(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956226
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】アウトリガ装置
(51)【国際特許分類】
B66C 23/78 20060101AFI20160714BHJP
B60S 9/22 20060101ALI20160714BHJP
B60S 9/12 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
B66C23/78 C
B60S9/22
B60S9/12
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-91217(P2012-91217)
(22)【出願日】2012年4月12日
(65)【公開番号】特開2013-220860(P2013-220860A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】100089222
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 康伸
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100175400
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 伸
(72)【発明者】
【氏名】津山 暢之
【審査官】
筑波 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−274783(JP,A)
【文献】
特開平08−142810(JP,A)
【文献】
米国特許第05348171(US,A)
【文献】
実開平02−143260(JP,U)
【文献】
特開平10−297875(JP,A)
【文献】
特開平09−272411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/78
B60S 9/12
B60S 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アウトリガ外箱の内部にアウトリガ内箱が挿入され、テレスコピック状に構成された横アウトリガと、
前記アウトリガ内箱の先端に連結され、前記横アウトリガの長尺方向と垂直な面内で回転可能な縦アウトリガと、
前記アウトリガ内箱を引き込んだ状態で、該アウトリガ内箱の張り出しを制限するロック装置と、を備え、
前記アウトリガ外箱の先端上部に、前記アウトリガ内箱を引き込んだ場合に跳ね上げた状態の前記縦アウトリガが挿入される切欠きが形成されており、
前記切欠きは、前記縦アウトリガの回転軸よりも上方において挿入された該縦アウトリガの回転方向の側部を挟む形状を有しており、該縦アウトリガの回転方向の側部との隙間が該縦アウトリガの挿入が妨げられない程度に狭く形成されている
ことを特徴とするアウトリガ装置。
【請求項2】
前記アウトリガ外箱の先端には、前記アウトリガ内箱を支持する部材であって前記切欠きに対応する位置に間隙が形成された反力支持部材が設けられており、
前記縦アウトリガの前記切欠きへの挿入を妨げずに前記反力支持部材の前記間隙を繋ぎ合わせる補強部材が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載のアウトリガ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウトリガ装置に関する。さらに詳しくは、格納時に縦アウトリガを上方に配置できるアウトリガ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7に示すように、積載形トラッククレーン101は、汎用トラック110の運転室111と荷台112との間の車両フレーム113に小型クレーン120が搭載されたものである。小型クレーン120は、車両フレーム113上に固定されたベース121にアウトリガ装置122が備えられている。
【0003】
一般に、アウトリガ装置122は、ベース121に固定された横アウトリガ123と、横アウトリガ123に上端部が固定された縦アウトリガ124とで構成されている。そして、作業開始時には横アウトリガ123を張り出し、縦アウトリガ124を伸長して下端のフロートを接地させる。これにより、積載形トラッククレーン101の安定が確保される。また、作業終了時には、縦アウトリガ124を収縮し、横アウトリガ123を引き込んで、アウトリガ装置122を格納する。
【0004】
従来のアウトリガ装置122は、格納時の縦アウトリガ124の最低地上高さhが、積載形トラッククレーン101の走行時に障害とならない範囲で可能な限り低くなるように取り付けられている。しかし、車両フレーム113には、バッテリー、エアタンク等の補機類114や燃料タンク115等の装備が取り付けられているため、格納時に縦アウトリガ124がその装備114、115と干渉する恐れがある。そのため、縦アウトリガ124と干渉しない位置に装備114、115を移設した後に、小型クレーン120を汎用トラック110に搭載する必要があった。
【0005】
