(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記使用特定手段は、前記特別記録媒体を使用した遊技者の操作に応じた前記発行処理により発行した記録媒体であり、前記特別記録媒体とは異なる2次記録媒体を使用した遊技者を特定可能であり、
前記人数特定手段は、前記特別記録媒体を使用した遊技者に、前記2次記録媒体を使用した遊技者の人数を含めることを特徴とする請求項1記載の遊技場管理装置。
前記人数特定手段により前記特別記録媒体を使用した遊技者として特定された遊技者の撮像結果に対応した情報を、前記特別記録媒体を使用した遊技者として特定されていない遊技者と識別可能に管理する管理手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技場管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、新規オープンした場合や、特定の機種の設定を遊技者に有利にしたイベント開催日にのみ来場して遊技を行う遊技者も存在する。中には、遊技機の設定が遊技者に有利な場合にのみ遊技場に大人数で来場し、遊技者に有利となった遊技機を大人数で確保してしまう集団も存在する。集団で来場して獲得した遊技媒体等の利益を分配することで、多くの遊技媒体を獲得できなかった場合のリスクを分散している。
【0006】
遊技場としては、集団で来場する遊技者は通常営業日における来場がさほど見込めないことから、このような集団で来場する遊技者が多くの遊技媒体を獲得してしまうことを望んでいない。さらには、イベント開催日に集団で来場した遊技者が有利な遊技機にて遊技を行うために、常連遊技者や常連遊技者となり得る遊技者が有利な遊技機にて遊技を行う機会を失い、常連遊技者であった遊技者が来場しなくなることや、常連遊技者となり得た遊技者が常連遊技者にならなくなってしまうという不具合が発生する。このため、遊技場では、集団で来場している遊技者がどの程度の規模で来場しているかを特定したいと考えている。
【0007】
ところが、このような集団で来場した遊技者は、遊技媒体を多く獲得し易い日や遊技機(遊技機の種類)を狙って遊技を行うだけであり、不正行為を行うわけではない。このため、不正行為を特定する技術が存在するとしても、集団で来場した遊技者を特定することは難しく、集団で来場した遊技者が遊技場内にどの程度の人数で遊技を行っているかを遊技場にて特定しにくいという問題がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、集団で来場した遊技者の規模を良好に特定することができる遊技場管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の遊技場管理装置は、遊技機に対応して設けられ、遊技者が遊技にて獲得した遊技価値の大きさである獲得遊技価値の大きさを特定可能な情報を記録した記録媒体を受付ける受付手段と、前記遊技機に対応して設けられ、遊技者の操作に応じて、当該遊技者が獲得している前記獲得遊技価値の大きさを発行対象として、前記記録媒体を他の記録媒体と識別可能に発行する発行処理を実行する発行手段と、遊技を行っている遊技者を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像結果に基づき遊技者を識別する遊技者識別手段と、前記遊技者識別手段の識別結果、及び前記記録媒体の識別結果に基づいて、一の遊技者の操作に応じた前記発行処理により発行した記録媒体である特別記録媒体を使用した他の遊技者を特定する使用特定手段と、前記使用特定手段の特定結果に基づき、前記特別記録媒体を使用した遊技者の人数を特定して出力する人数特定手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0010】
請求項1記載の遊技場管理装置において、
前記使用特定手段は、前記特別記録媒体を使用した遊技者の操作に応じた前記発行処理により発行した記録媒体であり、前記特別記録媒体とは異なる2次記録媒体を使用した遊技者を特定可能であり、前記人数特定手段は、前記特別記録媒体を使用した遊技者に、前記2次記録媒体を使用した遊技者の人数を含めるようにしてもよい(請求項2)。
【0011】
請求項1又は2記載の遊技場管理装置において、
