(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の光起電セルが電気的に直列結合される複数の行に構成され、前記複数の行は、前記複数の光起電セルの第1サブセットを含む第1行と、前記複数の光起電セルの第2サブセットを含む最終行とを含み、かつ
前記第1端接続が、
前記第1端において前記連続バックシートに電気的および機械的に結合される地気ストリップと、
前記第1行の各光起電セルを前記地気ストリップに電気的および機械的に結合する複数の直列相互接続と、
を含む、請求項1に記載の光起電システム。
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、前記デジタル・コントローラと通信的に結合され、かつ、前記回路カードに搭載される光信号光源をさらに含み、前記光信号光源は、それにより放射される光信号が前記対応する光起電モジュールの前部から見えるように搭載される、請求項5に記載の光起電システム。
前記状態情報が、前記対応する光起電モジュールに関する次の情報:電力および故障のコード、モジュール整理ID、詳細故障記録、累積エネルギー生産、温度、またはオン/オフサイクルの回数の少なくとも1つを含む、請求項12に記載の光起電システム。
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、前記デジタル・コントローラと通信的に結合される無線周波数(RF)放射装置をさらに含み、前記デジタル・コントローラが前記RF放射装置を動作させて前記複数の光起電モジュールのうちの他のモジュールおよび/または前記光起電システムに含まれるデータ収集装置に情報を送らせるように構成される、請求項5に記載の光起電システム。
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、前記回路カードを内蔵するアンダーマウント組立品をさらに含み、前記アンダーマウント組立品がハウジングを含み、前記ハウジングが、
本体と、
前記本体から延びて略同一平面に存在する複数の台座と、
を含み、
前記アンダーマウント組立品が、対応する光起電モジュールの連続バックシートに、前記連続バックシートと前記複数の台座との間に置かれる接着剤またはテープを使用して機械的に結合され、かつ
前記本体が、2つのスロットを画定し、前記2つのスロットを通じて2つの対応するライザーが前記本体に達し前記回路カードに電気的に結合する、請求項5に記載の光起電システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、一般的に、個々のPVセルから電力グリッドへの多数の冗長経路をサポートする光起電(PV)システムに関する。この冗長性は、PVシステムにおける耐故障性を与えるものであり、かかる冗長性をもたないPVシステムに比し、PVシステムの寿命中の保守要求を大幅に低減するかまたは皆無にし得る。
【0012】
より詳しくは、在来のPVシステムに存在する単一点障害が種々のレベルの冗長性を有する接続点により置換された一部の実施形態による例示PVシステムについて記述する。これは、PVモジュール全体の停止をもたらさない故障を可能とし、かつ、エネルギーをほとんど使わないか全く使わない無修理、または少なくとも予定外の修理を必要としない計画的な修理のいずれかを可能とする。
【0013】
本出願において記述する一部の実施形態では、所与のPVモジュールのすべてのPVセルは並列接続と直列接続の組み合わせを有し、それにより電流は当該PVモジュール経由の代替経路を通ることができる。低インピーダンス連続バックシートをPVモジュールの背面の全域で使用して一方向の電流フローを可能にする。電流が代替経路を通ってPVモジュールに含まれているコンバータに流れ得るためどの相互接続またはPVセルの故障も最小の影響を及ぼす。
【0014】
コンバータは、PVモジュール内の内部バス・ストリップに相互接続され、それによりどのコンバータもどのセルも見ることができる。たとえば、任意のセルにより生成されたエネルギーは、どのコンバータでも受け取ることができる。したがって、コンバータの一部は、PVモジュールのエネルギー生産に影響を与えることなく故障し得る。コンバータは、大断面積ライザー(またはコネクタ)に接続されている出力バスに一定電圧直流(DC)電力を出力する。ライザーは、モジュール間バスをスプライスすることなく、モジュール間バスに接続するため、モジュール間バスは連続のままである。その結果、各PVモジュールは、他のモジュールとは無関係にモジュール間バスに接続され、そして1個のPVモジュールの故障は、他のPVモジュールからモジュール間バスへの接続に影響を及ぼさない。
【0015】
モジュール間バスは、多数の一定電圧DC:AC変換装置、本出願ではすなわち「インバータ」に相互接続される。インバータは、電力グリッドに接続され、モジュール間バス上のDC電力を電力グリッドに出力されるAC電力に変換する。一部のインバータが故障した場合、電力は引き続き他のインバータ経由で流れ得る。その結果、各PVセルにより生成されるエネルギーは電力グリッドへの多数の冗長経路のどれでもたどり得るため、このPVシステム全体は、セル−グリッド冗長性である。
【0016】
ここで図面を参照して、本発明の例示的実施形態の種々の側面について記述する。当然のことながら、図面は、かかる例示的実施形態の図式的概略表現であり、また、本発明を限定するものではなく、かつ、必ずしも原寸比例ではない。
【0017】
I.例示PVシステム
図1は、本出願において記述する少なくとも一部の実施形態に従って構成された例示PVシステム100を示す。PVシステム100は、多数のPVモジュールまたはパネル(本出願では、「モジュール」)102およびモジュール間バス104を含む。任意選択的に、PVシステム100は、上記のほかに、多数のインバータ106および/または1個以上のエネルギー貯蔵装置108を含む。
【0018】
PVモジュール102のそれぞれの例示構成について、以下に説明する。本出願において記述する例示構成の特定の側面および特徴は、
図1のPVモジュール102の1個についてのみ取り上げているが、PVモジュール102のそれぞれは、同様に構成することができる。
【0019】
図1に示すように、PVモジュール102のそれぞれは、第1端110および第2端112を画定する。PVモジュール102のそれぞれは、網目状に電気的に結合される多数のPVセル114を含んでおり、したがってPVセル114により生成されるエネルギー、たとえばPV電流は、PVセル114経由で第2端112に到る多数の経路を有する。一部の実施形態では、PVセル114のメッシュ・トポロジーは、PVセル114を数行に配列した後に、各行を直列に接続し、かつ、各行中のPVセル114を並列に接続することにより形成される。
【0020】
一部のPVモジュールでは、PVセルが電気的に直列に結合されるため、十分に照射されないか、または低性能であるか、あるいはその他の「閉塞された」PVセルにより直列接続全体が制限される。しかしながら、本出願において記述する実施形態では、各PVセル114は第2端112に到る多数の経路を有するため、経路の1つにおけるPVセル114が閉塞された場合、閉塞PVセル114の上流(たとえば、第1端110により近い)のPVセル群114により生成されるエネルギーは、他の利用可能な経路の1つを通って閉塞PVセル114を迂回して流れることができる。
【0021】
PVモジュール102のそれぞれは、上記のほかに、第2端112においてPVセル114に接続されている多数のコンバータ回路(以下、コンバータ)116を含んでいるため、各PVセル114により生成されるネルギーは、コンバータ116のいずれにおいても受領可能である。したがって、コンバータ116の1個が故障した場合、それまでそのコンバータ116に流れ込んでいたエネルギーは、コンバータ群116の別の1個に流れ込み得る。一般的に、コンバータ116は、PVセル114により集団的に生成された比較的大電流低電圧のエネルギーをより弱電流高電圧に変換するように構成される。したがって、コンバータ116のそれぞれは、たとえば、ブースト・コンバータ、バック・ブースト・コンバータ、SEPICコンバータ、チューク・コンバータ、または類似のコンバータまたはそれらの組み合わせを含む。
【0022】
モジュール間バス104は、PVモジュール102が並列に接続されるようにPVモジュール102のそれぞれに電気的に結合されている。モジュール間バス104は少なくとも1つの出力を有し、かつ、各PVモジュール102により生成されるエネルギーは、PVモジュール群102中の他のものと関係なく出力において受領可能である。図示の実施形態では、モジュール間バス104は、インバータ106のそれぞれおよびエネルギー貯蔵装置108に結合された異なる出力を含む4つの出力を有し、これによりモジュール間バス104上のエネルギーは、インバータ106のいずれかまたはすべておよび/またはエネルギー貯蔵装置108に出力され得る。モジュール間バス104の出力は、一部の実施形態では、入力としても機能を果たすことができる。この場合、インバータ106経由および/またはエネルギー貯蔵装置108から受け取ったエネルギーがモジュール間バス104上で受領される。
【0023】
モジュール間バス104は、PVモジュール102のDC出力のためのDCバスである。図示されている実施形態では、モジュール間バス104は、プラス・リード104Aおよびマイナス・リード104Bを含んでいる。プラス・リード104Aおよびマイナス・リード104Bのそれぞれは、PVモジュール102のそれぞれが電気的に結合される連続無中断ワイヤを含み得る。モジュール間バス104のリード104A、104Bは連続ワイヤを含み、かつ、PVモジュール102は並列にモジュール間バス104に接続されているため、PVモジュール102のいずれか1つの故障は、他のPVモジュール102がモジュール間バス104を経由してインバータ106および/またはエネルギー貯蔵装置108にエネルギーを出力する能力に影響を与えない。したがって、PVシステム100は、一部のPVモジュール102が故障した場合にもエネルギーの生産を続けることができるため、PVモジュールまたはPVパネルが直列に接続されているPVシステムの場合のように、PVシステム100の運転を継続するために故障PVモジュール102の即時修理を行う必要はない。
【0024】
インバータ106は、モジュール間バス104に電気的に結合され、これによりPVモジュール102のそれぞれにより生成されるエネルギーは、どのインバータ106でも受領できる。インバータ106は、それぞれ、DC側を有しており、各インバータ106のDC側は、並列にモジュール間バス104に電気的に結合されている。一般的に、インバータ106は、モジュール間バス104上のDC電力を交流(AC)電力に変換するように構成される。その変換された電力は、インバータ106のAC側が結合される電力グリッド118(以下、「電力グリッド118」)に出力される。
【0025】
インバータ106は定電圧インバータを含むことができ、かつ、インバータ106はモジュール間バス104上の電圧を制御し得る。上記の代わりに、または上記に加えて、インバータ106は、リバーシブル・インバータを含む。この場合、リバーシブル・インバータ106は、逆方向に運転されると、電力グリッド118からのAC電力をDC電力に変換し、そのDC電力はモジュール間バス104に出力されて、たとえばエネルギー貯蔵装置108を充電する。上記の代わりに、または上記に加えて、インバータ106は、「固定動作」構成で運転される。この場合、AC出力電圧とDC入力電圧の比は固定され、DC電圧は、AC電圧変動に従って浮動する。
【0026】
