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特許5956090適応型電圧スケーリング(AVS)を行うための方法およびAVSを行うように構成された集積回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956090
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】適応型電圧スケーリング(AVS)を行うための方法およびAVSを行うように構成された集積回路
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/32 20060101AFI20160707BHJP
   G06F 1/04 20060101ALI20160707BHJP
   G06F 15/78 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   G06F1/32 Z
   G06F1/04 575
   G06F15/78 517
【請求項の数】44
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-551845(P2015-551845)
(86)(22)【出願日】2014年1月7日
(65)【公表番号】特表2016-503930(P2016-503930A)
(43)【公表日】2016年2月8日
(86)【国際出願番号】US2014010551
(87)【国際公開番号】WO2014110052
(87)【国際公開日】20140717
【審査請求日】2015年10月16日
(31)【優先権主張番号】13/736,295
(32)【優先日】2013年1月8日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナパ、マダン
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】アガシェ、パラグ・アルン
(72)【発明者】
【氏名】パガルカー、サジャド
(72)【発明者】
【氏名】ラビンドラナス、アシュウィン
(72)【発明者】
【氏名】ディグワルカー、サガー
【審査官】 中野 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−221301(JP,A)
【文献】 特開2004−213503(JP,A)
【文献】 特表2010−526380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/32
G06F 1/04
G06F 15/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力管理の方法であって、
適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを有する集積回路(IC)を提供することと、
第1の条件下では、前記AVSコントローラを使用して、前記ICの一部分に供給される電圧を制御するために、前記ICの少なくとも1つの感知された状態を示す信号を使用する第1のAVS動作を行うことと、
第2の条件下では、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態を示す前記信号を使用することなく、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧を制御することと
を備える、方法。
【請求項2】
前記第1のAVS動作は、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態を示す前記信号に基づいた、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧の動的な調節である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態は、前記ICの温度または前記ICの環境の温度を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態は、前記ICの温度または周波数または電圧を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の条件下で、前記AVSコントローラを使用して前記ICの前記一部分に供給される前記電圧を制御するために第2のAVS動作を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のAVS動作は、前記ICの不揮発性メモリに記憶された値に基づいて、前記ICの前記一部分についてベースライン動作電圧を設定することを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のAVS動作は、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態を示す前記信号に基づいた、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧の動的な調節を備え、第2のAVS動作は、前記ICに記憶された値に基づいて、前記ICの前記一部分についてのベースライン動作電圧を設定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ICに記憶された値に基づいて、前記ICの前記一部分についてベースライン動作電圧を設定することを含み、ここにおいて、前記第1のAVS動作は、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態を示す前記信号に基づいた、前記ベースライン動作電圧の動的な調節である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の条件は前記ICの動作状態を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の条件は、前記ICが外部電源によって動力供給されることまたはかなりの残りのバッテリ寿命を有することのうちの1つまたは複数を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の条件は、前記ICが高性能モードで動作することを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の条件は、前記ICが電力節約モードで動作することまたは前記ICがバッテリによって動力供給されていることのうちの1つまたは複数を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の条件は、前記ICがブート動作を行うことを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の条件は、前記ICのプロセッサが、前記プロセッサの最大容量の所与の割合よりも高い割合で動作することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
集積回路(IC)であって、
