(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1相関色温度で発光する第1LEDを有する第1LED部と、第1電流範囲および前記第1電流範囲より低い側の第2電流範囲を有する第1点灯電流で前記第1LED部を点灯する第1点灯回路とを備えた照明装置であって、
前記第1点灯回路は、前記第1電流範囲のとき前記第1電流範囲の上限である第1上限電流による前記第1LED部の第1順方向電圧より高い第1点灯電圧に設定される第1定電圧回路と、前記第1電流範囲を直流で制御する第1定電流回路と、前記第2電流範囲をパルス幅変調で制御する第2定電流回路とを備え、
前記第1電流範囲において、前記第1定電流回路は、前記第1定電流回路へ入力された第1参照電圧に基づいて前記第1点灯電流を制御し、
前記第2電流範囲において、前記第1定電圧回路は、前記第1定電圧回路へ入力された第2参照電圧に基づき、かつ、前記第1点灯電圧より低い定電圧である第2点灯電圧で前記第1LED部へ前記第1点灯電流を供給し、前記第2定電流回路は、前記第2定電流回路へ入力された第3参照電圧に基づく前記第2電流範囲の上限である第2上限電流にパルス幅変調を施して前記第1点灯電流を制御する構成とされていること
を特徴とする照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
<実施の形態1>
図1Aないし
図4を参照して、本実施の形態に係る照明装置1について説明する。
【0022】
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る照明装置1の機能ブロックを示すブロック図である。
【0023】
図1Bは、
図1Aに示した照明装置1において第1LED部3gおよび第2LED部5gに供給する点灯電流の電流範囲の仕分け状態を概念的に説明する図表である。
【0024】
本実施の形態に係る照明装置1は、暖色を発光する第1LED部3gと寒色を発光する第2LED部5gとの発光状態(点灯電流)の大小関係を変更することによって、暖色から寒色までの広い範囲での調色(相関色温度の調整)と、調光時の相関色温度の変化を抑制した高精細で高精度の調光(明るさの調整)とが可能である。
【0025】
また、第1LED部3gは、第2LED部5gとは別個に独立して点灯することが可能であり、単独で点灯した場合(例えば第1相関色温度CT1の単色)の調光が同様に実行される。また、第2LED部5gは、第1LED部3gとは別個に独立して点灯することが可能であり、単独で点灯した場合(例えば第2相関色温度CT2の単色)の調光が同様に実行される。なお、暖色(第1相関色温度CT1)、寒色(第2相関色温度CT2)として説明するが単独で点灯する場合、第1LED部3g、第2LED部5gの代わりに発光色(相関色温度)が異なる別の種類のLEDを適用することも可能である。
【0026】
本実施の形態に係る照明装置1は、第1相関色温度CT1(例えば、暖色系で相関色温度2700K(ケルビン))で発光する第1LED部3gと、第1LED部3gに第1点灯電流Idwを供給する第1点灯回路10と、第2相関色温度CT2(例えば、寒色系で相関色温度6500K(ケルビン))で発光する第2LED部5gと、第2LED部5gに第2点灯電流Idcを供給する第2点灯回路20と、第1点灯回路10および第2点灯回路20を制御する制御部30とを備える。制御部30は、バス30bを介して適宜の制御信号を第1点灯回路10および第2点灯回路20へ送信し、第1点灯回路10および第2点灯回路20の動作を制御する。
【0027】
第1LED部3gは、同一仕様を有する第1LED3が必要に応じた個数(単数あるいは複数)で直列あるいは並列に接続され(
図3参照)、第2LED部5gは、同一仕様を有する第2LED5が必要に応じた個数(単数あるいは複数)で直列あるいは並列に接続され(
図4参照)ている。つまり、第1LED部3gは、同一仕様の第1LED3で構成され、第2LED部5gは、同一仕様の第2LED5で構成されることが好ましい。以下では、第1LED3、第2LED5の個数に関係なく単に第1LED部3g、第2LED部5gとして記載する。
【0028】
第1LED部3g、第2LED部5gがそれぞれ複数の第1LED3、第2LED5で構成された場合、照明装置1は、大きな光出力が得られるので、従来の照明器具に対して置き換わることが可能となり、制御性が良く信頼性の高い照明を実現することができる。
【0029】
上記したとおり、本実施の形態に係る照明装置1は、第1相関色温度CT1で発光する第1LED3を有する第1LED部3gと、第1電流範囲Ar1および第1電流範囲Ar1より低い側の第2電流範囲Ar2を有する第1点灯電流Idwで第1LED部3gを点灯する第1点灯回路10とを備える。
【0030】
第1点灯電流Idw(第1上限電流としての100%点灯状態から0%超の微小点灯状態まで)は、大電流が流れる側の範囲としての第1電流範囲Ar1と、第1電流範囲Ar1に対して低い側の小電流が流れる範囲としての第2電流範囲Ar2とを有する(
図1B)。
【0031】
第1点灯電流Idwが100%点灯から0%消灯の間で調光されるとき、100%点灯(例えば直流100mA)から第2電流範囲Ar2の上限値である第2上限電流Iu2(例えば直流3mA)までの範囲(第1電流範囲Ar1)では、第1点灯電流Idwは、直流で制御される。第2電流範囲Ar2は、第1電流範囲Ar1より低い側の電流範囲で、0より大きく第2上限電流Iu2を上限とする範囲である。
【0032】
本実施の形態に係る照明装置1は、第2相関色温度CT2で発光する第2LED5を有する第2LED部5gと、第1電流範囲Ar1および第1電流範囲Ar1より低い側の第2電流範囲Ar2を有する第2点灯電流Idcで第2LED部5gを点灯する第2点灯回路20とを備える。
【0033】
第2点灯電流Idc(100%点灯状態から0%の消灯状態まで)は、大電流が流れる側の範囲としての第3電流範囲Ar3と、第1電流範囲Ar3に対して低い側の小電流が流れる範囲としての第4電流範囲Ar4とを有する(
図1B)。
【0034】
第2点灯電流Idcが100%点灯から0%消灯の間で調光されるとき、100%点灯(例えば直流100mA)から第4電流範囲Ar4の上限値である第4上限電流Iu4(例えば直流3mA)までの範囲(第3電流範囲Ar3)では、第2点灯電流Idcは、直流で制御される。第4電流範囲Ar4は、第3電流範囲Ar3より低い側の電流範囲で、0より大きく第4上限電流Iu4を上限とする範囲である。
【0035】
第1点灯電流Idwが第2電流範囲Ar2の上限を示す第2上限電流Iu2(例えば3mA)から消灯直前の状態(例えば、第2上限電流Iu2の3mAに対して、100分の1の0.03mA)までの範囲(第2電流範囲Ar2)では、第1点灯電流Idwは、第2上限電流Iu2に対するパルス幅変調(以下、PWMとすることがある。)で制御される。
【0036】
つまり、第1点灯電流Idwの大きさによって、直流での制御と、PWMでの制御とが切り替えられている。相対的に大電流となる第1電流範囲Ar1では直流電流によって第1点灯電流Idwの電流値を制御する。また、相対的に小電流となる第2電流範囲Ar2では、第2上限電流Iu2に対してPWMを施すことによって第1点灯電流Idwの電流値を制御する。
【0037】
したがって、第2上限電流Iu2以下の電流に対する制御を更に高精度に高精細化することができ、またどのように小さい電流の場合でも、点灯状態では一定の第2上限電流Iu2が第1LED部3gに印加されることから安定した点灯状態を確保することができる。
【0038】
また、第2点灯電流Idcが第4電流範囲Ar4の第4上限電流Iu4(例えば3mA)から消灯直前の状態(例えば、第4上限電流Iu4の3mAに対して、100分の1の0.03mA)までの範囲(第4電流範囲Ar4)では、第2点灯電流Idcは、第4上限電流Iu4に対するパルス幅変調で制御される。
【0039】
つまり、第2点灯電流Idcの大きさによって、直流での制御と、PWMでの制御とが切り替えられている。相対的に大電流となる第3電流範囲Ar3では直流電流によって第2点灯電流Idcの電流値を制御する。また、相対的に小電流となる第4電流範囲Ar4では、第4上限電流Iu4に対してPWMを施すことによって第2点灯電流Idcの電流値を制御する。
【0040】
したがって、第4上限電流Iu4以下の電流に対する制御を更に高精度に高精細化することができ、またどのように小さい電流の場合でも、点灯状態では一定の第4上限電流Iu4が第2LED部5gに印加されることから安定した点灯状態を確保することができる。
【0041】
第1点灯回路10(
図3参照)は、第1電流範囲Ar1のとき第1電流範囲Ar1の上限である第1上限電流(例えば、100%点灯電流)による第1LED部3gの第1順方向電圧Vf1より高い第1点灯電圧Vd1に設定される第1定電圧回路12と、第1電流範囲Ar1を直流で制御する第1定電流回路11と、第2電流範囲Ar2をパルス幅変調で制御する第2定電流回路13とを備える。
【0042】
つまり、第1電流範囲Ar1では、第1定電圧回路12は第1点灯電圧Vd1に設定され、第1定電流回路11が第1点灯電流Idwを直流(定電流)で制御する。また、第2電流範囲Ar2では、第1定電圧回路12から第1LED部3gへ第1点灯電流Idw(直流の第2上限電流Iu2)が供給され、第2定電流回路13が第1点灯電流IdwをPWMで制御する。なお、第1定電流回路11、第1定電圧回路12、第2定電流回路13の動作については、
図3で詳細を説明する。
【0043】
第1点灯回路10において、第1電流範囲Ar1の下限値(第1電流範囲Ar1と第2電流範囲Ar2の境界値)は、第2電流範囲Ar2の上限値である第2上限電流Iu2とするか、あるいは第2上限電流Iu2を越える値で適宜設定すれば良い(
図1B)。
【0044】
第2点灯回路20(
図4参照)は、第3電流範囲Ar3のとき第3電流範囲Ar3の上限である第3上限電流(例えば、100%点灯電流)による第2LED部5gの第3順方向電圧Vf3より高い第3点灯電圧Vd3に設定される第2定電圧回路22と、第3電流範囲Ar3を直流で制御する第3定電流回路21と、第4電流範囲Ar4をパルス幅変調で制御する第4定電流回路23とを備える。
【0045】
つまり、第3電流範囲Ar3では、第2定電圧回路22は第3点灯電圧Vd3に設定され、第3定電流回路21が第2点灯電流Idcを直流(定電流)で制御する。また、第4電流範囲Ar4では、第2定電圧回路22から第2LED部5gへ第2点灯電流Idc(直流の第4上限電流Iu4)が供給され、第4定電流回路23が第2点灯電流IdcをPWMで制御する。なお、第3定電流回路21、第2定電圧回路22、第4定電流回路23の動作については、
図4で詳細を説明する。
【0046】
なお、第2点灯回路20において、第3電流範囲Ar3の下限値(第3電流範囲Ar3と第4電流範囲Ar4の境界値)は、第1点灯回路10と同様に規定すれば良い(
図1B)。
【0047】
第1電流範囲Ar1および第3電流範囲Ar3、第2電流範囲Ar2および第4電流範囲Ar4は、第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcにおいて共通に定義することが好ましい。
