特許第5956266号(P5956266)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956266
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/00 20060101AFI20160714BHJP
【FI】
   A47F3/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-158398(P2012-158398)
(22)【出願日】2012年7月17日
(65)【公開番号】特開2014-18340(P2014-18340A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100107560
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 惣一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊達道 成保
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−123466(JP,U)
【文献】 特開平05−296650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠材を四周に枠組みした上枠及び下枠と、上枠及び下枠を上下に連結した竪枠と、上枠と下枠間に嵌め込んだ面材と、棚柱を備え、竪枠には長手方向に沿い且つショーケースの内側に開口した溝部が設けてあり、棚柱は中空を有すると共に竪枠の溝部に弾性変形して係合する係合部を有し、棚柱の上端部及び下端部には棚柱の中空内に嵌入する棚柱キャップが設けてあることを特徴とするショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を陳列するショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、竪枠のショーケース内側に照明具を取付けたショーケースが開示されている。
この特許文献1には、竪枠に対する照明具の取り付けについて具体的な記載はないが、従来、照明具を取り付ける場合には、照明具の位置出しをした後に、上枠や下枠の枠材や竪枠にねじ固定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−165723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上枠や下枠の枠材や竪枠のショーケース内側に照明具を取り付けるときに、照明具の位置だしやねじ固定に手間がかかるという問題があった。また、照明具の台座やねじ等の固定部が露出する為に意匠性に劣るという問題があった。
更に、照明具から出る熱がショーケース内にこもるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、照明具の取り付けが簡単にでき、意匠性に優れ且つ照明具の熱のこもりを低減できるショーケースの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、枠材を四周に枠組みした上枠及び下枠と、上枠及び下枠を上下に連結した竪枠と、上枠と下枠間に嵌め込んだ面材と、棚柱を備え、竪枠には長手方向に沿い且つショーケースの内側に開口した溝部が設けてあり、棚柱は中空を有すると共に竪枠の溝部に弾性変形して係合する係合部を有し、棚柱の上端部及び下端部には棚柱の中空内に嵌入する棚柱キャップが設けてあることを特徴とするショーケースである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、照明具は竪枠と、上枠及び下枠の枠材との各溝部で保持しており、棚柱は竪枠の溝部で保持するので、予め設けた溝部により照明具や棚柱の取り付け位置が定まっているから、照明具や棚柱の位置出しが簡単にできる。
照明具及び棚柱は溝部で保持するので、ねじ等の固定部材をほとんど使わなく済むから、取り付けが簡単にできる。
照明具及び棚柱の固定部を溝部で保持しているので、固定部の露出を少なくできるから、意匠性に優れる。
