特許第5956174号(P5956174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5956174シャッタメガネ制御方法及びそれを遂行する表示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956174
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】シャッタメガネ制御方法及びそれを遂行する表示システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 13/04 20060101AFI20160714BHJP
【FI】
   H04N13/04
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-16262(P2012-16262)
(22)【出願日】2012年1月30日
(65)【公開番号】特開2012-205301(P2012-205301A)
(43)【公開日】2012年10月22日
【審査請求日】2014年12月8日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0026785
(32)【優先日】2011年3月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】韓 永 洙
(72)【発明者】
【氏名】文 景 業
(72)【発明者】
【氏名】▲曹▼ 政 煥
【審査官】 秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−266840(JP,A)
【文献】 特開2010−62767(JP,A)
【文献】 特開2011−15216(JP,A)
【文献】 特開2011−15191(JP,A)
【文献】 特開昭64−17590(JP,A)
【文献】 特開昭62−276989(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/001859(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/001860(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左眼画像データ及び右眼画像データに基づいて3次元画像同期信号を生成し、前記3次元画像同期信号に同期されたデジタル形態の左眼シャッタ制御データ及び右眼シャッタ制御データを生成するタイミング制御部と、
前記左眼画像データ及び前記右眼画像データを用いて3次元画像を表示する表示パネルと、
前記左眼シャッタ制御データ及び前記右眼シャッタ制御データを変調してシャッタ制御信号を生成する送信器と、
前記シャッタ制御信号に基づいて左眼シャッタ及び右眼シャッタの開閉を制御する受信器と、を含み、
前記タイミング制御部は、
前記左眼画像データ及び右眼画像データを受信し、前記左眼画像データ及び右眼画像データに基づいて3次元画像同期信号を生成する同期信号生成部と、
前記左眼シャッタ制御データ及び前記右眼シャッタ制御データが記憶されたメモリと、を含み、
前記タイミング制御部は、前記3次元画像同期信号がハイレバルであるとき、前記左眼シャッタ制御データを読み出し、前記3次元画像同期信号がローレベルであるとき、前記右眼シャッタ制御データを読み出し、
前記左眼シャッタ制御データは、左眼シャッタのオープンに対応する左眼オープンデータ及び前記左眼シャッタのオープン時間の制御に対応する左眼シャッタオープン時間制御データを含み、
前記右眼シャッタ制御データは、右眼シャッタのオープンに対応する右眼オープンデータ及び前記右眼シャッタのオープン時間の制御に対応する右眼シャッタオープン時間制御データを含み、
前記タイミング制御部は、前記3次元画像同期信号がハイレバルであるハイ区間の第1タイミングで左眼オープンデータを読み出し、前記第1タイミングから遅延された第2タイミングに左眼シャッタオープン時間制御データを読み出し、前記3次元画像同期信号がローレベルであるロー区間の第3タイミングで右眼オープンデータを読み出し、前記第3タイミングから遅延された第4タイミングで右眼シャッタオープン時間制御データを読み出し、
前記左眼オープンデータ及び前記右眼オープンデータの各々は、少なくとも第1ビット、第2ビット及び第3ビットを含み、前記左眼シャッタオープン時間制御データ及び前記右眼シャッタオープン時間制御データの各々は、第4ビット、第5ビット、第6ビット、第7ビット及び第8ビットを含み、
