する。これら両方が個別にまたは組み合わされることによって、ピストンポンプの特にコンパクトな構造な達成される。
【0018】
ピストンポンプは単一ピストンポンプとして実行される。個別のシリンダおよび入口および出口は、共通の載置フランジに配置される。本願発明の他の態様において、ピストンポンプは複数ピストンポンプとして実行される。それによって、中断のない分配が達成される。さらに、2つの載置フランジが設けられ、それらの間にバルブプレートが配置される。少なくともひとつのシリンダ開口部を有するシリンダは両方のフランジにそれぞれ取り付けられ、入口および出口は2つの載置フランジの一方において一緒に配置される。この複数ピストンポンプの他の態様において、入口または出口がそれぞれの載置フランジに取り付けられる。よって、各載置フランジにおいて、シリンダおよびひとつのポートがそれぞれ配置される。
【0019】
シリンダ開口部とポートへの流路との結合を実現させるために、流体移送手段はさまざまな方法によって実行される。例えば、流体移送手段はバルブプレートの面に凹んで形成された少なくともひとつのキャビティを有してよい。その表面は、入口および/または出口を有する載置フランジに対向する。キャビティはバルブプレートを回転することによって、シリンダ開口部および、入口および/または出口の流路とそれぞれ同時に一致することができるように構成されている。この流体移送手段はフランジ側面の流体をバルブプレートの側面に移送するように機能し、バルブプレート内にリセス形状のチャネルによって適宜形成される。
【0020】
しかし流体移送手段は、入口および/または出口を有する載置フランジと対向するバルブプレートの表面で凹んで形成され、バルブプレートを通じてこれから伸長する流路チャネルを形成する、少なくともひとつのキャビティを有してよい。この場合、キャビティおよび関連する流路チャネルは、バルブプレートの回転によって、それらがシリンダ開口部および対向して配置される入口および/または出口の流路と同時に一致することができるように構成される。したがって、流体移送手段は、バルブプレートを通じて流体を移送することができる。
【0021】
流体移送手段の変形例が、選択的にまたは組み合わせて使用されてもよい。その選択は、ピストンポンプの選択した態様に本質的に依存する。例えば、シリンダの側面に入口および出口を有する単一ピストンポンプの場合、バルブプレートを通じた流体移送は要求されない。その結果、バルブ機能を実行するために、バルブプレートの側面における単純なキャビティは、流体移送手段として十分である。シリンダおよび/または入口および出口がバルブプレートの2つの対向側に配置された2つの載置フランジに配置されるとき、バルブプレートを通じて流体が移送可能となるように、流路チャネルを有する流体移送手段が要求される。
【0022】
付加的に、閉塞センサがピストンポンプの入口および/または出口に一体化されてもよい。閉塞センサは非破壊的に分離不能である。例えば、付加的に少なくともひとつのリセスが入口および/または出口に設けられ、圧力検知材料からなるセンサーコンポーネントによってきつく覆われる。それによって、入口および/または出口の材料はセンサーコンポーネントの材料よりも硬くなる、ピストンポンプはそれぞれのリセス領域内でセンサーコンポーネント誘起圧力変化を測定するフォースセンサを有する。
【0023】
本願発明は、圧力膜の動作原理を使用するが、別々のエレメントとして使用するのではなく、ハード材料の一部に対応するセンサーコンポーネントを一体化する。それを通じて、流体が分配される。したがって、一体化される閉塞センサの機械的センサーコンポーネントは、流体中の圧力を測定する原理に従い、圧力膜と物理的に類似の性質を有する弾性材料によって実現される。一方で、ソフトコンポーネントとしてセンサーコンポーネントの変形が生じるため、ポートの内圧が決定される。
【0024】
閉塞センサはスペースを節約するために、ハードなポート内に直接一体化されてもよい。それによって非常にコンパクトなデザインとなる。ポートは、流体をポンプへまたはポンプから患者へ注入する入口および/または出口であってもよい。ハウジング内でポンプとともにコンパクトに収容されるように、関連ポートは適当に配置される。このポートにおいて閉塞センサはより大きなスペースを要求しない。
【0025】
