【実施例】
【0015】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(
図1または2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板等の透視保護体(図示せず)を備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、該操作ハンドル16の操作により打球発射装置が作動することで、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置18として、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置、7セグメントディスプレイ、その他の各種図柄を停止および変動表示可能な表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよく、また上下の球受け皿の一方を省略して1つの球受け皿のみ設ける構成であってもよい。
【0016】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、
図2に示すように、所定板厚の略矩形状に形成されたアクリルやポリカーボネート等の透明な合成樹脂材で形成された透明板であって、該遊技盤20の表面に、略円形状に湾曲した案内レール21が設けられて、該案内レール21によりパチンコ球が流下可能な遊技領域20aが画成され、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域20a内に打ち出されるようになっている。また遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が前記遊技領域20a内に複数開設されて、各装着口に対して各種部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘が植設されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘に接触することでパチンコ球の流下方向を不規則に変化させたり、パチンコ球を一定方向に誘導するようになっている。なお、前記装着口の形成数や大きさは、遊技盤20に対して取り付けられる各種部品の個数や配設位置等に応じて適宜決定される。
【0017】
ここで、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの略中央に、前後に開口する表示窓口25aが形成された枠状装飾体25(
図2参照)が取り付けられており、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置18の表示部18aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。前記枠状装飾体25は、前記装着口に沿って延在する環状に形成されると共に、上縁部から左右両側縁部に亘り、遊技盤20の前面より前方に突出する庇状部26が連続的に設けられており、前記遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を庇状部26に沿って枠状装飾体25の左右側部へ案内することで、該パチンコ球が表示窓口25aを横切って流下するのを規制している。なお、枠状装飾体25には、前記表示窓口25aの開口下縁側にステージ27が配設されると共に、該表示窓口25aの左側部に、遊技領域20aに開口して該遊技領域20aを流下するパチンコ球を取込んでステージ27に案内する球導入部27aが設けられている。
【0018】
また、前記遊技盤20には、
図2に示すように、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置23や特別入賞装置24が取り付けられている。そして、前記始動入賞装置23の入賞口にパチンコ球が入賞することで、前記図柄表示装置18に図柄を変動表示する図柄変動演出が展開され、該図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が確定的に停止表示されると、所謂大当りが発生して前記特別入賞装置24が開放し、遊技者が多数の賞球を獲得可能な機会が与えられるようになっている。実施例では、前記遊技盤20において、枠状装飾体25の下方位置(左右中央の下方位置)に前記始動入賞装置23が配設され、枠状装飾体25の右下方位置に前記特別入賞装置24が配設されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、大当りの発生時に枠状装飾体25の右側の遊技領域20aをパチンコ球が流下するように操作ハンドル16を操作するようになっている。
【0019】
(設置部材30について)
また、前記遊技盤20の裏面には、前記図柄表示装置18が取り付けられる設置部材30(
図3または
図4参照)が設けられている。前記設置部材30は、略矩形状に形成されて前記遊技盤20に対向する対向面部30aと、該対向面部30aの外周縁部から前方へ延出する外周壁部30bとから前方へ開口する箱状に形成されて、外周壁部30bの前端部を遊技盤20の裏側に当接させた状態で固定されている。そして、前記設置部材30には、前記対向面部30aの裏側に前記図柄表示装置18が着脱可能に取り付けられると共に、該対向面部30aにおける前記枠状装飾体25の表示窓口25aと前後に並んだ位置に、前後に開口する表示開口部30c(
図2参照)が開設されており、該設置部材30の表示開口部30cに臨ませた図柄表示装置18の表示部18aが枠状装飾体25の表示窓口25aを介して遊技盤20の前側から視認し得るようになっている。また、前記設置部材30における対向面部30aの前面側(すなわち、遊技盤20と設置部材30により画成される設置空間31内)には、前記表示開口部30cを囲繞するように各種の装飾部材や発光装置、可動演出装置40が配設されており、前記遊技盤20の盤面を透視して前面から視認し得るよう構成されている。すなわち、前記設置部材30は、図柄表示装置18や可動演出装置35等のパチンコ機10の遊技演出に関わる各種演出装置の設置手段として機能している。また、前記対向面部30aにおける表示開口部30cの右側部位には、前方に突出する固定ボス(図示せず)が複数形成されており、該固定ボスに可動演出装置35の駆動ユニット110(後述)を固定するようになっている。
【0020】
図4または
図5に示すように、前記設置部材30の対向面部30aには、後述するダンパ部材(衝撃吸収部材)35を設置するダンパ設置部32が、前記表示開口部30cを挟むように左右に離間して一対形成されている。各ダンパ設置部32は、前記対向面部30aの後面側に後方へ開口する凹状に形成されると共に、前記設置空間31内で上方へ開口するよう形成されて、該ダンパ設置部32の後方開口を介してダンパ部材35が収容設置されるようになっている。前記ダンパ設置部32に収容されたダンパ部材35は、該ダンパ設置部32の後方開口部を閉塞する蓋部材32aにより所定位置に保持されるようになっている。
【0021】
(ダンパ部材35について)
図5に示すように、前記ダンパ部材35は、筒状体36と、該筒状体36に対して上下(筒状体36の軸方向)に進退するロッド37と、該ロッド37の突出端部に設けられた支持ヘッド38とを備えた伸縮型のダンパ部材35である。なお、ダンパ部材35としては、筒状体36の内部にガスを充填したガスシリンダおよびオイルを充填したオイルシリンダの何れのタイプであってもよい。前記ダンパ部材35は、前記ダンパ設置部32に設置した状態で、前記ロッド37が伸張して支持ヘッド38がダンパ設置部32の上部開口から設置部材30の設置空間31に突出するようになっている。すなわち、前記設置空間31に配設された第1可動体50(後述)が落下移動した際に前記ダンパ部材35の支持ヘッド38に当接し得るよう構成されており、第1可動体50をダンパ部材35の緩衝作用下で停止させるよう構成される。なお、後述する第2位置は、前記支持ヘッド38が下方位置に位置して第1可動体50が完全に停止した位置を指している。
【0022】
(可動演出装置40について)
次に、実施例に係るパチンコ機10の可動演出装置40につき説明する。
図6に示すように、前記可動演出装置40は、駆動手段としての第1駆動モータ115と、上下に延在するガイド部41,42と、該ガイド部41,42に支持されて、当該ガイド部41,42に沿って第1位置および第2位置の間を上下移動可能な第1可動体50と、第1駆動モータ(駆動手段)115および第1可動体50を連繋接続し、当該第1可動体50をガイド部41,42に沿って移動させる駆動機構105,110とを基本的に備えている。ここで、実施例の駆動機構105,110は、前記設置部材30に配設され、駆動手段としての第1駆動モータ115を有する駆動ユニット110と、前記第1可動体50に設けられて駆動ユニット110の回転ギア部材(回転部材)121に連繋接続するラック部105とを備えており、第1駆動モータ115の駆動に伴い駆動ユニット110が作動することで、第1可動体50が上下移動するようになっている。実施例の第1可動体50は、第1位置にある状態で前記表示開口部30cにおける上縁部付近に位置し(
