(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956510
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】遮断器用ハンドル操作装置
(51)【国際特許分類】
H01H 73/02 20060101AFI20160714BHJP
【FI】
H01H73/02 A
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-125087(P2014-125087)
(22)【出願日】2014年6月18日
(65)【公開番号】特開2015-95449(P2015-95449A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2014年6月18日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0136460
(32)【優先日】2013年11月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ソ チェ クォン
【審査官】
段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−063945(JP,U)
【文献】
特開2011−070240(JP,A)
【文献】
実開平02−113614(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 73/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮断器のオン/オフを手動操作する手動操作ハンドルを外部から操作するための動力を伝達する連結ロッドと、
前記連結ロッドに連結され、遮断器ケースの外側面に前記手動操作ハンドルの操作方向と平行な方向に移動可能に結合される可動フレームと、
前記可動フレームと連動可能に設置され、前記手動操作ハンドルを移動させる可動部材と、
前記可動部材に前記手動操作ハンドルの移動方向に対して斜めに形成される長孔と、
前記長孔を通して前記可動部材と前記可動フレームとを締結する締結部材と、を有し、
前記可動フレームは、
前記遮断器ケースの外側面にそれぞれヒンジ構造で結合され、前記連結ロッドの一端部に連結されて前記手動操作ハンドルの操作方向と同じ方向に回動する側面プレートと、
前記側面プレート間を連結し、前記側面プレートと共に動作する可動台と、から構成され、
前記可動部材が前記可動台間を連結する、遮断器用ハンドル操作装置。
【請求項2】
前記締結部材がネジであることを特徴とする請求項1に記載の遮断器用ハンドル操作装置。
【請求項3】
前記手動操作ハンドルの動作距離は、前記長孔において前記締結部材が固定される位置に応じて微調整されることを特徴とする請求項1または2に記載の遮断器用ハンドル操作装置。
【請求項4】
前記可動部材は、内部に挿入孔を有し、前記挿入孔に前記手動操作ハンドルの一部が挿入されている状態で、前記手動操作ハンドルに連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遮断器用ハンドル操作装置。
【請求項5】
前記可動部材は、前記手動操作ハンドルを介して離隔して配置され、前記手動操作ハンドルの操作方向に移動することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遮断器用ハンドル操作装置。
【請求項6】
前記長孔は、互いに間隔をおいて平行に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遮断器用ハンドル操作装置。
【請求項7】
前記長孔は、前記可動部材の移動方向に対して垂直方向に離隔するように前記可動部材に形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の遮断器用ハンドル操作装置。
【請求項8】
前記長孔は、前記可動部材の移動方向に離隔するように前記可動部材に形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の遮断器用ハンドル操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量回路遮断器におけるハンドルの動作距離調整時の動作の信頼性を向上させる遮断器用ハンドル操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、回路遮断器は、電気回路に過負荷がかかったり短絡による損傷などが生じたりすることを防止するために自動で回路を遮断する装置であって、ケースの一側に手動操作ハンドルが備えられて外部から手動で操作できるようになっている。
【0003】
回路遮断器は、主回路に流れる電流の容量によって小容量回路遮断器と大容量回路遮断器とに分けられるが、小容量回路遮断器の場合は、手動操作ハンドルを操作するための操作荷重が大きくないので手動操作に問題がないのに対し、大容量回路遮断器の場合は、ハンドル操作荷重が小容量回路遮断器の約5倍であるので手動操作が容易でない。
【0004】