インストールする必要がなく、かつ、装置の試運転中にアライメントする必要がなくなるように、センサーコンポーネントは一体的であり、かつ、入口および/または出口の除去不能な部分である。これにより、装置の取り扱いが容易となり、セットアップエラーおよび測定エラーを回避できる。
【0026】
好適には、フォースセンサが、リセス領域内で、センサーコンポーネントの面と接触している。フォースセンサはリセス領域内でセンサーコンポーネントの面と接触する、例えばプランジャを有する。ここでこの領域内でのセンサーコンポーネントの拡張の変化が測定される。
【0027】
また、センサーコンポーネントはエラストマーから形成される。特に、シリコンまたは熱弾性エラストマーが好ましい。低いクリープ特性を有するこの特定のエラストマーの物理的性質は有利に利用される。射出成形法のような適当な方法がポートとセンサーコンポーネントとの間のシール接続で使用可能であるため、シリコンおよび非シリコン材料の形状固定結合は必要ではない。ポートおよびセンサーコンポーネントは2コンポーネントプロセスによって製造されてもよい。代替的に、ポートとセンサーコンポーネントとの間の結合は、他の結合技術によって製造されてもよい。例えば、プラグイン、クリック、ねじまたは接着ジョイントなどが可能である。
【0028】
閉塞センサのひとつの態様において、センサーコンポーネントは外側からリセスをきつく覆う形状固定子によりポートを包囲するチューブである。他の態様において、チューブはセンサーコンポーネントが内側から対応するリセスを覆うように、形状固定子によってポートの内側に取り付けられる。ポートおよびセンサーコンポーネントは類似または同じ断面を有する。例えば、円形断面を有するチューブが、円形ポート内に形状固定子によって導入されるか、または、それを包囲する。センサーコンポーネントはチューブでなくてもよく、リセスを覆う適当な任意の形状であってよい。
【0029】
しかし、センサーコンポーネントが楕円断面を有するのが好ましい。センサーコンポーネントの平坦側面がリセスの領域内に配置される。これは、内側センサーコンポーネントおよび外側センサーコンポーネントの場合に有効である。ポートの断面は対応して調節されなければならない。ソフトコンポーネントの形状によって、センサーコンポーネントはすでに内圧測定に必要な楕円変形を有する。その結果、熱プラスチックエラストマーによる不所望なクリープ特性は最大限に防止されている。
【0030】
楕円断面は、最初に円形の断面を有するチューブが入口および/または出口に組み立てられる前に適宜変形されることによって達成可能である。変形はその後のアセンブリを通じて為されることはなく、不所望なクリープ特性を防止するために所望の楕円断面になるまで、チューブを前もって変形させるだけでよい。
【0031】
閉塞センサの他の態様において、センサーコンポーネントは少なくとも2つの対向配置される膜側面を含む断面を有する特定形状の測定膜である。各々の側面は内側に屈曲しており、その上面は2つの膜側面を互いに接続する直線面に形成され、リセスの領域内に配置されている。フォースセンサは内部応力によってもはや変形されない測定膜の直線面上に載置されており、その結果、力の線形関係が得られる。
【0032】
さらに、それぞれのポート内の気泡を検出するための超音波センサが入口および/または出口にそれぞれ一体化されてもよい。超音波センサは非破壊的に分離不能である。本願発明のひとつの態様において、超音波センサは、入口および/または出口内で形状固定子によって挿入されたチューブとして実行される。当該チューブを通じて流体が入口へ供給され、当該チューブを通じて流体が出口から排出される。超音波センサの脱着用の面はチューブ領域内の関連する入口および/または出口の2つの側面に設けられる。超音波センサの着脱用の面は平坦に作成されるが、超音波センサの形状に適合して異なる形状を有してもよい。
【0033】
入口および/または出口はこれらの面がひとつの平面に存在するように形成されるのが好ましい。また、入口および/または出口を、試験すべきチューブ片を通過する超音波経路の短絡パスを防止するためにリセスを有するように構成することが実際的である。本願発明のひとつの態様において、このリセスは超音波センサの脱着面に対向して配置されている。しかし、リセスは任意に配置されてよい。複数のリセスがこの目的のために用いられても良い。
【0034】
