(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014]添付の図面とともに以下に示す詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を説明するものであり、本発明が実施され得る唯一の実施形態を表すものではない。この説明全体にわたって使用する「例示的」という用語は、「例、事例、または例示の働きをすること」を意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈すべきではない。発明を実施するための形態は、本発明の例示的な実施形態の完全な理解を与える目的で具体的な詳細を含む。本発明の例示的な実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実行され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、本明細書で提示する例示的な実施形態の新規性を不明瞭にしないように、よく知られている構造およびデバイスをブロック図の形式で示す。
【0010】
[0015]
図1に、2つの電子システム101および102の間のワイヤレス通信を示す。電子システム101はワイヤレス送信機103から情報をワイヤレスに送り得る。ワイヤレス信号は、一般に、無線周波数(「RF」)信号として符号化される。信号は、電子システム102に結合されたワイヤレス受信機104においてアンテナによって受信される。受信された信号は、極めて小さく、アンテナ上の環境雑音と区別することが難しいことがある。様々な例示的な実施形態では、ワイヤレス信号の受信をサポートするように動作する切替え可能ゲインバッファ105をもつ増幅器が提供される。以下でより詳細に説明するように、ワイヤレス受信機は、所望の電流および/または利得特性を取得するために、切替え可能ゲインバッファ105をもつ増幅器によって与えられる複数の利得チャネルのうちの1つを選択し得る。
【0011】
[0016]例示的な実施形態では、同じ利得および異なる電流を有する異なる複数の利得チャネルから1つの利得チャネルを選択することは、線形性の要請に基づいて実行され得る。たとえば、高い利得では、他の利得チャネルよりも高い電流と、対応するより高い線形性とを有するように、利得チャネルが選択される。より低い利得では、線形性許容差(linearity tolerance)が緩和され得、より低い電流消費を有する異なる利得チャネルが選択され、それによって電力を節約し得る。したがって、利得チャネルは同じ利得を有し得るが、各チャネルは、利得チャネル選択に基づいて電力消費が低減または最適化され得るような異なる量の電流を消費し得る。
【0012】
[0017]別の例示的な実施形態では、異なる利得チャネルから利得チャネルを選択することは、所望の利得に基づいて実行され得る。たとえば、受信された信号が極めて小さい(たとえば、特定のしきい値を下回る)とき、他の利得チャネルより高い利得を有する利得チャネルのうちの1つが選択され、受信された信号を増幅するように構成され得る。受信信号がより強い(たとえば、特定のしきい値を上回る)とき、より低い利得を有する利得チャネルのうちの1つが選択され得る。様々な例示的な実施形態では、受信された信号の増幅および受信を改善するために複数の利得チャネルからの選択が行われる。
【0013】
[0018]
図2は、切替え可能ゲインバッファ208をもつ増幅器の例示的な実施形態を含むワイヤレス受信機200を示す。RF信号がアンテナ201によって受信され得る。低雑音増幅器(「LNA(low noise amplifier)」)202が、RF信号を受信し、第1の段増幅を行う。例示的な実施形態では、増幅されたRF信号を受信するために、切替え可能ゲインバッファ203がLNA202の出力に結合される。切替え可能ゲインバッファ203は複数の利得チャネル210を含む。各利得チャネルは、異なる電流および/または利得特性を有し得る。動作中、切替え可能ゲインバッファ203は、選択される利得チャネルにかかわらず、LNA202に一定の入力インピーダンス(Z
1)を与える。したがって、所望の電流および/または利得に応じて、異なる電流消費を有するが依然として一定の入力インピーダンス(Z
1)を維持する、異なる利得チャネルが選択され得る。
【0014】
[0019]LNA202および切替え可能ゲインバッファ203はまた、ベースバンドプロセッサ207から制御信号209を受信する。LNA202の利得を選択および/または構成するためならびに/あるいは切替え可能ゲインバッファ203の利得チャネルのうちの1つを有効にするために、ベースバンドプロセッサ207からの制御信号209が使用され得る。切替え可能ゲインバッファ203の出力はミキサ204(別名、「復調器」または「ダウンコンバータ」)に結合される。ミキサ204の出力はフィルタ205に入力され、フィルタ205の出力はアナログデジタル変換器(「A/D」)206に入力される。ダウンコンバートされた信号を表すデジタル信号(N)がA/D206から出力され、ベースバンドプロセッサ207によって受信され、処理され、それは、デジタル化された信号に対してデジタル信号処理演算を実行するように構成され得る。
