特許第5956151号(P5956151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5956151光反射率を変化させる表示装置及びその駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956151
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】光反射率を変化させる表示装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/02 20060101AFI20160714BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20160714BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20160714BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20160714BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20160714BHJP
   H05B 33/28 20060101ALI20160714BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20160714BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   H05B33/02
   H05B33/14 A
   H05B33/04
   H05B33/22 Z
   H05B33/12 Z
   H05B33/12 B
   H05B33/28
   G09F9/30 365
【請求項の数】22
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2011-283773(P2011-283773)
(22)【出願日】2011年12月26日
(65)【公開番号】特開2012-230885(P2012-230885A)
(43)【公開日】2012年11月22日
【審査請求日】2014年11月11日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0038440
(32)【優先日】2011年4月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】任 相 薫
(72)【発明者】
【氏名】宋 英 宇
(72)【発明者】
【氏名】鄭 震 九
【審査官】 濱野 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−127885(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/024501(WO,A1)
【文献】 特開2009−099400(JP,A)
【文献】 特開2006−267831(JP,A)
【文献】 特開2007−257854(JP,A)
【文献】 特開2007−156497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/02
G09F 9/30
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/04
H05B 33/12
H05B 33/22
H05B 33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に光を放出する画素領域、及び前記画素領域に隣接し、外光を透過させる透過領域を含む画素に区画される第1基板と、前記第1基板に対向して配され、前記第1基板に区画された前記画素を密封する第2基板と、を含む表示素子と、
前記表示素子に対して前記第1方向に配され、前記外光を所定方向に回転する円偏光に偏光し、当該円偏光を通過させる光学フィルタと、
前記表示素子に対して前記第1方向の反対方向に配され、前記外光の反射率を変換する光反射率変換素子と、
を含む表示装置であって、
前記画素は、
前記第1基板上に形成され、少なくとも1つの薄膜トランジスタを含む画素回路部と、
前記画素回路部と電気的に連結されるように形成された第1電極と、
前記第1電極と対向する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、発光層を含む有機膜と、
前記第1電極の周辺部および前記第2電極の周辺部との間に介在する画素定義膜と、を含み
前記第1電極、および前記画素定義膜が、前記画素領域内に位置し、前記透過領域内に位置しない、表示装置。
【請求項2】
前記画素は、さらに、
なくとも前記画素回路部を覆うように形成された第1絶縁膜と、を含み、
前記第1電極は、前記第1絶縁膜上に、前記画素回路部と重畳しないように隣接して配され、透明な導電性物質を含
前記第2電極は、前記第1電極の方向に光が放出するように光反射可能に形成され、前記画素領域内に配される
とを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記光学フィルタは、前記第1基板上で、前記第2基板の反対側に配され、
前記光反射率変換素子は、前記第2基板に対して前記第1基板の反対側に配されることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記画素において、前記画素領域は、前記透過領域を挟んで互いに離隔して複数配されていることを特徴とする請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記画素定義膜は、前記第1絶縁膜上に、前記第1電極の一部を覆わないように位置し、
前記有機膜は、前記画素定義膜によって覆われていない前記第1電極の一部上に位置することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記画素は、さらに、
なくとも前記画素回路部を覆うように形成された第1絶縁膜と、を含み、
前記第1電極は、前記第1絶縁膜上に、前記画素回路部を覆うように重畳されるように配され、光の反射が可能な導電性物質の反射膜を含み、
前記第2電極は、前記第1電極と反対の方向に光を放出するように光透過が可能なように形成される、
とを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記光学フィルタは、前記第2基板上で、前記第1基板の反対側に配され、