よって、回路遮断器の操作の便宜のために、外部に手動操作ハンドルとは別に外部操作ハンドルを備え、外部操作ハンドルと手動操作ハンドルとの間に機械的機構を連結し、外部操作ハンドルにより手動操作ハンドルを容易に操作できるようにしている。
【0005】
図7は、従来の大容量回路遮断器のハンドル操作装置を示す斜視図であり、遮断器ケース10の外側面に可動フレーム11が設置され、可動フレーム11は、連結ロッド12を介して外部操作ハンドルに機構的に連結されて、外部操作ハンドルから動力が伝達される。
【0006】
可動フレーム11は、連結ロッド12から動力が伝達されて所定の角度に回動することにより、遮断器ハンドル13をオン位置からオフ位置またはオフ位置からオン位置に移動させる。
【0007】
図8は、従来の大容量回路遮断器のハンドル操作装置における遮断器ハンドルへの動力伝達メカニズムを説明するための概略図であり、上記可動フレームの上部に横方向に設置された可動台の中間に可動部材14を配置し、遮断器ハンドル13をオン/オフ方向に回転させるようにしている。
【0008】
一方、可動部材14の両側に長孔15を形成し、遮断器設置者が、長孔15を通して締結されるネジ16を長孔15の移動可能範囲内で位置調整して、遮断器ハンドル13の動作距離を微調整することにより、外部操作ハンドルの動作の信頼性を向上させるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、このような大容量回路遮断器のハンドル操作装置においては、長孔15の長手方向と連結ロッド12を介して上記可動フレームに伝達される力の作用方向とが、遮断器ハンドル13の操作方向と平行な方向であって同一であるので、遮断器ハンドル13を操作する際に、意図に反して、外部操作ハンドルから連結ロッド12を介して可動部材14に伝達される操作力Fによりネジ16が押されて一方にずれ動く現象が発生する。
【0010】
ネジ16がずれ動く現象を防止するために、ネジ16の締結力を大きくしてネジ頭が長孔15の周辺でずれ動かないようにすることもできるが、ネジ16を過度に強く回転させるとネジ頭に形成された十字溝が潰れてしまい、遮断器ハンドル13の動作距離の微調整はもとより、損傷したネジ16の取り外しも難しくなる。
【0011】
このような理由で、一般的なネジ16より優れた締結力を有する六角レンチボルト(ボルト頭に六角形の穴が形成されたボルト)を採用することもあるが、この場合、六角レンチボルトのほうが一般的なネジ16よりはるかに高価であるので、コストを増加させるという問題があった。
【0012】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、本発明の技術的課題は、遮断器のハンドルを操作する際にネジにかかる荷重を低減してネジがずれ動く現象を防止すると共に、高価な六角レンチボルトを安価なネジで代替することのできる、遮断器用ハンドル操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記技術的課題を解決するために、本発明の一実施形態によれば、連結ロッド、可動フレーム、可動部材、長孔および締結部材を有する、遮断器用ハンドル操作装置が提供される。
【0014】
連結ロッドは、遮断器のオン/オフを手動操作する手動操作ハンドルを外部から操作するための動力を伝達するようにしてもよい。
【0015】
可動フレームは、連結ロッドに連結され、遮断器ケースの外側面に手動操作ハンドルの操作方向と平行な方向に移動可能に結合されてもよい。
【0016】
可動部材は、可動フレームと連動可能に設置され、手動操作ハンドルを移動させるようにしてもよい。
【0017】
長孔は、可動部材に手動操作ハンドルの移動方向に対して斜めに形成されてもよい。
【0018】
締結部材は、長孔を通して可動部材と可動フレームとを締結するようにしてもよい。
【0019】
本発明の一態様においては、長孔の長手方向を手動操作ハンドルの移動方向に対して所定の角度で傾斜させて配置し、従来とは異なり、ハンドルを操作する際にネジにかかる荷重を低減することにより、ネジがずれ動く現象を防止すると共に、安価なネジを使用することができる。
【0020】
締結部材は、ネジであってもよい。
【0021】
手動操作ハンドルの動作距離は、長孔において締結部材が固定される位置に応じて微調整されるようにしてもよい。
【0022】
可動フレームは、側面プレートおよび可動台から構成されてもよい。
【0023】
側面プレートは、遮断器ケースの外側面にそれぞれヒンジ構造で結合され、連結ロッドの一端部に連結されて手動操作ハンドルの操作方向と同じ方向に回動するようにしてもよい。
【0024】
可動台は、側面プレート間を連結し、側面プレートと共に動作するようにしてもよい。
【0025】
可動部材は、可動台間を連結するようにしてもよい。
【0026】
可動部材は、内部に挿入孔を有し、挿入孔に手動操作ハンドルの一部が挿入されることにより手動操作ハンドルに連結されるようにしてもよい。
【0027】
可動部材は、手動操作ハンドルを介して離隔して配置され、手動操作ハンドルの操作方向に移動するようにしてもよい。
【0028】
長孔は、互いに間隔をおいて平行に形成されてもよい。
【0029】
本発明の他の実施形態によれば、長孔は、可動部材の移動方向に対して垂直方向に離隔するように可動部材に形成されてもよい。
【0030】