前記第1ビットは、シャッタ制御識別情報を含み、
前記第2ビットは、左眼シャッタまたは右眼シャッタの少なくとも一つの識別情報を含み、
前記第3ビットは、左眼シャッタの開閉または右眼シャッタの開閉の少なくとも一つの識別情報を含み、
前記第4ビット、第5ビット、第6ビット、第7ビット及び第8ビットは、シャッタのオープン時間情報である
ことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記送信器は、
前記左眼シャッタ制御データ及び右眼シャッタ制御データ各々のパルス幅を変調し、前記3次元画像同期信号に同期して前記左眼シャッタ制御信号及び右眼シャッタ制御信号を生成する変調部と、
前記左眼シャッタ制御信号及び右眼シャッタ制御信号を前記受信器に送信する送信部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記送信器は、
前記左眼シャッタ制御データ及び前記右眼シャッタ制御データ各々を振幅遷移変調、周波数遷移変調、及び位相遷移変調のうちいずれか一つを用いて変調し、前記3次元画像同期信号に同期して前記シャッタ制御信号の前記左眼シャッタ制御信号及び右眼シャッタ制御信号を生成する変調部と、
前記左眼シャッタ制御信号及び右眼シャッタ制御信号を前記受信器送信する送信部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記受信器は、
前記シャッタ制御信号の前記左眼シャッタ制御信号及び右眼シャッタ制御信号を受信する受信部と、
前記左眼シャッタ制御信号及び前記右眼シャッタ制御信号をそれぞれ前記左眼シャッタ制御データ及び右眼シャッタ制御データで復元する復元部と、を含み、
前記受信器は、前記左眼シャッタ制御データ及び右眼シャッタ制御データのそれぞれに基づいて前記シャッタメガネの左眼シャッタ及び右眼シャッタを制御することを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャッタメガネ制御方法及びそれを遂行する表示システムに関し、より詳細には、表示装置に用いるシャッタメガネ制御方法及びそれを遂行する表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に表示装置は2次元平面画像を表示する。最近ゲーム、映画などのような分野で3次元立体画像に対する需要が増加し、3次元立体画像を表示する表示装置が開発されている。
【0003】
3次元立体画像は、人の両目を通した両眼時差(binocular parallax)を利用して立体画像を表示する。両眼時差を利用する方式として、メガネ方式と非メガネ方式(auto−stereoscopic)がある。メガネ方式は両眼に各々青色と赤色の色眼鏡をかけるエノグロプ(anaglyph)方式と、時間分割された左眼画像と右眼画像を周期的に表示し、この周期に同期された左眼シャッタ及び右眼シャッタを開閉するシャッタメガネを利用するシャッタメガネ(Shutter Glass)方式などがある。
【0004】
シャッタメガネ方式の場合、シャッタメガネの左眼シャッタ及び右眼シャッタが、左眼画像及び右眼画像に同期されるため、表示装置にはシャッタメガネで信号を無線送信するための送信器が接続され、シャッタメガネには信号を無線受信するための受信器が含まれている。
【0005】
一般的に、送信器は赤外線(IR)送信器であり、受信器は赤外線受信器である。送信器は、表示装置のタイミング制御部に接続されてタイミング制御部から3次元画像同期信号に同期された左眼シャッタ制御信号及び右眼シャッタ制御信号を生成して送信する。一方、受信器は左眼シャッタ制御信号及び右眼シャッタ制御信号を受信して左眼シャッタ及び右眼シャッタを開閉する。
【0006】
しかし、左眼シャッタ制御信号及び右眼シャッタ制御信号は左眼シャッタ及び右眼シャッタをオープン(open)という信号のみを含み、左眼画像と右眼画像間のクロストークを発生させる、或いは、複雑なパルス幅パターンを含んでシャッタメガネの認識誤りを発生させる。これによって、表示装置の視覚的な特性が悪化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許6,057,811号明細書
【特許文献2】米国特許6,529,175号明細書
【特許文献3】特開2010−093740号公報