図1または
図4参照)、第2位置にある状態で表示開口部30cにおける上下方向の略中央に位置するよう構成される(
図2参照)。また、実施例の可動演出装置40では、
図4に示すように、前記設置部材30の表示開口部30cを挟む左右側部にガイド部41,42が略平行に延在するよう配設されており、一対のガイド部41,42に沿って第1可動体50が平行移動するよう構成されている。以下の説明では、前記表示開口部30cの右側に固定されるガイド部を右ガイド部41と指称し、表示開口部30cの左側に固定されるガイド部を左ガイド部42と指称して区別する場合がある。
【0023】
(ガイド部41,42について)
前記一対のガイド部41,42は、基本的に同一の構成により形成されており、前記設置部材30(具体的には対向面部30a)に固定され、上下に直線的に延在する固定レール部(第1ガイド)43と、前記第1可動体50に固定され、当該固定レール部43に沿って移動する連結スライダ(第2ガイド)45とを備えている。ここで、前記設置部材30の表示開口部30cを挟んで略平行に延在するよう前記一対のガイド部41,42の各固定レール部43が前記対向面部30aに取り付けられると共に、前記第1可動体50の左右端部に略平行に延在するよう各固定レール部43に対応の各連結スライダ45が連結されており、これにより第1可動体50が略水平な姿勢を維持したままガイド部41,42に沿って上下に移動し得るようになっている。また、前記各固定レール部43と対応する連結スライダ45との間には、固定レール部43および連結スライダ45の夫々に対して相対的にスライド移動自在な中受スライダ44が設けられている。前記中受スライダ44は、前記固定レール部43および連結スライダ45の夫々に接触する転動体46を保持する保持手段として機能する部材であって、固定レール部43に対して連結スライダ45が移動する際に転動体46が転動することで、連結スライダ45が円滑にスライド移動し得るよう構成されている。
【0024】
図7または
図8に示すように、前記固定レール部43は、前記設置部材30の対向面部30aに固定される板状の固定ベース部43aの両側縁から前側に向けて外保持片43bが対向するよう延出した断面略コ字形状に形成されており、該外保持片43bの間に前記中受スライダ44が設置されている。前記固定レール部43の各外保持片43bには、対向面側に湾曲形状の外溝43cが長手方向(上下方向)に延在するよう形成されており、該外保持片43bの外溝43cに転動体46が嵌り込むよう構成されている。前記中受スライダ44は、前記固定ベース部43aに対向する板状の中間ベース部44aと、該中間ベース部44aの両側縁から前側に延出し、前記固定レール部43の外保持片43bに対向する中保持片44bとから構成され、前記転動体46の直径より小径に設定された円形の保持孔44cが中保持片44bに開設されている。なお、実施例では、前記中間ベース部44aの長手方向に沿って複数の中保持片44bが形成されると共に、各中保持片44bに保持孔44cが開設されている。ここで、前記外保持片43bおよび中保持片44bは、前記転動体46の直径よりも小さい寸法で離間するよう構成されている。そして、前記中保持片44bの保持孔44cに臨ませた転動体46が前記外保持片43bの外溝43cに嵌り込むよう構成されており、これにより転動体46が中保持片44bの所定位置に回転可能な状態で保持されると共に、転動体46の転動を伴いつつ固定レール部43に対して中受スライダ44がスライド移動するようになっている。
【0025】
前記連結スライダ45は、前記中受スライダ44の中間ベース部44aに対向する連結ベース部45aと、該連結ベース部45aの両側縁から後側(中受スライダ44側)に向けて対向延出する内保持片45bとから断面略コ字形状に形成されており、該内保持片45bが中受スライダ44の中保持片44bの間に臨むよう構成されている。前記連結スライダ45の内保持片45bは、外側面に湾曲形状の内溝45cが長手方向(上下方向)に延在するよう形成されており、前記中受スライダ44における中保持片44bの保持孔44cに臨ませた転動体46が該内保持片45bの内溝45cに嵌り込むよう構成されている。これにより、前記転動体46の転動を伴って前記連結スライダ45が中受スライダ44に対して相対的に上下移動し得る。なお、前記連結スライダ45は、前記中受けスライダ(中間ベース部44a)の上下に離間する端部近傍に形成された移動規制部(図示せず)により、前記内保持片45bが中保持片44bと対向する範囲で中受スライダ44に対して相対的にスライドし得るよう構成されており、前記転動体46に常に接触した状態で該連結スライダ45がスライドし得るようになっている。
【0026】
(第1可動体50について)
図6〜
図10に示すように、前記第1可動体50は、前記ガイド部41,42に支持されるベース体51と、該ベース体51の前側に設けられ、前記枠状装飾体25の表示窓口25aを介して遊技盤20の前面に露出する可動体装飾部60とを備えている。前記ベース体51は、前後に板面が臨む左右に長尺な矩形板状に形成されると共に、該ベース体51の左右の幅寸法が表示開口部30cの左右の開口幅より大きく設定されている。なお、前記ベース体51は、金属板を折曲して形成されており、可動体装飾部60(具体的には後述の発光演出部70および第2可動体75,77)の荷重全体を支えると共に、落下の衝撃に耐え得る剛性を確保するようになっている。
【0027】
そして、
図7に示すように、前記ベース体51には、前記右ガイド部41の連結スライダ45が右端部側に相対的に移動不能に連結されると共に、前記左ガイド部42の連結スライダ45が左端部側に左右方向に遊動可能に連結されている。具体的には、前記ベース体51の右端部側には、
図9に示すように、前後に貫通する通孔52が上下に離間する複数箇所(実施例では2箇所)に形成されており、各通孔52の前側から挿通したネジにより右ガイド部41の連結スライダ45がネジ止めされている。このとき、前記通孔52の径は、ネジを挿通可能な程度のサイズで形成されると共に、右ガイド部41の連結スライダ45に対して強固にネジ止めされて、ベース体51に対して右ガイド部41の連結スライダ45が一体的に連結される。一方、前記ベース体51の左端部側には、前後に貫通すると共に左右方向に延在する長孔53が上下に離間する複数箇所(実施例では2箇所)に形成されている。前記長孔53には、スペーサ54が介装されており、該スペーサ54を介して各長孔53の前側から挿通したネジが左ガイド部42の連結スライダ45にネジ止めされるようになっている。ここで、前記スペーサ54は、
図8に示すように、前記長孔53に挿通されて左ガイド部42の連結スライダ45に当接するスリーブ54aと、該スリーブ54aの前端部に形成されて前記ベース体51の前面に当接するフランジ54bとを備えており、該スペーサ54を前後に貫通する貫通孔54cに挿通されたネジが前記左ガイド部42の連結スライダ45にネジ止めされるようになっている。
【0028】
すなわち、前記左ガイド部42の連結スライダ45は、前記上下の長孔53内をスペーサ54が移動可能な範囲でベース体51に対して遊動するよう構成されており、上下の長孔53に対するスペーサ54の位置に応じて、右ガイド部41の連結スライダ45に対して左ガイド部42の連結スライダ45が平行な姿勢となったり、交差する姿勢に傾斜するよう構成されている。このように、左右のガイド部41,42の一方(左ガイド部42)が第1可動体50(ベース体51)に対して相対的に姿勢変化し得るよう連結されていることで、左右のガイド部41,42が正確に平行でなくとも第1可動体50(ベース体51)の上下移動を許容するようになっている。
【0029】
また、前記ベース体51の上縁部には、
図9に示すように、前方に延出する上受け片55が形成されている。前記上受け片55は、前記ベース体51の左右の略全長に亘って延在すると共に、該上受け片55の上面側に、複数(実施例では2つ)の配線保持部56,57が左右方向に並んで配設されている。前記各配線保持部56,57には、長手方向(左右方向)に沿って延在すると共に左右の両端部で挿通口56a,57aが開口する配線用の案内路が夫々画成されており、前記第1可動体50(より具体的には可動体装飾部60)と演出制御装置(図示せず)とを接続するフラットケーブル97が挿通されるようになっている。なお、各配線保持部56,57は、前記上受け片55の前後幅と略整合する幅寸法で、該上受け片55に沿って左右方向に延在するよう形成されている。なお、以下の説明で、右側の配線保持部を右配線保持部56と指称し、左側の配線保持部を左配線保持部57と指称する場合がある。なお、右配線保持部56は、右側の挿通口56aがベース体51の右端部近傍で開口すると共に左側の挿通口56aがベース体51の略中央位置で開口するよう形成され、左配線保持部57は、左側の挿通口57aがベース体51の左端部近傍で開口すると共に右側の挿通口57aがベース体51の略中央位置で開口するよう形成されている。
