(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0003】
本開示を要約するために、発明のいくつかの態様、利点、新規の特徴がここに記述されている。全てのこのような利点は、ここに開示されている発明の何らかの特定の実施形態に従って必ず達成できるとは限らないことを理解されたい。従って、ここに開示された特徴は、ここに教示されるような1つの利点または利点のグループを達成または最適化する方法で、具体化され、実施され、ここに教示または示唆されるかもしれないような他の利点を必ずしも達成しなくてもよい。
【0004】
ある実施形態では、患者モニターと患者の1つ以上の生理学的パラメーターを検知可能なセンサーとの間でデータを送信する医療用ケーブルを提供する。医療用ケーブルは、患者モニターに結合されるように構成された第1のコネクターと、センサーに結合されるように構成され、1つ以上の生理学的パラメーターに関する情報を含む前記センサーからのセンサー信号を受信するよう構成されている第2のコネクターを含んでいてもよい。
【0005】
医療用ケーブルはさらに、キャパシターに結合された実質的に定電流の電流源を含み、前記患者モニターからのテスト信号を受信し、前記電流源および前記キャパシターを使用して、前記患者モニターによって予期される時間内に目標電圧に到達する前記テスト信号に応答する出力信号を生成するように構成されている認証回路を含んでいてもよい。
【0006】
ある実施形態では、前記認証回路はさらに出力信号を前記患者モニターに供給するように構成されている。さらに、ある実施形態では、前記第2のコネクターは、スイッチと直列であり、前記テスト信号を前記患者モニターから送信するように構成されている電気伝導経路の一部を含む。前記第2のコネクターは、前記センサーに結合されるのに応じて、前記スイッチを閉じるように構成されていてもよい。前記スイッチが閉じることにより、前記テスト信号の少なくとも一部が前記電気伝導経路の前記一部を介して前記認証回路に供給してもよい。前記第2のコネクターは、前記センサーとの結合が切り離されるのに応じて前記スイッチを開くように構成されていてもよい。
【0007】
ある実施形態では、前記認証回路は前記電流源および前記キャパシターに接続されたバッファアンプをさらに備えている。さらに、ある実施形態では、前記認証回路さらに1つ以上の抵抗器を備えていてもよく、出力信号の立ち上がり時間は、少なくとも部分的に前記1つ以上の抵抗器の値に依存している。前記認証回路は、ダイオードを備えていてもよく、前記認証回路は、前記ダイオードが動作することによって前記キャパシターが前記ダイオードを介して少なくとも部分的に放電するように構成されている。ある実施形態では、前記入力信号は、所定のパルス幅を有する矩形波であってもよい。前記所定のパルス幅は、例えば約95から165μsといった、約100から約160μsの間であり得る。前記所定のパルス幅は、少なくとも部分的に前記キャパシターの値に基づいていてもよい。
【0008】
ある実施形態では、前記第1のコネクターはハウジングを備え、前記認証回路は当該ハウジング内に収容されている。さらに、ある実施形態では、前記第2のコネクターがハウジングを備えていてもよく、前記認証回路は当該ハウジング内に収容されている。
【0009】
ある実施形態では、前記第2のコネクターは並列に配置された複数の回路基板を備え、当該複数の回路基板は前記医療用ケーブルの長手方向の軸に対して垂直である。
【0010】
ある実施形態では、患者モニターと患者の1つ以上の生理学的パラメーターを検知することができるセンサーとの間でデータを送信する医療用ケーブルを提供する。前記医療用ケーブルは、前記患者モニターに結合されるように構成された第1のコネクターと、センサーに結合されるように構成されて前記1つ以上の生理学的パラメーターに関する情報を含む前記センサーからのセンサー信号を受信するよう構成されている第2のコネクターを備えていてもよい。
【0011】
前記医療用ケーブルは、さらに前記患者モニターからのテスト信号を受信し、前記患者モニターによって予期される時間内に目標電圧に到達する前記テスト信号に対応するランプ出力信号を生成するように構成されている認証回路を備えていてもよい。ある実施形態では、前記患者モニターは、前記センサーと前記医療用ケーブルが物理的に接続された後に、前記認証回路が、前記患者モニターに決められた時間で前記出力信号を供給しなかった時に、前記患者モニターと前記センサーとの間でのデータの送信を少なくとも部分的に禁止するように構成されている。
【0012】
ある実施形態では、生理学的パラメーター監視システムにおける医療用ケーブルの認証方法を提供する。前記方法は、医療用ケーブルを患者モニターに接続し、前記医療用ケーブルに配置された認証回路でテスト信号を受信し、前記テスト信号を実質的に定電流の電流信号に変換し、前記電流信号を用いてランプ信号を生成し、前記ランプ信号を前記患者モニターに供給することにより、前記モニターが前記医療用ケーブルを認証することができるようにする方法であってもよい。
【0013】
ある実施形態では、前記方法は、前記医療用ケーブルが認証された状態であることを示す確認信号を前記患者モニターから受信し、前記医療用ケーブルを用いて、1つ以上の生理学的パラメーターに関連する情報を含むセンサー信号を、センサーから前記患者モニターに対して送信することをさらに含んだ方法である。
【0014】
ある実施形態では、前記方法は、前記モニターが医療用ケーブルを認証したか否かを判断する方法であってもよい。前記モニターが認証された前記医療用ケーブルを備えていると判断された場合、当該方法は、前記医療用ケーブルを用いて、1つまたはそれ以上の生理学的パラメーターに関する情報を含むセンサー信号をセンサーから前記患者モニターへ送信する方法であってもよい。前記モニターが認証された前記医療用ケーブルを備えていないと判断された場合、当該方法は、前記医療用ケーブルで前記センサーから前記患者モニターへの前記センサー信号の送信を少なくとも部分的に禁止する方法であってもよい。
【0015】
ある実施形態では、患者モニターとセンサーとの間でデータを送信する医療用ケーブルが、ケーブル本体と、前記ケーブル本体に接続され、患者モニターに結合されるように構成された第1のコネクターと、前記ケーブル本体に接続された第2のコネクターを備えている。前記第2のコネクターはセンサーに結合可能で、前記センサーからのセンサー信号を受信できる。前記医療用ケーブルはまた、前記センサーと電気通信するように構成された安全スイッチを備えることができる。前記安全スイッチは、前記第2のコネクターが前記センサーに結合されているときに第1の状態となり、前記第2のコネクターが前記センサーに結合されていないときに第2の状態となることができ、前記安全スイッチが前記第2の状態であるとき、当該安全スイッチは、前記患者モニターに対する前記ケーブルの認証を防止する。
【0016】
