特許第5956360号(P5956360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956360
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】ウォータージェットピーニング方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 17/00 20060101AFI20160714BHJP
   G21C 19/02 20060101ALI20160714BHJP
   G21C 13/00 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
   B23P17/00 A
   G21C19/02 T
   G21C13/00 X
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-28108(P2013-28108)
(22)【出願日】2013年2月15日
(65)【公開番号】特開2014-155987(P2014-155987A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2015年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 昇
(72)【発明者】
【氏名】波東 久光
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 孝一
(72)【発明者】
【氏名】吉久保 富士夫
(72)【発明者】
【氏名】守中 廉
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆治
【審査官】 齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−270591(JP,A)
【文献】 実開昭56−082091(JP,U)
【文献】 特開2006−201141(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/024419(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 17/00
B26F 3/00
G21C 13/00
G21C 19/02
G21D 1/00
B24C 1/00
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、前記ケーシングに設けられた高圧水中ポンプと、前記高圧水中ポンプで昇圧された水が供給される噴射ノズルと、前記ケーシングに設けられ、前記噴射ノズルを移動させる噴射ノズル移動装置とを備え、前記高圧水中ポンプと前記噴射ノズルを連絡する高圧ホースが前記ケーシング内に配置され、前記高圧水中ポンプが前記ケーシングの上端に設置されたウォータージェットピーニング装置を冷却水が内部に充填された原子炉圧力容器内に設置された上部格子板に形成された開口部を通して前記上部格子板よりも下方に移動させて、前記冷却水中に配置し、前記冷却水を前記高圧水中ポンプで昇圧し、昇圧されて前記高圧ホースによって導かれた前記冷却水を、前記噴射ノズルから、キャビテーション噴流として前記原子炉圧力容器内のウォータージェットピーニング施工対象物に向かって前記冷却水中に噴射することを特徴とするウォータージェットピーニング方法。
【請求項2】
前記ウォータージェットピーニング装置を複数台使用して、前記ウォータージェットピーニング施工対象物へのウォータージェットピーニングを並行して施工する請求項に記載のウォータージェットピーニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォータージェットピーニング方法に係わり、特に、原子炉の炉内構造物に適用するのに好適なウォータージェットピーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属材料の疲労強度及び耐応力腐食割れ性を向上させることを目的に、材料表面の残留応力を圧縮化する方法が採られる場合がある。その残留応力改善方法の一つにキャビテーション噴流を利用するウォータージェットピーニング(以下、WJPという)がある。WJPは、噴射ノズルから水中に高圧水流を噴射させてその水中に微細な無数の気泡を含んだキャビテーション噴流を生成し、この気泡が崩壊する際に生じる衝撃波あるいはマイクロジェットが水に接触する金属製の構造部材表面に作用することにより、構造部材の表面を微小に塑性変形させる技術である。構造部材のその塑性変形部が周囲から弾性的に拘束されるため、圧縮残留応力が構造部材表面に付与される。
【0003】
一方、原子炉の炉内構造物に発生する応力腐食割れは機器の保全上、注意すべき材料損傷であり、製造時の材料、構造の設計、及び製造条件の検討はもとより、製造後の予防保全が重要となっている。WJPは、媒体として、水を使用するため、異物残留を考慮する必要がなく、異物管理の厳しい原子炉の炉内構造物の予防保全技術として適している。
【0004】
WJPを沸騰水型原子力プラントの原子炉圧力容器内の炉内構造物に適用する場合には、原子炉圧力容器の上蓋を取り外し、原子炉圧力容器内から蒸気乾燥器、気水分離器、燃料集合体及び制御棒等を順次取り出した後、ウォータージェットピーニング装置(以下、WJP装置という)を、原子炉建屋内で天井に設置されている天井クレーン(または原子炉建屋内の運転床に設置されている燃料交換台車)で吊り下げ、天井クレーン(または燃料交換台車)を走行及び横行させ、さらに、WJP装置を下降させて原子炉圧力容器内のWJP施工対象物近傍に設置させる。WJP装置は、噴射ノズルを施工対象物の施工対象箇所に位置させる駆動機構を有する。噴射ノズルはその駆動機構の先端に設けられている。WJP装置は、原子炉圧力容器の施工対象物近傍に設置された後、駆動機構により噴射ノズルの噴射角度及び噴射位置(高さ)を調整し、原子炉建屋内の運転床に設置された高圧ポンプから供給された高圧水を噴射ノズルから噴射することによって、施工対象物の施工対象箇所に対するWJPを施工する。その高圧水は高圧ポンプから高圧ホースを通してWJP装置の噴射ノズルまで導かれるが、従来技術では、高圧ポンプは、WJP装置を制御する制御装置とともに、前述したように運転床に設置される。また、高圧ポンプで昇圧される水は一般的には原子炉建屋内の補給水系から供給されるが、炉水をその水として用いることも提案されている。
【0005】