【0030】
また、
図9に示すように、前記ベース体51には、左右両側の下縁部に一対の受け部58が形成されている。前記各受け部58は、前記第1可動体50が第1位置にある状態で、前記設置部材30のダンパ設置部32に設置されたダンパ部材35の真上に夫々位置するよう形成されており、該第1可動体50が第2位置へ移動する過程で受け部58が対応するダンパ部材35(支持ヘッド38)に当接するようになっている。すなわち、前記第1可動体50の各受け部58は、第2位置へ向けて移動(落下)した第1可動体50が第2位置まで到達する前にダンパ部材35に当接して衝撃を緩和するように構成されている。ここで、前記第1可動体50に形成される左右の受け部58および前記設置部材30に配設される左右のダンパ部材35の夫々は、各受け部58が対応のダンパ部材35(支持ヘッド38)に略同一のタイミングで当接する位置関係で設けられており、左右方向に長尺な第1可動体50の衝撃を均等に分散し得るよう構成されている。
【0031】
ここで、前記各受け部58は、前記ベース体51の左右の下縁部から後方へ延出するよう屈曲形成されている(
図9参照)。そして、前記各受け部58におけるベース体51から折れ曲がった基端部に凹部(図示せず)が設けられており、各受け部58がダンパ部材35に当接した際に基端部を中心として変形するのを防止している。このように、凹部を設けて受け部58の変形を防止することで、第2位置へ向けて移動(落下)した第1可動体50が第2位置まで到達する前の段階で、前記ダンパ部材35の支持ヘッド38に受け部58を確実に当接させ得ると共に、各受け部58が対応のダンパ部材35(支持ヘッド38)に当接するタイミングにずれが生ずるのを防止するよう構成されている。
【0032】
(可動体装飾部60)
次に、前記第1可動体50に設けられる可動体装飾部60について説明する。前記可動体装飾部60は、
図9に示すように、前記ベース体51の前側に配設される基体部61と、該基体部61に配設された発光演出部70と、該基体部61に配設され、前記第1可動体50に対して相対的に動作可能な第2可動体75,77とを備えており、前記枠状装飾体25の表示窓口25aを介して発光演出部70および第2可動体75,77が遊技盤20の前面に露出するよう構成されている。すなわち、前記第1可動体50が上下移動することで、前記発光演出部70および第2可動体75,77が枠状装飾体25の表示窓口25a内で上下移動するようになっている。ここで、前記基体部61は、前記ベース体51の左右中央部に前方へ突出するよう形成された左右一対の支持突片51aの前端部に取り付けられており、該ベース体51と基体部61とが所要の間隔(第2可動体75,77が回転可能な間隔)だけ離間するよう構成されている。ここで、前記ベース体51には、前記基体部61を挟む左右側部に左右の支持部材80,90が配設されており、該ベース体51の右端部に位置する右支持部材90に、右側の第2可動体77が回転可能に支持されると共に、該ベース体51の左端部に位置する左支持部材80に、左側の第2可動体75は回転可能に支持されるようになっている。
【0033】
図9に示すように、前記基体部61は、前記発光演出部70が設けられる第1設置部62と、該第1設置部62から側方へ突出し、前記第2可動体75,77が配設される第2設置部63とを備え、前記ベース体51の支持突片51aの前端部に第1設置部62が固定されている。ここで、前記第2設置部63は、前記第1設置部62の左右両側部に設けられており、前記発光演出部70を挟む左右両側に第2可動体75,77が位置するよう構成されている。また、前記第1設置部62および第2設置部63の前面は、連続した平面状に形成されており、該第1設置部62および第2設置部63の前面に亘って、第2可動体75,77を照明するLED基板65(以下、第1LED基板という)が配設されている。ここで、前記発光演出部70は、前記第1設置部62の外周縁部から前方へ延出するよう形成された画壁部62aの前端部に取り付けられており、前記第1LED基板65と前後に重なる位置関係で設置されている。また、前記発光演出部70は、前面に所要の装飾が施された光透過部を有する前面装飾部71の裏側に、前面にLED(発光体)が実装された第2LED基板(図示せず)が配設されて、該第2LED基板のLEDの光により、前面装飾部71が発光するよう構成されている。また、前記第2LED基板の裏側には、前記第1LED基板65に接続する配線の第3コネクタ部が設けられている。
【0034】
前記左右の第2設置部63は、左右方向に延在する横長矩形状に形成されており、各第2設置部63の外側を前記第2可動体75,77が回転するよう構成される。また、前記左右の第2設置部63の端部には、外方へ突出する回転軸64が夫々設けられており、右側の第2設置部63から突出する回転軸64が右支持部材90に支持され、左側の第2設置部63から突出する回転軸64が左支持部材80に支持されるようになっている。ここで、前記回転軸64は、基体部61(第1設置部62および左右の第2設置部63)を左右に貫通する長尺な1本のシャフトであって、該基体部61に対して回転可能な状態で保持されている。また、前記各第2設置部63の上下の端面は、前記回転軸64を中心とする円弧面形状に形成されており、第2可動体75,77が対応する第2設置部63の上下の端面を摺接するようになっている。
【0035】
(第1LED基板65)
前記第1LED基板65は、
図9に示すように、前記基体部61の前面を全体的に覆うよう形成されて、その前面に複数のLED65aが実装されている。ここで、前記LED65aは、第1LED基板65における前記左右の第2設置部63を覆う領域に設置されている。そして、前記設置部材30の後側に設けられた前記演出制御装置に前記第1LED基板65が配線98接続されて、該演出制御装置からの制御信号に基づいて発光制御されるようになっている。なお、以下の説明では、第1LED基板65において、右側の第2設置部63を覆う領域を右発光領域と指称し、左側の第2設置部63を覆う領域を左発光領域と指称する場合がある。
【0036】
また、前記第1LED基板65の後面には、前記演出制御装置に接続される配線用の第1コネクタ部65bと、前記第1可動体50に配設される電気部品(第2駆動モータ83、位置検出センサ93および第2LED基板)に接続される配線用の第2コネクタ部65cとが設けられている(
図10参照)。すなわち、実施例の第1LED基板65は、第1可動体50に配設される電気部品の中継基板としての機能を具有している。実施例の第1LED基板65には、前記第1コネクタ部65bおよび第2コネクタ部65cが複数(実施例では2つずつ)設けられている。そして、前記第1コネクタ部65bおよび第2コネクタ部65cは、前記第1LED基板65において前記第1設置部62を覆う領域に設けられると共に、前記基体部61(第1設置部62)に開設された前後に開口するコネクタ開口部61aを介して基体部61の後側に露出するようになっている。
【0037】
前記第1コネクタ部65bは、前記右配線保持部56の左側の挿通口56aと略同じ高さ位置で、該挿通口56aの前方に位置するよう設けられると共に、厚み方向に可撓変形可能なフラットケーブル97が接続される。そして、前記第1コネクタ部65bに接続されたフラットケーブル97が前記右配線保持部56の左側の挿通口56aから右配線保持部56内の案内路に導入されると共に、該右配線保持部56の右側の挿通口56aからベース体51の右端部側に引き出されて、後述する第1ケーブル保持部材95に保持されるようになっている。また、第2コネクタ部65cには、前記第2駆動モータ83に接続する配線98および位置検出センサ93(
図12参照)に接続する配線98が夫々接続されている。そして、前記第2駆動モータ83に接続される配線98が前記左配線保持部57における右側の挿通口57aを介して左配線保持部57の案内路に導入されると共に、該左配線保持部57の左側の挿通口57aからベース体51の左端部側に引き出されて、当該ベース体51の左端部側に配置された第2駆動モータ83に接続されるようになっている。また、前記位置検出センサ93に接続される配線98が前記右配線保持部56の左側の挿通口56aから右配線保持部56内の案内路に導入されると共に、該右配線保持部56の右側の挿通口56aからベース体51の右端部側に引き出されて、当該ベース体51の右端部側に配置された位置検出センサ93に接続されるようになっている。
【0038】
(第2可動体75,77について)
前記左右の第2可動体75,77は、内部に空間が画成された中空円筒状に形成されて、外周面に光透過性の装飾が形成されている。左側の第2可動体75は、