電力グリッド118は、3相AC電力グリッドなどの多相AC電力グリッドを含み得る。インバータ106は、電力グリッド118の相のいずれかまたはすべてに電気的に結合され得る。図示された実施形態は、インバータ106のそれぞれは、電力グリッド118の3つの相の異なる1つに電気的に、たとえばY結線またはデルタ結線で接続される。
【0027】
エネルギー貯蔵装置108は、モジュール間バス104に並列で接続し得る。
一部の実施形態では、インバータ106は、種々のDC設定点を有する。たとえば、インバータ106のDC設定点は、0.1〜0.5ボルトまたは0.1ボルト未満または0.5ボルト超によるオフセットとすることができる。1つの例示的実施形態では、インバータ106の1つは、52.0ボルトのDC設定点を有し、別のインバータは52.5ボルトのDC設定点を有し、さらに別のインバータは53.0ボルトのDC設定点を有する。インバータ106が種々のDC設定点を有する場合、モジュール間バス104からインバータ106への配電は、DC設定点により決定される。たとえば、52.0ボルトなどの最低DC設定点を有するインバータ106は、モジュール間バス104上の電圧が52.0ボルトであるときに電力の取り込みを開始する。モジュール間バス104上の電圧が52.5ボルトなどの次のDC設定点に上昇したとき、次のDC設定点のインバータ106が電力の取り込みを開始する。以下同様である。
【0028】
上記の代わりに、または上記に加えて、インバータ106のDC設定点および/またはインバータ106のAC削減は、調整可能とすることができる。一般的に、AC削減は、インバータ106のAC出力に関する制限機能である。これらおよび他の実施形態では、インバータ106は、たとえば、modbus、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)バス、またはその他の通信チャネル経由で通信的に相互に結合することができる。インバータ群106は、相互に通信してインバータ群106のDC設定点、インバータ群106のAC削減またはその他の設定または限界などのインバータ固有設定を協調制御することができる。
【0029】
インバータ106のそれぞれを電力グリッド118の異なる相に結合すること、インバータ106の種々のDC設定点を実現すること、および/またはインバータ106の調整可能DC設定点を実現することにより、種々の方法によりPVシステム100を作動させることができる。たとえば、電流は、インバータ106から電力グリッド118の種々の相へ、エネルギー貯蔵装置108へ、および/またはエネルギー貯蔵装置108から、選択的に流れることができる。別の例として、電流は、電力グリッド118の1つ以上の相から比較的高いDC設定点の1個以上のインバータ106を経由してモジュール間バス104へ流れることができ、かつ、PVモジュール102により生成された電力の存在するとき、または存在しないときにモジュール間バス104に沿って電力グリッド118の1つ以上の他の相へ比較的低いDC設定点の1個以上のインバータ106を経由して流れることができる。別の例として、インバータ106のDC設定点およびエネルギー貯蔵装置108の充電の現状に基づいて、電流は、電力グリッド118のいずれかまたはすべての相からエネルギー貯蔵装置108へ、またはエネルギー貯蔵装置108から電力グリッド118のいずれかまたはすべての相へ流れることができる。
【0030】
上記の代わりに、または上記に加えて、インバータ106のそれぞれは、1つ以上の基準に基づいて起動および停止させることができる。これらの基準は、固定または調整可能とすることができる。これらの基準は、モジュール間バス104上の電圧、1日中の時刻、またはその他の基準を含み得る。たとえば、PVモジュール102の出力が日中より比較的低いと思われる毎朝および/または毎晩、1個以上のインバータ106を停止させ、それにより残りの作動中インバータ106をより高い効率で作動させること、すなわちPVシステム100の動作を最適化することができる。
II.PVモジュール
図2は、本出願において記述される実施形態の少なくとも一部に従って準備された
図1のPVシステム100に含まれ得る例示PVモジュール200を示す。たとえば、PVモジュール200は、
図1のPVモジュール102の例示的実施形態である。
図2の略図は、裏返したPVモジュール200の透視図である。
図2は、任意に定義したX、Y、およびZ座標軸も含んでいる。種々の図全部においてこれらの座標を使用して一貫した座標系とする。以下の論考において、PVモジュール200(またはそのサブコンポーネント)の「上」または「前」はPVモジュール200(またはそのサブコンポーネント)の+Y側を指し、一方、「下部」または「裏」は−Y側を指す。
【0031】
図示の実施形態では、PVモジュール200は、それぞれ、
図1のPVモジュール102のそれぞれの第1端110および第2端112に対応する第1端202および第2端204を画定している。PVモジュール200は連続バックシート206を含んでおり、また、任意選択的に連続バックシート206およびPVモジュール200の種々の層の周囲の周りに枠208を含むことができる(以下において
図4〜
図5Cを参照してさらに詳しく説明する)。PVモジュール200は、PVモジュール200の種々の層内の多数のPVセル(
図2には示されていない)および多数のコンバータ(
図2には示されていない)も含んでいる。多数のコンバータは、図示実施形態中の第2端204のPVモジュール200の下部に取り付けられているアンダーマウント組立品210中に含まれている。
図2は、
図4、
図5A、
図5B、および
図5Cの下記検討において参照される種々の切断面4−4、5A−5A、5B−5B、および5C−5Cも含んでいる。
【0032】
一部の実施形態における連続バックシート206は、一般的にPVモジュール200のエッジからエッジに延び、PVモジュール200の枠208および透明な前面板(図示せず)と協力してPVモジュール200のPVセル(図示せず)を密封し、かつ、湿気の侵入からPVモジュール200を保護する。連続バックシート206は、0.025〜0.4ミリメートル(mm)の厚さでよく、かつ、アルミニウムなどの導電材料を含む。
【0033】
連続バックシート206は、PVモジュール200のPVセルの地気面とすることができる。たとえば、連続バックシート206は、第1端202のPVセルの第1サブセット(たとえば、
図4を参照して説明するPVセルの第1行)と第2端のPVセルの第2サブセット(たとえば、
図5A〜
図5Cを参照して説明するPVセルの最終行)間に電気的に結合することができる。連続バックシート206とPVセルの第1サブセットとの間の第1端接続(図示せず)は、以下で詳細に説明するように、PVモジュール200の陽極とすることができる。多数のコンバータとPVセルの第2サブセットとの間の第2端接続(図示せず)は、以下で詳細に説明するように、PVモジュール200の陰極とすることができる。これらおよびその他の実施形態では、モジュール帰還電流は、連続バックシート206によりPVモジュール200の陰極から陽極に運ばれ得る。
III.連続バックシート
図3Aは、本出願において記述する少なくとも一部の実施形態に従って構成された
図2の連続バックシート206の実施形態206A、以下、「連続バックシート206A」の背面図である。図示実施形態では、連続バックシート206Aは、PVモジュール200の第1端202において連続バックシート206Aに機械的および電気的に結合されている地気ストリップ302を含んでいる。
【0034】
地気ストリップ302は、銅、溶融メッキ銅、スズメッキ銅、またはその他の導電性はんだ付け可能材料を含み得る。一部の実施形態では、地気ストリップ302は、連続バックシート206Aに超音波溶接される。地気ストリップ302は、約100マイクロメートル(μm)の厚さ(たとえば、Y方向)および約10mmの幅(たとえば、Z方向)を有することができる。
【0035】
連続バックシート206Aはスロット304も画定し、また、1個以上のタブ306A、306B(まとめて「タブ306」)を含む。一部の実施形態におけるスロット304は、約3〜8mmの範囲の幅(たとえば、Z方向の寸法)および約75〜200mmの範囲の長さ(たとえば、X方向の寸法)を有する。
【0036】
図示の実施形態におけるタブ306は、連続バックシート206Aに機械的および電気的に結合されている個別のタブを含んでいる。タブ306は、銅、溶融メッキ銅、スズメッキ銅、またはその他の導電性はんだ付け可能材料を含み得る。一部の実施形態では、組立中に、タブ306のそれぞれの長さ方向エッジが連続バックシート206Aに超音波溶接された後に、溶接されなかった部分を曲げて連続バックシート206Aから引き離す。一部の実施形態のタブ306は、約100μmの厚さ(たとえば、Y方向)および曲げられる前に約10mm〜約14mmの幅(たとえば、Z方向)を有する。
【0037】
図3Bは、本出願において記述する少なくとも一部の実施形態に従って構成された
図2の連続バックシート206の実施形態206B、以下、「連続バックシート206B」の裏面透視図である。連続バックシート206Bは、一部の点について、連続バックシート206Aに類似している。たとえば、連続バックシート206Bは、
図3Aの地気ストリップ302のように、PVモジュール200の第1端202において連続バックシート206Bに機械的および電気的に結合されている地気ストリップ(図示せず)を含み得る。
【0038】
連続バックシート206Aと同様に、連続バックシート206Bは、一部の点でタブ306に類似しているタブ308A、308B(まとめて「タブ308」)も含んでいる。たとえば、タブ306、308の両方とも第2端204において連続バックシート206A、206Bの上に配置されている。また、タブ306、308の両方とも、連続バックシート206A、206Bから離れて連続バックシート206A、206Bにより画定されている面に実質的に垂直な面に延びている。しかしながら、
図3Bのタブ308は、連続バックシート206Bから一体として形成された一体タブである。したがって、タブ308は、連続バックシート206Bと同じ材料を含み得る。
【0039】
連続バックシート206Bは、
図3Aのスロット304ではなく、切り欠き310も画定する。
図2〜
図3Bのスロット304、タブ306、308、切り欠き310およびPVモジュール200の様相について、これから
図4〜
図5Cを参照しつつ説明する。
図4は、本出願において記述する少なくとも一部の実施形態に従って構成された
図2の切断面4−4におけるPVモジュール200の第1端202の断面図を示している。
図5A〜
図5Cは、それぞれ、すべて本出願において記述する少なくとも一部の実施形態に従って構成された
図2のそれぞれの切断面5A−5A、5B−5Bおよび5C−5Cにおける
図2のPVモジュール200の第2端204の断面図を示している。簡単にするために、アンダーマウント組立品210は、
図5A〜
図5Cから省いてある。
【0040】
図4を参照する。PVモジュール200は、連続バックシート206、枠208、透明な前板402、および連続バックシート206と前板402との間に挟まれている多数行のPVセル404を含んでいる。
図4の断面図では、PVセル404の行群のそれぞれにおいてただ1個のPVセル404のみ見える。PVモジュール200は、接着剤層406、バッファ層408、および任意選択的にバックスキン410も含んでいる。
【0041】
前板402は、太陽放射の少なくとも一部の波長に対して略透明な基板を含んでいる。たとえば、前板402は、ガラス、プラスチック、または同様のものを含み得る。前板402は、連続バックシート206および枠208と協力してPVモジュール200のPVセル404およびその他の内部層を湿気の侵入から保護する。
