(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理部は、前記二次情報を開示した前記業者に対し、前記業者が前記第2の入力画面に入力した入札金額を請求する処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の取引支援システム。
前記コンピュータは、少なくとも前記取引物件情報、業者情報を格納したデータベースを備え、前記取引物件情報および前記取引物件情報に関係付けられた前記所有者情報および前記業者情報を格納して、該データベースを更新する処理を含む請求項6または請求項7に記載の取引支援プログラム。
前記アクセス権限は、少なくとも前記取引物件の閲覧を可能にするサーチ権限と、前記二次情報の開示を求める入札権限とを含み、該入札権限に基づいて、前記二次情報の開示を求める前記入札を行使可能にする処理を含む請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の取引支援プログラム。
前記二次情報を開示された前記業者に対し、前記業者が入力した入札金額を請求する処理を含むことを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の取引支援プログラム。
さらに、前記二次情報を開示する前記業者が選定されなかった場合、前記取引物件の取引種別情報の変更入力に基づいて新たな前記一次情報および前記二次情報を抽出する処理を含むことを特徴とする請求項6ないし請求項11のいずれか1項に記載の取引支援プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、第1の実施の形態に係る取引支援システムの概要を示している。この取引支援システム2には、支援管理サーバ4および複数の端末装置6−1、6−2・・・6−Nが含まれる。支援管理サーバ4はたとえば、インターネット8に接続されたサーバーコンピュータである。端末装置6−1、6−2・・・6−Nは情報処理端末の一例であり、インターネット8に有線または無線で接続されるコンピュータである。インターネット8はコンピュータネットワークの一例である。
【0033】
この取引支援システム2には、取引物件、顧客、業者およびサーバ管理者が存在しており、インターネット8上の支援管理サーバ4において、取引物件の仲介の交渉権限や所有権などについて取引を支援する。
【0034】
取引物件は、不動産などの取引の対象であり、顧客が所有権を有するものである。取引支援システム2では、取引物件に関する物件情報を利用して取引が行われる。この物件情報にはたとえば一次情報および二次情報が含まれる。一次情報は、顧客から提供され、取引物件に関する物件情報の概要であって、登録業者や他の顧客に対して開示を許可された情報である。二次情報は、取引支援システム2によって選定された特定の業者に開示される取引物件の取引条件などを含む情報の一例である。
【0035】
顧客は、取引物件の所有者の一例であり、不動産などの取引物件を所有する法人または個人である。業者は、取引支援システム2に登録され、取引物件の仲介や買取りを希望する法人である。端末装置6−1、6−2・・・6−Nは、これらの顧客または業者が所持して、取引支援システム2における入出力が行われる。
【0036】
管理者は、取引支援システム2を管理している。この取引支援システム2の管理は、具体的に支援管理サーバ4によって行われる。業者は、取引物件の仲介、媒介などの売買を行う法人または個人である。
【0037】
支援管理サーバ4は、顧客と業者との取引支援について、たとえば次のような処理10を処理部で行う。
【0038】
a 取引物件情報から一次情報および二次情報を抽出する情報抽出処理10−1
b 業者にアクセス権限を付与する権限付与処理10−2
c アクセス権限を持つ業者に一次情報をWeb(World Wide Web)サイト上に公開する一次情報公開処理10−3
d 取引物件毎に入札した業者の業者情報から入札金額の多寡によりランク付けを行う ランク付け処理10−4
e ランク付けされた業者の上位ランク側から複数の業者を選定する業者選定処理10 −5
f 選定された複数の業者に二次情報を開示する二次情報公開処理10−6
【0039】
端末装置6−1、6−2・・・6−Nの処理12には支援管理サーバ4のアクセスに基づき、第1の入力画面12−1、第2の入力画面12−2の提供を受ける処理が含まれる。第1の入力画面12−1は、取引物件や取引物件の所有者を含む取引物件情報が入力される画面の一例である。第2の入力画面12−2は、取引支援システム2内で公開された取引物件情報の一次情報に基づき、業者により取引物件情報の二次情報の開示を要求する入札金額が入力される画面の一例である。図中、実線または破線で示した入力画面12−1、12−2は、端末装置6−1、6−2・・・6−Nのステイトに応じて表示される。
【0040】
図2は、取引支援処理の処理手順例を示している。この処理手順は、本発明の取引支援プログラムの一例であって、コンピュータの一例である既述の支援管理サーバ4により実行される。
【0041】
この処理手順では、支援管理サーバ4には、少なくとも取引物件、該取引物件の所有者情報を含む取引物件情報が入力される(S11)。この支援管理サーバ4では、入力された取引物件情報から少なくとも該取引物件の概要を表す一次情報と、取引条件を含む二次情報を抽出し(S12)、取引物件を扱える業者にアクセス権限を付与する(S13)。アクセス権限を持つ業者に一次情報を取引支援システム2のWebサイト上で公開する(S14)。
【0042】
支援管理サーバ4には、二次情報の開示のための入札金額が業者を表す業者情報に関係付けて入力される(S15)。この入力は、端末装置6−1、6−2・・・6−Nのうち、業者として登録されたID(登録情報:Identification)を利用すればいずれの端末で行ってもよい。
【0043】
支援管理サーバ4では、取引物件毎の入札した業者を表す業者情報から入札金額の多寡によりランク付けを行い(S16)、ランク付けされた業者の上位ランク側から設定された数の業者を選定する(S17)。そして、支援管理サーバ4から選定された複数の業者に二次情報を開示する(S18)。この情報開示はアクセス権限を取得した業者、この実施の形態では、たとえば
図1の端末装置6−2である。
【0045】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0046】
(1) 広告紙などによる広告媒体では取引物件を広く知れ渡らせることは困難であったが、Webサイトを用いて取引物件を広く知らしめることができ、取引物件の周知性をより高めることができる。
【0047】
(2) この周知性によって、取引物件に係わることのできる業者を広く求めることができ、取引物件に対する業者の範囲を拡大できる。取引物件と業者とが遭遇する機会を増大させることができる。
【0048】
(3) 取引物件に対して取引を望む業者を複数の業者から選択できる。この結果、取引物件と取引を望む複数の業者とのマッチングが容易化し、取引物件の取引きの迅速化や高額売買に寄与することができる。
【0051】