炉水を高圧ポンプで昇圧してWJP装置の噴射ノズルに供給することが、特許第2859125号公報に提案されている。特許第2859125号公報に記載されたWJP方法では、WJP装置が、WJP施工対象物である、原子炉圧力容器の下鏡板を貫通して設けられた制御棒駆動機構ハウジングに取りつけられ、WJP装置の噴射ノズルが高圧水を噴射しながら、制御棒駆動機構ハウジングの周囲を旋回する。噴射ノズルに供給される高圧水は、高圧ポンプを駆動することにより、フィルタで浄化された炉水を高圧ポンプで昇圧して生成される。その高圧水が高圧ポンプから噴射ノズルに供給される。噴射ノズルからの高圧水の噴射流は、キャビテーション気泡を含んでおり、キャビテーション気泡の崩壊により発生する衝撃波が制御棒駆動機構ハウジングと原子炉圧力容器に取り付けられたスタブチューブの溶接部の表面にWJPが施工され、その表面に圧縮残留応力が付与される。
【0006】
特開昭63−34024号公報は上部格子板加工装置を記載している。上部格子板加工装置の水噴射機構が、原子炉圧力容器内の上部格子板の位置に配置される。水が原子炉圧力容器及び原子炉圧力容器の真上に位置する原子炉ウェル内に充填される。水噴射機構は噴射口を有し、水中ポンプから供給される水が噴射口から上部格子板の加工面に向かって噴射される。水噴射機構の噴射口から噴射された水流による加工により発生した切屑は、原子炉ウェル内の水中に配置された水中ポンプで炉水と共に吸引され、燃料貯蔵プール内に設置されたフィルタに導かれ除去される。このフィルタを通過した炉水は燃料貯蔵プール内に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2859125号公報
【特許文献2】特開昭63−34024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
原子力プラントにおけるWJPの施工作業に要する時間の短縮が望まれる。例えば、沸騰水型原子力プラントの原子炉圧力容器内の炉内構造物に対するWJPの施工は、定期検査期間において実施されるため、WJP施工の作業時間が長くなると、定期検査期間が延長され、沸騰水型原子力プラントの稼働率の低下につながる恐れがある。このため、WJP施工の作業に要する時間をさらに短縮することが望まれている。
【0009】
従来のWJP装置は、特許第2859125号公報に記載されたように、噴射ノズルに高圧水を供給する高圧ポンプが運転床に設置され、高圧ポンプからWJP施工対象物のWJP施工対象箇所付近に配置された噴射ノズルまで、高圧水を長尺の高圧ホースを通して供給している。
【0010】
発明者らは、WJP施工作業における時間短縮について検討した結果、長尺の高圧ホースを短くすることによってWJP施工作業の時間を短縮できる余地があることを見出した。特に、沸騰水型原子力プラントでは、WJP装置が天井クレーンに吊り下げられて運転床から原子炉ウェルを下降して原子炉圧力容器内に達し、原子炉圧力容器内のWJP施工対象物である炉内構造物付近まで下降させる。このようなWJP装置の下降に伴って高圧ホースも下降する。しかしながら、50〜100m程度の長さになる高圧ホースは耐圧性を確保するために高強度で曲がりづらいため、WJP装置の下降時間を高圧ホースの動きの制約を受けて速くすることができず、WJP装置をWJP施工対象物である炉内構造物付近まで下降させるために、かなりの時間を要してしまうことになる。その炉内構造物に対するWJPの施工が終了して、WJP装置を原子炉ウェル内の冷却水の水面よりも上方まで移動して回収する際にもかなりの時間を要することになる。
【0011】
本発明の目的は、ウォータージェットピーニング作業に要する時間を短縮することができるウォータージェットピーニング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成する本発明の特徴は、ケーシングと、このケーシングに設けられた高圧水中ポンプと、高圧水中ポンプで昇圧された水が供給される噴射ノズルと、そのケーシングに設けられ、噴射ノズルを移動させる噴射ノズル移動装置とを備えたことにある。
【0013】
高圧水中ポンプを、噴射ノズルが設けられたケーシングに設置しているので、高圧水中ポンプ及びケーシングを有するウォータージェットピーニング装置を速く移動することができる。このため、ウォータージェットピーニング装置を原子炉圧力容器内のウォータージェットピーニング施工対象物の位置に設定するために要する時間、及びウォータージェットピーニングの施工終了後にウォータージェットピーニング装置を原子炉圧力容器内から回収するのに要する時間をそれぞれ短縮することができる。したがって、ウォータージェットピーニング施工対象物へのウォータージェットピーニング作業に要する時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ウォータージェットピーニング作業に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の好適な一実施例である実施例1のウォータージェットピーニング装置の構成図である。
図2図1に示すウォータージェットピーニング装置の側面図である。
図3図2に示す旋回機構部及び軸受部の拡大縦断面図である。
図4図2に示すウォータージェットピーニング装置の下部の内部構造を示す拡大図である。
図5図2に示すウォータージェットピーニング装置の上部構造を示す拡大図である。
図6】ウォータージェットピーニング装置の炉心支持板への取り付け構造を示す平面図である。
図7図6のVII−VII断面図である。
図8】ウォータージェットピーニング装置の炉心支持板への取り付け構造の他の例を示す平面図である。
図9図8のIX−IX断面図である。
図10図8のX部の拡大図である。
図11】ウォータージェットピーニング装置の炉心支持板への取り付け構造の他の例を示す平面図である。
図12図11のXII−XII断面図である。
図13図11のXIII部の拡大図である。
図14】ウォータージェットピーニングの残留応力改善効果(有効残留応力改善幅)を確認するために行った実験を示す説明図である。
図15】ウォータージェットピーニング施工後の試験体表面の残留応力測定結果の一例を示す、施工中心Cからの距離とウォータージェットピーニング後の試験体表面の残留応力との関係を示す特性図である。
図16】所要動力15kWの高圧ポンプの噴射流量Qと噴射圧力Pの関係を示す特性図である。
図17】高圧ポンプの所要動力Eと有効残留応力改善幅Wの関係を示す特性図である。
図18】高圧ポンプの所要動力Eと1kW当たりの有効残留応力改善幅ΔWの関係を示す特性図である。
図19】本発明の他の好適な実施例である実施例2のウォータージェットピーニング方法を示す説明図である。
図20】実施例2に用いられるウォータージェットピーニング装置の支持方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明者らは、前述したように、運転床に設置される高圧ポンプと原子炉圧力容器内のWJP施工対象物付近に配置される噴射ノズルとを接続する高圧ホースを短くすることによってWJP施工作業の時間を短縮できることを見出した。そして、発明者らは、高圧ホースを短くできるウォータージェットピーニング装置(WJP装置)の構造を検討した結果、高圧ポンプを、WJP装置の、噴射ノズルを取り付けたケーシングに取りつければ良いとの結論に至ったのである。
