【実施例1】
【0009】
以下本発明を図示実施例により具体的に説明する。
全図を通じ同一対象物は同一符号で示す。ただし、側断面図における斜線は主要な絶縁膜のみに記載し、配線は若干の前後のずれを含んで描かれており、また発明の要部を示すため、水平方向及び垂直方向のサイズは正確な寸法を示していない。
図1〜
図29は本発明の半導体装置における第1の実施例で、
図1はチャネル長方向の模式側断面図、
図2はチャネル幅方向の模式側断面図、
図3〜
図29は製造方法の工程断面図である。
【0010】
図1及び
図2はシリコン(Si)基板を使用し、DS
3G構造に形成したショートチャネルのNチャネル及びPチャネルMIS電界効果トランジスタを含むCMOS型半導体集積回路の一部を示しており、1は10
15cm
−3程度のp型のシリコン(Si)基板、2は100nm程度のシリコン窒化膜(Si
3N
4)、3は100nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)、4は50nm程度の素子分離領域のシリコン窒化膜(Si
3N
4)、5は10
17cm
−3程度のn型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSi層(下層半導体層)、6は10
17cm
−3程度のn型の第2の横(水平)方向エピタキシャルSi層(下層半導体層)、7は50nm程度の導電膜(W、ソースドレイン領域の一部)、8は埋め込み絶縁膜(Si
3N
4)、9は10
20cm
−3程度のp
+型ソース領域、10は10
20cm
−3程度のp
+型ドレイン領域、11は100nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)、12は50nm程度の素子分離領域のシリコン窒化膜(Si
3N
4)、13は10
17cm
−3程度のp型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSi層(上層半導体層)、14は10
17cm
−3程度のp型の第2の横(水平)方向エピタキシャルSi層(上層半導体層)、15は埋め込み絶縁膜(Si
3N
4)、16は5nm程度の下層半導体層のゲート酸化膜(SiO
2)、17は5nm程度の上層半導体層のゲート酸化膜(SiO
2)、18は長さ30nm程度、厚さ100nm程度の一体化包囲型ゲート電極(WSi)、19は80nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)、20は空孔、21は10
20cm
−3程度のn
+型ソース領域、22は5×10
17cm
−3程度のn型ソース領域、23は5×10
17cm
−3程度のn型ドレイン領域、24は10
20cm
−3程度のn
+型ドレイン領域、25はサイドウォール(SiO
2)、26は400nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜、27は20nm程度のシリコン窒化膜(Si
3N
4)、28は10nm程度のバリアメタル(TiN)、29は導電プラグ(W)、30は500nm程度の絶縁膜(SiOC)、31は10nm程度のバリアメタル(TaN)、32は500nm程度のCu配線(Cuシード層含む)、33は20nm程度のバリア絶縁膜(Si
3N
4)を示している。
【0011】
同図においては、p型のシリコン基板1上にシリコン窒化膜(Si
3N
4)2が設けられ、シリコン窒化膜(Si
3N
4)2上には、選択的にシリコン酸化膜(SiO
2)3が設けられ、シリコン酸化膜(SiO
2)3上にn型の一対のSi層5が設けられ、一対のSi層5の対向する側面間にn型のSi層6が挟まれて設けられ、一対のSi層5の反対側の側面にはそれぞれ導電膜7が設けられている構造からなる下層半導体層(5、6)が設けられ、導電膜7を有する下層半導体層(5、6)上にシリコン酸化膜(SiO
2)11及びシリコン酸化膜(SiO
2)19が選択的に設けられ、シリコン酸化膜(SiO
2)19上には、微細な空孔20を介してp型の一対のSi層13が設けられ、一対のSi層13の対向する側面間にp型のSi層14が挟まれている構造からなる上層半導体層(13、14)が設けられ、導電膜7を有する下層半導体層(5、6)及び上層半導体層(13、14)は素子分離領域のシリコン窒化膜(Si
3N
4)(4、12)及び埋め込み絶縁膜(8、15)によりそれぞれ島状に絶縁分離されている。また垂直方向に一致するSi層6及びSi層14の周囲には、それぞれ下層ゲート酸化膜(SiO
2)16あるいは上層ゲート酸化膜(SiO
2)17を介して一体化(共通化)した包囲型ゲート電極(WSi)18がシリコン窒化膜(Si
3N
4)2上に設けられ、一体化包囲型ゲート電極18の上面部の側壁にはサイドウォール25が設けられ、Si層5には、概略p
+型ソースドレイン領域(9、10)が設けられ、Si層6には、概略チャネル領域が設けられている(実際にはp
+型ソースドレイン領域(9、10)が若干横方向拡散されている)PチャネルのMIS電界効果トランジスタが下層半導体層(5、6)に形成されており、一方Si層13には、概略n型ソースドレイン領域(22、23)及びn
+型ソースドレイン領域(21、24)が設けられ、Si層14には、概略チャネル領域が設けられている(実際にはn型ソースドレイン領域(22、23)が若干横方向拡散されている)LDD構造からなるNチャネルのMIS電界効果トランジスタが上層半導体層(13、14)に形成されている。またp
+型ソースドレイン領域(9、10)に側面接続されている導電膜7、n