【0042】
接着剤層406は、前面402をPVセル404に機械的に結合する。接着剤層406は、エチレン酢酸ビニール(EVA)またはその他の適切な接着剤を含み得る。接着剤層406は、太陽放射の少なくとも一部の波長に対して略透明である。
【0043】
バッファ層408は、連続バックシート206をPVセル404に機械的に結合し、および/または、PVセル404を連続バックシート206から電気的に絶縁する。したがって、バッファ層408は、EVA、ポリエチレンテレフタレート(PET)、または同様なものまたはそれらの組み合わせなどの接着剤、電気的絶縁材料、またはその他の適切な材料を含み得る。
【0044】
バックスキン410は、PVモジュール200の冷却を促進する比較的高い放射率を有するブラックPETまたはその他の材料を含み得る。バックスキン410は、バックスキン410の周辺沿いの連続バックシート206よりわずかに短く、エッジ密閉のために枠208が連続バックシート206の周りをその周辺に沿って包むことを可能にしている。示されていないが、接着剤および/または封止剤は、エッジ密閉のために枠208の包まれた部分と連続バックシート206との間にも連続バックシート206の周辺沿いに適用できる。
【0045】
一般的に言えば、PVセル404のすべてが光起電力効果によりエネルギーを電気エネルギーに変換する。PVセル404は、p型セルまたはn型セルでよい。以下の論考においては、別段の記述がない限り、PVセル404は、p型セルであるものとする。PVセル404のそれぞれは、同一または略同一の寸法を有することができる。一部の実施形態では、PVセル404のそれぞれの寸法は、以下のいずれかである:156mm×156mm、または78mm×156mm。別案として、PVセル404のそれぞれは、上記記載と異なる寸法を有することができる。一部の実施形態では、PVセル404は、配列または長方形パターンで準備される。たとえば、156mm×156mmのPVセル404を6×10の配列(または6×24のPVセル404の矩形パターン)、6×12配列、または8×12配列で準備する。別の例では、78mm×156mmのPVセルを6×15配列、6×20配列、6×24配列、8×20配列、または8×24配列で準備する。上記の寸法および配列の構成は例示のためにのみ示したものであり、本発明を制限するものではない。
【0046】
PVセル404の列は、PVセル404の各行を対応する隣接行に結合する多数の直列接続412を含む直列相互接続412により電気的に直列に結合される。たとえば、一部の実施形態では、少なくとも1つの直列接続412により各PVセル404の前側(すなわちp型セルの陽極)をPVセル404の隣接行の対応するPVセル404の裏側(すなわちp型セルの陰極)に結合することにより、行中の各PVセル404が対応する直列接続412経由で隣接行のPVセル404への少なくとも1つの直接電気接続を有するようにする。
【0047】
各行のPVセル404は、導電行ストリップ414により並列に電気的に相互に結合される。たとえば、
図4の最右端の行のPVセル404の裏面を走る導電行ストリップ414は最右端行のPVセル404のそれぞれの裏側を共通に結合するが、一方、中央行のPVセル404の裏面を走る導電行ストリップ414は、最右端行の前側から中央行の裏側への直列相互接続412とともに、最右端行のPVセル群404の前側を共通に電気的に結合することより、最右端行のPVセル404が並列に共通結合されるようにする。
【0048】
導電行ストリップ414のそれぞれは、約25μmから約200μmの範囲の厚さ(たとえばY方向の寸法)および約2mmから約20mmの範囲の幅(たとえば、Z方向の寸法)を有することができる。導電行ストリップ414のそれぞれは、PVセル404の対応する行と同じ長さ(たとえば、X方向の長さ)または実質的に同じ長さを有することができる。
【0049】
上述したように、各PVセル404により生成されるエネルギーは、PVセル404を経由してPVモジュール200の第2端204(
図4には示されていない)に到る多数の経路を有する。一部の実施形態では、PVセル404経由の多数の経路は導電行ストリップ414および/または直列相互接続412を含んでおり、それにより生成される電流は、導電ストリップ414および/または直列相互接続412を経由し、閉塞されたPVセル404を迂回し、かつ、比較的高性能および/または高照射のPVセル404を経由して第2端204に流れることができる。
【0050】
PVセル404の行は、PVモジュール200の第1端202の第1行416を含んでいる。
図4に示したように、直列相互接続412Aは、PVセル404の第1行416を地気ストリップ418に電気的かつ機械的に結合し、それによりPVセル404の第1行416は連続バックシート206に電気的に結合される。一部の実施形態では、少なくとも1つの直列相互接続412Aが第1行416の各PVセル404の前側を地気ストリップ418に結合し、それにより第1行416の各PVセル404は、対応する直列相互接続412Aを経由して地気ストリップ418に到る少なくとも1つの直接電気的接続を有する。
【0051】
地気ストリップ418は、
図3Aの地気ストリップ302に対応することができる。
図4では、第1行416のPVセル404の前側に接続されているように示されているが、PVセル404がn型セルである場合には、地気ストリップ418は、代わりに第1行416のPVセル404の裏側に接続することができ、かつ、本出願において記述された電気接続に対するその他の適切な変更を行い得る。
【0052】
地気ストリップ418および直列相互接続412Aは、連続バックシート206とPVセル404の第1行416との間の第1端接続を形成する。一部の実施形態では、第1端接続は、PVモジュール200の陽極とすることができる。陽極は連続バックシート206経由でPVモジュール200のマイナス出力に直接結合されているため、陽極における基準電圧は0ボルトである。
【0053】
次に、PVモジュール200の第2端204の断面図を示している
図5A〜
図5Cを参照する。
図5A〜
図5Cでは、連続バックシート206はスロット502(
図5A)を画定し、かつ、タブ504を含んでいる(
図5B−1個のタブ504のみ見える)。スロット502は、
図3Aのスロット304に対応でき、また、スロット504は、
図3Aのタブ306に対応できる。したがって、
図5A〜
図5Cに示されている連続バックシート206は、
図3Aの連続バックシート206Aと同じ構成を含んでいる。しかしながら、他の実施形態では、
図5A〜
図5Cに示されている連続バックシート206は、
図3Bの連続バックシート206Bと同じ構成を含み得る。
【0054】
図5A〜
図5Cに示すように、PVセル404の行は、PVモジュール200の第2端204における最終行506を含んでいる。直列相互接続412Bは、PVセル404の最終行506を内部バス・ストリップ508に電気的および機械的に結合する。一部の実施形態では、内部バス・ストリップ508は、PVモジュール200の幅(たとえば、X方向の寸法)に沿って延びる。内部バス・ストリップ508は、銅またはその他の導電材料を含み得る。一部の実施形態では、少なくとも1つの直列相互接続412Bが最終行506の各PVセル404の裏側(すなわちp型セルの陰極)を内部バス・ストリップ508に接続し、それにより最終行506の各PVセル404が対応する直列相互接続412B経由で内部バス・ストリップ508への少なくとも1つの直接電気的接続を有するようにする。
【0055】
図5Aを参照する。内部バス・ストリップ508は、内部バス・ストリップ508から連続バックシート206に形成されたスロット502経由でコンバータの配置されている回路カード(図示せず)のプラス・コネクタ(図示せず)に延びるタブ508Aを含んでいる。回路カードは、以下において
図6A〜
図6Dを参照してより詳しく説明するようにアンダーマウント組立品210内に配置されており、PVモジュール200の第2端204に機械的に結合されている。タブ508Aは、個別タグまたは個別タグに類似の一体タグおよび
図3A〜
図3Bを参照して上述した一体タブとすることができる。任意選択的にタブ508Aは、その中に形成される応力緩和褶曲を含むことができる。
【0056】
直列相互接続412Bおよび内部バス・ストリップ508は、コンバータとPVセル404の最終行506との間の第2端接続を形成する。一部の実施形態では、第2端接続は、PVモジュール200の陰極とすることができる。
【0057】
図示した実施形態では、PVセル404により生成された電流は、名目的には第1端202すなわち陽極からPVセル404を経由して単一方向に第2端204すなわちPVモジュール200の陰極へ流れる。しかしながら前述したように、電流は、時には横方向に、たとえば、名目的な流れの方法と垂直に、導電行ストリップ414を経由して流れて閉塞PVセル404を迂回する。PVモジュール200の帰還電流は、連続バックシート206を経由して反対方向に、たとえば、第2端204すなわち陰極から第1端202すなわち陽極に流れる。
【0058】
図5Bを参照する。タブ504は、連続バックシート206からコンバータの配置されている回路カードのマイナス・コネクタ(図示せず)に延びる。タブ504は、連続バックシート206を回路カードのマイナス・コネクタに電気的に結合し、それにより回路カードを連続バックシート206に地気接続する。
図3Aのタブ306に関連して説明したように、タブ504は、銅またはやはり熱伝導性を有するその他の導電材料を含み得る。したがって、タブ504は、コンバータにより生成された熱の回路カードから連続バックシート206および枠208へならびにPVモジュール200の外への熱移動を促進する。任意選択的に、タブ504は、それぞれ、その中に形成される応力緩和褶曲を含み得る。一部の実施形態では、タブ504およびタブ508Aは、相互に略一線に整列される。たとえば、タブ504およびタブ508Aは、略同一平面に配置してタブ504、508Aの回路カードの対応コネクタへのはんだ付けを容易にする。
【0059】
図5Cを参照する。タブ508A(
図5A)および504(
図5B)から離れて領域を横断するPVモジュール200の第2端204の断面図が示されている。
図4〜
図5Cに示されているように、連続バックシート206は、PVモジュール200のプラスZエッジおよびマイナスZエッジまで完全に延びて、枠208および前板402と協力してPVモジュール200の密閉を強化している。同様に、連続バックシート206は、PVモジュール200のプラスXエッジおよびマイナスXエッジまで完全に延びている。
IV.アンダーマウント組立品
図6A〜
図6Dは、本出願において記述する少なくとも一部の実施形態に従って構成された
図2のPVモジュール200のアンダーマウント組立品210の実施形態を示している。より詳細には、
図6Aは、アンダーマウント組立品210の分解図である。
図6Bは、XY平面に平行な平面におけるアンダーマウント組立品210の一部の断面図である。
図6Cは、YZ平面に平行な平面におけるアンダーマウント組立品210の断面図である。
図6Dは、アンダーマウント組立品210の断面透視図である。
【0060】
図6Aを参照する。アンダーマウント組立品210は、ハウジング602、2個のネスト604A、604B(まとめて「ネスト604」)、2個のライザー606A、606B(まとめて「ライザー606」)、2個のキャップ608A、608B(まとめて「キャップ608」)、回路カード610、カバー612、2個のワッシャ614A、614B(まとめて「ワッシャ614」)、および2個のネジ616A、616B(まとめて「ネジ616」)を含んでいる。
