特許第5956788号(P5956788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5956788
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月27日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20160714BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20160714BHJP
   F21W 101/14 20060101ALN20160714BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20160714BHJP
【FI】
   F21S8/10 181
   F21S8/10 382
   F21S8/10 183
   F21W101:10
   F21W101:14
   F21Y101:00
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-51547(P2012-51547)
(22)【出願日】2012年3月8日
(65)【公開番号】特開2013-187054(P2013-187054A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】西村 祐一郎
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−243814(JP,A)
【文献】 特開平11−007809(JP,A)
【文献】 特開2003−257213(JP,A)
【文献】 特開2010−061841(JP,A)
【文献】 実開昭63−099703(JP,U)
【文献】 特開2011−165552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口したハウジングと、当該ハウジングの前面開口を覆うレンズと、によって画成された灯室内に収容されたエクステンションを備える車両用灯具において、
前記エクステンションの外側面には、前記灯室の外側に向けて突設された突設部が形成されており、
前記ハウジングの周縁部には、前方へ開口した形状に形成されて前記エクステンションの前記ハウジング側の端部を収納する収納部が複数設けられており、
前記収納部内には、前記エクステンションの移動を規制して当該エクステンションを位置決めするためのリブが形成されており、
前記リブは、前記収納部内の内側面から外側に向かって突出した第1の突出部と、前記収納部内の後方側の面から前方に向かって突出した第2の突出部とを備えて構成され、
前記ハウジングと前記レンズとが、互いの周縁部を前後方向に嵌合されると共に、当該周縁部の近傍で前記エクステンションの前記突設部を前後方向に挟持しつつ、当該エクステンションの前記端部を前記リブの前記第1の突出部と前記第2の突出部とに当接させていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記ハウジングの周縁部のうち前記収納部よりも外側には、前方へ開口する凹部が全周に亘って設けられ、
前記レンズの周縁部には、後方へ突出する凸部が全周に亘って設けられ、
前記灯室は、前記ハウジングの前記凹部に前記レンズの前記凸部が前方から挿入されることでシールされるシール部を有し、
前記シール部は、前記凹部及び前記凸部の近傍で前記エクステンションの前記突設部を挟持することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記エクステンションは、前記ハウジング及び前記レンズの前記周縁部における内側に沿った全周に亘って環状に形成されており、
前記突設部が、当該エクステンションの略全周に亘って形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用灯具に関し、特に灯室内にエクステンションを備える車両用灯具に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される各種の車両用灯具においては、灯室内にエクステンションを設けているものが広く知られている。このエクステンションは、前面が開口したハウジングと、当該ハウジングの前面開口を覆うレンズとで画成された灯室の内部に収容されており、一般に、ハウジング又はレンズに対して締結部材(例えば、ねじ)を用いて締結固定されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような車両用灯具では、灯室内にエクステンションを設けることにより、灯室内の外部から視認されることが好ましくない隙間部分等を遮蔽するなどして、主に見栄えを良くすることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−87787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、エクステンションをねじで締結固定する構造では、当該ねじを用いる分、部品点数が増加するうえ、当該ねじによる締結作業を必要とする分、組立工数も増加するため、製造コストの点で改善の余地があった。
【0006】
また、この構造では、ハウジング又はレンズに設ける雌ねじ部(雌ねじが形成されるボス部)によって灯室内のスペースが圧迫されるうえ、ねじの締結方向によっては締結工具用の作業スペースを灯室内に確保しなければならないため、灯室内レイアウトの自由度が制限される問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、従来に比べ、低コスト化を図ると共に、灯室内レイアウトの自由度を向上させつつ、エクステンションを固定することができる車両用灯具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