本願発明に従うピストンポンプの応用分野は、点滴または透析システムなどの医療用使い捨て品、または、薬剤分野の薬の個人注入用の使い捨てデバイスである。上述した構成は医療用注入セットに一体化されてよく、分配に必要な蠕動セグメントと交換可能である。医療装置は、純粋なポンピング機能に加え、ピストンポンプに一体化されてもよい。その場合、医用装置は閉塞または気泡を検出するような流体センサの機械的部品を形成し、外部の電気センサーコンポーネントに対する単純な機械的インターフェースを構成する。ポート内にセンサーコンポーネントを実装することにより、閉塞センサに対して重要な圧力測定セグメントを置き換えることもできる。潜在的な気泡を認識可能な超音波センサに対する光学インターフェースによって、ポンプ−センサユニットのコンパクトなカセットシステムが達成される。
【0035】
医療用センサーコンポーネントは、高価な載置またはアセンブリ技術によってポンプモジュール内で個別のコンポーネントとして配置されなくとも良く、むしろ一体的かつ除去不能なポンプのコンポーネントを形成する。この目的のために、インテリジェントな配置および機械的デザインが見いだされ、それは経済的な製造技術、特に、複数コンポーネント射出成形技術を考慮する。ポンプ自身は、周期的に動作するピストンポンプによって実現され、高い分配精度の利点およびひとつの供給バッグから分配する能力を合わせもつことができる。
【0036】
本願発明のさらなる利点、特徴および応用は、図面を参照して説明される以下の好適実施形態の詳細な説明によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1A】
図1Aは、排出プロセス中の単一ピストンポンプとしてのピストンポンプの第1実施形態の動作原理を説明する概略図である。
【
図2A】
図2Aは、第1のピストン位置における、一方側に入口および出口を有する複数ピストンポンプとしてのピストンポンプの第2実施形態の動作原理を説明する概略図である。
【
図3A】
図3Aは、第1のピストン位置における、両側に入口および出口を有する複数ピストンポンプとしてのピストンポンプの第3実施形態の動作原理を説明する概略図である。
【
図4A】
図4Aは、一方側に入口および出口を有する複数ピストンポンプ用のバルブプレートを有する第1フランジの概略図である。
【
図4B】
図4Bは、一方側に入口および出口を有する複数ピストンポンプ用のバルブプレートを有する第2フランジの概略図である。
【
図5A】
図5Aは、吸引処理中に、第1シリンダの側面に入口および出口を有する複数ピストンポンプ用のバルブプレートの動作原理を説明する概略図である。
【
図5B】
図5Bは、第2のシリンダに対して排出処理中の
図5Aに従う複数ピストンポンプ用のバルブプレートの動作原理を説明する概略図である。
【
図6A】
図6Aは、第1のシリンダに対して排出処理中の
図5Aに従うバルブプレートの動作原理を説明する概略図である。
【
図6B】
図6Bは、第2のシリンダに対して吸引動作中の
図5Bに従うバルブプレートの動作原理を説明する概略図である。
【
図7】
図7は外側に配置されたセンサーコンポーネントを有するポートを通じる長手方向断面図である。
【
図9】
図9は、内側に配置されたセンサーコンポーネントを有するポートを通じる長手方向断面図である。
【
図12】
図12は内側に配置されたセンサーコンポーネントを有するポートを通じる断面図である。
【
図13】
図13は内側に配置されたセンサーコンポーネントおよび超音波センサを有するポートを通じる長手方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1Aおよび
図1Bは、本願発明にかかる単一ピストンポンプ型のピストンポンプの実施形態を概略的に示す。
図1Aは、排出処理中のピストンポンプを示し、
図1Bは吸引処理中のピストンポンプを示す。ピストン16および対応する供給されるべき流体の動きは、それぞれの矢印によって吸引および排出として示されている。
【0039】
図1Aおよび
図1Bの略示図はピストンポンプを通じた直線部分を示さず、ポンピング処理中の流体の主経路のみを示す。図示されたシリンダ、ポートおよび開口部は平面を通じた断面でなくてもよく、異なる面上に配置されてもよい。同様のことが
図2A、
図2B、
図3A、
図3Bに対しても言える。オフセット面上のシリンダ、ポートおよび開口部の例は、
図4Aおよび
図4Bから明らかである。
【0040】
図1Aおよび