前記光反射率変換素子は、前記第1基板に対して前記第2基板の反対側に配されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記画素において、前記画素領域は、前記透過領域を挟んで互いに離隔して複数配されていることを特徴とする請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記画素定義膜は、前記第1絶縁膜上に、前記第1電極の一部を覆わないように位置し、
前記有機膜は、前記画素定義膜によって覆われていない前記第1電極の一部上に位置することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記光学フィルタは、線偏光フィルタと波長/4のリターダとを結合したもの、または円偏光フィルタであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記光反射率変換素子の、前記外光の反射率と前記外光の透過率との和が1であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記光反射率変換素子は、液晶表示素子またはエレクトロクロミック素子であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記エレクトロクロミック素子は、
電源が印加される1対の透明電極層と、
前記1対の透明電極層間に含まれ、前記透明電極層で印加された電源によって相が変化し、光反射率が調節されるエレクトロクロミック物質を含むエレクトロクロミック物質層と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
第1モードで、前記光反射率変換素子は、前記光学フィルタ及び表示素子を通過して入射する前記外光を透過させることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項15】
第2モードで、前記光反射率変換素子は、前記光学フィルタ及び表示素子を通過して入射する前記外光を反射させることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第2モードで、前記光反射率変換素子によって反射される前記外光は、前記光学フィルタをさらに通過することができないことを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
第3モードで、前記光反射率変換素子は、前記光学フィルタ及び表示素子を通過して入射する前記外光を、一部は反射させ、一部は透過させることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第3モードで、前記光反射率変換素子によって一部反射される前記外光は、前記光学フィルタをさらに通過することができないことを特徴とする請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
第1方向に光を放出する画素領域、及び前記画素領域に隣接し、外光を透過させる透過領域を含む画素に区画される第1基板と、前記第1基板に対向して配され、前記第1基板に区画された前記画素を密封する第2基板と、を含む表示素子;前記表示素子に対して前記第1方向に配され、前記外光を所定方向に回転する円偏光に偏光し、当該円偏光を通過させる光学フィルタ;前記表示素子に対して前記第1方向とは反対の第2方向に配され、前記外光の反射率を変換させる光反射率変換素子;を含む表示装置であって、前記画素は、前記第1基板上に形成され、少なくとも1つの薄膜トランジスタを含む画素回路部、前記画素回路部と電気的に連結されるように形成された第1電極、前記第1電極と対向する第2電極、前記第1電極と前記第2電極との間に介在し、発光層を含む有機膜、ならびに前記第1電極の周辺部および前記第2電極の周辺部との間に介在する画素定義膜、を含み、前記第1電極、および前記画素定義膜が、前記画素領域内に位置し、前記透過領域内に位置しない、表示装置の駆動方法において、
前記光反射率変換素子に互いに異なる電源を印加し、前記光学フィルタ及び前記表示素子を通過する前記外光の反射率を調節することを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項20】
第1モードでは、
前記光反射率変換素子に第1電源を印加する段階と、
前記表示素子により、前記第1方向に画像を表示する段階と、を含み、
前記外光が前記第2方向に、前記光学フィルタ、表示素子及び前記光反射率変換素子を通過することを特徴とする請求項19に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項21】
第2モードでは、
前記光反射率変換素子に第2電源を印加する段階と、
前記表示素子により、前記第1方向に画像を表示する段階と、を含み、
前記外光が前記第2方向に、前記光学フィルタ、表示素子を通過し、当該通過した前記外光が、前記光反射率変換素子によって、前記第1方向に反射され、
当該反射された前記外光は、前記表示素子を通過するが、前記光学フィルタを通過することができないことを特徴とする請求項19に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項22】
第3モードでは、
前記光反射率変換素子に第3電源を印加する段階と、
前記表示素子により、前記第1方向に画像を表示する段階と、を含み、
前記外光が前記第2方向に、前記光学フィルタ、表示素子を通過し、当該通過した前記外光のうち一部は、前記光反射率変換素子によって、前記第1方向に反射されるが、残りの一部は、前記光反射率変換素子を前記第2方向に通過し、
当該一部反射された前記外光は、前記表示素子を通過するが、前記光学フィルタを通過することができないことを特徴とする請求項19に記載の表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係り、さらに詳細には、モード別に透光率を変化させる表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、視野角、コントラスト(contrast)、応答速度、消費電力などの面で特にすぐれるために、MP3プレーヤや携帯電話のような個人用携帯機器から、TV(television)に至るまで、応用範囲が拡大している。このような有機発光表示装置は、自発光特性を有し、液晶表示装置とは異なり、別途の光源を必要としないので、厚みと重さとを減らすことができる。また、有機発光表示装置は、装置内部の薄膜トランジスタや有機発光素子を透明に形成して、画素領域と別個に透過領域(または透過ウィンドウ)を形成することによって、画像を表示すると同時に装置の反対側を見通すことのできる略透明な表示装置(以下、透明表示装置と称する)として形成することができる。