さらにほかの実施形態においては、患者モニターとセンサーとの間でデータを送信する医療用ケーブルが、ケーブル本体と、前記ケーブル本体に接続され、患者モニターに結合されることができるように構成された第1のコネクターと、前記ケーブル本体に接続された第2のコネクターを備えている。前記第2のコネクターは、センサーに結合可能で、前記センサーからのセンサー信号を受信できる。前記医療用ケーブルはまた、前記センサーと電気通信するように構成された安全スイッチを備えることができる。前記安全スイッチは、前記第2のコネクターが前記センサーに結合されているときに第1の状態となり、前記第2のコネクターが前記センサーに結合されていないときに第2の状態となることができ、前記センサーが前記第2のコネクターに接続されていない場合、当該安全スイッチは、前記患者モニターが測定値を出力するのを少なくとも部分的に防止する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここでの開示内容は、患者監視システムに使用される医療用ケーブルを認証する種々の装置や方法論である。詳細な説明のために、認証という用語は、ここでは広く、通常の意味に従って使用され、電子機器の互換性または適合性のいかなる確認、承認または証明といったことも含むことができることを理解されたい。詳細な説明のために、認証および証明という用語は文脈に応じて互いに置換可能であることを理解されたい。
【0019】
詳細な説明のために、医療用ケーブルは、通常の意味を有するのに加えて、2つ以上の装置の間でのように電子信号の送信を容易にするように構成されている電気伝導体を備えるいかなる機器をも含むことができることを理解されたい。そのような医療用ケーブルの非限定的な例としては、医療用センサーまたは変換器から患者モニターへ信号を送信する電子ケーブルをあげることができる。そのような医療用ケーブルの非限定的な例としては、抵抗器、キャパシター、インダクタ、ダイオード、トランジスタ、又は他のデバイスのような、1つ以上のディスクリートデバイスもしくは回路といったものがあげられる。
【0020】
認証回路および認証方法はハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアが組み合わさったものにおいて実施することができ、アナログおよび/またはデジタル出力信号を供給することができる。ここに記載するように、ハードウェアにおいて実施された場合、医療用ケーブルの認証は、ハードウェア構成要素および/またはロジックを用いて実施することができる。認証が少なくとも部分的にソフトウェアで実施される場合、当該ソフトウェア部分は、種々の動作態様がソフトウェア制御されることができるように、患者監視システムにおいて構成要素を制御するのに使用することができる。当該ソフトウェアは、1つまたは複数のメモリ素子において非一時的状態で保存することができ、そのメモリに結合された適切な命令実行システム(例えば、マイクロプロセッサ)によって実行することができる。
【0021】
患者監視システムの例示の実施形態にもとづき、
図1A〜1Cは、認証回路(115、125、135)を備えた医療用ケーブルアセンブリ(111、121、131)を有する患者監視システム(100A、100B、1001C)のブロック図を示したものである。
図1Aに示されるように、例えば、患者監視システム100Aは、患者の1つまたはそれ以上の生理学的パラメーターにかかる情報を含むデータを受信し、処理し、表示する、もしくはそうでなければそれらのデータを交換する患者モニター110を有する。ある実施形態では、患者モニターは、患者および/または患者監視システム100Aに関する情報を使用者に視覚的に伝達するディスプレイ画面を有する。
【0022】
当該システム100Aは、患者モニターが医療用ケーブルアセンブリ111と通信するようにするモニター側コネクター112を含む医療用ケーブル111を有している。モニター側コネクター112は、1つ以上の構造体またはデバイスを有するハウジングを有することができる。医療用ケーブルアセンブリ111は、それによって医療用ケーブルアセンブリの本体114の長手方向の軸の少なくとも一部を横切る1つ以上のワイヤおよび/またはコンダクタを用いて、データおよび/または電力を伝えるようにし得る。医療用ケーブルアセンブリ111は、センサー118に医療用ケーブルアセンブリ111と通信することを可能にさせるセンサー側コネクター116をさらに有していてもよい。センサー側コネクター116の特徴は、
図7Bおよび7Dに関連して以下に詳しく記載する。パラメーターデータは1つより多くのモニター装置に供給されることが望ましい。例えば、血圧モニタリングに関して、信号は、心拍出量モニターに加えて標準患者モニターにも送られるのが望ましい。従って、ケーブルアセンブリ111は1つより多くのモニター側コネクターを有していてもよい。そのような構成により、ケーブルアセンブリ111またはセンサー118は、複数のモニターに分割したりする際の信号損失や信号破壊のリスクや影響を軽減するため、または他の目的のためにセンサー信号をデジタル信号に変換する回路を、有することができる。
【0023】
センサー118はデジタルセンサー、アナログセンサー、またはデジタルセンサーとアナログセンサーを組み合わせたものであり得る。センサー118は、患者に関する1つ以上の生理学的パラメーターを検知し、そのようなパラメーターに少なくとも部分的に基づいて信号を医療用ケーブルアセンブリ111を介して患者モニター110に送信する構成とされ得る。例えば、センサー118は、1つ以上の生理学的パラメーターを測定するために、生理学的な情報を、患者監視システムによって送信および/または処理され得る電気信号に変換するように構成された変換器であってもよい。ある実施形態では、センサー118は血圧を検知する圧力変換器を有している。ある実施形態では、センサー118は、血圧、心拍数、血中酸素濃度、もしくはほかの生理学的パラメーターのうち、1つ以上のパラメーターを検知するように構成されている。例えば、センサー118は、患者の血圧を検知する血圧カフまたはカテーテルを有していてもよい。より一般的には、センサー118は、非侵襲的な、侵襲的な、または低侵襲センサーであり得る。
【0024】
直接的な、または侵襲的な血圧監視システムにおいては、カテーテルを、血流、典型的には主要血管もしくは末梢血管に対して端部が開口した状態で、患者の循環系に挿入することができる。まず、針を末梢血管に挿入する。例えば、動脈圧を監視することを望んでいるのであれば、針は橈骨動脈に挿入され得る。一方、もし静脈圧を監視すべきであれば、針は前肘静脈、橈骨静脈、頸静脈、または鎖骨下静脈に挿入され得る。いったん針が適切に挿入されると、特殊なカテーテルが針の中に通されて血管の中に入り、カテーテルの先が血圧測定するのに望ましい体内中の特定の箇所に配置される。その後、カテーテルを残したまま、針を引き抜いてもよい。
【0025】