本発明のさらに他の実施形態によれば、長孔は、可動部材の移動方向に離隔するように可動部材に形成されてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明による遮断器用ハンドル操作装置においては、遮断器のハンドルを操作する際にネジにかかる荷重を低減してネジがずれ動く現象を防止することにより、外部操作ハンドルの動作の信頼性を向上させることができる。また、高価な六角レンチボルトを安価なネジで代替することができるので、コストの低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の第1実施形態による遮断器用ハンドル操作装置の斜視図である。
【
図2】
図1の遮断器用ハンドル操作装置の側面図であって、遮断器ハンドルの作動状態を示す概略図である。
【
図3】本発明による遮断器用ハンドル操作装置における遮断器ハンドルへの動力伝達メカニズムを説明するための概略図である。
【
図4】本発明によるスキュー構造の長孔における荷重の分力を示す概略図である。
【
図5】本発明の第2実施形態による可動部材およびスキュー構造の長孔を示す平面図である。
【
図6】本発明の第3実施形態による可動部材およびスキュー構造の長孔を示す平面図である。
【
図7】従来の大容量回路遮断器のハンドル操作装置を示す斜視図である。
【
図8】従来の大容量回路遮断器のハンドル操作装置における遮断器ハンドルへの動力伝達メカニズムを説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の第1実施形態による遮断器用ハンドル操作装置の斜視図であり、
図2は、
図1の遮断器用ハンドル操作装置の側面図であって、遮断器ハンドルの作動状態を示す概略図である。
【0035】
本発明は、外部操作ハンドルを用いて遮断器ハンドル(手動操作ハンドル)13を操作する際に、ネジ(締結部材)16にかかる負荷を低減することのできる遮断器用ハンドル操作装置に関する。
【0036】
本発明による遮断器用ハンドル操作装置は、使用者の便宜のための装置であって、特に大容量遮断器に適用した場合に使用の利便性を最大化することができる。
【0037】
例えば、大容量遮断器の遮断器ハンドル13を操作する場合、外部操作ハンドルを用いて遮断器ハンドル13をオン位置からオフ位置またはオフ位置からオン位置に移動させることができる。
【0038】
上記外部操作ハンドルは、公知技術を採用して構成することができるので、その詳細な構造および作動についての説明は省略する。
【0039】
本発明による遮断器用ハンドル操作装置は、連結ロッド12、固定フレーム17、可動フレーム11、可動部材14などを有する。
【0040】
連結ロッド12は、連結ロッド12の一端部が上記外部操作ハンドルに連結され、連結ロッド12の他端部が可動フレーム11に連結されており、上記外部操作ハンドルから発生した動力を可動フレーム11に伝達する。
【0041】
固定フレーム17は、遮断器ケース10のベース面、例えばベースの底面および側面を覆うように配置される。固定フレーム17には遮断器が固定される。
【0042】
可動フレーム11は、遮断器ケース10の両側面にヒンジ結合される側面プレート111と、側面プレート111間を連結する連結台113と、側面プレート111間に設置される可動台112と、を有する。
【0043】
側面プレート111は、略三角形状のプレート構造からなり、遮断器ハンドル13の操作方向に対して垂直方向に離隔して配置される。側面プレート111は、その一角部がヒンジ軸により遮断器ケース10の側面にヒンジ結合され、遮断器ハンドル13の操作方向に回動可能になっている。
【0044】
連結台113は、細長いプレート構造からなり、側面プレート111の間隔を一定に維持する。
【0045】
可動台112は、プレート構造からなり、両方の側面プレート111の上部にそれぞれ設置されるが、連結台113から遮断器ハンドル13の操作方向に離隔して配置される。このような連結関係により、可動台112は、側面プレート111と共に遮断器ハンドル13の操作方向に回動可能である。
【0046】
可動部材14は、可動台112間を連結し、遮断器ハンドル13を介して遮断器ハンドル13の操作方向に離隔して配置され、可動台112および側面プレート111と共に遮断器ハンドル13の操作方向に回動可能である。
【0047】
遮断器ハンドル13は、離隔した可動部材14間にその端部が挿入され、回動する可動部材14によりオン位置からオフ位置またはオフ位置からオン位置に移動する。
【0048】
図3は、本発明による遮断器用ハンドル操作装置における遮断器ハンドルへの動力伝達メカニズムを説明するための概略図であり、
図4は、本発明によるスキュー構造の長孔における荷重の分力を示す概略図である。
【0049】
可動部材14は、それぞれ両端部に斜めに形成された長孔150を有し、可動台112間で遮断器ハンドル13との間隔を微調整できるようになっている。
【0050】
長孔150は、幅に比べて長さが長く形成された孔である。
【0051】
長孔150の長軸方向は、遮断器ハンドル13の操作方向に対して所定の角度で斜めに配置される。
【0052】
このように長孔150の長軸方向を従来とは異なり斜めに配置したのは、遮断器ハンドル13の操作方向に操作力が作用する際に長孔150内でネジ16がずれ動くことを防止するためである。