【0017】
しかしながら、高圧ポンプをWJP装置のケーシングに取り付ける場合には、高圧ポンプを床面に設置する場合と異なり、高圧ポンプの所要動力を小さくしなければならない。特に、沸騰水型原子力プラントの原子炉圧力容器内に存在する、スタブチューブと制御棒駆動機構ハウジングとの溶接部、及びスタブチューブと原子炉圧力容器の下鏡との溶接部に対してウォータージェットピーニング(WJP)を施工する場合には、WJP装置のケーシング及びこのケーシングに取り付けられた高圧ポンプが、原子炉圧力容器内の炉心シュラウドに取り付けられた上部格子板に形成された正方形状の開口部及び炉心支持板に形成された円形の開口部をそれぞれ通過する必要がある。
【0018】
このため、発明者らは、高圧ポンプの所要動力を小さくした場合において、WJP施工対象物に対して所定の圧縮残留応力を付与することができるかを確認するための実験を行った。この実験の内容及び得られた実験結果を、図14から図18を用いて説明する。
【0019】
WJPの実験は、図14に示すように、水中に置かれたステンレス鋼製の試験体39に対して噴射ノズル14を垂直に配置し、高圧ポンプ(図示せず)にて昇圧した高圧水を噴射ノズル14に供給し、噴射ノズル14から試験体39に向かって高圧水を噴射させた。噴射ノズル14から噴射された高圧水流は、キャビテーション噴流であり、多数のキャビティ(気泡)を含んでいる。噴射ノズル14から噴射されたキャビテーション噴流に含まれるキャビティが潰れるときに発生する衝撃波が、試験体39の水と接触する表面に衝突し、試験体39の表面を微細に塑性変形させる。試験体39表面に生じたその塑性変形が試験体39内において周囲から弾性的に拘束されることにより、試験体39の表面に圧縮残留応力が生じる。噴射ノズル14を試験体39の表面に沿って直線状に走査させることにより、試験体39の表面は、WJPの施工中心Cを中心とした両側のある範囲で引張残留応力が圧縮残留応力に転換される。
【0020】
従来のWJP施工作業における噴射条件(高圧ポンプの所要動力が約67kW)で噴射ノズル14から高圧水を噴射してWJPを施工した試験体39の表面における残留応力測定結果の一例を、図15に示す。図15に示された縦軸は、WJP施工後における試験体39の表面の残留応力を示しており、プラス側が引張残留応力及びマイナス側が圧縮残留応力である。試験体39の表面において残留応力が−200MPa以下の圧縮残留応力となる範囲をWJPの有効残留応力改善幅Wとすると、図15に示す例では、約86mmの範囲が有効残留応力改善幅Wとなる。
【0021】
噴射ノズル14から噴射される高圧水流の噴射条件は、噴射流量Q及び噴射圧力Pで表わされ、また、高圧ポンプの所要動力Eは、噴射流量Q及び噴射圧力Pの関数であり、(1)式で表わされる。
【0022】
E=P×Q/(6.12×9.81×η) ……(1)
ただし、ηはポンプ効率である。ここではηを0.8とする。
【0023】
高圧ポンプの所要動力Eが一定であれば、噴射流量Qと噴射圧力Pの積は一定であるため、任意の高圧ポンプの所要動力Eにおいて、噴射流量Qと噴射圧力Pの組み合わせは複数の選択肢がある。所要動力15kWの高圧ポンプにおける噴射流量Qと噴射圧力Pの組み合わせを示した例を図16に示す。高圧ポンプの所要動力15kWとなる性能曲線F上であれば、噴射流量Q及び噴射圧力Pは、高圧力、低流量から低圧力、高流量まで複数の組み合わせが存在する。
【0024】
高圧ポンプの所要動力Eと有効残留応力改善幅Wの関係を図17に示す。従来のWJP施工作業における噴射ノズル14からの高圧水の噴射条件は、高圧ポンプの所要動力Eが約67kWの場合である。図17に示すように、高圧ポンプの所要動力Eが低下するほど、有効残留応力改善幅Wは減少することが分かる。所要動力15kWの高圧ポンプでは、有効残留応力改善幅Wが50mm程度になる。
【0025】
さらに、高圧ポンプの所要動力Eと、図17に示された有効残留応力改善幅Wをそのときの高圧ポンプの所要動力Eで除した1kW当たりの有効残留応力改善幅ΔWとの関係を図18に示す。図18において、高圧ポンプの所要動力Eが約67kWの場合が、従来のWJP施工作業における噴射ノズル14の噴射条件である。図18から明らかであるように、高圧ポンプの所要動力Eが低下するほど、1kW当たりの有効残留応力改善幅ΔWは増加する関係にあり、高圧ポンプの所要動力Eが小さいほど、圧縮残留応力への改善効率が高くなる。
【0026】
従来のWJP施工作業における噴射ノズル14から噴射される高圧水流の噴射条件は、前述したように、所要動力Eが約67kWである高圧ポンプを用いた場合に相当する。高圧ポンプの所要動力Eが約67kWの場合における有効残留応力改善幅Wが86mmであるのに対して、例えば、高圧ポンプ所要動力Eがその1/4以下である約15kWの場合では、有効残留応力改善幅Wは50mm程度に減少する。
【0027】
しかしながら、有効残留応力改善幅Wが50mm程度あれば、ウォータージェットピーニング施工対象物(WJP施工対象物)のWJP施工箇所である溶接部及び熱影響部の必要な幅に対して圧縮残留応力を付与することができる。
【0028】
もし、有効残留応力改善幅Wが50mmよりも広い有効残留応力改善幅W(例えば、所要動力が67kWの場合における有効残留応力改善幅W86mm)を必要とするWJP施工対象箇所が存在する場合には、所要動力が15kWである高圧ポンプを、後述するように、ケーシングに設けたWJP装置を複数台用い、各WJP装置で異なるWJP施工対象箇所におけるWJPを実施し、一台のそのWJP装置で同じ有効残留応力改善幅WがWJP施工対象箇所において必要な幅になるように、このWJP施工対象箇所に対して、一台のそのWJP装置を、有効残留応力改善幅Wの方向で位置をずらしてもう一回、例えば、逆方向に走査すれば良い。
【0029】
所要動力Eが約67kWの高圧ポンプを一台使用する場合と同等の消費電力を使用することを想定したとき、所要動力Eが15kWの高圧ポンプであれば、同時に4台の高圧ポンプを使用することができる。このため、所要動力Eが15kWの高圧ポンプをケーシングに設けたWJP装置を用いる場合には、このWJP装置を4台同時に用いてWJP施工対象物へのWJPを実施することができる。
【0030】
高圧ポンプの所要動力E(消費電力)の合計を一定とする場合、高圧ポンプの所要動力Eを小さくし、高圧ポンプをケーシングに設けた複数台のWJP装置を用いてWJP施工対象物の複数箇所に対してWJPを同時に行う方がWJP作業の施工能率を向上させることができる。
【0031】
上記の検討結果を反映した、本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0032】
本発明の好適な一実施例であるウォータージェットピーニング装置(WJP装置)を、図1図2図3図4及び図5を用いて説明する。