+型ソースドレイン領域(21、24)及び一体化包囲型ゲート電極18には、それぞれバリアメタル(TiN)28を有する導電プラグ(W)29を介してバリアメタル(TaN)31を有するCu配線32が接続されている。
【0012】
したがって、通常の安価な半導体基板を使用して、エピタキシャル成長技術を利用して(製造方法については別途詳述)それぞれ絶縁膜上に積層した単結晶シリコンからなる下層半導体層及び上層半導体層(SOI基板)を設け、それぞれのSOI基板において、SOI基板の一部の周囲にゲート酸化膜を介して一体化(共通化)した包囲型ゲート電極を設け、チャネル領域を形成し、概略残りのSOI基板にソースドレイン領域を設けたSOI構造のNチャネル及びPチャネルMIS電界効果トランジスタを形成できるため、ソースドレイン領域の接合容量の低減(実質ゼロ)、空乏層容量の低減、ソースドレイン領域の耐圧改善及びサブスレッショルド特性を改善できることによる閾値電圧の低減、低電力化等が可能である。
また下地の絶縁膜の影響のない結晶性が極めて良好な半導体層の箇所にのみチャネル領域を形成できるため(下層半導体層及び上層半導体層共)、安定した特性を持つMIS電界効果トランジスタを形成することが可能である。
またゲート酸化膜を介して設けられた一体化包囲型ゲート電極によりチャネル領域を完全に包囲して形成できるため、チャネル以外の電流経路を遮断でき、完全なチャネル制御が可能であり、バックチャネルリークを改善する(CMOSのSOI化を実現するために絶対に克服しなくてはならない課題)ばかりでなく、4面(上下面及びチャネル幅方向の2側面)にチャネルを形成できるため、表面(上面)の占有面積を増やすことなくチャネル幅を増加できるため、駆動電流を増加させることも可能である。
また容易な製造プロセスにより、積層した上下層の単結晶半導体層を形成でき、下層半導体層に形成したPチャネルMIS電界効果トランジスタの直上に上層半導体層に形成したNチャネルMIS電界効果トランジスタを積層して形成できることによる表面(上面)の占有面積の微細化を、PチャネルMIS電界効果トランジスタのゲート電極とNチャネルMIS電界効果トランジスタのゲート電極を自己整合して一体化した包囲型ゲート電極として形成できることによるゲート電極配線の高集積化を達成することが可能である。
また成長するシリコン窒化膜(Si
3N
4)の膜厚により、下層半導体層及び上層半導体層(SOI基板)の膜厚を決定できるため、大口径ウエハーによる製造にも対応できる、完全空乏型のSOI構造の半導体層を容易に形成することが可能である。
また下層半導体層及び上層半導体層(SOI基板)を形成するために必要な、それぞれの縦(垂直)方向エピタキシャル半導体層を自己整合して素子分離領域の一部を形成する埋め込み絶縁膜に変換できることによる高信頼性及び高集積化を可能にすることができる。
また微細な、結晶性が極めて良好な半導体層の一部(チャネル領域形成箇所)に自己整合して、MIS電界効果トランジスタの構成要素(低濃度及び高濃度のソースドレイン領域、ゲート酸化膜及び一体化包囲型ゲート電極)を微細に形成することも可能である。
即ち、高速大容量通信装置、携帯情報端末、各種電子機械機器、宇宙関連機器等に対応可能な大規模半導体集積回路の製造を可能とする、高速、高信頼、高性能及び高集積を併せ持つ極めて低電力なCMOS型半導体装置を得ることができる。
【0013】
次いで本発明に係る半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法について
図1〜
図29を参照し、チャネル長方向を示す模式側断面図を用いて説明するが、主要な工程においてはチャネル幅方向の模式側断面図も適宜追加して説明する。ただし、ここでは本発明の半導体装置の形成に関する製造方法のみを記述し、一般の半導体集積回路に搭載される各種の素子(他のトランジスタ、抵抗、容量等)の形成に関する製造方法の記述は省略する。
【0014】
図3
化学気相成長により、p型のシリコン基板1上にシリコン窒化膜(Si
3N
4)2を100nm程度成長する。次いで化学気相成長により、100nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)3を成長する。次いで化学気相成長により、シリコン窒化膜(Si
3N
4)4を50nm程度成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si
3N
4)4、シリコン酸化膜(SiO
2)3及びシリコン窒化膜(Si
3N
4)2を順次異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(開孔部幅は100nm程度)次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0015】
図4
次いで露出したp型のシリコン基板1上にn型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層34を成長する。次いで化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing 以後CMPと略称)し、シリコン窒化膜(Si
3N
4)4の平坦面より突出した縦(垂直)方向エピタキシャルSi層34を平坦化する。次いで選択化学気相成長法により50nm程度のタングステン膜35を成長する。
【0016】
図5
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si
3N
4)4を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0017】
図6