【0061】
ハウジング602は、Dupont社によりRynite(登録商標)およびDelrin(登録商標) 527UVの名称で販売されている製品を含む重合体、ガラス充填重合体、マイカ充填重合体、PET、ポリオキシメチレン(POM)、または同様なものなどの紫外線(UV)安定化重合剤を含んでいる。ハウジング602は、本体618および多数の台座620A−620C(まとめて「台座620」)を含んでいる。本体618は、2つのスロット622A、622B(まとめて「スロット622」)を画定しているが、これらの様相については以下においてより詳しく説明する。
【0062】
台座620は、それぞれ、本体618から延びており、XZ平面に平行な平面に略同一平面上にある。台座620のそれぞれは、本体618を台座620に関して安定化する1個以上のリブまたはハンチ・スチフナ624を含んでいる。アンダーマウント組立品210は、連続バックシート206と台座620のそれぞれの間に配置される接着剤またはテープ626(
図6B)を使用して連続バックシート206に機械的に結合される。任意選択的に、必要に応じて、ハウジング602と連続バックシート206との間に封止剤を配置して湿気の侵入を防止する。
【0063】
ライザー606は、アルミニウム、メッキされたアルミニウム、銅、BeSn(ベリリウム・スズ)被覆銅、または類似のものまたはこれらの組み合わせを含む金属または合金などの導電材料を含む。さらに、ライザー606は、機械切削、押し出しまたはその他の方法により形成し得る。ライザー606のそれぞれは、ベース628A、628Bおよびベース628A、628Bの反対側のC字状端部630A、630Bを含む。各ベース628A、628Bは、ネジ穴またはセルフタッピン穴(以下、「ネジ穴」)632A、632Bを画定している。
【0064】
ネスト604は、ハウジング602の本体618の下側表面(すなわち、マイナスY表面)から延びる。ネスト604のそれぞれは、
図6A〜
図6Dの実施形態に示すように本体618に取り付けられる本体618とは別の部品とすることができる。またはネスト604のそれぞれは、本体618と一体とすることもできる。ライザー606のそれぞれのC字状端部630A、630Bは、ネスト604の対応する1つから、かつ、少なくとも部分的にその下側(たとえば、マイナスY方向)から延びる。
【0065】
2個のネスト604のそれぞれは、スロット633A、633B(まとめて「スロット633」)を画定する。ネスト604中のスロット633は、ハウジング602の対応するスロット622と連携する。ライザー606Aは、
図6Cに示したようにネスト604A中のスロット633Aおよび本体618中のスロット622Aを通過して回路カード610に電気的に結合する。具体的には、
図6Aと
図6Cの両方に示されているように、ネジ616Aは、ワッシャ614Aおよび回路カード610に画定されている貫通穴634Aを通過してライザー606Aのネジ穴632Aとネジ結合し、かつ、回路カード610をライザー606Aに固定する。同様に、ライザー606Bは、
図6Bに示されているようにネスト604B中のスロット633Bおよび本体618中のスロット622Bを通過して回路カード610と電気的に結合する。具体的には、ネジ616Bは、ライザー606Aについて
図6Cに示されているのと同様な方法により、ワッシャ614Bおよび回路カード610中に画定されている貫通穴634Bを通過してライザー606Bのネジ穴632Bとネジ結合し、かつ、回路カード610をライザー606Bに固定する。一部の実施形態では、ライザー606Aは、プラス端子(
図7)に電気的に結合され、かつ、ライザー606Bは回路カード610のマイナス端子(
図7)に電気的に結合される。
【0066】
ライザー606Bに関するその他の詳細についてこれから
図6Bを参照して説明する。ただし、ライザー606Aも同様に構成されるものとする。C字形端部630Bは、上部635(すなわちプラスY部分)および下部636(すなわちマイナスY部分)を含んでいる。上部635は、1個以上の絶縁貫通部材638Bを含んでいる。下部636は、ネジ切られている位置決めネジの形態の固定部材640Bを含んでいる。
図6Cに示すように、ライザー606Aも同様に1個以上の絶縁貫通部材638Aおよび固定部材640Aを含んでいる。
【0067】
図6Bは、さらに、絶縁ジャケット644Bを有するワイヤ642Bを示している。このワイヤ642Bは、ライザー606BのC字形端部630B内に配置されている。
図6Cは、同様に絶縁ジャケット644Aを有するワイヤ642Aを示している。このワイヤ642Aは、ライザー606AのC字形端部630A内に配置されている。これらのワイヤ642A、642B(まとめて「ワイヤ642」)は、ともに、
図1のモジュール間バス104のように、PVモジュール200を並列に他のPVモジュール200に電気的に相互接続するモジュール間バスを構成している。ワイヤ642のそれぞれは、大きな断面積を有するワイヤとすることができる。たとえばワイヤ642のそれぞれは、約15mm
2以上の断面積を持ち得る。上記の代わりに、またはそれに加えて、ワイヤ642のそれぞれは、約15mm
2から約50mm
2の範囲の断面積を有することができる。
【0068】
ライザー606のそれぞれとモジュール間バスを構成しているワイヤ642を接続する方法について、
図6B〜
図6Cを参照しながら説明する。ワイヤ642A、642Bのそれぞれは、組立中にワイヤ642A、642Bから絶縁ジャケット644A、644Bを剥離することなく、対応するライザー606A、606BのC字形端部630A、630Bの中に配置される。次に、取り付け中に固定部材640A、640Bを押し込んで対応するワイヤ642A、642Bを対応する絶縁貫通部材638A、638Bに固定する。固定部材640A、640Bをねじ込むことにより、固定部材640A、640Bを押し込み、それにより固定部材640A、640Bを絶縁貫通部材638A、638Bの方向に進ませる。ワイヤ642A、642Bの絶縁貫通部材638A、638Bに対する固定は、絶縁貫通部材638A、638Bを対応するワイヤ642A、642Bの絶縁ジャケット644A、644Bの中に貫通させ、かつ、対応するワイヤ642A、642Bと直接接触させ、それにより各ワイヤ642A、642Bを対応するライザー606A、606Bと電気的に結合する。
図6A〜
図6Bには示されていないが、一部の実施形態では、固定部材640A、640Bは、絶縁ジャケット644A、644Bに貫通し、かつ、対応するワイヤ642A、642Bとも直接接触し、それによりワイヤ642A、642Bとの直接接触を増強する。
【0069】
ライザー606をワイヤ642に接続する上述の方法は、ワイヤ642を切断することなく、かつ、絶縁ジャケット644を剥離することなく、ワイヤ642への電気接続を作成することを可能にする。したがって、PVシステム100のようなPVシステムにおいてモジュール間バスを形成するワイヤ642は、連続となり得る。また、この接続は、絶縁ジャケット644を剥離する時間をかけずに作成することができる。
【0070】
図6A〜
図6Cを参照する。ワイヤ642がライザー606に接続された後に、キャップ608のそれぞれは、ネスト604の対応する1つに取り付けられる。キャップ608Aをライザー606Aに取り付けることにより、C字形端部630Aおよびワイヤ642Aの一部分(絶縁ジャケット644Aが絶縁貫通部材638Aにより貫通された部分)がネスト604Aおよびキャップ608A内に封じ込められ、それによりC字形端部630Aとワイヤ642Aとの間の接続を湿気などの外部汚染から保護する。同様に、キャップ608Bをライザー606Bに取り付けることにより、C字形端部630Bおよびワイヤ642Bの一部分(絶縁ジャケット644Bが絶縁貫通部材638Bにより貫通された部分)がネスト604Bおよびキャップ608B内に封じ込められ、それによりC字形端部630Bとワイヤ642Bとの間の接続を環境汚染から保護する。キャップ608は、ライザー606とワイヤ642との間の接続をさらに保護するためにスナップ方式キャップとするか、および/またはシリコーンまたは保護グリースなどの撥水および/または絶縁性の物質で充填することができる。
【0071】
図6C〜
図6Dを組み合わせつつ参照してカバー612の様相について説明する。カバー612は、金属または金属合金またはその他の熱伝導性材料を含み得る。一部の実施形態では、カバー612は、熱移動を促進するために黒色である。図示した実施形態では、カバー612は、外部に露出するカバー612の表面積を最大化する種々の突起646および/またはその他の形状を有する。材料648のビーズは、回路カード610とコンバータ612との間に挟まれている。一部の実施形態では、材料648は熱伝導性かつ電気的絶縁性である。PVモジュール200として完全に組み立てられたとき、カバー612の下側エッジ650は、枠208と直接接触するか、またはそれのすぐ近く(たとえば、8mm未満)に配置され得る。任意選択的に、それらの間に熱伝導性のシリコーンまたはその他の材料のビーズを設けることもできる。その結果、熱エネルギーは、回路カード610から材料648を経る移転によりカバー612に消散し、カバー612から環境に消散され、かつ/または、熱エネルギーはカバー612から枠208に伝わり、枠208から環境へ直接消散し得る。
図6C〜
図6Dには示されていないが、1個以上のスペーサを回路カード610とハウジング602との間に設けることができる。
【0072】
一部の実施形態では、ライザー606のそれぞれは、さらに、1個以上のタブ652を含んでいる(
図6Bのみ)。各ライザー606上のタブ652は、ライザー606から外側へプラスX方向およびマイナスX方向に延びる。一般的に、ライザー606が回路カード610に結合された後にタブ652は、ネスト604のアンダーマウント組立品210からの脱落を防止する。たとえば、
図6Bに示すように、ネスト604Bは、内側に(たとえば、プラスX方向およびマイナスX方向)ライザー606Bに向かって延びるタブ654を含んでいる。ライザー606Bおよびネスト604Bの寸法は、ライザー606Bが回路カード610に固定された後の可能性としてライザー606BもマイナスY方向に画定される程度まで、ネスト604Bのタブ654に作用を及ぼしているライザー606Bのタブ652がネストをマイナスY方向に画定するような大きさである。
図6Cには示されていないが、ネスト604Aは、同様にタブを含み、その結果として、ライザー606AもマイナスY方向に画定されるのと同じ程度にネスト604AはマイナスY方向に画定される。
V.回路カード
図7は、本出願において記述する少なくとも一部の実施形態に従って構成された
図6A〜
図6Dの回路カード610の例示的実施形態を示す。回路カードは、その上に配置される多数のコンバータ702を含む。コンバータ702は、
図1のコンバータ116に対応し得る。コンバータ116およびその他のコンバータに関する詳細は、すでに上記した通りである。その詳細は、コンバータ702にも当てはまる。回路カード610は、その上に配置されるデジタル・コントローラ704、プラス・コネクタ706、1個以上のマイナス・コネクタ708、プラス端子710、およびマイナス端子712をさらに含む。任意選択的に、回路カード610は、測定回路714、保護継電器716、光継電器718、および無線周波数(RF)放射装置720をさらに含む。
【0073】
コンバータ702のそれぞれは、多数のヒューズ722のうちの対応する1つを経由してプラス・コネクタ706に独立に電気的に結合される。