【0003】
ところで、このような透明表示装置では、透過率は固定されており、ユーザによって表示装置の透過率を調節することはできない。一方、透明表示装置は、外光反射によって、明暗比(contrast ratio)が低下するという短所がある。これは、透明表示装置が、前面に光学フィルタを有し、反射される光を防止しても、透過領域を介して背面から入る光のために、明暗比が低下するためである。従って、透明表示装置の特徴である透明度を有しつつも周辺が明るい場合、明暗比の低下を減らすことのできる表示装置を開発することが急務である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2004−0094811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のような目的を達成するために、本発明は、第1方向に光を放出する画素領域、及び前記画素領域に隣接し、外光を透過させる透過領域を含む画素に区画される第1基板と、前記第1基板に対して配され、前記第1基板に区画された前記画素を密封する第2基板と、を含む表示素子;前記表示素子に対して前記第1方向に配され、前記外光を所定方向に回転する円偏光(circularly polarized light)に偏光し、当該円偏光を通過させる光学フィルタ;前記表示素子に対して前記第1方向の反対の第2方向に配され、前記外光の反射率を変換させる光反射率変換素子;を含む表示装置を提供する。
【0006】
本発明の他の特徴によれば、前記画素は、前記第1基板上に形成され、少なくとも1つの薄膜トランジスタを含み、前記画素領域内に位置する画素回路部と、前記画素回路部を含む前記画素領域と前記透過領域とを覆うように形成された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に、前記画素回路部と電気的に連結されるように形成され、前記画素領域内に位置し、前記画素回路部と重畳しないように隣接して配され、透明な導電性物質を含む第1電極と、前記第1電極の方向に光を放出するように、光の反射が可能なように形成され、前記第1電極と対向し、前記画素領域内に位置する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、発光層を含む有機膜と、を含む。
【0007】
本発明の他の特徴によれば、前記光学フィルタは、前記第1基板上で、前記第2基板の反対側に配され、前記光反射率変換素子は、前記第2基板に対して前記第1基板の反対側に配される。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、前記画素において、前記画素領域は、前記透過領域を挟んで互いに離隔して複数配されている。
【0009】
本発明の他の特徴によれば、前記第1絶縁膜上に、前記第1電極の一部は覆わず、前記画素領域の少なくとも一部に位置し、前記透過領域には位置しないように備わった第2絶縁膜をさらに含み、前記有機膜は、前記第2絶縁膜によって覆われていない前記第1電極の一部上に位置することを特徴とする。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、前記画素は、前記第1基板上に形成され、少なくとも1つの薄膜トランジスタを含み、前記画素領域内に位置する画素回路部と、前記画素回路部を含む前記画素領域と前記透過領域とを覆うように形成された第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に、前記画素回路部と電気的に連結されるように形成され、前記画素領域内に位置し、前記画素回路部を覆うように重畳されるように配され、光の反射が可能な導電性物質の反射膜を含む第1電極と、前記第1電極と反対になる方向に光を放出するように光透過が可能なように形成され、前記第1電極と対向する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在され、発光層を含む有機膜と、を含む。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、前記光学フィルタは、前記第2基板上で、前記第1基板の反対側に配され、前記光反射率変換素子は、前記第1基板に対して前記第2基板の反対側に配される。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、前記第1絶縁膜上に、前記第1電極の一部は覆わず、前記画素領域の少なくとも一部に位置し、前記透過領域には位置しないように備わった第2絶縁膜をさらに含み、前記有機膜は、前記第2絶縁膜によって覆われていない前記第1電極の一部上に位置することを特徴とする。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、前記光学フィルタは、線偏光フィルタと波長/4のリターダとを結合したもの、または円偏光フィルタである。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、前記光反射率変換素子は、前記外光の反射率と前記外光の透過率との和が1である関係を有する。
【0015】
本発明の他の特徴によれば、前記光反射率変換素子は、液晶表示素子またはエレクトロクロミック素子によって設けられてもよい。
【0016】
本発明の他の特徴によれば、前記エレクトロクロミック素子は、電源が印加される1対の透明電極層と、前記1対の透明電極層間に含まれ、前記透明電極層で印加された電源によって相が変化し、光反射率が調節されるエレクトロクロミック物質を含むエレクトロクロミック物質層と、を含む。
【0017】
本発明の他の特徴によれば、第1モードで、前記光反射率変換素子は、前記光学フィルタ及び表示素子を通過して入射する前記外光を透過させる。
【0018】
本発明の他の特徴によれば、第2モードで、前記光反射率変換素子は、前記光学フィルタ及び表示素子を通過して入射する前記外光を反射させる。
【0019】
