(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1,2,3又は4のいずれか1項において、前記ロック爪手段及びロック補助爪手段、前記弾性手段はそれぞれ、ねじりコイルばねとして形成されてなることを特徴とするミシンのアタッチメントのロック装置。
請求項1,2,3又は4のいずれか1項において、前記ロック爪手段の前記ロック用弾性手段は、圧縮コイルばねにて構成されてなることを特徴とするミシンのアタッチメントのロック装置。
請求項1又は2のミシンのアタッチメントのロック装置において、前記ミシンから前記アタッチメントを離脱させるとき、前記ロック爪手段のロック解除状態は、前記ロック補助爪手段が前記受け部から離脱すると前記ロック補助爪手段に作用する弾性回転力が前記ロック爪手段に作用して前記ロック爪手段のロック動作が可能な状態に復帰することを特徴とするミシンのアタッチメントのロック装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に、前記アタッチメントをミシン本体2から取外しの場合には、極めて難しい。というのは、特許文献1では、前記アタッチメントが重い場合には、該アタッチメントを両手で支えながらの取外しとなり、前記操作ボタン23を、押付けながらの操作はできないという重大な欠点があった。
【0007】
本発明は、以上の問題を鑑みてなされたもので、簡単な操作にて行えるものであり、本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、前記タッチメントが重い場合であっても、簡単な操作にて、取外しもでき、該アタッチメントの取付け時には、自動的にロックされるような構成のロック装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで発明者は、前記課題を解決することを目的とし、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、ミシン本体と、アタッチメントが着脱自在に構成されたミシンにおいて、前記ミシン本体に形成された突起状の受け部と、前記アタッチメント装着時に前記受け部に係止してロック固定するロック爪腕片と該ロック爪腕片に一体的に形成されて該ロック爪腕片の回動動作を規制するロック爪回転動作側腕片とで構成されて前記アタッチメントに回転可能に支持されたロック爪手段と、該ロック爪手段と共に回転可能に支持されて該ロック爪手段の作動状態を規制するロック補助爪手段と、前記アタッチメントに設けて前記ロック爪手段が回動動作した位置を保持するロック用弾性手段と、前記アタッチメントに設けて前記ロック用弾性手段よりばね作動圧が高く前記ロック補助爪手段に弾性回転力を与えるロック用補助弾性手段と、前記ロック爪手段に設けられたロック解除手段とからなり、前記ロック解除手段の操作により前記受け部からロック爪手段の係止を解除するロック解除動作において、前記ロック補助爪手段が前記受け部に乗り上げて弾性回転力を前記ロック爪手段に対して不作用状態にして該ロック爪手段の前記ロック用弾性手段によるロック解除の状態を保持してなることを特徴とするミシンのアタッチメントのロック装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0009】
請求項2の発明を、ミシン本体と、アタッチメントが着脱自在に構成されたミシンにおいて、前記ミシン本体に形成された受け部と、前記アタッチメントの本体部に設けられた軸に回転可能に支持されて前記受け部に係止するロック爪腕片と該ロック爪腕片に一体的に形成される前記ロック爪腕片の回動動作を規制するロック爪回転動作側腕片とで構成されたロック爪手段と、該ロック爪手段と共に前記軸に回転可能に支持されてロック補助爪腕片に前記ロック爪手段に設けた窓部に係合する突起片を有するロック補助爪手段と、前記ロック爪手段の前記ロック爪回転動作側腕片に一端を係止して他端を前記アタッチメントの本体部に係止したロック用弾性手段と、前記ロック爪手段と共に前記軸に配設されて、前記ロック補助爪手段の突起片に作用する前記ロック用弾性手段よりばね作動圧を強くしたロック用補助弾性手段と、前記ロック爪手段に固定されたロック解除操作腕片にロック解除ボタンを設けたロック解除手段とからなり、該ロック解除手段の操作により前記受け部からロック爪手段の係止を解除するロック解除動作において、前記ロック補助爪手段が前記受け部に乗り上げている間は前記ロック補助爪手段の突起片に作用する前記ロック用補助弾性手段の弾性回転力を前記ロック爪手段に対して不作用状態にして前記ロック爪手段のロック解除の状態を保持するようにしたことを特徴とするミシンのアタッチメントのロック装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0010】
請求項3の発明を、請求項1又は2において、前記ロック爪手段に設けたロック解除手段のロック解除動作により、前記ロック爪手段の前記ロック爪回転動作側腕片が、前記ロック用弾性手段の一端を係止する係止部の中心と前記ロック爪手段を軸支する軸の中心とを結ぶ線分を左回転して超えた位置で前記ロック爪手段がロック解除の状態で保持してなることを特徴とするミシンのアタッチメントのロック装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0011】
請求項4の発明を、請求項1又は2において、前記アタッチメントを前記ミシンに装着するとき、前記ロック爪手段は受け部に乗り上げても前記ロック爪回転動作側腕片が前記ロック用弾性手段の一端を係止する係止部の中心と前記ロック爪手段を軸支する軸の中心とを結ぶ線分を右回転して超えた位置でロックが作動する状態に常にあることを特徴とするミシンのアタッチメントのロック装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0012】
請求項5の発明を、請求項1,2,3又は4のいずれか1項において、前記ロック爪手段及びロック補助爪手段に用いる前記弾性手段の全てはそれぞれ、ねじりコイルばねとして形成されてなることを特徴とするミシンのアタッチメントのロック装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0013】
請求項6の発明では、請求項1,2,3又は4のいずれか1項において、前記ロック爪手段の前記ロック用弾性手段は、圧縮コイルばねにて構成されてなることを特徴とするミシンのアタッチメントのロック装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0014】
請求項7の発明では、請求項1又は2のミシンのアタッチメントのロック装置において、前記ミシンから前記アタッチメントを離脱させるとき、前記ロック爪手段のロック解除状態は、前記ロック補助爪手段が前記受け部から離脱すると前記ロック補助爪手段に作用する弾性回転力が前記ロック爪手段に作用して前記ロック爪手段のロック動作が可能な状態に復帰することを特徴とするミシンのアタッチメントのロック装置としたことにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、前記タッチメントが重い場合であっても、取外し時(ロック解除時)において、操作ボタンを押すというワンタッチの簡単な操作にて、該操作ボタンを離しても、ロック解除状態を自己保持させることができ、その後に、両手で抱えるようにして、安全に外すことができる最大の利点がある。また、前記アタッチメントの取付け時(装着時)においては、装着直後にロック状態となり、ロックを確認しなくとも安全にロックできる効果がある。これらの請求項の発明では、確実なロックができると共に、確実なロック解除ができる。さらにはロック時においては外れないようにできるし、ロック解除時においては、ロック待機状態にできており、確実なロック行程に移行できる利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。まず、本発明の第1実施形態について
図1乃至
図4について説明する。
図1は、ロック状態となった場合である。ミシンのミシン本体Aと、刺しゅうユニット等のアタッチメントBとが着脱自在に構成されている。
【0018】