静脈注射(I.V.)セットを患者の体から突出しているカテーテルの近位端に取り付け、溶液がカテーテルを通って患者に流れるようにする。当該静脈注射溶液は、脈圧拍が送られる液の「柱」となり、その液の柱に沿って配置された圧力変換器が脈圧拍を監視する。概して、圧力変換器は静脈注射溶液を溜めるものとして機能するドームから構成されている。当該ドームには、電気変換器に取り付けられている、弾力性のある膜板を有している。当該変換器は、膜板における圧力変動を感知し、それらを電気信号に変え、その後その電気信号は増幅および表示のためにケーブルを通ってモニターに送信される。最近のシステムにおいては、1つのシリコンチップで、圧力膜板と圧力変換器の測定回路の両方を構成することができる。そのようなシリコンチップは比較的安価に大量生産ができることから、圧力変換器全体のコストは、当該変換器が経済的に使い捨て可能になる程度にまで低く抑えられている。ケーブルは変換器とケーブルの対応部分が使用後捨てることができるようにコネクターを有しており、一方で、片方のコネクターおよびモニターに繋がれたケーブルは再利用できるようになっている。そのような使い捨ての血圧変換器はOR、ICUまたはCCUでの治療の標準設備となっている。
【0026】
図1Aの患者監視システム100Aはまたケーブル認証モジュール115を有している。ある実施形態によれば、
図1Aにおいて図示されるように、ケーブル認証モジュール115は、少なくとも部分的に、モニター側コネクターのハウジング内のような、モニター側コネクター112内に配置され、またはモニター側コネクター112に接続されている。ある実施形態においては、患者モニター110はケーブル認証モジュール115と通信するように構成されている。例えば、患者モニター110は、ケーブル認証モジュール115によって受信されるテスト信号を送信してもよく、ケーブル認証モジュール115から、医療用ケーブルアセンブリ111が、期待されている、または真正である(authentic)、互換性のあるケーブルであるかどうかに関する、対応する信号を受信してもよい。医療用ケーブルアセンブリ111と患者モニター110との間の通信は、それらの装置間のアナログまたはデジタルのハンドシェークまたは部分的ハンドシェークを含み得る。ケーブル認証モジュール115の一部は、ケーブルのいろいろな別の場所に位置していてもよい。例えば、ケーブル認証モジュール115の一部は、コネクター112、116のうちの一方または両方、および/またはケーブル本体114に位置していてもよい。例えば
図1A〜1Cに示されるように、認証モジュールが代わりに医療用ケーブルアセンブリ111の1つの領域内全体にわたって含まれていてもよい。
【0027】
患者監視システム100Aは、医療用ケーブルアセンブリ111が真正であること(authenticity)を確認するために、患者モニター110がケーブル認証モジュール115と通信するように構成され得る。ある実施形態においては、患者モニターが、直接的または間接的なケーブル認証モジュール115との通信によって、医療用ケーブルアセンブリ111の互換性またはそれが真正であることを確認できない場合は、患者モニター110は、患者モニター110と、医療用ケーブルアセンブリ111および/またはセンサー118との間の通信を、少なくとも部分的に遮断することができる。他の実施形態においては、患者モニターが、医療用ケーブルアセンブリ111の互換性またはそれが真正であることを確認できない場合は、患者モニターは、医療用ケーブルアセンブリ111からの信号を受信するか受信し続けるが、非互換性を示すなんらかのエラーメッセージを出力する。
【0028】
図1Bに図示されている実施形態においては、ケーブル認証モジュール125の少なくとも一部は医療用ケーブルアセンブリ121の本体124内に配置されるか、またはそれに接続されているか、またはそれに近接している。例えば、強固なハウジングがケーブル本体127の一部分に取り付けられていてもよく、ケーブル本体127の外装内に配置されている1つ以上のワイヤが、少なくとも一部分が当該ハウジング内に配置されている1つ以上の装置と通信することができる。そのような装置は、例えば、回路基板やほかの基板に配置されているディスクリート回路部品および/またはICチップを有していてもよい。患者モニター120は、1つ以上の、ケーブル認証モジュール125と患者モニター120との間を繋ぐ伝導性ワイヤに沿ってケーブル認証モジュール125と通信し得る。ケーブル認証モジュール125は、ケーブル本体124にそったいかなる適切な配置または位置にも、またはそれに近接して、配置され得る。ある実施形態では、ケーブル認証モジュール125は比較的モニター側コネクター122に近いケーブル本体の部分に、もしくはそれに近接して配置されている。ある実施形態では、ケーブル認証モジュール125は、センサー128と接続可能に構成されているセンサー側コネクター126に比較的、近接するケーブルの一部分に、またはそれに近接して配置されていてもよい。センサー側コネクター126は、モニター側コネクター122に対して、ケーブル本体124の遠位端に、もしくはそれに近接して配置することができる。
【0029】
図1Cに示されている実施形態においては、ケーブル認証モジュール135の少なくとも一部は、センサー側コネクター136内に配置されるか、またはそれに接続されているか、またはそれに近接している。例えば、センサー側コネクター136は、強固なハウジングを有していてもよく、ケーブル本体127の外装内に配置されている1つ以上のワイヤが、少なくとも一部分が当該ハウジング内に配置されている1つ以上の装置と通信することができる。そのような装置は、例えば、回路基板やほかの基板に配置されているディスクリート回路部品および/またはICチップを有していてもよい。
【0030】
ある実施形態では、医療用ケーブル内、もしくはそれと接続された認証回路と対照的にもしくはそれに加えて、上記で議論されたものと同様の患者監視システムが、少なくともセンサーにおける認証回路の一部分を有することができる。さらに、認証回路の少なくとも一部分は、患者監視システムの他の位置の代わりに、もしくはそれに加えて、患者モニターに含めることができる。
【0031】
図2は、ここで記載された実施形態において使用され得る電気回路205の実施形態の回路図を示している。電気回路205は、上述の医療用ケーブルアセンブリのいずれにも配置もしくは接続され得る。ある実施形態では、電気回路205は、ヘッダー部220、またはスイッチモジュール230において、便宜上のためにのみ、+5SW、+EXC、+SIG、−SIG、および−EXCとして識別された1つ以上の電気信号を受信する。例えば、+EXCは患者モニターからの正のテスト電圧信号または励起信号;−EXCは共通電位線;+SIGおよび−SIGはセンサーからモニターへ信号を送信する信号線(例えば、差動線)を意味し得る。ある実施形態では、そのような信号は1つ以上のワイヤに接する電気接続ピンを介して受信される。伝導経路1、2、3、4、および5は、オプションであるスイッチモジュール230とヘッダーモジュール220との間での信号の伝送を可能にする。