本発明の他の特徴によれば、前記第2モードで、前記光反射率変換素子によって反射される前記外光は、前記光学フィルタをさらに通過することができない。
【0020】
本発明の他の特徴によれば、第3モードで、前記光反射率変換素子は、前記光学フィルタ及び表示素子を通過して入射する前記外光を、一部は反射させ、一部は透過させる。
【0021】
本発明の他の特徴によれば、前記第3モードで、前記光反射率変換素子によって一部反射される前記外光は、前記光学フィルタをさらに通過することができない。
【0022】
前記のような目的を達成するために、本発明は、第1方向に光を放出する画素領域、及び前記画素領域と隣接し、外光を透過させる透過領域を含む画素に区画される第1基板と、前記第1基板に対向して配され、前記第1基板に区画された前記画素を密封する第2基板と、を含む表示素子;前記表示素子に対して前記第1方向に配され、前記外光を所定方向に回転する円偏光に偏光し、当該円偏光を通過させる光学フィルタ;前記表示素子に対して前記第1方向とは反対の第2方向に配され、前記外光の反射率を変換させる光反射率変換素子;を含む表示装置の駆動方法において、前記光反射率変換素子に互いに異なる電源を印加し、前記光学フィルタ及び前記表示素子を通過する前記外光の反射率を調節することによって、第1モード、第2モード及び第3モードを具現する表示装置の駆動方法を提供する。
【0023】
本発明の他の特徴によれば、前記第1モードは、前記光反射率変換素子に第1電源を印加する段階と、前記表示素子で、前記第1方向に画像を表示する段階と、前記外光が第2方向に、前記光学フィルタ、表示素子及び前記光反射率変換素子を通過する段階と、を含む。
【0024】
本発明の他の特徴によれば、前記第2モードは、前記光反射率変換素子に第2電源を印加する段階と、前記表示素子で、前記第1方向に画像を表示する段階と、前記外光が第2方向に、前記光学フィルタ、表示素子を通過する段階と、通過した前記外光が、前記光反射率変換素子によって、前記第1方向に反射される段階と、反射された前記外光は、前記表示素子を通過するが、前記光学フィルタを通過できない段階と、を含む。
【0025】
本発明の他の特徴によれば、前記第3モードは、前記光反射率変換素子に第3電源を印加する段階と、前記表示素子で、前記第1方向に画像を表示する段階と、前記外光が第2方向に、前記光学フィルタ、表示素子を通過する段階と、通過した前記外光のうち一部は、前記光反射率変換素子によって、前記第1方向に反射されるが、残りの一部は、前記光反射率変換素子を前記第2方向に通過する段階と、一部反射された前記外光は、前記表示素子を通過するが、前記光学フィルタを通過できない段階と、を含む。
【0026】
本発明の特徴は、後述する詳細な説明及び図面によって、さらに明確になるであろう。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、透明表示素子に光学フィルタ及び光反射率変換素子をそれぞれ配し、モードによって明暗比の低下を減らすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態による表示装置を、概略的に図示した断面図である。
図2図1に図示された表示素子に含まれた画素の一実施形態を図示した図面である。
図3図1に図示された表示素子に含まれた画素の他の実施形態を図示した図面である。
図4図2及び図3に図示された副画素Pr,Pg,Pbのうちいずれか1つの副画素の断面を図示した図面である。
図5】本発明の他の実施形態による表示装置を概略的に図示した断面図である。
図6図5に図示された表示素子に含まれた画素の一実施形態を図示した図面である。
図7図5に図示された表示素子に含まれた画素の他の実施形態を図示した図面である。
図8図6及び図7に図示された副画素Pr,Pg,Pbのうちいずれか1つの副画素の断面を図示した図面である。
図9】本発明の一実施形態による表示装置のモード別駆動方法を図示した図面である。
図10】本発明の一実施形態による表示装置のモード別駆動方法を図示した図面である。
図11】本発明の一実施形態による表示装置のモード別駆動方法を図示した図面である。
図12】本発明の一実施形態による表示装置に含まれた光反射率変換素子を概略的に図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、以下詳細に説明する。しかし、それらは、本発明を、特定の実施形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物ないし代替物を含むものであると理解せねばならない。本発明について説明するにあたり、関連した公知技術に係る具体的な説明が、本発明の要旨を不明確にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0030】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素について説明するために使われるが、構成要素は、用語によって限定されるものではない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使われる。
【0031】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態について説明するために使われたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「包含する」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはそれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはそれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性をあらかじめ排除するものではないと理解せねばならない。
【0032】
以下、添付された図面に図示された本発明に係わる実施形態を参照しつつ、本発明の構成及び作用について詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置100を概略的に図示した断面図である。
【0034】
図1を参照すれば、表示装置100は、外光の透過が可能な透明な表示素子10上に、光学フィルタ3及び光反射率変換素子4を備える。
【0035】
