(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956393
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】長尺のガラス体の成形方法及び成形装置
(51)【国際特許分類】
C03B 23/047 20060101AFI20160714BHJP
【FI】
C03B23/047
【請求項の数】19
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-166688(P2013-166688)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2014-34514(P2014-34514A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年9月15日
(31)【優先権主張番号】10 2012 107 338.4
(32)【優先日】2012年8月9日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】レイネル バルシュ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ビーアザック
(72)【発明者】
【氏名】ボルフガング パルツ
(72)【発明者】
【氏名】クサバ デブレツェニー
【審査官】
岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−047629(JP,U)
【文献】
特開2000−247664(JP,A)
【文献】
独国特許発明第102006015223(DE,B3)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 23/00−23/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスチューブ又はガラスロッドであり初期断面を有する長尺のガラス体(81)を、異なる断面を有する長尺のガラス体に成形する方法であって、
前記長尺のガラス体(81)が、高温で可塑性を有する状態において、圧縮ローラー(1)によって形成され前記初期断面の外側寸法よりも小さなニップ幅を有するニップを通過し、
前記圧縮ローラーの各々と前記高温のガラス体との間の接触領域を連続的に変化させるために前記ニップ幅を維持しながら、前記圧縮ローラーの少なくとも1つの位置が連続的に変化し、
前記圧縮ローラー(1)の各々の位置が所定の機能に従う当該圧縮ローラーの各々の軸方向の連続的な調節によって変化される、長尺のガラス体を成形する方法。
【請求項2】
前記所定の機能が前記圧縮ローラーの各々の軸方向における前記圧縮ローラーの各々の周期的な往復運動である、長尺のガラス体を成形する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の機能が離散ステップによって実行され、当該離散ステップの各々が同一のステップサイズを有する、長尺のガラス体を成形する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの各々の回転運動が独立に駆動される、長尺のガラス体を成形する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの各々の回転運動が同期して駆動されるか、又は、予め定められた一定のオフセットを備えて駆動される、長尺のガラス体を成形する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記異なる断面の外側寸法及び/又は内側寸法が前記ニップの下流で検出され、
前記異なる断面を有するガラス体への前記高温で可塑性を有するガラス体の成形に関するパラメーターは、前記異なる断面の外側寸法及び/又は内側寸法を一定に維持するように、検出された当該異なる断面の外側寸法及び/又は内側寸法に応じて制御又は調整される、長尺のガラス体を成形する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
長尺のガラス体がガラスチューブとして形成される場合において、前記パラメーターは、前記ニップ幅、前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの各々の回転スピード若しくは各々の差動的な回転スピード、又は、前記可塑性を有するガラス体の内部に向かって加えられる加圧力である、長尺のガラス体を成形する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ガラス体は、前記ニップの下流で検出される前記外側寸法及び/又は前記内側寸法に従ってマーキング及び/又は選別される、長尺のガラス体を成形する請求項6に記載の方法。
【請求項9】
ガラスチューブ又はガラスロッドとして形成される長尺のガラス体を製造する方法であって、
前記長尺のガラス体は、初期断面を有し融解したガラスから引き抜かれて形成されるガラスチューブ又はガラスロッドであり、
前記ガラスチューブ又は前記ガラスロッドは、高温で可塑性を有する状態において、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法を用いて、異なる断面を有するガラスチューブ又はガラスロッドへと成形される、長尺のガラス体を製造する方法。