図5Aおよび
図7を組み合わせて参照する。内部バス・ストリップ508のタブ508Aは、連続バックシート206のスロット502を通って延び、プラス・コネクタ706にはんだ付けまたはその他により電気的に結合され、それによりPVモジュール200のPVセル404の配列が直列相互接続412B、内部バス・ストリップ508/タブ508A、プラス・コネクタ706およびヒューズ722を経由してコンバータ702のそれぞれに電気的に結合される。したがって、PVセル404のそれぞれにより生成されるエネルギーは、コンバータ702のいずれにおいても受領可能である。具体的には、PVセル404の配列により集団的に生成されたエネルギーは、内部バス・ストリップ508に出力され、続いてタブ508Aおよびプラス・コネクタ706を経由してコンバータ702のいずれにもヒューズ722のうちの対応する1つを通って到達することができる。
【0074】
一部の実施形態では、PVセル404の配列は、約25アンペア〜50アンペアの電流を集団的に生成する。タブ508Aおよびプラス・コネクタ706の大きさは、一般的に、PVセル404からコンバータ702へのその通電容量がPVセル404の配列により集団的に生成される最大期待電流を大幅に超えるように決定される。たとえば、タブ508Aおよびプラス・コネクタ706の通電容量は、PVセル404の配列により集団的に生成される最大期待電流の約4〜8倍とすることができる。たとえば、最大期待電流が50アンペアの場合、タブ508Aおよびプラス・コネクタ706の通電容量は、約200アンペア〜約400アンペアとすることができる。したがって、PVセル404とコンバータ702との間の電気的接続は単一のタブ508Aおよび単一のプラス・コネクタ706を含むのみであるが、PVセル404とコンバータ702との間の電気的接続は、それにも関わらず冗長性を有する。タブ508Aおよび/またはプラス・コネクタ706の長さ(たとえば、X方向)沿いの個別の故障は、タブ508Aおよびプラス・コネクタ706の残りの接続面積を経由して流れる電流を阻止しないためである。実際、タブ508Aおよびプラス・コネクタ706の通電容量がPVセル404の配列により集団的に生成される最大期待電流の4倍のみである場合、タブ508Aおよび/またはプラス・コネクタ706は、PVセル404からコンバータ702への電流を制限することなくそれらの全長の75%にわたり故障し得る。
【0075】
図5Bと
図7を組み合わせて参照する。タブ504のそれぞれは、連続バックシート206から延びており、かつ、マイナス・コネクタ708のうちの対応する1つにはんだ付けされるかまたはその他の方法により結合され、その結果、回路カード610はマイナス・コネクタ708およびタブ504を経由して連続バックシート206に地気接続される。タブ508Aおよびプラス・コネクタ706のように、タブ504およびマイナス・コネクタ708の合計通電容量は、連続バックシート206経由で帰還する最大期待電流より4〜8倍大きくすることができ、その結果、冗長性を与える。
【0076】
デジタル・コントローラ704は、対応するイネーブル/パルス幅変調(PWM)ペア・ライン724経由でコンバータ702のそれぞれに通信的に結合されている。コンバータ702は、それぞれ、他のコンバータとは無関係にデジタル・コンバータ704によりイネーブル/PWMペア・ライン724経由で制御される。一部の実施形態では、デジタル・コントローラ704は、PVモジュール200により生成されたエネルギー、より具体的には、PVモジュール200のPVセル404により生成されたエネルギーのみにより給電される。PVモジュール200の非単調増加または非単調減少の照射状態の間、個別または一体化されている節電回路(図示せず)を使用してデジタル・コントローラ704の乱調を防止することができる。
【0077】
動作中、PVセル404により生成されるエネルギーは、プラス・コネクタ706からヒューズ722の1つを経由してコンバータ702のうちの対応する1つに流れ込む。そのコンバータは、比較的弱電流高電圧のエネルギーを回路カード610の出力バス726に出力する。コンバータ702のうちのゼロ個からすべてまで任意の個数のコンバータ702が一時に動作し得る。
【0078】
出力バス726は、コンバータ702のそれぞれの出力に電気的に結合されており、したがってコンバータ702のすべてに共通である。出力バス726の電圧は、動作中、約48ボルトである。出力バス726は、保護継電器716経由でプラス端子710に結合される。保護継電器716は、機械的継電器、固体継電器、またはその他の適切な継電器を含むことができ、また、一部の実施形態ではデフォルトは開放である。保護継電器716が閉じているとき、出力バス726上のエネルギーは、プラス端子710(および
図6Cのライザー606A)経由でモジュール間バス(
図6Cのワイヤ642Aを含む)に出力され得る。保護継電器716を開放すると、出力バス726はモジュール間バスから電気的に切断される。
【0079】
光継電器718は、出力バス726およびプラス端子710に結合されている。光継電器718は、モジュール間バス上のプラス電圧を測定してゼロ電流継電器切り換えを行うため、および、たとえば、静電容量のみのシステム(たとえば、貯蔵装置なし)の場合にモジュール間バスに電流を供給することによりコンデンサーバンクに再充電するために使用される。
【0080】
測定回路714は、モジュール間バスからマイナス端子712経由でPVモジュール200に到来する電流を検出する。別の実施形態では、測定回路714は、PVモジュール200からプラス端子710経由で出て行く電流を検出する。一部の実施形態では、測定回路714は、マイナス端子712(またはプラス端子710)においてモジュール間バスからの(またはそれへの)電流入力(または電流出力)を測定するのに対し、デジタル・コントローラ704は、プラス端子710(またはマイナス端子712)においてモジュール間バスからの(またはそれへの)電流出力(電流入力)を評価する。
【0081】
一部の実施形態では、デジタル・コントローラ704は、以下の1つ以上に基づいて電流出力(または電流入力)を評価する:動作中のコンバータ702の個数、動作中コンバータ702のPWM値、PVセル404により集団的に形成されている電圧、モジュール間バスへの出力電圧、誤差を修正するための参照テーブルとの組み合わせ。測定回路714からの測定結果は、デジタル・コントローラ704により受け取られ、入力と出力との間の電流のずれを監視するために推定値と比較される。入力と出力が一定の限界または出力のパーセンテージ内で一致しない場合、デジタル・コントローラ704は、動作中のコンバータ702を切り離してモジュール間バスへの送電を中止することができる。上記の代わりに、またはそれに加えて、デジタル・コントローラ704は、入力および/または出力電流を監視し、かつ、出力電流が事前設定限度を超える場合に電流を制限することができる。これらおよびその他の実施形態の場合、測定回路714は、抵抗器および/または演算増幅器を含み得る。
【0082】
動作中、1個以上のコンバータ702が故障することがある。たとえば、1個以上のコンバータ702が有限抵抗短絡故障を起こすことがある。これらおよびその他の実施形態の場合、デジタル・コンバータ704は、他のコンバータ702を一時的に停止させ、PVセル404により集団的に生成されたすべての電流を一時的に罹障コンバータ702経由に切り換えて対応するヒューズ722の開放を待つことができる。対応するヒューズ722の開放に応じて、デジタル・コントローラ704は、残りのコンバータ702を起動して対応するコンバータ702の少なくとも一部を使用して通常の動作を再開することができる。
【0083】
図7に示したとおり、コンバータ702は、回路カード610上に整列して配置されている。一部の実施形態では、コンバータ702は、隣接するコンバータ702間の間隔が3mm未満である。
図7は、さらに、コンバータ702が概してプラス・コネクタ706の近くに配置されていることも示している。一部の実施形態では、コンバータ702のそれぞれは、プラス・コネクタ706から約2mm〜約10mmの範囲内に配置される。コンバータ702がプラス・コネクタ706に近接しているために、プラス・コネクタ706からコンバータ702のそれぞれへの大電流による損失は、コンバータ702がプラス・コネクタ706から遠い場合に比べて最小化することができる。
【0084】
一部の実施形態では、コンバータ702は、お互いにずれた状態で動作する。たとえば、
図7の6個のコンバータ702は、3組の対として動作し、各動作対が他の動作対からずれて(たとえば、位相のずれた状態で)動作し得る。一部の実施形態では、動作対は、他の動作対から120度ずらされる。各動作対の2つのコンバータは、お互いに180度ずれた位相で動作し得る。別の実施形態では、回路カード610は、所望の任意の個数のコンバータ706を含み得るが、これらは所望の位相ずれを有する所望個数の動作対群に分割することができ、これらの各動作対の2つのコンバータは相互に所望の位相ずれで動作する。
【0085】
RF放射装置720は、デジタル・コントローラ704と通信的に結合される。デジタル・コントローラ704は、RF放射装置720を動作させて
図1のPVシステム100のような多数のPVモジュール200を含むPVシステム中の他のPVモジュール200に情報を送らせるか、またはそれから情報を受け取らせるように構成される。上記の代わりに、またはそれに加えて、デジタル・コントローラ704は、RF放射装置720を動作させてPVシステムに含まれているデータ収集装置に情報を送らせるか、またはそれから情報を受け取らせるように構成することができる。一部の実施形態では、PVモジュール200の1つがデータ収集装置からの直接送信距離外にある場合、たとえば、1つ以上の中間PVモジュール200を基本的に中継ノードとして動作させることによりPVモジュール200からの情報をデータ収集装置に送ることができる。したがって、各PVモジュール200は、他のPVモジュール200および/またはデータ収集装置との間でデータを送受することができる。
【0086】
任意選択的に、回路カード610は、さらに、デジタル・コントローラ704に通信的に結合されており、回路カード610に回路カード610の上部(たとえば、プラスY側)近くに搭載されている光信号光源728を含んでおり、それにより光信号光源728により放射された光信号はPVモジュール200の前部から見ることができる。光信号光源728は、90度表面実装発光ダイオード(LED)、表面実装レーザー、またはその他の適切な光信号光源を含み得る。
【0087】
PVモジュール200は、光信号光源728とPVモジュール200の前部との間に連続バックシート206、バッファ層408、PVセル404および接着剤層406などの種々の介在層を含んでいる。光信号光源により放射された光信号がPVモジュール200の前部から介在層を通して見えるように、1つ以上の介在層を通過する穴を形成することができる。上記の代わりに、またはそれに加えて、介在層の一部またはすべてを半透明とし、および/またはそこに開口部(連続バックシート206に形成されたスロット502のような)を形成しておき、それにより介在層の一部またはすべてに穴を形成することなく、光信号光源728により放射された光信号がPVモジュール200の前部から見えるようにすることができる。
【0088】
一部の実施形態では、デジタル・コントローラ704は、光信号光源728を動作させて状態情報を含む光信号を放射させる。放射される光信号は、状態情報を運ぶ視認可能な(たとえば目視により)パターンを含み得る。これらの状態情報は、電力および故障のコードを含むことができ、かつ、一部の実施形態では、デバッグ、故障検出、パネルの確認位置、またはその他の目的に使用される。