【特許文献4】韓国特許出願公開2002-0027413号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、表示装置の視覚的な特性を向上させるシャッタメガネ制御方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、シャッタメガネ制御方法を遂行する表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係るシャッタメガネ制御方法を遂行するための表示システムは、タイミング制御部、表示パネル、送信器、及びシャッタメガネを含む。前記タイミング制御部は、左眼画像データ及び右眼画像データに基づいて3次元画像同期信号を生成し、前記3次元画像同期信号に同期されたデジタル形態の左眼シャッタ制御データ及び右眼シャッタ制御データを生成する。前記表示パネルは、前記左眼画像データ及び前記右眼画像データを用いて3次元画像を表示する。前記送信器は、前記左眼シャッタ制御データ及び前記右眼シャッタ制御データを変調してシャッタ制御信号を生成する。前記シャッタメガネは、前記シャッタ制御信号に基づいて左眼シャッタ及び右眼シャッタの開閉を制御する受信器を含む。
【0011】
前記タイミング制御部は、同期信号生成部及びメモリを含む。前記同期信号生成部は、前記左眼画像データ及び前記右眼画像データを受信し、前記左眼画像データ及び前記右眼画像データに基づいて3次元画像同期信号を生成する。前記メモリは、前記左眼シャッタ制御データ及び右眼シャッタ制御データを記憶する。前記タイミング制御部は、前記3次元画像同期信号がハイレバルであるとき、前記左眼シャッタ制御データを読み出し、前記3次元画像同期信号がローレベルであるとき、前記右眼シャッタ制御データを読み出す。
【0012】
前記左眼シャッタ制御データは、左眼シャッタのオープンに対応する左眼オープンデータ及び前記左眼シャッタのクローズに対応する左眼クローズデータをさらに含む。前記タイミング制御部は、前記3次元画像同期信号がハイレベルであるハイ区間の第1タイミングで前記左眼オープンデータを読み出し、前記第1タイミングから遅延された第2タイミングで前記左眼クローズデータを読み出す。
【0013】
前記右眼シャッタ制御データは、右眼シャッタのオープンに対応する右眼オープンデータ及び前記右眼シャッタのクローズに対応する右眼クローズデータを含む。前記タイミング制御部は、前記3次元画像同期信号がローレベルであるロー区間の第3タイミングで前記右眼オープンデータを読み出し、前記第3タイミングから遅延された第4タイミングで前記右眼クローズデータを読み出す。
【0014】
前記左眼シャッタ制御データは、左眼シャッタのオープンに対応する左眼オープンデータ及び前記左眼シャッタのオープン時間の制御に対応する左眼シャッタオープン時間制御データを含み、前記右眼シャッタ制御データは、右眼シャッタのオープンに対応する前記右眼オープンデータ及び前記右眼シャッタのオープン時間の制御に対応する右眼シャッタオープン時間制御データを含む。前記タイミング制御部は、前記3次元画像同期信号がハイレバルであるハイ区間の第1タイミングで左眼オープンデータを読み出し、前記第1タイミングから遅延された第2タイミングで左眼シャッタオープン時間制御データを読み出し、前記3次元画像同期信号がローレベルであるロー区間の第3タイミングで右眼オープンデータを読み出し、前記第3タイミングから遅延された第4タイミングで右眼シャッタオープン時間制御データを読み出す。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、タイミング制御部が外部装置から供給されたデジタル形態のシャッタ制御データを送信器に送信することによって、送信器が単調なシャッタ制御信号を生成することができる。
【0016】
本発明によれば、送信器が単調なシャッタ制御信号を受信器で送信することによって、受信器を単純な構造で形成することができる。
【0017】
本発明によれば、シャッタ制御データを用いて左眼シャッタ及び右眼シャッタの開閉を制御することによって、左眼シャッタと右眼シャッタが重なってオープンされることを防止することができる。
【0018】
本発明によれば、シャッタ制御データを用いて左眼シャッタ及び右眼シャッタのオープン及びオープン時間を制御することによって、左眼シャッタ及び右眼シャッタのオープン時間を制御し視覚的な特性を向上させることができる。従って、左眼シャッタ及び右眼シャッタのオープン時間を制御して左眼シャッタ及び右眼シャッタのオープンタイミングの最適化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るシャッタメガネ制御方法を遂行する表示システムを示すブロック図である。