【0033】
本実施例においてウォータージェットピーニング(WJP)が施工される沸騰水型原子力プラントの概略構成を図1を用いて説明する。沸騰水型原子力プラントは原子炉圧力容器1を有する。円筒状の炉心シュラウド3が原子炉圧力容器1内に配置されて原子炉圧力容器1に設置される。上部格子板4が炉心シュラウド3に取り付けられ、上部格子板4の下方に配置された炉心支持板5も炉心シュラウド3に設置される。複数の燃料集合体(図示せず)が装荷された炉心(図示せず)が、炉心シュラウド5によって取り囲まれている。上部格子板4は炉心に装荷された各燃料集合体の上端部を支持する。炉心支持板5は、燃料集合体の下端部を支持する燃料支持金具(図示せず)を保持する。原子炉圧力容器1内の炉心支持板5より下方の領域は、下部プレナム8である。
【0034】
複数の制御棒駆動機構ハウジング7が原子炉圧力容器1の下鏡部2を貫通して設けられる。制御棒駆動機構ハウジング7の個数と同じ個数のスタブチューブ6が下鏡部2の内面に溶接により取り付けられている(図2参照)。各制御棒駆動機構ハウジング7は、別々のスタブチューブ6内に挿入されて原子炉圧力容器1の下方まで伸びており、スタブチューブ6に溶接にて接続される。制御棒案内管(図示せず)の下端部が各制御棒ハウジング7の上端に結合され、燃料支持金具の下端部が炉心支持板5に形成された円形の開口部42(図6参照)を通して制御棒案内管の上端部内に挿入される。炉心支持板5の上面に設けられた位置決めピン41(図7参照)が燃料支持金具に形成された貫通孔内に挿入され、燃料支持金具の旋回を防止する。各制御棒駆動機構ハウジング7内に設置された制御棒駆動機構(図示せず)の上端部が、制御棒案内管内に配置された制御棒(図示せず)の下端部に連結されている。制御棒駆動機構は連結した制御棒の炉心への出し入れを行い、原子炉出力を制御する。
【0035】
本実施例のWJP装置11は、図1及び図2に示すように、ケーシング12、噴射ノズル14、噴射ノズル駆動機構(噴射ノズル移動装置)19及び高圧水中ポンプ26を備えている。ケーシング12は、旋回機構部49の第2ケーシング12B及び旋回機構部49よりも下方の旋回する第1ケーシング12Aを含んでいる。第2ケーシング12Bはケーシング12の上端部に位置している。
【0036】
一台の高圧水中ポンプ26が、円筒であるケーシング12の上端、すなわち、第2ケーシング12Bの上端に取り付けられている。水を吸い込む吸い込み口30が高圧水中ポンプ26に設けられる。高圧水中ポンプ26の、ケーシング12の軸心に垂直な方向における断面形状は、上部格子板4に形成される矩形の開口部を通過できる大きさになっている。ケーシング12の、ケーシング12の軸心に垂直な方向における断面形状、具体的には第1ケーシング12A及び第2ケーシング12Bのその断面形状は、上部格子板4に形成される矩形の開口部の面積よりも小さい、炉心支持板5に形成された円形の開口部42を通過できる大きさになっている。
【0037】
旋回機構部49の構造を図3を用いて説明する。旋回機構部49は、第2ケーシング12B及び旋回装置53を有する。第2ケーシング12Bは、第1ケーシング12Aの上端にベアリング60により回転可能に設置される。リング状の支持部材51及び52が、第2ケーシング12B内に配置され、第2ケーシング12Bの内面にそれぞれ取り付けられている。支持部材52は第2ケーシング12Bの下端部に位置しており、支持部材51は支持部材52よりも上方に配置される。
【0038】
旋回装置53は、モータ54、減速装置55、歯車56及び旋回軸57を有する。外面に歯車が形成された旋回軸57が、支持部材51及び52のそれぞれの中心を貫通して配置され、旋回軸57の上端が支持部材51にベアリング59により回転可能に支持された円板状の旋回部材58の下面に取り付けられる。旋回軸57は支持部材51に支持される。旋回軸57の下端は、第1ケーシング12A内に配置されて第1ケーシング12Aの上端部に取り付けられた支持部材61に取り付けられる。モータ54が支持部材52の上面に設置される。歯車56が、モータ54に連結された減速装置55の回転軸に取り付けられる。この歯車56は旋回軸57の外面に形成された歯車と噛み合っている。
【0039】
複数の開口29が、第2ケーシング12Bの上端部に形成され、第2ケーシング12Bを貫通している(図3及び図5参照)。支持部材40が、開口29の下方で第2ケーシング12Bの外面に取り付けられている(図6参照)。ケーシング12の軸方向に伸びる貫通孔が支持部材40に形成される。
【0040】
軸受部62がケーシング12の下端部、すなわち、第1ケーシング12Aの下端部に設けられる。軸受部62は、第1ケーシング12Aの下端部に取り付けられた支持部材63にベアリング64により回転可能に取り付けられる。
【0041】
突起部46が、軸受部62の下端部に設けられ(図3及び図4参照)、第1ケーシング12Aの下方に向かって伸びている。突起部46の横断面積は、第1ケーシング12Aの下端から離れるに従って減少する。開口部13(図2参照)が第1ケーシング12Aの下端部に形成される。開口部13はケーシング12の軸方向に伸びている。23は、開口部13の形成によって生じる、第1ケーシング12Aの周方向における端面である。
【0042】
噴射ノズル駆動機構19は、スイーベルユニット15、中継ボックス20、昇降テーブル35及びアーム部材45を有する(図2及び図4参照)。昇降テーブル35の上端部は、第1ケーシング12A内に設けられたボールネジ(図示せず)と噛み合うボールナットを有する支持板(図示せず)に取り付けられている。このボールネジの両端部が第1ケーシング12Aの内面に軸受により回転可能に取り付けられ、第1ケーシング12Aの内面に設置されたモータの回転軸がボールネジの一端部に連結されている(図示せず)。第1ケーシング12Aの軸方向に伸びる板状の昇降テーブル35の下端部は開口部13に位置している。一対のリンク21及び一対のリンク22のそれぞれの一端部が、別々に回転軸により回転可能に、昇降テーブル35の下端部に取り付けられる。一対のリンク21が取り付けられた回転軸は、昇降テーブル35に回転可能に取り付けられ、昇降テーブル35内に設けられたモータ(図示せず)により回転される。一対のリンク21及び一対のリンク22のそれぞれの他端部が、別々に回転軸により回転可能に、中継ボックス20に取り付けられる。これらの回転軸は、中継ボックス20に回転可能に取り付けられる。アーム部材45の一端部が中継ボックス20に取り付けられ、アーム部材45の他端部が中継ボックス20の下方に配置されたスイーベルユニット15のケーシング16に取り付けられる。アーム部材45及びスイーベルユニット15はケーシング12の外部に配置される。
【0043】
