(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956619
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】加工条件に応じてパラメータを調整するパラメータ自動調整装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/18 20060101AFI20160714BHJP
G05B 19/414 20060101ALI20160714BHJP
G05B 13/02 20060101ALI20160714BHJP
【FI】
G05B19/18 W
G05B19/414 N
G05B13/02 P
G05B13/02 J
G05B13/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-4392(P2015-4392)
(22)【出願日】2015年1月13日
(65)【公開番号】特開2016-130908(P2016-130908A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2015年12月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100159684
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 正宏
(72)【発明者】
【氏名】小川 肇
(72)【発明者】
【氏名】手塚 淳一
【審査官】
中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平4−302306(JP,A)
【文献】
特開2007−34781(JP,A)
【文献】
特開2012−243152(JP,A)
【文献】
特開平11−102211(JP,A)
【文献】
特開平11−134013(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/077791(WO,A1)
【文献】
特開2009−122779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B13/00−13/04,19/18−19/416,19/42−19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの駆動軸を有する工作機械の数値制御装置に設定される、前記駆動軸の各々の制御パラメータを自動的に調整するパラメータ自動調整装置であって、
前記制御パラメータを自動調整するための評価基準として、前記工作機械の加工時間及び加工精度の重みを設定する重み設定部と、
前記制御パラメータを変更するパラメータ変更部と、
自動調整で使用するテストプログラムを前記数値制御装置に送信して実行させるテストプログラム実行部と、
前記テストプログラムの実行結果として、前記工作機械の代表点の指令軌跡及び実軌跡、並びに前記テストプログラムの実行時間を取得する実行結果取得部と、
前記実行結果と対応する制御パラメータを記憶する記憶部と、
重み付けされた2つの評価基準に従って前記実行結果を評価し、前記実行結果の評価に基づいて最適な前記制御パラメータを抽出するパラメータ抽出部と、を備え、
前記制御パラメータを変更して前記テストプログラムを実行する操作を複数回行い、得られた複数の実行結果の中で評価が高い実行結果に対応する制御パラメータを抽出するようにした、パラメータ自動調整装置。
【請求項2】
前記パラメータ抽出部は、前記テストプログラムの実行時間と、指令軌跡と実軌跡と差である軌跡誤差の絶対値の積算値とをそれぞれ正規化した値に、それぞれ重み設定部で設定した加工時間の重みと加工精度の重みとを乗じて加算することにより求めた評価値に基づいて前記テストプログラムの実行結果を評価する、請求項1に記載のパラメータ自動調整装置。
【請求項3】
前記実行結果取得部は、前記テストプログラムのうち特定部分の前記実行結果を取得する、請求項1又は2に記載のパラメータ自動調整装置。
【請求項4】
前記記憶部は、制御パラメータの自動調整に関する詳細情報を記したレポートを作成又は出力する機能を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパラメータ自動調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械の加工条件に応じてパラメータを調整する機能を備えたパラメータ自動調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工作機械の制御に関し、制御ゲインや加減速パラメータを自動で調整するパラメータ自動調整装置が用いられることがある。例えば特許文献1には、測定されたサイクル時間が所望のサイクル時間となるように、制御パラメータを自動調整する手段を備えたオートチューニングコントローラが記載されている。また特許文献1には、ラフ調整モードとファイン調整モードとを設け、いずれかを選択することにより、制御対象の状態等に応じた最適な調整モードが選択できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−319506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工作機械では、その用途や加工対象のワークの形状等に応じて、各駆動軸の制御ゲインや加減速に関するパラメータを適切な値に調整する必要がある。例えば、加工精度よりもサイクルタイム(加工時間)を重視する場合と、逆にサイクルタイムよりも加工精度を重視する場合とでは、各パラメータの最適値が異なる。しかし、従来のパラメータ自動調整装置では、発振現象が生じない程度(限界ゲイン)を上限として制御ゲインを調整することや、加工時間が最短となる加減速パラメータを決定することは可能であったが、実際の加工条件に則した調整は困難であった。