【0032】
図2に示されているように、スイッチモジュール230は、伝導経路1および2との間に直列につながれた安全スイッチ235を有する。スイッチモジュールは、センサーに接続されてもよく、スイッチモジュール230をセンサーに接続することにより、スイッチ235が閉じるようにすることができ、および/またはスイッチモジュール230をセンサーから外すことによって、スイッチ235が開くようにすることができる。ある実施形態では、スイッチモジュール230は、直流電圧信号のような、伝導経路2における電子信号を受信し、スイッチ235が閉じられた状態の場合、伝導経路1を介してヘッダーモジュール220に向けてその信号の少なくとも一部分を転送する。スイッチ235が開いた状態の場合、
図2に示されるように、ある実施形態においては、ライン2上の信号は、実質的にはライン1には転送されない。
【0033】
潜在的な安全性の問題の観点から、ある状況下で医療用ケーブルアセンブリの認証をさせないようにすることが望ましいかもしれない。例えば、いくつかのモニターは、医療用ケーブルアセンブリがそういったモニターに接続されている際に、センサーが医療用ケーブルに接続されていなくても、測定値を出力する。さらに、医療用センサーがケーブルに適切に接続されていない場合、臨床医やほかの付添人に対して患者モニターによって提示される測定値が正しくなかったりおよび/または誤解を招きかねなかったりするかもしれない。ある実施形態では、センサーが接続されていなかったり、適切に接続されていていない場合に、安全スイッチ235は安全機構の役割を果たし、患者モニターが無効な測定値をピックアップしたり、読み取ったりすることを少なくとも部分的に防止するという利点が得られる。従って、安全スイッチ235は、間違った測定値により、患者の容態について不正確な評価がなされるというリスクを軽減することができる。
【0034】
ある実施形態では、センサーが電気回路205に接続されていなかったり、適切に接続されていなかったりする場合に、スイッチ235は開いた状態になる。この開いた状態においては、安全スイッチ235は電力が認証回路に供給されるのを防止することができる(例えば、
図4を参照)。他の実施形態においては、安全スイッチ235は、開いた状態の際、医療用ケーブルアセンブリから測定電流が患者モニターへ送信されるのを防止または少なくとも部分的に防止する。安全スイッチ235は、本実施形態において、センサーがスイッチ235に適切に接続されている際、閉じた状態となり、電力または電流を認証回路に流すようにしている(
図4参照)。スイッチ235は、コンタクトスイッチ(例えばプッシュボタンスイッチ)、ロッカースイッチ、またはほかのタイプのスイッチであってもよい。スイッチ235は、いくつかの実施形態では、ダイオード、トランジスタまたはMOSFET(酸化金属半導体電界効果トランジスタ)、またはそれらの組み合わさったものといった半導体スイッチを使用することができる。従って、スイッチ235はハイ・イネーブルもしくはロー・イネーブルの状態にすることができる。ロー・イネーブル状態の際、スイッチ235は、スイッチ235が開いた状態の時、電力または電流を、ケーブルに設けられた認証回路に供給するようにすることができる。
【0035】
ある実施形態では、電圧信号+EXCはコネクター236によって受信され、伝導経路2にそって送信される。信号はスイッチモジュール235内でさらに向きを変えられて出力される。
図2で符号+5SWと呼ばれるそのような信号を認証モジュールに供給して、その機能を助けるようにしてもよい。電気回路205は、1つ以上の信号(例えば、+EXC、+SIG、−SIG、−EXC)もしくはその改変されたものをさらにセンサーへもしくはセンサーからリレーしてもよい。
【0036】
図3は、患者監視システムにおける医療用ケーブルに関して使用される認証モジュールまたは回路310の一実施形態のブロック図であり、ここに記載されるいかなるケーブルやシステムをも含む。認証回路310の図示された実施形態は、入力ポート340および出力ポート330を有する。ある実施形態では、入力ポート340および出力ポート330の両方が患者モニターに接続されていてもよい(不図示)。さらに、認証回路310は、例えば、患者センサーや他の場所に接続され得るポートを別途有していてもよい。認証回路310は、おそらくは他の装置またはコンポーネント(後述)に加えて、定電流源320およびキャパシターC1を有することができる。ある実施形態では、認証回路310はモニターに信号を供給し、認証回路310を含むケーブルが有効なケーブルかどうかをモニターが決定することができるようにすることができる。
【0037】
認証回路310はランプ(ramp)電圧信号を出力ポート330に供給することができ、その信号の電圧は、モニターによって予期される期間後において所定値に達する。ランプ信号は線形の(linear)スロープ等を有し得る。一実施形態においては、ランプ信号は、鋸歯状波形、鋸歯状波形の少なくとも1周期またはその一部である。他の実施形態においては、ランプ信号は、逆鋸歯状波形またはその一部である。さらに他の実施形態においては、ランプ信号は三角波形の少なくとも一部である。ランプ信号は周期的であってもよく、そうでなくてもよい。一実施形態では、認証回路310は、電圧信号を入力ポート340を介して患者モニターから受け取る。認証回路310は、電圧信号の少なくとも一部を用いて定電流源を駆動してもよく、そして次に、定電流源が実質的な定電流をキャパシターC1に供給する。キャパシターに定電流を与えることで、時間とともに直線的に増加する電圧をキャパシターの両端に生成することができる、というのも、キャパシターは一定入力を積分し、ランプ出力を生成することができるからである。認証回路310の出力ポート330への出力により、キャパシターと電気通信できるようになり、出力信号はキャパシターC1の両端にかかる電圧に基づいている。従って、出力ポート330は患者モニターにランプ信号を供給することができる。
【0038】
電流源320および/またはキャパシターC1は、モニターからの信号を受信して所定の応答特性を有するランプ信号のようなランプ電圧信号を生成するように構成された1つ以上のほかのコンポーネントまたはデバイスで置き換えまたは補充されてもよい。例えば、認証回路310は、電流源320からの電流出力を電圧出力に変換するために、電流源320に接続されたインピーダンス変換アンプを有していてもよい。さらに、インピーダンス変換アンプからの出力は、キャパシターに代わってもしくはそれに加えて、積分回路に供給され得る。積分回路からの出力により、所定の患者モニター認証テストに適切なランプ電圧信号を供給し得る。
【0039】
他の実施形態においては、入力ポート340が、電流源320およびキャパシターC1に代えて、適切なランプ電圧出力を供給することができる積分回路に設けられている。さらに、ある実施形態では、認証回路310は、患者モニターによって予期されている望ましい出力信号を供給するように構成されている、マルチバイブレータ回路(例えば、555または556タイマー)のような1つ以上のタイマー回路を、