図3は、支援管理サーバ4のハードウェアの一例を示している。この支援管理サーバ4では、プロセッサ14、メモリ16、データ通信部18、入力操作部20および情報提示部22が含まれる。
【0052】
プロセッサ14は、メモリ16にあるOS(Operating System)や取引支援プログラムなどの各種のソフトウェアプログラムを実行し、情報処理を行う。
【0053】
メモリ16は、プログラム記憶部24、データ記憶部26およびRAM(Random-Access Memory)28が含まれる。プログラム記憶部24はたとえば、ハードデバイス装置などの記録媒体で構成され、既述のOSや取引支援プログラムなどの各種のソフトウェアプログラムを格納する。データ記憶部26は、取引支援プログラムを実行するための支援情報を格納する。このデータ記憶部26には各種支援情報を格納するデータベースが構築される。
【0054】
RAM28は、OSや取引支援プログラムを展開し、OSや取引支援プログラムのための情報処理を行うワークエリアを構成する。支援管理サーバ4は、RAM28に展開された取引支援プログラムをプロセッサ14で演算処理することで、本開示の取引支援システム2における処理部として機能する。
【0055】
データ通信部18は、プロセッサ14の制御によりデータ通信を行い、インターネット8を通じて接続中の端末装置6−1、6−2・・・6−Nに対して入力画面を提供するとともに、端末装置6−1、6−2、・・・6−Nから入力情報を取り込む。
【0056】
入力操作部20はタッチパネルやキーボードなどにより情報の入力操作を行う。
【0057】
情報提示部22はたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)で構成され、支援管理サーバ4の情報処理により既述の第1および第2の入力画面12−1、12−2を提示する。
【0058】
図4は、端末装置6−1、6−2・・・6−Nのハードウェアの一例を示している。この端末装置6−1、6−2・・・6−Nには、プロセッサ34、メモリ36、データ通信部38、入力操作部40および情報提示部42が含まれる。またメモリ36には、たとえばプログラム記憶部44、入力された情報やその更新履歴などを格納するデータ記憶部46、プログラムの処理領域であるRAM48が含まれる。これらの構成は支援管理サーバ4と同様であるので、各部の説明を割愛する。
【0060】
図5は、取引支援システムにおける顧客、サーバ管理者および業者の関連状態例を示している。
図5に示す取引支援システム2では、たとえば不動産を取引物件として取引を行っている。
【0061】
取引支援システム2では、たとえば支援管理サーバ4が、所有する不動産の売却を仲介する業者を探している売主であるUSER(以下、「顧客」と称する。)の情報の一部を公開し、この仲介を希望する業者の入札金額を基準に業者を選定する。
【0062】
顧客は、端末装置6−1によりWeb上でサーバ管理者(Admin)側の支援管理サーバ4に対して取引情報や希望条件などを登録する。支援管理サーバ4は、顧客が登録した情報の内、一定の範囲の情報(一次情報)を、登録した不動産業者が閲覧可能な状態で公開する。
【0063】
不動産業者は、登録情報を利用し、各端末装置6−2、6−3、・・・6−Nにより公開された情報を閲覧する。そして仲介を希望する不動産業者は、取引支援システム2に、対象不動産に関する取引条件などの情報(二次情報)を得るための入札金額を提示する。この入札金額は、選定された場合にサーバ管理者側に対して支払う金額であり、仲介を希望する不動産およびその二次情報に対する評価金額を表している。すなわち、この金額が、対象不動産の仲介に対する不動産業者の意欲として捉えることもできる。
【0064】
そして、サーバ管理者は、入札された金額の多寡に基づいて特定の不動産業者を選定し、二次情報を提示し、顧客との交渉権限を付与する。選定する不動産業者は、たとえば設定により1社でもよく、または金額が上位の複数社であってもよい。
【0065】
<顧客側に提供されるサービス内容について>
【0066】
図6は、支援管理サーバから顧客の端末装置に対して提供されるサービス内容の一例であって、顧客による入力操作によって遷移するWebサイトの画面構成例を示している。
【0067】
顧客側の端末装置6−1には、たとえば物件である対象不動産の情報登録前と情報登録後で提供されるサービスが異なる。情報登録前の端末装置6−1には、取引支援システム2のWebサイトのトップページ50が表示される。トップページ50には、たとえば「早く売る」の選択表示52、「高く売る」の選択表示54、「秘密」の選択表示56が表示され、登録した物件に対する入札希望条件や公開時期の設定などが行える。
【0068】
顧客がはじめて取引支援システム2にアクセスする場合、会員登録画面60に進み、顧客情報を入力し、その登録情報がサーバ管理者側にメール配信される。顧客が会員登録されている場合には、たとえば入力ページ62に進み、仲介や売却を希望する物件情報について、物件入力画面64、個人情報入力画面66に入力する。そして物件や個人情報を登録すると、プレビュー画面68に進み、確認処理が済むと完了ページ70が配信され、登録情報が支援管理サーバ4にメール配信されて登録が完了する。
【0069】
情報登録後の端末装置6−1には、ログイン画面80が配信され、IDとPW(Pass Word)を確認の後、「My Page」画面82に進む。「My Page」画面82は、たとえば支援管理サーバ4に形成された顧客のIDに関係付けられた登録エリアであり、登録した「物件情報」、「Q&A」、「会員情報」などが登録されている。
【0070】
「My Page」画面82の「物件情報」は、たとえば「マイステータス」ページ84が関連付けられており、登録した物件に対する入札状態などを示す物件ステータスが表示される。そして「マイステータス」ページ84は、たとえば取引の種別情報として「買取入札」や「再出品」などの選択ページ86が関連付けられている。そのほか「My Page」画面82は、「Q&A一覧」画面90、「Q&A入力」画面92が関連付けられている。
【0071】
入力ページ62は、たとえば
図7に示すように「物件情報」として種別や住所その他の情報を含む物件入力画面64と、「お客様情報」として顧客の情報を入力する個人情報入力画面66で形成される。この入力ページ62は、本開示の第1の入力画面の一例であり、その登録内容には、不動産業者に対して閲覧可能にする一次情報とともに、選別された不動産業者に対してのみ公開する二次情報が含まれる。登録された情報に対する一次情報または二次情報は、たとえば入力ページ62の入力欄に基づいて支援管理サーバ4が自動抽出すればよく、または顧客が選択設定してもよい。このように物件情報および顧客情報を予め登録しておき、この情報の中から全ての業者に公開する情報と、落札業者にのみ公開する情報が分けることで、登録手続が煩雑化することがない。
【0072】
「マイステータス」ページ84には、たとえば
図8に示すように登録した物件情報や入札状態などの物件登録データテーブル72が登録され、表示される。この物件登録データテーブル72には、たとえば取引種別を示す「入札」情報73、登録日や物件項目、面積などの情報が含まれる「物件内容」情報74、「入札結果」75、再出品や買取などに変更する「取引種別選択」欄76が含まれる。この「取引種別選択」欄76は、取引種別変更の選択ページ86に関連付けられている。