これに対して、特許文献1に記載のアウトリガ装置は、格納時に縦アウトリガを車両フレームより上方に配置できる構成とし、装備を移設せずとも小型クレーンを汎用トラックに搭載できるようにしたものである。
【0006】
図8に示すように、特許文献1に記載のアウトリガ装置210は、横アウトリガ211と、横アウトリガ211に連結された縦アウトリガ212とで構成されている。横アウトリガ211は、アウトリガ外箱213と、アウトリガ外箱213の内部に挿入されたアウトリガ内箱214とから構成されており、縦アウトリガ212は、アウトリガステー215と、アウトリガステー215の内部に設けられたアウトリガシリンダ216とから構成されている。アウトリガステー215の基端部にはボス218が横アウトリガ211側に向けて突設されており、このボス218がアウトリガ内箱214の側端のプレート219に設けた軸受220に回転可能に支承されて回転機構を構成している。
【0007】
図9に示すように、プレート219には、軸受220を中心として左右対称に2つのピン孔221、221が設けられており、アウトリガステー215のピンブラケット223にはピン孔221に嵌脱するピン222が設けられている。
【0008】
作業開始時には、まず横アウトリガ211を車幅方向へ張り出す。このとき縦アウトリガ212は上方に保持されている(
図9における実線)。つぎに、ピン222をピン孔221から抜き、縦アウトリガ212を下方へ180°回転させ(
図9における二点鎖線)、ピン222を反対側のピン孔221に挿入する。そして、アウトリガシリンダ216を伸長してフロート217を接地させて、積載形トラッククレーンの安定を確保する。
作業終了時には、まずアウトリガシリンダ216を収縮させ、ピン222をピン孔221から抜き、縦アウトリガ212を上方へ180°回転させ、ピン222を反対側のピン孔221に挿入して縦アウトリガ212を上方に保持する。そして、横アウトリガ211を引き込んでアウトリガ装置210を格納する。
【0009】
図8に示すように、アウトリガ装置210は、格納時には最低地上高さhが車両フレーム201の上面の高さHより高くなる。そのため、燃料タンク202等の装備と縦アウトリガ212との干渉が生じることはなく、小型クレーンを汎用トラックに搭載するときに装備202の移設は不要であり、容易に搭載することができる。
【0010】
ところで、走行の安全のために、アウトリガ装置の格納状態においては、縦アウトリガを積載形トラッククレーンの車幅より内側に引き込む必要がある。
この点、上記従来のアウトリガ装置210は、縦アウトリガ212が、横アウトリガ211の先端面の前方(
図8における左右)に配置されており、横アウトリガ211の寸法を積載形トラッククレーンの車幅より短くし、格納状態において縦アウトリガ212が車幅内に収まるように構成されている。
このように、横アウトリガ211の寸法が短いため、横アウトリガ211の張り出し幅が狭くなり、その分だけ、アウトリガ装置210を接地状態としたときの積載形トラッククレーンの安定性が低くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−274783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記事情に鑑み、張り出し幅が広いアウトリガ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明のアウトリガ装置は、アウトリガ外箱の内部にアウトリガ内箱が挿入され、テレスコピック状に構成された横アウトリガと、前記アウトリガ内箱の先端に
連結され、前記横アウトリガの長尺方向と垂直な面内で回転可能
な縦アウトリガと、
前記アウトリガ内箱を引き込んだ状態で、該アウトリガ内箱の張り出しを制限するロック装置と、を備え、前記アウトリガ外箱の先端上部に、前記アウトリガ内箱を引き込んだ場合に跳ね上げた状態の前記縦アウトリガが挿入される切欠きが形成されて
おり、前記切欠きは、前記縦アウトリガの回転軸よりも上方において挿入された該縦アウトリガの回転方向の側部を挟む形状を有しており、該縦アウトリガの回転方向の側部との隙間が該縦アウトリガの挿入が妨げられない程度に狭く形成されていることを特徴とする。
第2発明のアウトリガ装置は、第1発明において、前記アウトリガ外箱の先端には、前記アウトリガ内箱を支持する部材であって前記切欠きに対応する位置に間隙が形成された反力支持部材が設けられており、前記縦アウトリガの前記切欠きへの挿入を妨げずに前記反力支持部材の前記間隙を繋ぎ合わせる補強部材が設けられていることを特徴とする
。
【発明の効果】
【0014】
第1発明によれば、アウトリガ外箱の切欠きに縦アウトリガを挿入してアウトリガ内箱を引き込めるので、横アウトリガの寸法を作業車両の車幅まで長くすることができる。そのため、アウトリガ装置の張り出し幅が広くなる。
切欠きが縦アウトリガの回転を制限するので、格納時に縦アウトリガが回転しないように保持できる。ロック装置によりアウトリガ内箱を引き込んだ状態で保持でき、それにより縦アウトリガの回転を制限できる。そのため、ロック装置によりアウトリガ装置を格納した状態で保持できる。
第2発明によれば、補強板により反力支持部材が補強されているので、アウトリガ装置を接地した際に加わる反力により反力支持部材の間隙が開くことを防止でき、アウトリガ内箱を支持することができる