【請求項10】
ガラスチューブ又はガラスロッドであり初期断面を有する長尺のガラス体(81)を異なる断面を有する長尺のガラス体に成形する装置であって、
前記初期断面の外側寸法よりも小さなニップ幅を形成する圧縮ローラー(1)と、
前記初期断面を有する前記長尺のガラス体を前記ニップを通過させて運ぶ運搬手段(82〜84)と、を含み、
前記圧縮ローラー(1)は、当該圧縮ローラーの少なくとも1つの位置が変化し得るように調節可能に支持され、
前記圧縮ローラー(1)の少なくとも1つの位置を調節する調節装置(25)が、前記圧縮ローラーに備えられ、
前記圧縮ローラーの少なくとも1つの位置を制御又は調整するために制御装置又は調整装置が設けられ、
前記調節装置(25)及び前記制御装置又は前記調整装置は、前記圧縮ローラーの各々と高温のガラス体との間の接触領域を連続的に変化させるために前記圧縮ローラーの各々の軸方向の連続的な調節によって前記ニップ幅を維持しながら前記圧縮ローラーの少なくとも1つの位置を連続的に変化させるために構成され、
前記調節装置(25)及び前記制御装置又は前記調整装置は、前記圧縮ローラー(1)の各々の軸方向の連続的な調節が所定の機能に従って実行されるように構成される、長尺のガラス体(81)を成形する装置。
【請求項11】
前記圧縮ローラーの軸方向における前記圧縮ローラーの各々の周期的な往復運動が前記所定の機能に従って実行されるように、前記圧縮ローラー(1)に備えられた前記調節装置(25)が構成されるか、又は、制御される、長尺のガラス体を成形する請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記圧縮ローラー(1)に備えられた前記調節装置(25)は、前記所定の機能が離散ステップによって実行され、当該離散ステップの各々が同一のステップサイズを有するように構成されるか、又は、制御される、長尺のガラス体を成形する請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記調節装置は、移動ステージ(12)と、当該移動ステージを調節するための調節モーター(25)とを含み、
前記圧縮ローラー(1)は、前記移動ステージ(12)上で支持され、
前記移動ステージ(12)は、前記圧縮ローラー(1)の軸方向において移動可能であるように取り付けられ、
前記調節モーターは、前記移動ステージ(12)を調節することによって前記圧縮ローラーの少なくとも1つの前記軸方向の調節を可能にするように前記移動ステージに結合される、長尺のガラス体を成形する請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記ニップを形成する前記圧縮ローラーに備えられた前記圧縮ローラーの回転運動を独立して駆動するために、少なくとも1つの駆動モーター(9)をさらに有する、長尺のガラス体を成形する請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記駆動モーター(9)の少なくとも1つは、前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの各々が同期して駆動されるか、又は、予め定められた一定のオフセットを備えて駆動されるように構成又は制御される、長尺のガラス体を成形する請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ニップの下流において前記異なる断面の外側寸法及び/又は内側寸法を検出するために前記ニップの下流に配置される計測装置(86、87)と、
前記異なる断面の前記外側寸法及び/又は前記内側寸法を一定に維持するために、検出された前記異なる断面の前記外側寸法及び/又は前記内側寸法に応じて、高温で可塑性を有する前記ガラス体の前記異なる断面を有するガラス体への成形に関係するパラメーターを制御又は調整するために構成される制御装置(88)又は調整装置(88)と、をさらに含む、長尺のガラス体を成形する請求項10に記載の装置。
【請求項17】
長尺のガラス体がガラスチューブとして形成される場合において、前記パラメーターは、前記ニップ幅、前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの各々の回転スピード若しくは各々の差動的な回転スピード、又は、前記可塑性を有するガラス体の内部に向かって加えられる加圧力である、長尺のガラス体を成形する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ガラス体を、前記ニップの下流において検出された前記外側寸法及び/又は前記内側寸法に従って前記ガラス体をマーキング及び/又は選別するためのマーキング手段及び/又は選別手段をさらに含む、長尺のガラス体を成形する請求項16に記載の装置。
【請求項19】
ガラスチューブ又はガラスロッドとして形成される長尺のガラス体を製造する装置であって、
融解したガラスから引き抜いて、前記長尺のガラス体(81)を、初期断面を有するガラスチューブ又はガラスロッドに形成する装置と、