前記人数特定手段により前記特別記録媒体を使用した遊技者として特定された遊技者の撮像結果に対応した情報を、前記特別記録媒体を使用した遊技者として特定されていない遊技者と識別可能に管理する管理手段を備えるようにしてもよい(請求項3)。
【0012】
本発明の遊技場管理装置は、遊技機に対応して設けられ、遊技者が遊技にて獲得した遊技価値の大きさである獲得遊技価値の大きさを特定可能な情報を記録した記録媒体を受付ける受付手段と、前記遊技機に対応して設けられ、遊技者の操作に応じて、当該遊技者が所持している前記獲得遊技価値の大きさの一部を発行対象として前記記録媒体を他の記録媒体と識別可能に発行する分割発行処理と、前記獲得遊技価値の大きさの全てを発行対象として前記記録媒体を他の記録媒体と識別可能に発行する通常発行処理とをそれぞれ実行する発行手段と、一の遊技者の操作に応じた前記分割発行処理によって発行された記録媒体である分割記録媒体、及び、当該分割記録媒体から特定可能な獲得遊技価値の大きさの一部を発行対象として前記分割発行処理によって発行された分割記録媒体のうち、特定可能な前記獲得遊技価値の大きさが所定値よりも大きい分割記録媒体の枚数を特定する枚数特定手段と、前記枚数特定手段が特定した前記分割
記録媒体の枚数に基づいて、前記獲得遊技価値の大きさを共有して遊技を行うグループに所属する人数を特定して出力する人数特定手段と、を備えたものである(請求項4)。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、獲得遊技価値を共有した遊技者の人数を特定でき、グループで来場している遊技者の規模を特定できる。この結果、極端に大きな規模のグループで来場している遊技者が存在する場合には、所定人数までに獲得遊技価値の共有を制限する等、小さなグループでの獲得遊技価値の共有は認めつつも大規模なグループでの獲得遊技価値の共有を制限するよう遊技場側で適切な対応をとることが可能となる。また、グループで来場している遊技者を撮像結果に基づいて特定するため、例えば、同じ遊技者が複数の記録媒体を使用していたとしても、グループで来場している遊技者の人数を特定し易い。
【0014】
一の遊技者から特別記録媒体を渡された遊技者が発行した記録媒体を使用した遊技者も同じグループの遊技者として特定している。つまり、特別記録媒体からみて2次的に発行した2次記録媒体を使用した遊技者も同じグループとして特定できる。同じグループに所属している全ての遊技者が、一の遊技者から直接記録媒体を渡されるわけではないという問題があるが、請求項2の発明によれば、直接一の遊技者の獲得遊技価値を共有しなくとも他の遊技者を挟んで間接的に獲得遊技価値を共有した遊技者を同じグループの遊技者として特定できる。従って、より良好にグループ内の遊技者の人数を特定できる。
【0015】
尚、発行手段は、発行処理として、獲得遊技価値の大きさの一部を発行対象とした発行処理である分割発行処理と、獲得遊技価値の大きさの全てを発行対象とした通常の発行処理である通常発行処理とをそれぞれ実行可能であり、通常発行処理により発行された記録媒体だけでなく分割発行処理にて発行された記録媒体であっても特別記録媒体や2次記録媒体に該当する。
【0016】
請求項3の発明によれば、撮像結果を対応付けてグループ管理を行う。これにより、いずれの遊技者がグループに所属しているかを遊技場の管理者が目視で特定できる。この結果、所定人数以上のグループでの獲得遊技価値の共有を中止するよう遊技者に直接指摘する等、遊技場の管理者が採用することが可能な対応方法のパターンを増やすことができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、獲得遊技価値を共有した遊技者の人数を特定でき、グループで来場している遊技者の規模を特定できる。この結果、極端に大きな規模のグループで来場している遊技者が存在する場合には、獲得遊技価値の共有を所定人数までに制限する等、小さなグループでの獲得遊技価値の共有は認めつつも大規模なグループでの獲得遊技価値の共有を制限するよう遊技場側で適切な対応をとることが可能となる。
また、グループに所属している人数の特定を分割発行した記録媒体の枚数によって特定するようにした。これにより、獲得遊技価値の共有を遊技者に認める機能を用いて、グループの規模を特定することが可能となる。この結果、グループの規模を特定するために新たな設備がなくともグループの規模を特定できる。
【0018】