前記ICの一部分に供給される電圧を制御するように構成された適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラと、
前記ICの少なくとも1つの状態を感知し、前記少なくとも1つの感知された状態を示す出力信号を前記AVSコントローラに供給するように構成された少なくとも1つのセンサと
を備え、
ここにおいて、前記AVSコントローラは、前記AVSコントローラが前記電圧を制御するために前記出力信号を使用するように構成された第1のセッティング、および前記AVSコントローラが前記出力信号を使用することなく前記電圧を制御するように構成された第2のセッティングで動作するようにさらに構成される、IC。
【請求項16】
前記第2のセッティングでは、前記AVSコントローラは、前記ICの不揮発性メモリに記憶された値に基づいて前記電圧を制御するように構成される、請求項15に記載のIC。
【請求項17】
前記ICの前記少なくとも1つの状態は、前記ICの温度または前記ICの環境の温度である、請求項15に記載のIC。
【請求項18】
前記ICの前記少なくとも1つの状態は、前記ICの温度または周波数または電圧である、請求項15に記載のIC。
【請求項19】
前記AVSコントローラは、第1の条件下では前記第1のセッティングを選択し、第2の条件下では前記第2のセッティングを選択するように構成される、請求項15に記載のIC。
【請求項20】
前記第1の条件は前記ICの動作状態を備える、請求項19に記載のIC。
【請求項21】
前記第1の条件は、前記ICが外部電源によって動力供給されることまたはかなりの残りのバッテリ寿命を有することのうちの1つまたは複数を備える、請求項19に記載のIC。
【請求項22】
前記第2の条件は、前記ICが高性能モードで動作することを備える、請求項19に記載のIC。
【請求項23】
前記第2の条件は、前記ICが電力節約モードで動作することまたは前記ICがバッテリによって動力供給されていることのうちの1つまたは複数を備える、請求項19に記載のIC。
【請求項24】
前記第2の条件は、前記ICがブート動作を行うことを備える、請求項19に記載のIC。
【請求項25】
前記第2の条件は、前記ICのプロセッサが、前記プロセッサの最大容量の所与の割合よりも高い割合で動作することを備える、請求項19に記載のIC。
【請求項26】
少なくとも1つの半導体ダイに一体化された、請求項15記載のIC。
【請求項27】
請求項15に記載の集積回路を含む、セットトップボックス、ミュージックプレーヤ、ビデオプレーヤ、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、携帯情報端末(PDA)、固定ロケーションデータユニット、およびコンピュータからなるグループから選択されたデバイス。
【請求項28】
方法であって、
公称動作電圧と、集積回路(IC)の一部分に供給される電圧を制御するように構成された適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラとを有する前記ICを提供することと、
前記ICについて、前記公称動作電圧とは異なる電力節約動作電圧を決定することと、
前記電力節約動作電圧のインジケーションを前記ICに記憶することと、
前記ICの状態を感知することと、
第1の条件下では、前記電力節約動作電圧および前記ICの前記感知された状態に基づいて、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して第1のAVS動作を行うことと、
第2の条件下では、前記ICの前記感知された状態を使用することなく、前記電力節約動作電圧に基づいて、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して第2のAVS動作を行うことと
を備える、方法。
【請求項29】
電力管理の方法であって、
適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを有する集積回路(IC)を提供するためのステップと、
第1の条件下では、前記AVSコントローラを使用して、前記ICの一部分に供給される電圧を制御するために、前記ICの少なくとも1つの感知された状態を示す信号を使用する第1のAVS動作を行うためのステップと、
第2の条件下では、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態を示す前記信号を使用することなく、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧を制御するためのステップと
を備える、方法。
【請求項30】
前記第2の条件下で、前記AVSコントローラを使用して、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧を制御するために第2のAVS動作を行うためのステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ICに記憶された値に基づいて、前記ICの前記一部分についてのベースライン動作電圧を設定するためのステップを含み、ここにおいて、前記第1のAVS動作は、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態を示す前記信号に基づいた、前記ベースライン動作電圧の動的な調節である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第1のAVS動作は、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態または前記ICの環境を示す前記信号に基づいた、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧の動的な調節であり、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態は、前記ICの温度または周波数または電圧を備える、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを有する集積回路(IC)であって、
第1の条件下では、前記AVSコントローラを使用して、前記ICの一部分に供給される電圧を制御するために、前記ICの少なくとも1つの感知された状態を示す信号を使用する第1のAVS動作を行うための手段と、
第2の条件下では、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対する、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態を示す前記信号を前記第1のAVS動作の実行を防ぐための手段と
を備える、IC。
【請求項34】
集積回路(IC)であって、
前記ICの一部分に供給される電圧を制御するための手段と、
前記ICの少なくとも1つの状態を感知するための手段と、
前記少なくとも1つの感知された状態を示す出力信号を前記制御するための手段に供給するための手段と
を備え、