図2図1のタイミング制御部、送信器、及び受信器をそれぞれ示すブロック図である。
図3図1の表示システムに係る3次元画像同期信号及びシャッタ制御信号を示すタイミング図である。
図4図1の表示システムに係るシャッタメガネ制御方法を説明するフローチャートである。
図5】本発明の他の実施形態に係る3次元画像同期信号及びシャッタ制御信号を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施形態に係るシャッタメガネ制御方法を遂行するための表示システムのブロック図である。
【0022】
図1を参照すれば、表示システムは表示装置100、送信器200、及びシャッタメガネ300を含む。表示システムは表示装置100で表示される3次元画像をシャッタメガネ300を用いて見るためのシステムである。
【0023】
表示装置100は表示パネル110、タイミング制御部120、表示駆動部130及び光源ユニット140を含む。表示装置100は2次元画像及び3次元画像を表示する。
【0024】
表示パネル110は第1方向で延びるゲートラインGL、第1方向と交差する第2方向で延びたデータラインDL及びゲートラインGL及びデータラインDLから送信された信号によって駆動される画素を含む。画素はゲートラインGL及びデータラインDLに電気的に接続されたスイッチング素子SW、スイッチング素子SWに接続された液晶キャパシタClc及び液晶キャパシタClcに接続されたストレージキャパシタCstを含む。
【0025】
タイミング制御部120は、表示パネル110に表示される画像を制御するためのタイミング信号を表示駆動部130に供給する。例えば、タイミング制御部120は、外部装置から3次元画像データL,R、制御信号V,H、及びシャッタ制御データLS_DATA,RS_DATAを受信して、表示駆動部130及び送信器200に送信する。
【0026】
シャッタ制御データLS_DATA,RS_DATAは、シャッタメガネ300の左眼シャッタを左眼画像データが表示パネル110に表示される間、オープンする左眼シャッタ制御データLS_DATA及びシャッタメガネ300の右眼シャッタを右眼画像データが表示パネル110に表示する間、オープンする右眼シャッタ制御データRS_DATAを含む。左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAの各々はデジタル形態のビット列を含む。
【0027】
表示駆動部130はゲート駆動部131及びデータ駆動部132を含む。ゲート駆動部131は複数のゲート駆動チップを含む。ゲート駆動部131は、ゲートオン/ゲートオフ信号を表示パネル110のゲートラインGLに送信する。
【0028】
データ駆動部132は複数のデータ駆動チップを含む。データ駆動部132は左眼画像データL及び右眼画像データRを表示パネルのデータラインDLに送信する。
【0029】
光源ユニット140は表示パネル110に光を照射する。光源ユニット140はタイミング制御部120から左眼画像データL及び右眼画像データRに基づいて光源の駆動を制御する信号が送信される。
【0030】
送信器200は表示装置100に外装されて表示装置100にケーブルを通じて電気的に接続される、または、表示装置100に内蔵されて表示装置100に電気的に接続される。送信器200はタイミング制御部120からシャッタ制御データLS_DATA,RS_DATA、及び、3次元画像同期信号を送信してシャッタ制御信号SCSをシャッタメガネ300に無線送信する。シャッタ制御信号SCSは左眼シャッタ制御信号LSS及び右眼シャッタ制御信号RSSを含む。
【0031】
シャッタメガネ300は左眼シャッタ310、右眼シャッタ320、及び受信器330を含む。受信器330は送信器200から送信されるシャッタ制御信号SCSを受信する。
【0032】
図2は、図1のタイミング制御部、送信器及び受信器それぞれを示すブロック図である。図3は、図2の3次元画像同期信号及びシャッタ制御信号を示すタイミング図である。
【0033】
図2及び図3を参照すれば、タイミング制御部120は同期信号生成部121及びメモリ122を含むことができる。
【0034】