前記初期断面を有する前記長尺のガラス体(81)を高温で可塑性を有する状態において異なる断面を有する長尺のガラス体へと成形するための請求項10〜18のいずれか1つに記載の装置と、を含む、長尺のガラス体を製造する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年8月9日に出願された「長尺のガラス体の成形方法及び成形装置、並びに、それらの使用(Method and Apparatus for shaping an elongated glass body and use thereof)」というタイトルの独国特許出願公開第102012107338号明細書(German Patent Application No. 10 2012 107 338)に基づく優先権を主張し、その内容は、参照により全て本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、主に、高温で可塑性を有する状態において、初期断面を有するガラス体を異なる断面を有するガラス体へと成形することによる長尺のガラス体の製造に関する。本発明は、具体的には、円形ではない断面を有するガラスチューブの高精度な製造に関するものであり、そのようなガラスチューブは、例えば、光学的イメージング用の楕円形のチューブ又は平凸状(plano−convex)のガラス体などに使用される。
【背景技術】
【0003】
そのようなガラス体のための開始素材として、円形の断面を有するガラスチューブを通常用いることができるし、又は、ガラスロッドが用いられてもよく、それらは高温で可塑性を有する状態において所望の形状に変形又は成形される。
【0004】
独国特許出願公開第545449号明細書(DE545449A)は、ガラスチューブを非円形の断面を有するガラスチューブへと変形又は成形する装置を開示しており、その装置において、ガラスチューブは加熱された状態のままニップを通って運ばれる。ニップを形成する圧縮ローラー(squeezing roller)のニップ形成プロセスにおける調節は開示されていない。独国特許出願公開第1007962号明細書(DE1007962A)は、ガラスチューブを、薄い絶縁テープ又は絶縁層へと成形するための対応する方法を開示している。
【0005】
特開2006−315919号公報(JP2006315919A)は、ガラスチューブを非円形の断面を有するガラスチューブへと成形するための装置を開示している。ニップを形成する圧縮ローラーの位置は、成形(変形)プロセス後のガラスチューブの断面を調節するために調節されることが可能である。ニップを形成する圧縮ローラーの成形プロセスにおける調節は開示されていない。
【0006】
ガラスチューブを変形することによって所定の断面を達成するために、独国特許出願公開第19856892号明細書(DE19856892A1)は、成形プロセス後に、ガラスチューブの直径及び壁の厚さを連続的に計測し、ガラスチューブ内部に作用する加圧力を制御又は調整することを提案している。ニップを形成する圧縮ローラーの成形プロセスにおける調節は、開示されていない。
【0007】
本出願の独国特許発明第102006015223号明細書(DE102006015223B3)は、円形断面とは異なる断面を有するガラスチューブを製造する方法及び装置を開示している。ここで、初期断面を有する最初のガラスチューブ(いわゆるプレフォーム(preform))は、最初に引き抜きバルブ(drawing bulb)を形成する間に加熱ゾーンを通り、次に一対のローラーによって形成されるニップを通るが、引き抜きバルブは、異なる断面を有するガラスチューブへと成形(変形)される。この成形プロセスは、実際には、最初のガラスチューブの再引き抜きのためのプロセスである。この再引き抜きプロセスの間において、ガラスチューブの引き抜き方向、及び/又は、それらに対して垂直な方向において、ニップを形成する圧縮ローラーは調節されることが可能である。圧縮ローラーの位置の調節は、成形プロセス後にガラスチューブの一定の断面を得ることを目的としている。この目的のために、成形プロセス後のガラスチューブの断面が制御又は調整のためのパラメーターとして計測されてもよいし、使用されてもよい。しかしながら、後述する通り本出願の表現で言えば、この圧縮ローラーの位置の調節は連続していない。特に、この調節は、成形エリアにおける圧縮ローラーの各々と高温のガラスチューブとの間の接触領域が連続的に変化するように実行されていない。
【0008】
仮に最初のガラスチューブが高精度に製造されたとしても、成形プロセスにおける一般的な状態、及び、そのような一般的な状態の変動は、結果として、幾何学的な高い精度が要求される応用分野に適合しない精度につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、より高い精度で、最初のガラスチューブを成形するための改良された方法及び改良された装置、又は、最初のガラスチューブを異なる所定の断面を有するガラスチューブ又はガラスロッドへと成形するための改良された方法及び改良された装置を提供することである。本発明の他の側面によれば、そのようなガラスチューブ又はガラスロッドを製造するための改良された方法及び改良された装置も提供される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ガラスチューブ又はガラスロッドであって初期断面を有する長尺のガラス体を、異なる断面を有する長尺のガラス体に成形する方法において、前記長尺のガラス体は、高温で可塑性を有する状態において、圧縮ローラーによって形成され前記初期断面の外側寸法よりも小さなニップ幅を有するニップを通過する。より狭いニップを通過する際に、前記ガラスチューブ又はガラスロッドは、予め定められた所望の断面のガラスチューブ又はガラスロッドへと成形(変形)される。従って、前記長尺のガラス体の短軸に沿って所望の精度を達成するために、前記ニップ幅が正確に既定され維持される。供給されるガラスの量及び他の影響によって生じる成形プロセス前の変動は、前記ガラスチューブ及び前記ガラスロッドの(圧縮されない)長軸の外径(それほど重要でないことが多い)に"移される"。従って、前記寸法は、前記ニップの延伸方向において非常に精度よく既定されることが可能である。