図3に示されたコンポーネントに加えてもしくはそれらに代えて有していてもよい。ここで記載された、1つ以上の他のコンポーネントに代わってもしくはそれに加えて認証回路310に含まれていてもよい回路コンポーネントの他の例としては、1つ以上の関数発生回路、発振回路、抵抗回路網(例えばラダー抵抗)、ランプ波形もしくは他の適切な波形を出力するプロセッサ、もしくは、医療用ケーブル組立体が真正であることまたはその互換性を実証することを目的として望ましい出力信号を供給するように構成されている他の回路があげられる。
【0040】
図4は、医療用ケーブル認証回路420を備えた患者監視システム400の一実施形態の回路図である。
図4における回路は、患者モニター回路410、認証回路420、およびスイッチ回路430の3つの領域からなっている。しかしながら、
図4に関連して記載された回路は、図示されたいかなる領域においてもまたは患者監視システム400のいかなる適切な位置においても配置することができることを理解されたい。
【0041】
ある実施形態では、患者モニター回路410は、そのベースまたはゲートが抵抗器R1およびスイッチS2に並列に接続されているトランジスタT1を有する。符号110のような患者モニター(不図示)は、直流電圧信号、もしくはパルス信号のようなテスト信号、例えば、4.2VのDC信号、5V信号、いくつかのほかの電圧値を、コネクター422に供給するように構成されていてもよい。患者モニターからのテスト信号は伝導経路402に沿ってケーブル回路内に送信されてもよい。テスト信号の少なくとも一部はスイッチ回路430に向けて送信され、コネクターもしくはヘッダー部432を通過し、スイッチモジュール434に入ってもよい。
図2に関して上述されたように、スイッチモジュール430は、スイッチS1を介してテスト信号の少なくとも一部を認証回路420に戻すように構成されていてもよく、それは伝導経路401を経由して認証回路420の1つ以上のコンポーネントに供給される。ある実施形態では、テスト信号は、スイッチ回路430に向かうことなく、患者モニターからケーブル回路420の1つ以上のコンポーネントに供給される。ある実施形態では、伝導線404は共通電位に繋がれており、それはグラウンド電位であってもよい。
【0042】
ある実施形態では、スイッチS1が閉じられた状態の場合、スイッチは電力をケーブル回路420に向けて通過させ、認証回路420にケーブルを認証させる。開いた状態の場合、スイッチS1は、電力が認証回路420に至るのを防止または実質的に防止し、ケーブルに前記モニターに対する認証をさせないようにする。その結果、センサーがない場合もしくは適切に接続されていない場合、スイッチS1は、モニターがケーブルの認証の検知に応答して測定値を出力することを少なくとも部分的に防止することができる。
【0043】
ある実施形態では、テスト信号は電流源424を駆動する。一実施形態においては、電流源424は必要に応じてプログラム制御が可能である。電流源424は、集積回路であってもよい。例えば、電流源として、例えば、カルフォルニア、ミルピタスのリニアテクノロジーコーポレーション社(Linear Technology Corporation of Milpitas.CA)によって製造されたLT3092型電流源といった2端子プログラマブル電流源を使うことができる。インターネットのページhttp://cds.linear.com/docs/Datasheet/3092fb.pdfにて入手できるLT3092データシート(以下、「LT3092データシート」)を参照されたい。その全体の内容は引用されることによってここに援用されている。データシートに記載されているように、電流源424は、内部電流源425、アンプ427、およびトランジスタT2およびT3を少なくとも有することができ、これらは電流源425の電流を増幅させるように構成されている。ある実施形態では、電流源425はおよそ10μA電源であり、プログラマブル電流源424による増幅は、それに接続されている抵抗器R2およびR3の値に基づいており、ここで電流源は、例えば、約1〜5mA、または約0.1mA〜約10mA、または他の値の範囲内の電流を発生する。
【0044】
上述のように、電流源424はキャパシターC1によってランプ信号に変換される実質的定電流を出力することができる。認証回路420のうちライン401は電流源424の入力ピン(ピン3)に接続することができる。抵抗器R2は、SETピン(ピン1)に接続することができ、抵抗器R3は、電流源424の出力ピン(ピン2および4)に接続され得る。LT3092データシートには、R2抵抗器が“R
SET”、R3抵抗器が“R
OUT”と表記されている。同文献8頁を参照のこと。抵抗器R2およびR3は電流源424を調整し出力電流の値をプログラムすることができる。
図4においてノード423からキャパシターC1へ流れる電流は、以下の式(1)等において、LT3092データシートによって定義される出力電流に関連づけることができる。
【0046】
ここで、I
SOURCEは出力電流である。R1は13.0kΩ、R2は100Ωであることにより、ノードAからキャパシターに供給される電流は、従って、いくつかの実施形態においては、約1.30mAとなりうる。
【0047】
抵抗器R2もしくはR3、または両者の値を変更することによってプログラマブル電流源424からの電流を効果的に変えることができることが可能である。ある実施形態では、抵抗器R2は約2から5Kオーム、または11Kオームから17Kオームの間の値をとる。例えば、R2は、望ましい出力信号を生成するために約2.1Kオームまたは4.2Kオームであり得る。ある実施形態では、R2は約13Kオームである。さらに、キャパシターC1は約0.01μFから0.09μFの値をとってもよい。例えば、C1は、望ましい出力信号を生成するために、約0.082μFまたは0.085μFをとってもよい。他の実施例においては、キャパシターC1は約0.1μFの値または約0.05μFから約0.15μFの範囲の値もしくは他の範囲の値をとってもよい。しかしながら、キャパシターの値はシステムごとで実質的には異なっており、そのような値はここに実施例としてのみ記載されることを理解されたい。いかなる適切な値も、ここに記載された実施形態に従って用いることができる。
【0048】
認証回路420の出力信号の適切性は、前記認証回路420が、入力テスト信号を受信するのに反応して、1つ以上の適切な出力電圧信号を生成するのにかかる時間の長さによって測ることができる。例えば、入力電圧信号が目標電圧レベルに到達するまたはあらかじめ定義された範囲内のパルス幅を有することは望ましいかもしれない。目標電圧レベルにいたる目標時間はどのくらいの時間にでもできる。しかしながら、時間のいくつかの例としては、約100μSから約200μS、または約500nSから約50μS、または約50μSから約300μS、または約300μSから約1mS、または約1mSから約100mSといったものがある。ある実施形態では、望ましいパルス幅は80μSから160μSの範囲内の値をとる。例えば、望ましいパルス幅は、110、135、138、または150μS、または他の値であってもよい。容量値C1および/または抵抗値R2は、上述されたように、望ましいパルス幅に達するように操作することができる。