。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るアウトリガ装置の格納した状態における正面図である。
【
図2】同アウトリガ装置の格納した状態における、(a)正面視部分拡大図、(b)縦断面図である。
【
図3】同アウトリガ装置の接地した状態における、(a)正面視部分拡大図、(b)縦断面図である。
【
図4】同アウトリガ装置の(a)格納した状態、(b)接地した状態における平面視部分拡大図である。
【
図5】同アウトリガ装置の(a)格納した状態、(b)接地した状態における側面図である。
【
図6】同アウトリガ装置の接地した状態における正面図である。
【
図7】一般的な積載形トラッククレーンの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るアウトリガ装置1は、積載形トラッククレーンに積載される小型クレーンに備えられるものである。小型クレーンは、ベースbを有しており、そのベースbにアウトリガ装置1が固定されている。
【0017】
アウトリガ装置1は、ベースbの左右に水平に設けられた一対の横アウトリガ10、10と、各横アウトリガ10に連結された縦アウトリガ20とを備えている。横アウトリガ10は、アウトリガ外箱11とアウトリガ内箱12とからなり、アウトリガ外箱11の内部にアウトリガ内箱12が挿入され、テレスコピック状に構成されている。また、縦アウトリガ20は、縦アウトリガ20を伸縮させるジャッキシリンダ21と、ジャッキシリンダ21のロッド先端に設けられたフロート22とを備えている。
なお、汎用トラックの車両フレームfにアウトリガ外箱11の底面が固定されることにより、小型クレーンが汎用トラックに搭載され、積載形トラッククレーンが構成される。
【0018】
図2および
図3に示すように、アウトリガ内箱12の先端面には回転軸13が突設されている。一方、ジャッキシリンダ21のキャップ側端部には軸受23が設けられている。そして、軸受23が回転軸13に回転可能に嵌合することにより、縦アウトリガ20がアウトリガ内箱12の先端に回転可能に連結されている。そのため、縦アウトリガ20を横アウトリガ10の長尺方向と垂直な面内で回転させることにより、縦アウトリガ20を跳ね上げた状態(
図2参照)と、降ろした状態(
図3参照)とでその姿勢を変えることができる。
【0019】
図4に示すように、アウトリガ外箱11の先端部の上面には切欠き14が形成されている。この切欠き14はアウトリガ内箱12をアウトリガ外箱11の内部に引き込んだ場合(
図4(a)参照)に、跳ね上げた状態のジャッキシリンダ21が挿入される形状となっている。本実施形態においてジャッキシリンダ21の外形は円筒形であるため、切欠き14はアウトリガ外箱11の先端に開いた略U字形となっている。なお、油圧配管をジャッキシリンダ21の外側に沿って設ける場合には切欠き14をコの字形としてジャッキシリンダ21と切欠き14との隙間にその配管が収まるようにするなど、切欠き14を他の形状としてもよい。
【0020】
また、切欠き14は、挿入されたジャッキシリンダ21の回転方向の側部(
図4における上下の側部)を挟む形状を有している。すなわち、ジャッキシリンダ21の回転方向の側部と切欠き14との隙間は、ジャッキシリンダ21の挿入が妨げられない程度に狭く形成されている。
【0021】
図5に示すように、アウトリガ外箱11の先端には反力支持部材15が設けられている。この反力支持部材15は、アウトリガ装置1を接地した際にアウトリガ内箱12から加わる反力を受け止め、アウトリガ内箱12を支持する役割を担う。反力支持部材15は切欠き14に対応する位置に間隙が形成されており、ジャッキシリンダ21の切欠き14への挿入を妨げない形状となっている。
【0022】
図3および
図4に示すように、アウトリガ外箱11の先端部の上面には補強板16が設けられている。補強板16には切欠き14と同形状の切欠きが形成されている。補強板16の先端は反力支持部材15に接合されており、反力支持部材15の間隙を繋ぎ合わせている。また、アウトリガ外箱11の先端部の内部には、切欠き14の周囲に補強板17が設けられている。補強板17は平面視において切欠き14と同形状の略U字形の部材であり、その両端が反力支持部材15に接合されており、反力支持部材15の間隙を繋ぎ合わせている。なお、アウトリガ外箱11の内部には、油圧配管などを配置する空間を確保するスペーサ18が設けられており、補強板17はアウトリガ外箱11の上面とスペーサ18との間に設けられ、それらを接合している。
【0023】
以上のように補強板16、17は切欠き14の周囲に形成されており、ジャッキシリンダ21の切欠き14への挿入を妨げない形状となっている。これらの補強板16、17により反力支持部材15が補強されており、アウトリガ装置1を接地した際に加わる反力により反力支持部材15の間隙が開くことを防止できる。そのため、反力支持部材15によりアウトリガ内箱12を支持することができる。
なお、補強板16、17は特許請求の範囲に記載の補強部材に相当する。補強部材としては、ジャッキシリンダ21の切欠き14への挿入を妨げずに反力支持部材15の間隙を繋ぎ合わせる部材であれば、他の形状の部材を用いてもよい。