次いで露出した縦(垂直)方向エピタキシャルSi層34の側面にn型の横(水平)方向エピタキシャルSi層5を成長し、シリコン窒化膜(Si
3N
4)4の開孔部を埋め込む。ここで残されたシリコン窒化膜(Si
3N
4)4は素子分離領域となる。次いで横(水平)方向エピタキシャルSi層5の表面を900℃程度で酸化し、5nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)(図示せず)を成長する。
【0018】
図7
次いで熱酸化したシリコン酸化膜(SiO
2)(図示せず)及びシリコン窒化膜(Si
3N
4)4をマスク層として、タングステン膜35及び縦(垂直)方向エピタキシャルSi層34を順次異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いで化学気相成長により、60nm程度のシリコン窒化膜(Si
3N
4)8を成長する。(開孔部の径は100nm程度なので十分埋め込み可能である。)次いでシリコン窒化膜(Si
3N
4)4及び横(水平)方向エピタキシャルSi層5の平坦面上のシリコン窒化膜(Si
3N
4)8及び熱酸化したシリコン酸化膜(SiO
2)(図示せず)を化学的機械研磨(CMP)し、シリコン窒化膜(Si
3N
4)8を開孔部に平坦に埋め込む。(この領域が縦(垂直)方向エピタキシャルSi層34を置換させた埋め込み絶縁膜8となり、素子分離領域の一部となる。)
【0019】
図8
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、横(水平)方向エピタキシャルSi層5を選択的に異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0020】
図9
次いでスパッタにより、50nm程度のタングステン膜(W)7を成長する。次いでシリコン窒化膜(Si
3N
4)4及び横(水平)方向エピタキシャルSi層5の平坦面上のタングステン膜7を化学的機械研磨(CMP)し、タングステン膜7を開孔部に平坦に埋め込む。
【0021】
図10
次いで化学気相成長により、100nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)11を成長する。次いで化学気相成長により、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12を50nm程度成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12及びシリコン酸化膜(SiO
2)11を順次異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(開孔部幅は100nm程度)次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0022】
図11
次いで露出したエピタキシャルSi層5上にp型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層36を成長する。(若干横(水平)方向にも成長する。)次いで化学的機械研磨(CMP)し、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12の平坦面より突出した縦(垂直)方向エピタキシャルSi層36を平坦化する。次いで選択化学気相成長法により50nm程度のタングステン膜37を成長する。
【0023】
図12
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0024】
図13
次いで露出した縦(垂直)方向エピタキシャルSi層36の側面にp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層38を成長し、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12の開孔部を埋め込む。ここで残されたシリコン窒化膜(Si
3N
4)12は素子分離領域となる。
【0025】
図14
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、タングステン膜37、エピタキシャルSi層38、エピタキシャルSi層36及びエピタキシャルSi層5を順次異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0026】
図15
次いで化学気相成長により、60nm程度のシリコン窒化膜(Si
3N
4)15を成長する。(開孔部の径は100nm程度なので十分埋め込み可能である。)次いでシリコン窒化膜(Si
3N
4)12及びエピタキシャルSi層38の平坦面上のシリコン窒化膜(Si
3N
4)15を化学的機械研磨(CMP)し、シリコン窒化膜(Si
3N
4)15を開孔部に平坦に埋め込む。
【0027】
図16(チャネル長方向)及び
図17(チャネル幅方向)
次いで化学気相成長により、100nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)39を成長する。
【0028】
図18(チャネル長方向)及び
図19(チャネル幅方向)
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン酸化膜(SiO
2)39、Si層38、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12(Si層38の両側面に存在)、シリコン酸化膜(SiO
2)11、Si層5、シリコン窒化膜(Si
3N