同期信号生成部121は、外部装置から送信される左眼画像データL、右眼画像データR、及び垂直同期信号Vを受信する。同期信号生成部121は左眼画像データL、右眼画像データR、及び垂直同期信号Vに基づいて3次元同期信号Syncを生成する。例えば、3次元同期信号Syncは、60Hzで駆動される。3次元同期信号Syncは左眼画像データLが表示される時ハイレバルを有し、右眼画像データRが表示される時ローレベルを有する。
【0035】
メモリ122は、外部装置からデジタル形態の左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAを受信して記憶する。タイミング制御部120は、3次元同期信号Syncがハイレバルである時、左眼シャッタ制御データLS_DATAを読み出し、3次元同期信号Syncがローレベルである時、右眼シャッタ制御データRS_DATAを読み出す。
【0036】
例えば、タイミング制御部120は、3次元同期信号Syncがハイ区間HIGHの第1タイミングt1に左眼シャッタ310のオープンに対応する左眼オープンデータを読み出す。また、タイミング制御部120は、ハイ区間HIGHの第2タイミングt2に左眼シャッタ310のクローズに対応する左眼クローズデータを読み出す。第2タイミングt2は、第1タイミングt1から1時間遅延される。
【0037】
一方、タイミング制御部120は3次元同期信号Syncが、ローレベルのロー区間LOWの第3タイミングt3に右眼シャッタ320のオープンに対応する右眼オープンデータを読み出す。また、タイミング制御部120は、ロー区間LOWの第4タイミングt4に、右眼シャッタ320のクローズに対応する右眼クローズデータを読み出す。第4タイミングt4は第3タイミングt3から2時間遅延される。
【0038】
左眼オープンデータ及び右眼オープンデータ並びに左眼クローズデータ及び右眼クローズデータの各々は、複数のビットを含むデータ値を有する。例えば、左眼オープンデータ及び右眼オープンデータ並びに左眼クローズデータ及び右眼クローズデータの各々は、第1〜第3ビットを含む少なくとも3ビットデータである。
【0039】
第1ビットはシャッタ制御入力情報を有し、第2ビットは、左眼または右眼シャッタ識別情報を有し、第3ビットは開閉識別情報を有する。第1ビットが「0」ならば、第1ビットのデータはシャッタ制御のための入力情報を有さず、第1ビットが「1」ならば、第1ビットのデータはシャッタ制御の入力情報を有する。第2ビットが「0」ならば、第2ビットのデータは左眼シャッタ用であり、第2ビットが「1」ならば第2ビットのデータは右眼シャッタ用である。第3ビットが「0」ならば、第3ビットのデータは左眼シャッタまたは右眼シャッタのオープンに対応し、第3ビットが「1」ならば、第3ビットのデータは左眼シャッタまたは右眼シャッタのクローズに対応する。
【0040】
例えば、データの値が「100」ならば、データは左眼シャッタ310のオープンに対応する左眼オープンデータである。データの値が「101」ならば、データは左眼シャッタ310のクローズに対応する左眼クローズデータである。データの値が「110」ならば、データは右眼シャッタ320のオープンに対応する右眼オープンデータである。データの値が「111」ならば、データは右眼シャッタ320のクローズに対応する右眼クローズデータである。データの値を「100、101、110、111」を挙げて例示したが、データの値はこれに限定されるものではない。
【0041】
送信器200は、赤外線(IR)送信器または、ラジオ周波数(RF)送信器であってもよい。送信器200は変調部210及び送信部220を含む。
【0042】
送信器200が赤外線送信器の場合、変調部210は、左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAをパルス幅変調(PWM)とする。変調部210は左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAのビットが「1」ならば20μsの幅を有するパルスを生成する。変調部210はパルス幅変調した左眼及び右眼シャッタ制御データLS_DATA,RS_DATAの各々を3次元画像同期信号に同期して左眼シャッタ制御信号LSS及び右眼シャッタ制御信号RSSを生成する。送信部220は、左眼シャッタ制御信号LSS及び右眼シャッタ制御信号RSSを受信器330に送信する。
【0043】