図9に示すように、右端面に円形状の挿入口75aが内部空間内に開口するよう開設されており、該挿入口75aを介して前記左側の第2設置部63が内部に挿入されるようになっている。そして、左側の第2可動体75における左端面に、左方へ突出するギア部76が設けられると共に、該ギア部76の左側部に左方へ突出する左軸部75bが形成されている。また、前記左側の第2可動体75には、前記ギア部76および左軸部75bを貫通する嵌合孔(図示せず)が形成されており、該左側の第2可動体75に挿入された左側の第2設置部63から突出する回転軸64が嵌合孔に嵌合して、左側の第2可動体75と回転軸64とが一体的に回転するよう連結されている。すなわち、前記左側の第2可動体75が回転することで、前記回転軸64を中心として左側の第2可動体75が左側の第2設置部63の周りを回転するようになっている。なお、前記左側の第2可動体75における前記挿入口75aの開口縁部が対応する第2設置部63の上下の端面に摺接するようになっており、該左側の第2可動体75の右端部側が回転可能に支持されている。また、前記左側の第2可動体75の内部空間には、前記左側の第2設置部63を覆う前記第1LED基板65の左側領域が収容されており、該第1LED基板65の左側領域に設けたLED65aを発光することで、左側の第2可動体75が内側から照明されて外周面の装飾が明輝されるようになっている。
【0039】
前記右側の第2可動体77は、
図9に示すように、基本的には前記左側の第2可動体75と左右対称の構造で形成されている。すなわち、前記右側の第2可動体77には、左端部に円形状の挿入口77aが内部空間内に開口するよう開設されており、該挿入口77aを介して前記右側の第2設置部63が挿入されるようになっている。そして、右側の第2可動体77における右端部に右方へ突出する右軸部77bが形成されている。なお、右側の第2可動体77には、ギア部76に相当する構成は設けられていない。また、前記右側の第2可動体77には、前記右軸部77bを貫通する嵌合孔が形成されており、該右側の第2可動体77に挿入された前記右側の第2設置部63から突出する回転軸64が嵌合孔に嵌合して、右側の第2可動体77と回転軸64とが一体的に回転するよう連結されている。従って、前記右側の第2可動体77は、前記回転軸64の回転に伴って回転軸64を中心として右側の第2設置部63の周りを回転するようになっている。すなわち、左右の第2可動体75,77は、前記回転軸64を介して連結されており、一方の第2可動体75(具体的には左側の第2可動体75)の回転に伴って一体的に回転軸64を中心に回転するようになっている。なお、前記右側の第2可動体77における前記挿入口77aの開口縁部が対応する第2設置部63の上下の端面に摺接するようになっており、該右側の第2可動体77の左端部側が回転可能に支持されている。また、前記右側の第2可動体77の内部空間には、前記右側の第2設置部63に設置された前記第1LED基板65が収容されており、該第1LED基板65の右側領域に設けたLED65aを発光することで、右側の第2可動体77が内側から照明されて外周面の装飾が明輝されるようになっている。
【0040】
(左右の支持部材80,90について)
図11に示すように、前記左支持部材80は、右側面に複数のギア収容部81aが画成された左支持壁部81と、該左支持壁部81の右側面に取り付けられてギア収容部81aを閉塞する平板状の保持板部82とを備えており、左支持壁部81の後端部が前記ベース体51に固定されている。前記左支持壁部81には、前記左側の第2可動体75に形成された左軸部75bが回転自在に嵌合する左支持孔81bが左右に開口して形成されると共に、前記保持板部82には、該左支持孔81bと左右に整列する位置に挿通孔82aが形成されており、該挿通孔82aの右側から挿通した左軸部75bを左支持孔81bに嵌合することで、前記ギア収容部81a内にギア部76が収容された状態で、左側の第2可動体75の左端部が回転自在に支持されるようになっている。また、前記左支持壁部81の外側面(左側面)には、軸孔81cを介して回転軸64を前記ギア収容部81aに突出させた姿勢で前記第2駆動モータ(第2の駆動手段)83が配設され、該ギア収容部81a内で回転軸64に駆動ギア84が連結されている。更に、前記ギア収容部81aには、前記駆動ギア84およびギア部76に噛合する従動ギア85が回転自在に収容されており、第2駆動モータ83の駆動が前記ギア部76に伝わるよう構成されている。ここで、前記左配線保持部57の左側の挿通口57aは、前記左支持部材80の左支持壁部81よりも左側で開口するよう形成されており、該左配線保持部57の案内路を挿通して左側の挿通口57aから引き出された配線98が前記第2駆動モータ83に接続されるようになっている。
【0041】
また、前記右支持部材90は、前記ベース体51に固定されると共に前記左支持部材80の左支持壁部81に対向する右支持壁部91に、前記右側の第2可動体77に形成された右軸部77bが回転自在に嵌合する右支持孔91aが左右に開口して形成さており、該挿通孔82aの左側から挿通した右軸部77bを右支持孔91aに嵌合することで、右側の第2可動体77の右端部が回転自在に支持されるようになっている。すなわち、前記第2駆動モータ83を駆動すると、前記駆動ギア84および従動ギア85を介してギア部76が回転されて、これに伴い前記左右の第2可動体75,77が回転軸64を中心に一体的に回転するようになっている。また、前記右支持部材90における右支持壁部91の上端部には、右側の第2可動体77の原位置を検出する位置検出センサ93が設けられており、該右側の第2可動体77に形成された位置検出片(図示せず)を位置検出センサ93で検出することで、左右の第2可動体75,77の原位置が定まるようになっている。ここで、前記右配線保持部56の左側の挿通口56aは、前記右支持部材90の右支持壁部91よりも右側で開口するよう形成されており、該右配線保持部56の案内路を挿通して右側の挿通口56aから引き出された配線98が前記位置検出センサ93に接続されるようになっている。
【0042】
また、前記右支持部材90には、
図10、
図13に示すように、前記右支持壁部91をベース体51に固定する取付板部92の前面に、前記右配線保持部56の案内路を挿通したフラットケーブル97を保持する第1ケーブル保持部材95が設けられている。なお、前記取付板部92はベース体51に対して平面的に接触する板状に形成されている。前記第1ケーブル保持部材95は、前記ベース体51の上受け片55の上面を覆う第1保持部95aと、前記取付板部92の前面を覆う第2保持部95bとを有する略L字状に形成されている。そして、前記右配線保持部56の挿通口56aから引き出されたフラットケーブル97が、ベース体51の上受け片55と第1保持部95aとの間に挟持されている。このフラットケーブル97は、前記ベース体51の上受け片55および第1保持部95aによる挟持位置において、90°捻るようにして前方へ屈曲するよう折曲げられている。そして、前記ベース体51の上受け片55および第1保持部95aによる挟持位置から前方へ延出したフラットケーブル97を、前記取付板部92の前面に沿って下方へ誘導すると共に、該取付板部92と第2保持部95bとの間に挟持するよう構成されている。すなわち、前記右配線保持部56に沿って左右方向に延在するフラットケーブル97を屈曲させて第1可動体50の移動方向と一致する上下方向に延在させると共に、該フラットケーブル97の屈曲部位を第1ケーブル保持部材95で保持するようになっている。そして、前記第1ケーブル保持部材95により保持されたフラットケーブル97が、前記駆動ユニット110側へ引き回されるようになっている。
【0043】
また、
図9に示すように、前記右支持部材90には、前記右支持壁部91の下端部に、前記第1可動体50を動作させる駆動ユニット110に接続する連繋接続部100が設けられている。前記連繋接続部100は、前記右支持部材90をベース体51に固定した状態で、前記右支持壁部91から下方へ所定長さ延在すると共に、該連繋接続部100の右側部(後述する駆動ユニット110の機構収容部112との対向面側)に前記ラック部105が設けられている。
【0044】
(ラック部105について)
前記ラック部105は、
図9に示すように、前記連繋接続部100の右側部に設けられた上下に並ぶ複数のギア部により構成されており、前記駆動ユニット110に設けられた回転ギア部材121の作動ギア部123に係脱自在に係合(噛合)するよう構成される。また、前記連繋接続部100の前面には、上下の略全体に亘って延在する案内リブ106が僅かに前方へ突出するよう形成されている。また、連繋接続部100には、回転ギア部材121に形成された係止部125(後述)と係脱可能に係合する係合突部107が形成されている。この係合突部107は、連繋接続部100におけるラック部105の前側に形成されており、第1可動体50が第2位置に位置した状態で、駆動ユニット110に形成された後述するギア開口部112aに臨むようになっている。
【0045】
(駆動ユニット110について)