表示素子10は、背面発光(bottom emission)する有機発光表示装置であって、第1基板1、第1基板1上に備わったディスプレイ部、及びディスプレイ部を密封する第2基板2を具備する。ディスプレイ部は、複数個の画素に区画されており、画素は、第1基板1の方向に光を放出する画素領域31、及び画素領域31に隣接して外光を透過させる透過領域32を含む。
【0036】
光学フィルタ3は、表示素子10が光を放出する第1基板1の外側に配される。光学フィルタ3は、所定の方向に回転する円偏光(circularly polarized light)を通過させる。たとえば、光学フィルタ3は、線偏光フィルタと位相変換素子であるLamda/4リターダ(retarder)を結合したものまたは円偏光フィルタである。
【0037】
光反射率変換素子4は、表示素子10が光を放出しない方向である第2基板2の外側に配される。光反射率変換素子4は、モードによって、外光の反射率を変換させる。光反射率変換素子4としては、電場の印加によって液晶の配列が異なるようになり、透光率または反射率を変化させることができる液晶表示素子、または電源の印加によって、エレクトロクロミック物質の状態が変化し、透光率または反射率を変化させることができるエレクトロクロミック素子(electrochromic device)などが使われてもよい。
【0038】
一方、光反射率変換素子4は、光の反射率と透過率との和が常に1(または100%)という条件を満足する。表示装置100の明暗比は、下記数式1から与えられ、光反射率変換素子4を利用して、表示装置100の明暗比制御を簡単にできるという長所がある。前述の条件がない場合、反射率と透過率との2つの変数を調節して表示装置100の明暗比制御を行わなければならないが、光反射率変換素子4は、前述のような条件を満たすことによって、光反射率または透過率のうち1つの変数のみを調節し、表示装置100の明暗比を簡単に制御できるという長所がある。
【0039】
【数1】
【0040】
本発明の一実施形態によれば、光反射率変換素子4が光を透過させるモードであるとき、画像が具現される側に位置したユーザが、第2基板2の外側から第1基板1の外側方向に透過する第1外光により、第2基板2外側のイメージを観察できることは言うまでもない。また、第2外光は、表示装置100を透過するので、表示装置100の明暗比に影響を与えない。ここで、第1外光は、画像と同じ方向に出てくる外光であり、第2外光は、第1外光と反対方向の外光である。
【0041】
光反射率変換素子4が、光を反射させるモードにある場合、第1外光は、表示装置100を透過することができない。しかし、このモードでは、第1基板1の外側から第2基板2の外側方向に透過した第2外光が、光反射率変換素子4により反射され、さらに第1基板1の外側方向に出てきて明暗比を阻害する問題が発生する。本発明の一実施形態によれば、かような問題を解決するために、光学フィルタ3を配し、明暗比の低下を防止する。本発明の詳細な駆動態様については、追って図9ないし図11を参照しつつ詳細に説明する。
【0042】
図2図1に図示された表示素子10に含まれた画素の一実施形態を図示した図、図3は画素の他の実施形態を図示した図である。
【0043】
画素は、複数個の副画素を含み、例えば、赤色副画素Pr、緑色副画素Pg、青色副画素Pbを具備する。
【0044】
各副画素Pr,Pg,Pbは、画素領域31と透過領域32とを具備する。画素領域31には、画素回路部311と発光部312とが含まれ、画素回路部311と発光部312とは、重畳しないように互いに隣接して配される。そうすることで、発光部312が第1基板1の方向に背面発光するとき、画素回路部311は光路を妨害することがない。
【0045】
画素領域31に隣接するように、外光を透過させる透過領域32が配される。
【0046】
透過領域32は、図2から分かるように、各副画素Pr,Pg,Pb別に独立して備わることもあり、図3から分かるように、各副画素Pr,Pg,Pbにわたって、互いに連結されるように備わることもある。すなわち、ディスプレイ部全体で見るとき、画素は、共通の透過領域32を挟み、互いに離隔された複数の画素領域31を含むことができる。図3に示す実施形態の場合、外光が透過する透過領域32の面積が広くなるため、ディスプレイ部全体の透過率が高くなる。
【0047】
図3では、赤色副画素Pr、緑色副画素Pg及び青色副画素Pbの透過領域32が、いずれも連結されているように図示されているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、赤色副画素Pr、緑色副画素Pg及び青色副画素Pbのうち、互いに隣接したいずれか2つの副画素の透過領域32だけ互いに連結されるように備えてもよい。
【0048】
図4は、図2及び図3に図示された副画素Pr,Pg,Pbのうちいずれか1つの副画素の断面図である。
【0049】
図4から分かるように、画素回路部311には、薄膜トランジスタTRが配されるが、図示されているように、必ずしも1つの薄膜トランジスタTRではなく、複数の薄膜トランジスタTRが画素回路に備えられてもよい。画素回路には、薄膜トランジスタTR以外にも、多数の薄膜トランジスタ及びストレージ・キャパシタがさらに含まれ、それらと連結されたスキャンライン、データライン及びVddラインなどの配線がさらに備わってもよい。
【0050】
発光部312には、発光素子である有機発光素子ELが配される。この有機発光素子ELは、画素回路の薄膜トランジスタTRと電気的に連結されている。
【0051】
以下では、表示素子の製造方法について説明する。
【0052】
まず、第1基板1上には、バッファ膜211が形成され、このバッファ膜211上に、薄膜トランジスタTRを含んだ画素回路が形成される。
【0053】
前記バッファ膜211上には、半導体活性層212が形成される。
【0054】
前記バッファ膜211は、不純元素の浸透を防止し、表面を平坦化させる役割を行うものであり、このような役割を行うことができる多様な物質から形成される。一例として、前記バッファ膜211は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、チタン酸化物またはチタン窒化物などの無機物や、ポリイミド、ポリエステル、アクリルなどの有機物、またはそれらの積層体によって形成されてもよい。バッファ膜211は、必須構成要素ではなく、必要によっては具備されないこともある。
【0055】