これと異なって、送信器200がラジオ周波数送信器の場合、変調部210は、左眼及び右眼シャッタ制御データLS_DATA,RS_DATAを振幅遷移変調(ASK)したり、周波数遷移変調(FSK)したり、または、位相遷移変調(PSK)したりする。変調部210は左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAを互いに異なる第1搬送周波数及び第2搬送周波数の各々にのせて、変調した左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAの各々を3次元画像同期信号に同期して左眼シャッタ制御信号LSS及び右眼シャッタ制御信号RSSを生成する。
【0044】
受信器330は赤外線(IR)受信器、または、ラジオ周波数(RF)受信器であってもよい。受信器330は受信部331及び復元部332を含む。
【0045】
受信部331は左眼シャッタ制御信号LSS及び右眼シャッタ制御信号RSSを送信器200から受信する。復元部332は左眼シャッタ制御信号LSS及び右眼シャッタ制御信号RSSを復調及び復号して遠視の左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAで復元する。受信器330は左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAに基づいてシャッタメガネ300の左眼シャッタ310及び右眼シャッタ320を開閉する。
【0046】
図4は、図1の表示システムに係るシャッタメガネ制御方法を説明するフローチャートである。
【0047】
図2及び図4を参照すれば、タイミング制御部120の同期信号生成部121は左眼画像データL、右眼画像データR、及び垂直同期信号Vを受信し、左眼画像データL、右眼画像データR、及び垂直同期信号Vに基づいて3次元画像同期信号Syncを生成する(ステップS110)。
【0048】
続いて、タイミング制御部120は3次元画像同期信号Syncがハイレバルである時タイミング制御部120のメモリ122に記憶された左眼シャッタ制御データLS_DATAを読み出して送信器200に送信し、3次元画像同期信号Syncがローレベルであるとき、メモリ122に記憶された右眼シャッタ制御データRS_DATAを読み出して送信器200に送信する(ステップS120)。
【0049】
送信器200の変調部210は3次元画像同期信号Syncがハイレバルであるとき、左眼シャッタ制御データLS_DATAを受信して変調して、3次元画像同期信号Syncがローレベルであるとき、右眼シャッタ制御データRS_DATAを受信して変調する。送信器200の変調部210は変調した左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAを3次元画像同期信号Syncに同期させて、左眼シャッタ制御信号LSS及び右眼シャッタ制御信号RSSを生成する(ステップS210)。
【0050】
送信器200の送信部220は、左眼シャッタ制御信号LSS及び右眼シャッタ制御信号RSSを送信する(ステップS220)。
【0051】
受信器330の受信部331は、送信器200から左眼シャッタ制御信号LSS及び右眼シャッタ制御信号RSSを受信する(ステップS310)。
【0052】
受信器330の復元部332は、左眼シャッタ制御信号LSS及び右眼シャッタ制御信号RSSを復調して左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAを復元する(ステップS320)。受信器330の復元部332は左眼シャッタ制御データLS_DATA及び右眼シャッタ制御データRS_DATAを復号して左眼シャッタ310及び右眼シャッタ320を開閉する(ステップS330)。
【0053】
図1に示した本実施形態によれば、送信器200は左眼及び右眼シャッタの開閉による制御に対応してデジタル形態の左眼シャッタ制御データ及び右眼シャッタ制御データを受信して単調なシャッタ制御信号を得ることによって、シャッタメガネの認識誤りを防止することができる。
【0054】
図5は、本発明の他の実施形態に係る3次元画像同期信号及びシャッタ制御信号を示すタイミング図である。
【0055】
図5に示した本実施形態に係る表示システムは図3のタイミング図を除き、図1に示した実施形態に係る表示システムと実質的に同一であるため、図1に示した本実施形態に係る表示システムと同じ構成要素は同じ図面符号を付し、繰り返される説明は省略する。
【0056】