図14に示すように、前記駆動ユニット110は、前記設置部材30に取り付けられる設置ケース111と、該設置ケース111に配設される駆動源としての第1駆動モータ115と、当該設置ケース111に形成された機構収容部112に配設され、第1駆動モータ115を第1可動体50のラック部105に連繋接続するギア機構部120とを基本的に備えている。前記設置ケース111は、前記設置部材30の表示開口部30cにおける開口右側縁の上下全長に亘って延在する縦長の矩形箱状に形成されて、該設置部材30の対向面部30aから突出形成された固定ボスにネジ止めされている。すなわち、前記設置ケース111を設置部材30に取り付けた状態では、設置部材30の対向面部30aから所定距離だけ前方に離間した位置で、前記表示開口部30cの右縁部に沿って設置ケース111が上下に延在するようになっており、当該設置ケース111と対向面部30aとの間に画成される空間を、前記第1可動体50の右端部が上下移動するよう構成されている。
【0046】
(設置ケース111について)
ここで、前記設置ケース111は、
図14、
図15に示すように、前記機構収容部112を画成する前後のケース体113,114から構成されている。ここで、前記前ケース体113は、前記設置ケース111の前面をなすと共に、前記設置部材30の表示開口部30cにおける開口右側縁の上下全長に亘って延在するよう形成されている。また、前記後ケース体114は、前方へ開口する矩形箱状に形成されると共に、前記前ケース体113の上下寸法より小さな大きさで形成されている。そして、前記前ケース体113の下部位置に前記後ケース体114が取り付けられている。すなわち、前記機構収容部112は、前記設置ケース111の下部位置に形成されている。前記前ケース体113における前記機構収容部112の左前端部には、左側方に延出する摺動壁113aが設けられると共に、該摺動壁113aの延出端部に後方に延出して機構収容部112に対向する延出壁113bが設けられている。そして、前記機構収容部112と延出壁113bとの間に、前記第1可動体50に設けられた前記ラック部105が上下移動可能に位置するよう構成されている。なお、前記ラック部105に形成した前記案内リブ106が前記摺動壁113aに摺接するよう構成されており、第1可動体50が上下移動する際にラック部105を案内するようになっている。
【0047】
また、
図13、
図15に示すように、前記設置ケース111(前ケース体113)の上部側には、前後に開口する貫通口135が形成されると共に、該貫通口135の上方に近接して前後に開口する係止孔136が形成されている。前記貫通口135は、前記第1可動体50が第1位置にある状態で前記ベース体51の前側に重なる位置に形成されている。そして、前記第1可動体50に設けられた前記第1ケーブル保持部材95から下方へ延出する前記フラットケーブル97が前記貫通口135に後方から挿通されて、前記設置ケース111の前側に引き出されるようになっている。ここで、前記第1ケーブル保持部材95から貫通口135までのフラットケーブル97は、前記第1可動体50の第1位置から第2位置への移動を許容する長さ分だけ弛ませてある。すなわち、前記第1可動体50が第1位置に位置した状態で、前記フラットケーブル97は略U字状に撓んだ状態となっている。
【0048】
前記設置ケース111(前ケース体113)の前面には、前記貫通口135および係止孔136を閉塞するように板状の第2ケーブル保持部材140が取り付けられている。第2ケーブル保持部材140には、前記係止孔136と対応する位置に、該係止孔136に嵌合する押え突部141が形成されており、前記貫通口135を介して設置ケース111の前側に引き出されたフラットケーブル97を挟んだ状態で、当該押え突部141を係止孔136に嵌合することで、フラットケーブル97を保持するようになっている。前記第2ケーブル保持部材140により保持された前記フラットケーブル97は、該第2ケーブル保持部材140の上部側から引き出されて、前記設置ケース111の前側を覆うように前記設置部材30に配設された照明基板143(
図13参照)に接続される。そして、前記照明基板143が前記演出制御装置に対して図示しない配線により電気的に接続されるようになっている。すなわち、前記第1可動体50の各電気部品は、照明基板143を中継して前記演出制御装置に電気的に接続されている。なお、前記照明基板143の前側には、前記枠状装飾体25の表示窓口25aを介して遊技盤20の前側に臨む装飾板144が配設されており、該装飾板144により前記可動演出装置40の駆動ユニット110が被覆されると共に、該照明基板143に設けたLED(図示せず)を発光させることで、装飾板144を明輝させるようになっている。
【0049】
(ギア機構部120について)
図14、
図15に示すように、前記機構収容部112に収容されるギア機構部120は、該機構収容部112の内側上部位置に収容されて前記ラック部105に噛合する前記回転ギア部材121と、該回転ギア部材121に噛合する複数の従動ギア117と、前記第1駆動モータ115の回転軸64に連結されて従動ギア117に噛合する駆動ギア116とから構成されており、当該回転ギア部材121および従動ギア117の夫々が機構収容部112内で回転自在に枢支されている。そして、前記機構収容部112の後面下部(対向面部30a側)に、前記第1駆動モータ115が取り付けられており、前記後ケース体114に設けた通孔114aを介して第1駆動モータ115の駆動軸115aが機構収容部112の内部で駆動ギア116に連結されている。すなわち、前記第1駆動モータ115を正逆回転方向に回転駆動することで、前記従動ギア117を介して前記回転ギア部材121が正逆回転方向に回転するようになっている。
【0050】
(回転ギア部材121について)
前記回転ギア部材121は、
図16に示すように、軸方向に所定厚み(幅)を有する円盤状に形成されて、その中心に設けた前後に貫通する軸孔121aに挿通された支軸121bを介して前記ギア機構部120(設置ケース111)に回転自在に軸支されている。そして、前記回転ギア部材121に、前記従動ギア117に噛合することで前記第1駆動モータ115に接続する連繋ギア部122と、前記ラック部105に噛合(係合)する作動ギア部123とが夫々形成されており、第1駆動モータ115の駆動に伴い回転ギア部材121が回転することで、前記作動ギア部123との噛合下(係合下)においてラック部105を上下移動させるよう構成されている。ここで、実施例では、前記回転ギア部材121の外周面の全体に、前記連繋ギア部122が全周に亘って形成されており、該連繋ギア部122における回転ギア部材121の軸方向に偏った一部(実施例では前側)にラック部105が噛合するようになっている。すなわち、前記連繋ギア部122においてラック部105と噛合する領域が前記作動ギア部123として機能するようになっている。
【0051】
ここで、前記連繋ギア部122の軸方向の幅は、該連繋ギア部122に噛合する従動ギア117の軸方向の幅と略一致するよう構成されて、連繋ギア部122および従動ギア117が常に噛合するようになっており、前記第1駆動モータ115の駆動に伴って前記回転ギア部材121を360°回転させ得るようになっている。なお、前記回転ギア部材121は、前記ラック部105の前後幅より大きな厚みで形成されている。また、前記回転ギア部材121は、前記機構収容部112の左側面に開設されたギア開口部112a(
図14参照)を介して回転ギア部材121の一部(作動ギア部123の一部)が前記機構収容部112の外部露出するよう構成されており、該ギア開口部112aに臨んだ作動ギア部123がラック部105に噛合するようになっている。
【0052】
前記回転ギア部材121には、
図16に示すように、前記作動ギア部123におけるギア歯の配列方向に並ぶ周方向に、前記ラック部105との係合が解除される円弧状部(非噛合部)124が形成されている。すなわち、前記回転ギア部材121の外周面には、該回転ギア部材121の軸方向に偏った一部(実施例では前側)に、周方向の所定範囲に亘ってギア歯が形成されていない領域が設けられており、当該ギア歯が形成されていない領域が円弧状部124とされている。ここで、実施例の円弧状部124は、前記回転ギア部材121における中心角約120°の範囲に亘って形成されている。従って、実施例の回転ギア部材121において、前記円弧状部124と同一周面上に並ぶ中心角約240°の歯列が前記作動ギア部123として機能するようになっている。
【0053】
すなわち、前記回転ギア部材121の支軸121bを通る水平線とラック部105の上下移動軌跡との交点を噛合位置とした場合に、前記作動ギア部123が噛合位置に臨む状態にあっては、該作動ギア部123およびラック部105が噛合した係合状態とされる一方、回転ギア部材121の回転に伴って前記円弧状部124が噛合位置に臨むことで、作動ギア部123およびラック部105の噛合が解除された係合解除状態とされる。そして、前記作動ギア部123およびラック部105が係合状態において、前記回転ギア部材121を