前面が開口したハウジングと、当該ハウジングの前面開口を覆うレンズと、によって画成された灯室内に収容されたエクステンションを備える車両用灯具において、
前記エクステンションの外側面には、前記灯室の外側に向けて突設された突設部が形成されており、
前記ハウジングの周縁部には、前方へ開口した形状に形成されて前記エクステンションの前記ハウジング側の端部を収納する収納部が複数設けられており、
前記収納部内には、前記エクステンションの移動を規制して当該エクステンションを位置決めするためのリブが形成されており、
前記リブは、前記収納部内の内側面から外側に向かって突出した第1の突出部と、前記収納部内の後方側の面から前方に向かって突出した第2の突出部とを備えて構成され、
前記ハウジングと前記レンズとが、互いの周縁部を前後方向に嵌合されると共に、当該周縁部の近傍で前記エクステンションの前記突設部を前後方向に挟持しつつ、当該エクステンションの前記端部を前記リブの前記第1の突出部と前記第2の突出部とに当接させていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用灯具において、
前記ハウジングの周縁部のうち前記収納部よりも外側には、前方へ開口する凹部が全周に亘って設けられ、
前記レンズの周縁部には、後方へ突出する凸部が全周に亘って設けられ、
前記灯室は、前記ハウジングの前記凹部に前記レンズの前記凸部が前方から挿入されることでシールされるシール部を有し、
前記シール部は、前記凹部及び前記凸部の近傍で前記エクステンションの前記突設部を挟持することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用灯具において、
前記エクステンションは、前記ハウジング及び前記レンズの前記周縁部における内側に沿った全周に亘って環状に形成されており、
前記突設部が、当該エクステンションの略全周に亘って形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ハウジングとレンズとが互いの周縁部を前後方向に嵌合させつつ、エクステンションの外側面に突設された突設部を前後方向に挟持しているので、ハウジングとレンズとの嵌合に伴って、当該エクステンションが固定される。これにより、エクステンションをねじによってハウジング又はレンズに締結固定していた従来と異なり、ねじ自体が不要となることは勿論のこと、ねじの締結作業をも不要としつつ、エクステンションを固定することができる。従って、従来に比べ、部品点数や組立工数を低減させて低コスト化を図りつつ、エクステンションを固定することができる。
【0013】
また、ハウジングとレンズとが、互いに前後方向に嵌合された周縁部の近傍で、エクステンションの突設部を前後方向に挟持しているので、ハウジングとレンズとが互いに接触する嵌合部分において当該ハウジングとレンズとにエクステンションの突設部が挟持されて、当該エクステンションが固定される。これにより、エクステンションをねじによってハウジング又はレンズに締結固定していた従来と異なり、ハウジング又はレンズに雌ねじ部(雌ねじが形成されるボス部)を設ける必要も、締結工具用の作業スペースを灯室内に確保する必要もなく、また、エクステンションの突設部を挟持するための部位を新たに設ける必要もなく、エクステンションを固定することができる。従って、従来に比べ、エクステンションの固定に要する灯室内のスペースを減らして灯室内レイアウトの自由度を向上させつつ、エクステンションを固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る車両用灯具の一実施形態を示す正面図である。
図2図1のA−A線における断面を示す断面図である。
図3図1のB−B線における断面を示す断面図である。
図4図1のC−C線における断面を示す断面図である。
図5図1のD−D線における断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る車両用灯具1の一実施形態を示す正面図であり、図2図5は、図1のA−A線〜D−D線における断面を示す断面図である。なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具1から見た方向を意味するものとする。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る車両用灯具1は、例えば図示しない車両の前部に搭載される正面視略矩形状等の形状からなる補助前照灯(フロントフォグランプ)である。かかる車両用灯具1は、前面が開口したハウジング2と、当該ハウジングの前面開口を覆う素通しのレンズ3とを備えており、これらハウジング2とレンズ3とによって灯室4が画成されている。なお、レンズ3はポリカーボネート等の光透過性(透光性)を有する材料からなり、光を素通しするものとしているが、レンズ作用を有するものとしてもよい。
【0017】
ハウジング2とレンズ3とで画成された灯室4の内部には、ハウジング2の後面に固定されたフィラメント(図示省略する)を有する光源としてのバルブ5や、当該バルブ5から出射された光を反射させるリフレクタ6の他、ハウジング2及びレンズ3の周縁部における内側に沿った全周に亘って環状に形成されるエクステンション7が収容されている。なお、バルブ5やリフレクタ6の構造については、一般的な各種構造のものを広く適用できるため、ここでは詳細な説明を割愛する。
【0018】