【0053】
より詳細には、可動部材14と可動台112とを締結するネジ16、例えば十字溝を有する丸頭ネジの締結力は、ボルト頭からボルト脚への方向、すなわち長孔150の長軸方向に対して垂直方向に作用するので、ネジ16がずれ動く現象を防止する力は摩擦力である。摩擦力は接触面の摩擦係数と垂直抗力との積であるが、本発明においては、上記接触面の摩擦係数が定数であるので、摩擦力は垂直抗力に比例する。よって、垂直抗力に対応する力であるネジ16の締結力が大きくなると、ネジ16がずれ動く現象を防止する摩擦力も大きくなる。
【0054】
しかし、ネジ16がずれ動く現象を防止する摩擦力を大きくするには限界がある。これは、ネジ16の締結力のためである。背景技術の欄で説明した通り、ネジ16の種類によってその締結力は決定されており、ボルト頭に六角形の穴が形成された六角レンチボルトの場合、高価であるのでコストの低減を図れない。また、ボルトは時間が経過するにつれて締結力が次第に弱くなって緩む傾向があり、遮断器のハンドル操作力は一定であるので、六角レンチボルトの締結力でネジ16がずれ動く現象を防止することは根本的な解決策にならない。
【0055】
そこで、本発明においては、根本的な解決策として、ネジ16にかかる負荷、すなわち遮断器のハンドルを操作する際に外部操作ハンドルからネジ16に伝達される操作力を低減することにより、ネジ16がずれ動く現象を防止する。
【0056】
例えば、ネジ16のずれ動く方向とハンドル操作力の作用方向とが同じ場合、このハンドル操作力がネジ16のずれ動く方向でネジ16に100%伝達される。しかし、ネジ16のずれ動く方向がハンドル操作力の作用方向に対して斜めに配置された場合、遮断器ハンドル13を操作するハンドル操作力の作用によりネジ16が長孔150内でずれ動く際に、長孔150周辺の可動部材14の干渉を受ける。すなわち、従来は、上記長孔の長軸方向がハンドル操作力の作用方向と同じであるのでネジ16の移動に対する干渉がないのに対し、本発明においては、長孔150の長軸方向がハンドル操作力の作用方向に対して斜めに交差するので干渉を受ける。
【0057】
この場合、
図4に示すように、ハンドル操作力Fは、長孔150の長軸方向に対して垂直方向の力F
1と長孔150の長軸方向の力F
2とに分けられる(F=F
1+F
2)。ここで、ネジ16にかかる荷重の分力F
2は、ハンドル操作力Fよりはるかに小さい。
【0058】
つまり、本発明においては、ネジ16がずれ動く現象を発生させる力であるネジ16にかかる荷重の分力F
2をハンドル操作力Fよりはるかに小さくすることにより、従来発生していたハンドル操作力によりネジ16がずれ動く現象を防止する。
【0059】
図5は、本発明の第2実施形態による可動部材および長孔のスキュー構造を示す平面図である。
図5において、矢印の方向は遮断器ハンドル13の操作方向である。
【0060】
図5を参照すると、第2実施形態による可動部材140は、第1実施形態のように遮断器ハンドル13を介して離隔している分離型構造ではなく、一体型構造であって、内部に挿入孔を有し、この挿入孔に遮断器ハンドル13が挿入される。
【0061】
一体型可動部材140においては、長孔150内でのネジ16の位置調整により可動部材140と遮断器ハンドル13との間隔を調整することができる。しかし、第1実施形態のように可動部材140と遮断器ハンドル13との前後間隔が別々に調整されるのではなく、可動部材140と遮断器ハンドル13との前方間隔および後方間隔が互いに影響を与える。例えば、可動部材140と遮断器ハンドル13との前方間隔が大きくなると、可動部材140と遮断器ハンドル13との後方間隔が小さくなり、逆に可動部材140と遮断器ハンドル13との後方間隔が大きくなると、可動部材140と遮断器ハンドル13との前方間隔が小さくなる。このような一体型可動部材140においては、長孔150の数が分離型可動部材14より少ないので、構造が簡単になり、コストが低減される。
【0062】
また、一体型可動部材140においては、長孔150が遮断器ハンドル13の操作方向に対して垂直方向に離隔して配置される。
【0063】
図6は、本発明の第3実施形態による可動部材および長孔のスキュー構造を示す平面図である。
図6において、矢印の方向は遮断器ハンドル13の操作方向である。
【0064】
第3実施形態による可動部材240は、第2実施形態と同様に、単純な一体型構造を有し、コストの低減に寄与するという効果がある。しかし、第3実施形態による可動部材240は、第2実施形態とは異なり、長孔150が遮断器ハンドル13の操作方向に離隔して配置される。
【0065】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は前述した実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の技術的思想から逸脱しない限り様々な変形や改良形態が本発明に含まれることは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。
【符号の説明】
【0066】
10 遮断器ケース
11 可動フレーム
111 側面プレート
112 可動台
12 連結ロッド
13 遮断器ハンドル
14、140、240 可動部材
16 ネジ
150 長孔