【0073】
物件登録データテーブル72は、たとえば
図9に示すように物件毎の詳細内容が登録された詳細ページ85に関連付けられている。詳細ページ85には、たとえば物件登録で入力された詳細な物件の特定情報を含む「物件情報」欄77や、この物件に対する仲介、買取りなどの交渉権を落札した不動産業者が登録される「落札情報」欄78が形成される。
【0074】
「取引種別選択」欄76は、たとえば
図10に示すように、顧客によって取引種別の「再出品」または「買取」のいずれかが選択操作されると選択ページ86が表示され、取引種別の変更が可能となる。取引種別の変更は、たとえば登録した物件に対して落札業者がいない場合などに利用される。このように登録された物件情報に対して取引種別の変更を可能にすることで、希望条件に適合する意欲の高い業者を探すことができるほか、定期的に登録物件に対する業者側の評価を知ることができる。また、登録物件の物件登録データテーブル72に取引種別を関連付けることで、取引種別を変更する場合に同一物件について新たに登録作業を行う必要が無く、利便性が高められる。
【0075】
<業者側に提供されるサービス内容について>
【0076】
図11は、支援管理サーバから不動産業者の端末装置に対して提供されるサービス内容の一例であって、登録した業者の入力操作によって遷移するWebサイトの画面構成例を示している。
【0077】
業者側の端末装置6−2、6−2、・・・6―Nには、たとえば取引支援システム2のWebサイトにアクセスすると、会員登録100またはログイン画面102が提供される。はじめてアクセスする場合や新たに業者のIDを登録する場合には、会員登録が行われる。ログイン画面102は、たとえば
図12に示すようにIDとPWが要求され、認証されたIDに関連付けて登録されたトップページ104が支援管理サーバ4から提供される。
【0078】
トップページ104は、たとえば
図13に示すように、業者情報に関連付けて登録された案件一覧テーブル106が表示される。案件一覧テーブル106には、たとえば入札を予定して閲覧する案件や入札を行った案件などが表示されており、物件情報欄140、公開(入札)期限141、入札状態欄142などが含まれる。
【0079】
また、トップページ104は、案件一覧テーブル106に対して物件毎の詳細画面108が関係付けられており、それぞれの「案件詳細」表示110が表示される。
【0081】
案件一覧テーブル106は、たとえばアラート設定画面136に関連付けられており、支援管理サーバ4に登録されている登録物件から、所定の条件に基づいて物件情報を抽出して登録させることができる。アラート設定画面136は、たとえば
図14に示すように、物件の区分や所在地、広さなどに基づいたアラート設定一覧画面137を備えている。
【0082】
アラートの設定138には、たとえば
図15に示すように、仲介を希望する条件や価格条件、間取りや最寄り駅条件などを設定する条件テーブル139を備えている。案件一覧テーブル106には、たとえば
図16に示すように、このアラート設定で抽出された案件が登録される。
【0084】
不動産業者による入札処理では、詳細画面108の「案件詳細」表示110に示された内容を参照して入札金額の登録を行う。入札画面112は、たとえば
図17に示すように、案件一覧に登録された物件のうち、選択した登録物件の「案件詳細」表示110とともに入札手続の選択表示113が表示される。
【0085】
入札画面112は、たとえば
図18に示すように、選択表示113の選択操作が行われると、入札手続入力画面114が表示される。この入札手続入力画面114は、本開示の第2の入力画面の一例であり、対象物件に関する詳細情報の開示および交渉権限を要求するための入札金額が入力される。
【0086】
支援管理サーバ4は、業者により入札金額が入力されると、入力画面112に関連付けられた物件情報に対して入札金額を登録するとともに、業者の案件一覧テーブル106に対して「入札中」または入札金額を表示させる。
【0088】
支援管理サーバ4は、物件毎に設定された公開期限が経過すると落札条件を判断し、その特定物件に対する入札により関連付けられた特定の業者に対して落札結果画面120を提供する。落札結果画面120には、たとえば
図19に示すように、業者が登録した物件情報に関連付けて落札結果を表示した案件一覧テーブル122が含まれる。落札した登録案件については、たとえば
図20に示すように、詳細情報画面124が提供される。この詳細情報画面124には、登録物件に関する一次情報を含む物件詳細情報150や二次情報である顧客情報152が含まれる。
【0090】
業者が入札した金額は、支援管理サーバ4のサーバ管理者に対する手数料として支払いを行う必要がある。支援管理システム2では、落札した物件情報に対する支払い請求処理が行われる。この支払い請求では、たとえば
図21に示すように、月毎の利用明細画面130が表示され、落札した案件一覧とともに、入札した金額を請求金額として記載した明細一覧テーブル154が提供される。
【0091】
なお、利用明細の表示および入札金額の請求は、月毎にまとめて行われる場合に限られず、落札した案件毎に行ってもよい。また落札した物件の詳細情報画面124は、利用明細の表示および請求金額の支払いを契機に公開してもよい。そのほか、取引支援システム2には、たとえば業者が顧客やサーバ管理者との間で問い合せやその応答処理を行える「Q&A」ページ132などが提供される。
【0092】
<支援管理サーバ4による管理について>
【0093】
次に、取引支援システム2において、支援管理サーバ4が管理する内容について説明する。
図22は、支援管理サーバ4に登録された物件の管理情報の一例である。
【0094】
支援管理サーバ4では、たとえばサーバ管理者により物件情報や顧客情報、業者情報の登録状態、入札・落札状態、入札金額の請求およびその支払い状態などを監視している。支援管理サーバ4の物件管理画面160には、たとえば
図22に示すように、登録物件のうち、公開中、すなわち、業者による入札が可能な状態となっている物件を管理する物件情報テーブル162が表示されている。物件情報テーブル162には、たとえば登録された物件情報の概要情報163、業者のアクセス数カウント164、入札回数カウント165、入札金額および選定する業者数情報166などが管理されている。
【0095】
物件管理画面160は、たとえば支援管理サーバ4に対し、サーバ管理者として登録されたID、PWによりログインすることで閲覧および管理操作を行うことができる。
【0096】
支援管理サーバ4は、たとえば
図23に示すように、登録物件毎に落札情報画面170が生成され、落札管理を行っている。落札情報画面170には、入札内容の詳細テーブル172、落札状況テーブル174、物件情報テーブル177、顧客管理テーブル178が関連付けて表示される。詳細テーブル172には、物件情報に対する業者のアクセスカウント情報や入札カウント情報、入札金額情報などが含まれる。落札状況テーブル174には、落札業者情報、落札順位情報、入札金額情報が含まれる。
【0097】
取引支援システム2に登録された顧客情報の管理として、支援管理サーバ4には、顧客管理画面180が生成される。顧客管理画面180には、たとえば