【0015】
[0020]例示的な実施形態では、ベースバンドプロセッサ207は、ダウンコンバートされた信号の信号強度を監視し、応答して、利得および電流消費の所望の量を与えるようにLNA202および/または切替え可能ゲインバッファ203を構成する。信号強度が低下した際、LNA202および/または切替え可能ゲインバッファ203は、より高い電流とより良い線形性とを有する利得チャネルが選択されるように再構成され得る。信号強度が増加した際、LNAの利得は低減され得、および/または電力消費を低減するために、より低い電流消費を有する切替え可能ゲインバッファ203の異なる利得チャネルが選択され得る。
【0016】
[0021]
図3に、増幅器304および切替え可能ゲインバッファ308の例示的な詳細な実施形態を示す。たとえば、増幅器304および切替え可能ゲインバッファ308は、
図2に示された増幅器202および切替え可能ゲインバッファ203としての使用に好適である。アンテナ301において受信されたRF信号は、フィルタ302に通され、整合ネットワーク303によってLNA304に結合される。フィルタ302は、たとえば、表面弾性波(「SAW:surface acoustic wave」)フィルタであり得る。この実施形態例では、整合ネットワーク303の出力はLNA304のピン(P1)に接続される。本明細書で用いられる「ピン」という用語は、たとえば、集積回路(「IC」)パッケージのピン、またはICのパッドを指し得る。他の例示的な実施形態では、ICピンは回路中の異なるロケーションにあり得、いくつかのピンは除去され得る。LNA304は、P1に接続されたゲート端子を有するトランジスタM1を含む。LNA304の利得は、M1のゲートと信号接地との間に接続されたプログラマブル電圧源V
Pを使用してM1のゲートにおける電圧レベルを変更することによって調整され得る。例示的な実施形態では、ベースバンドプロセッサは、LNA304の利得を設定するためにプログラマブル電圧源Vpを制御する利得制御信号309を出力する。
【0017】
[0022]M1のソース端子はインダクタL1の第1の端子に接続される。インダクタL1の第2の端子は第1の基準電圧(たとえば、信号接地)に接続される。M1のドレイン端子はトランジスタM2のソース端子に接続される。M2のゲート端子はバイアス電圧(V1)に接続される。M2のドレイン端子は、変圧器X1の第1の誘導性コイルの第1の端子に接続される。変圧器X1の第1の誘導性コイルの第2の端子は、第2の基準電圧(たとえば、Vdd)に接続され、それは、第1の基準電圧よりも大きい。変圧器X1の第2の誘導性コイルは、信号接地に接続された第1の端子と、出力ピン(P2)に接続された第2の端子とを有する。LNA304は
カスコード増幅器として構成される。P1において受信された入力信号は、V
Pによって与えられた利得設定に従ってLNA304によって増幅され、増幅された信号はP2上に生成される。
【0018】
[0023]この実施形態例では、P2と切替え可能ゲインバッファ308のピン(P3)との間に伝送線路(T
1)が接続される。切替え可能ゲインバッファ308は、3つの利得チャネル(たとえば、Chan1、Chan2、およびChan3)を備える。様々な例示的な実施形態では、利得チャネル(Chan1、Chan2、およびChan3)は同じまたは異なる利得および/または電流消費を有し得る。また、任意の数の利得チャネルが利用され得ることに留意されたい。
【0019】
[0024]ピンP3はすべての利得チャネルへの共通入力端子として働き、したがって、P3における増幅された信号入力はすべての利得チャネルに接続される。各利得チャネルの出力は変圧器X2の第1のコイルの第1の端子310に結合される。変圧器X2の第1のコイルの第2の端子は電源電圧Vddに接続される。変圧器X2の出力は第2のコイルの第1および第2の端子にわたる。変圧器X2の第2のコイルの第1および第2の端子は、ミキサ306の入力に結合された差動信号を生成する。ミキサ306の別の入力は局部発振器(LO:local oscillator)信号を受信する。LO信号は、シングルエンド信号または差動信号であり得る。ミキサ306の出力は、ローパスフィルタ307(「LPF」)に結合され、それは、ベースバンドプロセッサ(「BB」)によって処理されるベースバンド信号を生成する。また、LPF307は、異なる実施形態では、帯域フィルタ(BPF:band pass filter)としても構成され得ることに留意されたい。
【0020】