前記制御するための手段は、前記制御するための手段が、前記電圧を制御するために前記出力信号を使用するように構成された第1のセッティング、および前記制御するための手段が、前記出力信号を使用することなく前記電圧を制御するように構成された第2のセッティングで動作するように構成される、集積回路。
【請求項35】
前記制御するための手段は、適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを備える、請求項34に記載の集積回路。
【請求項36】
方法であって、
公称動作電圧と、集積回路(IC)の一部分に供給される電圧を制御するように構成された適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラとを有する前記ICを提供するためのステップと、
前記ICについて、前記公称動作電圧とは異なる電力節約動作電圧を決定するためのステップと、
前記電力節約動作電圧のインジケーションを前記ICに記憶するためのステップと、
前記ICの状態を感知するためのステップと、
第1の条件下では、前記電力節約動作電圧および前記ICの前記感知された状態に基づいて、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して第1のAVS動作を行うためのステップと、
第2の条件下では、前記ICの前記感知された状態を使用することなく、前記電力節約動作電圧に基づいて、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して第2のAVS動作を行うためのステップと、
を備える、方法。
【請求項37】
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶体であって、前記命令は、実行されると、第1の条件下では、適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを使用して集積回路(IC)の一部分に供給される電圧を制御するために、前記ICの少なくとも1つの感知された状態を示す信号を使用する第1のAVS動作を行うことと、第2の条件下では、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態を示す前記信号を使用することなく、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧を制御することとを、前記ICの前記AVSコントローラに行わせる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体
【請求項38】
前記第1のAVS動作は、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態を示す前記信号に基づいた、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧の動的な調節であり、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態は、前記ICの温度または周波数または電圧を備える、請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体
【請求項39】
前記第2の条件下で前記ICの前記一部分に供給される前記電圧は、前記ICの不揮発性メモリに記憶された値に基づいたベースライン動作電圧を備える、請求項37に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体
【請求項40】
前記AVSコントローラは、可変電圧ソースから電流を受け取り、前記電流が前記ICに供給される前記電圧を制御するために、前記可変電圧ソースに1つまたは複数の制御信号を送るようにさらに構成される、請求項15に記載のIC。
【請求項41】
前記不揮発性メモリに記憶された前記値は、前記ICの前記一部分に供給されるべきベースライン電圧または前記ICの前記一部分が動作するように構成された公称電圧からのオフセットを表す、請求項16に記載のIC。
【請求項42】
前記第1のセッティングでは、前記AVSコントローラは、前記少なくとも1つのセンサからの前記出力信号にしたがって前記不揮発性メモリに記憶された前記値を調節し、前記調節された値にしたがって前記電圧を制御するように構成される、請求項16に記載のIC。
【請求項43】
前記ICが動作可能な電力節約電圧を表す値を記憶するように構成された不揮発性メモリを
をさらに備える、請求項15に記載のIC。
【請求項44】
前記AVSコントローラは、
不揮発性メモリから、記憶された値を読み取り、
前記第1のセッティングでは、前記少なくとも1つのセンサからの前記出力信号にしたがって前記記憶された値を調節し、前記調節された値にしたがって前記供給された電圧を制御し、
前記第2のセッティングでのみ、前記記憶された値にしたがって前記供給された電圧を制御する
ようにさらに構成される、請求項15に記載のIC。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、適応型電圧スケーリング(AVS)動作を行うための方法とこの方法を採用する集積回路とに向けられており、より詳細には、特定の条件下ではAVS動作を行い、他の条件下ではAVS動作を行わない方法と、この方法を採用する集積回路とに向けられている。
【背景技術】
【0002】
[0002] 集積回路(IC)は、所与の公称電圧のときに特定の速度で動作するように設計される。使用されるマテリアルの変動および/またはそれらが形成される製造プロセスの変動に起因して、同一であることが意図されるICは、公称電圧が供給されるとは異なる速度で動作しうる。個々のデバイスの速度は、製造試験中に決定され得、特定のデバイスの速度に関するインジケーションが不揮発性な方法でICに記憶されうる。例えば、ICの速度に関する情報を、ヒューズビットのようなワンタイムプログラマブルレジスタ(one-time programmable register)に記憶することで知られている。記憶された情報は、特定のICがその定格動作速度で動く(perform)ために必要な実際の電圧を特定しうるか、または、公称動作電圧からのオフセットまたはデルタを特定しうる。
【0003】
[0003] 所与のICは、このICの一部分が動作する電圧を制御する適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを含みうる。AVSコントローラは、例えば、製造試験中にICに記憶された動作電圧についての情報を読み取り、それに応じてICの動作電圧を制御しうる。AVSコントローラはまた、電圧を制御するために、ICの状態および/またはその環境についての情報を使用しうる。例えば、特定のICは、そのICの温度が上昇するにつれ、より速く動作しうる。このように、AVSコントローラは、温度の上昇が検出された場合には、そのICに供給される電圧を低下させ、温度の低下が検出された場合には、電圧を増加させるであろう。例えば、ICの一部分が動作している周波数のような他の動作状態もまた、消費電力に影響を及ぼし得、AVSコントローラは、これらの状態をモニタリングし、モニタリングされた様々な状態が変化するのに応じて、ICに供給される電圧を制御しうる。
【0004】