4)4(Si層4の両側面に存在)及びシリコン酸化膜(SiO
2)3を選択的に順次異方性ドライエッチングし、シリコン窒化膜(Si
3N
4)2の一部を露出する開孔部を形成する。この際シリコン窒化膜(Si
3N
4)2がエッチングのストッパー膜となる。次いでレジスト(図示せず)を除去する。(
図19における波線は若干奥のSi層5及びSi層38を図示している。)
【0029】
図20(チャネル長方向)及び
図21(チャネル幅方向)
次いで露出したSi層5及びSi層38の側面間にn型の横(水平)方向エピタキシャルSi層6及びSi層14を同時成長し、一部の下部に空孔を有する下層半導体層(5、6)及び上層半導体層(38、14)を形成する。(この際、空孔直上は下地の影響が全くない単結晶シリコン層となる。)
【0030】
図22(チャネル長方向)及び
図23(チャネル幅方向)
次いで露出しているSi層6及びSi層14の全周囲を酸化し、5nm程度の下層ゲート酸化膜(SiO
2)16及び上層ゲート酸化膜(SiO
2)17を成長する。次いでSi層14を貫通する、25kev程度の加速電圧でSi層6に閾値電圧制御用の硼素のイオン注入をおこなう。(n型Si層6の濃度を下げる。)次いで10kev程度の加速電圧でSi層14に閾値電圧制御用の硼素のイオン注入をおこなう。(n型Si層14をp型に反転させる。)次いで化学気相成長により、下層ゲート酸化膜(SiO
2)16及び上層ゲート酸化膜(SiO
2)17の全周囲を含む全面に残された開孔部を完全に埋め込むように100nm程度のタングステンシリサイド膜(WSi)を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、シリコン酸化膜(SiO
2)39上に成長したタングステンシリサイド膜(WSi)を除去し、平坦化する。こうして開孔部に平坦に埋め込まれた一体化(共通化)した包囲型ゲート電極(WSi)18が形成される。次いで1000℃程度でランニングし、チャネル領域を活性化する。
【0031】
図24
次いでシリコン酸化膜(SiO
2)39をエッチング除去する。次いで一体化包囲型ゲート電極(WSi)18、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12及びシリコン窒化膜(Si
3N
4)15をマスク層として、露出しているSi層38および直下のシリコン酸化膜(SiO
2)11を順次異方性ドライエッチングして、Si層5を露出する開孔部を形成する。
【0032】
図25
次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO
2、図示せず)を成長する。次いで一体化包囲型ゲート電極(WSi)18、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12及びシリコン窒化膜(Si
3N
4)15をマスク層として、Si層5にp
+型ソースドレイン領域(9、10)形成用の硼素のイオン注入をおこなう。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO
2、図示せず)をエッチング除去する。次いで化学気相成長により、100nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)19を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、一体化包囲型ゲート電極(WSi)18の平坦面上に成長したシリコン酸化膜(SiO
2)を除去し、開孔部に平坦に埋め込む。次いでSi層14の側面が露出するようにシリコン酸化膜(SiO
2)19を170nm程度異方性ドライエッチングする。(ここではp
+型ソースドレイン領域の活性化及び深さ制御用の熱処理工程は行わないが、p
+型ソースドレイン領域は図示しておく。)
【0033】
図26
次いで低温成長(500℃以下)が可能なECRプラズマCVD装置(electron coupling resonance plasma enhanced chemical vapor deposition system)により、露出したSi層14の側面にp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層13を成長し、下部に空孔20を有する上層半導体層(13、14)を形成する。(この際、空孔直上は下地の影響が全くない単結晶シリコン層となる。)後述するように、Si層13にはチャネル領域は形成されず、n型及びn
+型ソースドレイン領域で完全に満たされるため、Si層13は、必ずしも空孔20上に形成されなくともよく、シリコン酸化膜(SiO
2)19の上面に接して形成されてもよい。
【0034】
図27
次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO
2、図示せず)を成長する。次いで一体化包囲型ゲート電極(WSi)18、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12及びシリコン窒化膜(Si
3N
4)15をマスク層として、Si層13にn型ソースドレイン領域(22、23)形成用の燐のイオン注入をおこなう。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO
2、図示せず)をエッチング除去する。次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)を成長する。次いで全面異方性ドライエッチングし、一体化包囲型ゲート電極(WSi)18の上面部の側壁にのみサイドウォール(SiO