噴射ノズル14が、ケーシング16に回転可能に取り付けられた回転軸17に取り付けられている。ケーシング16内に設置されたモータ(図示せず)の回転軸が、減速機(図示せず)を介して回転軸17のケーシング16側の端部に連結される。回転軸17の他端部が、ケーシング16の側面に取り付けられた水受け部18内に挿入され、水受け部18に回転可能に取り付けられる。水受け部18と回転軸17の間には、水漏れを防止するためのシールが施されている。回転軸17の水受け部18の端部から噴射ノズル14に至る高圧水供給通路(図示せず)が、回転軸17内に形成されている。この高圧水供給通路は水受け部18内の水流入領域に連絡される。
【0044】
中継ブロック25が、中継ボックス20よりも上方の位置で第1ケーシング12A内に固定されている。高圧水供給通路(図示せず)が、中継ブロック25内にも形成される。高圧ホース27Aがケーシング12(第1ケーシング12A及び第2ケーシング12B)内に配置され、高圧ホース27Aの一端部が高圧水中ポンプ26に接続され、高圧ホース27Aの他端部が中継ブロック25に接続される(図5参照)。この高圧ホース27Aは中継ブロック25内に形成された高圧水供給通路に連絡される。
【0045】
高圧ホース27Bが中継ボックス20を貫通しており、高圧ホース27Bの一端部が中継ブロック25に接続され、高圧ホース27Bの他端部が水受け部18に接続される(図4参照)。高圧ホース27Bは中継ブロック25内に形成された高圧水供給通路と水受け部18内の水流入領域を連絡する。高圧ホース27Bは、逆U字状に配置されたケーブルベア(登録商標)24に取り付けられている。
【0046】
電力供給用のケーブル34はケーシング12内を通って中継ボックス20に接続される。このケーブル34は中継ボックス20内に設けられた第1開閉器(図示せず)を介してケーシング16内に設置された前述のモータに接続される。運転床10に設置された制御装置32に接続された制御ケーブル33もケーシング12内を通って中継ボックス20に接続され、第1開閉器に接続される。電力供給用のケーブル47が運転床10に置かれた第2開閉器48を介して高圧水中ポンプ26に接続される。制御装置32に接続された制御ケーブル36が第2開閉器48に接続される。
【0047】
WJP装置11を用いたウォータージェットピーニング方法を以下に説明する。このウォータージェットピーニング方法におけるWJP施工対象物は、例えば、制御棒駆動機構ハウジング7であり、WJP施工対象箇所は、例えば、スタブチューブ6と制御棒駆動機構ハウジング7の溶接部である。
【0048】
ある運転サイクルにおける沸騰水型原子力プラントの運転が停止され、沸騰水型原子力プラントの定期検査が実施される。この定期検査を開始するに際して、原子炉圧力容器1の上蓋が取り外され、冷却水が原子炉圧力容器1内及び原子炉ウェル9内に充填される。原子炉圧力容器1内の蒸気乾燥器(図示せず)及び気水分離器(図示せず)がそれぞれ取り外されて原子炉圧力容器1外に搬出される。炉心内の燃料集合体も原子炉圧力容器1から取り出され、燃料貯蔵プール(図示せず)に貯蔵される。燃料支持金具、制御棒及び制御棒案内管が、順次、原子炉圧力容器1外に取り出される。
【0049】
原子炉建屋内の天井クレーン(図示せず)に吊り下げられたWJP装置11が、冷却水31が充填された原子炉ウェル9内を下降し、原子炉圧力容器1内に達する。原子炉圧力容器1内を下降するWJP装置11は上部格子板4に形成された開口部内を通過する。WJP装置11の下降に伴って、WJP装置11のケーシング12の下端部は、炉心支持板5に形成されて燃料支持金具が挿入されていた開口部42を通って炉心支持板5よりも下方まで下降する。ケーシング12の下端部が、WJP施工対象物である一つの制御棒駆動機構ハウジング7の上端に着座される。図2では、WJP装置11のスイーベルユニット15、中継ボックス20及びアーム部材45が第1ケーシング12Aの外面よりも外部に突出して表示されているが、これらの部材は、第1ケーシング12Aと共に炉心支持板5の開口部42を通過できるように、第1ケーシング12A内に収納されている。
【0050】
ケーシング12下端部の軸受部62が制御棒駆動機構ハウジング7の上端に着座されたとき、ケーシング12の下端部に設けられた突起部46が制御棒駆動機構ハウジング7の上端部内に挿入される(図3及び図4参照)。また、ケーシング12の上端部である第2ケーシング12Bに設けられた支持部材40が炉心支持板4の上面上に置かれ、炉心支持板4の上面に設けられた位置決めピン41が支持部材40に形成された貫通孔内に挿入される(図6及び図7参照)。位置決めピン41が支持部材40に係合されることにより、ケーシング12の位置ずれ、すなわち、ケーシング12の旋回が防止される。
【0051】
ケーシング12の旋回を防止する機構としては、図6及び図7に示す旋回防止機構以外に、図8図9及び図10に示す旋回防止機構または図11図12及び図13に示す旋回防止機構を用いてもよい。
【0052】
図8図9及び図10に示す旋回防止機構は、第2ケーシング12Bに設けられた支持部材40Aにシリンダ(図示せず)を設け、このシリンダ内に設けたピストンに押し付け部材43を取り付けた構成を有する。WJP装置11のケーシング12が制御棒駆動機構ハウジング7の上端に着座したとき、炉心支持板4の上面に置かれた支持部材40Aの押し付け部材43が炉心支持板4に設けられた位置決めピン41に対向して配置される。支持部材40Aのシリンダ内に圧縮空気が供給されると、押し付け部材43が、位置決めピン41に向かって移動し、位置決めピン41に押し付けられる。このとき、第2ケーシング12Bの、支持部材40Aの位置とは180°反対側の外面が開口部42の内面に押し付けられ、第2ケーシング12Bの旋回が防止される。
【0053】
図11図12及び図13に示す旋回防止機構は、第2ケーシング12Bに設けられた支持部材40Bに把持部材44A,44Bを回転可能に取り付け、これらの把持部材を回転させるシリンダ機構を有している。このシリンダ機構は支持部材40Bに設けられる。WJP装置11のケーシング12が制御棒駆動機構ハウジング7の上端に着座したとき、炉心支持板4に設けられた位置決めピン41が炉心支持板4の上面に置かれた支持部材40Bの把持部材44Aと把持部材44Bの間に配置される。シリンダ機構に圧縮空気が供給されると、把持部材44Aが図13において時計方向に回転し、把持部材44Bが図13において反時計方向に回転する。やがて、把持部材44A,44Bが位置決めピン41の外面に接触し、把持部材44A,44Bによって位置決めピン41が把持される。このため、第2ケーシング12Bの旋回が防止される。
【0054】
高圧水中ポンプ26の駆動及び停止は、制御装置32から制御ケーブル36に出力される制御信号によって第2開閉器48をON,OFFすることによって制御される。噴射ノズル14の、ケーシング12の軸方向における位置決め、及びWJP施工対象物である制御棒駆動機構ハウジング7に対する、噴射ノズル14の噴射角が、制御装置32から制御ケーブル33に出力される制御信号によって制御される。
【0055】