[0025]動作中、LNA304が所望の利得を有するP3における信号を生成するように(利得制御信号309を使用して)V
Pを制御することによって、LNA304の利得が変更される。利得チャネル(Chan1、Chan2、およびChan3)は、所望の利得および/または電流消費に基づいて構成される。動作中、P3における信号を変圧器X2の端子310に結合するために、利用可能な利得チャネルのうちの1つが選択され得る。選択された利得チャネルは、電力を節約するために他の利得チャネルよりも低い電流消費を与え得る。代替的に、選択された利得チャネルは、他の利得チャネルと比較して所望の利得レベルを与え得る。たとえば、異なるチャネルが異なる量の利得を与えるように、Chan1はChan2よりも高い利得を有し得、Chan2はChan3よりも高い利得を有し得る。したがって、適切な利得チャネルは、所望の利得または電流の量に基づいて選択され得る。利得チャネルは任意の所望の利得および/または電流の特性を与えるように構成される得ることに留意されたい。
【0021】
[0026]バッファ308は、選択される利得チャネルにかかわらず、LNA304から見た入力インピーダンス(Z
1)が一定または実質的に同じままであるように構成される。たとえば、入力インピーダンス(Z
1)は50オームまたは他の好適な値に設定され得る。
図3に示されているように、利得チャネルは共通ゲート増幅器段を備える。たとえば、Chan1は、共通ゲート増幅器として構成されたNMOSトランジスタM3を含む。M3のソースは、抵抗器R1を備えるインピーダンスネットワーク(N1)を介してP3に接続される。M3のドレインはNMOSトランジスタM4のソースに接続される。M3のゲートは、スイッチ、S1を介してバイアス電圧V
B1に接続される。M4は、M3と
カスコード構成で接続される。M4のゲートは別のスイッチS2を介してバイアス電圧V
C1に接続され、M4のドレインは、変圧器X2の端子310に接続され、変圧器は共通ゲート増幅器段上の負荷として働く。
【0022】
[0027]Chan1のように、Chan2は、共通ゲート増幅器として構成されたNMOSトランジスタM5と、変圧器X2の端子310に接続された出力と
カスコードに構成されたM6とを含む。以下でより詳細に説明する整合の目的で、M5のソースはP3に直接接続される。M5のゲートはスイッチS3を介してバイアス電圧V
B2に接続され、M6のゲートはスイッチS4を介してバイアス電圧V
C2に接続される。
【0023】
[0028]Chan3は、共通ゲート増幅器として構成されたNMOSトランジスタM7と、変圧器X2の端子310に接続された出力と
カスコードに構成されたM8とを含む。トランジスタM7のソース端子はピンP3に直接接続される。整合の目的で、Chan3は、Chan3がアクティブであるときにR3を接地に選択的に接続するためにスイッチS7と直列に接続された抵抗器R3を備えるインピーダンスネットワーク(N3)を含む。トランジスタM7のゲートはスイッチS5を介してバイアス電圧V
B3に接続され、トランジスタM8のゲートはスイッチS6を介してバイアス電圧V
C3に接続される。
【0024】
[0029]この実施形態例では、トランジスタM3、M5、およびM7は選択的にバイアス電圧(V
Bx)に接続され、トランジスタM4、M6、およびM8は選択的にバイアス電圧(V
Cx)に接続される。様々な例示的な実施形態では、バイアス電圧(V
Bx)および(V
Cx)は、任意の所望の値を有するように構成され得る。たとえば、同じまたは異なる利得チャネルに関連するバイアス電圧は、必要に応じて同じまたは異なり得る。
【0025】
[0030]バイアス生成器312は、ベースバンドプロセッサからのバイアス制御信号313に基づいてバイアス電圧V1、V
Cx、およびV
Bxを生成するように構成される。たとえば、例示的な実施形態では、バイアス生成器は、受信されたデジタル信号を適切なバイアス電圧に変換する1つまたは複数のデジタルアナログ変換器を備える。たとえば、
図2に示されたベースバンドプロセッサ207は、バイアス生成器312が使用するバイアス制御信号313を出力する。したがって、ベースバンドプロセッサ207は、バイアス電圧のいずれかのレベルを構成することができる。
【0026】
[0031]動作中、スイッチ制御信号305(c1〜c7)が、デバイスにおけるベースバンドプロセッサまたはいくつかの他のエンティティから受信される。スイッチ制御信号305(c1〜c7)は、任意の所望の利得チャネル構成を有効にするためにスイッチ(S1〜S7)を開閉するように動作する。たとえば、Chan1は、スイッチS1およびS2を閉じることと、スイッチS3〜S7を開くこととによって選択(または有効に)される。Chan2は、スイッチS3およびS4を閉じることと、スイッチS1〜S2およびS5〜S7を開くこととによって選択される。Chan3は、スイッチS5〜S7を閉じることと、スイッチS1〜S4を開くこととによって選択される。様々な例示的な実施形態では、スイッチ(S1〜S7)は、選択された利得チャネルを有効または無効にするために、グループでまたは個々に制御され得る。たとえば、同じまたは異なるチャネルに関連するスイッチは、必要に応じて一緒におよび/または個々に制御され得る。したがって、同時に複数の利得チャネルを有効にすることが可能である。