図4、
図16(a)の時計回り方向(以下、第1回転方向という)へ回転させることで、前記ラック部105(第1可動体50)が上方移動する一方、回転ギア部材121を
図4、
図16(a)の反時計回り方向(以下、第2回転方向という)へ回転させることで、ラック部105(第1可動体50)が下方移動するようになっている。すなわち、回転ギア部材121の回転方向を変化させることで、第1可動体50が上下に往復移動するよう構成される。そして、前記回転ギア部材121の回転に伴い、前記噛合位置に臨む部位が作動ギア部123から円弧状部124に切り替わることで、前記ラック部105との係合が解除されて第1可動体50が自重により第2位置へ向けて落下するようになっている。このように、実施例の回転ギア部材121は、前記作動ギア部123とラック部105とを係合状態から係合解除状態に切り替える切替手段として機能する。以下においては、前記回転ギア部材121を第1回転方向に回転した際に、前記ラック部105との係合状態が解除される作動ギア部123の端部を第1切替端部123aとし、ラック部105との係合解除状態から係合状態に切り替わる作動ギア部123の端部を第2切替端部123bとする。
【0054】
ここで、
図4、
図17に示すように、前記第1可動体50が第1位置にある状態では、前記作動ギア部123の第1切替端部123aが噛合位置より第2回転方向側に位置して作動ギア部123とラック部105とが噛合するよう構成されている。すなわち、第1可動体50が第1位置にある状態では、前記回転ギア部材121を第1回転方向および第2回転方向へ回転させることで前記作動ギア部123とラック部105との噛合下で第1可動体50(ラック部105)を上下移動する(
図18参照)。一方で、前記作動ギア部123の第1切替端部123aが噛合位置を超えて第1回転方向側に移動するよう前記回転ギア部材121を回転すると(
図19参照)、作動ギア部123とラック部105との噛合が解除されて第1可動体50(ラック部105)が自重で落下(下方移動)するようになっている(
図20参照)。
【0055】
また、
図20に示すように、前記第1可動体50が第2位置に位置した状態では、前記ラック部105の上端部が前記噛合位置に臨むよう構成されている。従って、前記第1可動体50が第2位置にある状態において、前記回転ギア部材121の第1回転方向への回転に伴い前記作動ギア部123の第2切替端部123bが噛合位置に到来することで該作動ギア部123とラック部105とが再び噛合し、第1可動体50を上方移動させるようになっている。すなわち、回転ギア部材121を第1回転方向に回転し続けることで、第1位置から第2位置への第1可動体50の自重落下と、第2位置から第1位置への第1可動体50の復帰とを繰り返し行ない得るようになっている。
【0056】
図21に示すように、前記回転ギア部材121の前面には、前記作動ギア部123の第2切替端部123bから第1回転方向前方に離間した円弧状部124の前側に、前方へ突出する係止部125が形成されている。前記係止部125は、前記第1可動体50が第2位置にある状態で、該第1可動体50(ラック部105)に設けた前記係合突部107の下方から当接するよう形成されている。すなわち、前記第1可動体50が第2位置にある状態において、前記回転ギア部材121の第1回転方向への回転に伴い前記円弧状部124から作動ギア部123の第2切替端部123bが噛合位置に到来して連繋ギア部122とラック部105とが噛合する直前に、前記係止部125が係合突部107に対して下方から当接して(
図21参照)、連繋ギア部122とラック部105との係合が解除された状態のままラック部105を持ち上げるよう構成されている。そして、前記係止部125によりラック部105が持ち上げられた状態において、前記作動ギア部123の第2切替端部123bが噛合位置に到来した際に、連繋ギア部122とラック部105とが噛合するようになっている。すなわち、前記連繋ギア部122とラック部105とが噛合する直前にラック部105を持ち上げることで、自重により落下した第1可動体50(ラック部105)と、前記連繋ギア部122とが常に一定の位置関係となって、回転移動する連繋ギア部122と、直線移動するラック部105とが引っ掛かりなくスムーズに再び噛合するようになっている。
【0057】
また、
図17〜
図21に示すように、前記回転ギア部材121の前面には、前記係止部125から周方向に離間する位置に、前方へ突出する回転規制突部126が形成されている。前記回転規制突部126は、前記設置ケース111(機構収容部112)に設けられたストッパ130と係脱可能に係合し、該ストッパ130との係合に伴い回転ギア部材121の回転を規制するよう構成される。ここで、前記ストッパ130は、前記回転規制突部126と係合可能な規制位置と、該回転規制突部126との係合が解除されて回転ギア部材121の回転を許容する許容位置とに変位し得るよう構成されており、付勢部材の付勢により許容位置へ向けて付勢されている。なお、前記ストッパ130は、前記回転ギア部材121の上方で前記機構収容部112に揺動自在に枢支されると共に、付勢部材として捻りバネが採用されている。
【0058】
前記ストッパ130は、前記設置ケース111(機構収容部112)に枢支される枢支部130aから回転ギア部材121側へ延出する規制アーム130bを備えており、該規制アーム130bが前記回転ギア部材121に設けた回転規制突部126の移動軌跡上に臨むようになっている。そして、前記回転ギア部材121の第1回転方向への回転に伴って前記回転規制突部126がストッパ130の規制アーム130bに接触した際に、前記付勢部材の付勢に抗してストッパ130が規制位置から許容位置へ変位して、当該回転ギア部材121の回転を許容する一方で、該回転ギア部材121の第2回転方向への回転に伴って回転規制突部126がストッパ130の規制アーム130bに接触した際に、当該回転ギア部材121の回転をストッパ130で規制するよう構成されている。ここで、前記第1可動体50が第1位置にある状態では、
図17に示すように、前記ストッパ130の規制アーム130bが回転規制突部126の左側(第2回転方向側)に位置するよう構成されており、前記回転ギア部材121を第2回転方向へ回転させ得るよう構成される。ここで、前記ストッパ130の規制アーム130bは、該ストッパ130が規制位置にある状態において、前記枢支部130aと回転ギア部材121の支軸121bとを結ぶ線よりも突出端部が回転ギア部材121の第1回転方向に偏って位置するよう構成されている。
【0059】
また、
図20に示すように、前記ストッパ130の規制アーム130bは、前記噛合位置に前記円弧状部124が位置する状態で前記回転規制突部126の左端面(第2回転方向側の端面)に当接するよう構成されている。すなわち、前記回転ギア部材121の第2回転方向への回転に伴って前記噛合位置に第1切替端部123aが移動しないよう構成されている。これにより、第1可動体50が第2位置にある状態で、前記ラック部105に対して連繋ギア部122の第1切替端部123aが噛合するのを防止し、第1可動体50を第2位置より更に下方へ移動させる負荷が作用しないようになっている。より具体的には、前記回転ギア部材121の第1回転方向への回転に伴い前記ラック部105と連繋ギア部122との係合が解除されたタイミングで前記ストッパ130の規制アーム130bが回転規制突部126に係合して、該回転ギア部材121の第2回転方向への回転が規制されるようになっている。
【0060】
また、前記ストッパ130の規制アーム130bは、前記回転ギア部材121の第2回転方向への回転に伴って前記係止部125と係合するようになっており、前記回転規制突部126と同様に、係止部125との係合により回転ギア部材121の第2回転方向への回転が規制されるよう構成されている(
図18参照)。これにより、前記第1駆動モータ115の駆動により前記回転ギア部材121を第2回転方向へ回転させた際に、前記第1可動体50が下方移動可能な下限位置が規定されるようになっている。また、前記ストッパ130には、前記枢支部130aから径方向外側(実施例では左側方)へ延出する操作片130cが形成されている。この操作片130cの端部は、前記設置ケース111(機構収容部112)に形成された操作口112bを介してケース外部に臨むよう構成されている。すなわち、前記操作口112bを介して前記操作片130cを回動操作することにより、ストッパ130を付勢部材の付勢力に抗して規制位置から許容位置へ向けて変位させて、前記回転規制突部126の係合を強制的に解除し得るようになっている。
【0061】
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0062】