2)25を形成する。次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO
2、図示せず)を成長する。次いでサイドウォール(SiO
2)25及び一体化包囲型ゲート電極(WSi)18をマスク層として、n
+型ソースドレイン領域(21、24)形成用の砒素のイオン注入をおこなう。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO
2、図示せず)をエッチング除去する。次いでRTP(Rapid Thermal Processing)法により活性化及び深さ制御用のアニールをおこない、下層半導体層(5、6)にp
+型ソースドレイン領域(9、10)を、上層半導体層(13、14)にn型ソースドレイン領域(22、23)及びn
+型ソースドレイン領域(21、24)を形成する。
【0035】
図28
次いで化学気相成長により、400nm程度のPSG膜26を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、平坦化する。次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン窒化膜(Si
3N
4)27を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si
3N
4)27、PSG膜26、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12及びシリコン酸化膜(SiO
2)11を順次異方性ドライエッチングし、ビアを形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0036】
図29
次いで化学気相成長により、バリアメタルとなるTiN28を成長する。次いで化学気相成長により、タングステン(W)29を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)により、ビアに平坦に埋め込み、バリアメタル(TiN)28を有する導電プラグ(W)29を形成する。
【0037】
図1(チャネル長方向)及び
図2(チャネル幅方向)
次いで化学気相成長により、500nm程度の絶縁膜(SiOC)30を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、SiOC膜30を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(この際、シリコン窒化膜(Si
3N
4)27がエッチングストッパー膜となる。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで化学気相成長により、10nm程度のバリアメタル(TaN)31を成長する。次いでスパッタにより、Cuシード層を成長する。次いで電解メッキ法により500nm程度のCuを成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、開孔部にCuを平坦に埋め込み、バリアメタル(TaN)31を有するCu配線32を形成する。次いで化学気相成長により、Cuのバリア絶縁膜となるシリコン窒化膜(Si
3N
4)33を成長し、本願発明のDS
3G構造の半導体装置を完成する。
【実施例5】
【0041】
図33(チャネル長方向)及び
図34(チャネル幅方向、ドレイン領域部)は本発明の半導体装置における第5の実施例の模式側断面図で、シリコン(Si)基板を使用し、DS
3G構造に形成したショートチャネルのNチャネル及びPチャネルMIS電界効果トランジスタを含むCMOS型半導体集積回路の一部を示しており、1〜18、21〜33は
図1と同じ物を、45はシリコン窒化膜(Si
3N
4)、46はシリコン酸化膜(SiO
2)、47は空孔を示している。
同図においては、上層半導体層のn
+型ソースドレイン領域直下に直接空孔が形成される替りに薄いシリコン酸化膜で包囲された構造の空孔が形成されていること及び下層半導体層直上にシリコン窒化膜(Si
3N
4)が設けられていること以外は
図1とほぼ同じ構造の半導体装置が形成されている。
本実施例においては第1の実施例と同様の効果を得ることができ、また製造方法がやや複雑になるが、n
+型ソースドレイン領域と一体化包囲型ゲート電極(特に中間部のゲート電極)間の電流リーク特性を改善することが可能である。
【0042】
次いで本発明に係る半導体装置における第5の実施例の製造方法について
図35〜
図42及び
図33(チャネル長方向)、
図34(チャネル幅方向、ドレイン領域部)を参照して説明する。ただし、ここでは本発明の半導体装置の形成に関する製造方法のみを記述し、一般の半導体集積回路に搭載される各種の素子(他のトランジスタ、抵抗、容量等)の形成に関する製造方法の記述は省略する。
【0043】
図3〜
図23の工程をおこなった後、
図35〜
図42の工程をおこなう。ただし下層半導体層(5、6)上に10nm程度のエッチングのストッパー膜兼イオン注入用絶縁膜であるシリコン窒化膜(Si
3N
4)45が形成されている。(
図10において、シリコン酸化膜(SiO
2)11成長前に化学気相成長により、シリコン窒化膜(Si
3N
4)45を成長する。)
【0044】
図35(チャネル長方向)及び
図36(チャネル幅方向、ドレイン領域部)
次いでシリコン酸化膜(SiO
2)39をエッチング除去する。次いで一体化包囲型ゲート電極(WSi)18、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12及びシリコン窒化膜(Si