【0048】
照明装置1では、第1点灯電流Idwの電流値および第2点灯電流Idcの電流値は、制御対象である明るさ(調光段数LCm(例えばm=1〜10の10段)。
図5参照)および相関色温度(調色段数DCn(例えばn=1〜10の10段)。
図5参照)に対応させて予め規定されてあり、調光段数LCmおよび調色段数DCnに対応して規定され、特性一覧表(
図5参照)としてデータ記憶部31に予め登録されている。
【0049】
なお、第1LED部3gおよび第2LED部5gの間での調色は、第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcの加重平均によって求められる。したがって、データ記憶部31に記憶されている特性一覧表(
図5)のデータは、調色(相関色温度)に応じた比率で第1点灯電流Idwの電流値および第2点灯電流Idcの電流値を予め規定している。
【0050】
本実施の形態に係る照明装置1は、指定された明るさ(調光段数LCm)に基づいて調光制御をするとき、または、指定された相関色温度(調色段数DCn)に基づいて調色制御をするとき、LED(第1LED部3gおよび第2LED部5g)に供給する電流値(第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idc)について、予め特定された第2上限電流Iu2(あるいは第4上限電流Iu4)を境界として第2上限電流Iu2(第4上限電流Iu4)より小さい電流(第2電流範囲Ar2、第4電流範囲Ar4)を供給するときは、第2上限電流Iu2(第4上限電流Iu4)(直流電流)にパルス幅変調を施して点灯電流(第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc)とし、第2上限電流Iu2(第4上限電流Iu4)を超える電流(第1電流範囲Ar1、第3電流範囲Ar3)を供給するときは直流電流を点灯電流(第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc)として供給することから、第2上限電流Iu2(第4上限電流Iu4)より小さい電流範囲での駆動においてもLED(第1LED3、第2LED5)の発光特性(ばらつき)による影響を抑制して明るさおよび相関色温度を安定的に調整することが可能となり、広い範囲での調光制御および調色制御を高精細で高精度にかつ効果的に行うことができるので、深調光が可能となる。
【0051】
第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4は、第1LED部3g、第2LED部5gを構成する個々のLEDが有する発光特性(素子特性:素子定数)のばらつきに対して予め特定(選定)される。例えば、同一の直流電流(順方向電流)を流したときに、直流電流が小さい低電流領域の範囲(第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4より小さい範囲)では、発光特性のばらつきが直接的に発光状態として顕在化することから、LEDの発光状態のばらつきが視認できる状態となり、不安定な発光状態となることが知見された。つまり、第2上限電流Iu2(第4上限電流Iu4)以下の電流を流す場合は、例えば同一の順方向電流を流した場合であっても、発光状態が大きく異なり安定した照明装置を実現することが困難である。
【0052】
なお、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4としては、定格電流(
図5で、調光率(あるいはPOWER)が例えば100%の場合での電流)に対して例えば2%ないし5%程度の電流を指定することができる。この程度の電流値になると、LEDの発光状態(素子特性)のばらつきがそのまま発光状態のばらつきとして表れる場合がある。
【0053】
本実施の形態では、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4を例えば2%ないし5%の範囲内として特定し、指定された調光段数LCmにおける第1点灯電流Idwの電流値あるいは第2点灯電流Idcの電流値として第2上限電流Iu2(第4上限電流Iu4)より小さい電流を流す必要があるときは、第2上限電流Iu2(第4上限電流Iu4)に対してPWMを施して第2上限電流Iu2(第4上限電流Iu4)より小さい電流値を実現する。したがって、LED(第1LED部3g、第2LED部5g)に対して供給される点灯電流(第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc)は、直流値のレベルを第2上限電流Iu2(第4上限電流Iu4)に固定した状態で第2上限電流Iu2(第4上限電流Iu4)より小さい電流として供給される。
【0054】
つまり、どのように小さい第1点灯電流Idw(例えば、3mAの第2上限電流Iu2に対して100分の1の0.03mA)、あるいは第2点灯電流Idc(例えば、3mAの第4上限電流Iu4に対して100分の1の0.03mA)であっても、第2上限電流Iu2(3mA)、第4上限電流Iu4(3mA)に対するPWMを施すことによって形成し、流される電流の直流レベル(ハイレベル(Hレベル))を第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4として確保し、安定した発光状態が可能な直流電流の下限値としての第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4を供給するので、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4以下の低電流領域での点灯においても違和感の生じない安定した点灯状態を実現することができる。なお、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4の作用、効果については、実施の形態2(
図5以下)で更に説明する。
【0055】
上記したとおり、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4より小さい電流(第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc)は、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4と等しい直流電流をパルス幅変調することによって形成される。したがって、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4より小さい電流がLEDに供給される場合、LEDがオン状態(PWMでのハイレベル(H)に相当する周期)では、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4をそのまま確保していることから、LEDのばらつきによる影響を抑制することができ、LEDがオフ状態(PWMでのローレベル(L)に相当する周期)では、電流値は零であることから、LEDのばらつきによる影響は存在しない。したがって、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4より小さい電流で駆動する場合でも、電流値の直流レベルでは消灯時(0mA)を除いて第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4より小さい電流が流れることは無いので、安定した点灯状態を確保することができる。
【0056】
本実施の形態では、第2電流範囲Ar2における第2上限電流Iu2、第4電流範囲Ar4における第4上限電流Iu4は、第1LED3(第1LED部3g)の発光特性および第2LED5(第2LED部5g)の発光特性に基づいて予め特定されている。すなわち、照明装置1は、第1LED部3gおよび第2LED部5gの発光特性に基づいて第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4を特定し、第2電流範囲Ar2、第4電流範囲Ar4における第1LED部3g、第2LED部5gの点灯では、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4をHレベルとする直流電流に対するPWMを施した電流で第1LED部3gおよび第2LED部5gを点灯(制御)する。
【0057】
したがって、第1LED部3g(複数の第1LED3)および第2LED部5g(複数の第2LED5)の発光特性が低電流領域(第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4より小さい電流領域)でばらついている場合でも、安定した高精度の明るさ制御(調光制御)および相関色温度制御(調色制御)を実現して幅広い安定した調光、調色を行うことができる。
【0058】
明るさおよび相関色温度は、例えば、指定信号を送信する指定信号送信部としてのリモートコントローラ40からの指定信号入力部32に対する入力によって指定される。指定信号とは、明るさについては、調光段数LCm(m=1〜10)を指定する信号であり、相関色温度については、調色段数DCn(n=1〜10)を指定する信号である。
【0059】
本実施の形態では、m=1(調光段数LC1)のとき、例えば100%の点灯状態となり、m=10(調光段数LC10)のとき、例えば10%の調光状態となる(
図5参照)。また、n=1(調色段数DC1)のとき、合成した相関色温度CCTは、例えば第1相関色温度CT1(2700K)に対する近似値であり、n=10(調色段数DC10)のとき、合成した相関色温度CCTは、例えば第2相関色温度CT2(6500K)に対する近似値である(
図5参照)。
【0060】
なお、リモートコントローラ40を介して指定信号を入力することを例示したが、直接指定信号入力部32に入力される形態であっても良い。
【0061】
リモートコントローラ40から指定信号入力部32に入力された指定信号は、転送先の指定信号判定部33で判定され、調光段数LCmの段数(mの値)、調色段数DCnの段数(nの値)が判定(抽出)される。制御部30は、指定信号判定部33で判定された調光段数LCmおよび調色段数DCnに対応する第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idcをデータ記憶部31から抽出し、抽出した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcに基づいて第1点灯回路10および第2点灯回路20の動作を制御する。
【0062】
データ記憶部31は、制御対象としての明るさ(調光段数LCm)および相関色温度(調色段数DCn)に対応させて予め規定された第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcを特性一覧表(
図5参照)として記憶している。つまり、データ記憶部31は、指定信号(調光段数LCm、調色段数DCn)対電流データ(第1点灯電流Idwの電流値、第2点灯電流Idcの電流値)の関係を特性一覧表として保有している。
【0063】