半導体活性層212は、多結晶シリコンから形成されるが、必ずしもそれに限定されるものではなく、酸化物半導体からも形成され、例えばG−I−Z−O層[(In(Ga(ZnO)層](a,b,cは、それぞれa≧0,b≧0,c>0の条件を満足する実数)である。このように、半導体活性層212を酸化物半導体で形成する場合、画素領域31において、画素回路部311での透光度がさらに高まり、それにより、ディスプレイ部全体の外光透過度を上昇させることができる。
【0056】
半導体活性層212を覆うように、ゲート絶縁膜213がバッファ膜211上に形成され、ゲート絶縁膜213上に、ゲート電極214が形成される。
【0057】
ゲート電極214を覆うように、ゲート絶縁膜213上に層間絶縁膜215が形成され、この層間絶縁膜215上に、ソース電極216とドレイン電極217とが形成され、それぞれ半導体活性層212と、コンタクトホールを介してコンタクトされる。
【0058】
前記のような薄膜トランジスタTRの構造は、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な形態の薄膜トランジスタの構造が適用可能であることは言うまでもない。
【0059】
このような薄膜トランジスタTRを覆うように、パッシベーション膜218が形成される。パッシベーション膜218は、上面が平坦化された単一層または複数層の絶縁膜であってもよい。このパッシベーション膜218は、無機物または有機物から形成されてもよい。パッシベーション膜218は、画素領域31と透過領域32とをいずれも覆うように形成される。
【0060】
パッシベーション膜218上には、図4から分かるように、薄膜トランジスタTRと電気的に連結された有機発光素子ELの第1電極221が形成される。第1電極221は、あらゆる副画素別に独立したアイランド状に形成される。第1電極221は、画素領域31内の発光部312に位置し、画素回路部311と重畳しないように配される。
【0061】
パッシベーション膜218上には、有機絶縁物または無機絶縁物によって備わった画素定義膜219が形成される。
【0062】
画素定義膜219は、第1電極221のエッジを覆い、その中央部を露出させるように第1開口219aを覆っている。一方、画素定義膜219は、画素領域31を覆うように備わるが、必ずしも画素領域31全体を覆うように備わるものではなく、少なくとも一部、特に、第1電極221のエッジを覆い、透過領域32には位置させない。画素定義膜219が透過領域32には位置しないことによって、透過領域32の外光透過効率がさらに上昇させることができる。
【0063】
第1開口219aを介して露出された第1電極221上には、有機膜223と、第2電極222とが順に積層される。第2電極222は、第1電極221と対向し、有機膜223と画素定義膜219とを覆い、画素領域31内に位置する。第2電極222は、透過領域32には位置しない。
【0064】
有機膜223は、低分子有機膜または高分子有機膜が使われる。低分子有機膜を使用する場合、ホール注入層(HIL:hole injection layer)、ホール輸送層(HTL:hole transport layer)、発光層(EML:emission layer)、電子輸送層(ETL:electron transport layer)、電子注入層(EIL:electron injection layer)などが単一あるいは複合の構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料についても、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを始めとして多様に適用可能である。それら低分子有機膜は、真空蒸着法で形成されてもよい。このとき、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層及び電子注入層は共通層であり、赤色、緑色、青色の画素に共通に適用される。
【0065】
第1電極221は、アノード電極の機能を行い、第2電極222は、カソード電極の機能を行うことができるが、もちろん、それら第1電極221と第2電極222との極性は、互いに反対になっても差し支えない。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、第1電極221を透明電極とし、第2電極222を反射電極としてもよい。第1電極221は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ZnOまたはInなどの透明な導電性物質を含んでもよい。そして、第2電極222は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、LiまたはCaなどから形成されてもよい。このような構成の有機発光素子ELは、第2電極222側ではなく、第1電極221側に画像を具現する背面発光型(bottom emission type)になる。この場合、第2電極222は、ディスプレイ部全体に電圧降下が起きないように、十分な厚みに形成することにより、大面積表示装置100に適用することができる。
【0067】
図5は、本発明の他の実施形態による表示装置100を概略的に図示した断面図である。
【0068】
図5に図示された表示装置100は、図1に図示された表示装置100と異なり、表示素子10が前面発光する有機発光表示装置である。従って、光学フィルタ3は、表示素子10が光を放出する第2基板2の外側に配される。光反射率変換素子4は、表示素子10が光を放出しない方向である第1基板1の外側に配される。それ以外の構成要素は、前述の図1の実施形態の対応する構成要素と、その機能が同一または類似しているので、それについての具体的な説明は省略する。
【0069】
図5に図示された本発明の一実施形態によれば、光反射率変換素子4が光を透過するモードであるとき、画像が具現される側に位置したユーザが、第1基板1の外側から第2基板2の外側方向に透過する第1外光によって、第1基板1外側のイメージを観察することができる。また、第2外光は、表示装置100を透過するので、明暗比に影響を与えない。
【0070】
光反射率変換素子4が光を反射させるモードにある場合、第1外光は、表示装置100を透過することができない。しかし、このモードで、第2基板2の外側から第1基板1の外側方向に透過した第2外光が、光反射率変換素子4を介して反射され、再び第2基板2の外側に出てきて、明暗比を阻害するという問題が発生する。これを解決するために、光学フィルタ3を配して、明暗比の低下を防止する。本発明の詳細な駆動は、図9ないし図11を参照しつつ詳細に説明する。
【0071】