【0005】
例えば、加工時間を短くするために加減速時定数を小さくすると、工作機械の駆動軸の反転部分(プログラム軌跡上の曲線部分や不連続部分)でオーバーシュートが発生する可能性があり、加工精度が低下する。一方、加減速時定数を十分大きくすると、駆動軸の反転部分において指令に対する追従性が向上し、加工精度は向上するが、加工時間は長くなる。このように、加工時間と加工精度を両立させることは難しく、個々の加工条件に応じた自動調整が求められている。
【0006】
特許文献1に記載のオートチューニングコントローラでは、ラフ調整モードとファイン調整モードとを使い分けることができるとされているが、加工精度と加工時間の双方を均等に重視したり、一方を他方より重視する場合であってもその程度(例えば加工時間は全く無視してよいか、或いは僅かに加工精度を重視するか、等)を定量的に設定したりすることは困難である。
【0007】
そこで本発明は、加工時間及び加工精度のそれぞれの重要度を定量的に設定でき、加工条件に則したパラメータ調整をより効果的に行うことができるパラメータ自動調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願第1の発明は、少なくとも1つの駆動軸を有する工作機械の数値制御装置に設定される、前記駆動軸の各々の制御パラメータを自動的に調整するパラメータ自動調整装置であって、前記制御パラメータを自動調整するための評価基準として、前記工作機械の加工時間及び加工精度の重みを設定する重み設定部と、前記制御パラメータを変更するパラメータ変更部と、自動調整で使用するテストプログラムを前記数値制御装置に送信して実行させるテストプログラム実行部と、前記テストプログラムの実行結果として、前記工作機械の代表点の指令軌跡及び実軌跡、並びに前記テストプログラムの実行時間を取得する実行結果取得部と、前記実行結果と対応する制御パラメータを記憶する記憶部と、重み付けされた2つの評価基準に従って前記実行結果を評価し、前記実行結果の評価に基づいて最適な前記パラメータを抽出するパラメータ抽出部と、を備え、前記制御パラメータを変更して前記テストプログラムを実行する操作を複数回行い、得られた複数の実行結果の中で評価が高い実行結果に対応する制御パラメータを抽出するようにした、パラメータ自動調整装置を提供する。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記パラメータ抽出部は、前記テストプログラムの実行時間と、指令軌跡と実軌跡と差である軌跡誤差の絶対値の積算値とをそれぞれ正規化した値に、それぞれ重み設定部で設定した加工時間の重みと加工精度の重みとを乗じて加算することにより求めた評価値に基づいて前記テストプログラムの実行結果を評価する、パラメータ自動調整装置を提供する。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記実行結果取得部は、前記テストプログラムのうち特定部分の前記実行結果を取得する、パラメータ自動調整装置を提供する。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記記憶部は、制御パラメータの自動調整に関する詳細情報を記したレポートを作成又は出力する機能を有する、パラメータ自動調整装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、実際の加工で主に評価される、加工時間及び加工精度の2つを評価基準とし、それぞれに重み付けをして制御パラメータの自動調整の結果を評価することにより、加工条件に則したパラメータ調整を行うことができる。さらに、従来と比べ、制御パラメータの細かな調整を行うことができ、さらにその微調整にかかる労力も減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係るパラメータ自動調整装置を、工作機械及び数値制御装置とともに示す機能ブロック図である。
【
図2】
図1のパラメータ自動調整装置を用いた処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】評価基準の各々に重みを設定する手段の一例を示す図である。
【
図4】制御パラメータとして加減速時定数を変化させたときのプログラム実行時間の変化を表すグラフである。
【
図5】コーナ部における指令軌跡と実軌跡の一例を示す図である。
【