【0027】
入力インピーダンスを維持するようにサイズ決定されたトランジスタ
[0032]共通ゲート段の線形性はその段における定在電流によって設定され、そこでは、より高い電流がより高い線形性を生じ、より低い電流がより低い線形性を生じる。同時に、電流はまた、共通ゲート段の入力インピーダンスを設定する。したがって、各利得チャネル中の定在電流は、各利得チャネルの入力における整合に影響を及ぼし得る。
図3では、伝送線路T
1は50オームの特性インピーダンスを有し得る。伝送線路T
1は、ICの間の回路板上の形状、またはIC上の構成要素の間の金属配線であり得る。
【0028】
[0033]様々な例示的な実施形態では、Chan1、Chan2、およびChan3は、伝送線路T
1に対して整合するために一定の入力インピーダンス(Z
1)を与えるように構成される。例示的な実施形態では、デバイスM3、M5、およびM7は、一定の入力インピーダンスを与えるようにインピーダンスネットワークN1およびN3(すなわち、抵抗器R1およびR3)を用いてサイズ決定され、構成される。たとえば、例示的な実施形態では、M3は、M5よりも大きくなるようにサイズ決定され、M5は、M7よりも大きくなるようにサイズ決定される。特定の例示的な実施形態では、M3は25オームデバイスであり、M5は50オームデバイスであり、M7は100オームデバイスである。たとえば、トランジスタの入力抵抗はトランジスタの相互コンダクタンス(GM)に反比例し、したがってトランジスタの相互コンダクタンスは、所望の抵抗および得られた入力インピーダンスを取得するように設定される。したがって、伝送線路(T
1)の50オームインピーダンスと整合するために、M3(25オーム)は、25オーム抵抗器(R1)を備えるインピーダンスネットワークN1と直列に構成される。したがって、Chan1が選択されるとき、切替え可能利得段308は、伝送線路T
1の50オームインピーダンスと整合する50オーム入力インピーダンスを生成する。対応するより低い電流消費をもつより小さいトランジスタを使用するChan2を選択することによって、電流消費が低減され得る。Chan2が選択されるとき、M5(50オーム)は、伝送線路T
1に整合するために補足インピーダンスネットワークを必要としない。共通ゲートトランジスタM5のサイズは、伝送線路に整合するように構成される。電流のさらなる低減のために、Chan3が選択され得る。この場合、M7(100オーム)は、50オーム入力インピーダンスを生成するために100オーム抵抗器(R3)を備えるインピーダンスネットワークN3と並列に構成される。
【0029】
[0034]したがって、様々な例示的な実施形態では、各利得チャネルは、一定の入力インピーダンスを維持しながら異なる電流および/または異なる利得を生成するために、異なるトランジスタデバイスサイズ(または異なる相互コンダクタンス)を有する異なる段をもつ共通ゲート段を備える。さらに、利得チャネルのうちの1つまたは複数は、伝送線路T
1に整合するために一定の整合入力インピーダンスを生成するために、それの対応するトランジスタのサイズに基づいて構成されたインピーダンスネットワーク(たとえば、抵抗器、インダクタ、キャパシタまたはそれらの組合せ)を含み得る。たとえば、各利得チャネルは、全体的に一定の入力インピーダンスを与えるために、他の利得チャネルと実質的に同じである入力インピーダンスを与える。
【0030】
[0035]
図4は、ワイヤレスデバイス中の増幅器と切替え可能共通ゲートゲインバッファとを利用する信号の増幅のための方法400の例示的な実施形態を示す。たとえば、方法400は、
図3に示された増幅器304および切替え可能ゲインバッファ308とともに使用するのに好適である。
【0031】
[0036]ブロック402において、現在の利得チャネル上の信号強度の測定が実行される。例示的な実施形態では、ベースバンドプロセッサ207は、
図3に示された増幅器304および切替え可能ゲインバッファ308によって処理される受信されたRF信号からの決定されたベースバンド信号を受信するように動作する。切替え可能ゲインバッファ308は、利得チャネル(Chan1、Chan2、またはChan3)のうちの1つが有効にされるように設定されると仮定される。
【0032】
[0037]ブロック404において、受信された信号を異なる利得チャネルを用いて処理するためにゲインバッファを変更すべきかどうかに関する決定が行われる。たとえば、ベースバンドプロセッサ207は、信号利得または電流消費における変更が必要とされると決定し、異なる利得チャネルが有効にされなければならないと決定し得る。異なる利得チャネルが必要とされる場合、本方法はブロック406に進む。異なる利得チャネルが必要とされない場合、本方法は終了する。