前記中枠12の前面側に設けられた前記操作ハンドル16を遊技者が回転操作すると、打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤20に設けた案内レール21により画成された遊技領域20a内に打ち出されて、遊技釘等に接触して流下方向を変更しながら遊技領域20a内を流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が前記始動入賞装置23の始動入賞口に入賞することで、前記図柄表示装置18での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせで図柄が表示されると遊技者に有利な特別遊技(大当り等)が発生し、特別遊技が発生する図柄の組み合わせに応じて、前記遊技盤20に設けられた特別入賞装置24が開放されると共に、図柄表示装置18において大当り演出が行われる。そして、前記図柄表示装置18において図柄変動演出や大当り演出が行われる適宜のタイミングにおいて、前記可動演出装置40の第1駆動モータ115および第2駆動モータ83の夫々に対して演出制御装置から所定の制御条件に基づいて駆動信号が出力されることで、前記第1可動体50が上下移動したり、前記第2可動体75,77が回転移動することで、可動体による動作演出が実行される。また、前記図柄表示装置18において図柄変動演出や大当り演出が行われる適宜のタイミングにおいて、前記可動演出装置40の第1LED基板65および第2LED基板のLED65aに対して演出制御装置から所定の制御条件に基づいて発光信号が出力されることで、第1可動体50(発光演出部70)や第2可動体75,77による発光演出が実行される。
【0063】
前記可動演出装置40の前記第1可動体50が第1位置に位置する状態では、前記設置部材30の表示開口部30cの上縁部に沿って左右方向に延在する姿勢で第1可動体50が保持されている。このとき、前記第1可動体50を上下移動させる前記回転ギア部材121が、前記作動ギア部123の第2切替端部123bが第1可動体50のラック部105に噛合することで、該第1可動体50が自重で移動するのを防止している。すなわち、実施例の第1可動体50の荷重は、前記ラック部105と回転ギア部材121の作動ギア部123との噛合により、該第1可動体50の右端部側で支持されていることから、当該第1可動体50を上下移動させた際に、当該第1可動体50の左右の端部において移動量に僅かにズレが生ずる可能性がある。
【0064】
ここで、実施例では、前記第1可動体50の左端部を案内する左ガイド部42は、第1可動体50に対して連結スライダ45が相対的に左右に傾斜可能に連結されている。このため、前記第1可動体50を上下移動した際に左右の端部の移動量にズレが生じても、左側の連結スライダ45が第1可動体50に対して相対的に左右に傾斜することでズレが吸収されるから、当該第1可動体50をスムーズに上下移動することができる。また、前記第1駆動モータ115の駆動力が直接伝わる第1可動体50の右端部を案内する右ガイド部41は、第1可動体50に対して連結スライダ45が相対的に移動不能な状態で強固に固定されているから、上下移動する第1可動体50の安定性を損なうことなくスムーズに上下移動することができる。更に、前記第1可動体50の左端部を案内する左ガイド部42の連結スライダ45を第1可動体50に対して相対的に左右に移動可能に連結して、該左ガイド部42の連結スライダ45とベース体51(第1可動体50)との相対的な姿勢変化の自由度を大きくしたことで、左右のガイド部41,42が正確に平行な状態で取り付けられていない状態でも、第1可動体50の下方移動時に引っ掛かり難くなって無理な負荷が掛かることなく第1可動体50をスムーズに上下移動させることができ、設計や製造上の負担を軽減し得ると共に、不良品の発生を低減することが可能となる。
【0065】
また、前記第1可動体50が第1位置に位置する状態では、前記回転ギア部材121の回転規制突部126が前記ストッパ130の規制アーム130bに右側から当接するようになっているから、前記回転ギア部材121を第1回転方向および第2回転方向の何れの方向にも回転させ得る。そして、前記第1可動体50が第1位置にある状態で、前記回転ギア部材121が第2回転方向へ回転するよう前記第1駆動モータ115が駆動することで、回転ギア部材121の作動ギア部123に噛合するラック部105が下降して第1可動体50が下方移動する。反対に、前記回転ギア部材121が第1回転方向へ回転するよう第1駆動モータ115を駆動することで、回転ギア部材121の作動ギア部123に噛合するラック部105が上昇して第1可動体50が上方移動する。このように、実施例では、回転ギア部材121の回転方向を第1回転方向および第2回転方向に変化させることで、第1可動体50を上下に往復移動させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、前記設置部材30の表示開口部30cの左右の開口幅より長尺に形成されて、前記枠状装飾体25の表示窓口25aを左右に横切るよう延在する第1可動体50が上下に移動することで、迫力のある可動演出を実行することができる。
【0066】
また、前記回転ギア部材121が第1回転方向に回転するよう前記第1駆動モータ115を駆動した際に、前記第1可動体50が第1位置を超えて上方移動すると、前記ラック部105に対して作動ギア部123が噛み合う噛合位置に円弧状部124が到来して、該作動ギア部123とラック部105との噛合が解除される。これにより、前記第1可動体50の下方移動の規制が解除されるから、該第1可動体50が第1位置から自重で落下する。このように、実施例に係る可動演出装置40では、前記作動ギア部123およびラック部105の噛合が解除されることで、第1可動体50が自重により落下するようにしたから、第1可動体50が第1位置から第2位置まで素早く移動するインパクトのある可動演出を行うことができる。このとき、前記第1可動体50を素早く下方移動させるために前記第1駆動モータ115を駆動制御する必要がないから、該第1駆動モータ115の駆動制御を簡略化でき、制御負荷や製品コストの軽減に寄与することができる。また、前記回転ギア部材121を回転させるだけで、前記作動ギア部123およびラック部105を係合状態から係合解除状態に切り替えることができる。すなわち、前記回転ギア部材121を回転させるだけで、第1可動体50を任意に上下移動させたり、第1可動体50を落下させたりすることができるから、可動演出装置40の構造を簡略化し得る。しかも、回転ギア部材121を回転させる1つの第1駆動モータ115だけで第1可動体50を作動させ得るので、コストを抑えることができる。
【0067】
また、第1位置から落下する第1可動体50が第2位置に近づくと、該第1可動体50(ベース体51)に設けた左右の受け部58に、前記設置部材30に配設されたダンパ部材35の支持ヘッド38が当接して、該第1可動体50の落下衝撃を緩衝しつつ第2位置で停止するよう構成されているから、自重により落下した第1可動体50の損傷を効果的に防止し得る。ここで、前記第1可動体50の左右両端部に前記ダンパ部材35が略同一のタイミングで当接するようにしたから、第1可動体50を略水平姿勢のまま安定的に停止させることができる。また、前記ダンパ部材35に当接する受け部58を前記第1可動体50におけるベース体51に設けたから、該ベース体51の前側に設けた可動体装飾部60が破損したり、疵付いたりするのを防止することができる。更に、金属製のベース体51を折曲して前記受け部58を形成すると共に、該受け部58の折曲げ部分に凹部を設けて剛性を高めてあるから、第1可動体50の落下演出に伴い受け部58が折曲げ部分を中心として変形するのを効果的に防止することができ、第1可動体50を落下させた際にダンパ部材35により緩衝することが可能となる。
【0068】
ここで、実施例の可動演出装置40では、前記第1可動体50の右端部側にラック部105が設けられると共に、該第1可動体50におけるラック部105とは反対となる左端部側に第2駆動モータ83が設けられている。これにより、左右に長尺な第1可動体50の左右の重量バランスが安定するから、ラック部105および作動ギア部123の係合が解除された際に、第1可動体50が傾くことなく略平行な姿勢で第1可動体50を落下させることができる。そして、前記可動体装飾部60を略左右対称な形態で前記第1可動体50に設けたことで、該第1可動体50の左右の重量バランスが安定し、第1可動体50を傾くことなく安定した姿勢で落下させることができる。
【0069】
次に、前記第2位置に落下した第1可動体50を第1位置へ上方移動させる場合について説明する。前記第1可動体50が落下して第2位置に移動した状態では、前述のように回転ギア部材121の円弧状部124が噛合位置に位置して、前記ラック部105と作動ギア部123との噛合が解除されている。この状態で前記第1駆動モータ115を駆動して前記回転ギア部材121が第1回転方向へ回転すると、該回転ギア部材121における作動ギア部123の第1切替端部123aが噛合位置へ移動して、噛合位置に臨む前記ラック部105の上部に作動ギア部123が噛合し、これにより第1可動体50を第1位置へ上方移動させ得るようになる。このように、実施例の可動演出装置40では、第2位置に落下した第1可動体50を上方移動させることができるから、第1可動体50を再び第1位置まで上昇させて第1可動体50を落下させる演出を行うことができる。そして、前記第2位置へ落下した第1可動体50を第1位置に復帰させる機構を別途設けることなく、前記回転ギア部材121を単に第1回転方向へ回転するだけでよいから、可動演出装置40の構造を簡略化し得ると共にコストを抑制することができる