また、データ記憶部31は、併せて第2上限電流Iu2および第4上限電流Iu4の値も記憶している。データ記憶部31は、例えばフラッシュメモリで形成されている。また、電流値は、適宜の代替信号に置き換えて記憶されても良い。
図5では、電流値をmAとして示すが、100%点灯時の電流に対する比率(%)で示すことも可能である。
【0064】
上記したとおり、照明装置1では、明るさ(調光段数LCm)および相関色温度(調色段数DCn)に対応させて予め規定されている第1点灯電流Idwの電流値および第2点灯電流Idcの電流値は、特性一覧表としてデータ記憶部31に記憶されている。
【0065】
したがって、照明装置1は、明るさおよび相関色温度に対応する第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcの値を特性一覧表(特性データ)としてデータ記憶部31に記憶していることから、容易にかつ高精度に調光制御および調色制御を行うことができる。
【0066】
また、例えばCPU(中央処理装置)で構成される制御部30は、リモートコントローラ40との連携を行う。また、制御部30は、バス30bを介して指定信号入力部32、指定信号判定部33、データ記憶部31の動作を制御する。指定信号入力部32、指定信号判定部33、データ記憶部31に求められる動作が予めプログラムとして書き込まれており、制御部30は、書き込まれたプログラムに基づいて指定信号入力部32、指定信号判定部33、データ記憶部31を制御する。
【0067】
図2Aおよび
図2Bは、
図1Aに示した照明装置1における基本的な動作フローを示すフロー図である。
【0068】
照明装置1は、指定信号(調光段数LCm、調色段数DCn)が入力されたとき、指定信号の内容を判定し、指定信号に応じた第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idcに対応する電流値データをデータ記憶部31から読み出す(抽出する)。次いで、読み出した第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idcの電流値が第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4より大きいか否かを判断する。
【0069】
つまり、第1点灯電流Idwについては、電流範囲が第1電流範囲Ar1、第2電流範囲Ar2のいずれであるか、また、第2点灯電流Idcについては、電流範囲が第3電流範囲Ar3、第4電流範囲Ar4のいずれであるかが判定される。
【0070】
照明装置1(制御部30)は、第1電流範囲Ar1〜第2電流範囲Ar4のいずれかに基づいて以下のステップ(ステップS2ないしステップS24)で示す処理を実行し、第1LED部3gおよび第2LED部5gへ点灯電流(第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc)を供給することによって調光、調色を実行する。
【0071】
ステップS2:
指定信号入力部32は、リモートコントローラ40からの指定信号(明るさについての調光段数LCm、相関色温度についての調色段数DCn)の入力状況に基づいて指定の有無を判定する。
【0072】
指定(指定信号)が有る場合(ステップS2:YES)は、ステップS4へ移行する。指定が無い場合(ステップS2:NO)は、元へ戻る。
【0073】
ステップS4:
指定信号判定部33は、指定内容(指定段数、つまり、調光段数LCm、調色段数DCn)を判定する。すなわち、調光段数LCmでのmの値、調色段数DCnでのnの値を判定(抽出)する。調光段数LCmおよび調色段数DCnについての判定結果(mの値、nの値)は、制御部30に伝達される。
【0074】
ステップS6:
制御部30は、ステップS4における判定結果に基づいて、指定信号対電流データに関する特性一覧表(データ記憶部31)から、指定信号(調光段数LCmでのm、調色段数DCnでのn)に対応する第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcの電流値データを抽出する(
図5参照)。
【0075】
つまり、制御部30は、調光段数LCm、調色段数DCnに対応する第1点灯電流Idwの電流値および第2点灯電流Idcの電流値をデータ記憶部31から読み出す。
【0076】
第1点灯電流Idwについては、ステップS8へ移行し、第2点灯電流Idcについては、ステップS20(
図2B)へ移行する。なお、ステップS8以降の処理と、ステップS20以降の処理は、それぞれ並行に処理され同時に第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idcを制御するように実行される。
【0077】
ステップS8:
制御部30は、抽出した第1点灯電流Idwが第1電流範囲Ar1の場合と第2電流範囲Ar2の場合とに区分し、第1電流範囲Ar1の場合は、ステップS10へ移行し、第2電流範囲Ar2の場合は、ステップS12へ移行する。
【0078】
ステップS10:
制御部30は、第1定電流回路11へ第1参照電圧Vref11(
図3参照)を入力する。第1定電流回路11は、第1参照電圧Vref11に基づいて第1点灯電流Idwを制御する。したがって、第1電流範囲Ar1において第1点灯電流Idwは、直流で電流値を制御され、指定された調光、調色に応じた電流制御が実行される。
【0079】
なお、第1定電圧回路12は、定電圧回路としての機能は生じないが第1電流範囲Ar1の上限である第1上限電流(例えば、100%点灯電流)による第1LED部3gの第1順方向電圧Vf1より高い第1点灯電圧Vd1に設定される。
【0080】
また、第2定電流回路13も定電流回路としての機能は停止される。第1定電流回路11、第1定電圧回路12、第2定電流回路13の動作については、
図3で詳細を説明する。
【0081】
ステップS12:
制御部30は、第1定電圧回路12へ第2参照電圧Vref12を入力する。第1定電圧回路12は、第2参照電圧Vref12に基づいて第2点灯電圧Vd2で第1点灯電流Idwを第1LED部3gへ供給する。
【0082】
また、制御部30は、第2定電流回路13へ第3参照電圧Vref13を入力する。第2定電流回路13は、第3参照電圧Vref13に基づく第2電流範囲Ar2の上限である第2上限電流Iu2にPWMを施して第1点灯電流Idwを制御する。
【0083】
したがって、第2電流範囲Ar2において第1点灯電流Idwは、第2上限電流Iu2に対するPWMで電流値が高精細に高精度で制御され、指定された調光、調色に応じた電流制御が実行される。
【0084】
ステップS20:
制御部30は、抽出した第2点灯電流Idcが第3電流範囲Ar3の場合と第4電流範囲Ar4の場合とに区分し、第1電流範囲Ar3の場合は、ステップS22へ移行し、第2電流範囲Ar4の場合は、ステップS24へ移行する。
【0085】
ステップS22:
制御部30は、第3定電流回路21へ第4参照電圧Vref21(
図4参照)を入力する。第3定電流回路21は、第4参照電圧Vref21に基づいて第2点灯電流Idcを制御する。したがって、第3電流範囲Ar3において第2点灯電流Idcは、直流で電流値を制御され、指定された調光、調色に応じた電流制御が実行される。
【0086】
なお、第2定電圧回路22は、定電圧回路としての機能は生じないが第3電流範囲Ar3の上限である第3上限電流(例えば、100%点灯電流)による第2LED部5gの第3順方向電圧Vf3より高い第3点灯電圧Vd3に設定される。
【0087】
また、第4定電流回路23も定電流回路としての機能は停止される。第3定電流回路21、第2定電圧回路22、第4定電流回路23の動作については、
図4で詳細を説明する。
【0088】
ステップS24:
制御部30は、第2定電圧回路22へ第5参照電圧Vref22を入力する。第2定電圧回路22は、第5参照電圧Vref22に基づいて第4点灯電圧Vd4で第2点灯電流Idcを第2LED部5gへ供給する。
【0089】
また、制御部30は、第4定電流回路23へ第6参照電圧Vref23を入力する。第4定電流回路23は、第6参照電圧Vref23に基づく第4電流範囲Ar2の上限である第4上限電流Iu4にPWMを施して第2点灯電流Idcを制御する。
【0090】
したがって、第4電流範囲Ar4において第2点灯電流Idcは、第4上限電流Iu4に対するPWMで電流値が高精細に高精度で制御され、指定された調光、調色に応じた電流制御が実行される。
【0091】
上記したとおり、ステップS10、ステップS12、ステップS22、ステップS24において、第1電流範囲Ar1〜第2電流範囲Ar4に応じた回路動作が選定されて実行される。したがって、照明装置1は、第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idcを高精度にかつ高精細に制御して正確な調光制御、調色制御を実行できる。
【0092】
図3は、
図1Aに示した照明装置1における第1点灯回路10の具体的な回路構成を示す回路図である。
図3を参照して第1点灯回路10の動作について説明する。
【0093】
第1点灯回路10は、第1定電流回路11、第1定電圧回路12、第2定電流回路13を備える。第1点灯回路10は、直流電源PSに接続されたスイッチング電源7(高周波変圧器ST1の2次側)の出力線である電源線7pおよび基準線7gから電力の供給を受ける。
【0094】
スイッチング電源7は、高周波変圧器ST1の1次側にスイッチング制御回路SC1を備え、スイッチング制御回路SC1は、高周波変圧器ST1の1次側巻線の電流経路に配置されたスイッチングトランジスタQ11をスイッチング制御することによって2次側の出力(電圧)の大きさを制御する。スイッチング制御回路SC1は、高周波変圧器ST1の出力である電源線7pと基準線7gの間に配置されたホトカプラー発光部PC11(LED)からの信号によって駆動されるホトカプラー受光部PC12(ホトトランジスタ)に基づいてスイッチングトランジスタQ11のオンオフ状態を制御し、高周波変圧器ST1の出力を制御する。
【0095】
スイッチング制御回路SC1は、市販されているスイッチング電源用IC(例えばオンセミコンダクター(ON Semiconductor)社製のNCP1200(型番))であり、一般的なスイッチング電源に用いられている。
【0096】
高周波変圧器ST1の2次側には、電源線7pに挿入された整流ダイオードD1と、電源線7pおよび基準線7gの間に接続された電解コンデンサーC1とが配置され、直流に整流した電力を第1LED部3gおよび第1点灯回路10(第1定電流回路11、第1定電圧回路12、第2定電流回路13)へ供給する。
【0097】
つまり、電源線7pと基準線7gとの間には、第1LED部3g(第1LED3)が接続され、第1LED部3gに流れた第1点灯電流Idwがそのまま流れる電流経路3cが形成されている。電流経路3cには、トランジスタQ13および電流検出抵抗R11が直列に接続(配置)されている。トランジスタQ13は、第1点灯電流Idwに対するPWMを施し、電流検出抵抗R11は、第1点灯電流Idwの電流値を検出する。
【0098】
第1点灯電流Idwの第1電流範囲Ar1における第1定電流回路11の動作について説明する。