【0011】
本発明によれば、少なくとも1つの前記圧縮ローラーの位置は、当該圧縮ローラーの各々と前記高温のガラス体との間の接触領域が連続的に変化又は変わるように連続的に変化される。本発明によれば、前記高温のガラスと前記圧縮ローラーとの間の接触領域が連続的に変化されるので、本発明に係る非常に単純な方法によって、ガラス体をより高精度に製造することができる。結果として、前記圧縮ローラーの(準)静的な位置で操作される従来の圧縮ユニットと比較して、種々の問題を防ぐことができる。この場合の準静的は、特に、前記圧縮ローラーと前記高温のガラスとの間の接触位置が変化しないことを意味する。従って、過剰に熱せられた圧縮ローラーや小さなガラス粒子などによって生じる前記ガラス表面における損傷又は引っかき傷は、圧縮又は変形中に前記ガラス体の表面から切り離されることができ、結果的に、他の成形プロセス又は変形プロセスに影響を与えない。従来、ニップの異なる幅及び不十分な公差をもたらしていた前記圧縮ローラーの表面の異なる温度を、接触領域の変化によって減少させることが可能である。さらに、前記ガラス体の外表面において明瞭に視認可能な"ヒートトラック"につながることが多かった前記ガラス体と前記圧縮ローラーとの間の接触表面における望ましくない過剰な加熱を防止することが可能である。また、本発明の方法において、前記圧縮ローラーはより長い期間にわたって使用されることができる。特に、本発明によれば、再使用前の前記圧縮ローラーの機械的な研磨は、仮に必要であったとしても必要最小限でよい。また、本発明に係る方法を用いて、前記ガラス体のより滑らかで、より一定の外表面が達成される。
【0012】
上述の連続的な調節によって、従来の方法において圧縮された前記ガラス体の寸法精度に関する別の問題をもたらしていた冷却をすることなく、前記圧縮ローラーを一般に操作することが可能である。
【0013】
前記ニップは、互いに移動可能に、そして、互いに平行に延伸して取り付けられる2つの対向する圧縮ローラーによって形成されるのが好ましい。一般的に、本発明によれば、これら2つの圧縮ローラーの少なくとも1つだけが連続的に(軸方向において)調節されたとしても十分であるが、両方の圧縮ローラーの位置が連続的に(軸方向において)調節されることが好ましい。圧縮ローラーの両方が、一緒に、かつ、互いに同期して軸方向に調節されるのが好ましい。
【0014】
前記圧縮ローラーの各々の上述した連続的な調節を達成するために、調節装置又は駆動装置が、前記圧縮ローラーの各々に備えられるとともに前記圧縮ローラーの各々に結合され、前記圧縮ローラーの各々と前記高温のガラス体との間の接触領域が連続的に変化又は変わるように前記圧縮ローラーの各々を調節する。
【0015】
別の実施形態によれば、上述した前記圧縮ローラーの各々の連続的な調節は、前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの間の実質的なニップ幅を維持しながら実行されてもよい。さらに、上述のことは、例えば、前記ガラス体の一定の外側寸法又はそれらの一定の壁の厚さを達成するために、前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの間の前記ニップ幅が制御又は調整されることを妨げない。しかしながら、前記圧縮ローラーの各々の調節、及び、上述のような前記ニップ幅の制御又は調整は互いに関連せずに、完全に異なった目的のために実行されるのが好ましい。このことは、例えば、前記圧縮ローラーの各々の位置の連続的な調節、及び、前記ニップ幅の制御又は調整に関与する時間スケールを非常に異なるものとする。
【0016】
他の実施形態によれば、前記圧縮ローラーの少なくとも1つの位置、及び、好ましくは前記2つの圧縮ローラーの位置は、所定の機能に従って前記圧縮ローラーの軸方向の連続的な調節を用いて変化する。従来の成形プロセスの問題が再発する可能性があるので、前記圧縮ローラーが同じ位置に非常に長く留まることは確実に回避されるべきであるため、上述の機能は実質的に絶え間なく実行されるが、例えば鋸歯状の信号又は正弦波信号に従って実行されることが可能である。
【0017】
本発明の好適な別の実施形態によれば、上述の機能は、軸方向において前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの各々、又は、好ましくは圧縮ローラーの両方の周期的な往復運動として実行される。この周期的な移動は時間において対称であることが好ましい。
【0018】
別の実施形態によれば、前記機能は、同一のステップサイズの離散ステップによって実行され、当該離散ステップは、標準的で同期的なモーター又はステッピングモーターなどを用いて当該機能を実装するのが好ましい。
【0019】