図6図5に図示された表示素子10に含まれた画素の一実施形態を図示した図、図7は画素の他の実施形態を図示した図である。
【0072】
図6及び図7に図示された画素は、図2及び図3に図示された画素とは異なり、画素領域31に含まれる画素回路部311と発光部312とが互いに重畳するように配される。発光部312が第2基板2の方向に前面発光して、後述するように発光部312からの光が画素回路によって阻害されることがないので、画素回路部311と発光部312とが互いに重畳しても差し支えない。その上、発光部312が、画素回路を含む画素回路部311を覆うことによって、画素回路による光干渉を排除することができるという特徴がある。それ以外の構成要素は、前述の図2及び図3の実施形態の対応する構成要素とその機能が同一または類似しているので、それについての具体的な説明は省略する。
【0073】
透過領域32は、図6から分かるように、各副画素Pr,Pg,Pb別に独立して備わることもあり、図7から分かるように、各副画素Pr,Pg,Pbが、互いに連結されるように備わることもある。
【0074】
図8は、図6及び図7に図示された副画素Pr,Pg,Pbのうち、いずれか1つの副画素の断面図である。
【0075】
図8から分かるように、画素回路部311には、薄膜トランジスタTRが配され、発光部312には、発光素子の有機発光素子ELが配される。
【0076】
第1基板1上にバッファ膜211が形成され、バッファ膜211上に半導体活性層212が形成され、半導体活性層212上にゲート絶縁膜213、ゲート電極214、層間絶縁膜215が形成される。層間絶縁膜215上には、ソース電極216及びドレイン電極217が形成される。このような薄膜トランジスタTRを覆うように、絶縁膜の一種であるパッシベーション膜218が形成される。パッシベーション膜218は、画素領域31と透過領域32とをいずれも覆うように形成される。
【0077】
パッシベーション膜218上には、図8から分かるように、薄膜トランジスタTRと電気的に連結された有機発光素子ELの第1電極221が形成される。第1電極221は、画素領域31内の発光部312に位置し、画素回路部311と重畳されて画素回路部311を覆うように配される。
【0078】
パッシベーション膜218上には、有機絶縁物または無機絶縁物からなる画素定義膜219が形成される。
【0079】
画素定義膜219は、第1電極221のエッジを覆って、その中央部は露出させるように第1開口219aを覆っている。一方、画素定義膜219は、画素領域31を覆ってもよいが、必ずしも画素領域31全体を覆うように備わるものではなく、少なくとも一部、特に第1電極221のエッジを覆えばよい。画素定義膜219は、透過領域32には位置しないことによって、透過領域32の外光透過効率がさらに上昇しうる。
【0080】
第1開口219aにより露出された第1電極221上には、有機膜223と第2電極222とが順に積層される。
【0081】
図8に図示された本発明の一実施形態によれば、第1電極221は透明な導電体と反射膜との積層構造からなり、第2電極222は半反射・半透過電極にであってもよい。ここで、透明な導電体は、仕事関数が大きいITO、IZO、ZnOまたはInなどから備わりうる。一方、反射膜は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Mo及びそれらの合金からなるグループから選択された少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする。なお、第1電極221は、画素領域31内に形成される。
【0082】
第2電極222は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、Moまたはそれらの合金から形成されてもよい。ここで、第2電極222は、透過率が高くなるように、100ないし300Å厚の薄膜に形成することが望ましい。このような構成の有機発光素子ELは、第2電極222または第2基板2の方向に画像を具現する前面発光型(top emission type)になる。
【0083】
図9ないし図11は、本発明の一実施形態による表示装置100の各モード別駆動方法を図示したものである。
【0084】
表示装置100は、3種のモードに区別されるが、各モードは、光反射率変換素子4の光反射率によって区分され、光反射率は、光反射率変換素子4に印加される電源(電圧または電流)によって決定される。
【0085】
図9を参照すれば、光反射率変換素子4が、表示装置100の両側双方向いずれに向かう光も透過させる第1モードを示したものである。第1モードで、光反射率変換素子4には、第1電源が印加される。
【0086】
表示素子10では、D1の方向に画像50が映し出される。一方、画像50が映し出される方向に位置したユーザは、D1の方向に表示装置100を透過する第1外光51により、光反射率変換素子4の外側に位置した事物を見ることができる。
【0087】
一方、第2外光52はD2の方向に、光学フィルタ3、表示素子10及び透明な光反射率変換素子4を透過する。ただし、光学フィルタ3を透過した第2’外光52’は、所定の方向に回転する円偏光状態の光になる。
【0088】
図10を参照すれば、光反射率変換素子4が光を透過させずに反射させる第2モードを示したものである。第2モードで、光反射率変換素子4には、第1電源と異なる第2電源が印加される。
【0089】
表示素子10では、D1の方向に画像50が映し出される。一方、画像50が映し出される方向に位置したユーザは、光反射率変換素子4の外側に位置した事物を見ることができない。なぜならば、光反射率変換素子4が光を反射させるので、第1外光51がD1の方向に、表示装置100を透過しないためである。
【0090】
一方、第2外光52は、D2の方向に光学フィルタ3及び表示素子10を透過することができる。光学フィルタ3を透過した第2’外光52’は、上述したように、所定の方向に回転する円偏光状態の光になる。そして、あらゆる第2’外光52’は、光反射率変換素子4によって、D1の方向に反射され、第2”外光52”になる。光反射率変換素子4によって反射された第2”外光52”は、回転方向が反転され、第2’外光と異なる他の方向に回転する円偏光状態の光になる。従って、透明な表示素子10は第2”外光52”を通過させるが、光学フィルタ3は第2”外光52”を通過させない。
【0091】