【0099】
第1点灯電流Idwの第1電流範囲Ar1において、第1定電流回路11は、第1定電流回路11へ入力された第1参照電圧Vref11に基づいて第1点灯電流Idwを制御する。
【0100】
なお、第1電流範囲Ar1では、第1定電圧回路12、第2定電流回路13は動作しない状態に設定される。具体的には、第1定電圧回路12は、第1電流範囲Ar1の上限である第1上限電流(例えば、100%点灯電流)による第1LED部3gの第1順方向電圧Vf1より高い第1点灯電圧Vd1に設定され、第1定電流回路11が優先的に動作することから定電圧回路としての動作をしない状態とされる。
【0101】
また、第2定電流回路13に対する第3参照電圧Vref13は、第1定電流回路11に対する第3参照電圧Vrefより高い電圧であるハイレベル(Hレベル)とされ、トランジスタQ13を完全なオン状態としている。
【0102】
第1定電流回路11は、第1LED部3gに流れた電流がそのまま流れる電流経路3cに挿入されて第1点灯電流Idwを検出する電流検出抵抗R11と、反転入力端子に第1参照電圧Vref11が入力される第1演算増幅器OA11と、電源線7pと基準線7gの間に接続された駆動トランジスタQ12、ホトカプラー発光部PC11、および抵抗R12を有する直列回路とを備える。
【0103】
第1演算増幅器OA11の出力端は、オア回路OR1の一方の入力端に接続されている。オア回路OR1は、他方の入力端に接続された第1定電圧回路12の第2演算増幅器OA12の出力端からの出力と第1演算増幅器OA11の出力とのいずれか一つが有効となったときに駆動トランジスタQ12を動作させる。なお、第1定電流回路11が定電流回路として動作するときは、第2演算増幅器OA12からの信号に対して第1定電流回路11(第1演算増幅器OA11)からの信号が優先され、第1演算増幅器OA11からの信号が駆動トランジスタQ12へ入力される。
【0104】
第1点灯電流Idwは、電流検出抵抗R11を流れ、電流検出抵抗R11の両端の電圧として現れる。電流検出抵抗R11の両端に現れた電圧は、第1演算増幅器OA11の非反転入力端子へ入力され、第1演算増幅器OA11の反転入力端子には第1参照電圧Vref11が入力されている。したがって、次に説明するとおり、第1定電流回路11は、電流検出抵抗R11の両端の電圧が第1参照電圧Vref11と一致するように第1点灯電流Idwを制御する。
【0105】
第1点灯電流Idwが増加して、電流検出抵抗R11の両端電圧が第1参照電圧Vref11の電圧を超える場合、第1定電流回路11は次のように動作する。第1演算増幅器OA11の出力がハイレベル(Hレベル)となり、駆動トランジスタQ12のベース電流が増加し、ホトカプラー発光部PC11に流れる電流も増加する。→ホトカプラー発光部PC11(内部LED)の発光量が増加し、ホトカプラー受光部PC12(内部ホトトランジスタ)の電流が増加する。→ホトカプラー受光部PC12の電流の増加を受けてスイッチング制御回路SC1は、制御端子電圧が低下しスイッチングトランジスタQ11に供給するパルス幅を短くする。→スイッチングトランジスタQ11のオン時間が短縮し、スイッチング電源7の出力電圧(電源線7pと基準線7gの間の電圧)が低下する。→第1点灯電流Idwが減少する。つまり、第1点灯電流Idwが増加した場合、第1定電流回路11は、第1点灯電流Idwを抑制して電流検出抵抗R11の両端電圧を元に戻す方向に動作する。
【0106】
また、逆に第1点灯電流Idwが減少して、電流検出抵抗R11の両端電圧が第1参照電圧Vref11の電圧より低くなる場合、第1定電流回路11は次のように動作する。第1演算増幅器OA11の出力がローレベル(Lレベル)となり、駆動トランジスタQ12のベース電流が減少し、ホトカプラー発光部PC11に流れる電流が減少する。ホトカプラー発光部PC11(内部LED)の発光量が減少し、ホトカプラー受光部PC12(内部ホトトランジスタ)の電流が減少する。→ホトカプラー受光部PC12の電流の減少を受けてスイッチング制御回路SC1は、制御端子電圧が上昇しスイッチングトランジスタQ11に供給するパルス幅を長くする。→スイッチングトランジスタQ11のオン時間が増加し、スイッチング電源7の出力電圧(電源線7pと基準線7gの間の電圧)が増加する。→第1点灯電流Idwが増加する。つまり、第1点灯電流Idwが減少した場合、第1定電流回路11は、第1点灯電流Idwを増加して電流検出抵抗R11の両端電圧を元に戻す方向に動作する。
【0107】
したがって、第1点灯電流Idwは、第1参照電圧Vref11によって制御されることから、第1電流範囲Ar1においては、第1参照電圧Vref11を変更することによって第1点灯電流Idwを制御することができる。
【0108】
なお、第1点灯電流Idwの第1電流範囲Ar1における第1定電圧回路12は、定電圧回路としては動作しない電圧に設定されている。
【0109】
第1電流範囲Ar1において、第1定電圧回路12は、第1電流範囲Ar1の上限である第1上限電流による第1LED部3gの電圧降下である第1順方向電圧Vf1より高い第1点灯電圧Vd1に設定されている。なお、第1上限電流は、例えば100%点灯のときに流れる電流である。
【0110】
したがって、第1点灯電流Idwを第1LED部3gへ供給することができる。また、第1点灯電圧Vd1を第1点灯電流Idwに応じて変動させることから、トランジスタQ13における消費電力を抑制することが可能となる。
【0111】
第2電流範囲Ar2における第1定電圧回路12、第2定電流回路13の動作について説明する。
【0112】
第2電流範囲Ar2において、第1定電圧回路12は、第1定電圧回路12へ入力された第2参照電圧Vref12に基づく第2点灯電圧Vd2で第1LED部3gへ第1点灯電流Idwを供給し、第2定電流回路13は、第2定電流回路13へ入力された第3参照電圧Vref13に基づく第2電流範囲Ar2の第2上限電流Iu2にパルス幅変調を施して第1点灯電流Idwを制御する。
【0113】
なお、第2電流範囲Ar2では、第1定電流回路11は動作しない状態に設定される。具体的には、第1定電流回路11に対する第1参照電圧Vref11は、第2定電流回路13に対する第3参照電圧Vref13より高い電圧であるハイレベル(Hレベル)とされて第1演算増幅器OA11は機能しない状態とされる。
【0114】
第1定電圧回路12は、電源線7pと基準線7gの間に接続された分圧抵抗R13および分圧抵抗R14の直列回路と、非反転入力端子および反転入力端子を有する第2演算増幅器OA12と、オア回路OR1と、電源線7pと基準線7gの間に接続された駆動トランジスタQ12、ホトカプラー発光部PC11、および抵抗R12を有する直列回路とを備える。第2演算増幅器OA12の非反転入力端子には、分圧抵抗R13および分圧抵抗R14で分圧された電圧が入力され、反転入力端子には、第2参照電圧Vref12が入力される。
【0115】
また、駆動トランジスタQ12、ホトカプラー発光部PC11、および抵抗R12を有する直列回路と、ホトカプラー受光部PC12と、スイッチング制御回路SC1と、スイッチングトランジスタQ11と、高周波変圧器ST1とは、第1定電流回路11が動作する場合と共通の構成であることから、上記したとおりに動作する。
【0116】
つまり、第1定電圧回路12の出力電圧として電源線7pおよび基準線7gの間に現れる第2点灯電圧Vd2は、第2参照電圧Vref12によって制御され、第2参照電圧Vref12=(直列に接続された分圧抵抗R13および分圧抵抗R14の中間に現れる分圧電圧)となるように制御される。つまり、第1定電圧回路12は、第1定電圧回路12へ入力された第2参照電圧Vref12に基づく第2点灯電圧Vd2に設定される。
【0117】
なお、第2電流範囲Ar2での第1点灯電流Idwは、第2定電流回路13の動作によって、第2上限電流Iu2に設定され、例えば3mAの直流電流に固定される。第2上限電流Iu2以下の電流を第1点灯電流Idwとして供給する場合は、第2定電流回路13にPWMを施すことによって第2上限電流Iu2を確保した状態で第1点灯電流Idwを第2上限電流Iu2以下の電流に制御する。
【0118】
第2定電流回路13は、電流経路3cに配置されたトランジスタQ13と、トランジスタQ13と直列に接続された電流検出抵抗R11と、非反転入力端子および反転入力端子を有する第3演算増幅器OA13とを備える。トランジスタQ13は、第1LED部3gへ接続され、電流検出抵抗R11の一端は、基準線7gに接続されている。
【0119】
第3演算増幅器OA13の非反転入力端子には、第3参照電圧Vref13が入力され、第3演算増幅器OA13の非反転入力端子と反転入力端子との間に電流検出抵抗R11の両端が接続されている。したがって、第3参照電圧Vref13=電流検出抵抗R11の両端に現れる電圧(=第1点灯電流Idw×電流検出抵抗R11)となるように第1点灯電流Idwが制御され、第1点灯電流Idwとして定電流化された直流の第2上限電流Iu2が第1LED部3g(電流経路3c)へ供給される。
【0120】
第1点灯電流Idw(第2上限電流Iu2)に対してPWMを施すため、第2定電流回路13に対してパルストランジスタQ14が接続されている。パルストランジスタQ14は、第3演算増幅器OA13の非反転入力端子(第3参照電圧Vref13)と基準線7gとの間に接続され、入力された変調パルスPm1に従って第3参照電圧Vref13をオンオフ制御する。
【0121】
つまり、第3参照電圧Vref13に対するオンオフ制御(変調パルスPm1)によって第2上限電流Iu2を確保した状態で第1点灯電流Idw(第2上限電流Iu2)に対するデューティ比が制御され、第2上限電流Iu2以下の電流が第1点灯電流Idwとして第1LED部3gに供給される。
【0122】
なお、パルス幅変調のための変調パルスPm1の周波数はちらつきとして認識されにくい周波数(例えば1kHz)に設定されることが好ましい。
【0123】
また、第2電流範囲Ar2において、第1定電圧回路12は、第2点灯電圧Vd2が第2上限電流Iu2による第1LED部3gでの第2順方向電圧Vf2より高く、第1順方向電圧Vf1より低い電圧とされている。
【0124】
上記したとおり、本実施の形態に係る照明装置1は、第1相関色温度CT1で発光する第1LED3を有する第1LED部3gと、第1電流範囲Ar1および第1電流範囲Ar1より低い側の第2電流範囲Ar2を有する第1点灯電流Idwで第1LED部3gを点灯する第1点灯回路10とを備える。
【0125】
また、照明装置1では、第1点灯回路10は、第1電流範囲Ar1のとき第1電流範囲Ar1の上限である第1上限電流(例えば、100%点灯電流)による第1LED部3gの第1順方向電圧Vf1より高い第1点灯電圧Vd1に設定される第1定電圧回路12と、第1電流範囲Ar1を直流で制御する第1定電流回路11と、第2電流範囲Ar2をパルス幅変調で制御する第2定電流回路13とを備える。
【0126】