別の実施形態によれば、前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの回転運動は別々に駆動される。このことは、成形後に高精度な前記ガラス体の断面の調節、例えば、製造される楕円形のチューブの楕円形の形状の高精度な調節を可能にする。前記圧縮ローラーは、前記ガラス体が前記ニップを通過するスピードに同期して駆動されるのが好ましい。
【0020】
他の実施形態によれば、前記ガラス体が前記ニップを通って引き抜かれる引き抜きスピードを変化させることを可能とするように、そして同時に、前記圧縮ローラーのスピードを自動的に変化させるように、前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの回転運動は同期的に駆動されるか、又は、予め定められた一定のオフセットを備えて駆動される。
【0021】
別の実施形態によれば、前記ガラス体の前記異なる断面の外側寸法及び/又は内側寸法は前記ニップの下流において検出され、高温で可塑性を有する前記ガラス体の前記異なる断面を有するガラス体への成形に関係するパラメーターは、前記異なる断面の前記外側寸法及び/又は前記内側寸法を一定に維持するように前記異なる断面の検出された前記外側寸法及び/又は前記内側寸法に従って制御又は調整される。
【0022】
この目的のために、例えば、光学的計測装置を用いて、外径及び/又は内径が連続的に計測及び監視され、当該計測及び当該観測は、前記ニップの下流において実行され、そして、前記ニップを通して前記ガラス体を引き抜く引き抜き装置の上流において適切に実行される。望ましくない変動についていえば、上述の関係するパラメーターは、より高い精度を達成するために、再調節又は調整されることが可能である。
【0023】
別の実施形態によれば、前記ニップを形成する前記圧縮ローラーは自動的に計測され、具体的には、それらの正確なランニング特性(true−running characteristics)、及び/又は、それらの外径が計測され、それから、当該圧縮ローラーは、前記ニップ幅に基づく前記外径の正確なランニング誤差(true−running error)、及び/又は、変動が最小化されるように、調整手段を用いて互いに相対的に配置される。
【0024】
別の実施形態によれば、前記パラメーターは、ニップ幅、前記ニップを形成する前記圧縮ローラーの各々の回転スピード若しくは各々の異なる回転スピード、又は、ガラスチューブとして形成される可塑性を有するガラス体の内部に向かって加えられる加圧力であってよい。
【0025】
別の実施形態によれば、前記ガラス体は、前記ニップの下流において検出される前記外側寸法及び/又は前記内側寸法に従ってマーキング及び/又は選別される。従って、所定の公差を有するバッチ(batch)を簡単に製造することができる。
【0026】
本発明の別の側面は、ガラスチューブ又はガラスロッドとして形成される長尺のガラス体を製造(生産)するための方法に関するものであり、当該方法において、前記長尺のガラス体は、初期断面を有し融解したガラスから引き抜かれて形成されるガラスチューブ又はガラスロッドであり、当該ガラスチューブ又はガラスロッドは、高温で可塑性を有する状態において上述で概説した方法を用いて異なる断面を有するガラスチューブ又はガラスロッドへと成形(変形)される。
【0027】
前記圧縮ローラーの上述した調節を達成するために少なくとも1つの調節装置が前記圧縮ローラーに備えられるが、前記圧縮ローラーの各々に備えられるのが好ましい。好ましい実施形態によれば、前記調節装置は、移動ステージと、当該移動ステージを調節するための調節モーターとを有し、前記圧縮ローラーは当該移動ステージ上で支持され、当該移動ステージは前記圧縮ローラーの軸方向において移動可能に取り付けられ、前記調節モーターは当該移動ステージを調節することによって少なくとも1つの前記圧縮ローラーの軸方向の調節を可能にするように前記移動ステージに結合される。
【0028】
本発明は典型的な方法で以下の添付図を参照して記載され、それらの図から、さらなる特徴、利点、及び解決される問題が明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明に係るガラスチューブ製造プラントの概略図を示す。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る成形装置の正面図を示す。
【
図4a】成形領域を保護するために用いられるカバーがない状態の
図2の装置の上面図を示す。
【
図4b】成形領域を保護するために用いられるカバーがある状態の
図2の装置の平面図を示す。
【
図5a】成形領域を保護するために用いられるカバーがない状態の本発明の第二実施形態に係る成形装置の正面透視図を示す。
【
図5b】成形領域を保護するために用いられるカバーがある状態の
図5aの装置の正面透視図を示す。
【
図6】圧縮ローラーを備えた
図2の装置の上部の平面透視図を示す。
【
図7a】成形プロセスを用いて本発明に係る装置によって形成されるガラスチューブの3つの例を示す。
【
図7b】成形プロセスを用いて本発明に係る装置によって形成されるガラスチューブの3つの例を示す。
【
図7c】成形プロセスを用いて本発明に係る装置によって形成されるガラスチューブの3つの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付図では、同一の参照番号が、同一か又は略同等の要素又は要素グループを示す。
【0031】
