【実施例】
【0013】
実施例1
以下の処方に従い増粘安定剤の微細なゲルを作成した。
アルギン酸Na粉末 20g
水 980g
グルコノデルタラクトン 25g
水 475g
炭酸カルシウム粉末 2.5g
水 597.5g
【0014】
アルギン酸Na20gを980gの水に攪拌添加し、溶解させ、2%アルギン酸Na溶液を1000g作成した。
炭酸カルシウム2.5gを597.5gの水に分散させ、0.5%炭酸カルシウム分散液を作成した。
グルコノデルタラクトン25gを水475gに溶解し5%グルコノデルタラクトン溶液を作成した。
2%アルギン酸ナトリウム溶液に0.5%炭酸カルシウム溶液を添加し攪拌混合した後、調整直後の5%グルコノデルタラクトン溶液を添加し、攪拌混合した。その後6時間静置し、ゲル化させ、出来上がったゲルをミキサーで破砕した後、ホモミキサーで粉砕してアルギン酸Caの微細なゲル(本発明品1)を得た。
得られたゲルを粒度分布測定装置(Beckman coulter社製)にて測定したところメジアン径で75.68μmであった。
【0015】
比較例1
下記配合にてアルギン酸Naを水に攪拌溶解し、アルギン酸Na1%溶液を作成して、これを比較品として用いた。(比較品1)
アルギン酸Na 1g
水 99g
【0016】
試験例1
ブドウ糖果糖液糖(Bx75°)1.25kgに水8.75kgを加えて溶解し、飲料原液を作成した。
上記飲料原液に対し、実施例1及び比較例1で調製した本発明品1、及び比較品1を無添加、0.1%、0.3%、0.5%、1.0%、3.0%添加したものを作成し、さらにそれぞれの調整液をペットボトルに入れて炭酸ガスを圧入し、ボトル内の圧力を5℃において1kg/cm
2、2kg/cm
2にて密封し、炭酸飲料を製造した。
調製した炭酸飲料の炭酸感について、熟練したパネル5名により官能評価を行った。
評価基準は炭酸感の強さ及び口中での持続性について行い、無添加を基準(評点0)として、−3〜+3の7段階の評価とた。評価点の平均を表1に示す。
【0017】
(評点基準)
非常に強く感じる:3点
強く感じる :2点
若干強く感じる :1点
変わらない :0点
若干弱く感じる :−1点
弱く感じる :−2点
非常に弱く感じる:−3点
【0018】
【表1】
【0019】
表1の結果より明らかなように官能評価においてすべての添加量で本願発明品を添加したものはパネラーにより炭酸を強く持続して感じると評価されたが、比較品を添加したものについては炭酸を強く又は持続して感じるという評価は、得られなかった。
【0020】
試験例2
水に本願発明品1を1.0%添加したもの、及び無添加のものを作成し、さらにそれぞれの調製液をペットボトルに入れて炭酸ガスを圧入し、ボトル内の圧力を5℃において3kg/cm
2にて密封し、炭酸水を製造した。
上記炭酸水を開封し、200mlビーカーに100ml静かに注ぎ、35℃の恒温槽に静置した。ビーカーに加えた直後、及び30分後、60分後にピペットを用いて5ml炭酸水を採取し、6N−NaOH0.3mlの入ったチューブに静かに加えて、チューブを静かに振盪した。これにより炭酸ガスを炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムに変換し、フェノールフタレインとメチルオレンジを用いて塩酸による2段階滴定にて溶存炭酸ガス含有量を求めた。測定結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
表2より明らかなように本発明品を加えた炭酸水は無添加品に比べ、時間経過後もより多くの二酸化炭素を含んでいた。すなわち本発明品を含有する炭酸飲料は溶存二酸化炭素の保持能力が含有しない炭酸飲料より優れていることがわかった。
【0023】
実施例2
以下の処方に従い増粘安定剤の微細なゲルを含有した炭酸飲料を調製した。
脱アシル型ジェランガム 5g
乳酸カルシウム 1.5g
水 493.5g
コーン油 499.5g
乳化剤 0.5g
【0024】
水に脱アシル型ジェランガムを分散し90℃5分加熱して溶解した後、70℃で保温した。
乳酸カルシウムを水に分散し90度まで加温して溶解し、70℃で保温した。
コーン油にW/O型乳化剤を分散し、70度まで加温した。
上記コーン油をホモミキサーで攪拌しながら徐々に脱アシル型ジェランガム溶液を添加し乳化した。乳化液に対して乳酸カルシウムを徐々に加えて再び乳化した。
上記で作成した乳化液を30℃以下まで冷却し乳化液の水部をゲル化させ後に遠心分離して微細なゲル(本発明品2)を得た。
得られたゲルを粒度分布測定装置(Beckman coulter社製)にて測定したところメジアン径で147.5μmであった。
【0025】
比較例2
下記配合にて脱アシル型ジェランガムの1%溶液を作成し、これを比較品2として用いた。
脱アシル型ジェランガム 1g
水 99g
上記を加熱溶解し、冷却する
【0026】
試験例3
ブドウ糖果糖液糖(Bx75°)1.25kgに水8.75kgを加えて溶解し、飲料原液を調製した。
上記飲料原液に本発明品2及び比較品2を無添加、0.1%、0.3%、0.5%、1.0%添加したものを作成し、さらにそれぞれの調整液をペットボトルに入れて炭酸ガスを圧入し、ボトル内の圧力を5℃において2kg/cm
2にて密封し、炭酸飲料を製造した。
上記にて作成した炭酸飲料の炭酸感について、熟練したパネル5名により官能評価を行った。評価基準は炭酸感の強さ及び口中での持続性について行い、無添加を基準(評点0)として、−3〜+3の7段階の評価とた。評価点の平均を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
表3の結果から明らかなように官能評価においてすべての添加量で本発明品を添加したものはパネラーにより炭酸を強く感じると評価されたが、比較品を添加したものについては炭酸を強く又は持続して感じるという評価は、得られなかった。