前記ミシン本体Aのテーブル等の一角に、突起状の受け部1が備えられている。該受け部1は平面的に見た高さHと幅Lとで構成され、該高さHを有する内面を爪受け面1aとし、該爪受け面1aと反対側面を外部側当接面1bと、前記幅Lの外面を補助爪受け面1cとして形成されている。具体的には、帯状板が屈曲形成されていることもある。
【0019】
2はロック爪手段であって、前記ミシン本体A側の受け部1の爪受け面1aに係止してロック固定する部材であり、このとき、前記受け部1の外部側当接面1bを支持するのが前記アタッチメントBの受け座部9aである。つまり、前記受け部1は、前記ロック爪手段2の爪先端と前記受け座部9aにて固定される。
【0020】
前記ロック爪手段2は、ロック爪腕片21とロック爪回転動作側腕片22とで構成され、平面的に見た両者の方向は約90度をなしている。前記ロック爪手段2のロック爪腕片21とロック爪回転動作側腕片22との交叉部箇所が前記アタッチメントBに対して軸3に軸支されている。つまり、軸3に回転可能に構成されている。
【0021】
さらに、具体的には、前記ロック爪腕片21は、全体は鈎状をなし、先端は三角頭状をなしている。その内側は、約90度屈曲した形状をなし、前記受け部1の爪受け面1aに係止してロックする面が先端内側に形成されている。
【0022】
また、前記ロック爪腕片21の外表面は、三角頭部21bが形成されている。該三角頭部21bの先端側の傾斜面21bxが形成され、前記受け部1の爪受け面1aにスムーズにロック状態になるようになっている。つまり、前記アタッチメントBが、
図1において、右移動したときに、前記受け部1に当接して、前記ロック爪腕片21がスムーズに左回転するように傾斜状又は円弧状に形成されている。
【0023】
前記ロック爪回転動作側腕片22の先端には、ロック用弾性手段4が設けられている。該ロック用弾性手段4の取付状態によって、前記ロック爪回転動作側腕片22が、
図1又は2において、回転方向が時計方向(右回転)又は反時計方向(左回転)に回転するように構成されている。
【0024】
具体的には、前記ロック用弾性手段4は、ねじりコイルばね41として構成されている。該ねじりコイルばね41の棒状部41aの一方の先端は、前記ロック爪回転動作側腕片22の先端部の係止部(孔等)22aに係止されている。また、前記ねじりコイルばね41の他方の棒状部41bの先端は、前記アタッチメントBの本体部9の適宜に設けた係止部(孔等)9bに係止されている。
【0025】
さらに、前記軸3の中心をOxと、前記ねじりコイルばね41の係止部(孔等)9b箇所の中心をOyと、前記係止部(孔等)22a箇所の中心をOzとそれぞれ指し、前記中心Oxと中心Oyとを結ぶ線分をnとする。このとき前記中心Ozが、前記線分nの左側に存在するか、右側に存在するかで前記ロック爪腕片21の回転方向が決定される。この説明は後述する。
【0026】
前記ロック爪腕片21の中間位置には、窓部21aが開口され、ロック補助爪手段5の回転力の影響を無くす機能を果たす。その詳細は後述する。さらに、前記ロック爪回転動作側腕片22の中間位置には、ストッパ窓部22bが開口され、中心Oxとして前記ロック爪回転動作側腕片22が左回転した場合に、前記ストッパ窓部22bに、前記アタッチメントBの本体部9の適宜に設けた突起片9bに当接して、左側回転位置規制を成すものである。
【0027】
前記ロック補助爪手段5は、具体的には、前記ロック補助爪腕片51の全体が鈎状をなし、先端は三角頭状をなし、前記ロック爪腕片21の外形状と同等に形成されている。つまり、前記ロック補助爪腕片51の内側は、約90度屈曲した形状をなし、その基部は、前記軸3の箇所に、前記ロック爪手段2と同位置に回転可能に設けられている。つまり、前記ロック爪手段2と前記ロック補助爪手段5とは、同一の回転中心で同一の回転方向に弾性手段にて弾発可能に設けられている。
【0028】
さらに、前記ロック補助爪腕片51には、専用のロック用補助弾性手段6が設けられている。該ロック用補助弾性手段6の弾性にて、前記ロック補助爪腕片51が、
図1又は2において、回転方向が時計方向(右回転)のみに回転するように構成され、前記ロック爪腕片21の時計方向(右回転)の弾性回転力を補助する役割をなす。
【0029】