また、分割発行された記録媒体のうち、特定可能な獲得遊技価値の大きさが所定値よりも大きいものを特定するようにした。獲得遊技価値を全てなくした遊技者は、再び分割発行した記録媒体を他の遊技者から渡されることが想定できる。つまり、一の遊技者が複数の記録媒体を使用することがある。また、遊技者によっては、残りの遊技価値がわずかとなった時点で新たな記録媒体を渡されることも想定できる。この点、請求項4の発明によれば、対応する遊技価値の大きさが所定値よりも大きい記録媒体の数にてグループの規模を特定するため、一の遊技者が複数の記録媒体を使用した場合に、実際よりも特定したグループの人数が多くなってしまうことを抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について
図1ないし
図7を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して各台計数機2(受付手段,発行手段に相当)が設置されている。これら遊技機1及び各台計数機2は、中継端末3及びLAN4を介して管理装置5(遊技者識別手段、使用特定手段、人数特定手段、管理手段に相当)と接続されている。管理装置5は、遊技機側(遊技機1、各台計数機2等)から送信される遊技信号を受信することにより遊技機1毎の遊技データを管理する共に、会員登録された会員毎の個人データも管理する。
【0021】
遊技場には、景品交換装置(POS)6、計数機7、遊技場用表示装置8も設置されており、LAN4を介して管理装置5と接続されている。景品交換装置6は、付属するカードリーダライタにより読取った持玉券により特定される遊技価値(持玉数)、又は会員カードに対応する会員の貯玉口座から読出した貯玉数に基づいて景品交換処理を実行する。尚、景品交換装置6において持玉券に記録されている遊技価値を取扱うときは、管理装置5が持玉券に対応して予め記憶している遊技価値と照合し、真であると判定したことを条件として遊技価値の取扱いを有効とする。
【0022】
計数機7は、投入された玉を計数し、その計数結果である計数玉数を記録した持玉券を発行すると共に管理装置5へ貯玉情報を送信する。また、会員カードの読取状態では、当該会員カードから読取った会員IDと共に計数玉数を管理装置5に送信する。
遊技場用表示装置8は、遊技者の操作に応じて所望の遊技機の遊技データを表示したり、会員カードの挿入状態で会員の遊技データを表示したりする。
管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード9、モニタ10、図示しないプリンタ等が接続されている。
尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。管理装置5は、遊技場内に設置された遊技機1、各台計数機2、景品交換装置6等の稼動状況を管理すると共に、遊技機側からの信号に基づいて遊技者毎の遊技価値((持玉数・貯玉数(会員の場合))を記憶管理する。
【0023】
図1で示す遊技機1はCR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、始動口16、大入賞口17を有する。
遊技機1は以下に示す動作を行う。
(1)操作ハンドル12が操作されたことにより盤面11に発射された玉が始動口16に入賞(始動入賞)することに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果に基づいて所謂特別図柄(特図)による図柄変動を液晶表示部15にて実行し、その結果に応じて大当たりを発生させる。尚、所謂保留玉の上限は各4個ずつであり、保留中に始動入賞した場合は上限まで保留し、図柄変動終了後に順次保留した図柄変動を実行する。
(2)大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/300であり、大当たりのうち大当たり後に確変状態(確変)となる大当たりの割合は66.6%(2/3)である。大当たりが発生すると対応するラウンド数(R)に応じた分だけ大入賞口17を開放する。尚、1Rの上限入賞数(上限数)は8個、上限開放時間は30秒であり、上限数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
(3)大当たりに対応するラウンド数は5Rと16Rとがあり、その振分割合は5Rが25%であり、16Rが75%である。
(4)確変中は大当たり確率が1/30に向上する。確変は次回大当たりまで継続するため、大当たり後に通常状態(通常)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続し、通常大当たりが発生した場合は通常状態へと戻る。