[0004] 従来のAVSコントローラは、ICの一部分に供給される電圧を低下させることで電力節約を提供することができるが、そのような節約は、達成するのに処理電力を必要とする。すなわち、IC上のプロセッサは、センサ信号を分析し、所望の電圧調節を行わなければならない。このように、消費電力を低下させることはまた、ICまたはICによって制御されるデバイスの性能を低下させうる。したがって、システム性能に対するインパクトが低下したAVSの方法およびシステムを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 例示的な実施形態は電力管理の方法を含み、それは、適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを有する集積回路(IC)を提供することと、第1の条件下では、AVSコントローラを使用してICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うことと、第2の条件下では、ICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行わないこととを備える。
【0006】
[0006] 別の実施形態は、ICの一部分に供給される電圧を制御するように構成されたAVSコントローラと、ICの少なくとも1つの状態を感知することおよび少なくとも1つの感知された状態を示す出力信号をAVSコントローラに供給することを行うように構成された少なくとも1つのセンサとを備えるICを含む。ICは、第1のセッティングおよび第2のセッティングを有し、AVSコントローラは、第1のセッティングでは電圧を制御するために出力信号を使用し、第2のセッティングでは出力信号から独立して電圧を制御するように構成される。
【0007】
[0007] さらなる実施形態は、公称動作電圧と、ICの一部分に供給される電圧を制御するように構成されたAVSコントローラとを有するICを提供することと、ICについて、公称動作電圧とは異なる電力節約動作電圧を決定することと、電力節約動作電圧のインジケーションをICに記憶することと備える方法を含む。方法はさらに、ICの状態を感知することと、第1の条件下では、電力節約動作電圧およびICの感知された状態に基づいて、ICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うことと、第2の条件下では、ICの感知された状態から独立して電力節約動作電圧に基づいて、ICの一部分に供給される電圧に対して第2のAVS動作を行うこととを含む。
【0008】
[0008] さらに別の実施形態は、AVSコントローラを有するICを提供するためのステップと、第1の条件下では、AVSコントローラを使用して、ICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うためのステップと、第2の条件下では、ICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行わないためのステップとを含む電力管理の方法を備える。
【0009】
[0009] さらに別の実施形態は、AVSコントローラを有するICを備え、第1の条件下では、AVSコントローラを使用して、ICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うための手段と、第2の条件下では、ICの一部分に供給される電圧に対する第1のAVS動作の実行を防ぐための手段とを含む。
【0010】
[0010] 別の実施形態は、ICの一部分に供給される電圧を制御するための手段と、ICの少なくとも1つの状態を感知するための手段と、少なくとも1つの感知された状態を示す出力信号を、制御するための手段に供給するための手段とを含むICを備える。ICは、第1のセッティングおよび第2のセッティングを有し、制御するための手段は、第1のセッティングでは、電圧を制御するために出力信号を使用するように構成され、制御するための手段は、第2のセッティングでは、出力信号から独立して電圧を制御するように構成される。
【0011】
[0011] さらなる実施形態は、公称動作電圧と、ICの一部分に提供される電圧を制御するように構成されたAVSコントローラとを有するICを提供するためのステップと、ICについて、公称動作電圧とは異なる電力節約動作電圧を決定するためのステップと、電力節約動作電圧のインジケーションをICに記憶するためのステップを含む方法を備える。方法はまた、ICの状態を感知するためのステップと、第1の条件下では、電力節約動作電圧およびICの感知された状態に基づいて、ICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うためのステップと、第2の条件下では、ICの感知された状態から独立して電力節約動作電圧に基づいて、ICの一部分に供給される電圧に対して第2のAVS動作を行うためのステップとを含む。
【0012】
[0012] 添付の図面は、本発明の実施形態の説明を助けるために提示され、これら実施形態の限定としてではなくその例示のためだけに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の実施形態に係る、集積回路の概略的な例示である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る、方法を例示するフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施形態に係る、別の方法を例示するフローチャートである。
図4図4は、本開示の実施形態が使用されうる例示的なワイヤレス通信システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0017] 本発明の態様が、本発明の特定の実施形態に向けられた以下の説明および関連の図面で開示される。代替の実施形態が、本発明の適用範囲(scope)から逸脱することなく考案されうる。追加的に、本発明の周知の要素は、本発明に関連する細部を曖昧にしないために、詳細には説明されないかまたは省略されるだろう。
【0015】
[0018] 「例示的」という用語は、本明細書では、「一例、事例、または例示として機能する」という意味で使用される。「例示的」として本明細書で説明される任意の実施形態は、必ずしも、他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。同様に、「本発明の実施形態」という用語は、本発明のすべての実施形態が、説明される特徴、利点、または動作モードを含むこと必要としない。
【0016】
[0019] 本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本発明の実施形態を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別途内容から明らかに示されない限り、複数形も含むことを意図している。「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、述べられる特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を妨げないことはさらに理解されるだろう。