図1を参照して、参照番号80によって全体的に指定される本装置はフレーム89を含み、フレーム89には、2つの圧縮ローラーによって形成されるニップに進入するガラスチューブストランド(glass tubing strand)81を成形するために2つの圧縮ローラー1が取り付けられるとともに、成形されたガラスチューブストランド81を引き抜きローラー83、84の2つの組を含む引き抜き装置82の方向へ偏向するために2つのガイドプーリー2が圧縮ローラーの下流に取り付けられる。圧縮ローラー1が配置されるカバー45は、圧縮ローラー1の周辺の成形領域を外部環境から保護する。
【0032】
ガラスチューブストランド81の外径は、好ましくは計測装置86を用いて非接触式の方法で計測されるが、光学的に計測されるのが最も好ましい。ガラスチューブストランド81の内径は計測装置87、具体的には、三角測量法を用いて光学的に計測される。計測装置87の観測点は、可能な限り計測装置86の観測点の近くに配置されるのが好ましい。さらに、2つの圧縮ローラー1の特性が、例えば、当該圧縮ローラーの外径の正確なランニング誤差、及び/又は、当該圧縮ローラーの外径の変動を検知するために、例えば、誘導式の測定方法を用いて、自動的に計測又は監視される。
【0033】
図1の連結線によって示されるように、プラント80の関連する構成要素は、制御手段88又は調整手段88、具体的には、この目的のために設計されたソフトウェアに基づいて、CPUによって制御又は調整されることが可能である。この方法において、ガラスチューブ又はガラスロッドの一定の外径、又は、ガラスチューブの壁の一定の厚さに対する制御又は調整を実装することが可能であるし、又は、圧縮ローラー1によって形成されるニップ幅に関する圧縮ローラー1の正確なランニング誤差を最小にするように実装することが可能である。
【0034】
図2は、本発明の第一実施形態に係る成形装置の平面図を示す。ベースプレート30は、ボトム部90上に支持されるマシンフレーム89に取り付けられ、移動ステージ35は、圧縮ローラー1の高さ調節を可能にするために、垂直方向に移動可能となるようにベースプレート30に取り付けられる。この高さ調節は、ハンドホイール33を使用して手動で行われることが可能であるが電動であってもよい。
【0035】
2つのガイドロッド31は、ベースプレート30に取り付けられ、移動ステージ35を垂直方向にガイドする。この調節は、一方が垂直方向の調節手段としての働きをするハンドホイール33に係合又は結合され、他方が移動ステージに係合又は結合されるねじ式スピンドル34を用いて達成される。
【0036】
図2を参照して、圧縮ローラー(不図示)が取り付けられる支持プレート20は、水平アダプター38及び垂直アダプター37によって垂直移動ステージ35に接続される。従って、圧縮ローラー1の高さ方向の位置は、ハンドホイール33を調節することによって調節されることが可能である。ガラスチューブストランドを高精度に変形又は成形できるように、引き抜き方向において急速に冷却されるガラスチューブストランドに沿って、ガラスチューブストランドが適切な可塑性を有する温度範囲が提供されるように、高さ方向の位置が調節される。この高さ方向の位置は、例えば、プラントの稼働開始時に一度調節されることが可能であるし、制御手段88又は調整手段88を用いて連続的に又は周期的に調節されることが可能である。
【0037】
図2を参照して、偏向プーリー2の高さ方向の位置及びガラスチューブストランドの引き抜き方向に対するそれらの横方向の位置は、高さ方向の調節手段51及び53、並びに、横方向の調節手段52及び54を使用して、お互いに独立に精度よく調節又は再調節されることが可能である。
【0039】
圧縮ローラー1を調節するために使用される他の構成は、
図4aの上面図及び
図6に係る透視図から具体的に決定することができる。ニップを形成する2つの圧縮ローラー1が、2つの圧縮ローラー1を支持する移動ステージ12に取り付けられる。移動ステージ12は、圧縮ローラー1の両方を軸方向において同時に調節(移動)するための調節モーター25を用いて、圧縮ローラー1の軸方向において調節されることが可能である。
【0040】
他の実施形態(不図示)によれば、ニップを形成する2つの圧縮ローラー1は、2つの部分からなる移動ステージ12上に支持されることが可能であり、移動ステージ2の一部は、2つの圧縮ローラー1の一方を支持し、移動ステージ2の他の一部は、2つの圧縮ローラー1の他方を支持する。本実施形態によれば、移動ステージ12の第一の部分は、成形プロセスにおいて静止した状態に保持され、移動ステージ12の他の部分は、調節モーター25を用いて移動ステージ12の第一の部分に対して相対的に圧縮ローラー1の軸方向において調節されてもよい。
【0041】
移動ステージ12をガイドするために、互いに平行な2つのガイドロッド21がベースプレート20上でベアリングブロック22に取り付けられる。移動ステージ12の下側に提供されるスライド部(不図示)は、ガイドロッド21に係合し、移動ステージ12の軸方向の移動をガイドする。移動ステージ12を調節するために、さらに、ネジ付き調節スピンドル24が支持プレート上で支持され、ネジ付き調節スピンドル24は、サーボモーター25によって回転方向に駆動され、移動ステージ12の下側において対応するネジ(不図示)に係合する。
【0042】
調節モーター25は同期モーターとして設計されるが、以下で詳細に説明されるように、階段状に軸方向の移動を可能にするようにステッピングモーターとして設計されてもよい。