【0024】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや始動口16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
・アウト信号:使用玉を回収するアウトBOX(図示せず)から出力される使用遊技価値(使用媒体数、アウト)を特定可能な信号である。回収玉(使用玉、打込玉)10玉に対して1パルスが出力されるので、アウト信号数×10をアウトとして特定する。尚、遊技機1から直接出力される信号であってもよい。アウト信号により特定されるアウトは、遊技に使用された遊技価値の量に相当する。
・セーフ信号:遊技機1から出力される払出遊技価値(払出媒体数、セーフ)を特定可能な信号である。払出玉10玉に対して1パルスが出力されるので、セーフ信号数×10をセーフとして特定する。尚、補給装置(図示せす)から出力される補給信号をセーフ信号としてもよい。セーフ信号により特定されるセーフは、入賞により付与された遊技価値の量に相当する。
・始動入賞信号:遊技機1から出力される始動口16への入賞(始動入賞)を特定可能な信号である。始動口16への入賞1回につき1パルスが出力されるので、始動入賞信号の受信に応じて始動入賞を特定する。
・図柄変動信号(スタート信号):遊技機1から出力される始動口16への始動入賞により変動(作動)を開始する図柄変動(役物作動)を特定可能な信号である。図柄変動の確定時(終了時)に出力されるので、図柄変動信号の受信に応じて図柄変動(スタート)を特定する。尚、図柄変動の開始時に出力される信号であってもよい。
・大当たり信号:遊技機1から出力される大当たり状態である期間を特定可能な信号である。大当たり状態中にレベル出力されるので、大当たり信号受信中を大当たり状態中として特定する。
・確率変動信号:遊技機1から出力される大当たりの当選確率が高い確変状態中である期間を特定可能な信号である。確変状態中にレベル出力されるので、確率変動信号受信中を確変状態中として特定する。
【0025】
各台計数機2は、投入された紙幣の金額の範囲内で玉(遊技媒体)の貸出処理を行うと共に、遊技機1から払出される玉(遊技価値)を受入れて計数する。また、持玉券を受付けたときは、入金残高及び計数玉数の範内で貸出・持玉返却処理を行うと共に、持玉券の発行時に入金残高及び計数玉数(持玉数)を持玉券に記録する。
図2は各台計数機2の正面図である。各台計数機2は、遊技機1の遊技状態を示す状態表示部18、紙幣が投入される紙幣投入口19、遊技者の顔を撮像する顔認識用カメラ20(以下「カメラ」。撮像手段に相当)、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部21、1単位分(500円相当)の玉を払出すための払出ボタン22、払出された玉が通過する払出ノズル23、従業員が携帯するリモコンからの光信号を受信するリモコン受光部24、フェリカ(登録商標)携帯に記憶されている携帯IDを読取る非接触ICリーダ25、持玉券或いは会員カードが挿入されるカード挿入口26、遊技機1の下部受皿14の下方に位置する着脱可能な計数受皿27等を備えている。
【0026】
各台計数機2は、以下に示す機能を備えている。
(1)紙幣投入口19に投入された紙幣の金額(1000円単位)を記憶すると共に、投入金額(入金残高)を液晶表示部21に表示する。
(2)遊技機1に設けられた図示しない貸出ボタンの操作に応じて入金残高の範囲内で1度数(500円)に相当する数の玉(125玉)を遊技機1内部の払出機構から払出す。このとき、遊技機1から各台計数機2に1度数分の玉を払出したことを示す信号が出力されるので、液晶表示部21に表示されている入金残高から1度数に相当する金額(500円)を減額すると共に売上信号を出力する。この売上信号は1度数の玉の払出し毎に1パルスが出力されるので、1パルスを500円分の売上額として特定する。
(3)遊技機1の下部受皿14から落下して計数受皿27で受けられた玉数を計数して液晶表示部21に表示する。
(4)払出ボタン22の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員の場合)の範囲内で1度数(125玉)ずつ払出す。尚、貯玉を払出すときは、その貯玉が後述の前日貯玉であるときは、125玉に対して25玉を手数料に相当する遊技価値として徴収する一方、当日貯玉であるときは計数玉数(持玉数)と同様に手数料を徴収しない。