棚柱は竪枠に保持しているので、上枠と底板とに保持している従来技術に比較して、棚柱の上下寸法を任意にでき、棚柱の寸法に精度が要求されないから棚柱の製造や組み立てが容易にできる。
照明具は竪枠の溝部が保持しているから、竪枠から照明具の熱をショーケースの外部に放熱でき、ショーケース内に熱がこもるのを低減できる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏すると共に、照明具の保持部や照明光がショーケース内を見ている顧客の目に入り難くなり、陳列物を目立たせることができる。
また、照明光はショーケースの略中央側に向けて照射するので、ショーケース内の陳列物を効率良く照らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態にかかるショーケースの図であり、図5(a)に示すB−B断面図である。
図2】本発明の実施の形態にかかるショーケースの図であり、図5(a)に示すC−C断面図である。
図3】本発明の実施の形態にかかるショーケースの図であり、図5(a)に示すD−D断面図である。
図4】本発明の実施の形態にかかるショーケースの図であり、図5(b)に示すE−E断面図である。
図5】本発明の実施の形態にかかるショーケースの図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。
図6】本発明の実施の形態にかかるショーケースの図であり、2段重ねた状態で設置した場合の縦断面図である。
図7】本発明の実施の形態にかかるショーケースの図であり、図6に示すA−A断面の右側のみを示す断面図である。
図8】本発明の実施の形態にかかるショーケースに用いられる上コーナーピースの図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は背面図、(f)は底面図、(g)は(f)に示すG−G断面図である。
図9】本発明の実施の形態にかかるショーケースに用いられる下コーナーピースの図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は背面図、(f)は底面図、(g)は(f)に示すG−G断面図である。
図10】本発明の実施の形態にかかるショーケースに用いられる天板固定具の図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態にかかるショーケース1は、図5(a)〜(c)に示すように、キャスタ付きの台2に載置してあり、上枠3と、下枠5と、上枠3及び下枠5を上下に連結した竪枠7と、パネル(面材)9、9a、9bと、上コーナーピース10と、下コーナーピース11とを備えている。
図5(b)に示すように、上枠3は、上縦枠材3a、3bと上横枠材3c、3dを四周に枠組みして平面視四角形状に形成されている。
図5(a)(c)(d)に示すように、下枠5は、下縦枠材5a、5bと下横枠材5c、5dを四周に枠組みして、上枠3と同じ平面視四角形状に形成している。
竪枠7は、上枠3の各角部と、対応する下枠5の角部間に設けて、上枠3と下枠5とを上下で連結している。
各枠材3a〜3b、5a〜5d及び竪枠7はアルミ形材製である。
上枠3と下枠5との間には、正面及び左右の側面の3面にパネル9が各々嵌め込んであり、背面には引き違いにより開閉自在な開閉パネル9a、9bが設けてある。
【0012】
図1及び図2に示すように、互いに対向する一対の上横枠材(上枠)3c、3dは、本体部12と、本体部12の内周側に一体に設けた天板載置部13とを備えている。天板載置部13は、上面13aが本体部12の上面(上枠外周側上面)12aよりも低い段状になっている。この天板載置部13には天板15が載置してあり、天板15の上面15aと本体部12の上面12aとは面一にしてある。
天板載置部13は、その下部に上横枠材3c、3bの長手方向に沿って設けた溝部17を有し、溝部17の開口部17aは斜め下側を向いており、具体的には45度斜め下向きにして、ショーケースの略中央部を向いている。開口部17aは、互いに対向する側に突設して溝の幅よりも開口を狭めている。
【0013】