更に、第1電流範囲Ar1において、第1定電流回路11は、第1定電流回路11へ入力された第1参照電圧Vref11に基づいて第1点灯電流Idwを制御し、第2電流範囲Ar2において、第1定電圧回路12は、第1定電圧回路12へ入力された第2参照電圧Vref12に基づく第2点灯電圧Vd2で第1LED部3gへ第1点灯電流Idwを供給し、第2定電流回路13は、第2定電流回路13へ入力された第3参照電圧Vref13に基づく第2電流範囲Ar2の上限である第2上限電流Iu2にパルス幅変調を施して第1点灯電流Idwを制御する構成とされている。
【0127】
したがって、本実施の形態に係る照明装置1は、広い範囲での調光制御と調色制御を高精細で高精度に実行することができる。また、照明装置1は、第1点灯電流Idwの内で高い側である第1電流範囲Ar1については、第1点灯電流Idwを第1定電流回路11によって直流で制御し、第1点灯電流Idwの内で低い側である第2電流範囲Ar2については、第2点灯電圧Vd2を出力する第1定電圧回路12から供給される第1点灯電流Idwを第2定電流回路13によって第2電流範囲Ar2の上限である第2上限電流Iu2にパルス幅変調を施して制御することから、第2電流範囲Ar2での第2定電流回路13における消費電力を低減し、第1LED部3gでの消費電力に対する第2定電流回路13での消費電力の割合を抑制して消費電力効率を向上させることができる。
【0128】
図4は、
図1Aに示した照明装置1における第2点灯回路20の具体的な回路構成を示す回路図である。
図4を参照して第2点灯回路20の動作について説明する。
【0129】
第2点灯回路20の回路構成は、第1点灯回路10と同様であり、同様に動作する。説明の都合上異なる符号を付して説明する。なお、第1点灯回路10では、点灯対象としてのLEDが第1LED部3gであったのに対して、第2点灯回路20では、点灯対象としてのLEDが第2LED部5g(第2LED5)となっている点が異なる。つまり、第1点灯回路10では第1点灯電流Idwが制御対象であるのに対し、第2点灯回路20では、第2点灯電流Idcが制御対象である。
【0130】
直流電源PSは、第1点灯回路10および第2点灯回路20の双方に接続されている。また、各回路部品の動作は、
図3で説明したとおりであるので、主に第1点灯回路10に対する対応関係を示して説明を適宜省略する。
【0131】
第2点灯回路20は、スイッチング電源8、第3定電流回路21、第2定電圧回路22、第4定電流回路23を備える。スイッチング電源8はスイッチング電源7に、第3定電流回路21は第1定電流回路11に、第2定電圧回路22は第1定電圧回路12に、第4定電流回路23は第2定電流回路13にそれぞれ対応する。第2点灯回路20は、直流電源PSに接続されたスイッチング電源8(高周波変圧器ST2の2次側)の出力線である電源線8pおよび基準線8gから電力の供給を受ける。
【0132】
スイッチング電源8は、高周波変圧器ST2と、スイッチング制御回路SC2と、スイッチングトランジスタQ21と、ホトカプラー発光部PC21(LED)と、ホトカプラー受光部PC22(ホトトランジスタ)と、整流ダイオードD2と、電解コンデンサーC2とを備える。したがって、スイッチング電源8は、スイッチング電源7と同様に動作する。
【0133】
第2点灯電流Idcの第3電流範囲Ar3における第3定電流回路21の動作について説明する。
【0134】
第2点灯電流Idcの第3電流範囲Ar3において、第3定電流回路21は、第3定電流回路21へ入力された第4参照電圧Vref21に基づいて第2点灯電流Idcを制御する。なお、第3電流範囲Ar3では、第2定電圧回路22、第4定電流回路23は動作しない状態に設定される。
【0135】
第3定電流回路21は、電流検出抵抗R21と、第4参照電圧Vref21が反転入力端子に入力される第4演算増幅器OA21と、駆動トランジスタQ22と、ホトカプラー発光部PC21と、抵抗R22と、オア回路OR2とを備える。
【0136】
電流検出抵抗R21は電流検出抵抗R11に、第4参照電圧Vref21は第1参照電圧Vref11に、第4演算増幅器OA21は第1演算増幅器OA11に、駆動トランジスタQ22は駆動トランジスタQ12に、ホトカプラー発光部PC21はホトカプラー発光部PC11に、抵抗R22は抵抗R12に、オア回路OR2はオア回路OR1にそれぞれ対応する。
【0137】
したがって、第3定電流回路21は、第1定電流回路11と同様に動作する。つまり、第3定電流回路21は、電流検出抵抗R21の両端の電圧が第4参照電圧Vref21と一致するように第2点灯電流Idcを制御する。
【0138】
なお、第2点灯電流Idcの第3電流範囲Ar3における第2定電圧回路22は、定電圧回路としては動作しない電圧に設定されている。
【0139】
第3電流範囲Ar3において、第2定電圧回路22は、第3電流範囲Ar1の上限である第3上限電流による第2LED部5gの電圧降下である第3順方向電圧Vf3より高い第3点灯電圧Vd3に設定されている。なお、第3上限電流は、例えば100%点灯のときに流れる電流である。
【0140】
したがって、第2点灯電流Idcを第2LED部5gへ供給することができる。また、第3点灯電圧Vd3を第2点灯電流Idcに応じて変動させることから、トランジスタQ23における消費電力を抑制することが可能となる。
【0141】
第4電流範囲Ar4における第2定電圧回路22、第4定電流回路23の動作について説明する。
【0142】
第2定電圧回路22は、分圧抵抗R23と、分圧抵抗R24と、反転入力端子に第5参照電圧Vref22が入力される第5演算増幅器OA22と、オア回路OR2と、駆動トランジスタQ22と、ホトカプラー発光部PC21、抵抗R22とを備える。
【0143】
分圧抵抗R23は分圧抵抗R13に、分圧抵抗R24は分圧抵抗R14に、第5参照電圧Vref22は第2参照電圧Vref12に、第5演算増幅器OA22は第2演算増幅器OA12に、オア回路OR2はオア回路OR1に、駆動トランジスタQ22は駆動トランジスタQ12に、ホトカプラー発光部PC21はホトカプラー発光部PC11に、抵抗R22は抵抗R12にそれぞれ対応する。
【0144】
したがって、第2定電圧回路22は、第1定電圧回路12と同様に動作する。つまり、第2定電圧回路22は、第2定電圧回路22へ入力された第5参照電圧Vref22に基づく第4点灯電圧Vd4で第2LED部5gへ第2点灯電流Idc(第2電流範囲Ar2)を供給する。
【0145】
なお、第4電流範囲Ar4での第2点灯電流Idcは、第4定電流回路23の動作によって、第4上限電流Iu4に設定され、例えば3mAの直流電流に固定される。第4上限電流Iu4以下の電流を第2点灯電流Idcとして供給する場合は、第4定電流回路23にPWMを施すことによって第4上限電流Iu4を確保した状態で第2点灯電流Idcを第4上限電流Iu4以下の電流に制御する。
【0146】
第4定電流回路23は、電流経路5cに接続されたトランジスタQ23と、電流検出抵抗R21と、非反転入力端子に第6参照電圧Vref23が入力される第6演算増幅器OA23とを備える。
【0147】
トランジスタQ23はトランジスタQ13に、電流検出抵抗R21は電流検出抵抗R11に、第6参照電圧Vref23は第3参照電圧Vref13に、第6演算増幅器OA23は第3演算増幅器OA13にそれぞれ対応する。
【0148】
したがって、第4定電流回路23は、第2定電流回路13と同様に動作する。
【0149】
第2点灯電流Idc(第4上限電流Iu4)に対してPWMを施すため、第4定電流回路23に対してパルストランジスタQ24が接続されている。パルストランジスタQ24は、第6演算増幅器OA23の非反転入力端子(第6参照電圧Vref23)と基準線8gとの間に接続され、入力された変調パルスPm2に従って第6参照電圧Vref23をオンオフ制御する。
【0150】
つまり、第6参照電圧Vref23に対するオンオフ制御(変調パルスPm2)によって第4上限電流Iu4を確保した状態で第2点灯電流Idc(第4上限電流Iu4)に対するデューティ比が制御され、第4上限電流Iu4以下の電流が第2点灯電流Idcとして第2LED部5gに供給される。
【0151】
なお、パルス幅変調のための変調パルスPm1の周波数はちらつきとして認識されにくい周波数(例えば1kHz)に設定されることが好ましい。
【0152】
また、第4電流範囲Ar4において、第2定電圧回路22は、第4点灯電圧Vd4が第4上限電流Iu4による第2LED部5gでの第4順方向電圧Vf4より高く、第3順方向電圧Vf3より低い電圧とされている。
【0153】
上記したとおり、本実施の形態に係る照明装置1は、第2相関色温度CT2で発光する第2LED5を有する第2LED部5gと、第3電流範囲Ar1および第3電流範囲Ar1より低い側の第4電流範囲Ar2を有する第2点灯電流Idcで第2LED部5gを点灯する第2点灯回路20とを備える。
【0154】
また、照明装置1では、第2点灯回路20は、第3電流範囲Ar3のとき第3電流範囲Ar3の上限である第3上限電流(例えば、100%点灯電流)による第2LED部5gの第3順方向電圧Vf3より高い第3点灯電圧Vd3に設定される第2定電圧回路22と、第3電流範囲Ar3を直流で制御する第3定電流回路と、第4電流範囲Ar4をパルス幅変調で制御する第4定電流回路とを備える。
【0155】
更に、第3電流範囲Ar3において、第3定電流回路21は、第3定電流回路21へ入力された第4参照電圧Vref21に基づいて第2点灯電流Idcを制御し、第4電流範囲Ar4において、第2定電圧回路22は、第2定電圧回路22へ入力された第5参照電圧Vref22に基づく第4点灯電圧Vd4で第2LED部5gへ第2点灯電流Idcを供給し、第4定電流回路23は、第4定電流回路23へ入力された第6参照電圧Vref23に基づく第4電流範囲Ar4の上限である第4上限電流Iu4にパルス幅変調を施して第2点灯電流Idcを制御する構成とされている。
【0156】
したがって、本実施の形態に係る照明装置1は、広い範囲での調光制御と調色制御を高精細で高精度に実行することができる。また、照明装置1は、第2点灯回路20が第1定電圧回路12と同様に動作する第2定電圧回路22と、第1定電流回路11と同様に動作する第3定電流回路21と、第2定電流回路13と同様に動作する第4定電流回路23とを備えることから、第2点灯回路20を第1点灯回路10と同様に機能させるので、第4電流範囲Ar4での第4定電流回路23における消費電力を低減し、第2LED部5gでの消費電力に対する第4定電流回路23での消費電力の割合を抑制して消費電力効率を向上させることができる。
【0157】
また、照明装置1では、第1定電圧回路12は、第1電流範囲Ar1において、第1LED部3gでの100%点灯による電圧降下である第1順方向電圧Vf1より高い第1点灯電圧Vd1に設定され、第2電流範囲Ar2において、第2点灯電圧Vd2が第1LED部3gでの第2上限電流Iu2による電圧降下である第2順方向電圧Vf2より高く、第1順方向電圧Vf1より低くなる構成とされている。
【0158】
また、第2定電圧回路22は、第3電流範囲Ar3において、第2LED部5gでの100%点灯による電圧降下である第3順方向電圧Vf3より高い第3点灯電圧Vd3に設定され、第4電流範囲Ar4において、第4点灯電圧Vd4が第2LED部5gでの第4上限電流Iu4による電圧降下である第4順方向電圧Vf4より高く、第3順方向電圧Vf3より低くなる構成とされている。