図1Bに記載の単一ピストンポンプ10の場合、シリンダ11を有する第1フランジ14が設けられ、その内部に、ピストン16が可動状態で組み込まれる。端面においてシリンダ11の外周を包囲するだけでなく、他のコンポーネントがこの載置フランジに取り付けられるため、このフランジ14は載置フランジとも呼ばれる。特に、入口12および出口13がフランジ14に取り付けられる。シリンダ11は入口12と出口13との間に配置されるのが好ましい。シリンダ11の長手軸および入口12および出口13は、互いに対して本質的に平行である。ドライブ(図示せず)によって生じるシリンダ11内でのピストン16の移動によって、可変体積を有するチャンバ23は、フランジ14とピストン16との間のシリンダ側面に形成されている。シリンダ11の端面の領域において、少なくともひとつのシリンダ開口部がフランジ14内に設けられ、ピストン16が動いたとき、それを通じて流体がシリンダ11とフランジ14の他の側面との間を流れる。
【0041】
図示された実施形態において、2つのシリンダ開口部30、31がそれぞれのシリンダ11に設けられている。また流路34、35がフランジ14内のそれぞれのポート12、13に設けられており、それを通じて流体はそれぞれのポートとフランジ14の他の側面との間を流れる。
【0042】
ポンプ10の吸引および排出機能の切り替えは、前方および後方に回転するバルブプレートによって実現される。バルブプレート20は少なくとも2つの角度位置の間で回転軸26の周りを回転する。バルブプレート20の回転軸26がシリンダの軸線と一致し、ピストン16の移動方向と一致することが有利である。しかし、本願発明はこれに限定されない。
【0043】
バルブプレート20は反対側において他のフランジ15と接している。付加的に、バルブプレート20は両方のフランジ14、15と当接し、流体移送手段を構成する。それによってポンピングされるべき流体は、シリンダとポートとの間のバルブプレートを介して移動可能である。流体移送手段は、バルブプレート20の表面で凹んで形成され、バルブプレート20の回転とともにその位置を変化させる少なくともひとつのキャビティ21、21’であるのが好ましい。この少なくともひとつのキャビティはバルブ機能を実行する。キャビティは、バルブプレート20の表面において、円形、曲線または直線リセスチャネルを通じて実現される。キャビティのエッジにおけるシール媒体は、流体がチャネルから離れることができないことを好適に保証する。この目的のため、シーリングリップが使用されるか、またはバルブプレート20の面が特別の材料によってシールされた面を形成する。
【0044】
バルブプレート20の面内のキャビティ21、21’の代わりに、バルブプレート20を介してまたは通じて流体を移送するために、他の形式のチャネルが使用されても良い。例えば、それらはバルブプレートを通過する穴でもよい。それはフランジ側面においてバルブプレートの面の下側を通過し、この側面上の2つの開口部によってバルブプレートを通じた流体の移送を実現する。
【0045】
図1Aの排出プロセスにおいて、上部領域のキャビティ21はシリンダ開口部30と一致しており、したがって出口13内の流路34とも一致する。これに対してシリンダ開口部31および出口12内の流路35は覆われており、バルブプレート20によってブロックされている。矢印の方向でピストン16が移動する場合、先に吸引された流体は、シリンダ開口部30を通じてチャンバ23から出口13内に押し出される。そこから、流体はチューブを介して他のコンポーネントまたは患者へ供給される。
【0046】
排出の後、バルブプレート20は
図1Bに示す第2の角度位置まで回転し、今度は下側領域のキャビティ21’がシリンダ開口部30と一致し、同時に、入口12内の流路35と一致する。ピストン16が矢印の方向に同時に移動するとき、流体は格納タンク(図示せず)から入口12を通じて吸引される。それによって、流体は流路35を通じて入口12からキャビティ21’内に吸引され、そこからシリンダ開口部30を通じてシリンダ11内のチャンバ23に吸引される。
【0047】
排出中に、バルブプレート20のある角度領域で、シリンダ11から出口13への結合が達成される、他の角度領域では吸引中に入口12がシリンダ11と結合されている。したがって、ピストンのストロークとは独立に、ひとつのピストンの往復運動を通じてバルブ制御が達成される。
図1Aおよび