図24に示すように顧客情報の概要が列挙された顧客一覧テーブル182が表示される。
【0098】
また、取引支援システム2に登録された業者情報の管理として、支援管理サーバ4には、業者管理画面190が生成される。業者管理画面190には、たとえば
図25に示すように、業者名や住所などの業者情報を含む業者一覧テーブル192が表示される。
【0099】
支援管理サーバ4は、業者に対する請求管理として、請求管理画面200が生成される。請求管理画面200には、たとえば
図26に示すように、登録業者毎の請求情報を管理した請求一覧テーブル202が表示される。請求一覧テーブル202には、たとえば業者情報204に関連付けて落札件数情報206、合計金額情報208が含まれる。落札した業者に対する明細一覧テーブル154を含む利用明細画面130は、この請求一覧テーブル202に基づいて生成される。
【0100】
そのほか、支援管理サーバ4は、たとえば入札処理において業者と顧客との間でやりとりされる問い合せおよびその回答処理を管理する「Q&A」管理画面210や顧客に対するアンケート処理を管理するアンケート管理画面214などが生成される。「Q&A」管理画面210には、たとえば
図27に示すように、顧客情報に関連付けて問い合せの概要、業者からの回答の有無、その回答についての評価情報などが含まれる「Q&A」一覧テーブル212が表示される。また、アンケート管理画面214には、たとえば
図28に示すように、顧客情報に関連付けて、アンケートの回答のステータス情報やアンケート回答に対する特典の付与情報などを含むアンケート管理一覧テーブル216が表示される。
【0101】
また、取引支援システム2には、たとえば顧客や業者からの通報機能を備えてもよい。この通報機能には、たとえば登録物件に対して選定された業者以外の業者からの問い合せなどに対する苦情やその他の報告事項などを通知することができる。サーバ管理者は、この報告事項に基づいて規定違反の顧客または業者に対して問い合せし、またはペナルティを与えるなどの処理を行うことができる。このような通報機能を備えることで、取引支援システム2を利用して選定された業者の交渉権限の保護を図ることができるほか、意図しない業者からの問い合せなどに顧客が煩わされるのを阻止することができる。
【0103】
図29は、取引支援システムの取引処理手順の一例を示すシーケンス図である。この取引処理手順は、本開示の取引支援プログラムの一例である。
【0104】
<情報の登録および情報公開について>
【0105】
取引支援システム2には、登録した顧客のうち、取引物件を登録して取引を申し込む申込者が操作する申込者の端末装置6−1、サーバ管理者が管理する支援管理サーバ4のサーバ装置、登録された業者の有する端末装置6−1、6−2、・・・6−Nが含まれる。登録された業者には、たとえば管理者と従業者が存在し、それぞれの有する権限が異なる。この管理者と従業者は、法人単位で関連付けられて登録されればよい。
【0106】
取引支援システム2への登録処理として、申込者は、支援管理サーバ4から提供される取引支援システム2の登録画面にて、取引の申込処理を行う(S21)。この申込処理では、提供された入力ページ62に申込者の顧客情報や物件情報が登録される。また、業者は、管理者および従業者がそれぞれ取引支援システム2に対して業者登録またはログインなどの申込処理を行う(S22、S23)。支援管理サーバ4では、申込者による入力情報や業者の申込内容についてデータベースに登録する(S24)。取引対象である物件と取引業者が登録されることで、取引が開始される。
【0107】
支援管理サーバ4は、登録された物件情報や顧客情報のうち、登録業者の全てに閲覧を許可する情報(一次情報)を抽出すると、その一次情報を取引支援システム2のWebサイト上に公開する(S25)。この一次情報は、たとえば公開期間および入札期間が設定されている。公開期間と入札期間は、同一期間に設定すればよい。
【0108】
業者は、管理者または従業者がそれぞれ公開された情報を閲覧すると(S26、S27)、取引物件の一次情報を取得する(S28、29)。業者では、得られた一次情報を検討した上で、入札するか否か、入札金額の検討を行う。
【0110】
取引物件に対する売却の仲介、または取引物件の買取りを希望する業者は、取引物件に関する詳細な情報(二次情報)を得るための金額を取引支援システム2の入札手続入力画面114に入力する。支援管理サーバ4では、業者が入力した入札金額を対象物件に関連付けて登録する(S30)。
【0111】
支援管理サーバ4では、取引物件について公開期間(入札期間)が過ぎると、業者による入札金額の多寡に基づいて選定処理を行い(S31)、落札業者を決定する(S32)。支援管理サーバ4は、落札結果を入札した業者に通知する(S33)とともに、申込者に通知する(S34)。
【0112】
支援管理サーバ4は、落札業者から入札金額に応じて金額を課金し(S35)、支払いを受けると、その落札業者に対して取引物件の登録情報を通知する(S36)とともに、申込者への交渉権限を付与する。落札業者は、提供された情報から取引物件に関する二次情報を取得し(S37)、申込者との間で取引物件の売却仲介の交渉を開始する。
【0113】
このような取引支援システム2において、支援管理サーバ4によって公開する情報を分けることで、取引物件に対して意欲的に仲介手続を行いたい業者のみが入札し、業者が絞られ、申込者による仲介業者探しの手間を省略でき、希望に則した業者が選定し易くなる。
【0115】
図30は、顧客の会員登録処理例を示しており、
図31は、そのエラー判別例を示している。
【0116】
顧客の会員登録では、顧客の端末装置6−1が支援管理サーバ4にアクセスすると、会員情報の入力画面が表示され(S41)、登録しなければならない項目について内容入力の要求がされる(S42)。支援管理サーバ4は、顧客が入力した内容について、会員情報の登録処理で要求した項目内容が登録されたか否が判断される(S43)。登録情報が要求された内容に適合した場合(S43のYES)、会員情報の入力の確認(S44)により、会員情報の入力が完了したか否かが判断される。
【0117】
会員情報の入力が完了した場合(S44のYES)、支援管理サーバ4では、受信したデータを指定のデータベースに対し、顧客情報として保存する(S45)。データベースへの保存が完了すると、その完了通知が支援管理サーバ4から申込者の端末装置6−1に配信される(S46)。
【0118】
また会員情報の登録において、要求した内容が登録されていない場合(S43のNO)、エラーメッセージの表示などが行われる(S47)。この登録内容の確認では、たとえば
図31に示すように、会員情報の入力内容の要求を申込者に行うと(S51)、入力チェックとして必須項目が入力されているかを判断する(S52)。必須項目は、たとえば顧客の名前や連絡先など、二次情報に該当するものが含まれており、支援管理処理を実行するために必要な情報である。
【0119】
必須項目の入力が無い場合(S52のNO)、支援管理サーバ4は、エラー表示を行う(S53)。このエラー表示と共に、そのエラー内容を含む警告画面の生成やスピーカなどで通知してもよい。
【0120】