【0049】
図示された実施形態においては、認証回路420は、1つ以上の抵抗器R4およびR5に接続することができるバッファアンプ429を備えている。他の実施形態においては、バッファアンプ429および/または1つ以上の抵抗器R4およびR5は認証回路420から省略することができる。しかしながら、バッファアンプ429は、認証回路420において、モニター回路410によるローディングを軽減することができる。
【0050】
認証回路420はまた、バッファアンプ429の出力信号のDC値をずらすことができるクランプダイオードD1を備えている。例えば、ダイオードD1は、約100mVから300mVの電圧降下もしくは約100mVから600mVの電圧降下がダイオードD1の両端にみられるように構成することができる。しかしながら、そのような範囲の値をとらないダイオードも、システム400に望ましいようにまたは適切に組み入れることができる。それらの中で、ダイオードD1は、キャパシターC1上、例えば患者監視システム400のテストサイクル間において電圧を排出(ドレイン)するよう構成することができる。ある実施形態では、ダイオードD1は、ショットキーダイオードであり、ほかのタイプのダイオードにも置き換え可能である。ある実施形態では、ダイオードD1は、例えば、演算増幅器またはキャパシターC1がそれを通して放電できるほかの装置に置き換えられる。ある実施形態では、ダイオードD1および/またはそれが搭載されている伝導性ブランチを認証回路420から省略することができる。種々のほかのコンポーネント、例えば、抵抗器R2、R3、およびR4といったものは認証回路420から除くことができる。
【0051】
ある実施形態では、バッファアンプ429はユニティゲインまたはそれ前後を有している。従って、認証回路420は、電流源424およびキャパシターC1によって生成され、ダイオードD1によってクランプされたランプ信号を、患者モニター回路410に効果的に出力する。しかしながら、いくつかの実施形態においては、バッファアンプは、ユニティゲイン以外のゲインを有している。
【0052】
図5は、患者監視システムにおける医療用ケーブルに関して使用される認証回路500の一実施形態の回路図を示したものである。例えば、認証回路500は、
図4と関連して上述された認証回路420の代わりに使用することができる。ある実施形態では、認証回路500は電子信号を受信するための入力ポート510を備えている。例えば、認証回路は、患者モニターもしくは他の機器からの、例えば、直流電圧信号のような、テスト信号を受信してもよい。認証回路500は、入力信号に少なくとも部分的に基づいて、出力信号を出力ポート520に対して生成するように構成されている。ある実施形態では、出力信号は指数電圧信号である。
【0053】
認証回路500は、入力ポート510に対して並列になるような構成になっている抵抗器R1、R2、R3、およびキャパシターC1を備えている。例えばバイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)のようなトランジスタが、そのベースにおいて抵抗器R1と接続され、そのコレクタにおいて抵抗器R2とキャパシターC2との並列分岐に接続されている。抵抗器R1およびR2は、トランジスタをバイアスすることができる。トランジスタT2は、そのベースにおいて、キャパシターC2と直列の抵抗器R3と接続され、そのコレクタにおいて抵抗器R4に接続され、また出力信号を出力ポート520に供給する。トランジスタT1およびT2は両方とも、そのエミッタにおいてグラウンドにつながれている。
【0054】
信号はポート510で患者モニターから入力されており、次に、T1によって通過させられおよび/または増幅されて、RC時間定数を有する指数電圧信号を生成するキャパシターC2および抵抗器R3からなる、RCペアにいたる。RCペアの出力はトランジスタT2によって増幅され、出力信号を生成する。トランジスタT1および/またはT2の増幅により、出力波形の立ち上がり時間は、T1とT2との間のRC回路の立ち上がり時間とは異なっている。
【0055】
図6は患者監視システムに使用されるセンサーアセンブリ600の一実施形態の斜視図である。センサーアセンブリ600は、患者監視システムで使用されるマウンティングブラケットおよび/またはサポートポール(不図示)に搭載可能である。ある実施形態では、センサーアセンブリ600は、ハウジング670および1つ以上のケーブル630、640を備えている。ケーブル630、640はハウジング670の一端から伸び、1つ以上の電気コネクター610、620で終端している。センサーアセンブリ600は、図示するように、ハウジング670の遠位端に示されたような、二方向のコックアセンブリのようなコックアセンブリ680をさらに有し得る。ある実施形態では、センサーアセンブリ600は約25〜35cmの長さがある。しかしながら、センサーアセンブリ600いかなる適切な長さであってもよい。ある実施形態では、コックアセンブリ680の内部フローチャネルが、ハウジング670においてマウンティングプレート650とは反対側に配置されたチューブ660に通じている。マウンティングプレート650は、チューブ660がマウンティングブラケットから外側に面するようにマウンティングブラケットに係合していてもよい。
【0056】
センサーアセンブリ600は、種々のほかのコンポーネントまたは機器に接続されるよう構成されていてもよい。コネクター610、620に嵌合して、例えば、センサーアセンブリ600を用いて検知された血圧のような、1つ以上の生理学的パラメーターを示す電気信号を受信する、ケーブルおよび/またはコネクターを、例えば、患者モニターは有していてもよい。ある実施形態では、測定される液体と接するように配置されたカテーテルが、コックアセンブリ680のポートに取りつけられ得る。ある実施形態では、複数のカテーテルが圧力の監視に使用されてもよい。
【0057】
図7Aは、モニター側コネクター710、ケーブル本体720、およびセンサー側コネクター730を有する医療用ケーブルアセンブリ700Aの一実施形態の側面図である。モニター側コネクター710は、患者モニターに接続され得るように構成されているが、一方でセンサー側コネクター730は患者の1つ以上の生理学的パラメーターを検知するセンサーに接続され得るように構成されている。ケーブル本体720は、モニター側コネクター710とセンサー側コネクター730との間で信号を送信することができるようにし得る。
【0058】
ある実施形態では、センサー側コネクター730が、少なくともその一部が1つ以上の内部電気コンポーネントであるハウジングからなる。