図1Bに示すように、バルブプレート20のキャビティ21、21’は交互に2つのシリンダ開口部30、31の他方と一致する。しかし、ひとつのシリンダ開口部のみが設けられても良い。バルブプレート20の両方の角度位置で一致するように、キャビティ21、21’およびシリンダ開口部は適当に形成され配置される。
【0048】
図1Aおよび
図1Bに示す例において、2つのキャビティ21、21’が設けられるが、それらはバルブプレート上に対称に配置されなくてもよい。それらは、互いに関して180°以下のオフセット角度で配置されてよい。例えば、バルブ機能は、互いに関して90°のオフセット角度で配置された2つのキャビティを通じて達成されてもよい。こうして、2つの位置の間で変化するためにバルブプレートはこの角度だけ回転されればよい。フランジ14上での入口12および出口13、ならびにシリンダ11の配置に応じて、この角度はさらに増加または減少してよい。
【0049】
バルブ機能は2つの角度位置の間で往復運動する単一キャビティを通じて達成されてもよい。この例では、キャビティ21、21’は同一となる。ポート12、13およびシリンダ11の配列に応じて、キャビティを2つの必要位置にもっていくべく、バルブプレート20はより大きい角度領域だけ回転されなければならない。
【0050】
図2Aから
図3Bは、上述した単一シリンダ型から派生したシリンダの変形例を示す。例えば、
図2Aおよび
図2Bに対応して、ピストン16’を有する第2のシリンダ11’がフランジ15に一体化される。両方のピストン16、16’は常に水平の同じ方向に移動し、それによってバルブプレート20の位置に対して、ひとつのピストンが吸引機能を引き継ぎ、残りのピストンが排出機能を引き継ぐ。
【0051】
ピストン16による排出と同時に、先に吸引された流体はシリンダ開口部30を通じてキャビティ21内に押し出され、さらにそこから、流路34を通じて出口13へと押し出される。同時に流体は、他方のピストン16’の移動によって、流路35を通じて入口12から、バルブプレート20内部のチャネル24に吸引される。このチャネル24はバルブプレート20を通じて形成され両側で互いのピストンを結合する。チャネル24はバルブプレート20の他方側において他のキャビティ22に対して開放されており、それはシリンダ11’内のシリンダ開口部33と一致するように形成されかつ配置されている。こうして、流体は入口12からシリンダ11’のチャンバ23’内へ流れる。
【0052】
図2Bに示すように、ピストン16、16’が異なる方向に移動する場合、バルブプレート20は第2の角度位置に配置される。流体は流路35、キャビティ21’およびシリンダ開口部31を通じて入口12からチャンバ23内に吸引され、チャンバ23’内に先に吸引されていた流体は、バルブプレート20の他方側の流路32、キャビティ22’、チャネル24’および流路34を通じて出口13内に押し出される。この動作を繰り返すことにより、ポンピングが非断続的となる。
【0053】
異なるタイプのキャビティ21、22がバルブプレートに設けられる。第1のキャビティ21はシリンダとポートとの間のバルブプレートの一方側で流体を移送するように機能する。このタイプのキャビティはバルブプレート20の表面において適切なチャネルによって形成され、フランジ側面において流体の移送用のキャビティを代表する。このキャビティ22がバルブプレートを通じて常にチャネル24と結合され、かつ、バルブプレートを通じた流体の移送用のキャビティを代表するように、第2のキャビティ22は流体をバルブプレートの一方の側面から他方の側面へ移送するように機能する。バルブプレート20の表面内の凹んだチャネルは第1のキャビティ21に比べ典型的に異なる形状を有する。
【0054】
ピストンポンプの実施形態に従って、バルブプレートの一方の側面にはひとつまたは両方のキャビティが設けられる。
図2Aおよび
図2Bの実施形態において、各々の側面はひとつのキャビティのみを有するため、両方の角度位置において、バルブプレートのそれぞれの側面で単一のキャビティが使用されても良い。
【0055】
図3Aおよび