会員登録では、必須項目のほか、適切な箇所に必要な情報が入力されているか否かを判断する(S54)。適切な箇所への情報入力がされていない場合(S54のNO)、エラーメッセージを顧客の端末装置6−1に表示させればよい。
【0121】
会員情報の入力が完了すると(S54のYES)、入力内容の再確認が行われ(S56)、その内容が適切であれば、支援管理サーバ4は、自動で、または顧客の操作に応じて入力データを指定したデータベースに保存し(S57)、データ登録の完了通知が登録した会員側に通知される(S58)。入力内容の再確認がとれない場合(S56のNO)、支援管理サーバ4は、会員情報の入力要求を行う。
【0123】
図32は、取引物件情報の登録処理例を示しており、
図33は、そのエラー判別例を示している。
【0124】
取引物件情報の登録では、顧客の端末装置6−1が支援管理サーバ4にアクセスすると、物件情報の入力画面(入力ページ62)が表示され(S61)、物件情報を登録するためにその内容の入力が要求される(S62)。また、入力処理では、データ公開範囲を指定する(S63)。データ公開範囲には、たとえば顧客が町名、番地、建物名、部屋番号の公開範囲を指定する。
【0125】
支援管理サーバ4は、顧客が入力した内容について、規定された正しい情報が登録されたか否かが判断される。(S64)。登録情報が要求された内容に適合した場合(S64のYES)、入力内容の再確認(S65)により、会員情報の入力が完了したか否かが判断される。
【0126】
物件情報の入力が完了した場合(S65のYES)、支援管理サーバ4では、登録された情報から公開する情報(一次情報)と、非公開データ(二次情報)を分別し、指定された場所(データベース)に自動登録する(S66)。そして、支援管理サーバ4は、顧客に対し、物件情報、公開日、終了日などの情報の保存(登録)が完了したことを自動でメール配信する(S67)とともに、業者専用画面に登録された物件情報を閲覧可能に公開する(S68)。ここで公開する物件情報は、登録した情報の内、一次情報に限られる。
【0127】
また物件情報の登録において、要求した内容が登録されていない場合(S64のNO)、エラーメッセージの表示などが行われる(S69)。この登録内容の確認処理(S64)では、たとえば
図33に示すように、物件情報の入力内容の要求を顧客に行うと(S71)、入力チェックとして必須項目が入力されているかを判断する(S72)。必須項目の確認は、たとえば物件が存在すること、所有者と顧客の名前、連絡先などが一致することなどが含まれる。
【0128】
必須項目の入力が無い場合(S72のNO)、支援管理サーバ4は、エラー表示を行う(S73)。このエラー表示と共に、そのエラー内容を含む警告画面の生成やスピーカなどで通知してもよい。
【0129】
物件情報登録では、必須項目のほか、適切な箇所に必要な情報が入力されているか否かを判断する(S74)。適切な箇所への情報入力がされていない場合(S74のNO)、エラーメッセージを顧客の端末装置6−1に表示させればよい(S75)。
【0130】
物件情報の入力が完了すると(S74のYES)、入力内容の再確認が行われ(S76)、その内容が適切であれば(S76のYES)、支援管理サーバ4は、物件情報の公開設定(S77)や登録処理(S78)、顧客へのメール配信(S79)を行う。
【0132】
図34は、取引物件情報の公開設定処理例を示している。この設定処理は、たとえば物件情報を登録する顧客により行われる。
【0133】
顧客は、たとえば物件情報の登録画面において、物件登録日時を入力し、その情報を物件情報に関連付けてデータベースに格納する(S81)。支援管理サーバ4では、登録された日時が取引支援システム2に設定された日時条件として、たとえば「月曜日9:00:00」以前か否かを判断する(S82)。この条件に適合した場合(S82のYES)、支援管理サーバ4は、物件情報の公開日を「今週月曜9:00:00」に設定し、公開終了日を「今週金曜15:00:00」に自動設定する(S83)。また、登録された日時が取引支援システム2に設定された条件に適合しない場合(S82のNO)、支援管理サーバ4は、物件情報の公開日をたとえば「翌週月曜9:00:00」に設定し、公開終了日を「翌週金曜15:00:00」に自動設定する(S84)。この公開日時の設定は、たとえば取引支援システム2の更新設定日時を基準に設定されており、基準日の前後に基づいて1週間毎の条件が設定される。
【0134】
支援管理サーバ4は、設定された公開日時条件と登録物件とを関連付けてデータベースの指定された場所に自動で保存し(S85)、タイマーによる計時処理を開始する(S86)。
【0135】
支援管理サーバ4は、顧客に対し、物件情報、公開日、終了日の保存が完了したことを自動でメール配信する(S87)とともに、業者専用画に公開条件に基づいて物件情報を公開する(S88)。
【0136】
また、サーバ管理者により取引物件情報の公開日を設定変更する場合について説明する。公開日時の設定変更は、たとえば
図35に示すように、サーバ管理者の端末装置に登録物件情報を呼び出して表示させる(S91)。サーバ管理者の入力操作により登録した物件の公開日と終了日が変更される(S92)。
【0137】
支援管理サーバ4では、入力された内容について、規定された正しい情報が登録されたか否かを判断する。(S93)。入力内容が要求された条件に適合した場合(S93のYES)、入力内容の再確認(S94)により、公開日時の変更入力が完了したか否かが判断される。
【0138】
変更入力が完了した場合(S94のYES)、支援管理サーバ4では、変更した物件情報の公開日と終了日をデータベースに設定し(S95)、その情報を所定の場所に登録する(S96)。そして、支援管理サーバ4は、顧客に対し、物件情報、公開日、終了日などの情報の保存(登録)が完了したことを自動でメール配信する(S97)とともに、業者専用画面に登録された物件情報を閲覧可能に公開する(S98)。
【0139】
また公開日の登録において、要求した内容が登録されていない場合(S93のNO)、エラーメッセージの表示などが行われる(S99)。
【0140】
なお、公開日の設定変更は、たとえば物件登録した顧客が行ってもよい。
【0142】
図36は、業者の会員登録処理例を示しており、
図37は、そのエラー判別例を示している。
【0143】
業者の会員登録では、業者の端末装置6−2、6−3、・・・6−Nが支援管理サーバ4にアクセスすると、会員情報の入力画面が表示され(S101)、登録内容の入力要求がされる(S102)。この業者の会員登録処理(S101〜S106およびS111〜S118)は、顧客の会員登録処理と同様の処理が行われるため、詳細な説明を省略する。
【0144】
また、業者の会員登録では、たとえば売却の仲介や買取りの対象となる取引物件について、専用の登録免許などの法的な資格が要求される場合、その資格の有無を示す情報が判断される。取引物件が不動産の場合、支援管理サーバ4は、たとえば宅地建物取引主任者の資格情報が入力されているか否かの判断処理を行う。
【0145】
<取引支援システム2の利用処理について>
【0146】
図38は、ログイン・ログアウト処理例を示している。
【0147】