(5)遊技機1に設けられた図示しない返却ボタンの操作に応じて入金残高及び持玉数をカード挿入口26に挿入されている持玉券に記録して発行する。会員カードが挿入されている場合は、入金残高を会員カードに記録すると共に暗証番号の入力を条件として持玉数を管理装置5に送信してから会員カードを発行する。持玉券を発行する場合は、発行情報を管理装置5へ送信し、管理装置5側にも記憶する。尚、カード挿入口26に持玉券も会員カードも挿入されていない場合は、図示しないカードストック部にストックしている持玉券をカード挿入口26に繰出して入金残高及び持玉数を記録して発行する。
(6)持玉券がカード挿入口26に挿入された場合は、持玉券に記録されている入金残高及び持玉数を読出して液晶表示部21に表示する。会員カードが挿入された場合は、会員カードに記録されている入金残高を読出して液晶表示部21に表示すると共に暗証番号の入力を条件として管理装置5の会員口座に記憶されている貯玉数(当日貯玉数・前日貯玉数)も表示する。当日貯玉数とは当日貯玉された貯玉数であり、前日貯玉数とは前日までの貯玉数である。営業終了後は、当日貯玉数は前日貯玉数に合算して記憶される。遊技者による払出操作に応じて貯玉数の範囲内で1度数分の玉を払出ノズル23から払出す。
(7)計数玉数(持玉数)がある状態で非接触ICリーダ25にフェリカ携帯がタッチされた場合は、フェリカ携帯から携帯IDを読取り、持玉数を携帯IDと対応付けて管理装置5へ送信する。管理装置5では、携帯IDと対応付けられている会員IDの当日貯玉数に受信した持玉数を合算して記憶する。このように当日貯玉したフェリカ携帯が非接触ICリーダ25に再度タッチされた場合は、フェリカ携帯の携帯IDを読取り、その携帯IDと対応付けられている会員IDの貯玉数(当日貯玉数・前日貯玉数)を管理装置5から受信して液晶表示部21に表示する。携帯IDとは、フェリカ携帯に内蔵された例えばフェリカICチップに付与されているIDmで、フェリカ携帯を識別するための携帯端末固有のIDである。フェリカ携帯自体には携帯IDが記憶されているだけであり、入金残高・持玉数・貯玉数が記憶されることはないが、別途記憶手段を設けて会員カードと同様に入金残高を記憶するようにしてもよい。
(8)液晶表示部21に対する操作入力に応じて対応する遊技機1或いは指定された他の遊技機1の遊技データを表示したり、遊技場からのメッセージを表示したり、遊技者が会員であることが特定された場合は遊技機1の遊技データを表示する。
【0027】
管理装置5は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機1の稼動状況を示す遊技データを表示する遊技情報表示サービス、並びに遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄し、当日或いは後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービスを実行可能となっている。これらのサービスを実行するために、遊技機1や各台計数機2等から入出力部に入力される遊技信号に基づいて、遊技機1の稼動状態を特定して遊技機1毎に遊技情報を管理するようになっている。この遊技情報は、カメラ20から出力された顔データに基づいて一人の遊技者が遊技を開始してから継続して遊技したと判断できる範囲における台データ及び売上データ等の遊技データを累積したものである。このような顔認証による識別は顔(目、鼻、口等)の特徴を抽出して数値化し、その数値化データを比較することで行われるもので、現在では一般的な技術であることからその詳細については省略する。
【0028】
次に上記構成の作用について説明する。
遊技場では、攻略軍団を構成するグループが1島を占拠しているような状況が多々あり、遊技場の経営上問題となっている。攻略軍団とは、大規模なノリ打ち集団で、ゴト行為は行わず、20〜30人規模の軍団すら存在する。このような攻略軍団の特徴は、取りまとめの人物が存在し、その人物が指定した遊技機1にて打ち子に遊技を行わせ、打ち子の誰かが大当たりとなると、その打ち子の出玉(獲得遊技価値に相当)を他の打ち子に分ける。これは、現金投資を抑えるためであり、特に、等価交換でない場合には玉を現金化して玉を再購入することによる損失がなくなることから、玉を打ち子同士でわける効果が大きくなる。そして、取りまとめの人物が打ち子に対して日当を支払う。