図5を参照すれば、タイミング制御部120は3次元同期信号Syncがハイレバルのハイ区間HIGHの第1タイミングt1に左眼シャッタ310のオープンに対応する左眼オープンデータを読み出す。続いて、タイミング制御部120はハイ区間HIGHの第2タイミングt2に左眼シャッタ310のオープン時間を制御する左眼オープン時間制御データを読み出す。第2タイミングt2は第1タイミングt1から1時間遅延される。
【0057】
一方、タイミング制御部120は3次元同期信号Syncがローレベルのロー区間LOWの第3タイミングt3に右眼シャッタ320のオープンに対応する右眼オープンデータを読み出す。続いて、タイミング制御部120は3次元同期信号Syncがローレベルのロー区間LOWの第4タイミングt4に右眼シャッタ320のオープン時間の制御に対応する右眼オープン時間制御データを読み出す。第4タイミングt4は第3タイミングt3から2時間遅延される。
【0058】
左眼オープンデータ及び右眼オープンデータ及び左眼オープン時間制御データ及び右眼オープン時間制御データの各々は複数のビットを含むデータ値を有する。例えば、左眼オープンデータ及び右眼オープンデータの各々は第1〜第3ビットを少なくとも含む3ビットデータであり、左眼オープン時間制御データ及び右眼オープン時間制御データの各々は第4〜第8ビットを少なくとも含む5ビットデータである。
【0059】
第1ビットは、シャッタ制御入力情報を有し、第2ビットは左眼シャッタ識別情報、右眼シャッタ識別情報を有し、第3ビットは開閉識別情報を有する。一方、第4ビット〜第8ビットはシャッタのオープン時間情報を有する。
【0060】
第1ビットが「0」ならば、第1ビットのデータはシャッタ制御のための入力情報を有さず、第1ビットが「1」ならば、第1ビットのデータはシャッタ制御のための入力情報を有する。第2ビットが「0」ならば、第2ビットのデータは左眼シャッタ用であり、第2ビットが「1」ならば第2ビットのデータは右眼シャッタ用である。第3ビットが「0」ならば、第3ビットのデータは、左眼シャッタまたは右眼シャッタのオープンに対応し、第3ビットが「1」ならば、第3ビットのデータは、左眼シャッタまたは右眼シャッタのクローズに対応する。
【0061】
第4〜第8ビットはクロストーク(crosstalk)等が少なく視認されるように左眼シャッタ310及び右眼シャッタ320それぞれのオープン時間を適切に設定する。左眼シャッタ310及び右眼シャッタ320の開閉を制御する。
【0062】
例えば、データの値が「10001010」ならば、データは左眼シャッタ310が第3時間の間オープンに対応する左眼オープンデータ及び左眼オープン時間制御データである。一方、データの値が「11001010」ならば、データは右眼シャッタ320が第3時間の間オープンに対応する右眼オープンデータ及び右眼オープン時間制御データである。データの値を「10001010、11001010」を挙げて例示したが、データの値はこれに限定されるものではない。
【0063】
図5に示した本実施形態によれば、送信器200は、シャッタのオープン及びオープン時間を制御するデジタル形態の左眼シャッタ制御データ及び右眼シャッタ制御データを受信し、単調なシャッタ制御信号を得ることによって、シャッタメガネの認識誤りを防止することができる。
【0064】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、タイミング制御部が外部装置から供給されたデジタル形態のシャッタ制御データを送信器に送信することによって、送信器が単調なシャッタ制御信号を生成することができる。
【0066】
送信器が単調なシャッタ制御信号を受信器で送信することによって、受信器を単純な構造で形成することができる。
【0067】
シャッタ制御データを用いて左眼シャッタ及び右眼シャッタの開閉を制御することによって、左眼シャッタと右眼シャッタが重なってオープンされることを防止することができる。
【0068】
シャッタ制御データを用いて左眼シャッタ及び右眼シャッタのオープン及びオープン時間を制御することによって、左眼シャッタ及び右眼シャッタのオープン時間を制御して視覚的な特性を向上させることができる。従って、左眼シャッタ及び右眼シャッタのオープン時間を制御して左眼シャッタ及び右眼シャッタのオープンタイミングの最適化を達成することができる。
【符号の説明】
【0069】
100…表示装置、110…表示パネル、120…タイミング制御部、130…パネル駆動部、140…光源ユニット、200…送信器、210…変調部、220…送信部、300…シャッタメガネ、310…左眼シャッタ、320…右眼シャッタ、330…受信器。
図1
図2
図3
図4
図5