前側の上横枠材3cの溝部17の開口部17aには、照明具19が長手方向に沿って取付けてあり、照明具19はLED(Light Emitting Device)である。照明具19の基部は溝部17の溝内に収納されており、照明具19はショーケース1内の略中央に向けて照射している。照明具19として用いるLEDは、一般的には照射角度が120度であるが、本実施の形態では、LEDの照射角が屈折レンズによって90度に矯正してある。
図2示すように、後側の上横枠材3dには、溝部17内にスライド自在に嵌合するスライド部材21が設けてあり、上横枠材3dの長手方向略中央位置には、スライド部材21に中棚柱22の保持具24がねじ20で固定してある。中棚柱22の下端は後述する床材29に固定した柱受具26に嵌合されている。
スライド部材21には、照明具19の配線Mを保持する配線保持空間が形成されている。
【0014】
上横枠材3c、3dの本体部12は、縦断面が中空の略T字形状を成しており、後側の上横枠材3dの本体部12には、T字を構成している脚部12cを挟む位置にパネルの上端を収納する溝部8a、8bが形成されており、溝部8a、8bには各々対応する開閉パネル9a、9bの上端が収納されて、開閉パネル9a、9bの移動を案内している。溝部8a、8bには、所定位置に穴8cが形成してある。
開閉パネル9a、9bの上端には樹脂製のカバー材55が取付けてあり、カバー材55には上方に突出する突部55aが設けてあり、所定位置で開閉パネル9a、9bを上方に持ち上げたときに突部55aが溝部8a、8bに形成した穴8cに入り、開閉パネル9a、9bをけんどんで取付け及び取外しできるようにしてある。
図1に示すように、前側の上横枠材3cの本体部12には、T字を構成している脚部12cの前側にパネル9の上端を嵌め込む嵌合溝8が形成されている。
【0015】
図4に示すように、互いに対向する一対の上縦枠材(上枠)3a、3bには、本体部12と、本体部12の内周側に天板載置部13が一体に設けてある。天板載置部13は、上面13aが本体部12の上面(上枠外周側上面)12aよりも低い段状になっている。この天板載置部13には、天板15が載置してあり、天板15の上面15aと本体部12の上面12aとは略面一にしてある。
上縦枠材3a、3bの本体部12の下面にも、パネル9の上端を嵌め込む嵌合溝8が形成されている。
尚、上縦枠材3a、3bの断面形状は上横枠材3c、3dと異なっており、本体部12の縦断面形状は略四角形状の中空部を成しており、天板載置部13の断面形状も略四角形状の中空形状を成しており、これらの中空部は連続した形状としてある。
各天板載置部13と天板15との間にはスペーサ23が介在されている。
【0016】
ここで、天板15を上枠3に固定する天板固定具14について説明する。天板固定具14は、天板15の各コーナ部に設けてあり、図4及び図10に示すように、天板係合部14aと、上枠係合部14bと、天板係合部14aと上枠係合部14bとを連結する連結部14cを備えている。天板係合部14aは断面コ字形状を成してコ字内に天板15の端部を嵌合している。上枠係合部14bは連結部14cに対して折り曲げ自在に設けてあり、図1に示すように、折り曲げて上横枠材3の溝部17の溝内に入り込ませて、上方への移動を規制している。上枠係合部14bと連結部14cとの間には穴14dが形成してあり、上枠係合部14bの曲げを容易にしている。尚、図10に示す天板固定具14は、上枠係合部14bを折り曲げる前の状態を示しており、図10の(d)(e)に示す二点鎖線で折り曲げた状態を示している。また、図1及び図2では天板固定具14は折り曲げた状態を示している。
【0017】
図1及び図2に示すように、下枠5において、互いに対向する一対の下横枠材(下枠)5c、5dには、本体部25と、本体部25の内周側に一体に設けた接地部27とを備えている。接地部27は、下側に突出してあり、その下面27bが本体部25の下面(下枠外周側下面)25bよりも低い段状になっている。この接地部27の上面27aは底板載置面になっており、上面27aには、底板29が載置してあり、底板29の上面29aと本体部25の上面25aとは略面一にしてある。
図1に示すように、下横枠材5c、5dの外周側部には、嵌合溝31が形成してあり、前側の下横枠材5cの嵌合溝31には前側のパネル9の下端が嵌合し、後側の下横枠材5dの嵌合溝31には、後側の開閉パネル9a、9bの移動を案内するレール材33を嵌合している。