支援管理サーバ4は、利用する顧客および業者が取引支援システム2を利用する場合、またはサーバ管理者が取引支援システム2の管理を行う場合に、登録者情報毎に入出処理および管理を行う。取引支援システム2の利用を図る登録者の端末装置6−1、6−2、・・・6−Nやサーバ管理者の端末装置には、ログイン画面が表示され(S121)、ログインIDとPWの入力が要求される(S122)。
【0148】
支援管理サーバ4は、入力されたIDとPWがデータベースに保存された情報とマッチングするかを判断し(S123)、マッチングすれば(S123のYES)、端末装置側にログイン成功として登録した会員の画面を表示させる。表示される画面は、顧客、業者またはサーバ管理者の登録された会員の種別に関連付けられた画面が表示される。
【0149】
支援管理サーバ4は、入力されたIDとPWが保存された情報とマッチングしない場合(S123のNO)、エラーメッセージを表示し(S125)、ログインさせずにIDとPWの要求画面を表示させる。このとき支援管理サーバ4は、たとえばログインに失敗した端末装置の情報をデータベースに登録してもよく、または入力されたIDのデータベースにログイン失敗の履歴情報を関連付けて登録してもよい。
【0150】
また、支援管理サーバ4は、ログインしている利用者が取引支援システム2からの退出操作としてログアウトボタンを操作した場合(S126)、利用者の端末装置にログアウト成功のメッセージを表示し(S127)、利用していた登録データとの接続を遮断する。このとき支援管理サーバ4は、ログアウトしたことの履歴情報を利用している登録データに関連付けて登録してもよい。
【0152】
図39は、アラート設定処理例を示す図であり、
図40は、アラート閲覧処理例を示している。
【0153】
アラート設定処理では、業者側の端末装置6−2、6−3、・・・6−Nが支援管理サーバ4にアクセスすると、アラート入力画面(アラート設定画面136)が表示される(S131)。支援管理サーバ4は、アラート条件の設定や希望物件分類が入力されると(S132)、入力した内容の登録が適切に行われたか否かを判断し(S133)、適切に入力された場合(S133のYES)、入力の完了通知として、入力内容の再確認を表示する(S134)。
【0154】
アラート条件の再確認がされると(S134のYES)、支援管理サーバ4は、登録した物件分類と業者IDを関連付けてデータベースに自動的に保存する(S135)。そして支援管理サーバ4は、アラート設定した業者の端末装置にアラート条件の設定がされた旨の表示画面を提供する(S136)。
【0155】
支援管理サーバ4は、
図40に示すように、設定されたアラート条件に基づき、登録物件を保管するデータベースをクロール(Crawl)し(S141)、登録データの収集を行う。データのクロール処理では、登録した物件分類とデータベース内の物件情報とがマッチングするか否かを判別し(S142)、マッチングする情報がある場合(S142のYES)、業者の管理画面にアラート表示を行う(S143)。
【0156】
支援管理サーバ4は、希望の物件分類に適合すると判断した物件情報を業者側にメール配信し(S144)、業者側の端末装置6−2、6−3、・・・6−Nで該当物件の閲覧を可能にさせる(S145)。
【0157】
このようなアラート設定によって希望条件に合った物件情報の抽出を行うことで、業者側が物件を探す手間を軽減させるとともに、登録された物件について、業者に閲覧させる機会を増やせる。これにより、取引支援システム2の利便性が高められる。
【0159】
図41は、次週公開物件の閲覧処理例を示している。
【0160】
取引支援システム2では、たとえば近日に入札の開始が設定されている登録物件について公開することもできる。支援管理サーバ4は、たとえば
図41に示すように、業者が閲覧可能な公開物件の一覧ページに対し、またはアラート設定に適合する条件がある場合、次週公開の物件情報を表示させる(S151)。そして支援管理サーバ4は、次週公開物件に対して業者からのアクセスがあった場合、詳細ページなどで一次情報を閲覧させることができる(S152)。
【0161】
このような次週公開設定された物件情報を予め入札可能な段階前に提供することで、入札期間よりも長く物件情報を公開し、業者の閲覧機会や入札検討の期間をとることができ、より多くの業者の入札の可能性を促すことで、取引支援システム2の利便性が高められる。
【0163】
図42は、入札処理の一例を示している。
【0164】
入札処理では、業者の端末装置6−2、6−2、・・・6−Nには、物件情報を選択することで、支援管理サーバ4から提供された公開中の物件ページが表示される(S161)。業者は、物件ページに対し入札手続の選択表示113を操作することで入札金額やコメントなどの入力が可能となる(S162)。
【0165】
支援管理サーバ4では、入力された金額が取引支援システム2で設定した最低入札額を満たしているかを判断し(S163)、この条件を満たしている場合(S163のYES)、入札した情報について、物件ID、業者ID、物件情報を関連付けて自動記録する(S164)。また支援管理サーバ4は、業者専用画面において、該当物件情報の入札状況を表示させる(S165)。
【0166】
また入札金額が設定された条件を満たさない場合(S163のNO)、支援管理サーバ4は、入札した業者側にエラーメッセージを含む画面を表示させ(S166)、入札手続入力画面114に戻す。
【0168】
図43は、落札処理に関し、業者に対する処理例を示しており、
図44は、落札処理に関し、顧客に対する処理例を示している。
【0169】
支援管理サーバ4は、
図43に示すように、物件情報の公開期間が満了すると(S171)、落札オークション(選定)に移行する物件情報を検知する(S172)。オークションに移行する物件情報の抽出は、たとえばタイマーを参照し、登録物件毎に設定された公開時刻に達したものがあるか否かを判断すればよい。
【0170】
支援管理サーバ4は、各物件情報に関連付けられた入札情報(物件ID、業者ID、入札金額、順位情報)を記録する(S173)。この記録処理では、たとえば入札金額に基づいて入札業者をランク付したテーブルを作成してもよい。支援管理サーバ4では、業者毎に、入札した金額の順位が顧客によって指定された落札順位に含まれるか否かを判断する(S174)。入札金額の順位が落札順位以内に含まれている場合(S174のYES)、支援管理サーバ4は、業者に対して落札者として決定する(S175)。支援管理サーバ4は、落札者に決定した業者側に対し、閲覧画面表示を切替え、登録物件の一覧画面としてたとえば案件一覧テーブル106に落札情報を表示し、また顧客情報や物件の詳細情報を含む二次情報を表示させる(S176)。支援管理サーバ4は、落札業者に対して結果情報、物件情報を含むメールを自動で配信する(S177)。
【0171】
また、入札した金額が落札順位に含まれない場合(S174のNO)、支援管理サーバ4は、この業者について落札不成立と判断し(S178)、物件情報の一覧画面の入札結果に落札不成立を表示させる(S179)。支援管理サーバ4は、業者に対して結果情報、物件情報を含むメールを自動で配信する(S180)。
【0172】
支援管理サーバ4は、たとえば