【0017】
[0020] さらに、多くの実施形態は、例えば、コンピューティングデバイスの要素によって行われるべき一連のアクションの観点から説明される。本明細書で説明される様々なアクションが特定の回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、プログラム命令が1つまたは複数のプロセッサによって実行されていることによって、または、両者の組み合わせによって行われうることは認識されるだろう。追加的に、本明細書で説明されるこれら一連のアクションは、実行を受けて、本明細書で説明される機能を行うことを関連したプロセッサに行わせるコンピュータ命令の対応のセットを格納しているあらゆる形式のコンピュータ可読記憶媒体内で完全に具現化されるものであると考えられうる。このように、本発明の様々な態様は、多数の異なる形式で具現化されることができ、それらはすべて、特許請求の範囲に記載される主題の適用範囲内にあるものと予想されている。加えて、本明細書で説明される実施形態の各々について、任意のそのような実施形態の対応の形式は、例えば、説明されるアクションを行う「ように構成された論理」として、本明細書で説明されうる。
【0018】
[0021] 図1は、プロセッサ114および制御論理116が位置する一部分112を含むシステムオンシップ(SoC)の一部分を備えうる集積回路(IC)110を示す。IC110のための電力管理は、第1の線120を介して一部分112に電圧を供給する適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラ118によって提供される。AVSコントローラ118は、第2の線124を介して可変電圧ソース122から電流を受け取り、この電流がIC110に供給される電圧を制御するために、第3の線126を介して可変電圧ソース122に制御信号を送る。IC110はまた、IC110の製造中にプログラミングされうる値であって、IC110が動作しうるより低い電圧または電力節約電圧を表しうる値130を記憶する不揮発性メモリ128も含む。不揮発性メモリ128は、例えば、永久的なまたは半永久的な方法で値130が記憶されるEPROMまたはヒューズビットを備えうる。
【0019】
[0022] IC110はまた、IC110の少なくとも1つの状態を感知し、ここで、感知された状態には、温度、IC110の一部分112の動作電圧、またはIC110のプロセッサ114の動作周波数のうちの1つまたは複数が含まれうる、感知された状態を示す出力信号を第4の線134を介してAVSコントローラ118に供給するように構成された少なくとも1つのセンサ132を含む。少なくとも1つのセンサ132が電圧または動作周波数を感知するように構成されているとき、少なくとも1つのセンサ132は、オプションのセンサ線136を介して一部分112にも接続されうる。温度だけが検出されているときにはセンサ線136は必要ない。
【0020】
[0023] AVSコントローラ118は、第5の線131を介して不揮発性メモリ128から、記憶された値130を読み取り、この記憶された値130を使用して、大抵のまたはすべての動作条件下でIC110の一部分112に供給すべきベースライン電圧を決定する。記憶された値130は、一部分112に供給されるべき電圧を表しうるか、または代替的に、一部分112が動作するように構成された公称電圧からのオフセットを表しうる。例えば、IC110の一部分112は、1.20mVで動作するよう名目上定格された要素を含みうる。しかしながら、IC110の製造試験中に、一部分112の要素が1.20mVで規定されたものよりも速く動作すること、および、これらの要素が、1.15mVのときに所望の方法で動作可能であることが決定されている可能性がある。このように、不揮発性メモリ128に記憶された値130は、所望の動作電圧を示す「1.15」または公称1.20mV動作電圧からのオフセットを示す「−0.05」のいずれかでありうる。この形式の電圧制御、ここでは、AVSコントローラ118が、IC110に記憶された値に基づいてIC110の一部分112に供給される電圧を制御する、は、本明細書では、「静的制御」、または、AVSコントローラ118の「第2のセッティング」とも呼ばれうる。
【0021】
[0024] 記憶された値130に基づいてIC110の一部分112に供給される電圧を制御することに加えて、AVSコントローラ118は、それが、IC110の検出された状態に基づいて、一部分112に供給される電圧を動的に調節または制御しうる第1のセッティングを有する。例えば、IC110の温度が上昇するにつれ、所望の速度でプロセッサ114を動作させるのに十分な電圧レベルは低くなりうる。したがって、AVSコントローラ118は、少なくとも1つのセンサ132からの出力信号が温度の上昇を示すと、一部分112に供給される電圧を減少させ、少なくとも1つのセンサ132からの出力信号が温度の低下を示すと、一部分112に供給される電圧を増加させるように構成されうる。感知された温度の上昇が電圧の増加を必要とする他の状況が有りうるが、AVSコントローラ118は、そのような調節も同様に行うように構成されることができる。一部分112で感知される電圧に依存して、および/または、少なくとも1つのセンサ132によって感知されたプロセッサ114の動作周波数に基づいて、一部分112に供給される電圧を変えることも知られている。実際、AVSコントローラ118は、この第1の、すなわち動的な、セッティングで動作するとき、少なくとも1つのセンサ132によって感知された記憶された値に基づいて、任意の従来の電圧スケーリングプロセスを行うように構成されうる。
【0022】
[0025] 従来のAVSコントローラでは、第1のセッティングおよび第2のセッティングが同時に使用される。すなわち、従来のAVSコントローラは、一部分112に供給すべき電圧を決定するために、不揮発性メモリ128に記憶された値130を使用し、次いで、少なくとも1つのセンサ132によって感知されるICの状態に基づき、必要に応じて、この値を調節するであろう。記憶された値に基づいて電圧を制御することは、IC110のベースライン動作電圧を下げることである程度の電力節約を提供する。追加の電力節約は、IC110の状態に基づいて電圧を動的に制御することで達成される。しかしながら、感知された状態に基づいて電圧を制御することは、算出を行うために、および/または、感知されている条件に基づいた動作電圧に対する適切な調節を示すデータを取り出すために、処理電力およびいくらかの時間量を必要とする。本発明人は、IC110の動作状態でありうる特定の条件下では、増加した電力節約の利益を、上述された動的な電圧決定プロセスによって引き起こされるゆっくりとしたチップ動作が上回るものと判断している(determine)。したがって、開示される実施形態では、AVSコントローラ118は、以下の2つのセッティング有するように構成される:動的な電圧制御が行われる第1のセッティングと、例えば、少なくとも1つのセンサ132によって感知された状態から独立して、不揮発性メモリ128に記憶された値130に基づいて静的な電圧制御だけが行われる第2のセッティング。AVSコントローラ118は、IC110の条件またはその環境に基づいて、これら2つのセッティングから1つを選択するであろう。