図4に示すように、下縦枠材5a、5bは、図1及び図2に示す下横枠材5c、5dと類似形状であるから、下横枠材5c、5dと同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することにより、その部分の詳細な説明を省略する。
図1及び図4に示すように、下枠5の各枠材5a〜5dの接地部27は、ねじ4により台2に固定してある。
【0018】
図3及び図5に示すように、竪枠7は、平面視四角形の上枠3と下枠5の各角部に設けてあり、図3に示すように、各々、外周側部に長手方向に沿って設けたパネル嵌合溝35を有し、内周側には長手方向に沿って溝部37が設けてあり、溝部37はショーケース1の内側に向けて開口している。前側の竪枠7に設けた溝部37の開口部37aは斜め後側を向いており、具体的には45度斜め後側向きにして、後側の竪枠7に設けた溝部37の開口部37aは斜め前側を向いており、具体的には45度斜め前側向きにして、ショーケース1の略中央部を向けて開口している。開口部37aは、互いに対向する側に突設して溝の幅よりも開口を狭めている。
前側の一方の竪枠7の溝部37には、その開口部37aに照明具19が長手方向に亘って取付けてあり、照明具19はLEDである。照明具19の基部は溝部37の溝内に収納されており、ショーケース1の内側から脱着自在に開口部37aに取付けてある。照明具19は、45度斜め前側向きにしてショーケース1内の略中央に向けて照射している。
前側の他方の竪枠7の溝部37には、その開口部37aに溝部キャップ51が取付けてあり、溝部37の開口に蓋をしているが、説明の為に溝部キャップ51を取付ける場合を示したものであり、前側の一方の竪枠7の溝部37に照明具19を取り付ける場合には、前側の他方の竪枠7の溝部37にも同様に照明具19を取り付ける。
尚、前側の他方の竪枠7の溝部37の開口部37aに溝部キャップ51を取り付ける場合には、前側の一方の竪枠7の溝部37にも同様に溝部キャップ51を取り付ける。
即ち、前側の一方の竪枠7の溝部37及び前側の他方の竪枠7の溝部37には、照明具19又は溝部キャップ51を選択して取り付け自在である。
【0019】
後側の竪枠7の溝部37には、棚柱39が上下方向に亘って取り付けてある。棚柱39は基部39aと棚板ブラケット装着部39bとを有し、棚板ブラケット装着部39bには棚板ブラケット41(図5(c)参照)の後端を係止するブラケット係止材43が取り付けてある。図5(a)(c)に示すように、左右の棚板ブラケット41、41間には棚板42が載置される。
図3に示すように、棚柱39において、基部39aは竪枠7の溝部37の開口部37aに係合して固定してある。棚柱39の基部39aは中空になって弾性変形可能にしてあり、竪枠7の溝部37の開口部37aに押し込むことにより、弾性変形した後、弾性復帰して取付けてある。
棚柱39の基部39aの中空内には、棚柱39の上端と下端に棚柱キャップ53が装着してあり、基部(係合部)39aの変形を阻止して棚柱39の外れを防止してある。
溝部37の溝内には、図示していないが、上枠3に設けた照明具19の配線Mが収納されており、配線Mはショーケース1の底板の下に設けた電源に接続されている。
左右の棚柱39、39は、各々上下寸法を竪枠7の上下寸法よりも小さくしてあり、図1及び図5(d)に示すように、竪枠7の上端と棚柱39の上端との間に寸法Hをあけている。
【0020】
次に、ショーケース1の各角部に設けたコーナーピース10、11について説明する。図8に上コーナーピース10を示し、図9に下コーナーピース11を示す。図5に示すように、上コーナーピース10は、隣合う上縦枠材3a(3b)と上横枠材3c(3d)と竪枠7との3つを連結しており、一の対角位置にある一対のコーナーピース10と、他の対角位置にある一対のコーナーピースとは、同一形状で左右が異なるだけであるから、図5(b)に示す対角位置にあるコーナーピース10についてのみ説明する。
上コーナーピース10は、上縦枠材3aの中空に挿入する縦枠材挿入部10aと、上横枠材3dの中空に挿入する横枠材挿入部10bと、竪枠7の中空内に挿入する竪枠挿入部10cとを有し、各挿入部10a、10b、10cは挿入する中空の形状に対応して形成している。横枠材挿入部10bは、図8(b)に示すように、上横枠材3cの形状に対応して縦断面が略T字形状を成している。