図44に示すように、落札結果について顧客側に対する通知処理を行う。物件情報に対する期間管理や落札判断(S191、S192)については、業者側に対する落札判断処理(S171、S172)と同様であるので、説明を省略する。支援管理サーバ4は、各物件の落札情報を記録する(S193)。
【0173】
支援管理サーバ4は、落札業者の有無を判断し(S194)、落札条件に適合した業者がある場合(S194のYES)、顧客専用画面の物件情報に関連付けて落札業者情報(業者ID、プロフィール、コメントなど)を表示させる(S195)。支援管理サーバ4は、顧客に対して落札結果に関するメールを自動で配信する(S196)。
【0174】
また、落札した業者がいない場合(S194のNO)、顧客専用画面に落札結果とともに、再出品または買取を確認する取引種別選択欄76を表示させる(S197)。支援管理サーバ4は、顧客に対して落札結果に関するメールを自動で配信する(S198)。
【0175】
<利用明細(請求)の表示処理について>
【0176】
落札した業者は、落札した取引物件情報に対して提示した入札金額を取引支援システム2のサーバ管理者に対する支払い義務を負うことなる。支援管理システム4では、登録業者毎に利用明細情報を通知し、入札金額の支払い請求を行う。
【0177】
図45は、利用明細の表示処理例を示している。
【0178】
支援管理サーバ4は、登録物件毎にオークション処理を行い、落札業者を決定する。落札業者の選定処理(S201、S202、S204)は、落札処理手順(S171、S172、S174)と同様であるので、説明を省略する。支援管理サーバ4は、落札情報を自動で記録する(S203)。
【0179】
支援管理サーバ4は、特定の業者が、入札した金額により落札した場合(S205)、その業者の専用管理画面に対し、落札金額の明細一覧テーブル154を表示させる。この明細一覧テーブル154には、物件情報に対して落札日情報や落札金額が関係付けられている。
【0180】
入札金額が条件に適合しない、または入札者がいない場合(S204のNO)、支援管理サーバ4は、物件情報について不成立と判断し、その不成立情報をデータベースに登録する。
【0182】
図46は、登録物件ついて、入札が不成立の場合の、取引種別変更処理に関する。
図46に示す処理手順のうち、顧客や業者のログイン状態や、支援管理サーバ4への申込処理、物件情報の公開処理は、説明を省略する。
【0183】
支援管理サーバ4は、落札が不成立となった場合、顧客に対して不成立の結果通知を送付する(S198)とともに、この登録物件について、再出品または買取を希望する取引種別の変更処理を促す画面を表示する。これに対し顧客は、再出品/買取による取引種別の変更操作が行われると、再出品/買取の物品公開日と終了日を登録する。支援管理サーバ4は、再出品/買取の物件公開日と終了日を自動で設定し(S212)、この取引物件情報を公開する。
【0184】
業者側からこの登録物件について入札金額が提示されると(S212)、落札処理を行い、その選定結果をデータベースに登録する(S214)とともに、支援管理サーバ4が顧客や業者に対して落札結果通知(S215、S216)を送付する。
【0185】
図47は、取引種別変更処理例を示している。
【0186】
取引種別の変更処理では、支援管理サーバ4は、顧客の端末装置6−1に対して物件情報画面に「再出品」または「買取」を選択する操作ボタンを表示させる(S221)。支援管理サーバ4は、顧客により画面の取引種別選択として、「再出品」または「買取」のいずれかが押下されると(S222)、選択された種別での動作処理を開始する(S223)。
【0187】
支援管理サーバ4は、「再出品」または「買取」のいずれかが選択されると(S223のYES)、物件の公開日および終了日を設定し(S224)、このデータをデータベース内に格納する(S225)。顧客には、再出品または買取で物件情報が登録され、公開されることが通知される(S226)。また支援管理サーバ4は、業者専用画面に物件情報を公開させる(S227)。
【0188】
また「再出品」または「買取」が選択されない場合(S223のNO)、顧客の端末装置6−1には、たとえば物件情報の公開ページが表示されればよい。
【0190】
図48は、通報処理の一例を示している。この通報処理は、入札処理や落札後の交渉に関し、業者または顧客が取引支援システム2を介してサーバ管理者に問い合せを可能にしている。
【0191】
通報処理では、支援管理サーバ4は、顧客、業者またはサーバ管理者に対して通報情報を表示し(S231)、業者または顧客に対して通報情報への回答内容が要求される(S232)。支援管理サーバ4は、通報情報に対する回答内容について、回答が登録されたか否かを監視し(S233)、適切に登録された場合(S233のYES)、入力の完了通知として、入力内容の再確認を表示する(S234)。
【0192】
回答の入力完了の再確認がされると(S234のYES)、支援管理サーバ4は、登録した物件分類と業者IDを関連付けてデータベースに自動的に保存する(S235)。そして支援管理サーバ4は、たとえば通報した顧客の専用画面に対して回答内容を表示させる(S236)。また、回答情報が登録されなかった場合、エラーメッセージを通知すればよい(S237)。
【0194】
図49は、問い合せ処理例を示している。支援管理サーバ4は、顧客または業者間で問い合せが所定の入力画面などに入力された場合、問い合せ対象の専用画面にQ&Aの内容表示または通知処理を行う(S241)。このQ&A情報の表示処理(S242〜S247)は、たとえば通報処理(S232〜S237)と同様の処理を行えばよく、その説明を省略する。
【0196】
斯かる構成によれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0197】
(1) 登録した物件情報、顧客情報に対し、支援管理サーバ4によって業者側に公開する一次情報と、落札業者にのみ公開する二次情報を選別することで、登録や公開設定操作が簡略化でき、利便性が高められる。
【0198】
(2) また、支援管理サーバ4による公開情報の選定により、公開される情報量が安定するので、業者側での入札判断の容易化が図れる。
【0199】
(3) 物件情報および顧客情報の登録、または業者登録において、必須項目の内容や入力位置の監視処理を行うことで、取引支援システム2で提供される業者情報や物件情報の信頼性が高められる。
【0200】
(4) 二次情報を得るための金額を入札させることで、公開した物件に対して仲介または買取に意欲の高い業者を絞ることができ、売主である顧客に対して有益な業者のみを選定できる。
【0202】
図50は、業者の登録管理画面の一例を示している。
【0203】
取引支援システム2への業者情報として、法人毎にアクセスを許可する利用者毎にIDが登録される。それぞれの業者には、システムへのアクセス制限が設定される。このアクセス権限には、たとえば少なくとも公開物件情報の閲覧を可能にするサーチ権限、入札処理が可能な入札権限がある。そして、各利用者IDには、
図50に示すように、サーチ権限と入札権限を有する「管理者」と、サーチ権限のみを有する「一般」の権限種別が設定登録される。
【0204】
業者登録ページ230には、たとえば法人毎に管理者設定一覧テーブル232が表示されており、利用者名などのID情報234に対してそれぞれの権限情報236が関連付けられている。