【0033】
[0038]ブロック406において、必要な場合、LNA利得を調整する。例示的な実施形態では、LNA利得の変更が必要である場合、M1のゲートと信号接地との間に接続されたプログラマブル電圧源V
Pを使用してM1のゲートにおける電圧レベルを変更することによって、LNA304の利得が調整される。例示的な実施形態では、ベースバンドプロセッサ207は、LNA304の利得を設定するためにプログラマブル電圧源V
Pを制御する利得制御信号309を出力する。
【0034】
[0039]ブロック408において、所望の利得チャネルを有効にするために、適切なスイッチ制御信号を出力する。例示的な実施形態では、ベースバンドプロセッサ207は、適切なスイッチ(S1〜S7)を開閉し、それによって所望の利得チャネルを有効にする制御信号(c1〜c7)を出力する。
【0035】
[0040]ブロック410において、所望の利得チャネルを有効にする。例示的な実施形態では、制御信号(c1〜c7)は切替え可能ゲインバッファによって受信され、これらの信号は、所望の利得チャネルを有効にするために適切なスイッチを開閉するように動作する。さらに、ベースバンドプロセッサ207は、適切な利得チャネルを有効および/または無効にするために適切なバイアス信号を生成するためにバイアス制御信号313を出力する。
【0036】
[0041]ブロック412において、所望の利得チャネルが有効にされた後、一定の入力インピーダンスを維持する。例示的な実施形態では、利得チャネルは、選択可能な利得および/または電流消費を与えながら一定の入力インピーダンスを与えるようにサイズ決定されたトランジスタデバイスで構成される。例示的な実施形態では、一定の入力インピーダンスを維持するために、選択された利得チャネルに関連するインピーダンスネットワークが使用される。たとえば、Chan3利得チャネルは、100オームのためにサイズ決定されたデバイスを含み、結果として所望の50オーム入力インピーダンスになるように、並列の100オーム抵抗器を備える追加のインピーダンスネットワークN3を含む。
【0037】
[0042]したがって、方法400は、ワイヤレスデバイス中の増幅器と切替え可能共通ゲートゲインバッファとを利用する信号の増幅を行う。方法400の動作は、他の等価方法が可能であるように当業者によって並べ替えられ、修正され、または変更され得ることに留意されたい。
【0038】
[0043]
図5は、切替え可能ゲインバッファにおいて使用する利得チャネル500の例示的な実施形態を示す。たとえば、利得チャネル500は、
図3に示された切替え可能ゲインバッファ308において使用するのに好適である。利得チャネル500は、それぞれ、4つのスイッチ(S
A〜S
D)を介して4つのバイアス信号(V
A〜V
D)を受信するために結合された4つのトランジスタデバイス(M
A〜M
D)を備える。4つのスイッチ(S
A〜S
D)は4つのスイッチ制御信号(C
A〜C
D)によって制御される。たとえば、例示的な実施形態では、スイッチ制御信号(C
A〜C
D)は、
図2に示されたベースバンドプロセッサ207によって生成され、バイアス信号(V
A〜V
D)は、
図3に示されたバイアス生成器312によって生成される。
【0039】
[0044]トランジスタM
BおよびM
Dは、ピンP3において入力信号を受信するために結合される。代替の例示的な実施形態では、入力信号は、随意のインピーダンスネットワークZ
2を通ってトランジスタM
Dまで流れる。インピーダンスネットワークZ
2は、トランジスタM
Dと結合するように構成された抵抗値を有する抵抗器を備える。インピーダンスネットワークZ
2はまた、所望のインピーダンス値を与えるためにインダクタ、キャパシタ、または任意の他の構成要素を備え得ることに留意されたい。トランジスタM
AおよびM
Cは出力端子310に結合される。トランジスタM
AおよびM
Bは、アクティブにされたときに電流I
1が図示のように流れるように互いに接続される。トランジスタM
CおよびM
Dは、それらがアクティブにされたときに電流I
2が図示のように流れるように互いに接続される。
【0040】
[0045]トランジスタ(M
A〜M
D)は、それぞれサイズ(Sz
A〜Sz
D)を有するようにサイズ決定される。たとえば、トランジスタのサイズは、それらの関連する相互コンダクタンスから決定される。例示的な実施形態では、利得チャネル500のための所望の入力インピーダンス(Z
1)を維持するために、所望の入力インピーダンスZ
1を生成するためにトランジスタ(M
A〜M
D)のサイズが組み合わさる。別の例示的な実施形態では、所望の入力インピーダンスZ
1を生成するためにトランジスタ(M
A〜M