前記ロック用補助弾性手段6も、具体的には、ねじりコイルばね61として構成されている。該ねじりコイルばね61の棒状部61aの一方の先端は、前記ロック補助爪腕片51の棒状部の中間位置に固着された突起片51aに係止されている。また、前記ねじりコイルばね61の他方の棒状部61bの先端は、前記アタッチメントBの本体部9の適宜に設けた突起片9cに係止されている。
【0030】
前記ロック補助爪腕片51の外表面は、三角状頭部51bが形成されている。該三角状頭部51bの先端部において、前記受け部1の爪受け面1aを押圧することなく、常時、前記受け部1の外表面としての前記補助爪受け面1cを押圧するように構成されている。この押圧力では、ガイド等のガタツキなども無くしてしっかりした固定状態にできる。
【0031】
特に、ロック補助爪腕片51の役割は、ロック時、ロック解除時においては、爪先端が、前記受け部1に乗り上げ、前記補助爪受け面1c上を押圧するように構成されている。このときには、前記ロック補助爪腕片51の前記ロック用補助弾性手段6の弾性回転力を殺した状態となって、前記ロック爪腕片21の弾性回転力は、前記ロック用弾性手段4による弾性回転力のみとなっている点が重要なことである。つまり、前記ロック補助爪手段5の弾性回転力を前記ロック爪手段2の弾性回転力に対して不作用状態にしていることである。
【0032】
ここで、前記ロック用弾性手段4及びロック用補助弾性手段6については、重要な基準がある。前記ロック用弾性手段4の弾性回転力fよりも、必ず前記ロック用補助弾性手段6の弾性回転力Fが大きくなるように形成されている。つまり、
弾性回転力F>弾性回転力f
として構成されている。
【0033】
つまり、補助といいながら、補助の弾性回転力Fが、前記ロック用弾性手段4の弾性回転力fよりも大きくなっている。この点も、作用説明をしながら後述する。さらに、その弾性回転力F又はfは、実際には、作動ばね圧として構成されている。また、
図8において、ロック爪手段2、ロック用弾性手段4、ロック補助爪手段5及びロック用補助弾性手段6の細かい位置関係について図示したので参照されたい。
【0034】
次に、ミシン本体Aへの前記アタッチメントBの取付け、取外しについて説明する。まずは、取付けについて説明する。まず、
図5のS1(ステップ1)として、アタッチメントBを、
図3(A)において、右方向に移動させ(図示しないガイドに沿う)、ロック爪手段2及びロック補助爪手段5を受け部1に近づけて、まず接触状態させる〔
図3(B)参照〕。
【0035】
そして、
図5のS2として、アタッチメントBを、
図3(B)において、さらに右方向に移動させる(僅か)と、ロック爪手段2及びロック補助爪手段5が受け部1で左回転し始める。
【0036】
そして、
図5のS3として、アタッチメントBを、
図3(B)において、さらに右方向に移動させる(僅か)と、ロック爪手段2は受け部1に乗り上げ状態となり、さらにはロック補助爪手段5で左回転状態となっている。
【0037】
そして、
図5のS4として、アタッチメントBを、
図3(C)において、さらに右方向に移動させる(僅か)と、ロック爪手段2は受け部1に乗り上げ状態を保持し、ロック補助爪手段5も受け部1に乗り上げ状態となる〔
図4(A)参照〕。
【0038】
そして、
図5のS6として、アタッチメントBを、
図4(B)において、さらに右方向に移動させる(僅か)とその移動が停止すると共に、ロック補助爪手段5は受け部1に乗り上げ状態で保持されているが、ロック爪手段2は受け部1を抱えるようにしてロック状態となる〔
図4(C)参照〕。このとき、自動的にロックが確保される〔
図1(A)〜(C)参照〕。
【0039】
そして、
図5のS7として、アタッチメントBをミシン本体に自動ロックができる。このロック状態が確保される〔
図1(A)〜(C)及び
図4(C)参照〕。このロック行程は、実際には、瞬時に行われる。
【0040】
次に、ロック解除の行程について説明する。まず、
図7のS11(ステップ1)として、ロック状態(
図1(A)〜(B)において、ロック解除手段7に形成されたロック解除操作腕片71に設けられたロック解除ボタン71aを押す〔
図2(A)〜(B)参照〕。また、
図7のS12として、ロック解除ボタン71aを離しても、
図2(A)〜(C)の状態及び
図6(A)の状態は自己保持している。
【0041】