【0089】
上記の代わりに、またはそれに加えて、放射された光信号は、フォトダイオードまたはその他の光受信器に結合される計算装置により解釈され得るビットのパケットを含む。ビットのパケットは、視認可能なパターンにより伝達可能な情報より詳しい状態情報、たとえばPVモジュール200のモジュールの整理ID、詳細故障記録、PVモジュール200の累積エネルギー生産、PVモジュール200の温度、PVモジュール200のオン/オフサイクル回数、または同様な情報またはこれらの組み合わせを含む。
【0090】
図8は、本出願において記述する少なくとも一部の実施形態に従って構成された
図2のPVモジュール200の例示電力/電圧曲線802を示す。PVモジュール200の例示動作について
図2〜
図8を組み合わせて参照しつつ以下に説明する。デジタル・コントローラ704を含む回路カード610は、PVモジュール200により生成されたエネルギーにより直接給電され、外部電源を受けない。したがって、回路カード610は、夜間のような無照射時には給電されない。十分な照射の下で、PVセル404は、デジタル・コントローラ704が動作を開始するために十分な電圧を生成する。
【0091】
デジタル・コントローラ704により行われる第1の動作は、一連のチェックを行って安全なモジュール動作を確保することである。たとえば、デジタル・コントローラ704は、モジュール間バス上の電圧を測定する光継電器718を制御することによりモジュール間バス上の電圧を点検する。この電圧が最高閾値804を超える場合、デジタル・コントローラ704は、保護継電器716を開放するかまたは開放のままとする(前述したように、保護継電器716は、デフォルト開放とし得る)ことによりエネルギーのモジュール間バスへの出力を許容しない。その代わりに、PVセル404により生成され、コンバータ702において受け取られたエネルギーは、連続バックシート206経由でPVセル404中に分流して戻される一方、デジタル・コントローラ704は、モジュール間バス上の電圧の監視を続ける。
図8の例では、最高閾値804は、60ボルトである。
【0092】
モジュール間バス上の電圧が
図8の例における35ボルトのように最低閾値806未満である場合、デジタル・コントローラ704は、光継電器718を制御して出力バス726から充電電流をモジュール間バスにトリクルすることにより容量性素子がモジュール間バスに備えられているか否か調べる。デジタル・コントローラ704により容量性素子がモジュール間バスに備えられていると決定された場合、デジタル・コントローラ704は、モジュール間バス上の電圧が最低閾値806を超えるまで、光継電器718経由でモジュール間バスに充電電流をトリクルし続ける。
【0093】
モジュール間バス上の電圧が最低閾値806を超えたとき、デジタル・コントローラ704は、保護継電器716を閉じてゼロ電流切り換えを確保する。デジタル・コントローラ704は、モジュール間バス上の電圧が最低閾値806と最低閾値806より大きい中間閾値808との間にあるとき、最大電流モードでコンバータ702を動作させる。
図8の例の場合、中間閾値808は、57ボルトである。デジタル・コントローラ704は、モジュール間バス上の電圧が中間閾値808と最高閾値804との間にあるとき、定電圧モードでコンバータ702を動作させ、かつ、モジュール間バス上の電圧が最高閾値804を超えるか、または最低閾値806を下回ったとき、保護継電器716を開放する。
【0094】
デジタル・コントローラ704が最初にモジュール間バス上の電圧を測定したときに、その電圧が最低閾値806よりすでに大きく、かつ、中間閾値808より小さい場合、デジタル・コントローラ704は、出力バス726上の電圧がモジュール間バス上の電圧に一致するまで、コンバータ702を充電してから(たとえば、動作させる)、保護継電器716を閉じて保護継電器716のゼロ電流切り換えを確保する。すでに上述したように、デジタル・コントローラ704は、続いて、モジュール間バス上の電圧に応じて、最大電流モードまたは定電圧モードでコンバータ702を動作させるか、または保護継電器716を開放する。
【0095】
その結果、保護継電器716は、ソフト・スタート制御を可能とする。この場合、PVモジュール200がモジュール間バス上の電圧から分離されている状態で、1個以上のコンバータ702が充電されて出力バス726上の電圧がモジュール間バス上の電圧と一致するまで待ってから、保護継電器716を閉結する。これらおよび別の実施形態では、光継電器718は、保護継電器716両端のバイパス回路であり、それは、平衡ソフト・スタートを確保するためにモジュール間バス上の外部電圧の測定を可能とし、かつ、モジュール間相互バスにエネルギー貯蔵装置が結合されていない場合にモジュール間バス上の容量性素子の充電を補助するためにモジュール間バスへの小電流の供給を可能にする。
【0096】
多数のPVモジュール200を含む
図1のPVシステム100のようなPVシステムでは、PVモジュール200のそれぞれが本出願において記述するようにモジュール間バス上の電圧のみに応じて他のモジュールとは無関係に動作し、他のPVモジュール200に対する依存を除去することにより冗長性を確保する。
【0097】
最大電流モードは、出力バス726上に最大電流出力を生み出すために1からすべてまでの任意の個数のコンバータ702を動作させることを含む。任意の時刻において動作しているコンバータ702の個数は、PVセル404から到来する利用可能な電流の量に依存する。それは、任意の単一のコンバータ702のPWM値を変更すること、およびその結果の電圧変化および電力を観察することにより決定される。電圧変化が最小であり、かつ、電力が増大する場合、以下においてより詳しく説明する最大ピーク電力アルゴリズムを実行する。最大ピーク電力アルゴリズムがコンバータ702の最適PWM値に到達したとき、より多くの電力を取り出し(かつ出力する)ために、追加のコンバータ702を起動する。電力が低下し、動作中コンバータ702のPWM値が閾値を下回る場合、動作中コンバータ702の1つを停止する。
【0098】
動作中コンバータ702の1つが故障した場合、デジタル・コントローラ704は、故障したコンバータ702をメモリ中で識別し得る。コンバータ702が短絡故障した場合、デジタル・コントローラ704は、すでに上述したように他の動作中のコンバータ702を一時的に停止し、すべての電流を一時的に罹障コンバータ702およびそのヒューズ722経由としてそのヒューズ722を開放する。
VI.コンバータ
図9は、本出願において記述する少なくとも一部の実施形態に従って構成された
図7のコンバータ702の1つの実施形態の概略図である。コンバータ702のそれぞれは、同様に構成することができる。
図9に示されているコンバータ702は、一部の実施形態に従って使用することができるコンバータの一例にすぎず、本発明を制限するものではない。
【0099】
図9に示されているように、コンバータ702は、入力902、入力902および地気906に結合されているコンデンサ904、入力902およびコンデンサ904に結合されている誘導子908、誘導子908に結合されているスイッチ910、誘導子908およびスイッチ910に結合されているダイオード912、ダイオード912に結合されている出力914、スイッチ910に結合されている制御ライン916、コンバータ702と地気906との間に結合されている1つ以上の測定回路918を含む。
【0100】
図2〜
図9を組み合わせて参照する。入力902は、対応するヒューズ722を通ってプラス・コネクタ706に電気的に結合されている。地気906は、マイナス・コネクタ708の1つおよびタブ504のうちの対応する1つを通って連続バックシート206に電気的に結合されている。出力914は、出力バス726に電気的に結合されている。制御ライン916は、デジタル・コントローラ704に通信的に結合されており、かつ、イネーブル/PWMペア・ライン724の1つに対応し得る。
【0101】
デジタル・コントローラ704は、制御ライン916経由でPWM信号をスイッチ910に与える。この信号は、コンバータ702のスイッチング周波数および/またはデューティ・サイクルを制御する。上記の代わりに、またはそれに加えて、PWM信号は、コンバータ702の位相整合を回路カード610上の他のコンバータ702の位相整合との関係において制御する。
【0102】
スイッチ910は、電界効果トランジスタ(「FET」)、金属酸化膜半導体FET(「MOSFET」)、絶縁ゲートバイポーラ・トランジスタ(「IGBT」)、バイポーラ接合トランジスタ(「BJT」)、またはその他の適切なスイッチを含み得る。ダイオード912は、ショットキー整流器、またはその他の適切なダイオードを含み得る。
【0103】
測定回路918は、1個以上の抵抗器を含み、かつ、コンバータ702の一定の動作パラメータを測定するために使用される。たとえば、測定回路918は、最大ピーク電力を維持するために誘導子908におけるスイッチング・サイクルあたりの最大電流ビルドアップを測定することができる。上記の代わりに、またはそれに加えて、測定回路918は、誘導子908の充電率、コンバータ702の入力電圧、コンバータ702の出力電圧、または同様な値、またはそれらの組み合わせを測定することができる。
【0104】
動作において、コンバータ702は、入力902においてPVセル404により生成されたエネルギーを受け取り、かつ、それをスイッチ910経由で断続することにより変換して比較的より高い電圧(「ステップアップ電圧」と呼ばれる)の弱い電流を得る。「オン」状態において、スイッチ910は閉じられ、それにより誘導子908に流れる電流が増加し、スイッチ910および測定回路918を通って地気906に戻る。「オフ」状態において、スイッチ910は開放され、それにより誘導子908に流れる電流が減少する。この電流は、ダイオード912および出力914を通って出力バス726に流れる。
【0105】
コンバータ702の「オン」状態において、出力914の電圧は、約0ボルトである。「オフ」状態において、出力914の電圧は、入力902の入力電圧よりむしろ、誘導子908に流れる電流の変化率に依存する。次に誘導子908を流れる電流の変化率は、誘導子908のインダクタンスに依存する。その結果、出力914のステップアップ電圧は、誘導子908のインダクタンスに依存する。上記の代わりに、またはそれに加えて、出力914のステップアップ電圧は、スイッチ910のスイッチング周波数および/またはスイッチ910のデューティ・サイクルに依存する。
【0106】
連続伝導モードの場合、誘導子908を流れる電流は、決して0アンペアにならない。連続伝導またはそれに近いモードでコンバータ702のオン、オフを繰り返すことにより、コンバータ702は、条件づけられた電力(たとえば、ステップアップ電圧を有する電力)を出力914に生み出す一方、コンバータ702における効率を最大化し、かつ、ピーク電流を最小化する。上記の代わりに、またはそれに追加して、コンバータ702は、コンバータ702のデューティ・サイクルDを[(V_out−V_in)/V_out−0.05]<D<0.75に制限することにより連続伝導に近いモードで動作させ得る。ただし、V_outおよびV_inは、コンバータ702の出力電圧および入力電圧であり、かつ、測定回路918により測定され得る。
【0107】