【0029】
攻略軍団は、新規オープンした遊技場や、イベント対象となった遊技機1の機種をターゲットにする。遊技場からみると、ゴト行為を行わないため取り締まりにくく、さらに、常連の遊技者に対して利益を還元しようとした場合に還元しようとした利益が攻略軍団に取られてしまい常連に利益を還元できないという不具合が生じる。そこで、このような攻略軍団の規模を特定できれば、遊技場のルールとして「何人以上での出玉共有禁止」や、「IC持玉券の分割発行可能回数の制限」を設定することができる。
【0030】
このような事情から、本実施形態では、攻略軍団のグループの中で発行(分割発行、通常発行を含む)したIC持玉券(以下「持玉券」)を使用している遊技者の顔をカメラ20で特定し、攻略軍団の規模及び攻略軍団に所属している遊技者を次のように特定するようにした。
即ち、管理装置5は、遊技者が各台計数機2から持玉券を発行した場合、持玉券を発行した遊技者の顔画像を各台計数機2のカメラ20の画像により特定し、持玉券管理ファイルで持玉券とその発行対象者を管理すると共に、その管理結果に基づいてグループ管理ファイルでグループを管理する。これらのファイルは管理者の操作に応じて管理装置5のモニタ10に表示可能となっている。
【0031】
図3(a)は持玉券管理画面、(b)はグループ管理画面である。持玉券管理画面には、持玉券と分割IDと所有者とを対応付けて表示している。分割IDとは、分割発行を管理するためのIDである。持玉券の所有者は顔認証にて特定している。つまり、特定した所有者の顔に顔IDを割当てており、当該顔IDと持玉券IDとを対応付けて管理している。
図3(a)に示す例では、各台計数機2から遊技者A〜Eが持玉券を発行しているものの、当該持玉券を使用していない状態を示している。この場合、各持玉券には1人の遊技者のみが特定されていることから、グループは特定されていない。従って、
図3(b)のグループ管理画面にはグループは表示されていない。
【0032】
台移動した遊技者が、各台計数機2から発行された持玉券(特別記録媒体に相当)を各台計数機2に挿入すると、その持玉券の持玉券ID及び遊技者の撮像画像が各台計数機2から管理装置5に送信される。管理装置5は、持玉券管理ファイルに基づいて受信した持玉券IDから当該持玉券の発行対象人物を特定する。遊技者が個人で遊技している場合は、各台計数機2に挿入された持玉券から特定される使用遊技者は、当該持玉券の発行対象遊技者と一致している。
【0033】
これに対して、持玉券の発行対象者が攻略軍団のグループに所属しており、持玉券をグループの仲間に手渡し、その仲間が当該持玉券を使用した場合は、各台計数機2に挿入された持玉券から特定される使用遊技者と、当該持玉券の発行対象遊技者とが一致しなくなる。
図4(a)に示す例は、
図3(a)に示す状態において、持玉券ID:10001を発行対象者Aから手渡されたグループの仲間である遊技者Bが使用した場合を示している。顔認識により持玉券ID:10001の持玉券の所有者(挿入者)が遊技者Bであることが特定されるので、持玉券ID:10001の所有者は発行対象遊技者A(「一の遊技者」に相当)と使用遊技者B(「他の遊技者」に相当)の2人となる。つまり、持玉券を発行した人物と使用した人物が異なることから、これらの人物が持玉共有しているグループに所属していると判定し、発行対象遊技者の人数と使用遊技者の人数とを合算することによりグループ内人数を特定するのである。
【0034】
管理装置5は、以上のようにしてグループを特定した場合は、グループ別にグループに所属する遊技者の人数を管理すると共に、グループに所属する遊技者の顔画像を表示可能とする。
図4(b)に示す例では、新規グループID:Xを登録し、所属遊技者としてA,B、所属人数として2人を登録する。尚、管理者がグループ管理画面のグループIDをクリックすると、所属する遊技者の顔一覧を表示するので、グループに所属する遊技者を確認することができる。
【0035】
さて、遊技者が一定数以上の持玉を有している場合、その持玉を分割して分割発行することができる。持玉としては、各台計数機2で計数した玉数の場合と、遊技者が会員の場合に貯玉している玉数の場合とがある。貯玉を分割する場合は、会員カードの挿入・認証が必要である。分割できる玉数は予め設定された発行限度玉数以上が必要である。
【0036】
図5(a)は、