図7のS13として、自己保持は、ロック爪手段2の中心Ozが線分nの左側に位置しており左回転のためである。このとき、ロック補助爪手段5は受け部1に乗り上げ状態となっており、その突起片51aは固定状態で、ロック用補助弾性手段6の影響を回避している〔
図6(A)及び(B)参照〕。つまり、ロック補助爪手段5は、固定状態を保持する。
【0042】
図7のS14として、アタッチメントBを、
図6(C)及び(D)において、左方向に移動させる(僅か)と、ロック補助爪手段5が、受け部1の乗り上げ状態から僅かに下がる(下降する)。
【0043】
図7のS15として、ロック補助爪手段5に固着した突起片51aがロック用補助弾性手段6の影響を受けて下がり(下降)を開始する〔
図6(C)及び(D)参照〕。ここで、大きい値の弾性回転力Fが、ロック用弾性手段4の小さい値の弾性回転力fに打ち勝ち、正確に旧位置に戻ることも大きな利点でもある。
【0044】
図7のS16として、その瞬間に、ロック補助爪手段5が、ロック用補助弾性手段6の弾性回転力Fで右回転し、この弾性回転力Fにで、今まで自己保持していた線分nの左側に位置した弾性回転力fの力に打ち勝って、ロック爪手段2の中心Ozを線分nの右側に移行させる作用が働く〔
図6(D)参照〕。前記弾性回転力F及び弾性回転力fは作動ばね圧に該当する。
【0045】
図7のS17として、そのロック用補助弾性手段6の弾性回転力Fにてさらに右回転して、最終的な右回転位置となって、ストッパ窓部22bの側辺が突起部9cに当接して、ロック解除行程は終了する〔
図6(E)参照〕。このとき、ロック用補助弾性手段6の弾性回転力Fが、ロック用弾性手段4の小さい値の弾性回転力fに打ち勝っているために、待機状態となっており、確実なロック行程に移行できるように構成されている。このロック解除行程も、実際には、瞬時に行われる。
【0046】
特に、前記受け部1をロックしたり、解除するときの、ガイドレールなどは説明を省略した。また、前記ロック補助爪手段5は、前記ロック用補助弾性手段6の弾性力にて、時計方向(右回転)の回転方向となって、前記受け部1と前記アタッチメントBとのがたつきを無くしつつそのロック状態が維持されるように構成されている。
【0047】
図9(A)及び(B)においては、ロック用弾性手段4の別の実施形態であり、具体的には、圧縮コイルばね42を使用した場合であり、該圧縮コイルばね42の係止部9bと前記軸支3の中心Oxとの線分nにおいて、その圧縮コイルばね42の係止部22aの中心(Oz)が、前記線分の左側に位置したときには〔
図9(B)参照〕、ロック爪手段2を左回転させ、前記線分の右側に位置したときには〔
図9(A)参照〕、ロック爪手段2を右回転させる作用をなすものであり、前述の実施形態のねじりコイルばね41と同様の働きをなす。その右側又は左側は、取付方によっては逆側になることもある。
【0048】
また、
図10においては、ロック用補助弾性手段6の別の実施形態であり、具体的には、引張コイルばね62を使用した場合である。前記ロック補助爪手段5の後部に突条部53を設け、該突条部53の先端に前記ロック補助爪手段5が常時右回転(時計方向)になるように、前記引張コイルばね62を設けるものである。これは、前述の実施形態のねじりコイルばね61と同様の働きをなす。
【0049】
前記ロック爪手段2の爪箇所までの長さ、即ち、動作長さはL
2は、
前記ロック補助爪手段5の動作長さはL
1であり、
L
2>L
1なる条件を充足していることが必要である。
図4図(C)の場合には、前記ロック補助爪手段5の動作長さL
1が短くなっており、受け部1に乗り上げた状態で押えつつ、動作長さL
2が長い前記ロック爪手段2がロック状態となるものであり、これによって、確実なロック状態を保持できる。
【0050】
前記ロック爪手段2によるロック状態からロック解除動作により前記アタッチメントBが前記ミシン本体Aから離脱すると、該ミシン本体Aの受け部1からロック補助爪手段5が降りて、該ロック補助爪手段5のロック用補助弾性手段6のねじりコイルばね61などの作用によりロック待機状態にできる。また、前記ロック爪手段2をロック解除状態で自己保持している状態から解放してロック作動状態に復帰することも確実にできる。