この実施形態および別の実施形態では、スイッチ910は、制御ライン916経由で作動される。具体的には、希望する周波数およびデューティ・サイクルでスイッチ910を開閉するためにデジタル・コントローラ704から制御ライン916経由で信号を送る。コンバータ702のステップアップ電圧およびインピーダンスのそれぞれは、スイッチング・プロセスの周波数およびデューティ・サイクルに依存するため、デジタル・コントローラ704は、周波数および/またはデューティ・サイクルを所定の周波数および/またはデューティ・サイクルに設定してコンバータ702のステップアップ電圧およびインピーダンスを最適化することができる。したがって、回路カード610上のどの個別コンバータ702もデューティ・サイクルと周波数の両方において部分的にのみ使用されることが可能であり、かつ、動的負荷平準化サイクルの一翼となることができる。
【0108】
一部の実施形態では、誘導子908経由の電流の増減がコンバータ702の入力電流および/または出力電流の振幅の周期的変動を引き起こすことがある。電流振幅のこれらの周期的変動は、電流リップルとしても知られている。コンバータ702の出力902における電流リップルがコンバータ702のインピーダンスを電流リップルの関数として変動させ、それによりコンバータ702が最大ピーク電力を維持することが困難になることがある。コンバータ702の出力における電流リップルは出力バス726上に雑音を生じ、それが出力バス726に結合される負荷に悪影響を及ぼすことがある。
【0109】
しかしながら、電流リップルは、コンバータ702をお互いに位相をずらして動作させることにより回路カード610の入力および出力において全体として大幅に低減することができる。コンバータ702がお互いにずれた位相で動作する場合、コンバータ702の1つにおける電流リップルの振幅は増大する一方、コンバータ702の別の1つにおける電流リップルの振幅は低減するであろう。コンバータ702の位相不一致動作の累積効果は、カード610の入力および出力における電流リップルを全体として平均する。
【0110】
上述したように、PVモジュール200のピーク電力を維持することにおいてコンバータ702を使用することにより、誘導子908の電流ビルドアップの最大値および/または充電率を利用することができる。ピーク電力を維持することにより、PVセル404の配列の無条件電力出力を最大化し、その結果としてモジュール間バスへの条件づけられた電力出力を最大化することができる。一般的に、ピーク電力を維持することは、以下を含む:(1) PVセル404の配列の電力出力が最大化されるピーク電力点を識別すること、(2) コンバータ702のインピーダンスを動的に変更して負荷のインピーダンスと効果的に一致させることにより、PVセル404の配列の両端の電圧が識別されたピーク電力点に略等しくなるようにすること。さらに、
図1を参照して説明したように、最大効率を得るためにモジュール間バスに結合される負荷を最適化して非常に狭い電圧範囲内で動作させることができる。
【0111】
本出願において記述される実施形態は、以下において詳述するように、種々のコンピュータのハードウェアおよびソフトウェアのモジュールを含む特殊用途または汎用コンピュータの使用を含み得る。
【0112】
本発明の範囲内の実施形態は、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造を格納するコンピュータ読み取り可能媒体も含む。かかるコンピュータ読み取り可能媒体は、汎用または特殊用途コンピュータからアクセスできる利用可能な任意の媒体とすることができる。かかるコンピュータ読み取り可能媒体は、制限ではなく例示として、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶装置、またはコンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態の所望プログラム・コード手段を携行または格納するために使用することができ、かつ、汎用または特殊目的コンピュータからアクセスできるその他の記憶媒体を含む有形コンピュータ読取可能記憶媒体を含み得る。前記の組み合わせもコンピュータ読み取り可能媒体の範囲内に含まれる。
【0113】
コンピュータ実行可能命令は、たとえば、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、または特殊目的処理装置に一定または一連の機能を実行させる命令およびデータを含む。主題事項は、構造的特徴および/または方法論的作為に特有の言語で記述されたが、当然のことながら、添付請求項において定義される主題事項は、上述した特有の特徴または作為に必ずしも限られない。むしろ、上述された特有の特徴及び作為は、請求項を実現する例示形態として開示される。
【0114】
本出願において使用される場合、用語「モジュール」または「コンポーネント」は、コンピュータ・システム上で実行されるソフトウェアのオブジェクトまたはルーチンを指し得る。本出願において記述される種々のコンポーネント、モジュール、エンジンおよびサービスは、コンピュータ・システム上で実行されるオブジェクトまたはプロセス(たとえば、別々のスレッドとして)として実現され得る。本出願において記述されたシステムおよび方法は、好ましくは、ソフトウェアで実現されるが、ハードウェアまたはソフトウェアとハードウェアの組み合わせによる実現も可能であり、かつ、予期されている。この明細書では、「計算実体」は、本出願においてこれまでに定義したコンピュータ・シスまたは計算システム上で実行されるモジュールまたはモジュールの組み合わせとすることができる。
【0115】
本発明は、その精神または本質的特性から逸脱することなくその他の特定の形態で実現し得る。記述された実施形態は、すべての点に関して限定するものではなく、例示としてのみ考慮されるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の明細書ではなく、添付請求項により指示される。請求項の意味および請求項と等価のものの範囲内に入るすべての変更は、請求項の範囲内に包含されるものである。
以下に、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記1]
光起電システムであって、
複数の光起電モジュールであって、それぞれの光起電モジュールは、第1端および前記第1端の反対側の第2端を画定し、
複数の光起電セルであって、各光起電セルにより生成されるエネルギーは、前記複数の光起電セルを通って前記第2端に到る複数の経路を有する、複数の光起電セルと、
前記第2端において前記複数の光起電セルに電気的に結合される複数のコンバータであって、この結合により各光起電セルにより生成されるエネルギーが複数のコンバータのいずれにおいても受け取り可能となる、複数のコンバータと、を含む複数の光起電モジュールと、
前記複数の光起電モジュールのそれぞれに電気的に結合され、かつ、1つの出力を有するモジュール間バスであって、各光起電モジュールにより生成されるエネルギーは、前記出力において前記複数の光起電モジュールの他のモジュールとは無関係に受け取り可能である、モジュール間バスと、
を含む、光起電システム。
[付記2]
前記複数の光起電セルが電気的に直列結合される複数の行に構成され、
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、各行の前記光起電セルを互いに並列に電気的に結合する複数の導電行ストリップをさらに含み、かつ
前記複数の光起電セルを通って前記第2端に到る前記複数の経路が前記複数の導電行ストリップを含み、それにより、生成される電流が前記複数の導電行ストリップを通って、低性能および低照射の少なくともいずれか一方の光起電セルを迂回し、かつ、比較的高い性能および高い照射の少なくともいずれか一方の光起電セルを通って前記第2端に流れることができる、付記1に記載の光起電システム。
[付記3]
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、前記複数の光起電セルのための地気面を含む連続バックシートをさらに含み、
前記連続バックシートが前記第1端の複数の光起電セルの第1サブセットと前記第2端の複数の光起電セルの第2サブセットとの間に電気的に結合され、
前記連続バックシートと前記第1端の複数の光起電セルの第1サブセットと間の第1端接続が、前記光起電モジュールの陽極を含み、
前記複数のコンバータと前記第2端の複数の光起電セルの第2サブセットと間の第2端接続が、前記光起電モジュールの陰極を含み、かつ
前記連続バックシートが前記陰極から前記陽極へのモジュール帰還電流を運ぶように構成される、付記1に記載の光起電システム。
[付記4]
前記複数の光起電セルが電気的に直列結合される複数の行に構成され、前記複数の行は、前記複数の光起電セルの第1サブセットを含む第1行と、前記複数の光起電セルの第2サブセットを含む最終行とを含み、かつ
前記第1端接続が、
前記第1端において前記連続バックシートに電気的および機械的に結合される地気ストリップと、
前記第1行の各光起電セルを前記地気ストリップに電気的および機械的に結合する複数の直列相互接続と、
を含む、付記3に記載の光起電システム。
[付記5]
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、
前記第2端に機械的に結合される回路カードであって、その上に配置される前記複数のコンバータを含み、プラス・コネクタおよびマイナス・コネクタをさらに含む、回路カードと、
前記光起電モジュールの幅に沿って延びる内部バス・ストリップであって、
前記内部バス・ストリップは、前記複数の光起電セルの第2サブセットの光起電セルのそれぞれの陰極に結合され、かつ
前記内部バス・ストリップはタブを含み、前記タブは、前記内部バス・ストリップから前記連続バックシートに形成されたスロットを通って前記回路カードのプラス・コネクタに延びて、前記内部バス・ストリップを前記回路カードのプラス・コネクタに電気的に結合する、内部バス・ストリップと、
前記連続バックシートから前記回路カードのマイナス・コネクタに延びて、前記連続バックシートを前記回路カードのマイナス・コネクタに電気的に結合する1つ以上のタブと、
をさらに含む、付記3に記載の光起電システム。
[付記6]
前記連続バックシートから延びる前記1つ以上のタブが、前記回路カードを前記連続バックシートに地気接続し、前記1つ以上のタブは、
前記連続バックシートから一体として形成され、かつ、前記連続バックシートにより画定される平面に略垂直な平面に延びる一体タブ、または
前記連続バックシートに機械的および電気的に結合され、かつ、前記連続バックシートにより画定される前記平面に略垂直な平面に延びる個別タブ、
を含む、付記5に記載の光起電システム。
[付記7]
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、
前記第2端に機械的に結合される回路カードと、
前記回路カード上に配置されるデジタル・コントローラと、
をさらに含み、
前記複数のコンバータが前記回路カード上に配置され、かつ
前記複数のコンバータが、それぞれ、他のコンバータに関係なく、前記デジタル・コントローラから前記複数のコンバータのそれぞれに到るイネーブル/パルス幅変調(PWM)ペア・ライン経由で前記デジタル・コントローラにより制御される、付記1に記載の光起電システム。
[付記8]
前記複数の光起電モジュールのそれぞれのための前記複数のコンバータが対で動作し、
各動作の対が他の動作の対とずれた位相で動作し、かつ
対になった各コンバータが、対になった相手コンバータと180度の位相ずれで動作する、付記7に記載の光起電システム。
[付記9]
前記回路カードが、マイナス・コネクタおよびプラス・コネクタを含み、
前記複数のコンバータのそれぞれが、独立して電気的に前記プラス・コネクタに対応ヒューズを介して結合され、かつ
