【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、噴射用液体が噴射される噴射ノズルの数を変更できるようにしてある。具体的には、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
本体ハウジングの所定面に使用者を支承するマッサージ面が構成され、前記本体ハウジング内に配設された噴射ノズルから前記マッサージ面に向けて噴射用液体を噴射するようにした液体式マッサージ装置において、
前記本体ハウジング内に、内部に噴射用液体が供給されると共に所定の回転軸線を中心にして回転駆動されるドラムが配設され、
前記ドラム
の頂壁部材に、前記回転軸線と偏心した位置において、前記ドラム内に連通されて前記噴射ノズルの吐出口とされる複数の第1開口部
が該回転軸線の周方向に間隔をあけて形成され、
前記ドラム内に、前記回転軸線を中心
に回転可能に保持されて、該ドラム内に供給される噴射用液体の圧力を受けたときに該ドラム
の前記頂壁部材に圧着されて該ドラムと一体回転される
一方、該ドラム内に噴射用液体が供給されない状態においては該ドラムに対する該回転体の圧着が解放されることにより該ドラムの回転に応じて該ドラムに対して相対回転される回転体が配設され、
前記回転体に、前記回転軸線と偏心した位置において、それぞれ前記第1開口部と整合されたときに噴射用液体を噴射する前記噴射ノズルを構成するための複数の第2開口部が該回転軸線の周方向に間隔をあけて形成され、
前記回転体の前記ドラムに対する相対回転位置を変更することにより、前記第1開口部と前記第2開口部とが整合される整合数が変更されることにより、前記噴射ノズルの数が変更可能とされ、
前記複数の第2開口部として互いに有効開口面積の相違するものが含まれるように設定されて、前記第1開口部と前記第2開口部とが整合された数が多いときは少ないときに比して、整合関係にある該第1開口部と該第2開口部とによって決定される有効開口面積が小さくなるようにされている、
ようにしてある。
【0009】
上記解決手法によれば、噴射用液体を供給しない状態でドラムを回転させる(正転あるいは逆転させる)と、回転体は慣性によってその場にとどまろうとするため、ドラムに対する回転体の相対回転位置が変更されることになる。そして、この相対回転位置を変更することによって、噴射用液体が噴射される第1開口部の数つまり噴射ノズルの数を実質的に変更することができる。このように、噴射ノズル数を変更することによって、刺激感を大きく変更することができる。
【0010】
以上に加えて、互いに整合された第1開口部と第2開口部とによって噴射ノズルが構成されるようにし
つつ、第1開口部と第2開口部との整合によって、噴射用液体の噴射方向に極力長い通路構成として確保するができ、噴射ノズルの指向性を高める上でも好ましいものとなる。
【0011】
さらに、噴射用液体が噴射される噴射ノズルの数が多くなるときは、その全体的な有効開口面積が大きくなりすぎないようにすることができる。このことは、噴射用液体を圧送するためのポンプの能力限界を考慮しつつ、全体的な有効開口面積が大きくなり過ぎてしまって、噴射圧力や噴射流量が低減し過ぎる等の事態を防止する上で好ましいものとなる。
【0012】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記回転体が前記ドラムに対して所定角度範囲だけ相対回転可能とされ、
前記回転体を前記ドラムに対して所定方向に相対回転させた一方側ストローク端位置では、前記第1開口部と前記第2開口部とが整合される整合数が少ない第1整合状態とされ、
前記回転体を前記ドラムに対して所定方向とは反対方向に相対回転させた他方側ストローク端位置では、前記第1開口部と前記第2開口部とが整合される整合数が多い第2整合状態とされる、
ようにしてある(請求項
2対応)。この場合、噴射用液体が噴射される噴射ノズルの数が多い状態と少ない状態との2種類という簡単な設定とすることができる。また、回転体のドラムに対する相対回転位置を、一方側ストローク端位置と他方側ストローク端位置という2二者択一で選択できればよく、その相対回転位置を精度よく所望のものにする上でも好ましいものとなる。
【0013】
前記第1開口部が2つされ、
前記第1整合状態では、前記第1開口部と前記第2開口部とが整合される整合数が1つとされ、
前記第2整合状態では、前記第1開口部と前記第2開口部とが整合される整合数が2つとされる、
ようにしてある(請求項
3対応)。この場合、噴射用液体が噴射される噴射ノズルの数を、1つと2つとの間で変更することができる。
【0014】
前記第2開口部として、互いに有効開口面積の異なる大径第2開口部と小径第2開口部とが設定され、
前記第1開口部の有効開口面積が、前記大径第2開口部の有効開口面積以上の大きさとされ、
前記第1整合状態では、前記大径第2開口部のみが前記第1開口部に整合され、
前記第2整合状態では、前記小径第2開口部のみが前記第1開口部に整合される、
ようにしてある(請求項
4対応)。この場合、複数の第2開口部間での有効開口面積の大きさ相違の設定によって、請求項
2に対応した効果を得ることができる。
【0015】
前記ドラム内に噴射用液体を供給しない状態で前記ドラムを回転駆動したときに、前記回転体が該ドラムと連れ回るのを防止する
永久磁石と磁性部材とを有する連れ回り防止手段が設けられ、
前記永久磁石と前記磁性部材との一方が前記回転体に設けられると共に、他方が前記ドラムを回転自在に保持して前記回転軸線を構成する支持軸に設けられている、
ようにしてある(請求項
5対応)。この場合、ドラム内に噴射用液体を供給しない状態で、ドラムを回転駆動させてドラムに対する回転体の相対回転位置を変更しようとしたとき、回転体がドラムにつれ回ってしまって、相対回転位置を変更できなくなってしまうような事態を防止して、噴射用液体が噴射される噴射ノズルの数を確実に変更できるようにする上で好ましいものとなる。
【0016】
また、請求項5によれば、永久磁石と磁性部材との間での磁力を利用して、連れ回りを防止することができる。
【0017】
さらに、請求項5によれば、回転体の近くに存在する支持軸を有効に利用して、磁力を利用した連れ回り防止作用を得ることができる。また、ドラムが支軸と共に移動するような場合、ドラムがどこに位置していても磁力を利用した連れ回り防止作用を得ることができる。
【0018】
前記第1開口部と前記第2開口部とが整合されたときに、前記永久磁石との間での磁力によって前記ドラムに対して前記回転体が相対回転しないようにするためのストッパ部材が設けられ、
最近接位置での前記永久磁石と前記ストッパ部材との間で作用する磁力の大きさが、最近接位置での該永久磁石と前記磁性部材との間で作用する磁力よりも小さくなるように設定されている、
ようにしてある(請求項
6対応)。この場合、永久磁石の磁力を有効に利用して、所望の相対回転位置を確実に維持させ続ける上で好ましいものとなる。
【0019】
前記第2開口部は、先端に向かうつれて徐々に先細状となるように形成されている、ようにしてある(請求項
7対応)。この場合、噴射ノズルの指向性を高める上で好ましいものとなる。
【0020】
前記マッサージ面が、水平状態とされて、患者を仰向け状態で支承できるように設定され、
前記本体ハウジング内に、該本体ハウジングの長手方向に移動される走行台車が設けられ、
前記ドラムが前記走行台車に対して回転自在に保持されて、該走行台車の走行に伴って該ドラムが前記本体ハウジングの長手方向に沿って移動される、
ようにしてある(請求項
8対応)。この場合、ドラムつまり噴射ノズルを本体ハウジングの長手方向に沿って移動させて、噴射用液体によって刺激を受ける位置を変更することができる。