噴射ノズル14の、ケーシング12の軸方向における位置決めは、噴射ノズル駆動機構19によって噴射ノズル14をケーシング12の軸方向において移動させることによって行われる。すなわち、第1ケーシング12A内に設置されたボールネジがモータにより回転されると、このボールネジに噛み合うボールナットを有する支持板が第1ケーシング12Aの軸方向に移動し、昇降テーブル35及びアーム部材45も第1ケーシング12Aの軸方向に移動する。この移動により、噴射ノズル14の噴射口が、WJP施工箇所である制御棒駆動機構ハウジング7とスタブチューブ6との溶接部の外面付近に位置決めされる。昇降テーブル35及びアーム部材45が第1ケーシング12Aの軸方向に移動するとき、この移動に合せて、第1ケーシング12A内に逆U字状に配置されたケーブルベア24の逆U字の頂部の位置も、その軸方向に移動する。WJP施工箇所がスタブチューブ6と原子炉圧力容器1の溶接部である場合には、ボールネジの回転により昇降テーブル35及びアーム部材45がさらに下降され、噴射ノズル14の噴射口がスタブチューブ6と原子炉圧力容器1の溶接部の位置に合せられる。
【0056】
噴射ノズル14の水平方向における位置決めは以下のように行われる。昇降テーブル35内に設けられたモータを回転させて一対のリンク21のそれぞれの一端部が取り付けられた回転軸を回転させる。これにより、一対のリンク21が第1ケーシング12Aの軸方向において回転され、中継ボックス20を第1ケーシング12Aに近づける(または遠ざける)ように移動させる。なお、一対のリンク21が回転すると、従動リンクである一対のリンク22もリンク21と同様に回転する。一対のこのようなリンク21,22の回転によっても、アーム部材45は昇降テーブル35と平行な状態に保持される。一対のリンク21及び一対のリンク22は、平行リンク機構を構成している。この結果、スイーベルユニット15に取り付けられた噴射ノズル14が水平方向に移動し、噴射ノズル14の噴射口とWJP施工箇所(制御棒駆動機構ハウジング7とスタブチューブ6の溶接部)の間の水平方向の距離を所定の距離に合せることができる。
【0057】
制御棒駆動機構ハウジング7に対する、噴射ノズル14の噴射角は、制御装置32から制御ケーブル33に出力される制御信号によって第1開閉器をONしてケーシング16内に設けられたモータを駆動することによって調節される。第1開閉器がONすると、ケーブル34を介して供給される電力がそのモータを回転させる。回転軸17が回転するため、噴射ノズル14が回転軸17を中心に回転される。噴射ノズル14の噴射口が制御棒駆動機構ハウジング7とスタブチューブ6との溶接部を向いたとき、第1開閉器がOFFされ、モータによる回転軸17の回転が停止される。噴射ノズル14の状態は、第1ケーシング12Aに設けられた監視カメラ(図示せず)によって監視される。
【0058】
制御信号が制御装置32から制御ケーブル36に出力されたとき、第2開閉器48がONされる。電力がケーブル47を通して高圧水中ポンプ26に供給され、高圧水中ポンプ26が駆動される。原子炉圧力容器1内の冷却水31が、吸い込み口30から吸引され、高圧水中ポンプ26で昇圧される。高圧水中ポンプ26から吐出された高圧水は、高圧ホース27A、中継ブロック25内の高圧水供給通路、高圧ホース27B、水受け部18内の水流入領域及び回転軸17内の高圧水供給通路を通して噴射ノズル14に供給される。この高圧水は、微細な無数の気泡を含んだキャビテーション噴流37として噴射ノズルから噴射される。キャビテーション噴流37に含まれた気泡が潰れて発生した衝撃波が、制御棒駆動機構ハウジング7とスタブチューブ6との溶接部の表面に衝突する。これにより、この溶接部の表面に圧縮残留応力が付与される。
【0059】
制御棒駆動機構ハウジング7とスタブチューブ6との溶接部は、制御棒駆動機構ハウジング7の全周に亘って存在するため、WJPをこの溶接部の全周に亘って実施する場合には、キャビテーション噴流37を噴射している噴射ノズル14を、その溶接部に沿って制御棒駆動機構ハウジング7の回りを旋回させる必要がある。この噴射ノズル14の旋回は、旋回装置53を用いて行われる。モータ54が駆動されると、モータ54の回転力が減速装置55を介して歯車56に伝えられ、歯車56が回転される。このため、歯車56により旋回軸57が回転し、第1ケーシング12Aが回転する。第1ケーシング12Aの回転により、キャビテーション噴流37を噴射している噴射ノズル14が、制御棒駆動機構ハウジング7の周囲を旋回し、その溶接部に沿って移動する。高圧ホース27A、制御ケーブル33及びケーブル34のねじりを防止するために、モータ54は正転及び逆転を交互に繰り返す。このため、噴射ノズル14は、キャビテーション噴流37を噴射しながら、制御棒駆動機構ハウジング7の周囲を、時計回りに180°及び反時計回りに180°の旋回を繰り返すことになる。このようにして、制御棒駆動機構ハウジング7とスタブチューブ6との溶接部の全周に亘って、この溶接部の表面及び熱影響部の表面に圧縮残留応力を付与することができる。なお、モータ54が駆動したとき、第2ケーシング12B及び高圧水中ポンプ26は旋回しない。
【0060】
本実施例によれば、高圧水中ポンプ26が、噴射ノズル14が設けられた、WJP装置11の構成部材であるケーシング12に設置されているので、高圧水中ポンプ26から噴射ノズル14に高圧水を供給する高圧ホース27A,27Bを、WJP装置11、具体的にはケーシング12に設けることができる。このため、原子炉ウェル9及び原子炉圧力容器1内におけるWJP装置11の移動を速く行うことができ、WJP装置11をWJP施工対象物の位置に設定するのに要する時間を著しく短縮することができる。
【0061】
特許第2859125号公報に記載されたウォータージェットピーニング方法では、運転床に設置された高圧ポンプと噴射ノズルを接続する高圧ホースの長さが50〜100m程度にもなり、高強度で曲がりづらい高圧ホースによる制約を受けて、WJP装置の、噴射ノズルを設けたケーシング12をWJP施工対象箇所まで移動させるのに長時間を要していた。しかしながら、本実施例では、高圧水中ポンプ26がケーシング12に取り付けられているため、WJP装置11の移動が特許第2859125号公報のように高圧ホースによる制約を受けなく、WJP装置11を速く移動させることができる。
【0062】
本実施例では、WJP施工対象物へのWJP施工の終了後において、WJP装置11を運転床まで回収するのに要する時間も短縮することができる。
【0063】
したがって、本実施例は、WJP施工作業に要する時間を著しく短縮することができる。
【0064】
高圧水中ポンプ26がケーシング12の上端に設けられているので、沸騰水型原子力プラントにおいて、WJP装置11が上部格子板4に形成された開口部を容易に通過することができる。
【0065】