図6】パラメータの自動調整結果をレポートとして出力した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るパラメータ自動調整装置の機能ブロック図である。パラメータ自動調整装置10は、工作機械12が有する少なくとも1つの駆動軸14を制御する数値制御装置(NC)16に関連付けられて使用される装置である。数値制御装置16は、NCプログラム等により与えられる所定の命令に基づき、制御ゲインや加減速時定数等の制御パラメータを用いて、各駆動軸14の移動指令(位置指令)を作成する機能を有する。
【0015】
パラメータ自動調整装置10は、数値制御装置16とともに使用され、各駆動軸14の制御パラメータを自動的に調整するための装置であり、数値制御装置16が各駆動軸14を制御する際に使用する制御パラメータを変更するパラメータ変更部18と、パラメータの自動調整において使用されるテストプログラムを数値制御装置16に送信して実行させるテストプログラム実行部20と、数値制御装置16が実行したテストプログラムの実行結果を、工作機械12の工具先端点等の代表点の指令軌跡及び実軌跡、並びにプログラム実行時間として取得する実行結果取得部22と、テストプログラムの実行結果及びこれに対応する制御パラメータを記憶する記憶部24と、パラメータ調整を行う際の評価基準である加工時間及び加工精度の重み付けを、オペレータの入力又は設定に基づいて行う重み設定部26と、重み付けされた評価基準に従ってテストプログラムの実行結果を評価し、評価結果に基づいて最適な制御パラメータを記憶部24から抽出するパラメータ抽出部28とを備える。
【0016】
なお上述の実施形態では、パラメータ自動調整装置10は数値制御装置16とは別個の装置として図示・説明されているが、パラメータ自動調整装置10と実質同等の機能を有する装置を数値制御装置16内に一体的に組み込むことも可能であり、そのような形態も本願発明に含まれるものとする。
【0017】
以下、パラメータ自動調整装置10を用いた制御パラメータの自動調整処理について、
図2のフローチャートを参照しつつ説明する。先ず、重み設定部26において、加工条件に合わせて複数(ここでは2つ)の評価基準の重みを設定する(ステップS1)。具体的には、パラメータの自動調整を始める前にオペレータが、加工条件に合わせて制御パラメータを評価する評価基準の重み付けを行う。
図3は、自動調整の際にパラメータ自動調整装置10等に表示・操作可能な画面の一例を示しており、加工時間及び加工精度の2つの評価基準の重みを、それぞれ調整バー30及び32で調整することができる。なお重みは、テキストボックスやスピンコントロールを用いて変更することもできる。
【0018】
次のステップS2では、パラメータ変更部18において、自動調整対象である制御パラメータを変更する。制御パラメータの変更は例えば、所定のパラメータ変更範囲(上限値と下限値との間)内を、適当な刻み幅で増加又は減少させることによって行うことができる。この場合の上限値、下限値及び刻み幅は、予め定めておいてもよいし、自動調整を行う前にオペレータが適当な入力手段等を用いて設定してもよい。
【0019】
次のステップS3では、テストプログラム実行部20から数値制御装置16にテストプログラムを送信し、数値制御装置16においてテストプログラムを実行する。本発明では加工条件に応じて制御パラメータを自動調整することを企図しているので、通常は、テストプログラムとして実際に使用する加工プログラムを使用することが好ましいが、パラメータ調整用に用意された別途の調整用プログラムをテストプログラムとして使用してもよい。
【0020】
次のステップS4では、実行結果取得部22が、テストプログラムの実行結果、すなわちテストプログラムを実行した際に数値制御装置16から得られる制御対象(工具先端点等)の指令軌跡及び実軌跡、並びにプログラム実行時間を取得する。ここで指令軌跡及び実軌跡は、制御対象を制御する各駆動軸の位置指令又は位置フィードバックと、工作機械を構成する機械構成の情報とから算出することができる。またプログラム実行時間は、テストプログラム開始から終了までの時間から算出することができる。
【0021】
次のステップS5では、記憶部24が、テストプログラムの実行結果と、実行されたテストプログラムに対応するパラメータとを記憶する。そして、ステップS6において、上述のパラメータ変更範囲内でのパラメータの変更が終了した場合、ステップS7に進む。一方、パラメータ変更範囲内でのパラメータの変更が終了していない場合は、ステップS2〜S5の処理を繰り返す。
【0022】
上述のようにパラメータ変更範囲内でパラメータを変化させ、各パラメータについてテストプログラムの実行結果を取得した後、ステップS7において、加工条件に応じた最適なパラメータ値x
pを抽出する。以下、その好適な具体例を説明する。
【0023】
記憶部24に記憶された、工作機械の代表点(工具先端点等)の指令軌跡Pc(k・Δt)及び実軌跡Pf(k・Δt)から、両者の差分すなわち軌跡誤差ERR(k・Δt)を算出する。この軌跡誤差は、加工精度を評価する上で有用なデータになり得る。次に、以下の式(1)に示すように、パラメータ値x毎の軌跡誤差ERR(k・Δt)の絶対値を積算し、積算値ERRs(x)を算出する。
【0025】
パラメータ値x毎のプログラム実行時間T(x)と、軌跡誤差の絶対値の積算値ERRs(x)とから、各データの最小値と最大値を算出する。
図4にその一例として、横軸を加減速時定数x、縦軸をプログラム実行時間T(x)としたグラフを示す。