エクステンション7は、灯室4内のリフレクタ6前端側からレンズ3前端側に亘って前後方向に延在して設けられ、略矩形筒状に形成されている。また、エクステンション7の外側面には、灯室4の外側に向けて突設された突設部71が、当該エクステンションの略全周に亘って形成されている。
【0019】
ここで、灯室4を画成するハウジング2とレンズ3とは、互いの周縁部で前後方向に嵌合されている。具体的に、ハウジング2の周縁部(開口の周縁部)には、前方へ開口する凹部21がその全周に亘って形成されている。またレンズ3の周縁部(ハウジング2の開口に対峙する周縁部)には、後方へ突出する凸部31が全周に亘って形成されている。
【0020】
そして、ハウジング2とレンズ3とが、互いの周縁部(凹部21及び凸部31)を前後方向に嵌合されると共に、当該周縁部の近傍でエクステンション7の突設部71を前後方向に挟持するようにして灯室4を画成している。
【0021】
このとき、灯室4は、ハウジング2の凹部21にレンズ3の凸部31が前方から挿入され、接着剤などを用いたホットメルト等の手法によってシールされるシール部41を有しており、このシール部4によって灯室4内の気密性が保持されるようになっている。また、シール部41では、凹部21及び凸部31が嵌合することによって、これら凹部21及び凸部31の間にエクステンション7の突設部71を挟持するようになっている。
【0022】
本実施形態の場合、図3図5に示すように、このシール部41では、ハウジング2の周縁部(開口の周縁部)に全周に亘って形成される凹部21のうち数箇所において、当該凹部21の近傍に同じく前方へ開口し、エクステンション7のハウジング2側の端部72を収納する収納部22が設けられている。
【0023】
具体的には、ハウジング2の周縁部(開口の周縁部)のうちの数箇所が前方へ開口した隣接する凹部21と収納部22とによって、断面W字状の形状をなしている。また、この収納部22内には、エクステンション7の移動を規制して当該エクステンション7を位置決めするためのリブ23が形成されている。このリブ23は、収納部22内における下方側から上方に向かって突出した形状と、後方側から前方に向かって突出した形状と、の2タイプからなり、それぞれが適宜、配置されている。
【0024】
また、エクステンション7は、突設部71をハウジング2の凹部21とレンズ3の凸部31との近傍で挟持される際、当該車両用灯具1の側部側において、突設部71がレンズ3と当接するようになっている(図5参照)。これにより、エクステンション7はシール部41において、突設部71がレンズ3を支えるリブとして機能するようになっている。
【0025】
かかるハウジング2とエクステンション7とを組み付ける際、エクステンション7がハウジング2側に端部72を有する部分において、当該端部72を収納部22内に収納する。この状態で、ハウジング2に対してレンズ3が組み付けられると、当該レンズ3は、ハウジング7との間で突設部71を挟持しつつ、エクステンション7の端部72をリブ23に当接させる。これにより、エクステンション7はハウジング2とレンズ3との間で位置決めされる。
【0026】
このようにして、エクステンション7はシール部41において、突設部71をハウジング2の凹部21とレンズ3の凸部31との近傍で挟持される際、レンズ3によってハウジング2側の端部72がリブ23と当接させられることにより、ハウジング2に支えられるため、その移動が規制され、ハウジング2及びレンズ3の間における位置決めを精度よく、容易に行うことができるようになっている。
【0027】
また、ハウジング2とレンズ3とは、それぞれ周縁部に設けられた複数(この場合、3箇所)のフック部8と、複数(この場合、4箇所)の係止部材(例えば、フックプレート9)とによって、外周側が組み付けられている。フック部8は、例えば車両用灯具1の下方側に配置され、図示省略する孔部と爪部とを備えており、ハウジング2及びレンズ3のいずれか一方に孔部が、他方に爪部が設けられている。そして、これら孔部と爪部とが嵌合して係止することにより、ハウジング2とレンズ3とを組み付けた状態で固定保持するようになっている。フックプレート9は、組み付けられた状態のハウジング2とレンズ3との周縁部に外方から前後方向を覆うように係合され、これらハウジング2とレンズ3とを固定保持する。これにより、ハウジング2とレンズ3とが前後方向に離間することを防止するようになっている。
【0028】
従って、かかる構造の車両用灯具1では、ハウジング2とレンズ3とが凹部21及び凸部31との近傍でエクステンション7の突設部71を挟持した状態で上述のようなシール部41によってシールされ、且つ、当該突設部71を挟持した状態で組み付けられたハウジング2とレンズ3とをフック部8及びフックプレート9によって固定保持される。従って、シール部41においてハウジング2とレンズ3とをシールする外力が、ハウジング2とレンズ3との互いの周縁部(凹部21及び凸部31)における前後方向へと伝わるため、これらハウジング2とレンズ3との間(凹部21及び凸部31の近傍)に突設部71を挟持することで、エクステンション7の締結を成立させる(換言すれば、エクステンション7をハウジング2及びレンズ3に締結する)ことができるようになっている。
【0029】
以上、説明したように本実施形態の車両用灯具1によれば、ハウジング2とレンズ3とが互いの周縁部を前後方向に嵌合させつつ、エクステンション7の外側面に突設された突設部71を前後方向に挟持しているので、ハウジング2とレンズ3との嵌合に伴って、当該エクステンション7が固定される。これにより、エクステンション7をねじによってハウジング2又はレンズ3に締結固定していた従来と異なり、ねじ自体が不要となることは勿論のこと、ねじの締結作業をも不要としつつ、エクステンション7を固定することができる。従って、従来に比べ、部品点数や組立工数を低減させて低コスト化を図りつつ、エクステンション7を固定することができる。
【0030】