【0159】
したがって、本実施の形態に係る照明装置1は、第1定電圧回路12および第2定電圧回路22の出力電圧(または設定電圧:第1点灯電圧Vd1、第2点灯電圧Vd2、第3点灯電圧Vd3、第4点灯電圧Vd4)を第1電流範囲Ar1、第3電流範囲Ar3に対応する高い状態(第1点灯電圧Vd1、第3点灯電圧Vd3)と、第2電流範囲Ar2、第4電流範囲Ar4に対応する低い状態(第2点灯電圧Vd2、第4点灯電圧Vd4)とに確実に切り替えることから、第2電流範囲Ar2における第1点灯回路10(第2定電流回路13)での消費電力および第4電流範囲Ar4における第2点灯回路20(第4定電流回路23)での消費電力を容易に抑制することができる。
【0160】
具体的な消費電力の抑制の対象としては、トランジスタQ13、トランジスタQ23がある。つまり、第1電流範囲Ar1の状態で動作を停止している第2定電流回路13、第3電流範囲Ar3の状態で動作を停止している第4定電流回路23に配置されながら、電流経路3c、あるいは電流経路5cに直列に配置されていることから第2定電流回路13、第4定電流回路23の停止状態とは無関係にオン状態を確保して点灯電流(第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc)を流す必要があるトランジスタQ13、トランジスタQ23における電力消費を抑制することができる。
【0161】
なお、本実施の形態に係る照明装置1は、第1LED部3g、第2LED部5gを除外した状態では、LED点灯装置として把握することができる。つまり、以下の構成を有するLED点灯装置とすることができ、照明装置1と同様な作用効果を得ることができる。
【0162】
第1相関色温度CT1で発光する第1LED3を有する第1LED部3gに第1電流範囲Ar1および第1電流範囲Ar1より低い側の第2電流範囲Ar2を有する第1点灯電流Idwを供給して第1LED部3gを点灯する第1点灯回路10を備えるLED点灯装置であって、第1点灯回路10は、第1電流範囲Ar1のとき第1電流範囲Ar1の上限である第1上限電流による第1LED部3gの第1順方向電圧Vf1より高い第1点灯電圧Vd1に設定される第1定電圧回路12と、第1電流範囲Ar1を直流で制御する第1定電流回路11と、第2電流範囲Ar2をパルス幅変調で制御する第2定電流回路13とを備える。
【0163】
また、前記LED点灯装置では、第1電流範囲Ar1において、第1定電流回路11は、第1定電流回路11へ入力された第1参照電圧Vref11に基づいて第1点灯電流Idwを制御し、第2電流範囲Ar2において、第1定電圧回路12は、第1定電圧回路12へ入力された第2参照電圧Vref12に基づく第2点灯電圧Vd2で第1LED部3gへ第1点灯電流Idwを供給し、第2定電流回路13は、第2定電流回路13へ入力された第3参照電圧Vref13に基づく第2電流範囲Ar2の第2上限電流Iu2にパルス幅変調を施して第1点灯電流Idwを制御する構成とされている。
【0164】
また、第2相関色温度CT2で発光する第2LED5を有する第2LED部5gに第3電流範囲Ar3および第4電流範囲Ar4を有する第2点灯電流Idcを供給して第2LED部5gを点灯する第2点灯回路20を備えるLED点灯装置であって、第2点灯回路20は、第3電流範囲Ar3のとき第3電流範囲Ar3の上限である第3上限電流(例えば、100%点灯電流)による第2LED部5gの第3順方向電圧Vf3より高い第3点灯電圧Vd3に設定される第2定電圧回路22と、第3電流範囲Ar3を直流で制御する第3定電流回路21と、第4電流範囲Ar4をパルス幅変調で制御する第4定電流回路23とを備える。
【0165】
また、前記LED点灯装置では、第3電流範囲Ar3において、第3定電流回路21は、第3定電流回路21へ入力された第4参照電圧Vref21に基づいて第2点灯電流Idcを制御し、第4電流範囲Ar4において、第2定電圧回路22は、第2定電圧回路22へ入力された第5参照電圧Vref22に基づく第4点灯電圧Vd4で第2LED部5gへ第2点灯電流Idcを供給し、第4定電流回路23は、第4定電流回路23へ入力された第6参照電圧Vref23に基づく第2電流範囲Ar2の上限である第4上限電流Iu4にパルス幅変調を施して第2点灯電流Idcを制御する構成とされている。
【0166】
<実施の形態2>
図5、
図6Aないし
図6F、
図7、
図8Aないし
図8Fを参照して、本実施の形態に係る照明装置1の調光制御、調色制御による調光状態、調色状態、および作用効果について説明する。なお、本実施の形態に係る照明装置1は、実施の形態1に係る照明装置1であるので、適宜符号を援用し、主に追加の説明について記載する。
【0167】
また、上記したとおり、第1LED部3gが発光する相関色温度(第1相関色温度CT1)は、2700K(ケルビン)であり、第2LED部5gが発光する相関色温度(第2相関色温度CT2)は、6500K(ケルビン)である。なお、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4は、第1LED部3g、第2LED部5gとも例えば3mA(3%)の場合について例示する。
【0168】
また、第1LED部3g(第1LED3)および第2LED部5g(第2LED5)では、LEDの個数および発光効率が等しいとし、混光後の相関色温度CCTは、加重平均となることとして演算した。また、説明を簡単にするため、第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idcの定格最大値(100%値)を100mAとしている。
【0169】
図5は、本発明の実施の形態2に係る照明装置1での調光段数LCm、調色段数DCn、第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc、調色相関色温度CCTの相関を示す図表である。
【0170】
図表の縦方向に、調光段数LCm(調光段数LC1〜調光段数LC10の10段)、横方向に、調色段数DCn(調色段数DC1〜調色段数DC10の10段)を示し、調光段数LCmおよび調色段数DCnに対応させて第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idcを規定している。
【0171】
本実施の形態では、調光段数LCmは、100%から10%(なお、0%は、非点灯であるので表への記載はしていない。)までが例えば10%単位でリニアに制御されている。また、調色段数DCnは、調色段数DC1の第1相関色温度CT1(2700K)の近似値から調色段数DC10の第2相関色温度CT2(6500K)の近似値までをリニアに制御している。
【0172】
なお、調光制御における電流の最小値は、調色段数DC1(調光段数LC1〜調光段数LC10)での第2点灯電流Idc(第2点灯電流Idcu)=0.03mA、調色段数DC10(調光段数LC1〜調光段数LC10)での第1点灯電流Idw(第1点灯電流Idwu)=0.03mAである。つまり、第1LED部3gまたは第2LED部5gは、それぞれが第2上限電流Iu2(3mA)あるいは第4上限電流Iu4(3mA)に対して更にPWMのデューティ比を0.01(1%)として電流値を制御され、高精細な調光を高精度で実現している。
【0173】
なお、上記したとおり、2色の混色では無く、それぞれを単独で相関色温度を固定した調光状態の照明装置1として機能させることも可能である。
【0174】
調光段数LCmでは、調光率(%)つまり明るさが制御される。調光段数LC1の調光率は100%(最大定格の明るさ)、以下、10%ごとで減光させて、調光段数LC10の調光率は10%(最大定格の明るさの10%)となる。なお、供給電力POWER(任意単位)は、調光率に一致させてある。
【0175】
また、調色段数DCnでは、調色相関色温度CCT(K)、つまり、相関色温度が制御される。
【0176】
調色段数DC1の調色相関色温度CCTは、第1LED部3gの点灯状態(第1点灯電流Idw=99.97mA〜9.97mA)に対して第2LED部5gの点灯状態を0.03mAとして微小電流状態としていることから、調色相関色温度CCTは第1相関色温度CT1(2700K)の近似値として2701K〜2711Kが得られる。
【0177】
調色段数DC1の第2点灯電流Idcuでは、第4上限電流Iu4を大きく下回った電流(第4上限電流Iu4=3mAに対して1/100の0.03mA)で制御しているが、直流電流である第4上限電流Iu4に対するPWMを施していることから、安定した制御、点灯が可能となっている。
【0178】
調色段数DC10の調色相関色温度CCTは、第2LED部5gの点灯状態(第2点灯電流Idc=99.97mA〜9.97mA)に対して第1LED部3gの点灯状態を0.03mAとして微小電流状態としていることから、調色相関色温度CCTは第2相関色温度CT2(6500K)の近似値として6499K〜6489Kが得られる。
【0179】
調色段数DC10の第1点灯電流Idwuでは、第2上限電流Iu2を大きく下回った電流(第2上限電流Iu2=3mAに対して1/100の0.03mA)で制御しているが、直流電流である第2上限電流Iu2に対するPWMを施していることから、安定した制御、点灯が可能となっている。
【0180】
調色段数DCnと調色相関色温度CCTとの関係を更に説明する。
【0181】
例えば、調色段数DC2の調色相関色温度CCTは、調光段数LC1で3123K、・・・、調光段数LC5で3124K、・・・、調光段数LC9で3127K、調光段数LC10で3131Kである。つまり、調光段数LC1〜調光段数LC10の間において、調色相関色温度CCTは、3123Kから3131Kまでと変化するが、変化率を求めると、(3131−3123)/3131=0.0026(0.26%)とほとんど変化しない。したがって、安定した調色、調光が可能となっている。
【0182】
調色段数DC2において、調光段数LC9では、第2点灯電流Idcu=2.246mA、調光段数LC10では、第2点灯電流Idcu=1.13mAの電流を制御することが必要である。また、調色段数DC3において、調光段数LC10では、第2点灯電流Idcu=2.24mAの電流を制御することが必要である。
【0183】
これらの場合についても第2点灯電流Idcに対するPWM制御が適用される。第2点灯電流Idcu=1.13mAでは、PWMのデューティ比は38%、第2点灯電流Idcu=2.246mA、第2点灯電流Idcu=0.24mAでは、PWMのデューティ比は75%として高精度に制御することができる。
【0184】
調色段数DCnでの調色相関色温度CCT(混色相関色温度)は、第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcの加重平均で求められる。例えば、調光段数LC2、調色段数DC2では、第1点灯電流Idw=79.98mA、第2点灯電流Idc=10.02mAとされている。したがって、調色相関色温度CCTは、(2700×79.98+6500×10.02)/(79.98+10.02)=(281076)/90=3123Kとなる。つまり、調色相関色温度CCTは、第1点灯電流Idwと第2点灯電流Idcとの比率の制御によって制御されている。