図3Bは、第2のシリンダ11’および入口12がフランジ15に取り付けられたピストンポンプ10の他の実施形態を示す。出口13および第1シリンダ11は他のフランジ14上に配置される。この構成において、バルブプレート20は、バルブプレート20のさまざまな角度位置で2つの側面の間で流体を分配するために、さまざまな種類のキャビティに応じて修正可能である。右側が流路チャネルを有しないひとつのキャビティ21および流路チャネル24を有するひとつのキャビティ22を含むように、それぞれのタイプのキャビティがバルブプレートのそれぞれの側面に設けられる。バルブプレートの左側は流路チャネルを有しないキャビティ21’および流路チャネル24’を有する第2キャビティを含む。この例において、異なるタイプのキャビティが角度位置において必要となるため、バルブプレートの片側のキャビティは2つの角度位置に対して使用可能ではない。
【0056】
図3Aのピストン位置において、流体はシリンダ開口部30を通じてチャンバ23からキャビティ12へ押し出され、つづいて、そこから流路34を通じて出口13に押し出される。同時に、流体は入口12から流路35を通じてキャビティ21’へ、そこからシリンダ開口部33を通じてチャンバ23’へ吸引される。バルブプレート20のこの角度位置において、バルブプレート20を通じる流体の移送は存在せず、流体はフランジ側でのみ移動する。
【0057】
ピストン16、16’が
図3Bに示すように他の方向に移動する場合、バルブプレート20は第2の角度位置に配置される、先にチャンバ23’内に吸引された流体が、シリンダ開口部32を通過し、キャビティ22’およびチャネル24’を介して、流路34を通じて出口13に押し出される。同時に、新しい流体が入口12から流路35を通じてチャネル24を介してキャビティ22内に吸引され、そこからシリンダ開口部31を通じてチャンバ23内に流れ込む。この角度位置において、流体の排他的移動がバルブプレートを通じて生じる連続ポンプが達成される。
【0058】
図4Aおよび
図4Bはバルブプレート20の動作原理を説明する概略図である。これは
図2Aおよび
図2Bに従う複数ピストンポンプの実施形態を示し、同じ種類の2つのキャビティがバルブプレート20のそれぞれの側面に設けられている。2つの図は、シリンダの軸線26に沿って、シリンダ11’の外側からフランジ14、15に向かう方向で見た図である。この方向から見た、シリンダ11、11’、ポート12、13およびバルブプレートの外周25が示されている。
図4Aにおいてフランジ15上のシリンダ11’の突起部は破線により示されている。円32および33は、シリンダ11’のシリンダ開口部を表し、それらはフランジ15での貫通孔として形成されている。バルブプレート機能はキャビティ22、22’および対向側のバルブプレートへの2つの流路チャネル24、24’によって実現されている。図示されるバルブプレート位置でのシリンダ開口部32および33はキャビティ22、22’から分離されているため、シリンダ11’は完全にブロックされている。
【0059】
図4Bはシリンダ11、ポンプの入口12および出口13の突起部を有するフランジ14を示す。これらの突起部を破線の円で示す。シリンダ11のシリンダ開口部30、31はフランジ14内の貫通孔として形成され、入口12および出口13内の流路は円34、35によって示されている。フランジ14における流路34、35を介して入口12および出口13への結合が為されるため、機能に応じて、バルブプレート側面はより長いキャビティ21、21’を有する。流路34、35はシリンダ11に対する開口部30,31と同様のフランジ貫通孔として形成される。図示するバルブプレート位置において、シリンダ11はバルブプレート20によりブロックされ、入口12および出口13から完全に分離される。
【0060】
図5Aから
図6Bは、バルブプレート20のメカニズムを示す。バルブプレートは
図2Aおよび
図4Bの位置から移動されている。
図4Aおよび
図4Bにおける2つのフランジ14、15が同様に示されている。
図5Aに示すようにシリンダ11’は吸引し、同時に、
図5Bに示すようにシリンダ11は押し出す。逆に、
図6Aのシリンダ11’は押し出し、図
6Bのシリンダ11は吸引する。
【0061】
図5Aに示すように、バルブプレート20の時計回りの回転は、シリンダ11’の入口開口部33に達するキャビティ22を生じさせ、対向側に設けられたキャビティ22’はシリンダ開口部32から離れる方向に移動する。バルブプレートの他方側のキャビティもまた対応して回転し、バルブプレートの他方側のキャビティ21は流路チャネル24に達する。シリンダ11’が流体を入口12から吸引することができるように、このキャビティ21は流路35を介して入口12と結合する。
図5Aおよび
図5Bに示すこの流路は矢印で示されている。
【0062】
同時に、