また、ハウジング2とレンズ3とが、互いに前後方向に嵌合された周縁部の近傍で、エクステンション7の突設部71を前後方向に挟持しているので、ハウジング2とレンズ3とが互いに接触する嵌合部分(シール部41)において当該ハウジング2とレンズ3とにエクステンション7の突設部71が挟持されて、当該エクステンション7が固定される。これにより、エクステンション7をねじによってハウジング2又はレンズ3に締結固定していた従来と異なり、ハウジング2又はレンズ3に雌ねじ部(雌ねじが形成されるボス部)を設ける必要も、締結工具用の作業スペースを灯室4内に確保する必要もなく、また、エクステンション7の突設部71を挟持するための部位を新たに設ける必要もなく、エクステンション7を固定することができる。従って、従来に比べ、エクステンション7の固定に要する灯室4内のスペースを減らして灯室4内におけるレイアウトの自由度を向上させつつ、エクステンション7を固定することができる。
【0031】
また、ハウジング2の周縁部には、前方へ開口する凹部21が全周に亘って設けられ、レンズ3の周縁部には、後方へ突出する凸部31が全周に亘って設けられると共に、灯室4は、ハウジング2の凹部21にレンズ3の凸部31が前方から挿入されることでシールされるシール部41を有しており、シール部41は、凹部21及び凸部31の近傍でエクステンション7の突設部71を挟持するので、シール部41においてハウジング2とレンズ3とをシールする外力が、ハウジング2とレンズ3との互いの周縁部(凹部21及び凸部31)における前後方向へと伝わるため、これらハウジング2とレンズ3との間(凹部21及び凸部31の近傍)に突設部71を挟持することで、エクステンション7の締結を成立させる(換言すれば、エクステンション7をハウジング2及びレンズ3に締結する)ことができる。すなわち、エクステンション7をねじによってハウジング2又はレンズ3に締結固定していた従来と異なり、ねじ自体が不要となることは勿論のこと、ねじの締結作業をも不要としつつ、エクステンション7を固定することができる。かくして、従来に比べ、部品点数や組立工数を低減させて低コスト化を図りつつ、エクステンション7を固定することができる。
【0032】
また、エクステンション7は、ハウジング2及びレンズ3の周縁部における内側に沿った全周に亘って環状に形成されており、突設部71が、当該エクステンション7の略全周に亘って形成されているので、ハウジング2とレンズ3とを、互いの周縁部(凹部21及び凸部31)で前後方向に嵌合させる際に、当該周縁部の近傍で突設部71を前後方向に挟持させることができる。すなわち、ハウジング2とレンズ3とが互いの周縁部を前後方向に嵌合させつつ、エクステンション7の突設部71を前後方向に挟持することができるので、ハウジング2とレンズ3との嵌合に伴って、当該エクステンション7が容易に固定される。これにより、エクステンション7をねじによってハウジング2又はレンズ3に締結固定していた従来と異なり、ねじ自体が不要となることは勿論のこと、ねじの締結作業をも不要としつつ、エクステンション7を固定することができる。従って、従来に比べ、部品点数や組立工数を低減させて低コスト化を図りつつ、エクステンション7を固定することができる。
【0033】
ところで、本実施形態の車両用灯具1では、エクステンション7をねじによってハウジング2又はレンズ3に締結固定していた従来と異なり、ハウジング2とレンズ3とを、互いの周縁部(凹部21及び凸部31)で前後方向に嵌合させる際に、当該周縁部の近傍で突設部71を前後方向に挟持させることでエクステンション7をハウジング2及びレンズ3間に固定(締結)している。従って、上述した従来に比べて、ハウジング2及びレンズ3の間におけるエクステンション7の位置決め精度が要求されるものの、ハウジング2(開口の周縁部のうちの数箇所に設けられる凹部21と隣接して前方へ開口した収納部22内)には、エクステンション7の移動を規制して当該エクステンション7を位置決めするためのリブ23が形成されており、レンズ3は、ハウジング7との間で突設部71を挟持しつつ、エクステンション7(ハウジング2側の端部72)をリブ23に当接させているので、ハウジング2及びレンズ3の間におけるエクステンション7の位置決めを精度よく、容易に行うことができる。これにより、ねじの締結作業を不要としつつ、エクステンション7を固定することができ、従来に比べ、部品点数や組立工数を低減させて低コスト化を図ることができる。
【0034】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0035】
例えば、上述の実施形態では、車両用灯具1として補助前照灯(フロントフォグランプ)を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、車両用灯具としてはこの他、前照灯(ヘッドランプ)や、尾灯(テールランプ)等の種々の車両用灯具に広く適用することができる。
【0036】
また、上述の実施形態では、車両用灯具1の光源として、フィラメントを有するバルブ4を適用する場合について述べたが、本発明に係る光源としては、フィラメントを有するバルブに限定されず、この他、フィラメントを有していない放電バルブや、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)に代表される発光素子等を広く適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 車両用灯具
2 ハウジング
21 凹部
22 収納部
23 リブ
3 レンズ
31 凸部
4 灯室
41 シール部
5 バルブ
6 リフレクタ
7 エクステンション
71 突設部
72 端部(ハウジング2側の端部)
8 フック部
9 フックプレート
図1
図2
図3
図4
図5