【0185】
なお、データ記憶部31は、調光段数LCm、調色段数DCnに対応させて第1点灯電流Idw(電流値)、第2点灯電流Idc(電流値)を記憶している。したがって、調光段数LCmおよび調色段数DCnが指定されたとき、制御部30は、データ記憶部31から対応する第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcを読み出して第1点灯回路10および第2点灯回路20を制御する。
【0186】
本実施の形態では、例えば、調光段数LC10、調色段数DC2に対応する調光、調色が指定された場合、第1点灯電流Idw=8.87mA、第2点灯電流Idc=1.13mAが予め規定されている。第2点灯電流Idc(第2点灯電流Idcu)=1.13mAは、第4上限電流Iu4(3mA)より小さい。したがって、第2点灯電流Idcu=1.13mAを直流電流として第2LED部5gに供給すると発光状態が正常に制御できない状態となる。具体的には、調色相関色温度CCTが調色段数DC2での値3131Kに対して大きく変化するという現象が知見された。
【0187】
本実施の形態では、第2点灯電流Idcu(1.13mA)は、第4上限電流Iu4(3mA)に対するPWMを施すことによって供給される。具体的には、(1.13mA/3mA)×100(%)=37.6%(38%)のデューティ比を採用し、直流電流3mAに対して38%のPWMを施した第2点灯電流Idcuを第2LED部5gに供給する。
【0188】
調色段数DC9において、調光段数LC9では、第1点灯電流Idwu=2.25mA、調光段数LC10では、第1点灯電流Idwu=1.13mAの電流を制御することが必要である。
【0189】
これらの場合についても第2点灯電流Idcと同様、第1点灯電流Idwに対するPWM制御が適用されるので説明は省略する。
【0190】
なお、第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idcは、次に示すとおり、調色段数DCn、調光段数LCmの双方向において、例えばリニアに変更されている。
【0191】
図表の横方向(調色段数DCn)において、第1点灯電流Idwは、調色段数DC1から調色段数DC10の間で9等分される。具体的には、次に示す調光段数LC2での値に典型的に表れている。
【0192】
調光段数LC2において、第1点灯電流Idwは、調色段数DC1では89.97mA、調色段数DC2では79.98mA、・・・、調色段数DC4では59.99mA、・・・、調色段数DC9では10.02mA、調色段数DC10では0.03mAがそれぞれ規定されている。
【0193】
また、第2点灯電流Idcは、第1点灯電流Idwと同様に9等分されるが、増減の推移状況は逆になる。つまり、第2点灯電流Idcは、調色段数DC1では0.03mA、調色段数DC2では10.02mA、・・・、調色段数DC4では30.01mA、・・・、調色段数DC9では79.98mA、調色段数DC10では89.97mAがそれぞれ規定されている。
【0194】
また、図表の縦方向(調光段数LCm)においても、第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idcの規定の仕方は、同様であるので説明は省略する。
【0195】
図6Aは、
図5に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC1での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0196】
調光制御における電流の最小値が0.03mAであることから、調色段数DC1では、第2LED部5gに第2点灯電流Idcu=0.03mAが一定値として調光率に無関係に供給された状態である。したがって、調色相関色温度CCTは、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において第1相関色温度CT1(2700K)の近似値(第1相関色温度CT1=2700Kに対して2701K〜2711K)が実現され、低い変化率(10/2711=0.0036(0.4%))が確保されている。
【0197】
図6Bは、
図5に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC2での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0198】
調色段数DC2では、第1相関色温度CT1、第2相関色温度CT2に対する第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcの加重平均によって求められた調色相関色温度CCTは、3123K〜3131Kとなる。
【0199】
調色段数DC2においては、調光率20%のとき、第2LED部5gに供給される第2点灯電流Idc(2.246mA)は、第4上限電流Iu4(3mA)より小さい。また、調光率10%のとき、第2LED部5gに供給される第2点灯電流Idc(1.13mA)は、第4上限電流Iu4(3mA)より小さい。しかし、第4上限電流Iu4にPWMを施して第2点灯電流Idcu(2.246mA、1.13mA)を第2LED部5gに供給していることから、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において調色相関色温度CCT=3123K〜3131Kが実現され、低い変化率(8/3131=0.0026(0.3%))が確保されている。
【0200】
図6Cは、
図5に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC3での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0201】
調色段数DC3では、第1相関色温度CT1、第2相関色温度CT2に対する第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcの加重平均によって求められた調色相関色温度CCTは、3545K〜3551Kとなる。
【0202】
調色段数DC3においては、調光率10%のとき、第1LED部3gに供給される第1点灯電流Idwは、7.76mAであり、第2LED部5gに供給される第2点灯電流Idcは、2.24mAである。第2点灯電流Idcに対してPWMが施されている。したがって、調色相関色温度CCTは、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において調色相関色温度CCT=3545K〜3551Kが実現され、低い変化率(6/3551=0.0017(0.2%))が確保されている。
【0203】
図6Dは、
図5に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC4での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0204】
調色段数DC4では、第1相関色温度CT1、第2相関色温度CT2に対する第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcの加重平均によって求められた調色相関色温度CCTは、3967K〜3970Kとなる。
【0205】
調色段数DC4においては、調光率10%のとき、第1LED部3gに供給される第1点灯電流Idwは、6.66mAであり、第2LED部5gに供給される第2点灯電流Idcは、3.34mAである。つまり、第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcのいずれも直流電流である。したがって、調色相関色温度CCTは、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において調色相関色温度CCT=3967K〜3970Kが実現され、低い変化率(3/3970=0.00076(0.08%))が確保されている。
【0206】
図6Eは、
図5に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC9での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0207】
調色段数DC9では、第1相関色温度CT1、第2相関色温度CT2に対する第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcの加重平均によって求められた調色相関色温度CCTは、6077K〜6069Kとなる。
【0208】
調色段数DC9においては、調光率20%のとき、第1LED部3gに供給される第1点灯電流Idw(2.25mA)は、第2上限電流Iu2(3mA)より小さい。また、調光率10%のとき、第1LED部3gに供給される第1点灯電流Idw(1.13mA)は、第2上限電流Iu2(3mA)より小さい。しかし、第2上限電流Iu2にPWMを施して第1点灯電流Idwu(2.25mA、1.13mA)を第1LED部3gに供給していることから、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において調色相関色温度CCT=6077K〜6069Kが実現され、低い変化率(8/6077=0.0013(0.1%))が確保されている。
【0209】
図6Fは、
図5に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC10での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0210】
調光制御における電流の最小値が0.03mAであることから、調色段数DC10では、第1LED部3gに第1点灯電流Idwu=0.03mAが一定値として調光率に無関係に供給された状態である。したがって、調色相関色温度CCTは、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において第2相関色温度CT2(6500K)の近似値(第1相関色温度CT2=6500Kに対して6499K〜6489K)が実現され、低い変化率(10/6499=0.0015(0.15%))が確保されている。
【0211】
以上、
図5、および
図6Aないし