【0205】
サーチ権限のみを有する「一般」の利用者は、閲覧した物件情報について評価判断を行うと、入札の可否とともに入札予定金額を検討し、その検討内容を含む入札決済情報を支援管理サーバ4に登録する。入札決済情報は、入札権限を有する「管理者」によって決済されることで、正式な入札を行うことができる。
【0206】
業者専用のトップページ104には、たとえば
図51に示すように、入札決済一覧データテーブル240が表示される。この入札決済一覧データテーブル240には、登録された利用者241毎に物件情報と決済金額欄242や決済状態243が表示される。この決済金額欄242には、決済承認前の入札予定金額も含まれており、承認が得られると、入札金額となる。
【0207】
一般IDでログインした端末装置には、たとえば
図52に示すように、サーチした物件情報の入札ページ112において、入札決済を選択すると、決済申請ページ250が表示される。この決済申請ページ250には、入札予定金額と管理者に対するコメントなどが入力できる。
【0208】
なお、一般IDでログインした端末装置には、たとえば入札画面112において入札手続の選択欄が表示されない、または操作できないように設定される。
【0209】
管理者IDでログインした端末装置には、たとえば
図53に示すように、入札決済一覧データテーブル240の1つを選択すると、入札決済依頼ページ252が表示される。入札決済依頼ページ252には、たとえば依頼した担当者のID情報254や物件詳細情報256とともに、「承認」または「却下」決定ボタン258が表示される。
【0210】
入札決済依頼ページ252の「承認」操作が行われると、端末装置6−2、6−3、・・・6−Nには、たとえば
図54に示すように、承認確認画面260が表示される。管理者は、たとえばこの承認確認画面260において入札金額を変更してもよい。
【0212】
図55は、入札決済処理の一例を示している。
【0213】
業者の入札決済処理では、一般IDでログインした端末装置6−2、6−3、・・・6−Nが支援管理サーバ4にアクセスすると、業者専用画面に公開物件情報が表示される(S301)。入札を希望する物件情報に対し、担当者は、決済申請ページ250において、入札依頼として入札予定金額やコメントを含む備考を記入した入札依頼を行う(S302)。
【0214】
支援管理サーバ4は、決済申請ページ250にて入力された金額が設定された最低入札金額をクリアしているか否かを判断し(S303)、この条件をクリアしている場合(S303のYES)、データベースに決済申請ページ250を格納する(S304)。そして支援管理サーバ4は、決済申請ページ250の依頼内容を管理者ID権限を有する担当者に自動でメール送信する(S305)とともに、業者画面(トップページ104)に対し、決済承認欄に情報を表示する(S30入札依頼待ち一覧として6)。
【0215】
また、決済申請ページ250の金額が最低入札金額をクリアしていない場合(S303のNO)、支援管理サーバ4は、エラーメッセージを表示する(S307)。
【0217】
図56は、入札決済承認処理例を示している。
【0218】
支援管理サーバ4は、管理者IDでログインした端末装置6−2、6−3、・・・6−Nに対し、入札依頼物件の表示画面(入札決済依頼ページ252)を提供する(S311)。管理者IDの担当者により依頼内容の確認が行われ、支援管理サーバ4は、承認操作が行われるか否かを判断し(S312)、承認された場合(S312のYES)、入札した情報(物件ID、業者ID)を自動記録し(S313)、業者専用画面の入札状況画面(入札決済一覧データテーブル240)に入札した情報を表示させる(S314)。
【0219】
また依頼が却下された場合(S312のNO)、支援管理サーバ4は、入札取消処理を行い(S315)、入札依頼待ちの一覧として、たとえば入札決済一覧データテーブル240に取消情報を表示させる(S316)。
【0220】
<入札金額を変更して決済する場合について>
【0221】
図57は、金額を変更して決済する場合の処理例を示している。
【0222】
管理者IDを有する担当者は、決済依頼に対して入札金額を変更して決済することができる。支援管理サーバ4は、管理者IDの担当者が申請した決済依頼を変更して承認した場合(S322のYES)、変更した金額での承認処理を行う(S323)。そして支援管理サーバ4は、入札状況画面として、入札決済一覧データテーブル240の決済金額欄242に対し、変更した金額情報を表示させる(S324)。
【0223】
入札依頼表示処理(S321)や承認確認処理(S322)、提案された内容で承認する場合の処理(S325、S326)は、S311〜S314と同様であるので、説明を省略する。
【0224】
斯かる構成によれば、複数の担当者を有する法人において、1つの物件に対して複数のIDによる入札が集中し、多数の業者との交渉を希望する顧客の期待に沿った落札結果を出すことができる。また、担当者によって提示金額が異なり、法人内で金額の多寡が生じるのを防止でき、取引支援システム2の信頼性を維持することができる。
【0226】
本開示の技術の特徴事項を以下に列挙する。
【0227】
(1) 取引物件について売りたい人と、その売却物件の売却に対し、意欲的に取り組む業者を選択することができる。
【0228】
(2) 業者は、売却を仲介する取引物件を探すための広告費用、印刷代、配布スタッフ人件費などのコストを削減できる。
【0229】
(3) 不動産の売却のみなど、特定の業務に限られた業者のみ以外の業者も交渉対象として抽出できる、売主である顧客は、有利な売却条件を得ることができる。
【0230】
(3) 将来的に物件所有者だけに限定することなく、マンションの購入の際、今は売るつもりはないけど、いつか売るかもしれないという、潜在売却層も取り囲むことができる。
【0232】
(1) 上記実施の形態では、不動産取引を例示しているが、本件発明は、不動産取引に限定されず、絵画や骨董品などの動産、その他各種取引物件の売買などの取引に用いることができる。
【0233】
(2) 上記実施の形態では、業者の登録情報において名称や住所などの情報が登録される場合を示したがこれに限られない。業者の登録情報には、たとえば取引支援システム2を利用して落札した件数や契約成立の件数を示す履歴情報や、この業者が取引物件の仲介や買取りを担当した顧客からの評価情報などを関連付けて登録し、業者情報として公開してもよい。このような履歴情報を公開することで、登録業者の評価価値の向上を図るとともに、顧客の登録業者に対する判断材料の提供を行うことができ、取引支援システム2の信頼性の向上や利便性の向上を図れる。
【0234】
(3) 上記実施の形態では、支援管理サーバ4において取引支援プログラムが実行されることで取引支援システム2が形成される場合を示したがこれに限られない。取引支援プログラムは、たとえば各端末装置6−1、6−2、・・・6−N上において実行され、それぞれのプログラムを協働(リンク)させることで取引支援システム2が形成されてもよい。
【0235】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。