図7Bは、少なくとも一部がセンサー側コネクター730内に配置することができるコネクタアセンブリ732の一実施形態の分解組立図を示している。コネクタアセンブリ732は、ある実施形態では、電話ジャックに形も構造も類似した剛性構造体738を備えていてもよい。剛性構造体738は、1つ以上のピンを有していてもよく、そのピンはセンサーアセンブリの対応するピンと結合するように構成されている。そのようなピンは、剛性構造体738から伸びて剛性構造体738の外表面から突出していてもよい。そのような突出しているピンは、
図7Bにおいて符号739で示されている。ピン739は、図に示されるように、1つ以上の電気回路基板734を、1つ以上の回路基板734にある螺刻された貫通孔によって突き抜けるように構成されていてもよい。
【0059】
電気回路基板734は、種々の実施形態に対して上述されたように医療用ケーブル認証回路を備えていてもよい。ある実施形態では、電気回路基板は積層構造で剛性構造体738に近接して配置される構成になっており、そのことによりピン739が回路基板を、回路基板734の一つが他の回路基板に対してよりも剛性構造体738の表面に近接して配置されるように貫通する。加えて、コネクタアセンブリは、電気的に回路基板734を結合する電子ピンを有する回路基板734の間にコネクターもしくはヘッダー部材736を配置することができる。ヘッダー部材736はまた回路基板734の間に望ましい広さの空間を供給する空間構造を有していてもよい。
図7Dは、
図7Bに図示された組み立てられたコネクタアセンブリの斜視図である。
【0060】
図7Cは、
図7Aに図示された医療用ケーブルアセンブリの回路図を示したものである。
図7Cは、
図7Aおよび7Bに関連して述べられた種々のコンポーネント、例えばモニター側コネクター710、ケーブル本体720、回路基板734、ヘッダー部材736、剛性構造体738、の代替図である。医療用ケーブルアセンブリの種々のコンポーネント間を繋ぐ図示されたラインは、種々のコンポーネントの間の電気接続性を示している。
【0061】
図7Eは、
図7Aおよび上述されたセンサー側コネクター730の遠位端の正面図を示したものである。コネクター730は、剛性構造体738を中に入れる円筒形またはほかの形の外表部734を備えることができる。ある実施形態では、剛性構造体738は、電気コネクターをはめるカットアウト内部係合キャビティ734を備えている。キャビティ734は、標準電話ジャックもしくはイーサネットジャックのキャビティと同じか類似していてもよい。
【0062】
図8は、ここで述べられた1つ以上の実施形態にもとづく医療用ケーブルを認証する方法800を示したフローチャートである。方法800は、ブロック802に示されるように、医療用ケーブルを患者モニターに接続する工程を有している。例えば、使用者は、システムの仕様に応じて、適切なやり方で医療用ケーブルを患者モニターに物理的に結合してもよい。ブロック804では、患者モニターのようなところからテスト信号が受信される。テスト信号は、矩形のパルス波形、定電圧信号、またはほかの信号を有していてもよい。テスト信号は、医療用ケーブルに配置、または接続された認証回路によって受信される。ブロック806では、認証回路は、テスト信号を実質的に定電流の電流信号に少なくとも部分的に変換し、そのような信号の少なくとも一部を用いて、ランプ出力信号(ブロック808)を生成する。ブロック810では、ランプ信号が患者モニターに供給される。ある実施形態では、患者モニターは、ランプ信号に少なくとも部分的に基づいて、医療用ケーブルが認証されたケーブルであるかどうかを判断することができる。ブロック812では、医療用ケーブルを用いて、センサー信号がセンサーから患者モニターへ送信される。ある実施形態では、医療用ケーブルが認証された医療用ケーブルではないと判断されたというような場合には、センサー信号は患者モニターに送信されなくてもよい。
【0063】
図9は、認証回路の一実施形態の出力電圧ランプ信号910の、時間に対するグラフ900である。
図9においては、キャパシター電圧ランプ信号920も含む。
図9のグラフは、例えば、
図4に関連して上述された認証回路420に対応することができる。グラフに示されるように出力信号910は、キャパシターC1に電荷が蓄積されはじめる時に、約0.3Vの電圧ジャンプ915を有する。このジャンプ915は、約0.3Vのダイオード降下を有し得るダイオードD1といったダイオードのクランプ効果から少なくとも部分的に生じた結果であり得る。認証回路420の出力において、従って、ダイオード降下により、信号が0Vではなく約0.3Vに実際になるという結果が一実施形態において得られる。この電圧ジャンプは、少なくとも部分的にダイオードに依存することができるので、もしダイオード降下の値が0.3V以外であれば、初期電圧のジャンプ値を比較的高くすることができる。初期電圧の値はまた、前のテストサイクルからキャパシターに残留電圧があるので、より高い値であり得る。認証回路によって患者モニターに供給される出力値は、許容範囲内において容認できるものであってもよい。従って、電圧レベルの比較的マイナーな変化により、出力信号が、互換性または機能性の認証のために患者モニターによって予期される許容範囲から逸脱することはないであろう。
【0064】
図10は、認証回路の一実施形態の出力電圧信号が、認証回路に対応する抵抗値に対して、目標電圧に到達するのにかかる時間の例を示すグラフである。グラフは、例えば、
図4に関連して上述された認証回路420に対応することができる。ある実施形態では、患者モニターは、認証の目的のために、特定の範囲内に収まる認証回路からの電圧出力レベルを許容してもよい。従って、認証回路420のあるデバイスの値は、システムの特性に応じて、変更することができ、ひきつづき許容範囲に収まることができる。例えば、キャパシターC1と抵抗器R3が一定値に保たれている状態で、
図10はR2のさまざまな値に対して目標電圧値に到達するのにかかる時間を示す。適切な目標電圧は、例えば、約2から5V(もしくは他のいくつかの値)に許容範囲を加減した値であり得る。図示された実施形態においては、出力信号が目標電圧に到達するのにかかる許容時間は、約168μSから約104μSの間である。しかしながら、それらの値はある実施形態においては、目標電圧の範囲に応じて、もしくは他の要因に基づいて、大幅に異なり得る。
【0065】
図11は、認証回路の一実施形態の出力電圧信号が、認証回路に対応する抵抗値および容量値に対して、目標電圧に到達するのにかかる時間の例を示すグラフである。具体的には、R3の値が一定値に保たれている状態で、
図11は、R2およびC1のさまざまな値に対して、目標電圧に到達するのに要する時間を示している。線形電圧ランプが実際に目標電圧に到達するのにかかる時間はまた、他の要因の中でも、コンポーネント許容範囲、コンポーネントの温度変化、認証回路のノイズにより変わりうることも理解されたい。
【0066】