【0070】
また、前記回転ギア部材121を第1回転方向に回転させた際には、前記作動ギア部123の第1切替端部123aが噛合位置へ移動する前に、該回転ギア部材121に設けられた係止部125が前記ラック部105の係合突部107に下側から当接してラック部105が上方へ押し上げられ、該ラック部105が押し上げられた状態で作動ギア部123の第1切替端部123aが噛合位置に移動してラック部105と噛合するよう構成されている。すなわち、前記第1可動体50が自重により第2位置に落下した状態では、該第1可動体50が常に一定の高さ位置で停止保持されているとは限らないことから、この状態で前記作動ギア部123の第1切替端部123aを噛合位置に移動させてラック部105に直接噛合させると、作動ギア部123とラック部105とが適切に噛み合わず両部材に大きな負荷が掛かる可能性がある。そこで、実施例のように、前記作動ギア部123の第1切替端部123aが噛合位置へ移動する前に前記ラック部105を上方へ押し上げることで、作動ギア部123とラック部105とを常に一定の位置関係になるよう矯正することができ、当該作動ギア部123をラック部105にスムーズに噛合させることができ、作動ギア部123やラック部105に無理な負荷が掛かるのを防止することが可能になる。
【0071】
ところで、前記第1可動体50が第2位置に位置ある状態では、前記回転ギア部材121を第2回転方向に回転させて作動ギア部123の第2切替端部123bが噛合位置に移動してラック部105に噛合すると、該ラック部105が移動不能な下方へ押し下げられることになる。そこで、実施例では、前記回転ギア部材121を第2回転方向に回転させた際には、前記作動ギア部123の第2切替端部123bが噛合位置に移動する前に、該回転ギア部材121に設けた回転規制突部126が前記ストッパ130の規制アーム130bに当接して回転ギア部材121の第2回転方向への回転を阻止するよう構成してあるから、第2位置にある第1可動体50のラック部105に作動ギア部123の第2切替端部123bが噛合することはなく、第1可動体50やラック部105が破損するのを防止することができる。
【0072】
次に、第2可動体75,77による可動演出および発光演出を行う場合について説明する。前記第2駆動モータ83を駆動すると、左側の第2可動体75が回転軸64と一体的に回転し、該回転軸64の回転に伴って右側の第2可動体77が回転する。このように、実施例では、左右の第2可動体75,77を1つの回転軸64で連結して一体的に回転するよう構成したことで、該左右の第2可動体75,77を1つの駆動源で回転させることができ、部品点数が少なくなってコストを抑制することができる。そして、前記第1可動体50を上下移動させるタイミングや、第1可動体50を第1位置から落下させるタイミングに合わせて左右の第2可動体75,77を回転させることで、第1可動体50および第2可動体75,77による多彩な可動演出を提供し得るから、遊技の興趣を更に高めることができる。
【0073】
また、前記左右の第2可動体75,77に挿入された第1LED基板65の左発光領域および右発光領域を発光すると、両発光領域から光が前方に照射されて、左右の第2可動体75,77が内側から明輝される。これにより、左右の第2可動体75,77の回転による動作演出と、該第2可動体75,77の発光による発光演出とを組み合わせた多彩な演出が可能となる。このとき、前記第1LED基板65は、前記左右の第2可動体75,77を支持する第2設置部63(基体部61)を覆うように配設されて、該第2設置部63の周りを第2可動体75,77が回転するよう構成されているから、第1LED基板65が第2可動体75,77と共に回転することはなく、第1LED基板65に接続される配線98やフラットケーブル97が絡まることはない。
【0074】
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、第2駆動モータ(第2の駆動手段)の駆動により第2可動体を回転させる構成とした。しかしながら、必ずしも第2可動体を第2駆動モータで回転させる必要はなく、第2可動体が第1可動体の上下移動に連動して回転する構成としてもよい。例えば、
図22に示すように、前記設置部材や遊技盤の後面に上下に延在する第2のラック部150を設けて、左側の第2可動体75に設けたギア部76に対して第2のラック部150が噛合するよう構成すれば、第2駆動モータを設けることなく第1可動体50の上下移動に連動して第2可動体75,77を回転させることができる。これにより、第2駆動モータが不要となるから、部品点数が少なくなってコストを抑えることが可能となる。しかも、第1可動体50の移動に伴ってギア部76が回転する構成とすることで、第1可動体50の移動速度に応じて第2可動体75,77の回転速度を変化させることができる。従って、例えば第1可動体50が落下する場合には、第2駆動モータを設けることなく第2可動体75,77を高速で回転させることができ、インパクトのある可動演出を行うことができる。なお、
図22中において実施例と同一の構成には同一の符号を付してある。
(2) 実施例では、切替手段としての回転ギア部材に第2係合手段としての作動ギア部を形成して、回転ギア部材が回転することで、第1係合手段(ラック部)および第2係合手段の係合状態が切り替わる構成とした。第1係合手段および第2係合手段の係合状態を切り替える切替手段としては、このような構成に限られるものではなく、例えば、切替手段としての回転ギア部材を軸方向や第1係合手段(ラック部)に対し近接・離間する方向に移動させる機構を別途設けて、回転ギア部材(作動ギア部)を第1係合手段に噛合する位置と第1係合手段との噛合が解除される位置とに変位させるようにしてもよい。この場合、作動ギア部は、回転ギア部材の全周に亘って形成してもよい。
(3) 実施例では、第1可動体は自重で直線的に下方移動する構成としたが、第1可動体が自重で移動する構成であれば、例えば、第1可動体が自重で斜め下方へ移動したり、第1可動体が曲線的に移動してもよい。また、第1可動体の一端側を軸支して、第1可動体が自重で回動する構成を採用することも可能である。何れの場合も、ガイド部は、第1可動体の移動軌跡に沿って延在して、第1可動体の移動を案内するよう構成される。
(4) 実施例では、左側の連結スライダ(第2ガイド)と第1可動体との連結部が左右に移動可能に構成したが、左右何れの第2ガイドも第1可動体に対し左右に移動可能に構成してもよい。また、実施例では、第1可動体の右縁部側にラック部を設けたが、第1可動体の左縁部側にラック部を設けてもよい。
(5) 実施例では、ガイド部として所謂ボール軸受構造を採用したが、ガイド部の構成としては、上下に延在する第1ガイドに沿って第2ガイドが移動する構成であれば、他の構成を採用することができる。
(6) 実施例では、回転ギア部材の作動ギア部の一部に円弧状凹部を形成することで作動ギア部を形成して、作動ギア部および連繋ギア部を一体的に形成したが、作動ギア部および連繋ギア部を軸方向に離間して形成したり、作動ギア部および連繋ギア部を夫々異なる部材に形成してもよい。
(7) 実施例では、当接手段(受け部)を第1可動体に設けると共に、衝撃吸収手段(ダンパ部材)を固定部材(設置部材)に設けた構成としたが、当接手段を固定部材に衝撃吸収手段を第1可動体に夫々設けてもよい。また、実施例では、衝撃吸収手段を固定部材としての設置部材に設置したが、固定部材としては、第1可動体が相対移動するものであればよく、例えば、遊技盤の後面や可動演出装置の他の部材を固定部材とすることができる。更に、実施例では、衝撃吸収手段としてダンパ部材を採用したが、衝撃吸収手段としては、第1可動体の衝撃を吸収し得るものであればよく、例えば、各種バネやゴム等の弾性力により第1可動体の衝撃を吸収する構成を採用することができる。なお、当接手段および衝撃吸収手段の数は、実施例のものに限られず、任意の数の当接手段および衝撃吸収手段を設けることができる。また、当接手段および衝撃吸収手段を省略することも可能である。
(8) 実施例では、回転する第2可動体を第2可動体として採用したが、第2可動体は必ずしも回転する必要はなく、第2可動体が第1可動体に対して相対的に直線移動したり、揺動したりするようにしてもよい。また、第2可動体は、1つであっても、3つ以上であってもよい。
(9) 実施例および変更例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機等の従来公知の各種遊技機を採用し得る。