【0043】
さらに、
図6を参照して、横方向のガイドレール15が移動ステージ12に提供され、当該横方向のガイドレール15は、ニップ幅を調節する間において、移動ステージ12の調節をガイドする(もしくは、上述の他の実施形態の場合には、移動ステージ12の第二の部分に対して第一の部分の調節を相対的にガイドする)。ニップ幅を調節するためにサーボモーター13が提供され、支持プレート20に対して取り付けられる。それによって、調節可能な圧縮ローラー1は、静止した状態で保持されている他の圧縮ローラー1に対して相対的に調節されることが可能である。
【0044】
また、原理上は、圧縮ローラー1の両方が軸方向に調節されることが可能であることは注目に値する。
【0045】
圧縮ローラー1の回転運動を駆動するために2つのサーボモーター9が提供され、各ギアーユニット10及び各クラッチ8を経由して対応する圧縮ローラー1に結合される。クラッチ8は、フランジ状に形成されるフロントエンド11を有するクラッチハウジングに収容され、クラッチ8は、フロントエンド11を通って延伸する。クラッチ8は、スピンドルシャフト4と結合し、スピンドルシャフト4は、ハウジングとして形成される各ベアリングブロック6において、ベアリング5/スピンドルベアリング7を用いて支持される。圧縮ローラー1は、各スピンドルシャフト4のフロントエンドにおいてマウントフランジ(mounting flange)に取り付けられる。
【0046】
回転貫通部3の各々は、圧縮ローラー1のフロントエンドに係合し、圧縮ローラー1をさらに冷却するために、空気又は流体、例えば水によって冷却されてもよい。しかしながら、本発明によれば、ガラスチューブを成形する間において連続的に実行される圧縮ローラー1の軸方向の移動によって、そのような冷却は必ずしも必要ではなく、省略してもよいことに注目すべきである。
【0047】
圧縮ローラー1の両方の回転スピードを独立して制御することも可能である。さらに、この回転スピードは、デジタル式で高精度に検出され、高精度に表示される。このことは、楕円形のチューブの形状を調節するのに有利である。
【0048】
ガラスストランドにおいて圧縮ローラー1の回転スピードを引き抜きマシン82(
図1)のスピードに同期させることが可能であるし、又は、圧縮ローラー1の回転スピードに一定のオフセットを付加することも可能である。すなわち、ガラスストランドを引き抜くスピードを変化させてもよく、結果として、圧縮ローラーのスピードも同様に自動的に変化する。
【0049】
図4bに見られるように、操作中において、圧縮ローラーはともにハウジング45に収容され、さらにカバー46によって覆われており、カバー46には開口部47が形成され、ガラスチューブストランドは成形プロセスのために開口部47を通って上方からニップに進入する。
【0050】
ニップにおけるガラスチューブストランドの成形中において、圧縮ローラーの各々と高温のガラス体との接触領域が連続的に変化又は変わるように、圧縮ローラー1の両方が、圧縮ローラーの軸方向の位置の連続的な調節によって一緒に変化されることが好ましい。この圧縮ローラーの軸方向の位置の連続的な調節は、所定の機能に従って実施されることが好ましい。この所定の機能は、鋸歯状の信号若しくは正弦波信号、又は、任意の同等な機能に従って、圧縮ローラー1の各々の軸方向における周期的な往復運動であることが好ましく、正しいテンポで連続的に実施されることが好ましい。このことは、同一のステップサイズの離散ステップによって実行されることになるだろう。
【0051】
上述で説明されたシステムの精密な構造は、移動する圧縮ローラーの静止した圧縮ローラーに対する相対的な調節をマイクロメーター単位の精度で可能にする。
図1を参照して上述で説明されたように、ニップ領域の不具合は、一方では、カバー46及び47によって減少されることが可能であり、他方では、制御装置88又は調整装置88を用いて最小にされることが可能である。具体的には、ニップ領域における温度の影響は、高温計によって検出されることが可能であり、成形(変形)プロセスは、手動的に、又は、自動的に調整されてもよい。本システムの上述の構成によって、圧縮されたチューブの内径のマイクロメーター単位の精度での操作が従来にはない精度で可能である(例えば、本発明によれば、±20ミクロンの精度が計測された)。圧縮ローラーの位置は、両方の圧縮ローラーのニップ幅の最小誤差の各々が消滅するようにマイクロオーダーにおいて制御されることが可能である。同期的に駆動される圧縮ローラーの回転軸は、ガラスストランドの偏向によって生じる湾曲の影響を防止するために、制御技術を使用して差動的なスピードで操作されてもよい。引き抜きスピード(ガラスチューブストランド又はガラスロッドストランドを引き抜くスピード)は引き抜きマシンによって定まるが、ローラーは、ガラスストランド上にたわみを生成するため、又は、引き抜きの影響を与えるためのいずれかのために、引き抜きスピードとは異なるスピードで操作されることが可能であり、このことは、圧縮されたガラスチューブの形状において著しい効果をもたらす。本システムの制御回路及び調整回路は、圧縮されたチューブの内径をマイクロメーター単位の精度で計測する光学的計測システム、及び、各軸(ローラーの回転軸、調節軸)の高精度なサーボモーターによって構成される。さらに、可塑性を有する状態のガラスの温度の強い影響を受けることにより予定よりも早い圧縮ローラーの摩耗量を最小化するために、一対の圧縮ローラーが他のサーボモーターを用いて階段状に調整される。