専門用語(ターミノロジー)
ここに述べられた見出しは、あったとしても便宜上のものであって、本発明の範囲または意味に必ずしも影響しない。例示的実施形態は医療用ケーブルに関連してのべられているが、本開示の実施形態は電子機器の認証が求められるいかなる用途にも適用可能である。
【0067】
ここに述べられた以外の多くのほかの変形例は本開示から明らかであろう。例えば、実施形態に基づいて、ここに記載された任意のアルゴリズムの特定の行為、事象、または機能を別の順序で実行することができ、または追加、合併、または完全に省略することも可能である(例えば、アルゴリズムの実行に上述のすべての行為または事象が必要というわけではない)。さらに、特定の実施形態では、複数の行為または事象を、例えばマルチスレッド処理、割り込み処理、もしくは複数のプロセッサまたはプロセッサコアまたは他の並列アーキテクチャによって、順次にではなくて同時に実行することができる。さらに、異なるタスクまたは処理を、協働して機能する別々の装置および/またはコンピュータシステムによって実行することが可能である。
【0068】
本明細書に開示の実施形態に関連して説明した種々の例示の論理ブロック、モジュール、およびアルゴリズムの各段階を、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組み合わせとして実現することができる。このハードウェアおよびソフトウェアの入れ換え可能性を明瞭に示すために、種々の例示のコンポーネント、ブロック、モジュール、および段階は、上記においては、おおむねそれらの機能に関して説明されている。そのような機能がハードウェアまたはソフトウェアのどちらで実現されるかは、個々の用途ならびに全体としてのシステムに課せられる設計の制約に依存する。上述の機能を、個々の用途の各々においてさまざまなやり方で実行することができるが、そのような実行の決定を、本開示の技術的範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈してはならない。
【0069】
本明細書に開示の実施形態に関連して説明した種々の例示の論理ブロックおよびモジュールを、本明細書に記載の機能を実行するように設計された汎用のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または他のプログラマブルな論理素子、ディスクリートなゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートなハードウェアコンポーネント、またはこれらの任意の組み合わせなどの装置によって実現または実行することができる。汎用のプロセッサは、マイクロプロセッサであってよいが、代案においては、プロセッサが、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械、またはこれらの組み合わせ、などであってよい。プロセッサを、演算装置の組み合わせとして実現することもでき、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合した1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実現することができる。主としてデジタル技術に関して説明を行ったが、プロセッサは、本質的にアナログのコンポーネントを含むこともできる。例えば、本明細書に記載の信号処理アルゴリズムのいずれかを、アナログ回路にて実行することができる。コンピュータ環境は、これらに限られるわけではないが、例えばマイクロプロセッサにもとづくコンピュータシステム、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、可搬のコンピュータデバイス、電子手帳(personal organizer)、デバイスコントローラ、および電気機器における計算エンジンなど、任意の種類のコンピュータシステムを含むことができる。
【0070】
本明細書に開示の実施形態に関連して説明した方法、プロセス、またはアルゴリズムの各段階を、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、または両者の組み合わせにおいて、直接的に具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、またはコンピュータにとって読み取り可能な任意の他の形態の非一時的記憶媒体、媒体、または技術的に公知の物理的なコンピュータ記憶装置に属することができる。典型的な記憶媒体を、記憶媒体からの情報の読み出しおよび記憶媒体への情報の書き込みが可能であるようにプロセッサに接続することができる。代案においては、記憶媒体がプロセッサと一体であってよい。プロセッサおよび記憶媒体が、ASICに属することができる。ASICは、ユーザ端末に属することができる。代案においては、プロセッサおよび記憶媒体が、個別のコンポーネントとしてユーザ端末に属することができる。
【0071】
とりわけ「できる(can)」、「してもよい、かもしれない(might)」、「できる、してもよい、かもしれない、し得る(may)」、「例えば」、など、本明細書において使用される条件付きの表現は、一般に、特に断らない限り、または使用の文脈からそのようでないと理解されない限り、特定の特徴、要素、および/または状態が特定の実施形態には含まれるが、他の実施形態には含まれない旨を伝えることを意図している。したがって、そのような条件付きの表現は、一般に、特徴、要素、および/または状態が1つ以上の実施形態にとって必ずや必要であるという意味ではなく、1つ以上の実施形態がこれらの特徴、要素、および/または状態が任意の特定の実施形態に含まれ、または実行されるかどうかを著者の入力または促しにより、または著者の入力または促しを必要とせずに決定するための論理を必ずや含むという意味でもない。用語「を備える(comprising)」、「を含む(including)」、「を有する(having)」、などは、同義語であり、制限のないやり方で包含を意味して使用され、さらなる要素、特徴、行為、動作、などを排除するものではない。また、用語「または(or)」は、(除外の意味ではなくて)包含の意味で使用され、例えば要素の列挙をつなげるために使用されるとき、用語「または」は、列挙される要素のうちの1つ、一部、またはすべてを意味する。
【0072】
以上の詳細な説明は、種々の実施形態に適用された新規な特徴を図示し、説明し、指摘しているが、例示した装置またはアルゴリズムの形態および詳細において、種々の省略、置換、および変更が、本発明の技術的思想から離れることなく可能であることを、理解できるであろう。理解されるとおり、いくつかの特徴を他の特徴とは別個に使用または実施できるため、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態を、本明細書に記載の特徴および利点をすべては提供しない形態で具現化することが可能である。