図6Fに示したとおり、本実施の形態に係る照明装置1では、指定された明るさ(調光段数LCm)に基づいて調光制御をするとき、または、指定された相関色温度(調色段数DCn)に基づいて調色制御をするとき、LED(第1LED部3gおよび第2LED部5g)に供給する電流値(第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc)について、大電流の側である第1電流範囲Ar1、第3電流範囲Ar3と、第1電流範囲Ar1、第3電流範囲Ar3より低い側の小電流である第2電流範囲Ar2、第4電流範囲Ar4とを区分し、第2電流範囲Ar2、第4電流範囲Ar4の上限値である第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4を境界として第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4より小さい電流を供給するときは、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4の電流値に設定した直流電流にパルス幅変調(PWM)を施して点灯電流(第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc)とし、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4を超える電流を供給するときは電流値そのままの直流電流を供給することから、第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4より小さい電流範囲での点灯においてもLEDの発光特性(ばらつき)による影響を抑制して明るさおよび相関色温度を安定的に調整することが可能となり、広い範囲での調光制御および調色制御を高精細で高精度にかつ効率的に行うことができる。つまり、本実施の形態に係る照明装置1によれば、明るさを制御した場合でも、相関色温度の変化を抑制するので、深調光が可能となる。
【0212】
次に比較例を
図7、
図8Aないし
図8Fに示す。本発明の実施の形態1に係る照明装置1に対して調光制御の最小値を例えば3%として設定した場合について、比較例として説明する。
【0213】
図7は、比較例として本発明の実施の形態1に係る照明装置1に対して調光制御の最小値を設定した場合における調光段数LCm、調色段数DCn、第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc、調色相関色温度CCTの相関を示す図表である。
【0214】
基本的な構成は、
図5、
図6A〜
図6Fで示したとおりであるので、主に異なる事項について説明する。
【0215】
図7では、調光制御の最小値は3mA(3%)とされ、第1LED部3gまたは第2LED部5gのいずれか小さい状態とされたLEDが調色制御、調光制御の場合に最小値としての3mAを確保して点灯される制御形態とされている。
【0216】
例えば、調色段数DC1において、
図5に示した場合は、調光段数LC1では、第1点灯電流Idw=99.97mAで、第2点灯電流Idc=0.03mAであった。これに対し、比較例(
図7)では、調色段数DC1において、調光段数LC1では、第1点灯電流Idw=97mA、第2点灯電流Idc=3mA(調光制御の最小値)を維持している。
【0217】
したがって、調光制御、調色制御において、調光制御の最小値3%(3mA)による影響が生じる。具体的には、調色段数DC1において、調光段数LC1から調光段数LC10までの第1点灯電流Idw、第2点灯電流Idc、調色相関色温度CCTの変化は、次のようになり、調色相関色温度CCTを安定させることが困難となる。
【0218】
調色段数DC1において、調光段数LC1では、第1点灯電流Idw=97mA、第2点灯電流Idc=3mA(調光制御の最小値)であり、
図5と同様の加重平均によって、調色相関色温度CCT=2814Kとなる。調光段数LC2では、第1点灯電流Idw=87mA、第2点灯電流Idc=3mAであり、調色相関色温度CCT=2827Kとなる。調光段数LC3では、第1点灯電流Idw=77mA、第2点灯電流Idc=3mAであり、調色相関色温度CCT=2843Kとなる。・・・。調光段数LC10では、第1点灯電流Idw=7mA、第2点灯電流Idc=3mAであり、調色相関色温度CCT=3840Kとなる。
【0219】
つまり、調色段数DC1では、第2点灯電流Idc=3mAで固定することから、第1点灯電流Idwが97mA(調光段数LC1)から低減され第1点灯電流Idw=7mA(調光段数LC10)まで減少すると、第1LED部3gに対して第2LED部5gの点灯状態が無視できない状態となり、調色相関色温度CCTは、第2相関色温度CT2の側へ寄ることとなる。
【0220】
調色段数DC4において、調光段数LC1では、第1点灯電流Idw=65.67mA、第2点灯電流Idc=34.33mAであり、調色相関色温度CCT=4005Kとなる。・・・。調光段数LC10では、第1点灯電流Idw=5.67mA、第2点灯電流Idc=4.33mAであり、調色相関色温度CCT=4347Kとなる。
【0221】
つまり、調色段数DC4では、調光段数LC1の場合の調色相関色温度CCTが4005Kに対して調光段数LC10の場合の調色相関色温度CCTが4347Kとなり、調色相関色温度CCTを一定に確保することができない。3%として設定した調光制御の最小値による影響は、調光段数LCm(調光率)が小さくなるほど大きくなり、調色相関色温度CCTは、第2相関色温度CT2の側へ偏ることとなる。
【0222】
調色段数DC10において、調光段数LC1では、第1点灯電流Idw=3mA(調光制御の最小値)、第2点灯電流Idc=97mAであり、
図5と同様の加重平均によって、調色相関色温度CCT=6386Kとなる。調光段数LC2では、第1点灯電流Idw=3mA、第2点灯電流Idc=87mAであり、調色相関色温度CCT=6373Kとなる。調光段数LC3では、第1点灯電流Idw=3mA、第2点灯電流Idc=77mAであり、調色相関色温度CCT=6358Kとなる。・・・。調光段数LC10では、第1点灯電流Idw=3mA、第2点灯電流Idc=7mAであり、調色相関色温度CCT=5360Kとなる。
【0223】
つまり、調色段数DC10では、第1点灯電流Idw=3mAで固定することから、第2点灯電流Idcが97mA(調光段数LC1)から低減され第2点灯電流Idc=7mA(調光段数LC10)まで減少すると、第2LED部5gに対して第1LED部3gの点灯状態が無視できない状態となり、調色相関色温度CCTは、第1相関色温度CT1の側へ偏ることとなる。
【0224】
調色段数DC9において、調光段数LC1では、第1点灯電流Idw=13.44mA、第2点灯電流Idc=86.56mAであり、調色相関色温度CCT=5989Kとなる。・・・。調光段数LC10では、第1点灯電流Idw=3.44mA、第2点灯電流Idc=6.56mAであり、調色相関色温度CCT=5191Kとなる。
【0225】
つまり、調色段数DC9では、調光段数LC1の場合の調色相関色温度CCTが5989Kに対して調光段数LC10の場合の調色相関色温度CCTが5191Kとなり、調色相関色温度CCTを一定に確保することができない。3%として設定した調光制御の最小値による影響は、調光段数LCm(調光率)が小さくなるほど大きくなり、調色相関色温度CCTは、第1相関色温度CT1の側へ偏ることとなる。
【0226】
図8Aは、
図7に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC1での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0227】
上記したとおり、常時3%という最小値で点灯される第2LED部5gによる影響を受け、調光率が100%から10%に低減されるに従って調色相関色温度CCTは、第2相関色温度CT2の側へ2814Kから3840Kまでと偏り、安定した調色相関色温度CCTを確保することができない。
【0228】
図8Bは、
図7に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC2での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0229】
図8Aの場合と同様に第2LED部5gによる影響があるが、調色相関色温度CCTの変化の範囲は3211Kから4009Kまでと小さくなる。
【0230】
図8Cは、
図7に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC3での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0231】
図8Bの場合と同様に、第2LED部5gによる影響があるが、調色相関色温度CCTの変化の範囲は3608Kから4178Kまでと小さくなる。
【0232】
図8Dは、
図7に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC4での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0233】
図8Cの場合と同様に、第2LED部5gによる影響があるが、調色相関色温度CCTの変化の範囲は4005Kから4347Kまでと改善されている。
【0234】
図8Eは、
図7に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC9での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0235】
図8A〜
図8Dの場合とは逆に、第1LED部3gによる影響があり、調色相関色温度CCTの変化の範囲は5989Kから5191Kまでと第1相関色温度CT1の側へ偏り、安定した調色相関色温度CCTを確保することができない。
【0236】
図8Fは、
図7に示した第1点灯電流Idwおよび第2点灯電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC10での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0237】
上記したとおり、常時3%という最小値で点灯される第1LED部3gによる影響を受け、調光率が100%から10%に低減されるに従って調色相関色温度CCTは、第1相関色温度CT1の側へ6386Kから5360Kまでと偏り、安定した調色相関色温度CCTを確保することができない。
【0238】
上記したとおり、第1相関色温度CT1の側での調色(調色段数DC1〜調色段数DC5)では、常時3%という最小値を確保して点灯される第2LED部5gによる影響を受け、調光率が100%から10%に低減されるに従って調色相関色温度CCTは、第2相関色温度CT2の側へ偏り、安定した一定の調色相関色温度CCTを確保することができない。
【0239】
他方、第2相関色温度CT2の側での調色(調色段数DC6〜調色段数DC10)では、常時3%という最小値を確保して点灯される第1LED部3gによる影響を受け、調光率が100%から10%に低減されるに従って調色相関色温度CCTは、第1相関色温度CT1の側へ偏り、安定した一定の調色相関色温度CCTを確保することができない。
【0240】
本比較例においては、制御が可能な最小電流値(第2上限電流Iu2、第4上限電流Iu4)である3mAを適用して調光、調色制御を施した場合、調光の変化に対する調色相関色温度CCTを一定に保持することは困難であった。これに対し、
図7、
図8A〜
図8Fで示したとおり、本実施の形態に係る照明装置1によれば調色相関色温度CCTを変化率の小さい略一定の値に保持することができた。したがって、本実施の形態に係る照明装置1によれば、調光時の調色相関色温度CCTによって生じる違和感を解消することができ、有用性の高い照明装置を提供することができる。