下コーナーピース11も、左右が異なる2種類のコーナーピースがあるが、左右が異なるだけであるから、一対の対角位置にある一種類のコーナーピースについて説明する。下コーナーピース11は、図9に示すように、下縦枠材5aの中空に挿入する縦枠材挿入部11aと、下横枠材5cの中空に挿入する横枠材挿入部11bと、竪枠7の中空内に挿入する竪枠挿入部11cとを有し、各挿入部11a、11b、11cは挿入する中空の形状に対応して形成している。
【0021】
次に、本実施の形態にかかるショーケース1の組立て、作用及び効果について説明する。
本実施の形態にかかるショーケース1は、いわゆるノックダウン方式により加工業者の工場で組み立てる。組み立て手順は特に限定されないが、例えば、図1及び図4に示すように、まず、下枠材5a〜5dを下コーナーピース11と共に四周組みした下枠5の接地部27をねじ4で台2に固定する。
次に、各下コーナーピース11に竪枠7を装着し、正面及び左右の側面において下枠5及び竪枠7にパネル9を嵌め入れる。
上枠材3a〜3dを上コーナーピース10と共に四周組みした上枠3を作成し、各竪枠7の上端に上コーナーピース10の竪枠挿入部10cを竪枠上端に挿入して竪枠7に上枠3を取り付ける。その後、底板29を下枠3の接地部27の底板載置面27aに載置する。
左右の後側竪枠7には、各々、棚柱39の基部39aを溝部37の開口部37aに押し込んで溝部37に取り付け、各棚柱39の上端及び下端に棚柱キャップ53を取り付ける。
次に、後側の上横枠材3dの中間位置に、中棚柱22を配置してその下端を底板29に固定した受け具26に取付け、中棚柱22の上端に保持具24を装着し、中棚柱22の下端を受け具26に押し込みながら、保持具24を上横枠材3dの溝部17に設けたスライド部材21にねじで止める。
次に、左右の棚柱39及び中棚柱22に棚板ブラケット41を取り付けた後、棚板ブラケット41に棚板42を載置する。
その後、天板15を取り付けるが、天板15の取り付けは、天板15の各角部に天板固定具14の天板係合部14aを嵌め込み、天板15を天板固定具14と共に内周に落として上枠3の天板載置部13に載せた後、上枠係合部14bを折り曲げて上横枠材3の溝部17の溝内に入り込ませる。
最後に、開閉パネル9a、9bの下端にレール材33を取り付け、上端にカバー材55を取り付けて、開閉パネル9a、9bを後側の上横枠材3dと下横枠材5dとの間に取り付ける。
【0022】
次に、図6及び図7を参照して、2つのショーケース1a、1bを積み重ねる場合について説明する。2つのショーケース1a、1bは、各々上述したショーケース1と同種のものである。
上述したように、下ショーケース1a及び上ショーケース1bを各々組み立て、下ショーケース1aの上枠3の天板載置部13に天板15を載置しないで、上ショーケース1bの下枠5に設けた接地部27を、上枠3の天板載置部13に載置する。
これにより、下ショーケース1aの上枠3の本体部12の上面(外周側上面)12aと、上ショーケース1bの下枠本体部25の下面25bが当接し、下ショーケース1aの上枠3の内周側で、上枠本体部12の上面12aよりも低い段状の天板載置部13に接地部27の下面27bが当接することで、下ショーケース1aの上枠3に上ショーケース1bの下枠5が嵌合する。
尚、この図6及び図7に示すショーケース1a、1bでは、前側に開閉パネル9a、9bを設けてあり、上枠3の前側横枠材3cには、支え棒45を取付けてあり、支え棒45の上端を保持する保持具24はスライド部材21で前側横枠材3cの溝部17に固定してある。また、支え棒45の下端は底板29に固定した受け具26内に挿入して保持してある。
【0023】
本発明の実施の形態によれば、図1に示すように、照明具19は上枠3の前側横枠材3cの溝部17で保持すると共に図3に示すように、左の前側竪枠7の溝部37とで保持しており、棚柱39は左右の後側竪枠7の溝部37で保持しているので、予め設けた溝部17、37により照明具19や棚柱39の取り付け位置が定まっているから、照明具19や棚柱39の位置出しが簡単にできる。
照明具19は各溝部17、37で保持し、棚柱39は溝部37で保持するので、照明具19や棚柱39の固定に、ねじ等の固定部材をほとんど使わなく済むから、取り付けが簡単にできる。また、照明具19や棚柱39の固定部の露出を少なくできるから、意匠性に優れる。