【0052】
本プラント、及び、特に圧縮ローラーは、現場の状況によって受ける温度の影響を最小化するために、空気又は水によって冷却されることが可能である。
【0053】
図5a及び5bは、本発明に係る成形装置の他の2つの透視図を示す。
【0054】
図7aから7cは、本発明によって高精度に生産されることが可能な非円形断面を有するガラスチューブの種々の例を示す。
【0055】
図7aを参照して、楕円形のガラスチューブ100は、横方向の最大寸法Lよりも小さい高さHを有して形成される。短軸の方向における内径は、hで示される。このような楕円形のチューブの壁の厚さは、全周にわたって一定であってもよいし、又は、
図7aに示されるように連続的にかつ対称的に変化してもよい。このような楕円形のガラスチューブは、例えば、LEDフラットスクリーンのプレフィルターとして用いられることが可能である。30%高い光収率が観測された。
【0056】
図7bを参照して、変形されたガラスチューブ100は実質的に矩形であって、略円形の丸みを帯びた側面エッジ、及び、互いに平行に延伸する一定の壁の厚さの長手方向の2つの側面101を有する。
【0057】
図7cを参照して、ガラスチューブ100は長手方向の側面102及び鏡像的に対称かつ凸状に湾曲した表面103を有し、2つのコーナー領域104における曲げ半径は非常に小さい。
【0058】
このようなガラスチューブの他の応用領域は、例えば、高精度な形状(内径)が重要な半導体材料のナノ粒子の密封パッケージングのための使用に対する高精度な形状を備えた楕円形のチューブ、適合寸法は最小化されるべきだが光収率は最小化されるべきでない放電ランプのためのピストンチューブ又はシースチューブ、具体的には、フラッシュランプなどがある。
【0059】
図1を参照して、ガラスチューブは、計測装置86、87を用いてニップの下流で検出される外側寸法、及び/又は、内側寸法に従って、例えば、ラベル式又はレーザー式のマーキング方法を用いてマーキングされてよい。さらに、ガラスチューブは、計測装置86、87を用いてニップの下流で検出される外側寸法及び/又は内側寸法に従って選別されてもよい。
【0060】
±20ミクロンの内径の公差を有する粘塑性のガラスチューブの圧縮装置に対して、構成要素の公差に関する要求は、一般的に、公差の仕様の10倍の精度である。許容レベルにおいてコストを維持するために、慣習的に、装置の個別の構成要素は、最大±3ミクロンの公差を有するように生産された。1Kの温度変化は結果的に1ミクロンのニップ幅の変化になるため、温度の影響を考慮する必要がある。そのため、全体のシステムの温度は、選択的に、冷却システムを用いて可能な限り維持されることができる。しかしながら、圧縮ローラーの表面は常にガラスチューブストランド又はガラスロッドによって無作為に加熱されるが、上述で説明したように、圧縮ローラーの少なくとも1つ、好ましくは圧縮ローラーの両方の軸方向の連続的な調節によって回避されることが可能である。さらに、ニップ幅の連続的な監視、及び、制御又は調整によって支持されることが可能である。
【0061】
本装置がガラスチューブの成形(変形)のために使用されることは上述で説明したが、本装置は、対応する方法によってガラスロッドの成形(変形)のためにも使用されることが可能である。最初のガラスチューブ又は最初のガラスロッドは円形断面を有しており、成形(変形)は異なる断面を得るために実施されるのが好ましい。当業者が上述の説明を読めば直ちに明らかであるので、典型的な方法のみによって典型的な実施形態を参照して本発明を以上に説明した。種々の変形が、添付の特許請求の範囲に明記される本発明の一般概念及び本発明の範囲から逸脱しない範囲で実行されることが可能である。さらに、本発明によれば、上述で特に開示されたものとは異なる方法で上述に説明された機能を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1:圧縮ローラー、
2:ガイドプーリー、
3:回転貫通部、
4:スピンドルシャフト、
5:ベアリング、
6:ベアリングブロック、
7;スピンドルベアリング、
8:クラッチ、
9:サーボモーター、
10:ギアーユニット、
11:フランジ、
12:移動ステージ、
13:ニップの調節、
15:ガイドレール、
20:支持プレート、
21:ガイドロッド、
22:ベアリングブロック、
23:ベアリングブロック、
24:調節スピンドル(ローラーの軸調節用)、
25:モーター(ローラーの軸調節用)、
30:ベース部、
31:ガイドロッド、
32:ベアリングブロック、
33:回転ホイール(高さ調節用)、
34:調節スピンドル、
35:移動ステージ、
37:アダプター、
38:アダプター、
45:冷却ユニットのカバー、
46:カバー、
47:開口部、
50:支持ウェッブ、
51:高さ調節、
52:横方向調節、
53:高さ調節、
54:横方向調節、
80:ガラスチューブ製造ライン、
81:ガラスチューブストランド、
82:引き抜きマシン、
83:一対の引き抜きローラー、
84:一対の引き抜きローラー、
85:フレーム、
86:外径の計測装置、
87:内径の計測装置、
88:中央制御装置又は中央調整装置、
89:フレーム、
90:ボトム部、
100:ガラスチューブ、
101:長手方向の側面、
102:平らな長手方向の側面、
103:凸状の湾曲側面、
104:コーナー領域。