また、特許第2859125号公報に記載されたウォータージェットピーニング方法では、50〜100m程度の高圧ホースによる圧力損失が、10MPa程度となる。このため、その従来のウォータージェットピーニング方法では、高圧ホースの圧力損失を見込んで、高圧ポンプの仕様を設定する必要があり、高圧ホースの圧力損失の分だけ高圧ポンプの運転効率が低下する。本実施例では、ケーシング12内に配置される高圧ホース27A,27Bの合計長さは、従来の50〜100mに比べれば非常に短くなる。このため、高圧ホースによる圧力損失が著しく低下し、高圧水中ポンプ26の運転効率を高めることができる。
【0066】
本実施例では、高圧水中ポンプ26と噴射ノズル14を接続する高圧ホース27A,27Bがケーシング12内に配置され、高圧ホース27Bのケーシング12外に配置される部分もケーブルベア24に取り付けられているので、WJP装置11の、上部格子板4に形成された開口部及び炉心支持板5の開口部42の通過もスムーズに行うことができ、WJP施工作業に要する時間をさらに短縮することができる。
【0067】
本実施例では、高圧水中ポンプ26で昇圧した、原子炉圧力容器1内の冷却水31を、噴射ノズル14から、原子炉圧力容器1内のWJP施工対象箇所に向かって噴射する。このように、本実施例では、WJPを施工する際に原子炉圧力容器1内の冷却水31を循環して噴射ノズル14から噴射させることができる。このため、噴射ノズル14に供給する冷却水の管理が不要になる。
【0068】
本実施例では、原子炉圧力容器1内におけるWJP施工作業に噴射ノズル14を設けたケーシング12に高圧水中ポンプ26を設置したWJP装置11を用いるので、複数台のWJP装置11を複数の制御棒駆動機構ハウジング7のそれぞれの上端に別々に着座させ、複数の制御棒駆動機構ハウジング7に対するWJP施工作業を並行して行うことができる。これにより、原子炉圧力容器1に設けられた全制御棒駆動機構ハウジング7に対するWJP施工作業をより短時間で終了することができる。また、ケーシング12に高圧水中ポンプ26を設置したWJP装置11であれば、一度に使用するWJP装置11の台数を容易に増加することができる。
【0069】
前述の従来のWJP施工作業に用いる高圧ポンプは、長い高圧ホースの圧力損失を考慮して、所要動力約100kWの高圧ポンプを使用するため、高圧ポンプに電力を供給する電源として、電圧440Vの仮設電源が必要となる。しかしながら、本実施例では、ケーシング12に高圧水中ポンプ26を設置しているため、高圧水中ポンプ26の所要動力が22kW以下であれば、高圧水中ポンプ26への供給電圧は200Vで良い。このため、高圧水中ポンプ26の所要動力を22kW以下にすれば、原子炉建屋内の200V電源の増設工事を実施すれば良く、従来のような仮設電源工事が不要になる。
【0070】
WJP装置11を用いてスタブチューブ6と原子炉圧力容器1の下鏡部2の溶接部の表面に対してWJPを施工してもよい。
【実施例2】
【0071】
本発明の他の好適な実施例である実施例2のウォータージェットピーニング方法を、図19及び図20を用いて説明する。本実施例は、実施例1のWJP装置11を用いて加圧水型原子力プラントの原子炉圧力容器1内に配置された炉内計装管38と原子炉圧力容器1の下鏡部2の溶接部の表面に対してWJPを施工するウォータージェットピーニング方法である。本実施例におけるWJP施工対象物は炉内計装管38である。
【0072】
加圧水型原子力プラントの運転停止後の定期検査期間において、原子炉圧力容器1の上蓋が取り外され、炉心に装荷された全燃料集合体が原子炉圧力容器1から取り出される。炉心を支えていた炉内構造物も原子炉圧力容器1外に取り出される。原子炉圧力容器1内に冷却水が充填されている。
【0073】
上端部に支柱が取り付けられて、ケーシング12の上端に高圧水中ポンプ26を設置したWJP装置11が、天井クレーンに吊り下げられて、噴射ノズル14が、WJP施工対象物である炉内計装管38と原子炉圧力容器1の下鏡部2との溶接部付近に達するまで原子炉圧力容器1内を下降される。噴射ノズル14がその溶接部付近まで下降されたとき、WJP装置11の下降が停止される。WJP装置11の高圧水中ポンプ26のケーシングの頂部に取り付けられた支柱65には、把持部固定金具67が取り付けられた支柱把持部材66が取り付けられている。作業台車68が、原子炉圧力容器1を取り囲む原子炉格納容器(図示せず)内で原子炉圧力容器1の上方に設置される。把持部固定金具67を作業台車68の手摺り69に支持することによって、WJP装置11が作業台車68に保持される。このように、WJP装置11が作業台車68に保持することによって、第2ケーシング12B及び高圧水中ポンプ26の旋回が防止される。
【0074】
実施例1と同様に、噴射ノズル14の、炉内計装管38と原子炉圧力容器1の下鏡部2の溶接部の表面に対する位置決めが行われた後、高圧水中ポンプ26を駆動する。原子炉圧力容器1内の冷却水は、吸い込み口30から高圧水中ポンプ26内に流入し、高圧水中ポンプ26で昇圧される。昇圧された冷却水は、高圧水となってケーシング12内の設置された高圧ホース27A,27Bを通って噴射ノズル14に供給される。キャビテーション噴流37が噴射ノズル14からその溶接部の表面に向かって噴射される。キャビテーション噴流37に含まれた各気泡が潰れ、衝撃波が発生する。この衝撃波が、その溶接部表面に衝突することによって、その溶接部表面に圧縮残留応力が付与される。モータ54の駆動によって、第1ケーシング12Aが時計方向及び反時計方向に180°ごとに繰り返して回転し、噴射ノズル14が炉内計装管38の周囲を旋回するため、炉内計装管38と原子炉圧力容器1の溶接部の全周に亘って圧縮残留応力を付与することができる。
【0075】
本実施例は実施例1で生じる各効果を得ることができる。
【実施例3】
【0076】
実施例1ではケーシングの上端に高圧ポンプを設置したWJP装置を用いて制御棒駆動機構ハウジング7とスタブチューブ6の溶接部の表面に対するWJP施工作業を実施したが、原子炉圧力容器1内で炉心を取り囲んでいる、上部格子板4と炉心支持板5の間における炉心シュラウドの溶接部に対してもWJP施工作業を実施することができる。
【0077】
炉心シュラウドの溶接部に対してWJP施工作業を実施する、本発明の他の好適な実施例である実施例3のウォータージェットピーニング方法を以下に説明する。
【0078】
本実施例のウォータージェットピーニング方法に使用されるWJP装置は、WJP装置11において第1ケーシング12A及び第2ケーシング12Bを一体化したケーシング12を有し、さらにWJP装置11とは噴射ノズル駆動機構が異なっている。筒状体であるケーシング12の横断面は、上部格子板4に形成された矩形の開口部に合せて矩形となっている。本実施例に用いるWJP装置の他の構成はWJP装置11と同じであり、第1ケーシング12Aが回転しない。
【0079】