【0023】
[0026] AVSコントローラ118は、エネルギー効率の良い方法でIC110に動力供給するために、大半の時間を第1のセッティングで動作しうる。しかしながら、エネルギー使用の低下よりも性能が重要であると考えられる条件下では、AVSコントローラ118は、第2のセッティングで動作しうる。高性能が望ましい条件には、IC110がブート動作またはスタートアップシーケンスを実行しているブート条件が含まれる。ブートシーケンス中動作電圧を動的に制御することは、ブートシーケンスを長くする。第2のセッティングを使用して、すなわち、動的な電圧制御なしにIC110を動作させることは、ブートプロセスを短くし、IC110を採用するデバイスを、動的な電圧制御が行われた場合よりも早く利用できるようにする。このアプローチは第1のセッティングでの動作よりもわずかに多くのエネルギーを使用するが、ブートシーケンスは典型的に、デバイスの全動作時間のうちのごく一部分しか占めていないため、ブートシーケンス中に第2のセッティングを使用することの全エネルギー使用に対するインパクトはわずかである。
【0024】
[0027] IC110は、プロセッサ114がその最大容量の所与の割合で、例えば、80パーセント以上で、動作しているとき、高性能モードで動作すると考えられうる。これは、例えば、プロセッサ114が、サウンド付きで映画をレンダリングしていることに加え、バックグラウンド制御機能を行っているときに生じうる。この高性能モードでは、AVSコントローラ118を、第2のセッティングで動作させ、高性能モードが選択されている限り、動的な電圧制御の実行を控えさせることも望まれうる。これは特に、デバイスが、バッテリというよりはむしろ外部電源によって動力供給されているときに当てはまる。高性能モードの存在は、プロセッサ使用度の測定に基づいて、または、ビデオファイルを表示することなど、プロセッサへの負担が大きい既知の動作の選択に基づいて決定され得、AVSコントローラ118は、高性能モードが必要とされるとき第2のセッティングを使用しうる。
【0025】
[0028] 上述したように、ブート動作中およびIC110が高性能モードで稼働していているとき、AVSコントローラ118を第2のモードで動作させることが一般に望まれる。しかしながら、行われている動作に関わりなく、AVSコントローラ118が、静的な、電力節約モードで(第2のセッティングで)、維持されるべきである場合が存在しうる。例えば、IC110が、バッテリによって動力供給されているとき、電力節約が性能よりも望ましい可能性がある。したがって、AVSコントローラ118は、それが、IC110がバッテリによって動力供給されているすべての時間に第1のセッティングを使用して動作するように構成されることが可能である。代替的に、IC110が残りのバッテリ寿命をモニタリングするように構成される場合、AVSコントローラ118は、かなりの量のバッテリ寿命が残っている場合には第1のセッティングで動作し、バッテリが大幅に消耗しており、電力節約が性能よりも望ましくなると第2のセッティングに切り替わりうる。
【0026】
[0029] 図2は、AVSコントローラを有するICを提供するブロック200と、第1の条件下ではICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うブロック202と、第2の条件下ではICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行わないブロック204とを含む実施形態に係る方法を例示する。
【0027】
[0030] 図3は、公称動作電圧と、ICの一部分に供給される電圧を制御するように構成されたAVSコントローラとを有するICを提供するブロック300、および、ICについて、公称動作電圧とは異なる電力節約動作電圧を決定するブロック302を含む別の実施形態に係る方法を例示する。方法はまた、電力節約動作電圧のインジケーションをICに記憶するブロック304と、ICの状態を感知するブロック306とを含む。加えて、方法は、第1の条件下では、電力節約動作電圧およびICの感知された状態に基づいて、ICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うブロック308と、第2の条件下では、ICの感知された状態から独立して電力節約動作電圧に基づいて、ICの一部分に供給される電圧に対して第2のAVS動作を行うブロック310とを含む。
【0028】
[0031] 図4は、本開示の1つまたは複数の実施形態が有利に採用されうる例示的なワイヤレス通信システム400を例示する。例示を目的として、図4は、3つの遠隔ユニット420、430、450と、2つの基地局440とを示す。従来のワイヤレス通信システムが、より多くの遠隔ユニットおよび基地局を有しうることは認識されるであろう。遠隔ユニット420、430、450は、集積回路または他の半導体デバイス425、435、455を含み、これらは、以下でさらに説明される本開示の実施形態のうちの1つである。図4は、2つの基地局440および遠隔ユニット420、430、450からの順方向リンク信号480と、遠隔ユニット420、430、450から2つの基地局440への逆方向リンク信号490とを示す。
【0029】
[0032] 図4では、遠隔ユニット420はモバイル電話として示され、遠隔ユニット430はポータブルコンピュータとして示され、遠隔ユニット450は、ワイヤレスローカルループシステムにおける固定ロケーション遠隔ユニットとして示される。例えば、遠隔ユニットは、モバイル電話、ハンドヘルドパーソナル通信システム(PCS)ユニット、携帯情報端末(PDA)のようなポータブルデータユニット、ナビゲーションデバイス(GPS対応デバイスのような)、セットトップボックス、ミュージックプレーヤ、ビデオプレーヤ、エンターテイメントユニット、検針器のような固定ロケーションデータユニット、あるいは、データまたはコンピュータ命令を記憶または取り出すその他のデバイス、あるいはそれらの任意の組み合わせのうちのいずれか1つまたはそれらの組み合わせでありうる。図4は、本開示の教示にしたがって遠隔ユニットを例示しているが、本開示は、これらの例示的に例示されたユニットに限定されない。本開示の実施形態は、試験および特徴付けのためにメモリおよびオンチップ回路を含むアクティブな集積回路を有する任意のデバイスにおいて適切に採用されうる。
【0030】
[0033] 開示された先のデバイスおよび機能またはそれらの任意の組み合わせは、コンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータファイル(例えば、RTL、GDSII、GERBER、等)へと設計および構成されうる。いくつかのまたはすべてのそのようなファイルは、それらのファイルに基づいてデバイスを製造する製造ハンドラに提供されうる。結果として得られる製品は、その後、半導体ダイに切り分けられ、半導体チップへとパッケージ化される半導体ウエハを含む。半導体チップは、上述されたもののような電子デバイスで採用されうる。