D)のサイズおよびインピーダンスネットワークZ
2が組み合わさる。別の例示的な実施形態では、バイアス信号(V
A〜V
D)が、電流I
1およびI
2を設定するために調整され、それによってトランジスタ(M
A〜M
D)および随意にZ
2の組合せから生じるインピーダンスを設定する。たとえば、電流I
1およびI
2が1/4だけ低減される場合、トランジスタデバイスによって与えられるインピーダンスは1/2だけ低減される。したがって、トランジスタ(M
A〜M
D)のサイズを調整することおよび/またはトランジスタ(M
A〜M
D)のサイズと(電流I
1およびI
2を設定する)バイアス電圧とを調整することによって、およびインピーダンスZ
2を随意に使用して、利得チャネル500の入力インピーダンスZ
1が所望の値に設定され得る。
【0041】
[0046]
図6は、切替え可能ゲインバッファ装置600の例示的な実施形態を示す。たとえば、装置600は、
図3に示された切替え可能ゲインバッファ308として使用するのに好適である。一態様では、装置600は、本明細書で説明する機能を与えるように構成された1つまたは複数のモジュールによって実装される。たとえば、一態様では、各モジュールは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを実行するハードウェアを備える。
【0042】
[0047]装置600は、入力信号を受信し、選択された利得および電流の特性のうちの少なくとも1つを有する出力信号を生成するために、共通入力において一定の入力インピーダンスを与える複数の選択可能な利得チャネルを与えるための手段(602)を備える第1のモジュールを備え、ここにおいて、少なくとも2つの利得チャネルは、一態様では、切替え可能ゲインバッファ308を備える、異なる相互コンダクタンス値を有するトランジスタを利用する。
【0043】
[0048]装置600は、一態様では、インピーダンスネットワークN1よびN3を備える、一定の入力インピーダンスを与えるために少なくとも1つの利得チャネルに結合された少なくとも1つのインピーダンスネットワークを与えるための手段(604)を備える第2のモジュールを備える。
【0044】
[0049]情報および信号は多種多様な技術および技法のいずれかを使用して表されるか、または処理され得ることを、当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。さらに、トランジスタタイプおよび技術は、同じ結果を達成するために交換、再構成または場合によっては変更され得ることに留意されたい。たとえば、PMOSトランジスタを利用する図示された回路は、NMOSトランジスタを使用するように変更され得、その逆も同様である。したがって、本明細書で開示する増幅器は、様々なトランジスタタイプおよび技術を使用して実現され得、図面に示されたそれらのトランジスタタイプおよび技術に限定されない。たとえば、BJT、GaAs、MOSFETまたは他のトランジスタ技術などのトランジスタタイプが使用され得る。
【0045】
[0050]さらに、本明細書で開示した実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得ることを、当業者は諒解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の例示的な実施形態の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0046】
[0051]本明細書で開示した実施形態に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行し得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0047】
[0052]本明細書で開示した実施形態に関して説明した方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで実施されるか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施されるか、またはその2つの組合せで実施され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM(登録商標))、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に常駐し得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化され得る。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐し得る。ASICはユーザ端末中に常駐し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐し得る。