図5Bのシリンダ11の開口部30はキャビティ21’および流路34を介して出口13に結合される。シリンダ11は出口13を介して流体を押しだし、それは
図5Bで矢印により示され、全体として
図2Aに示す状況に対応する。
【0063】
図6Aおよび
図6Bにおいて、バルブプレート20はさらに時計回りまたは反時計回りに回転する。
図6Aにおいて、キャビティ22’はシリンダ11’の開口部32と結合される。先に吸引された流体はチャネル24’を介してシリンダ11’からバルブプレート20の他方側に通過し、そこからフランジ14における流路34を介して出口13へ通じる。同時に、キャビティ21はフランジ14における流路35を介して入口12をシリンダ11の開口部31へ結合する。シリンダ11内のピストン16による吸引が保証され、それは全体として
図2Bの状況に対応する。
【0064】
シリンダ開口部30、31、32、33、キャビティ21、21’、22、22’、および、流路チャネル24、24’の選択された構造的配列は、角度に依存するバルブ機能および特にデッドタイム、すなわち、バルブ機能が吸引から排出に切り替わる角度領域およびピストンの移動が許されない時間間隔を決定する。
【0065】
図1Aから
図3Bに示す実施形態において、センサーコンポーネント40,41は入口12および出口13にそれぞれ組み込まれる。これは
図7から
図12を参照してさらに詳細に説明される。センサーコンポーネント40を有する入口12の関連領域が図示されている。
【0066】
図7は、入口12を通じる長手軸方向の断面を示す。外側に配置されたセンサーコンポーネント40は形状固定子によってリセス50の領域内で入口12を包囲する。入口12と中空のセンサーコンポーネント40との間でシール結合が達成されている。
図7に示すようにリセス50内にその一部が挿入されるようにして、センサーコンポーネント40はその内側に形成されてもよい。閉塞センサは射出成形による2コンポーネントプロセスで有利に作成可能である。センサーコンポーネント40はハードコンポーネントから中空の入口12を形成した後に、第2のプロセスによって形成される。ハードコンポーネントの材料として、硬質プラスチックが選択されてよい。センサーコンポーネントは弾性およびエラストマーのような圧力検知材料から形成される。
【0067】
リセス50は任意の断面形状を有し、均一な力分布の点で円形断面が有利である。また、リセス50のサイズは適宜選択可能である。
図8は、
図7の長手方向の中央断面図を示す。リセス50は非常に深く選択され、入口12の中央線にほぼ達している。
【0068】
センサーコンポーネント40の外側の領域と接触し、かつ、膜20の変形を機械的に検出するように、フォースセンサ60がリセス50を通じて設けられる。これは例えばプランジャ60がセンサーコンポーネントと当接することにより生じる。入口12の内圧が閉塞により上昇するとき、センサーコンポーネント40外側に曲がり、それがプランジャ60により検出される。閉塞によって入口12内の圧力が減少する場合、センサーコンポーネント
40の曲率が減少し、それがプランジャ60によって検出可能である。
【0069】
図9は本願発明の第2の実施形態を示す。中空のセンサーコンポーネント40は入口12の内側に取り付けられ、内側からリセス50をきつく覆う。この閉塞センサはソフトコンポーネントとして連続内側チューブ形式で射出成形による2コンポーネントプロセスにより作成され、関連する入口および出口はハードコンポーネントとして上層サポートパイプまたはサポートスケルトンのように一体的かつ非破壊的に形成される。
センサーコンポーネント40を定位置に固定しかつ軸方向のスライドを防止するように、入口12の内側面が構成されてもよい(図示せず)。
【0070】
図10は、線A−Aに沿った入口を通じる断面図を示す、センサーコンポーネント40は楕円形の断面を有する。入口12の内壁は形状固定子によってセンサーコンポーネント40を収容することが可能なように適宜選択される。
図11は、線B−Bに沿った第2の断面図を示す。プランジャ60がリセス50を通じてセンサーコンポーネントの外側面と接触する。
【0071】
センサーコンポーネント40の内部応力をできる限り防止するために、それは
図12に示すような特別形状の測定膜として形成される。測定膜40は2つの対向する膜側面43、44を有し、それらは内側に屈曲している。膜上面42は2つの膜側面43、44と結合し、直線状に形成され、かつ、プランジャ60と接触する。膜上面42はもはや内部応力によって変形しない。それによって力の線形関係、すなわち、力=内圧×膜表面積、が得られる。