図4(a)に示す状態において、遊技者Cが分割発行した分割持玉券(2次記録媒体に相当)の持玉券ID:1006の持玉券を遊技者Dが使用した場合を示している。この場合、持玉券の発行対象遊技者は遊技者C、当該持玉券の使用遊技者は遊技者Dとなり、持玉券の所有者が異なることから、管理装置5は、
図5(b)に示すように、遊技者C,DをグループID:Yとして登録する。
【0037】
図6(a)は、
図5(a)に示す状態において、遊技者Bが発行した持玉券ID:10002の持玉券を遊技者Dが使用した場合を示している。持玉券ID:10002の所有者が遊技者B,Dの2人となり、遊技者A,Bは同一グループ、遊技者C,Dは同一グループであることから、結局、遊技者A,B,C,Dは同一グループと特定することができる。この場合、
図6(b)に示すように最初のグループID:XにグループID:Yの所属遊技者C,Dがまとめられることになり、グループID:Yは消去される。つまり、遊技者Aから持玉券(分割発行か否かは関係ない)を譲り受けた遊技者Bと、遊技者Bから持玉券(遊技者Aから遊技者Bが譲り受けた持玉券でなくともよく、さらに、その持玉券から分割発行した分割持玉券でなくともよい)を譲り受けた遊技者Cが同じグループに所属するものとして管理する。
尚、グループID:X,Yを一つにまとめたが、それぞれ別グループとして管理するようにしてもよい。つまり、グループID:Xに遊技者A、B、Dが所属し、グループID:YにB、C、Dが所属するものとして管理しても良い。
【0038】
図7(a)は、
図6(a)に示す状態において、遊技者Dが新たに持玉券ID:10007の持玉券を発行し、その持玉券を遊技者Eが使用した場合を示している。この場合、遊技者DはグループID:Xに所属しているので、遊技者EをグループID:Xに所属させるように管理する。これにより、
図7(b)に示すようにグループID:Xに所属する遊技者はA〜Eの5人となる。
【0039】
以上のようにして、グループの所属遊技者を特定することで、グループの規模を把握することが可能となり、対処が可能となる。つまり、本実施形態では、最終的に5人のグループであると判断できるので、「出玉共有は4人まで」にする等遊技ルールを設定できる。この場合、5人以上のグループを特定した場合に管理者に対して報知を行うことで、攻略軍団に対して共有人数規制を迅速に行うことができる。
尚、持玉券の使用者が変化した場合、持玉券の共有ではなく、持玉券の盗難が発生している可能性があるため、盗難監視については別処理によって行っている。
【0040】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
各台計数機2に設けられたカメラ0の顔認識により持玉券の発行対象遊技者と当該持玉券の使用遊技者とが一致するかを判定し、異なる場合はグループに所属するものと判定するようにしたので、出玉を共有した遊技者の人数を特定でき、グループで来場している遊技者の規模を特定できる。この結果、極端に大きな規模のグループで来場している遊技者が存在する場合には、所定人数までに出玉の共有を制限する等、小さなグループでの出玉の共有は認めつつも大規模なグループでの出玉の共有を制限するよう遊技場側で適切な対応をとることが可能となる。また、グループで来場している遊技者を撮像結果に基づいて特定するため、例えば、同じ遊技者が複数の持玉券を使用していたとしても、グループで来場している遊技者の人数を特定し易い。
判定対象となる持玉券として分割持玉券を含めるようにしたので、直接一の遊技者の出玉を共有しなくとも他の遊技者を挟んで間接的に出玉を共有した遊技者を同じグループの遊技者として特定でき、より良好にグループ内の遊技者の人数を特定できる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について
図8ないし
図14を参照して説明する。本実施形態では、各台計数機2が発行手段として機能し、管理装置5が枚数特定手段として機能する。この第2実施形態は、分割発行した分割持玉券の枚数によってグループに所属する遊技者の人数を特定することを特徴とする。つまり、攻略軍団では、分割持玉券を仲間に手渡すことが想定されることから、少なくとも分割持玉券の数だけは仲間がいると判断するのである。
【0042】
図8(a)は、持玉券ID:20001の持玉券(残玉数5000)で遊技している状態を示している。この場合、
図8(b)に示すように分割前持玉券ID:20001のグループ内人数は1人となる。
図9(a)は、