本実施形態によれば、光反射率変換素子4によって反射された第2”外光52”が、光学フィルタ3を通過することができないので、画像50が映し出される方向に位置したユーザに達することはない。従って、外光反射が消滅することで、表示装置100の明暗比が最高となる。かような表示装置100を使用すれば、周辺が明るい環境でも、外光反射なしに、黒色(black)を明確に具現することができる。
【0092】
図11を参照すれば、光反射率変換素子4が光を一部透過させると同時に、光を一部反射させる第3モードを示したものである。ここで、光反射率変換素子4の反射率と透過率とは、その和が1となる関係を有する。第3モードで、光反射率変換素子4には、第1電源及び第2電源と異なる第3電源が印加される。
【0093】
表示素子10では、D1の方向に画像50が映し出される。一方、画像50が映し出される方向に位置したユーザは、光反射率変換素子4の外側に位置した事物をある程度は見ることができる。なぜならば、光反射率変換素子4が第1外光51を一部透過させ、一部反射させるためである。光反射率変換素子4を透過した第1’外光51’は、D1の方向に進み、表示素子10及び光学フィルタ3を透過してユーザに達する。一方、第1”外光51”は、光反射率変換素子4で反射された光であり、光反射率変換素子4の反射率と透過率とは、その和が1(または100%)になる関係を有する。
【0094】
一方、第2外光52は、D2の方向に光学フィルタ3及び表示素子10を透過することができる。光学フィルタ3を透過した第2’外光52’は、所定の方向に回転する円偏光状態の光になる。一部の第2’外光52’は、光反射率変換素子4によってD1の方向に反射され、第2”外光52”になる。そして、残りの一部の第2’外光52’は、光反射率変換素子4をD2の方向に透過した第2”’外光52”’になる。ここで、光反射率変換素子4の光の透過率と反射率との和が1(または100%)であるために、第2”外光52”の量と第2”’外光52”’の量とを合わせれば、第2’外光52’になる。また、光反射率変換素子4によって反射された第2”外光52”は、回転方向が反転され、第2’外光52’と異なる方向に回転する円偏光状態の光になる。この時、表示素子10は第2”外光52”を通過させるが、光学フィルタ3は第2”外光52”を通過させない。なお、光反射率変換素子4を透過した第2”’外光52”’は、第2’外光52’と同じ方向に回転する円偏光状態の光である。
【0095】
本実施形態によれば、光反射率変換素子4によって反射された第2”外光52”が、光学フィルタ3を通過することができないので、画像50が映し出される方向に位置したユーザに達することはない。従って、光反射率変換素子4が半透過である第3モードでも、外光反射が消滅し、表示装置100の明暗比が低下しないという長所がある。
【0096】
図12は、本発明の一実施形態による表示装置100に含まれた光反射率変換素子4を概略的に図示したものである。図12で例に挙げた光反射率変換素子4は、エレクトロクロミック素子の一種であり、本発明は、図12に図示されたところに限定されるものではなく、多様な構造を有したエレクトロクロミック素子を使用することができる。
【0097】
図12を参照すれば、エレクトロクロミック素子は、電源が印加される1対の透明電極層111,112を具備し、透明電極層111,112間に、エレクトロクロミック物質層113を含むことを特徴とする。
【0098】
透明電極層111,112は、ITO、IZO、ZnOまたはInなどの透明な導電性物質を含む。透明電極層111,112の両方向の外側面に、基板101,102をさらに備えてもよい。
【0099】
エレクトロクロミック物質層113は、透明電極層111,112に印加された電流または電圧によって相が変化して、光反射率が調節されるエレクトロクロミック物質を含む。例えば、エレクトロクロミック物質としては、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、五酸化タンタル(Ta)、HWO、タングステン酸化物(WO)、ニッケル酸化物(NiO)などを挙げることができる。
【0100】
エレクトロクロミック素子は、透明電極層111,112に一定の電源が印加されれば、エレクトロクロミック物質が電解質溶液中のイオンや電子と反応し、透明状かつ鏡状に変わる。例えば、第1電源が印加された状態で、光反射率変換装置4は透明であるが、第2電源が印加された状態で、光反射率変換装置4は、不透明な鏡のような金属反射性質を示し、第3電源が印加された状態で、光反射率変換装置4は、半透明鏡の性質を示すことができる。電源の大きさと、光反射率変換装置4の反射率変化程度は、製品の製造時に決定され、すでに公知された技術であるから、具体的な説明は省略する。
【0101】
一方、エレクトロクロミック素子の構成は、これに限定されるものではなく、パラジウム(Pd)などを含んだ触媒層、アルミニウム(Al)などを含んだバッファ層、エレクトロクロミック物質のイオン伝導を手助けする電解質層などが、追加層114としてエレクトロクロミック物質層113上にさらに積層されてもよい。このような層は、エレクトロクロミック効率を上昇させるたり、エレクトロクロミック素子を安定化させる役割を行う。
【0102】
本発明は、添付された図面に図示された実施形態を参考にして説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、当技術分野で当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。よって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によってのみ決まるべきである。
【符号の説明】
【0103】
1 第1基板
2 第2基板
3 光学フィルタ
4 光反射率変換素子
10 表示素子
31 画素領域
32 透過領域
50 画像
51 第1外光
51’ 第1’外光
51” 第1”外光
52 第2外光
52’ 第2’外光
52” 第2”外光
52”’ 第2”’外光
100 表示装置
101,102 基板
111,112 透明電極層
113 エレクトロクロミック物質層
114 追加層
211 バッファ膜
212 半導体活性層
213 ゲート絶縁膜
214 ゲート電極
215 層間絶縁膜
216 ソース電極
217 ドレイン電極
218 パッシベーション膜
219 画素定義膜
219a 第1開口
221 第1電極
222 第2電極
223 有機膜
311 画素回路部
312 発光部
EL 有機発光素子
TR 薄膜トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12