【0031】
[0034] 本明細書で開示された実施形態に関連して説明された方法、シーケンス、および/またはアルゴリズムは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、または両者の組み合わせにおいて具現化されうる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROM(登録商標)メモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野において知られているその他の形式の記憶媒体内に存在しうる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替的に、記憶媒体は、プロセッサに一体化されうる。
【0032】
[0035] したがって、本発明の実施形態は、実現のための方法を具現化するコンピュータ可読媒体を含むことができる。したがって、本発明は、例示された例に限定されるわけではなく、本明細書で説明された機能を行うためのあらゆる手段が本発明の実施形態に含まれる。
【0033】
[0036] 先の開示は、本発明の実例となる実施形態を示しているが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の適用範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正が本明細書で行われうることに留意されるべきである。本明細書で説明された発明の実施形態にしたがった方法請求項の機能、ステップ、および/またはアクションは、特定の順序で行われる必要はない。さらに、本発明の要素は、単数形で説明および請求されうるが、単数形に限定することが明記されていない限り、複数形が予想される。
以下に本願発明の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
電力管理の方法であって、
適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを有する集積回路(IC)を提供することと、
第1の条件下では、前記AVSコントローラを使用して、前記ICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うことと、
第2の条件下では、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して前記第1のAVS動作を行わないことと
を備える方法。
[C2]
前記第1のAVS動作は、前記ICの少なくとも1つの感知された状態または前記ICの環境に基づいた、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧の動的な調節である、C1に記載の方法。
[C3]
前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態は、前記ICの温度または前記ICの環境の温度を備える、C2に記載の方法。
[C4]
前記第1のAVS動作は、前記ICの少なくとも1つの感知された状態または前記ICの環境に基づいた、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧の動的な調節であり、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態は、前記ICの温度または周波数または電圧を備える、C1に記載の方法。
[C5]
前記第2の条件下で、前記AVSコントローラを使用して、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して第2のAVS動作を行うことを含む、C1に記載の方法。
[C6]
前記第2のAVS動作は、前記ICの不揮発性メモリに記憶された値に基づいて、前記ICの前記一部分についてベースライン動作電圧を設定することを備える、C5に記載の方法。
[C7]
前記第1のAVS動作は、前記ICの少なくとも1つの感知された状態に基づいた、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧の動的な調節を備え、前記第2のAVS動作は、前記ICに記憶された値に基づいて、前記ICの前記一部分についてのベースライン動作電圧を設定することを備える、C1に記載の方法。
[C8]
前記ICに記憶された値に基づいて、前記ICの前記一部分についてベースライン動作電圧を設定することを含み、ここにおいて、前記第1のAVS動作は、前記ICの少なくとも1つの感知された状態または前記ICの環境に基づいた、前記ベースライン動作電圧の動的な調節である、C1に記載の方法。
[C9]
前記第1の条件は前記ICの動作状態を備える、C8に記載の方法。
[C10]
前記第1の条件は前記ICの電源を備える、C8に記載の方法。
[C11]
前記第2の条件は、前記ICが高性能モードで動作することを備える、C8に記載の方法。
[C12]
前記第1の条件は、前記ICが電力節約モードで動作することを備える、C8に記載の方法。
[C13]
前記第2の条件は、前記ICがブート動作を行うことを備える、C8に記載の方法。
[C14]
前記第2の条件は、前記ICのプロセッサが、前記プロセッサの最大容量の所与の割合よりも高い割合で動作することを備える、C1に記載の方法。
[C15]
集積回路(IC)であって、
前記ICの一部分に供給される電圧を制御するように構成された適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラと、
前記ICの少なくとも1つの状態を感知し、前記少なくとも1つの感知された状態を示す出力信号を前記AVSコントローラに供給するように構成された少なくとも1つのセンサと
を備え、
ここにおいて、前記ICは、第1のセッティングおよび第2のセッティングを有し、前記AVSコントローラは、前記第1のセッティングでは前記電圧を制御するために前記出力信号を使用するように構成され、前記AVSコントローラは、前記第2のセッティングでは前記出力信号から独立して前記電圧を制御するように構成される、IC。
[C16]
前記第2のセッティングでは、前記AVSコントローラは、前記ICの不揮発性メモリに記憶された値に基づいて前記電圧を制御するように構成される、C15に記載のIC。
[C17]
前記ICの前記少なくとも1つの状態は、前記ICの温度または前記ICの環境である、C15に記載のIC。
[C18]
前記ICの前記少なくとも1つの状態は、前記ICの温度または周波数または電圧である、C15に記載のIC。
[C19]
前記AVSコントローラは、第1の条件下では前記第1のセッティングを選択し、第2の条件下では前記第2のセッティングを選択するように構成される、C15に記載のIC。
[C20]
前記第1の条件は、前記ICの動作状態を備える、C19に記載のIC。
[C21]
前記第1の条件は前記ICの電源を備える、C19に記載のIC。
[C22]
前記第2の条件は、前記ICが高性能モードで動作することを備える、C19に記載のIC。
[C23]
前記第1の条件は、前記ICが電力節約モードで動作することを備える、C19に記載のIC。
[C24]