3N
4)15をマスク層として、Si層38及びシリコン酸化膜(SiO
2)11を順次異方性ドライエッチングして、シリコン窒化膜(Si
3N
4)45を露出する開孔部を形成する。次いで一体化包囲型ゲート電極(WSi)18、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12及びシリコン窒化膜(Si
3N
4)15をマスク層として、Si層5にp
+型ソースドレイン領域(9、10)形成用の硼素のイオン注入をおこなう。(ここではp
+型ソースドレイン領域の活性化及び深さ制御用の熱処理工程は行わないが、p
+型ソースドレイン領域は図示しておく。)
【0045】
図37(チャネル長方向)及び
図38(チャネル幅方向、ドレイン領域部)
次いで低温成長(500℃以下)が可能なECRプラズマCVD装置により、露出しているSi層14の側面にp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層13を成長し、下部に空孔47を有する上層半導体層(13、14)を形成する。(この際、空孔直上は下地の影響が全くない単結晶シリコン層となる。)次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO
2、図示せず)を成長する。次いで一体化包囲型ゲート電極(WSi)18、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12及びシリコン窒化膜(Si
3N
4)15をマスク層として、Si層13にn型ソースドレイン領域(22、23)形成用の燐のイオン注入をおこなう。(ここではn型ソースドレイン領域の活性化及び深さ制御用の熱処理工程は行わないが、n型ソースドレイン領域は図示しておく。)次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO
2、図示せず)をエッチング除去する。
【0046】
図39(チャネル長方向)及び
図40(チャネル幅方向、ドレイン領域部)
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)、Si層13及び一体化包囲型ゲート電極18をマスク層として、シリコン窒化膜(Si
3N
4)12(Si層13の幅方向の両側に存在)及びシリコン酸化膜(SiO
2)11を選択的に順次異方性ドライエッチングし、Si層13の幅方向の両側に空孔47に達する間隙部(幅40nm程度)を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
【0047】
図41(チャネル長方向)及び
図42(チャネル幅方向、ドレイン領域部)
次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)を成長する。次いで全面異方性ドライエッチングすることにより、Si層13とシリコン窒化膜(Si
3N
4)12の間隙部を埋め込み、Si層13の下面、一体化包囲型ゲート電極(WSi)18の中間部の側面、シリコン酸化膜(SiO
2)11の側面及びSi層5上のシリコン窒化膜(Si
3N
4)45の上面に20nm程度のシリコン酸化膜(SiO
2)46を形成し、シリコン酸化膜(SiO
2)46に包囲された空孔47を設け、一体化包囲型ゲート電極(WSi)18の上面部の側壁にサイドウォール(SiO
2)25を形成する。次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO
2、図示せず)を成長する。次いでサイドウォール(SiO
2)25及び一体化包囲型ゲート電極(WSi)18をマスク層として、n
+型ソースドレイン領域(21、24)形成用の砒素のイオン注入をおこなう。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO
2、図示せず)をエッチング除去する。次いでRTP法により活性化及び深さ制御用のアニールをおこない、下層半導体層(5、6)にp
+型ソースドレイン領域(9、10)を、上層半導体層(13、14)にn型ソースドレイン領域(22、23)及びn
+型ソースドレイン領域(21、24)を形成する。
【0048】
次いで
図28〜
図29の工程をおこなった後、
図33(チャネル長方向)及び
図34(チャネル幅方向、ドレイン領域部)の工程をおこなう。
【0049】
図33(チャネル長方向)及び
図34(チャネル幅方向、ドレイン領域部)
次いで化学気相成長により、500nm程度の配線層絶縁膜(SiOC)30を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、SiOC膜30を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(この際、シリコン窒化膜(Si
3N
4)27がエッチングストッパー膜となる。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで化学気相成長により、10nm程度のバリアメタル(TaN)31を成長する。次いでスパッタにより、Cuシード層を成長する。次いで電解メッキ法により500nm程度のCuを成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、開孔部にCuを平坦に埋め込み、バリアメタル(TaN)31を有するCu配線32を形成する。次いで化学気相成長により、Cuのバリア絶縁膜となるシリコン窒化膜(Si
3N
4)33を成長し、本願発明のDS
3G構造の半導体装置を完成する。