棚柱39は竪枠7に保持しているので、上枠3と底板29とで保持している従来技術に比較して、棚柱39の上下寸法を任意にでき、棚柱39の寸法に精度が要求されないから棚柱39の製造や組み立てが容易にできる。
照明具19は竪枠7の溝部37が保持しているから、竪枠7から照明具19の熱をショーケース1の外部に放熱でき、ショーケース内に熱がこもるのを低減できる。特に、竪枠7はアルミ形材でできているので放熱性が高い。
【0024】
図1に示すように、上横枠材3cの溝開口部17aはショーケース1の内方で且つ斜下を向いており、前側竪枠7の溝開口部37aはショーケース内方で斜後を向いているので、各溝部17、37に取付けた照明具19の保持部や照明光が、ショーケース内を見ている顧客の目に入り難くなり、陳列物を目立たせることができる。
また、各照明具19の照明光はショーケース1の略中央側に向けて照射しているので、ショーケース1内の陳列物を効率良く照らすことができる。
【0025】
図1に示すように、下枠5の各枠材5a〜5dでは、接地部27の下面27bを下枠5の本体部25の下面25aよりも低い段状としているので、下枠5の見かけ上の見付け面の上下寸法が、本体部25のみの上下寸法として小さく見える為、外観が良い。また、台2の上面と下枠5の本体部25との間に隙間Sができるから、台2の前面板2aを外すときに、下枠5が邪魔にならない。
図3に示すように、左右の棚柱39、39は、左右の後側の竪枠7に一体に形成した溝部37に嵌合固定しているから、ねじ固定する場合に比較して固定部分の寸法を設けなくて済むので、左右の棚柱39、39は左右方向の端近くに容易に寄せることができ、図5に示すように、棚柱39、39に取り付けた棚板ブラケット41に棚板42を載せるときに、棚柱39、39が邪魔になるのを防止できる。
棚柱39、39には弾性変形可能な基部39aが設けてあり、基部39aを竪枠7の溝部37の開口部37aに押し込んで固定しているので、棚柱39、39の取り付けが容易にできる。また、取り付け後は棚柱キャップ53を棚柱39、39の上下端に嵌め込むことにより、基部39aの変形を阻止して棚柱39、39の脱落を防止できる。
図4に示すように、左右の棚柱39、39は、上下寸法を竪枠7の上下寸法よりも小さくして、竪枠7の上端と棚柱39、39の上端との間に寸法Hをあけているので、棚柱キャップ53を棚柱39の上下端に嵌め込むことができる。棚柱39は、竪枠7に設けた溝部37内に竪枠7と上コーナーピース10をねじ止めするねじ48の頭を溝部37内に隠すことができる。
【0026】
図1に示すように、上横枠材3c、3dの本体部12は、縦断面がT型形状としているので、縦断面T型の下方に突出した脚部12cにより、枠材全体を上下方向の厚み寸法とした場合と略同等の強度を得ることができるから、上横枠材3a、3bの太さを細くして所定の強度を得ることができる。
図5に示すように、上枠3の隣合う枠材3a、3c(又は3b、3d)及び竪枠7を上コーナーピース10で固定し、下枠3の隣合う枠材5a、5c(又は5b、5d)及び竪枠7を下コーナーピース10で固定しているので、ショーケース1の設置現場で枠材3a〜3d、5a〜5dや竪枠7を必要に応じてカットする寸法調整が容易にできる。
【0027】
図3に示すように、竪枠7に設けた溝部37の溝内を空間としてあり、溝部37の空間に上枠3に設けた照明具19の配線通し、溝部37に溝部キャップ51を嵌め込むことで、照明具19の配線を隠すことができる。
図1及び図3に示すように、照明具19を取り付けた前側上横枠材3cの溝部17は斜め下向きに45度傾斜し、照明具19を取り付けた前側竪枠7の溝部37は斜め後向きに45度傾斜しており、且つ照明具19のLEDの照射角度を90度としているから、この点においても、ショーケース1内の陳列物に照射光を集めることができ、照射効率を高めることができると共に、各溝部17、37が買物客の目に入り難くなり、陳列物を目立たせることができる。
図2に示すように、後側の上横枠材3dに設けた溝部17には、スライド部材21を係合して中棚柱22又は支え棒45(図6参照)の保持具を保持しているので、中棚柱22や支え棒45の取り付けが容易にできる。
【0028】