前記複数のコンバータの1つの有限抵抗短絡故障の場合に、前記デジタル・コントローラが
前記複数の光起電セルからのすべての電流を、前記複数のコンバータのうちの前記のもの経由で流して、対応するヒューズの開放を待ち、
前記ヒューズの開放に応じて、前記複数のコンバータのうちの少なくとも残りのコンバータを使用して平常動作を再開するように構成される、付記7に記載の光起電システム。
[付記10]
前記デジタル・コントローラが前記光起電モジュールにより生成されるエネルギーのみにより給電される、付記7に記載の光起電システム。
[付記11]
前記回路カードが、前記第2端において前記複数の光起電セルの行に電気的に結合されるプラス・コネクタを含み、
前記複数のコンバータが、前記回路カード上に隣接コンバータ間の間隔が3ミリメートル未満で一列に配置され、かつ
前記複数のコンバータのそれぞれが、前記プラス・コネクタから5〜10ミリメートルの範囲内で配置される、付記7に記載の光起電システム。
[付記12]
前記光起電モジュールのそれぞれの前記デジタル・コントローラが、
前記モジュール間バス上の電圧が最低閾値未満である場合に、容量性素子が前記モジュール間バスに備えられているか否か決定するために充電電流を前記モジュール間バスにトリクルし、
容量性素子が前記モジュール間バスに備えられているとの決定に応じて、前記モジュール間バス上の電圧が前記最低閾値を超えるまで前記モジュール間バスに対する充電電流のトリクルを継続し、
前記モジュール間バス上の電圧が前記最低閾値を超えたとき、保護継電器を閉じてゼロ電流スイッチングを確保し、前記保護継電器は前記モジュール間バスと前記回路カードの出力バスとの間に電気的に結合され、前記出力バスは前記複数のコンバータのそれぞれの出力に電気的に結合されており、
前記モジュール間バス上の電圧が前記最低閾値と前記最低閾値より大きい中間閾値との間にある場合、最大電流モードで前記複数のコンバータを動作させ、
前記モジュール間バス上の電圧が前記中間閾値と前記最低閾値より大きい最高閾値との間にある場合、定電圧モードで前記複数のコンバータを動作させ、かつ
前記モジュール間バス上の電圧が前記最高閾値を超えるか、または前記最低閾値を下回る場合に前記保護継電器を開放する、
ように構成される、付記7に記載の光起電システム。
[付記13]
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、前記デジタル・コントローラと通信的に結合され、かつ、前記回路カードに搭載される光信号光源をさらに含み、前記光信号光源は、それにより放射される光信号が前記対応する光起電モジュールの前部から見えるように搭載される、付記7に記載の光起電システム。
[付記14]
前記デジタル・コントローラが、前記光信号光源を動作させて状態情報を含む光信号を放射させるように構成される、付記13に記載の光起電システム。
[付記15]
前記状態情報が、前記対応する光起電モジュールに関する次の情報:電力および故障のコード、モジュール整理ID、詳細故障記録、累積エネルギー生産、温度、またはオン/オフサイクルの回数の少なくとも1つを含む、付記14に記載の光起電システム。
[付記16]
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、前記デジタル・コントローラと通信的に結合される無線周波数(RF)放射装置をさらに含み、前記デジタル・コントローラが前記RF放射装置を動作させて前記複数の光起電モジュールのうちの他のモジュールおよび/または前記光起電システムに含まれるデータ収集装置に情報を送らせるように構成される、付記7に記載の光起電システム。
[付記17]
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、前記回路カードを内蔵するアンダーマウント組立品をさらに含み、前記アンダーマウント組立品がハウジングを含み、前記ハウジングが、
本体と、
前記本体から延びて略同一平面に存在する複数の台座と、
を含み、
前記アンダーマウント組立品が、対応する光起電モジュールの連続バックシートに、前記連続バックシートと前記複数の台座との間に置かれる接着剤またはテープを使用して機械的に結合され、かつ
前記本体が、2つのスロットを画定し、前記2つのスロットを通じて2つの対応するライザーが前記本体に達し前記回路カードに電気的に結合する、付記7に記載の光起電システム。
[付記18]
各アンダーマウント組立品が、前記回路カードに熱的に結合される黒色カバーをさらに含み、
前記黒色カバーが、前記アンダーマウント組立品から熱エネルギーを消散させるために前記アンダーマウント組立品の外部に露出されている1つ以上の突起を含み、かつ
前記黒色カバーが、前記対応する光起電モジュールの枠を経由して熱を前記アンダーマウント組立品外へ消散させるために、前記枠と直接接触しているかまたは8ミリメートル以内に近接しているエッジを含む、付記17に記載の光起電システム。
[付記19]
前記2つのライザーのそれぞれが、
ネジ穴を画定するベースと、
前記ベースの反対側のC字形端部であって、前記C字形端部は上部および下部を含み、前記上部は絶縁貫通部材を含み、前記下部は固定部材を含み、前記上部は前記下部より前記ベースに近い、C字形端部と、
を含み、
前記複数の光起電モジュールのそれぞれの前記アンダーマウント組立品が、
前記本体の下部表面から延びる2つのネストであって、2つのネストのそれぞれは、前記本体と一体であるかまたは別の部分として本体に取り付けられ、2つのネストのそれぞれは、前記本体により画定される前記スロットのいずれか一方と連絡するスロットを画定し、各ライザーは、前記ネストの対応する一方に画定されたスロットおよび前記本体に画定された対応するスロットを通過する、2つのネストと、
2つのキャップであって、それぞれ、前記2つのネストの対応する一方に取り付けられる、2つのキャップと、
2つのネジであって、それぞれ、前記回路カードを前記ライザーの対応する一方に前記ライザーのベースに画定されたネジ穴により固定している、2つのネジと、
をさらに含み、
前記モジュール間バスが、2本のワイヤであって、それぞれ、15平方ミリメートル以上の断面積を有し、かつそれぞれ、絶縁ジャケットにより被覆されている、2本のワイヤを含み、
前記2本のワイヤのそれぞれが、前記2つのライザーのそれぞれのC字形端部内に、取付時に前記2本のワイヤから前記絶縁ジャケットを剥離することなく配置され、
前記2つのライザーのそれぞれの前記固定部材が取付時に固定されて、前記2本のワイヤの対応する一方を前記2つのライザーのそれぞれの絶縁貫通部材に固定し、それにより前記絶縁貫通部材が前記絶縁ジャケットに貫通し、かつ前記対応するワイヤを前記対応するライザーに電気的に結合し、
前記2つのライザーのそれぞれのC字形端部が前記2つのネストの対応する一方から延び、
前記対応するワイヤを前記対応するライザーに電気的に結合した後に、前記2つのキャップのそれぞれが前記2つのネストの対応する一方に取り付けられて前記2つのライザーのそれぞれのC字形端部および前記2本のワイヤのそれぞれの絶縁ジャケットが貫通された部分を前記ネストの対応する一方および前記キャップの対応する一方の中に密閉し、前記C字形端部と前記対応するワイヤとの間の対応する電気的接続を環境汚染から保護する、付記17に記載の光起電システム。
[付記20]
前記複数のコンバータのそれぞれが、[(V_out−V_in)/V_out−0.05]<D<0.75の範囲内のデューティ・サイクルDで動作し、ここで、V_outおよびV_inは、対応するコンバータの出力電圧および入力電圧である、付記1に記載の光起電システム。
[付記21]
前記複数の光起電モジュールのそれぞれが、
前記モジュール間バスへの出力電流または前記モジュール間バスからの入力電流を測定するように構成される測定回路と、
前記測定に基づいて、前記出力電流と前記入力電流との間のずれを監視すること、および、前記出力電流が一定の限界を超えたときに出力電流を制限することの少なくともいずれか一方を行うように構成されるデジタル・コントローラと、
をさらに含む、付記1に記載の光起電システム。
[付記22]
光起電システムであって、
複数の光起電モジュールであって、それぞれの光起電モジュールは、第1端および前記第1端の反対側の第2端を画定し、
複数の光起電セルであって、各光起電セルにより生成されるエネルギーは、前記複数の光起電セルを通って前記第2端に到る複数の経路を有する、複数の光起電セルと、
前記第2端において前記複数の光起電セルに電気的に結合される複数のコンバータであって、この結合により各光起電セルにより生成されるエネルギーは前記複数のコンバータのいずれによっても受け取り可能となる、複数のコンバータと、
を含む複数の光起電モジュールと、
前記複数の光起電モジュールが並列に電気的に接続されるように前記複数の光起電セルのそれぞれに電気的に結合されるモジュール間バスと、
前記モジュール間バスに電気的に結合される複数のインバータであって、それにより各光起電モジュールにより生成されるエネルギーが前記複数のインバータのいずれによっても受け取り可能となる、複数のインバータと、
を含む、光起電システム。
[付記23]
前記モジュール間バスが、前記複数の光起電モジュールのそれぞれが電気的に結合される連続無中断ワイヤを含む、付記22に記載の光起電システム。
[付記24]
1つ以上のエネルギー貯蔵装置が、前記モジュール間バスに並列に接続される、付記22に記載の光起電システム。
[付記25]
前記複数のインバータのそれぞれのDC設定点およびAC削減ならびに前記1つ以上のエネルギー貯蔵装置の充電の現状に基づいて、電流が前記モジュール間バスおよび前記複数のインバータの1つ以上を通って、
前記複数のインバータのそれぞれが結合される多相AC電力グリッドのいずれかまたはすべての相から前記1つ以上のエネルギー貯蔵装置へ、または
前記1つ以上のエネルギー貯蔵装置から前記多相AC電力グリッドのいずれかまたはすべての相へ流れる、付記24に記載の光起電システム。
[付記26]
前記複数のインバータのそれぞれが、3相AC電力グリッドのいずれかまたは3相すべてとさらに結合されるように構成される、付記22に記載の光起電システム。
[付記27]
前記複数のインバータが3個のインバータを含み、かつ、前記3個のインバータのそれぞれが3相AC電力グリッドの別々の相にY結線またはデルタ結線により結合される、付記22に記載の光起電システム。
[付記28]
前記3個のインバータのそれぞれが異なるDC設定点およびAC削減を有し、それにより動作中に電流が、
前記3相AC電力グリッドの異なる相へ、または、
前記モジュール間バスを経由して前記モジュール間バスに並列に結合されている1つ以上のエネルギー貯蔵装置へ、または、
前記1つ以上のエネルギー貯蔵装置から前記モジュール間バスを経由して、あるいはその組み合わせたものへ選択的に流れる、付記27に記載の光起電システム。
[付記29]
前記3個のインバータのそれぞれが異なるDC設定点を有し、それにより動作中に電流が、
前記3相AC電力グリッドの1つ以上の相から比較的高いDC設定点の前記複数のインバータの1つ以上を通って前記モジュール間バスへ、および
前記モジュール間バスから比較的低いDC設定点の前記複数のインバータの1つ以上を通って前記3相AC電力グリッドの1つ以上の他の相へ流れる、付記27に記載の光起電システム。
[付記30]
前記複数のインバータのそれぞれが、1つ以上の基準に基づいて選択的に停止または起動される、付記22に記載の光起電システム。
[付記31]
前記複数のインバータが通信的に相互に結合され、かつ、相互に通信して前記複数のインバータのそれぞれのDC設定点およびAC削減を含むインバータ固有設定を協調調整するように構成される、付記22に記載の光起電システム。