本実施例で使用されるWJP装置のノズル駆動機構は、ボールネジ、ボールネジを回転させる第1モータ、ボールネジに噛み合うボールナットに取り付けられた昇降部材、レール部材、昇降部材に取り付けられてレール部材をボールネジと直交する方向に移動させる前後駆動装置、及び第2モータを有している。レール部材は水平方向と垂直方向の90°の範囲において回転できるように昇降部材に取り付けられており、第2モータはレール部材を上記した90°の範囲で時計方向及び反時計方向に回転させる装置である。噴射ノズル14はレール部材のレール上に移動可能に設置されている。
【0080】
ボールネジは、ケーシング12内に回転可能に設けられ、ケーシング12の軸方向においてケーシング12の下端からケーシング12の上端部まで伸びている。ケーシング12内でケーシングの上端部に設置された第1モータの回転軸が減速機を介してボールネジの上端部に連結される。昇降部材を取り付けたボールナットがボールネジと噛み合っている。ボールネジの回転に伴う昇降部材の回転を防止するガイド棒が、昇降部材を貫通してケーシング12内に設置され、ボールネジと平行に配置されている。WJP装置11と同様に一端が中継ブロック25に接続されてケーブルベア24に取り付けられた高圧ホース27Bの他端が、旋回板に取り付けられた噴射ノズル14に接続される。本実施例で用いられるWJP装置のケーシング12に形成される開口部13は、WJP装置11と異なり、ケーシング12の下端からボールネジの上端付近まで伸びている。
【0081】
炉心支持板5よりも方において炉心シュラウド3の溶接部に対してWJPを実施する場合には、本実施例で用いる上記したWJP装置(以下、第1WJP装置という)は、原子炉容器1内を下降されて上部格子板4に形成された矩形の開口部内を下降する。第1WJP装置が上部格子板4の開口部を通過するとき、レール部材は、垂直状態になっており、ケーシング12の軸心と平行になっている。ケーシング12の下端部が所定の制御棒案内管(制御棒ガイドチューブ)に着座され、ケーシング12の上端部が上部格子板4に形成された矩形の開口部内に挿入されている。横断面が矩形のケーシング12が上部格子板4のその開口部に挿入されているため、ケーシング12が回転することはない。
【0082】
第1WJP装置が制御棒案内管(または炉心支持板)に着座した後、第2モータを駆動してレール部材を回転させ、レール部材を水平状態にする。このとき、ケーシング12の開口部13は炉心シュラウド3の内面と対向しており、レール部材に設けられたレール上に移動可能に設置されている噴射ノズル14の噴射口は炉心シュラウド3の内面に面している。第1モータを駆動してボールネジを回転させ、昇降部材をケーシング12の軸方向における所定位置まで移動させる。この昇降部材の移動によって、噴射ノズル14の噴射口が、ケーシング12の軸方向において、WJPの施工対象の溶接部の位置に位置決めされる。
【0083】
次に、昇降部材に設けられた前後駆動装置を駆動させてレール部材を炉心シュラウドの半径方向に移動させることにより、噴射ノズル14の噴射口と炉心シュラウド内面のと間の距離、すなわち、噴射距離が設定距離に調節され、噴射ノズル14の炉心シュラウドの半径方向における位置決めがなされる。
【0084】
高圧水中ポンプ26を駆動することによって原子炉圧力容器1内の冷却水31が昇圧されて高圧水になり、この高圧水が高圧ホース27A,27Bを通って噴射ノズル14に供給され、噴射ノズル14から噴射される。キャビテーション噴流を噴射している噴射ノズル14をレール部材のレールに沿って炉心シュラウドの周方向に移動させる。レール部材は炉心シュラウドの内面の曲率に合せて扇形をしているので、噴射ノズル14を炉心シュラウドの周方向において或る距離、例えば、複数セル亘って移動させることができる。キャビテーション噴流を噴射している噴射ノズル14と炉心シュラウドの内面との間に距離が、一定になるように、前後駆動装置の駆動により調節される。噴射ノズル14は、レール部材上を、高圧水であるキャビテーション噴流を炉心シュラウド3の溶接部の内面に向って噴射しながら炉心シュラウドの周方向に所定の距離だけ移動する。キャビテーション噴流に含まれた各気泡が潰れ、衝撃波が発生する。発生した各衝撃波が炉心シュラウド3の溶接部の内面に衝突して、その内面に圧縮残留応力が付与される。噴射ノズル14を設けた旋回板の旋回により、炉心シュラウド3の周方向において、その所定の角度範囲内でその溶接部の内面に圧縮残留応力が付与される。炉心シュラウドの周方向においてその所定の距離の範囲内でその溶接部の内面に圧縮残留応力が付与された後、本実施例で用いられる第1WJP装置が、上方に移動されて上部格子板4の開口部から引き抜かれ、炉心シュラウド3の周方向において移動され、上部格子板4の、所定の他の開口部を通して下降され、他の制御棒案内管(または炉心支持板)に着座される。この位置で、前述したように、噴射ノズル14からキャビテーション噴流を噴射しながら噴射ノズル14を炉心シュラウドの周方向に移動させる。この結果、前述の圧縮残留応力が付与された溶接部の内面に連続して次の所定角度範囲の溶接部の内面に圧縮残留応力が付与される。このように、第1WJP装置を炉心シュラウド3の周方向において隣接している制御棒駆動機構ハウジング7に順番に着座させて所定角度範囲内にキャビテーション噴流を噴射することによって、炉心シュラウド3の周方向に伸びる溶接部の内面の全周に亘って連続して圧縮残留応力を付与することができる。
【0085】
また、本実施例において、炉心支持板5よりも上方で炉心シュラウド3の溶接部の内面にWJPを施工する場合には、第2WJP装置のケーシング12の下端の突起部46が炉心支持板5の開口部42内に挿入され、ケーシング12の下端が制御棒駆動機構ハウジングの上面に着座される。ケーシング12の上端部は、上部格子板4の開口部内に挿入されており、上部格子板4に支持される。ケーシング12の上端に設置された高速水中ポンプ26は、上部格子板4よりも上方に配置される。第2WJP装置を用いたWJPが、第1WJP装置を用いたWJPと同様に、炉心シュラウド3の溶接部の内面に対して実施される。
【0086】
さらに、本実施例において、実施例1で用いるWJP装置11を用いることによって、炉心シュラウド3へのWJPの実施と並行して、制御棒駆動機構ハウジング7とスタブチューブ6の溶接部へのWJPを実施することができる。
【0087】
本実施例は実施例1で生じる各効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0088】
1…原子炉圧力容器、3…炉心シュラウド、4…上部格子板、5…炉心支持板、6…スタブチューブ、7…制御棒駆動機構ハウジング、11…ウォータージェットピーニング装置、12…ケーシング、14…噴射ンノズル、15…スイーベルユニット、19…噴射ノズル駆動機構、20…中継ボックス、24…ケーブルベア、26…高圧ポンプ、27A,27b…高圧ホース、38…炉内計装管。
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