【0024】
図2に示すように、反力支持部材15の上縁には舌片31が突設されている。また、ジャッキシリンダ21の側部には、舌片31に係止する回動爪32が回動可能に取り付けられている。これら舌片31と回動爪32によりロック装置30が構成されている。
アウトリガ内箱12をアウトリガ外箱11の内部に引き込むと、回動爪32が舌片31に係止しアウトリガ内箱12の張り出しが制限される。また、回動爪32を回動させると制限が解除され、アウトリガ内箱12を張り出し可能にできる。
【0025】
また、
図3に示すように、軸受23には、固定ピン40が設けられている。固定ピン40は、ピン41と、軸受23に固定されピン41を褶動自在に支持する筒状部材42とからなる。そして、ピン42の先端が軸受23の内周面から、突出、引込可能となっている。回転軸13の外周面には嵌合穴43が形成されており、縦アウトリガ20を降ろした状態において、ピン41の先端が嵌合する位置に形成されている。そのため、ピン41の先端を嵌合穴43に嵌合させることにより、縦アウトリガ20を降ろした状態で姿勢を維持できる。なお、縦アウトリガ20を降ろした状態で姿勢を維持できる構成であれば、他の構成の固定手段を用いてもよい。
【0026】
上記アウトリガ装置1は以下の手順で操作される。
アウトリガ装置1を接地させるには、まずロック装置30を解除し、アウトリガ内箱12をアウトリガ外箱11から抜き出して、横アウトリガ10を車幅方向(
図1における左右方向)へ張り出す。横アウトリガ10の張り出しは手作業で行うか、横アウトリガ10に備えられた油圧シリンダにより行われる。つぎに、縦アウトリガ20を下方へ回転させ、降ろした状態にし、固定ピン40で縦アウトリガ20を固定する。そして、
図6に示すように、ジャッキシリンダ21を伸長して、フロート22を接地させる。
【0027】
一方、アウトリガ装置1を格納するには、まずジャッキシリンダ21を収縮する。つぎに、固定ピン40の固定を解除し縦アウトリガ20を上方へ回転させ、跳ね上げた状態にする。そして、
図1に示すように、アウトリガ内箱12をアウトリガ外箱11の内部に引き込んで、アウトリガ装置1を格納する。
【0028】
ここで、アウトリガ外箱11の切欠き14にジャッキシリンダ21を挿入してアウトリガ内箱12を引き込めるので、縦アウトリガ20を横アウトリガ10の先端面より内側に引き込める。そのため、左右の横アウトリガ10、10およびベースbを合わせた寸法Lを積載形トラッククレーンの車幅まで長くすることができる。すなわち、アウトリガ外箱11およびアウトリガ内箱12の寸法を長くすることができる。そのため、アウトリガ装置1の張り出し幅が広くなり、その分積載形トラッククレーンを安定して支えることができる。
【0029】
また、切欠き14が縦アウトリガ20の回転を制限するので、格納時にジャッキシリンダ21が回転しないように保持できる。すなわち、切欠き14が縦アウトリガ20の回転を制限する機能を有しており、他に縦アウトリガ20の回転を制限する機構を設ける必要がない。
そして、ロック装置30によりアウトリガ内箱12を引き込んだ状態で保持でき、それにより縦アウトリガ20の回転を制限できる。そのため、ロック装置30のみでアウトリガ装置1を格納した状態で保持できる。
【0030】
また、縦アウトリガ20を降ろした状態では、アウトリガ外箱11の先端部の底面と縦アウトリガ20とが干渉するので、アウトリガ内箱12をアウトリガ外箱11に引き込めない。そのため、操作ミスなどにより縦アウトリガ20が汎用トラックの装備に接触するなどの不具合を防止できる。
【0031】
また、縦アウトリガ20を跳ね上げた状態では、縦アウトリガ20は横アウトリガ10の底面より上方に配置される。そのため、汎用トラックの他の装備と縦アウトリガ20とが干渉することはなく、小型クレーンを汎用トラックに搭載するときに装備の移設は不要であり、容易に搭載することができる。
【0032】
ことろで、アウトリガ装置の張り出し幅を広くするための構成として、左右の横アウトリガを前後にずらして配置し横アウトリガの寸法を長くする構成や、縦アウトリガを跳ね上げた状態において横アウトリガの先端部の側方に位置するようにして横アウトリガの寸法を長くする構成なども考えられる。しかし、これらの構成の場合、アウトリガ装置1の前後幅が長くなり、小型クレーンの操作レバーを配置するスペースを確保できなくなる。
【0033】
この点、本実施形態に係るアウトリガ装置1は、格納した状態では、縦アウトリガ20は横アウトリガ10の前後幅内に収まっており、横アウトリガ10より前後に突出していない(
図5(a)参照)。このように、アウトリガ装置1は前後幅が短い形状であるため、小型クレーンの操作レバーを配置するスペースを確保できる。
【0034】
なお、上記実施形態は、小型クレーンに備えられるアウトリガ装置を例に説明したが、本発明のアウトリガ装置は、クレーン車や高所作業車など、種々の作業車両のアウトリガ装置として採用できる。
【符号の説明】
【0035】
1 アウトリガ装置
10 横アウトリガ
11 アウトリガ外箱
12 アウトリガ内箱
13 回転軸
15 反力支持部材
16 補強板
17 補強板
20 縦アウトリガ
21 ジャッキシリンダ
22 フロート
23 軸受
30 ロック装置
31 舌片
32 回動爪