図5に示すように、ショーケース1を単独に用いる場合には、ショーケース1と台2とを別体にして台2にショーケース1を取り付けているので、図6及び図7に示すように、ショーケース1a、1bを積み重ねて設置するときに、ショーケースのみを積み重ねでき、台2の部分がないから、陳列スペースを大きくとることができる。また、ショーケース1と台2が別体であるから、台2の意匠や構造の自由度が高く、台2を店舗デザインに対応した意匠や構造にすることができる。
図2に示すように、ショーケース1には中棚柱22を設けているので、上枠3の撓みを防止できる。
天板15は天板固定具14で上枠3に固定しているので天板15の取り外しを防止できる。天板固定具14は、上枠係合部14bを折り曲げて上横枠材3の溝部17の溝内に入り込ませて、上方への移動を規制しているので、ねじ等の固定部品を用いることなく、容易に上枠3に固定できる。
パネル9の上端には樹脂製のカバー材55が取付けてあるので、開閉パネル9a、9bを開閉するときの横枠材3dとの摺れ音を低減できる。
カバー材55には上方に突出する突部55aが設けてあり、開閉パネル9a、9bを持ち上げたときに、溝部8a、8bに形成した穴8cに入り込むようにしてあるので、開閉パネル9a、9bをけんどんでの取付け及び取外しが容易にできる。
上枠縦材3c、3dの溝部17及び竪枠7の溝部37には、各々溝部キャップ51が取り付け自在であるから、照明具19や棚板39を取り付けない場合には、溝部キャップ51で蓋ができるので、溝部17、37に収納した配線Mを隠すことができる。
【0029】
図6及び図7に示すように、単体で設置するショーケース1a、1bを積み重ねて設置する場合には、下ショーケース1aの天板載置部13に上ショーケース1bの接地部27を載せて、下ショーケース1aの上枠3に上ショーケース1bの下枠5を嵌合することにより、上ショーケース1bの接地部27の外周を下ショーケース1aの上枠3の本体部12(外周側部)で囲んで保持するから、別途加工を施したり追加部品をほとんど用いることなく、上ショーケース1bの転落やずれを防止できる。
【0030】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、照明具19は、LEDに限らず、蛍光灯等であってもよい。
ショーケース1、1a、1bにおいて、棚板42、棚柱39及び中棚柱22は設置しなくても良い。
また、ショーケース1、1a、1bの前側の左右寸法が所定寸法(例えば、900mm)を越えない場合には、棚板42を使用する場合であっても、中棚柱22や支え棒45は無くとも良い。ショーケース1、1a、1bの前側の左右寸法が所定寸法を越える場合で、棚板42を使用する場合には、支え棒45は無くても良い。例えば、図6及び7に示すように、前側に開閉パネル9a、9bがある場合には支え棒45を使用することが望ましいが、図1図5に示すショーケース1のように後側に開閉パネル9a、9bがある場合には、中棚柱22が上フレームの撓みを押えることができるので支え棒45は無くても良い。
ショーケース1a、1bを積み重ねるときには、2つに限らず、3つ積み重ねても良く、積み重ねる数は制限されない。
ショーケース1は、台2に固定することに限らず、接地部27を店舗の床に直接固定しても良い。
開閉パネル9a、9bは、無くとも良い。開閉パネル9a、9bは、FIXパネルに変更しても良く、この場合は天板15を外して物品を出し入れする。
照明具19は前側の竪枠7や上横枠材3cに設けるだけでなく、後側の竪枠7や後側の上横枠材3dに取り付けても良い。
棚柱39を省いて中棚柱22を2本以上設けても良い。
パネル9はネットであっても良い。
天板15は、天板固定具14を用いないでシリコン等で上枠3に接着しても良い。
照明具19は、LEDの前に屈折レンズを設けて屈折レンズの前にフィルタを付けたものであっても良い。フィルタによりグレア(眩しさ)の軽減や光に色を付ける等の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 ショーケース
3 上枠
3a〜3d 上枠材
5 下枠
5a〜5d 下枠材
7 竪枠
9、9a、9b パネル(面材)
17 溝部
17a 溝開口部
19 照明具
37 溝部
37a 溝開口部
39 棚柱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10