前記第2の条件は、前記ICがブート動作を行うことを備える、C19に記載のIC。
[C25]
前記第2の条件は、前記ICのプロセッサが、前記プロセッサの最大容量の所与の割合よりも高い割合で動作することを備える、C19に記載のIC。
[C26]
少なくとも1つの半導体ダイに一体化された、C15記載のIC。
[C27]
C15に記載の集積回路を含む、セットトップボックス、ミュージックプレーヤ、ビデオプレーヤ、エンターテイメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、携帯情報端末(PDA)、固定ロケーションデータユニット、およびコンピュータからなるグループから選択されたデバイス。
[C28]
方法であって、
公称動作電圧と、集積回路(IC)の一部分に供給される電圧を制御するように構成された適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラとを有する前記ICを提供することと、
前記ICについて、前記公称動作電圧とは異なる電力節約動作電圧を決定することと、
前記電力節約動作電圧のインジケーションを前記ICに記憶することと、
前記ICの状態を感知することと、
第1の条件下では、前記電力節約動作電圧および前記ICの前記感知された状態に基づいて、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して第1のAVS動作を行うことと、
第2の条件下では、前記ICの前記感知された状態から独立して、前記電力節約動作電圧に基づいて、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して第2のAVS動作を行うことと
を備える方法。
[C29]
電力管理の方法であって、
適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを有する集積回路(IC)を提供するためのステップと、
第1の条件下では、前記AVSコントローラを使用して、前記ICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うためのステップと、
第2の条件下では、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して前記第1のAVS動作を行わないためのステップと
を備える方法。
[C30]
前記第2の条件下で、前記AVSコントローラを使用して、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して第2のAVS動作を行うためのステップを含む、C29に記載の方法。
[C31]
前記ICに記憶された値に基づいて、前記ICの前記一部分についてのベースライン動作電圧を設定するためのステップを含み、ここにおいて、前記第1のAVS動作は、前記ICの少なくとも1つの感知された状態または前記ICの環境に基づいた、前記ベースライン動作電圧の動的な調節である、C29に記載の方法。
[C32]
前記第1のAVS動作は、前記ICの少なくとも1つの感知された状態または前記ICの環境に基づいた、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧の動的な調節であり、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態は、前記ICの温度または周波数または電圧を備える、C29に記載の方法。
[C33]
適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを有する集積回路(IC)であって、
第1の条件下では、前記AVSコントローラを使用して、前記ICの一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うための手段と、
第2の条件下では、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対する前記第1のAVS動作の実行を防ぐための手段と
を備える、IC。
[C34]
集積回路(IC)であって、
前記ICの一部分に供給される電圧を制御するための手段と、
前記ICの少なくとも1つの状態を感知するための手段と、
前記少なくとも1つの感知された状態を示す出力信号を前記制御するための手段に供給するための手段と
を備え、
前記ICは、第1のセッティングおよび第2のセッティングを有し、前記制御するための手段は、前記第1のセッティングでは前記電圧を制御するために前記出力信号を使用するように構成され、前記制御するための手段は、前記第2のセッティングでは前記出力信号から独立して、前記電圧を制御するように構成される、集積回路。
[C35]
前記制御するための手段は、適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを備える、C34に記載の集積回路。
[C36]
方法であって、
公称動作電圧と、集積回路(IC)の一部分に供給される電圧を制御するように構成された適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを有する前記ICを提供するためのステップと、
前記ICについて、前記公称動作電圧とは異なる電力節約動作電圧を決定するためのステップと、
前記電力節約動作電圧のインジケーションを前記ICに記憶するためのステップと、
前記ICの状態を感知するためのステップと、
第1の条件下では、前記電力節約動作電圧および前記ICの前記感知された状態に基づいて、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して第1のAVS動作を行うためのステップと、
第2の条件下では、前記ICの前記感知された状態から独立して、前記電力節約動作電圧に基づいて、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して第2のAVS動作を行うためのステップと、添付
を備える方法。
[C37]
命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体を備える製品であって、前記命令は、実行されると、第1の条件下では、適応型電圧スケーリング(AVS)コントローラを使用して集積回路(IC)の一部分に供給される電圧に対して第1のAVS動作を行うことと、第2の条件下では、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧に対して前記第1のAVS動作を行わないこととを、前記ICの前記AVSコントローラに行わせる、製品。
[C38]
前記第1のAVS動作は、前記ICの少なくとも1つの感知された状態または前記ICの環境に基づいた、前記ICの前記一部分に供給される前記電圧の動的な調節であり、前記ICの前記少なくとも1つの感知された状態は、前記ICの温度または周波数または電圧を備える、C37に記載の製品。
[C39]
前記第2のAVS動作は、前記ICの不揮発性メモリに記憶された値に基づいて、前記ICの前記一部分についてベースライン動作電圧を設定することを備える、C37に記載の製品。
図1
図2
図3
図4