【0072】
センサーコンポーネント40の断面は個別に形成され、以下の機能の少なくともひとつを含む。
測定目的に必要な膜の形状を決定する直線または略直線、
中空またはスケルトンのハードコンポーネントに関してソフトコンポーネントのサポート機能を実行する、膜に対向する直線または曲線、
ソフトコンポーネントの2つの側面でバネ機能を実現する構造、それによって、大気圧以下の圧力測定に必要なプレロードが設定可能となる。付加的に、内部圧力の増加と同時に、膜がそれ自身を対向する支持面から除去するために、バネ機能が必要である。
【0073】
入口12の内側面は測定膜40が形状固定子によってそれと当接し、圧力の増加に伴って不所望な方向、例えば、横方向に拡張しないように適宜形成される。入口12のこの特定の形状は、閉塞センサの領域内にのみ設けられてもよい。それによって入口の内部全体に形成することなくコストの増加を抑制できる。
【0074】
プランジャ60を包囲するハードコンポーネントは好適に平坦面を有し、プランジャの上部エッジのほぼ下側に配置される。プランジャが他方側の面に対して押されたとき、この面は当接面として機能する。プランジャは、その後、オーバーハングの分だけ押され、圧力センサ用の一定のプレロードが作成される。
【0075】
図7から12に示す実施形態において、リセス50およびプランジャ60は入口12の上部に常に配置されるが、他の配置が選択されてもよい。
【0076】
図13は、本願発明に従うピストンポンプ10用の付加的に超音波センサおよび内側に配置されたセンサーコンポーネント40を示す、超音波センサはチューブを手で特定のホルダ内に挿入する過剰な手間をもたらす。この超音波センサによって、注入チューブシステム内の気泡が認識可能となる。超音波センサは入口12および/または出口13の内部に取り付けられても良い。
図13において、超音波センサは入口12内に示されている。このため、入口12はその端部において内側が広く形成され、柔軟なチューブ70がその内部に導入され糊付けによって固定される。線A−Aに沿った断面図である
図14に示すように、超音波センサの脱着は好適に平坦に形成された2つの対向面71、72において生じる。2つの面71、72はひとつの面上にある。しかし、他の形状の固定結合、例えば、円錐であってもよい。入口12におけるリセス73は平坦面71、72に対向して配置されている。
【0077】
閉塞センサと同様に、気泡検出用の機械的コンポーネントは中空ポートと一体形成するのが好ましく、非破壊的に分解不能である。センサを支持するポンプ装置の適用も可能である。例えば、代替的に、光学的気泡認識方法、または、温度測定用のインターフェースの形成が可能となる。
【0078】
超音波センサ用の脱着面および閉塞センサ用の当接面は好適に平坦面を形成し、関連する電子センサへのインターフェースもまた医療デバイス内に配置可能な平面を形成する。これらの手段を通じて、良好でかつ単純な要求が有利に満たされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】ドイツ国特許出願公開第DE3838689号明細書
【特許文献2】米国特許第7,887,308号明細書
【特許文献3】米国特許公開第2008/0294040A1号明細書
【特許文献4】米国特許公開第2011/0021990A1号明細書
【特許文献5】米国特許第4854836号明細書
【符号の説明】
【0080】
10 ピストンポンプ、単一ピストンポンプ、複数ピストンポンプ
11、11’ シリンダ
12 ポート、入口
13 ポート、出口
14,15 フランジ、載置フランジ
16、16’ ピストン
20 バルブプレート
21、21’ 流体移送手段、フランジ側面流体移送用キャビティ
22、22’ 流体移送手段、バルブプレートを通じた流体移送用キャビティ
23、23’ チャンバ
24、24’ 流体移送手段、流路チャネル
25 バルブプレートの外周面
26 バルブプレートの回転軸、シリンダ軸
30、31、32、33 シリンダ開口部
34、35 ポート内流路
40、41 センサーコンポーネント、測定膜
42 膜上面
43、44 膜側面
50 閉塞センサ用リセス
60 フォースセンサ、プランジャ
70 チューブ
71、72 脱着面
73 超音波用リセス