図4の例では、加減速時定数xが小さくなるほどプログラム実行時間T(x)が短くなり、加減速時定数xが大きいほどプログラム実行時間T(x)が長くなるため、加減速時定数xの下限値で実行時間が最小値T
minとなり、上限値で最大値T
maxとなる。同様に、積算値ERRs(x)についても、その最小値ERRs
minと最大値ERRs
maxをそれぞれ算出する。
【0026】
ここで、パラメータが複数(例えばx、y、z)であり、これらのパラメータの値を同時に調整する場合は、プログラム実行時間T(x,y,z)及び積算値ERRs(x,y,z)のそれぞれについて、最小値及び最大値を算出する。例えば、x、yの2つのパラメータ値を同時に調整する場合、
図4のグラフは3次元のグラフで表わされ、該3次元グラフから最小値及び最大値を算出することができる。
【0027】
次に、パラメータxの各値について、プログラム実行時間T(x)及び軌跡誤差の絶対値の積算値ERRs(x)を、それぞれ式(2)及び式(3)に示すように正規化する。ここでは、T(x)及びERRs(x)を正規化した値をそれぞれ、Tn(x)及びERRn(x)とする。
【0029】
次に、式(4)に示すように、正規化した値Tn(x)及びERRn(x)にそれぞれ重み設定部26で設定した重みを乗算し、これらを加算することで評価値E(x)を算出する。なお式(4)では、重み設定部26で設定した加工時間の重みをA、加工精度の重みをBで表わしている。なお式(4)の代わりに、式(5)に示すような、最大値が1となるような評価値E'(x)を求める式を用いてもよい。
【0031】
なお本実施形態では、ステップS7の処理の具体例として重み付けされたプログラム実行時間T(x)及び軌跡誤差の絶対値の積算値ERRs(x)を正規化する処理(これを処理aとも称する)を説明したが、本発明はこれに限られず、例えば以下のような処理b又は処理cも可能である。
(処理b)重み付けされたデータをそれぞれ2乗して加算し、その平方根(ベクトルの長さ)を求める。この平方根(ベクトル長)をパラメータ毎に計算し、ベクトル長が最大となるパラメータを求める。
(処理c)評価関数V(x,y,z)に、重み付けされたデータ(x,y,z)を代入し、評価値が最大となるパラメータを求める。なおこの評価関数は、実験から得られたものでもよいし、理論式から算出されたものでもよい。
【0032】
最後に、式(4)又は式(5)で得られた評価値E(x)又はE'(x)が高い(通常は最大の)パラメータ値x
pを求め、この値x
pを最適パラメータとして記憶部24から抽出し、ステップS7の処理が完了する。但し、他の制約条件等から、最大ではない(例えば2番目や3番目の)評価値に対応する制御パラメータを最適値として抽出する場合もある。
【0033】
工作機械の動作によっては、コーナ部に沿って工具を移動させるような場合があり、そのような場合は、例えば
図5に示すような指令軌跡34に沿って工具を移動させると、その実軌跡36は、駆動軸14が反転する箇所で、反転遅れやオーバーシュート等による比較的大きな軌跡誤差を含むことがある。このような場合は、コーナ部等の特定部分のデータだけに着目してパラメータを調整することが好ましい。そこで、実行結果取得部22は、テストプログラムのうち、コーナ部、円弧、曲線、往復動作における反転部分等の、自動調整に有用な特定部分に関する指令軌跡、実軌跡及びプログラム実行時間のみを取得することも可能である。
【0034】
図6は、記憶部24が記憶している制御パラメータの自動調整に関する詳細な情報、すなわち自動調整条件や自動調整結果(パラメータ変更前後の相違点)等を含む情報を、電子ファイルの形態で作成・出力した例を示す。
図6の例では、先ず欄38には、オペレータが設定した「自動調整条件」が記載されており、この自動調整条件には、調整対象の制御パラメータの番号、各パラメータの変更範囲、加工時間及び加工精度に付すべき重み等が含まれる。
【0035】
欄40は、パラメータの自動調整の結果を視覚的に示しており、ここでは
図5に示したようなコーナ部における指令軌跡及び実軌跡が、自動調整の前後で対比可能に示されている。
【0036】
欄42は、パラメータの自動調整の結果を評価値で示しており、ここでは上述のプログラム実行時間T(x)、軌跡誤差の絶対値の積算値ERRs(x)、及び「自動調整条件」で設定した重み付けに基づく評価値E(x)を、パラメータxを変数として(例えば、自動調整条件に記載の変更範囲の最小値から最大値まで適当な刻み幅で変化させて)求め、それぞれの結果をグラフで示している。また評価値E(x)については、上述の処理a及び処理bに基づく2通りを示している。
【0037】
欄44は、自動調整されたパラメータの具体的数値を示しており、「自動調整条件」に含まれていた2つのパラメータの各々について、自動調整前と自動調整後の値が示されている。
【0038】
図6に例示したようなレポートを作成して出力することにより、オペレータは、自動調整の結果だけでなく、最適パラメータx
pに基づく評価値や、その他のパラメータの評価値も確認することができるので、自動調整後のパラメータの妥当性等の検証が容易になる。
【符号の説明】
【0039】
10 パラメータ自動調整装置
12 工作機械
14 駆動軸
16 数値制御装置
18 パラメータ変更部
20 テストプログラム実行部
22 実行結果取得部
24 記憶部
26 重み設定部
28 パラメータ抽出部
30、32 調整バー
34 指令軌跡
36 実軌跡