【0048】
[0053]1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、非一時的コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。非一時記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを搬送または記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびblu−ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0049】
[0054]開示した例示的な実施形態の前述の説明は、当業者が本発明を実施または使用することができるように与えたものである。これらの例示的な実施形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書で示した例示的な実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
装置であって、前記装置は下記を備える、
入力信号を受信し、選択された利得および電流の特性のうちの少なくとも1つを有する出力信号を生成するために、共通入力において一定の入力インピーダンスを与える複数の選択可能な利得チャネル、ここにおいて、少なくとも2つの利得チャネルは、異なる相互コンダクタンス値を有するトランジスタを利用する、と、
前記一定の入力インピーダンスを与えるために少なくとも1つの利得チャネルに結合された少なくとも1つインピーダンスネットワーク。
[C2]
C1に記載の装置であって、前記装置は、
前記出力信号を生成するために前記利得チャネルのうちの少なくとも1つを選択するように構成された少なくとも1つの制御信号をさらに備える。
[C3]
C1に記載の装置であって、
前記少なくとも1つのインピーダンスネットワークが、抵抗器とキャパシタとインダクタとのうちの少なくとも1つを備える、装置。
[C4]
C1に記載の装置であって、
各利得チャネルが、切替え可能バイアス電圧によって有効にされる少なくとも1つのカスケードトランジスタペアを備える、装置。
[C5]
C1に記載の装置であって、
前記入力インピーダンスが50オームのために構成された、装置。
[C6]
C1に記載の装置であって、
前記出力信号の前記選択された利得が、前記入力信号に関連する利得と、選択された利得チャネルに関連する利得とによって決定される、装置。
[C7]
C1に記載の装置であって、
前記装置が共通ゲートバッファとして構成された、装置。
[C8]
C1に記載の装置であって、前記装置は、
前記入力信号を生成する増幅器をさらに備える。
[C9]
C1に記載の装置であって、
少なくとも1つの利得チャネルが、他の利得チャネルと同じかまたはそれよりも低い利得を与えながら、より少ない電流を消費するように構成された、装置。
[C10]
装置であって、前記装置は下記を備える、
入力信号を受信し、選択された利得および電流の特性のうちの少なくとも1つを有する出力信号を生成するために、共通入力において一定の入力インピーダンスを与える複数の選択可能な利得チャネルを与えるための手段、ここにおいて、少なくとも2つの利得チャネルは、異なる相互コンダクタンス値を有するトランジスタを利用する、と、
一定の入力インピーダンスを与えるために少なくとも1つの利得チャネルに結合された少なくとも1つインピーダンスネットワークを与えるための手段。
[C11]
C10に記載の装置であって、前記装置は、
前記出力信号を生成するために前記利得チャネルのうちの少なくとも1つを選択するように構成された少なくとも1つの制御信号を与えるための手段さらに備える。
[C12]
C10に記載の装置であって、
前記少なくとも1つのインピーダンスネットワークを与えるための前記手段が、抵抗器とキャパシタとインダクタとのうちの少なくとも1つを備える、装置。
[C13]
C10に記載の装置であって、
各利得チャネルが、切替え可能バイアス電圧によって有効にされる少なくとも1つのカスケードトランジスタペアを備える、装置。
[C14]
C10に記載の装置であって、
前記入力インピーダンスが50オームのために構成された、装置。
[C15]
C10に記載の装置であって、
前記出力信号の前記選択された利得が、前記入力信号に関連する利得と、選択された利得チャネルに関連する利得とによって決定される、装置。
[C16]
C10に記載の装置であって、
前記装置が共通ゲートバッファとして構成された、装置。
[C17]
C10に記載の装置であって、前記装置は、
前記入力信号を生成するための増幅のための手段をさらに備える。
[C18]
C10に記載の装置であって、
少なくとも1つの利得チャネルが、他の利得チャネルと同じかまたはそれよりも低い利得を与えながら、より少ない電流を消費するように構成された、装置。