図8(a)に示す状態において、持玉券ID:20001(分割元持玉券)から分割ID:20002の分割持玉券(持玉数1000)を発行した状態を示している。この場合、分割持玉券は1枚であることから、
図9(b)に示すようにグループ内人数は2人となる。グループ内人数は、分割元の持玉券と分割先の分割持玉券のうち0でないものを合計した数値であり、分割持玉券の増加に伴いグループの人数が増加する。
【0043】
図10(a)は、
図9(a)に示す状態において、持玉券ID:20001(分割元持玉券)から分割ID:20003の分割持玉券(持玉数1000)を分割発行した状態を示している。この場合、分割持玉券が2枚であることから、
図10(b)に示すようにグループ内人数は3人となる。ここで、
図11(a)に示すように分割ID:2003の持玉券が0になっても、
図11(b)に示すようにグループ内人数が減少することはない。
【0044】
図12(a)は、
図11(a)に示す状態において、持玉券ID:20001(分割元持玉券)から分割ID:2004の分割持玉券を分割発行した状態を示している。この場合、グループ内人数は、分割元の持玉券と分割先の分割持玉券のうち0でないものの合計のため、
図12(b)に示すように分割ID:20001,20002,20004の3人となる。
【0045】
図13(a)は、
図12(a)に示す状態において、持玉券ID:20001(分割元持玉券)から分割ID:20005の分割持玉券を分割発行した状態を示している。この場合、グループ内人数は、
図13(b)に示すように残玉数が0の分割ID:20003を除いた4人となる。
【0046】
図14(a)は、
図13(a)に示す状態において、持玉券ID:20002(分割元持玉券)から持玉券ID:20006の分割持玉券を分割発行した状態を示している。この場合、分割持玉券の分割発行、つまり2次発行した持玉券もグループ内人数としてカウントするので、グループ内人数は、
図14(b)に示すように持玉券ID:20003を除いた5人となる。
【0047】
このような実施形態によれば、分割持玉券の枚数に基づいてグループの人数を特定するようにしたので、第1実施形態に比べると精度は落ちるものの、カメラ20を必要とせず、従来の管理システムを利用して容易に実施できる。
【0048】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
遊技機は、パチンコ機に限定されることなく、スロットマシンや封入式遊技機でも良い。
記録媒体はカードタイプのIC持玉券でなくともよく、持玉数を特定できれば、コインタイプを採用しても良い。また、携帯電話等の携帯端末に遊技者の持玉数又は遊技者IDを特定可能な情報を記憶しておき、その情報を各台計数機2にて読み込むことで遊技者が所持する玉数を特定するようにしてもよい。この場合も遊技者の分割操作に応じてIC持玉券を発行するようにすれば良い。
持玉券の受付、及び、持玉券の発行のうち少なくとも一方の機能を遊技機が有していても良い。
遊技者の顔から遊技者を特定するのに限らず、遊技者の特定部位、或いは全身から遊技者を特定するようにしても良い。
分割発行した分割持玉券からさらに分割した分割持玉券は、別グループ扱いにて管理するようにしても良い。
持玉券は、持玉券自体に玉数の情報を記録するものとしたが、持玉券自体にはIDが割り振られているのみであり、そのIDに対応した玉数を管理装置5にて管理するようにしても良い。
【0049】
第2実施形態において残玉数が所定値である0玉となった持玉券はカウント枚数から除去、つまり残玉数が0よりも大きな持玉券の枚数をカウントすることでグループ内人数を特定するようにしたが、所定値としては0玉でなくとも良く、例えば、所定値を150玉とするようにしても良い。これは、残り玉数が少なくなった時点で、新たな分割持玉券を他の遊技者が渡される遊技者が存在し、この遊技者が少なくなった持玉券を使い切る前に、誤って新たな分割持玉券を使用することでグループ内人数が実際よりも多くなってしまうことが想定できるためである。
第2実施形態において、分割発行した持玉券の用途にてよってはグループ内人数を加算しないようにしてもよい。例えば、分割発行した持玉券が遊技に使用されることなく、カウンターでの景品交換やワゴンサービスに用いられた場合、その持玉券は分割発行した本人が使用したものとして扱うようにしても良い。
上記各変形形態に記載した構成の一部または全部を適宜組み合わせても良い。